我々が結託すべき「外国勢力」とは

區立行(左翼21 )

2014年10月30日


原文

中国共産党および香港親中派の宣伝はいつも、香港人による民主化運動を「別な意図がある」「外国の反中国勢力と結託している」と描き出すか、あるいは「外国の資金を受け取っている」と直接的に批判されいる。まるで「外国の資金を受け取る」ことそれ自体に悪意があるかのようである。

孫文と毛沢東が「外国勢力と結託」して革命を成し遂げたことをほとんどの人は知っているだろう。「一方で困難が生じれば、八方から支援が駆け付ける」ことは高貴な志である。先にあげた批判は一顧だにする必要もないが、「外国勢力との結託」については、詳しく分析する価値があるだろう。

◆外国政府に助けを求めることは有効か?

親中派の「愛国人士」らとは逆に、一部の人々はホワイトハウスや英国領事館に署名を寄せて外国政府に対して「香港を救え」と必死に訴えている。しかしそれに対する回答は、冷水を浴びせかけられるだけのものである。ホワイトハウスに対して19万人が署名を行い、ホワイトハウスは香港政府に対して冷静な解決を求めはしたが、結局は「香港が『基本法』にしたがって普通選挙を実施することを支持する」という水準を超えるものではなかった。イギリス外務省の声明は「デモなど一切の活動は法律の範囲内で行われるべきであり」、「各方面が建設的対話を継続することが必要である」というものでしかなかった。注意すべきは、これら米英政府のコメントは、香港人が求めている真の普通選挙を支持するものではなく、市民的不服従についても賛同していないということである。サッチャー元英首相の元秘書はオキュパイ・セントラル運動を「非現実的」と指摘するなど、実際には親中派と同じ主張なのである。

どうして米英政府はこれほどまでに香港人を「失望」させるのだろう? 答えは簡単だ。すべてマネーが影響している。「国際都市」香港には海外投資家からのマネーが集まっている。かれらは当然「安定したビジネス環境」と「香港における民主化」の二つの選択肢のうち前者を選択する。また、英米政府はどちらも自国内の抵抗運動に対する弾圧者でもある。両国では「非暴力不服従」行動の参加者が大量に逮捕され、暴行を受け、監禁されている。ここでも英米政府は中国共産党とそれほど大きな区別はない。

◆万国の人民は団結せよ

それでは他に頼る術もなく、香港人は孤立無援なのだろうか? そうとも言えない。各国における政官財の結託のなかで、人民と政府の利益は対立していることから、各国政府間のいわゆる衝突は、分け前を巡る盗賊の内紛であり、人民の利益とは無関係だともいえる。そう考えると、われわれの本当の盟友は外国政府ではなく、我々と同じく抑圧されている各国の人民だと言える。

実際、折りたたみ傘革命の爆発いらい、各国人民からの支援の声は途絶えることがない。海外の華僑や留学生はもとより、労働組合や民衆組織、そして無数の個人などから声援が寄せられている。連帯集会を開いたり、香港の情勢を各国語にして伝えたり、スマホの自撮りで支援を呼びかける人もいる。アメリカ・ミズーリ州ファガーソンの人種差別反対で弾圧された人々からも連帯のメッセージが寄せられている。パレスチナ自治区のガザ地区からも、巨大な暴力の渦中にあっても香港の状況に関心を寄せる人々がいるのである。

海外からの連帯メッセージでは「何の力にもならない」という意見もあるだろう。しかし、連帯のメッセージは行動の第一歩でもある。さらなる行動としてのオキュパイやボイコットもあるだろう。たとえば9月29日には台北で300人が香港政府の台北事務所をオキュパイして、機構運営を混乱させて香港政府にプレッシャーを与えた。今年7月のイスラエルによるガザ虐殺の際には、多くの労働組合が「ボイコット、投資撤退、制裁」=BDS運動の呼びかけに応え、イスラエル製品の輸送と販売を拒否した。このように経済に実際に影響を与える行動も政府にとっては大きな損害となる。

悪巧みを画策する各国政府よりも、我々が連帯すべきは上記のような「外国勢力」のほうなのだ。政府と財界のプレッシャーに直面するいまこそ、海外の社会運動との連帯し、各地の闘争への相互支援をはじめるときである。


国際的な支援のサイトはFacebookでも多数開設されている

1.Hong Kong Democracy Now
https://www.facebook.com/HKDemoNow

2.Calling for international support for democracy in Hong Kong
https://www.facebook.com/.../Calling-for.../275123362684837

3.中国国内からも香港支援
https://www.facebook.com/WeSupportHongKong

4.壁で支援は隔てられない
https://www.facebook.com/Mainlandsupporters