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青年戦線

【パンフ案内】青年戦線 第182号ができました

YF表紙青年戦線 第182号ができました。

■購読申し込み先

400円(送料:1冊80円)

編集発行

日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会

東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付

電話 03-3372-9401
FAX 03-3372-9402
 



 

青年戦線 第182号(2012.12.24/400円)誌面案内 

●アジ連講座:労働者を襲う搾取・失業・被曝労働に抗して 

●「除染作業」の問題点は何か      

●ブックレット『原発事故と被曝労働』

●報告

7.16さようなら原発1000万人アクション/8.11 2012平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動/8.15反「靖国」行動/9.9沖縄県民大会と同時アクション/10.13反IMF・世銀行動/10.31東電前アクション!Jパワー抗議/11.16日印原子力協定反対!首相官邸前行動/11.17東京都総合防災訓練反対/11.28三里塚・横堀団結小屋破壊糾弾!/12.5竪川 野宿者排除糾弾 

●ブラック企業を斬る!  

●尖閣をめぐる領土主義に反対する    

●新たな情勢認識の上で釣魚台運動を考える

●中国共産党第18回全国代表大会

●読書案内『市民蜂起』

青年戦線 第180号ができました

yf180■青年戦線 第180号ができました。目次とJCYアピールを紹介します。ぜひ購読を


青年戦線 第180号 


400円(送料:1冊80円)
発行日 2011年5月23日
編集発行
日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会
東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付
電話 03-3372-9401
FAX 03-3372-9402


青年戦線180号目次
 

■JCYアピール                
■10.29アジア連帯講座
広がる放射能汚染 緩められる基準にNO!
 6.11脱原発100万人アクション       
■9.11再稼働反対・脱原発アクション
■9.19さようなら原発1000万人アクション   
■11.6もうアッタマにきた ふざけんな東電  
■11.11再稼働反対!全国アクション    
■8.13 2011平和の灯を!ヤスクニの闇へ 
■8.15反「靖国」行動
■声明 8.15反『靖国』行動
■6.4アジア連帯講座 中東民衆革命はどこへ
■三里塚一坪共有地裁判で相次ぐ不当判決      
■1989年の「北京の春」と労働者の闘争

 

日本共産青年同盟(JCY)アピール

破綻した資本主義システムはいらない!
脱原発・核廃絶の世界を実現しよう


 新・「巻き返し政策」の黎明


 3・11を境に日本は変わった――程度の差こそあれ、誰もがそう感じていると思う。政治を取り巻く情勢も大きく変化したものの一つといえるであろう。原子力発電所の稼動・建設に反対するデモに若者が大勢繰り出す、こんなことは昨年からは想像しえない光景であり、運動に強い追い風が吹いていることを確信させられる。しかし今、逆風のふいごに強靭な足が掛けられているのもまた事実である。権力はこわれたパズルのピースを、元に戻すふりをして都合よく組み替えてしまおうとしている。

 脱原発運動の高まりは時の首相・菅から原発懐疑発言を引き出したが、野田新首相は代表選の公約で「安全性を確認した原発の活用で電力安定供給」することを訴え、福島原発事故によって脆くも崩れ去った原発安全神話のよき宣教師となっている。彼のひたむきな伝道欲はあまねく世界にも向いており、「(原発の)危険性と安全対策を伝えることは、震災後の日本だからこそできる新しい国際貢献でもあります。」との説法で、どうにも結びつかない原発輸出と国際貢献とを神秘的にもイコールの両辺に置いてしまった。

 資本の、資本による、資本のための政治へ

 このリンカーンの名言も、実情、資本に置き換えた方がしっくりくるのは嘆かわしいことだ。

 野田政権は党内各グループ、自民党と公明党、日本経団連など財界との関係修復を喫緊の課題としており、「社会保障と税制の一体的改革」「復興財源確保」と銘打った政策に動いている。名称は見目麗しいが、内容は実に凶暴な性格を帯びている。11月21日に成立した第三次補正予算では、所得税・住民税が大幅に引き上げられる一方、法人税は形式的には増税されたように見えるものの実質的には大減税となるカラクリが用意されているのである。また政権は消費税率の引き上げや福祉政策の切捨ても示唆しており、「人民」を「資本」に書き換える気が満ち満ちているようだ。

 加えて野田はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加に向けた協議に突入することを公言し、いっそう反人民色を強めている。ここでも彼は「世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村は断固として守り抜く」「分厚い中間層によって支えられる安定した社会の再構築を実現する」との明らかな矛盾を平気で述べる離れ業を披露しているのである。


 親米右派政権の本質


 もちろん、普天間基地移設問題を巡ってほころびの露見したアメリカ合衆国との関係も、政権にとって人民の生活より重大な懸案事項である。9月13日の所信表明で野田は「即応性、機動性などを備えた動的防衛力を構築」するとし、米国の軍事戦略を能動的に補完する「日米同盟深化」を掲げた。また「脆弱国家支援」と称して、ソマリア、アフガニスタンといった地域へ積極的介入を行う米国の肩代わりを買ってでようと目論んでいる。これも一見国際貢献の美徳を積むようでありながら、植民地主義の実践と海外派兵の既成事実づくりに他ならないのである。

 野田首相、前原政務調査会長らは日本の侵略戦争を正当化しかねない保守派の論客として高名であり、過剰に中国脅威論を振りまいて自衛隊武器使用範囲の拡大を狙っている右翼的勢力である。それでいて、沖縄の人々を一顧だにしないのである。

 野田が自認する「どじょう政権」の名は、庶民的で腰の低い政治、といったイメージを想起させる。だがこの「庶民的」の実態とは、小農や漁民を犠牲にして大資本を助けることや、復興より大企業優遇を重んじること、人民の安全を犠牲にして技術を売り込むことである。「腰が低い」とは、あからさまでなく、言葉のオブラートに包んで苛烈な政策を遂行することなのである。

 この「どじょう」を被った政権の本質を暴露し、明確にNOの声をあげていこう!


 普天間基地閉鎖 辺野古・高江を守ろう
 

 10月から11月にかけて野田首相とその閣僚達は米側の「普天間代替」基地建設の手順のひとつである環境アセスの評価書の年内提出をにおわしたり、説得のために沖縄を訪問してみせたり、アメリカ支配層向けのパフォーマンスをしている。TPPと同じく、反対の意見をゆさぶるために用いる得意の方法だ。追加資料で新たな施設や飛行経路が明らかになり、オスプレイの使用も明記されていないという、根本的な不備に触れないままの評価書である。2012年にも配備が画策されるオスプレイについては10万回飛行で1・28回の事故率であり危険ではないと日米政府は公表した。実際には数億円の機体損傷につながった事故など数件を統計に含めていないといわれている。


 それに加え、自らの環境アセス強要をレイプにたとえ、いみじくも日米政府と沖縄との関係を暴露することとなった田中聡沖縄防衛局長の沖縄差別・女性差別発言に対して、沖縄では「許しがたい暴言」という怒りの声がうずまいている。この暴言を許さず、沖縄民衆の怒りに連帯し、男主義の最たる象徴である基地・軍隊は解体するしかない。

 もはや滑走路がV字、I字、何字であろうが、海の破壊と引き比べても、県民に対しなんらの「振興策」をもたらさないこと、飛行経路と訓練の危険度が無政府的に拡大することをほとんどの沖縄県民は理解している。それは鳩山政権時の8万人県民大会などを経て勝ち取った教訓である。

 1月に交通事故を起こして不起訴になっていた米軍属が起訴されるというニュースは、度重なる被害者、遺族のたたかいが日米地位協定にまた一つの風穴を開けたあかしだといえる。ただF15機などの事故頻発を含め、抜本的な住民被害根絶に遠いいま、米軍基地増設とそれにともなう米兵犯罪という図式は、基地機能拡張のための別の部分にすりかえられているといえる。その特徴として、円高を含めたアメリカ側の財政負担の膨張と軍事プレゼンスの変容、日本の不安定就労の増加とナショナリズムの極端化ということだといえる。


 NO 天皇制・侵略戦争賛美教科書


 いわゆる「つくる会」系歴史教科書は2011年も横浜市をはじめ育鵬社等の採択地区数を延ばしたが、そのずさんな、密室政治によって動く茶番が、最も無残な戦争被害を経験した沖縄でも繰り広げられた。8月に八重山採択地区協議会が中学校公民教科書に育鵬社版を答申すると、同じ版の採択で追随した石垣市、与那国町とは逆に、東京書籍版を採択した竹富島教委に対し、中川文科相は「教科書を自費で購入しろ」という発言をして沖縄県民の反発を呼んだ。その根拠は採択地区は同じ教科書でなければならないという教科書無償法を論拠としているが、結果として文科省もつくる会系教科書の拡大に加担していることが一層明白になったのである。


 その分教科書の内容が妥当かどうかという議論をつくる会教科書容認派は意図的に避けている。今回は沖縄県での歴史教科書でこそ、つくる会系教科書版採択は強行されなかったが、天皇制と家父長制強化、9条を押し付け憲法とする改憲論、米軍基地被害の軽視、原発推進など盛り込まれたこの教科書を、ヤマト政府に散々国策のつけを払わされた沖縄で導入することは最も許されない行為である。


 しかし公民教科書であろうと、とんでもない教科書採択を強行したことは、2007年の11万人県民大会での歴史改ざんを許すなという声を切り崩そうとする右派勢力の卑劣な攻撃が新たな段階を迎えたこととして受け止めなければならない。沖縄の動向だけでなく、同様に横浜市など多くの自治体で図られたつくる会系教科書を流布しようとする策動をひっくりかえすことで、沖縄への連帯を表現するしかないのである。

 そして尖閣「騒動」を利用して対中国境軍備と称して与那国島へ2015年までに自衛隊を配備しようという画策も日本政府はちらつかせており、その手法自体に反対しなければならない。ナショナリズムの扇動による自衛隊の実働部隊化と、米軍による徹底した統制システムの構築、基地機能維持の資金源としての日本政府のあり方は、「沖縄返還時」の沖縄密約の構造を保ったまま、緊密度を深めている。再開した米軍北部訓練場高江ヘリパッド建設工事と辺野古建設計画も白紙撤回まで油断はできない。沖縄をはじめとするすべての米軍基地、自衛隊基地を廃棄するまでたたかおう。


 すべての原発をただちに止めろ


 福島第一原発事故は終わっていない。政府は「年内の冷温停止」という目標を掲げているが、簡単には収束しない。原発事故は、大量の放射能を大気中や海に放出した。原子力安全保安院でさえ、放射性セシウムの量は広島型原爆の168倍としている。9か月を過ぎようとする現在も、放出し続けている。いまだに、原子炉に人間が近づくこともできない。内部がどうなっているのか、だれにもわからない。

 原発周辺の住民は、事故直後、政府の「念のための避難」という言葉で避難を始めたが、いまだに戻ることができない。数万人が短期間に住まいや生活の場を失った。戦後、さまざまな公共事業で強制収用や立退きがあったが、今回の事故による避難はそれらを上回るものといえるだろう。避難した人たちは、今後の生活や住まいがどうなるのか、まったく見通せない状況にある。また、十分な生活保障も受けていない。賠償金は、加害者である東京電力が査定するという仕組みになっている。

 今、政府や福島県は除染に力をそそいでいる。しかし、効果は少なく、二次被害の可能性もある。避難地域を少なく見せ、県外への人口の流失をとめるのが目的であり、住民の安全は二の次だ。除染作業にあたる人の健康被害はもとより、効果の少ない除染で、結果的に放射線量の多い場所での生活が強いられることになる。とりわけ、子どもたちへの影響が心配される。

 また、政府は長期低線量被曝や内部被曝の影響を過少評価している。ヒロシマ・ナガサキの原爆被害、チェルノブイリ原発事故の経験からから、健康に被害があることがわかっている。しかし、日本政府は、原発推進の立場から、過少評価をしている。

 食品の放射能基準見直しにその姿勢が表れている。これまでは、外部被曝と内部被曝を合わせて年間1ミリシーベルトであったものが、食品による内部被曝だけで年間1ミリシーベルトに緩めようとしているのだ。

 仮に、影響がはっきりとしないとしても、被ばくをさける努力をするべきだ。いま、政府が行っているのは、「放射能安全神話」の布教ともいうべきものだ。

 しかし、一方で放射能に対する過剰反応は、福島の人々をはじめ原発による被災者にたいする差別や人権侵害をもたらしている。このことにも注意しなければならない。

 発電所での被曝労働のほとんどは下請けであったり、東京電力が供給する管内に原発はなく、福島県は東北電力から電力の供給を受けている。原子力発電は、ウラン鉱の採掘、加工、原発の立地、運転、廃棄物の処理保管、あらゆる場面で差別体系の上に成り立っている。ここに、あらたな差別を加えてはならない。

 原発は人類と共存できないことも確認しておこう。原発は運転することで、さまざまな放射性物質、核廃棄物を作り出す。廃棄物は処理することができない。その一つ、プルトニウム239の半減期は2万4000年だ。日本では、最終処分場の場所さえない。六ヶ所村に建設中の再処理工場は、プルトニウムを取り出すためのものである。再処理工場を動かすと、原発1年分の放射能を1日で出し、元の使用済み燃料に比べ200倍もの廃棄物を生み出す。

 使用済み燃料の多くが、運転中の原発内で保管されている。まもなく満杯となる。すくなくとも数百年の管理が必要と言われているが、その保管場所さえ決まっていない。はたして、この社会が数百年後も続いているのだろうか。

 未来に大きなツケを残す原子力発電はただちに止めなけれなならない。


 脱原発社会に向かって
 

 脱原発は経済優先社会との決別である。原発は石油など化石燃料よりも安いとされてきた。ウランの埋蔵量は、石油よりも早く枯渇すると言われている。にもかかわらず、安いのは、産出国(アメリカ、オーストラリア、南アフリカ)が政治的に安定しているからだ。また、原発は1基4000億円、リスクのない事業だ。日本は事故にもかかわらず、ベトナムなどに輸出しようとしているのは道義的にも許せない行為だ。

 脱原発を決めることは民主主義の試金石である。原発の出発点は、原爆開発のマンハッタン計画にある。戦争に勝つための新兵器開発という政治的意図が、軍事機密のもとで膨大な資金と人員を動員して作り上げた。核兵器用プルトニウム作り出すのに開発されたのが原発だ。戦後、放射能の影響を隠し、平和利用の名のもと推進されたのが原子力発電だった。政治的決断で作り出されたものは、人間の手によって終わらせることができる。軍事力支配と利権と決別する社会をめざし、脱原発を実現しよう。


 われわれは99%だ


 「あんたらは1%、われわれは99%だ!」――金融帝国主義の心臓部であるウォール街に青年たちの声が響いた。マスコミでは「反格差デモ」などと呼ばれているが、明確に反資本主義の意識を持った「ウォール街を占拠せよ!」運動が打ち出した、ごく一部の富裕層と圧倒的大多数の貧困層を鮮烈に対比するスローガンだ。

 この運動は、今年初めから続くチュニジアやエジプトの新自由主義独裁政権を打倒した「ジャスミン革命」、社会保障切り捨てや貧富の格差、そして民主主義の問題を大衆的に提起する広場占拠運動であったスペインの5月15日運動(M―15)の息吹を引き継ぐものであり、だからこそこのスローガンとともに運動は全世界に広がった。

 資本の運動の最深部である労働現場における蜂起からはいまだ距離があるとはいえ、未曾有のマネー投入によって金融市場を麻痺させて恐慌の本格的勃発を先延ばしすることでしか、危機に対処することができなくなっているブルジョアジーらの混乱状況と対比すると、この一連の世界的運動が今後の社会運動に与える影響は計り知れないだろう。


 金融危機ではなく金融詐欺


 2008年9月のリーマンショックから三年が過ぎた今も世界経済の大混乱は一向に収束を見せる気配がない。危機は金融グローバル資本主義の中心の一つであるアメリカから世界中に伝播し、いまもうひとつの中心であるヨーロッパを襲っている。

 欧米日の多国籍金融資本によって流し込まれた膨大なマネーによって、ギリシャやポルトガルなど欧州の周辺国は返済不能の巨額の負債を抱えることになった。危機を先送りにするためにあらゆる金融工学という「錬金術」が駆使されたが、それはあっけなく破綻を迎えた。

 この一連の危機に対して「M―15」の参加者からは「これは金融危機ではなく金融詐欺だ!」という鮮烈なアピールが発せられている。返済のあてもないほど巨額の負債を抱え「国家破たん」の危機にあるギリシャでは、ドイツやフランスなどの多国籍金融資本の詐欺師どもが貸し付けた資金の回収に躍起になっている。IMFからギリシャへの緊急融資はギリシャを素通りしてドイツやフランスの詐欺師どもの懐に流れ込む。ギリシャに残されるのは、さらなる借金と労働者民衆に対する社会保障の切り捨てである。まさに「金融詐欺」そのものだ!

 11月初めにフランス・カンヌで開催されたG20サミットでは、金融規制に一切踏み込むこともなく、危機に瀕した世界経済におびえながら資本主義延命を願う宴が催されたが、近郊の都市ニースには資本主義葬送の鐘をかき鳴らす世界の社会運動が集まりG20反対の声を上げた。


 多国籍資本に奉仕するTPP・自由貿易政策


 欧米金融市場の大混乱は日本経済にも大きな影響を及ぼしている。この「東洋の詐欺師たち」も欧州経済の激変におびえている。90年代のバブル崩壊後、公的資金や国債など民衆へのツケによって危機を乗り切った日本の金融資本のトップである三菱UFJ、みずほ、三井住友のメガバンク3行の欧州重債務国(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)向けの貸付残高は約2兆円に上っている。

 ごくわずかの利ザヤで巨額のマネーが世界中を駆け巡る仕組みによって規模を拡大してきたグローバル金融市場のルールそのものによって資本主義は危機に直面している。リスク回避の投機マネーが大量に円に流れ込んだ結果、空前の円高状況をもたらしている。

 日本政府は10月31日に10兆円規模の単独の為替介入に踏み切り円高に歯止めをかけようとしたが焼け石に水であった。自動車など輸出を中心とした産業ブルジョアジーにとって予想外の円高水準は大きな足かせになることから、資本家とそれをささえる労働官僚らに奉仕する民主党政権は、為替政策をはじめTPPなど自由貿易政策においても、国内外の労働者・農民・消費者の犠牲のうえに無政府的な経済政策を進めざるを得ない。製造業の海外製造比率はこの10年で11%から20%近くにまで倍増し、海外からの部品調達も増加傾向にある。

 TPPをはじめとする貿易や金融の自由化とは、海外に拠点を構えた日本の多国籍資本の企業内取引への支障を緩和し、海外で稼いだ利益をよりスムーズに日本国内をはじめ全世界に再投資できる環境を整えるためでもある。自国帝国主義打倒のスローガンはいまでも有効だ。


 われわれは100%だ


 投機マネーの原初形態である利子生み資本の源泉は100%労働者が生み出した剰余価値である。現在の投機マネーは、その剰余価値を何年も、何十年も先どりする形で、みにくくふくれあがっている凶暴な幻影にすぎない。グローバル金融詐欺師や資本家どもは1%の価値さえも創り出しはしない。「あんたらは0%、われわれは100%だ!」という反資本主義左翼のスローガンを掲げ、職場で、学園で、街頭で、広場で苦闘する全世界の仲間と共に、搾取も差別も戦争もないもう一つの世界を創り出そう!

 

青年戦線・第179号ができました

yf青年戦線・第179号ができました。誌面案内、日本共産青年同盟(JCY)アピールを紹介します。


青年戦線(400円)
第179号 2011.5.23


誌面案内 

・JCYアピール
・東日本大震災と福島原発事故3.27再処理とめたい!首都圏市民のつどい 
・4.10浜岡原発すぐ止めて! 市民集会とデモ  
・4.24原発とめよう! 東京ネットワーク    
・ヒット曲で反原発を歌う ・検証 東京都青少年健全育成条例改正を読む  
・『資本論』から読み解く危機と失業      
・三里塚一坪共有地裁判 土地強奪許すな!


購読申込先:日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会 東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付 電話 03-3372-9401
FAX 03-3372-9402      



JCYアピール


戦争と搾取が支配する資本主義システムの変革を!
すべての原発は停止だ!脱原発社会の実現


地震・原発事故被災者の生活再建を


  2011年3月11日午後、東北関東沖を震源とする最大級の大地震と大津波が発生し太平洋沿岸を中心に多くの人命が奪われ壊滅的な被害を受けた。さらに、福島第一原発は地震で緊急停止し、津波で全電源を失い制御不能となり、原子炉の温度が上昇し火災と水蒸気爆発を繰り返し、放射性物質を放出し、炉心溶融という最悪の事態となった。周辺30キロの住民は避難を命じられ、その圏外も避難の対象に指定されるに至った。


 震災から2ヶ月になろうとしているが、被災の全容は明らかになっていない。原発事故は進行中で、収束の目途さえたっていない。死者・行方不明者は2万4千人を超え、震災直後、着の身着のままで避難した50万人のうち12万人がいまだに避難所などでの生活を強いられている。インフラの復旧は遅れ、仮設住宅も間に合わず、復興はいまだ遠い状態だ。


 さらに、雇用についても深刻だ。震災を口実に新規採用が中止や、雇い止め、解雇が出始めるなど雇用不安が広がっている。漁民は船舶を流され、農民は田畑を塩に侵され、それぞれ仕事が出来ない状況に立たされている。かろうじて収穫した作物や魚類も、「風評被害」に合っている。


 地震や津波ついて、政府や電力会社は「想定外」を繰り返し、責任を回避しようとしている。放射線量に関しても「ただちに影響を及ぼすことはない」とあたかも安全かのようなメッセージを送り続けている。事故の被害を小さく見せることに腐心してきたものの、4月にはレベル7の事故であることを認めざるを得なかった。


 今回の原発事故は、予想できた人災である。その責任は原発を推進してきた政府や電力会社や財界にあるのだ。原子力発電は、国策として始まり、自民党政権、財界が一体となって進めてきた。反対するものは金と暴力で排除し、莫大な資金で安全との宣伝を繰り返してきた。民主党政権に代わっても、原発推進は変わることがなく、原発輸出や核燃料サイクルを進めてきた。「(電源喪失など)すべてを考慮すると設計はできない」と国会で答弁し不評を買った斑目春樹氏を原子力安全委員会の委員長に選んだのも鳩山内閣だった。福島第一原発第三号炉で、プルトニウム・ウラン混合燃料によるプルサーマルが始まったのは昨年9月。運転40年で劣化している第一号炉の10年延長を認めたのも今年2月、民主党政権下での出来事だ。


 この地震津波震災と原発震災で、第一に優先されるべきは、被災者ひとりひとりの生活の再建である。しかし、財界は農業や漁業をTPP対応に作り変えようと叫び、従来型の復興特需をあてにするゼネコン。さらには「廃炉ビジネス」で儲けをたくらむ原発企業まで動きだしている。自民党や公明党の協力を得ようと菅首相は利権をちらつかせている。そして、内部留保を溜め込む大企業から吐き出させることも、米軍への「思いやり予算」も削ることなく、復興財源を口実に消費税増税を打ち出した。


 原発の危険が明らかになった今、政府が行なうべきは、すべての原発の停止であり、被災者の生活の安定や、原発周辺住民や原発関連労働者の安全の確保だ。


 日本でも、脱原発、反原発の声が広がりはじめた。マスコミの意図的な情報隠しにもかかわらず人々は、真実を知ろうと動き、そして声をあげ始めた。


アラブ民衆革命に連帯しよう


 今年1月、チュニジアで始まった反政府デモとゼネストはベンアリ独裁政権を崩壊させ、その熱気はエジプトに波及し三〇年続いたムバラク独裁政権も倒した。そして、今アラブの民衆革命の波は、バーレーン、サウジアラビア、イエメン、シリアにも広がり、リビアでは激しい攻防が続いている。


 新自由主義は破綻し、資本主義と対決する民衆の闘いは、ラテンアメリカに始まり、アラブ、EUヨーロッパに拡大している。次はアメリカ本土やアジアにも広がるだろう。世界の人々とともに闘いに立ち上がろう。


農業・生活・地域破壊のTPP反対


 昨年10月、首相管直人は、第176国会での所信表明演説で次のように述べた。


  「この秋は、我が国において、重要な国際会議が開催されます。生物多様性条約に関するCOP10では、議長国としての重要な役割を果たします。また、私が議長を務めるAPEC首脳会議では、米国、韓国、中国、ASEAN、豪州、ロシア等のアジア太平洋諸国と成長と繁栄を共有する環境を整備します。架け橋として、EPA・FTAが重要です。その一環として、環太平洋パートナーシップ協定交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指します。東アジア共同体構想の実現を見据え、国を開き、具体的な交渉を一歩でも進めたいと思います」。


  このように管は、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加検討を打ち出したのだ。


  TPPはもともと、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国間における地域的な自由貿易協定(FTA)に過ぎなかった。だがその内容は、農工業生産物の関税撤廃など、これまでの「貿易自由化」の枠にとどまらず、投資や労働市場、知的所有権等にいたるまで、徹底した規制緩和と民営化をめざす、想像を絶するすさまじいものだ。 金融危機をはじめ経済の混乱にあえぐアメリカの参加によって、TPPはその性格を大きく変えようとしている。アジアで影響力を増す中国をけん制し、その市場を狙うアメリカの戦略に、日本は日米同盟の再建と強化をかけて、乗り込もうとしている。それは「経済政策」などという考え抜かれたものではなく、アメリカ追随一辺倒の政府の、政治決断に過ぎないのである。


  小泉政権による「構造改革」が何をもたらしたかは、すでに明らかになったはずだ。それは資本による市場独占の自由、搾取の自由、弱者切り捨ての自由、福祉の排除。そして果てしない利潤追求の自由であった。


  「官から民へ」「改革なくして成長なし」―。小泉の絶叫に、たしかに一時期人々は酔いしれ、期待感を抱いた。だが、公然と提唱された「痛み」に耐えても、「明日はよくなる」どころか、「生きていけない」という悲痛な叫びが、あちこちであがった。


  貧困と格差がさらに拡大した。将来を悲観し孤立した若者たちの一握りが、絶望のあまり犯罪に走るという事態をもたらした。「秋葉原事件」はその象徴的な一例だった。虐げられた「怒り」や「ストレス」は理不尽にも、より自分より弱い対象に向かった。


  TPPが導入されれば、弱肉強食の資本の横暴が参加国間に広がり、自国のこれまでのさまざまな制度が、変更を余儀なくされる。他国の経済活動を制限すれば、契約違反で訴えられかねないのだ。


  無権利無資格の安価な労働力の流入が、社会全体の賃金相場を極限まで押し下げ、危険な輸入食品が商店の陳列棚を埋めつくし、生活に苦しむ人々がそれらを消費するという、悪循環が始まるだろう。


  とりわけ医療・福祉・教育の分野において、ただでさえ貧弱な日本のセーフティネットが、ついに解体する。「命の沙汰もカネ次第」という冷酷な現実が進む。病気になっても病院に行けず、手遅れになって命を落とす。貧しい人ほど短命である。


  国内の産業は空洞化し、農業は衰退の一途をたどり、自給率はさらに悪化するだろう。農業の破壊は、環境破壊につながり、貴重な生態系へも影響をおよぼす。野放図な森林の伐採や取水は、自然災害を招き、地域に甚大な被害をもたらす。


  すでに民営化された郵政はもとより、電気やガス水道などの公共サービスもまた例外ではない。人々の命と健康を、かろうじて守ってきたさまざまな「制度」や「規制」が取り払われることで、社会は一変するのである。


 TPPに参加するということは、労働者市民に犠牲を転嫁しながら、生活の様式を極限まで資本の収奪に都合よく作り変えることなのだ。


  3月11日の「東日本大震災」により、東北地方は壊滅的な打撃を受けた。世界に歴史に汚点を残した深刻な原発事故。収束の見通しはまったく立っていない。


  今回の大惨事は、けっして「想定外」などではない。過去この地域には巨大な津波が襲いかかってきたし、「地震大国日本」における原子力発電推進の危険性、その愚かしさは、これまで何度も何度も指摘されてきたのだ。この非常事態に加えて、無謀なTPP参加など絶対に許されることではない。


 震災を口実にした賃下げ、首切りを許すな。節電を口実にした労働条件の改悪、労働環境の劣悪化を認めるな。


 被災者を置き去りにした復興計画を進めるな。政府・東電は、解体的出直しで被災者に満額の補償をせよ。全体主義的節電強要を許すな。電力は余っている。


 浜岡原発をはじめ、すべての原発を即時停止し、廃炉および核廃棄物の処理計画を政府・東電の責任において明らかにせよ。


戦争・人権抑圧の軍隊・軍事基地はいらない


 米軍と自衛隊は、生存者の救出、遺体の搬出に存在感を発揮してみせ、あるいは警察を含めて東電原発での注水作業といった危険作業の従事をアピールし、あるいは災害派遣と書かれた軍用車が走り回る光景に象徴される軍隊のプレゼンスによって、確実に災害時の擬似戦時体制を作り上げた。


 それはメディアの自粛キャンペーンと計画停電に見られる管理統制とによって補完された巧みな演出だったといえる。「トモダチ作戦」に投入された米軍の兵員は18000人を超え、空母ロナルドレーガンの派遣、海兵隊ヘリの派遣、揚陸艦の秋田沖配置などを手早く実施した。自衛隊もたとえば16日派遣の那覇駐屯地所属の自衛隊が嘉手納、横田を経由して米軍機で宮城県入りするなど、日米の軍事一体化ぶりを引き続きアピールしている。


 だが米軍と自衛隊の救出キャンペーンは、われわれが、軍隊は民衆を守らないとこれまで主張してきたことを裏付けたにすぎない。米軍は原
発爆発を受けて東北沿岸の空母がいち早く80キロ圏へ退避するなど、被災地での救出より自国の国益を守るために存在していることを随所に見せ
付けた。自衛隊にしても、石原都政の「ビッグレスキュー」や阪神大震災での「危機管理」追及などを通して、防災と救助に名を借りた治安出動正当化の歴史が、太平洋沖の震災でも一定の結実をみせたといえる。


 震災に対する、大資本と直属の治安部門の結集は、新たな軍事化の成長を予感させると共に、たとえば日米同盟が犠牲にしてきた沖縄において、怒りをうやむやにしようとするもくろみにも貫かれている。2月から3月にかけて「沖縄は怠惰、ゆすりとたかりの名人」などという侮辱発言を問われたメア国務省日本部長は更迭されても、不真面目な弁明を繰り返した挙句、3月16日には震災支援の特別調整役に任命された。暴言の罪は払拭され、かえって米軍の『作戦』に欠くべからず人物として復活したのだ。


 この人物は米政府内で「最良の場合、辺野古新基地が完成し、最悪の場合は普天間基地が残ることだが、そうだとしても問題ない」などと進言するなどそれなりの発言力を持っていることも判明した。


 震災に際して、思いやり予算が3月30日に国会で可決されてしまったことも、救援・復興の財源が取りざたされている時期に何ということかと
怒りを呼び起こした。


 1881億円という額を維持したが、米軍に支出する経費はそれにとどまらず、グアム移転経費も実現するならさらに膨れ上がるだろうということが米政府関係者によって吹聴されている。


 沖縄・辺野古新基地反対


 辺野古の新基地建設も座り込みテントの監視を受けながらキャンプ・シュワブと浜の境界に鉄柵を設置している。どこで本格的な着工が始まる
か予断を許さない。東村・高江でも2月になって資材搬入など工事強行がおこなわれ、座り込み抗議者に対する暴力の事実も確認されている。座り込んで阻止する人の物量は不足しているが、その創意工夫によって工事に動員される沖縄の人々と関係性を作り上げている。素朴な生活を営む住民に断りなしに危険な垂直離発着機オスプレイのためのヘリパッドを作らせてはならない。辺野古と都市制圧訓練の航空基地群を形成させてはならない。


 3・11震災での支援物資の空輸で「普天間飛行場の位置が第3遠征軍の災害支援活動にきわめて重要であることが証明された」と強調した在沖総領事館の発言が震災の政治利用と批判を浴びるなど、沖縄では米軍の救援体制と基地負担は分けて考えるべきだという主張は根強い。


 いまだに嘉手納基地での騒音音量と時間帯の非常識は改まらず、3月30日に嘉手納上空でフレア〔追尾をごまかす発炎筒〕誤射という事件も起
こしたばかりだ。嘉手納高校の卒業式の途中の騒音などもあり、普天間代替だけが政治の日程にのぼること自体がおかしいのだ。


 3月29日にCH―53Dヘリがホノルル沖で墜落しているが、2004年に沖縄国際大学で落ちたのと同型機である。米軍の問題は、兵員の起こす刑事事件、墜落、環境汚染など老朽化、汚染物質の拡散など原発事故と重なる部分が多いのである。安全保障などと言っている間に普通の生活が脅かされてきたのだ。震災と原発の暴走を前に、他国の武力侵攻、テロの脅威などを吹聴する勢力が随分とかすんでしまったことは忘れない。本当に危機管理能力を持っている者は米軍基地や原発など是認しないのだ。


 この機会に軍事基地がどこまで必要なのか検証しなければならない。原発に匹敵する迷惑施設である基地に使われる土地を米軍から取り戻せ。
金を湯水のように使うことは許されない。原子力空母の沖縄・佐世保・横須賀への入港も拒否しよう。震災のドサクサにまぎれた軍事基地強化を阻止しよう。


「原子力帝国」を打倒せよ


 「フクシマ」は、「ヒロシマ」「ナガサキ」、そして「ナンキン」「アウシュビッツ」とともに、資本主義の暗黒の墓標にその名を刻み込んだ。原子力政策を進めてきた国、自治体、政治家、官僚、東京電力、製造メーカー、メガバンク、財界、御用学者、広告代理店、マスメディアなどの責任は重大である。この巨大な利益集団は「原子力村」と呼ばれている。しかしそれは「村」などという規模を超える、まさに「原子力帝国」と呼ぶにふさわしい日本資本主義に深く根ざしたシステムなのである。


 原子力発電に巨額の資本投資をしてきた政府、メガバンク、電力会社、製造メーカなどの「原子力帝国」主義者たちは、福島第一原発部門の「切り捨て」や浜岡原発の一時停止だけで逃げ切ろうとしている。それは原子力産業が日本資本主義システムの奥深くに根ざしていることを意味している。つまり、すべての原発を止め、再生可能エネルギーへの転換を実現するためには、「原子力帝国」日本における資本主義システムとの闘争が不可欠なのだ。


 大災害や天変地異はそれまで覆い隠されてきた階級的利害を白日の下に晒す。「原子力帝国」主義者たちはマスコミをはじめあらゆる手段を通じて「オール・ジャパン」を演出しているが、現実に進んでいるのは、被曝を労働者階級と農漁村地域へと押し付ける「原子力帝国」の政策であり、日米軍事同盟の強化であり、被災地支援に名を借りた社会保障や賃金に対する階級的攻撃なのだ。


 世界の反原発運動は「フクシマの警告を忘れるな!」を合言葉に脱原発社会を目指すたたかいを強化している。「フクシマ」を資本主義の墓標にのみ刻み込まれる名前にしてはならない。温室効果ガスを垂れ流し、原発と核兵器が暗い影を落とし、家父長制と差別が隅々にまで浸透し、人権と民主主義が抑圧され、搾取と戦争が支配する世界と日本の「原子力帝国」を根底から作り変えるために、「脱原発、脱資本主義」の旗を高く掲げる青年の希望のスローガンに「フクシマ」の文字が刻み込まれなければならない。


  「脱原発。脱資本主義」の旗を高く掲げよう!

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