虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

反弾圧

12.7国公法弾圧裁判判決 堀越明男さんの勝利判決で追撃を 宇治橋眞一さんの不当判決糾弾!

最高裁判決写真公安政治警察-司法権力が一体となった弾圧をはねのけよう



 12月7日、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は、堀越明男さん(元社会保険庁職員)が自宅近くで「しんぶん赤旗」号外などのビラを配っていたことを警視庁公安政治警察が国家公務員法違反(政治的行為の制限)だとでっち上げ不当逮捕を強行した事件(2004年3月3日)について二審無罪判決(10年3月29日)を支持して無罪判決を出した。しかし、元厚生労働省職員の宇治橋眞一さん世田谷国公法弾圧事件(05年9月10日)に対しては、「管理職的職員」を根拠にして休日の「しんぶん赤旗」号外配布を国公法違反だと決めつけ罰金10万円の2審不当判決(10年5月13日)を支持した。

 堀越さん無罪は、当然だ。司法権力の反動化を許さず、公安解体、脱原発をはじめ民衆運動の前進のために勝利判決は、重要な「武器」であり、共有財産としておおいに使っていきたい。世田谷国公法弾圧事件の不当判決は、執行猶予をつけず、実質的量刑を重くして公務員の政治活動への規制強化の延長にある政治的判決だ。最高裁は、民衆運動に敵対しながら国家権力機構を強権的に維持・統制していく意図を世田谷国公法弾圧事件に対して指し示したのである。不当判決に対して厳しく糾弾していかなければならない。

 公安政治警察は、自衛隊のイラン戦争参戦下、04年~05年にかけて戦争ができる国家作りの一環である戦時治安弾圧体制の強化のために市民運動から共産党までも対象にした弾圧シフトを敷いた。連動して最高裁は立川反戦ビラ入れ最高裁不当判決(08年4月11日)をはじめ葛飾ビラ弾圧事件(09年11月30日)、板橋高校卒業式事件(11年7月7日)に対して立て続けに反動判決を出し、その定着化をねらってきた。

 しかし、堀越国公法弾圧事件は、社会保険庁バッシングキャンペーンに乗じて公安がそのターゲットとして堀越さんを設定し、人権侵害に満ちた違法捜査、でっち上げ逮捕が明白であるがゆえに最高裁は無罪判決を出さざるをえなかった。ところが最高裁は国家権力防衛の任務として審理を深めるための弁論を開かず、憲法判断する大法定審理(15人の裁判官で構成)も無視してしまった。2人の被告に対して7日に判決を言い渡すだけを通告してきただけだった。つまり、国公法による公務員の政治的活動の禁止を合憲とした1974年の猿払事件の最高裁判例を踏襲しながら、2人の国公法弾圧事件に対して「政治的行為の制限」の憲法判断を避け、判例の「修正」によって延命しようとする対応でしかない。12・7最高裁判決の政治的意図、公安政治警察解体に向けて、あらためて分析していく必要がある。



憲法判断を避けた最高裁



 判決は、国公法(政治的行為の制限)を合憲と押し出しつつ、「猿払事件は組織的な活動だった点など今回と事案が異なる」としたうえで「表現の自由は民主主義を基礎付ける重要な権利で、政治活動の禁止は必要やむを得ない限度にとどめるべきだ」「政治的中立性を損なう恐れが実質的にある場合」は、処罰するとした。その判断基準が「①管理職的地位の有無②職務内容や権限における裁量の有無③勤務時間内に行われたか④国や職場の施設を利用したか⑤公務員の地位を利用したか⑥公務員により組織される団体の活動として行ったか⑦公務員の行為と直接認識されるような状況だったか⑧行政の中立的運営と相反するような目的や内容があったか―などを総合的に考慮すべきだ」などと言っている。

 また、政治的行為について「政治的中立性を損なう恐れが観念的なものにとどまらず現実的に起こりえるとして実質的に認められるものを指す」と定義したが、ならばどのような影響が発生するのかなど具体的に指し示すことをしないのだ。いずれも手前勝手な主観的な裁量が可能なものでしかない。だから堀越さんは「管理職的な地位になく、職務の内容や権限に裁量の余地はなかった」から無罪と認定し、宇治橋さんは「多数の職員を指揮し、影響を及ぼしかねない地位にあった」「業務や組織運営に影響を与える可能性があった」から有罪だというのだ。

 こんな不当な判断に対して宇治橋さんは、「明確な基準が示されず、どんな人がどんな行為をしたら犯罪になるのかわからない。『管理職的』というだけで、私を有罪にしたことは許されない」(朝日新聞12・8)と糾弾した。堀越さんも「同じ行為で差が付くのは問題。両事件とも無罪にすべきだった」と批判した。



 世田谷国公法弾圧事件裁判の一審判決(08年9月19日)は、検察側の主張をほぼ全面的に取り入れ、憲法で保障された思想・表現の自由を否定し、日本共産党憎しに満ちた性格に貫かれていた。共産党号外配布が衆院選投票日前日だったことを取り上げて「特定政党のための直接かつ積極的な支援行為」と認定し、「衆院選前日に相当枚数を配っており、公務員の政治的中立性に強く抵触する」とした。そのうえで「公務員の政治的行為を一定の限度で禁止することは、憲法上許容される」と断言して、「政党の機関紙配布は法が制限する『政治的行為』の中でも政治的偏向の強い類型に属し、自由に放任すれば行政の中立的運営に対する国民の信頼が損なわれる」と暴論を展開した。休日に職場と関係のない地域でのビラ配布行為が、どのように「行政の中立的運営」が損なわれるということを明らかにすることもできないにもかかわらずだ。



 今回の最高裁判決は、「一般職員の堀越」と「管理職の宇治橋」と表面的に分断してバランスをとるようなポーズを見せつつ、本音のところは世田谷国公法弾圧事件裁判一審判決にあることは間違いない。猿払事件最高裁判決を「下級裁判所としては同判決を尊重すべき立場」などと強調していたほどだ。

 堀越国公法弾圧裁判の一審判決(06年6月29日)でも猿払事件の最高裁判例を踏襲して「指導的判決として今も機能している」から「公務員の表現の自由を制約することにはなるが、合理的でやむを得ない範囲にとどまる」などと違憲性を真っ向から否定した。



 だが2審では堀越さんと弁護団は、国公法弾圧の違憲性を全面的に争うとともに、国際自由権規約19条(表現の自由)、ILO〈国際労働機関〉151号(公務員は他の労働者と同様に、結社の自由の正常な行使に不可欠な市民的及び政治的権利を有する)、アメリカが公務員の政治活動を禁止していたハッチ法を改正し、原則自由とした流れに逆行することを立証していった。

 この裁判闘争方針によって高裁を猿払事件の最高裁判決に踏み込むまで追いこんでいった。判決は言う。当時は「冷戦中で不安定な社会情勢にあり、公務員の影響力を強く考える傾向にあった」と指摘し、「民主主義や情報社会が進んだ現在は国民の意識も大きく変わった」として、一般公務員の刑事処罰には「より慎重な検討が必要」であると明記せざるをえなかった。さらに「付言」では「さまざまな分野でグローバル化が進む中で、世界標準という視点からもあらためてこの問題は考えられるべきだろう。公務員制度の改革が論議され、他方、公務員に対する争議権付与の問題についても政治上の課題とされている中、公務員の政治的行為も、さまざまな視点から刑事罰の対象とすることの当否、範囲などを含め、再検討され、整理されるべき時代が到来しているように思われる」と言明していた。

 だから最高裁は、堀越国公法高裁判決でこのようなあたりまえの判断を放任することができず、「一般職員の堀越」無罪と「管理職の宇治橋」有罪という歯止めを設定したのである。多数派裁判官による強引な宇治橋不当判決だったことを須藤正彦裁判官の「ビラ配布と職務への影響を結びつけることができない。規制の範囲や手段の見直しが必要」という反対意見によって明らかではないか。



公安政治警察解体!



 今回の最高裁判決について最高検の長谷川充弘公判部長は、「それぞれの事案に応じて最高裁の判断が示されたもので、真摯に受けとめます」とコメント(朝日新聞/12.8)しているが、継続して国公法弾圧を行っていくという宣言である。

 民衆運動弾圧の実行部隊を指揮する警視庁幹部は、「方針があって狙い撃ちしたわけではない。認知したから立件しただけで、取り締まりは不偏不党でやっている」とどう喝し、堀越国公法弾圧に対する謝罪も反省もまったくない。これが権力の実態なのだ。

 公安は、堀越さんを不当逮捕するためにのべ171人も動員し、複数台の車両を使って29日間にわたる長期尾行、ビデオ撮影などの人権侵害、違法捜査を繰り返した。関連して共産党千代田地区委員会など六カ所の家宅捜索を強行した。地裁判決ではこのビデオ盗撮について「公道など行動が人目にさらされる場所にとどめられている」、「公道での撮影はプライバシー権がある程度放棄されている」などと不当解釈をでっち上げ「そのほかはすべて適法」だとして公安警察の違法捜査を防衛しぬく立場を追認していたほどだ。



 宇治橋国公法弾圧裁判の一審では、警視庁公安部公安総務課の寺田守孝警部が証人として出廷している。事件時、世田谷署に派遣され、事件捜査の指揮をとり、同署に「捜査本部」を設置していたことを証言した。寺田警部は国公法弾圧堀越事件で活躍しており、強引な違法捜査の手法を世田谷事件でも再現したのであった。

 だが地裁判決は、「公務員の政治的中立性と強く抵触するものであったことなどを総合すると、被告人の本件犯行は、この種の事犯の中では、相応の捜査価値、起訴価値をゆうするものであったということができる。訴追裁量権の逸脱があったと評価することはできない」と切り捨て、「日本共産党に対する差別的な取り扱いに基づくとはいえない」と防衛するのだ。さらに「本件捜査が、警視庁公安総務課が主体となって行われたとの弁護人の指摘を考慮しても、この結論は左右されない」などと言い張っていた。

 いずれも共産党をターゲットにした公安警察の明白な政治弾圧だったのであり、司法権力がバックアップしている構造を浮き彫りにした。



 応援団は、これだけではない。最高裁判決に対して産経新聞(12・8)は、「最高裁判決は禍根を残す」という見出しで、(国公法は)「公のために奉仕するという公務員の義務は、地位や身分、時刻を問わず、管理職か否かも関係ないといのが法の趣旨のはずだ。結果的に政治活動をなし崩し的に許しかねず」と強調し、「前回衆院選で日教組傘下の北海道教職員組合は民主党候補の陣営を組織ぐるみで応援した」事案や自治労組合員の選挙運動を取り上げながら公務員の政治活動に対して弾圧せよと主張している。総選挙、都知事選の真っ只中での政治的どう喝だ。



 最高裁判決を通した国公法による公務員の政治的活動禁止、規制強化を許してはならない。堀越国公法勝利判決をバネに追撃していこう。公安警察は、人権無視・プライバシーの否定、政治活動の制限のためのいやがらせ弾圧、盗撮・盗聴などの不法行為を拡大している。全国の民衆運動への敵対、活動家たちに対する微罪弾圧を繰り返している。情報収集のための不当逮捕・家宅捜索の強行を厳しく社会的に糾弾していかなければならない。公安政治警察を解体しよう!

(Y)

【パキスタン】ババ・ジャンさん、釈放!

Baba Jan 1「虹とモンスーン」でも紹介した、パキスタンの同志ババ・ジャンは、彼の殺害をもねらった獄中での拷問、反テロ罪による長期投獄をはねのけ、ついに釈放を勝ち取った。

彼の釈放はパキスタン労働党の同志たちの闘い、そして国際的な連帯運動の成果である。われわれも。ささやかながらこの連帯運動の一翼を担うことができたことを喜びたい。(K)
 
ババ・ジャン、監獄から釈放される!
http://www.internationalviewpoint.org/spip.php?article2749

ギルギットから良いニュースが届いた。われわれはたったいま、パキスタン労働者党(LPP)の全国青年担当書記で、ギルギットの進歩的青年戦線のチーフ・オルガナイザーでもあるババ・ジャンが約一年に及ぶ投獄からついに釈放されたという確実な報告を受けた。彼に対する裁判手続きの最後の段階で、土曜日(九月一五日)に彼の保釈が認められた。

 彼は刑務所の門の外で、パキスタン労働党の支持者や党員が掲げた「ババ・ジャン、ジンダバー(訳注:ウルドゥ語で万歳の意)」「人民の闘争万歳」「国際連帯万歳」といったスローガンで暖かく歓迎された。

 先週、パキスタンの上院人権委員会はギルギットの州政府官房長を召還して、なぜババ・ジャンが拷問を受け、投獄され続けているのかを問いただした。州政府官房長は、ババ・ジャンは反国家的活動家だと決めつけたが、上院人権委員長アフサヤブ・カタクにはねつけられた。アフサヤブ・カタクは州政府官房長に対して、でたらめを言うなと告げた。彼はこのギルギット・ベルチスタン州の最高幹部に向かって、「そうした告発は何度も聞いたが、彼を反国家的だと宣言するなら、その告発の証拠となる記録を持ってこい」と述べた。

 それから数日でババ・ジャンに保釈許可が下りた。

 政府と裁判所が、ババ・ジャンの事件に関して後ずさりしなければならなくなったのは、パキスタン内外での一貫したキャンペーンのおかげである。ギルギット・バルチスタンのどんな政治活動家の一件に関しても、二二カ国でデモや行動が行われたことなど、いまだかつてなかった。パキスタン国内で五〇以上のデモや集会が行われたことなど、いまだかつてなかった。彼は、パキスタン人権員会をふくむ幾つかの国際組織によって。政治囚と宣言された。

 「ババ」という名は「年老いた男」を意味する。しかしババ・ジャンは三二歳であり、すばらしい動員能力を持った活動家だ。彼はフンザ渓谷地帯の労働者階級のヒーローとなり、パキスタン全土でも国際的にもギルギット・ベルチスタンの最も著名な政治活動家となった。

皆さんありがとう。皆さんの一貫した支援にありがとう。彼の釈放は、国際連帯の宣言である。

 
ファルーク・タリク

【投稿】不当逮捕に抗議すると共に、勾留を断念させた関係者の尽力に感謝する ~ 抑圧を許さず、脱原発に向けた非暴力の行動をさらに強化しよう



投稿

不当逮捕に抗議すると共に、勾留を断念させた関係者の尽力に感謝する
抑圧を許さず、脱原発に向けた非暴力の行動をさらに強化しよう


7・29被逮捕者


 私は、7月29日の脱原発・再稼働中止を求める国会大包囲行動に参加し、公務執行妨害容疑で不当逮捕され3日後に釈放された2人の内の1人です。本紙の紙面を借りて、当日の行動に対する警察の過剰かつ不適切な規制と私たち二人の不当逮捕に対する抗議、並びに見守り弁護団を始めとする連日の心のこもったバックアップに感謝を明らかにします。

 また、最終的に検事に勾留請求を断念させた力が、本質的には高まる一方の広範な脱原発の声と、その自立的で自制された非暴力の巨万の行動がある種の道義的な力も含めて無言の内に権力に加えている圧力であることを考えた時、昨年以来全国津々浦々で自らの意志で運動に立ち上がり共同のネットワークを発展させ共同の行動へと発展させてきたすべての人々に敬意を表すと共に、今回の弾圧を超えて私も、脱原発を確かなものとするための共同の闘いを率先して引き受けてゆくことを明らかにします。

 その立場からここでは、現在の脱原発運動が体現している民衆的正統性の具体的な姿を示す一助としても、当日私が経験したことの一端を伝えたいと思います。

 私はかなり以前から仲間と共に原発の問題を地域に訴える活動を行ってきた者ですが、その立場から当然にも昨年以来の脱原発の運動に積極的に参加してきました。当日も地域の仲間と共に参加しましたが、漠然と国会を囲むヒューマンチェーンのどこかに参加しようというものでした。しかし日比谷公園から国会に向かう途上からすでに混雑がひどく、参加地点を選ぶ余裕などなく、私たちも警察の誘導にしたがって進む以外にありませんでした。その結果たどり着いた先が国会正門に向かい合う歩道上でした。つまり、私の逮捕現場となった国会正門付近に私がいたのはたまたまということです。

 しかしそこは到着した時から大変な混雑になっていました。実はそこがメインの会場だったのであり、私たちが到着してまもなく、国会議員を始めさまざまな人が発言を始めました。もっともあまりの混雑で、発言はまったくと言ってよいほど聞こえませんでした。それもあって、あまりに混雑がひどいので私たちは、横断歩道を超えてさらに先の歩道に出たいと思っていました。それは周辺の人も同じだったようです。が、どういうわけか警察は移動を阻止し、そのためあちこちから警察への抗議の声が上がっていました。
 しかしその間にも後ろから人波がどんどん押し寄せ、現場の混雑は輪をかけてひどくなっていきました。後ろから押し寄せてくる人波も警察の誘導を受けているはずです。ところがその先では同じ警察が移動を阻止するという、実に理不尽なことが起きていたのです。

 いずれにしろ状況は次第に危険を感じさせるものとなり、周辺でも明石の事故のようになってはまずいとの声が出始めていました。それもあって、既に点火されたキャンドルも多くなっていたのですが、火を消せと声を掛け合ってキャンドルも消されました。何かの拍子に衣服に火が着けば大変な事故になると予想されたからです。

 ここに居合わせた人々は、私たちのような小グループだとしても、互いにはほとんどが見ず知らずの人たちです。しかしその人たちが、原発ヤメロの思いの共有だけを信頼して、誰の指示を待つこともなく互いを気づかい自制心と忍耐をもって秩序を保っていました。いわば闘いの中で生まれる民衆の自治であり、その点で一連の脱原発運動は大切にすべき貴重なものを生み出しつつあるように思います。

 それと対比して警察の対応はひどいものであり厳しく非難されるべきです。人の移動を説得力ある理由もなく阻止する措置の不当性に加えて、前述のように混乱しているばかりか、人々の安全に配慮するという観点をまるで欠いたものでした。要するにそれは、もっぱら主権者である市民の抗議の行動を封じ込めることに特化したものと言わなければならず、まさに正当性を欠いた対応です。

 この状況の中で人々はやむなく、国会正門に突き当たる車道側にあふれ出したようです。「ようです」と書くのは、後ろの方にいた私にはその始まりがまったく見えなかったからです。いずれにしろ日曜日の夜であり通行する車両も少ない中、それは合理的な選択だったと思います。

 ともかく私は横断歩道を渡る人の動きが見えたので、少しは混雑が緩和できるとほっとした思いで横断歩道上に出て先に向かおうとしました。その時国会正門方向から一団の警官がものすごい勢いで殺到してきました。警察マイクでの通告などはなかったので、彼らが何をしたかったのかは分かりません。いずれにしろ激しく押される中、そこにいた人たちも勢い押されまいと踏ん張りました。その時に私の前にいたひとりの若い警官が突然「公妨」と叫び私につかみかかりました。周囲の警官たちも条件反射のように私をつかみ結局私はそこで逮捕となったわけです。

 検事に見せられた送検書類には、「オウと声を上げ棒状のものを握った拳で前頭部を殴打」との、件の警官の「証言」が印されていました。もちろん私には「殴打」の記憶はないし、その必然性もありません。ただ私はのぼり旗をもっていたので棒状のものを握っていたことは確かです。件の警官は顔の間近に旗のポールが近づいたので「襲われる」と錯覚したのかもしれません。あるいは「国会突入」などという先入観があったのかもしれません。しかし結果を見れば明らかですが、当日そこにいた人々は、そのような無意味なことは誰も考えていなかったと思います。いずれにしろ明らかな不当逮捕です。

 結果として私は警察署で二日間取り調べを受けることになりましたが、先のような逮捕状況ですから調べる内容も大してないまま過ぎ、最終的に釈放されました。ただ逮捕当夜は、翌日午前3時まで取調べ室に置かれました。後でこれは大変不当なことだと教えられました。

 ここに印した今回の経験を通して私は、現在の脱原発運動に主張と行動双方を貫いた高い正統性が刻み込まれていることを改めて実感しました。その対極に政府や財界を含む既成エリートの正統性喪失があります。私たち2人のお粗末な不当逮捕を含む今回見られた警察の対応の混乱と自信のなさはその結果と言えます。原発温存勢力を包囲し打ち砕くために、そのことをはっきり確認し、人々の自律性を尊重した非暴力の共同をさらに発展させるために力を合わせたいと思います。

報告:第23回 国賠ネット交流集会

DSCF6159 2月25日、国賠ネットワークは、スペースたんぽぽで「第23回 国賠ネット交流集会」を行い、54人が参加した。

 ネットは、1990年2月、国家権力の犯罪を許さず、尊厳をかがけて闘いを挑み、被害・損害の完全な補償と謝罪、そして権力犯罪の抑止と人権の確立をめざして第一回交流集会を開催した。すでに58団体、OB、原告と支援者たちの参加のもと、粘り強くネットを作り、各国賠裁判が取り組まれている。集会は、昨年の活動を集約し、各国賠の現状報告と交流が行われた。

 土屋翼さん(ネット代表世話人)からネット総括の提起で集会が始まり、「『やられたら、倍やり返す』ような『明るい国賠』には勿論、勝訴したいと、22年闘ってきた。いまだ国賠裁判の先のほうには灯りは残念ながら見えません。一方、再審事件は、証拠開示がすすみ、ゴビンタさん事件、福井女子中学生殺人事件、狭山事件、袴田事件、名張ぶどう酒事件、東住吉放火事件など、再審の扉は音を立てて開かれようとしています。この間蓄積した、知恵・知識・情報等を駆使して一つでも勝訴を獲得するよう活動を強化していこう」と強調した。



権力犯罪を糾弾し続ける



 各国賠からの報告。

 沖田痴漢えん罪事件(1999年、9月不当逮捕)は、「事件は、電車内で携帯電話を注意されたことによる女性の逆恨みから虚偽申告した女性と警察官による痴漢でっちあげ事件だ。不起訴となったが、02年4月に国賠の提訴をした。再上告して1月12日、棄却となり、敗訴が確定した。だが判決は、痴漢行為否定の二審判断を認めたが、賠償請求は認めなかった。結局、裁判所は警察・検察の違法性、責任追及を放棄した。今後は、国連人権委員会に対して提訴し、闘っていく」と報告した。

 大河原宗平・元群馬県警警部補の懲戒処分分取消訴訟とデッチ上げ逮捕によるえん罪国賠は、「大河原さんは群馬県警の裏金作りを批判したため、県警はもみ消しのために公務執行妨害罪をデッチ上げ不当逮捕し(04年2月)、懲戒免職となってしまった。果敢に闘ったが、一審敗訴。控訴審を闘っている。テレビ東京でこの事件が取り上げられ(12年1月21日)、片桐警察庁長官が『法廷の場で県警が適切に対応していく』などと異例の言及をしたほどだ。今後も支援を御願いします」と決意を表明した。

 護衛艦「たちかぜ」イジメ自殺国賠は、「判決(1月26日)は、先輩隊員の加害行為と隊員の自殺との事実的因果関係を認める内容であった。しかし、隊員の自殺について、先輩隊員にも幹部自衛官らにも予見可能性はなかったとして、先輩隊員の加害行為により被った精神的苦痛の範囲でしか損害賠償を認めなかった。控訴審における争点は、先輩隊員の加害行為と隊員の自殺との間に相当因果関係が認められるかという一点に絞られている。加害者や国に、隊員の自殺について法的責任があることを判決で明確にさせなくてはならない」と訴えた。

 さらに報告は、富山(氷見)国賠、築地署公妨国賠、新宿署違法捜査国賠、渋谷事件(星野再審)国賠、入江憲彦・元長崎県警警部補国賠、よど号国賠、東電シイタケ損害賠償、麻生邸リアリティツアー国賠から行われた。



えん罪国賠裁判における証拠開示



 第二部は、富山・氷見冤罪国賠弁護団代表である前田裕司弁護士が「えん罪国賠裁判における証拠開示」をテーマに提起した。 

 富山・氷見冤罪国賠は、富山県氷見市でおきた強かん事件(02年)で柳原浩さんが不当逮捕され、服役に追い込まれ、満期服役後、真犯人の出現(06年)により発覚した冤罪事件。09年5月、国賠を提訴。富山県警察及び富山地方検察庁高岡支部による違法な捜査や公訴提起の全容の解明、冤罪の原因を究明、および違法な捜査や公訴提起を強行した中心人物である警察官の被告 N 、検察官の被告 M の
責任を追及していく闘いだ。

 裁判の過程で原告と弁護団は、事件の全貌を明らかにしていくために検察に証拠開示を求めたが、一部は開示されたものの、そのほとんどがマスキングされたものだった。被告が開示を頑なに拒否してきたため文書提出命令申立てを行った。

 前田さんは、証拠開示の攻防の取り組みなどを紹介しながら①刑事事件における弁護人の証拠開示請求権②民事訴訟における国の手持ち証拠の開示の方法③検察官に対する証拠開示請求以外の書類等の入手方法④捜査機関が捜査過程で作成する書類の存在―などについて説明した。

 そのうえで「国と県は、告訴状と被害者の供述調書の一部を任意に開示し、その余は不開示だ。この対応をどうするかが問われている」と今後の方向性を提起した。なお第13回口頭弁論(2月1日)で被告の国は二五通の証拠を新開示してきた。裁判所の原告の文書提出命令申立てに対する判断前の幕引きをねらっていることは明らかだ。「事件の真相」に迫る闘いが攻勢的に展開されている。



東電代理人の「長野・大野・常末法律事務所」を許さん!



 集会の最後に交流集会恒例の国賠ネットワーク大賞に布川事件の桜井昌司さんが受賞。


 最悪賞は、東電代理人の「長野・大野・常末法律事務所」。受賞理由は、福島の二本松ゴルフ倶楽部が東電に「除染せよ」と訴えた裁判で代理人は「放射線は原発から離れた無主物ともいう存在であり、もはや東電のものではない」と反論したことだ。ネットは、弁護士法第一条の「弁護士の社会正義追及義務規定違反だと断罪した。

(Y)

秘密保全法案━人権・表現・取材・報道の自由に敵対する反動法制を阻止しよう

bbcea243-s 野田政権は、グローバル派兵国家建設の一環として秘密保全法案を今国会に提出しようと策動している。法案は、公務員らが「国の存立に重要な情報」(特別秘密)を漏らした場合、厳罰化によって統制強化しつつ、同時に民衆の知る権利や報道の自由を規制強化することがねらいだ。日米安保軍事情報、沖縄基地問題情報隠しなど、とりわけ脱原発運動のうねりの中で政権は秘密保全法を使って原発事故・再稼働・放射性汚染などをめぐる情報隠し、敵対を強めてくることは必至だ。

 法案制定策動は、直接的には中国漁船拿捕事件ビデオの動画投稿サイト「ユーチューブ」流出事件(2010年9月)、公安政治警察外事三課の対テロ捜査書類のインターネット流出事件(10月)が発生し、当時の菅政権が統治能力の脆弱性を立て直すために「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」(11年1月)をあわてて設置し、「秘密保全」法の制定を提言する報告書(8月8日)をまとめたことになっている。

 だが、すでに米軍情報防衛のための「秘密軍事情報保護協定」(GSOMIA)(2007年)の徹底を求める米国の圧力によって治安担当官僚らは、米国の軍事戦略と連動した治安弾圧体制強化のために新防衛計画大綱で「情報収集能力・分析能力の向上」と「各府省間の緊密な情報共有と政府横断的な情報保全体制を強化する」ことを押し出し、「秘密保護法の制定」を確認していた。その結果として内閣官房長官、内閣官房、警察庁、公安調査庁、防衛省、外務省、海上保安庁、法務省の官僚によって「政府における情報保全に関する検討委員会」(2010年12月)を立ち上げていたのだ。

 自民党政権時の「スパイ防止法」案(1985年廃案)は、秘密保護の対象を防衛・外交秘密にまで広げ、最高刑は死刑とする内容だった。「国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない」としたが「努力義務」のレベルであり、人権侵害、報道・取材の制約を狙っていた。この流れをも取り込みつつ、前段の蓄積を引き継ぐ形で有識者会議が法案の骨格となる報告書を提出し、野田政権が法案制定に着手することになったのである。



新たな治安弾圧を跳ね返そう



 法案の全文は、まだ未公表だが有識者会議報告書を土台にすることは間違いない。以下が報告書の主な内容だ。

 第1は、国の安全、外交、公共の安全・秩序の維持の三分野において当局の恣意的判断にもとづいて秘匿性が高い情報を「特別秘密」とした。この「特別秘密」を取り扱ったり、知り得たりした人が「故意」に情報を漏えいした場合、懲役五年、あるいは10年以下の懲役刑としている。現行の情報漏えいに対する罰則は、国家公務員法では「職務上知り得た秘密」を漏らした公務員を「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」、自衛隊法では「五年以下の懲役」だが、重罰主義で対応する方針なのである。

 また、「特別秘密」の漏えいをそそのかした場合(教唆)も処罰対象になる。「独立教唆」とし立件するとしている。

 第2の柱は、「適性評価制度」だ。各行政機関の長が実施権者となって「特別秘密」を取り扱う職員を制度にもとづいて人定事項調査、公安機関を動員したスパイやテロへの関与調査、犯罪歴、薬物・アルコール・精神問題での通院歴などを事前調査し、判定しておけというのだ。人権侵害の対象はこれだけではない。「配偶者のように対象者の身近にあって対象者の行動に影響を与え得る者についても」事前調査をやっておけというのだ。プライバシーの侵害を否定し、監視・調査対象の拡大である。

 警察白書(11年)は「情報保全の徹底・強化のための方策を推進し、情報保全に万全を期す」と述べ、法案制定を応援し、公安政治警察は大歓迎している。新たな治安弾圧の踏み込みを許してはならない。

 第3が取材の自由の制約である。報告書は「不当に制限するものではない」と言っているが、全くの嘘なのだ。「国民の知る権利等との関係」で「正当な取材活動は処罰対象とならないことが判例上確立している」、「特定取得罪は、取材の自由の下で保護されるべき取材活動を刑罰の対象とするものではない」などと言いながら、すぐに「刑罰法令に触れる」取材は処罰対象だと明言し、恫喝しているところに現れている。

 わざわざ「財物の窃取、不正アクセスまたは特別秘密の管理場所への侵入など、管理を害する行為を手段として特別秘密を直接取得する場合」、「欺罔により適法な伝達と誤信させ、あるいは暴行・脅迫によりその反抗を抑圧して、取扱業務者等から特別秘密を取得する場合」などをあげながら、「犯罪行為や犯罪に至らないまでも社会通念上是認できない行為を手段とするもの」も処罰対象とするとしている。これが本音なのだ。



法案反対のスクラムを



 結局のところ「社会通念上是認できない行為」が政府・治安担当官僚の手前勝手な秘密範囲の認定、弾圧対象を拡大し、取材制限することなのだ。強引な手法を駆使しながら内部告発を阻止し、民衆の知る権利への敵対に貫かれている。

 秘密保全法案に対しては日本弁護士連合会、日本新聞協会は知る権利や取材の自由の制約につながると懸念を表明している。

 なかでもムスリム違法捜査弁護団(旧:公安テロ情報流出被害弁護団)は、公安政治警察外事三課の対テロ捜査デッチあげ書類のインターネット流出事件の国家賠償請求訴訟を闘っている中で、「秘密保全に関する法制の整備に対する意見」を公表し厳しく批判している(2011年11月24日)。

 意見は、「本事件が『国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案』として『主要な情報漏えい事件等の概要』に掲げられ、秘密保全法制の必要性を裏付ける事案とされていることに抗議」し、「警察による情報収集活動の名のもと、イスラム教に関係する個人、団体等に関する個人情報が人権を侵害する態様で違法に収集・保管されていたものであり、秘密保全法制がこのような行政機関による人権侵害の秘匿を容易にする」危険性を明らかにしている。

 法案を通した国家権力の人権軽視と居直りを許さず糾弾していこう。表現・取材・報道の自由(憲法21条)に敵対する秘密保全法の制定を阻止していこう。

(Y)

【パキスタン】パキスタン労働運動弾圧被害者家族カンパ要請‏

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【パキスタン】

「ファイサラバード6」への緊急カンパアピール

ファルーク・タリク

 
 皆さんがご存じのように、ファイサラバードの労働運動指導者六人は、合わせて490年間の投獄という判決を受けた。かれらの罪は、政府が発表した最低賃金引き上げのための平和的ストライキを指導したということだった。彼らとはアクバル・アリ・カンボフ、ババル・シャフィク・ランダワ、ファザル・エラヒ、ラナ・リワズ・アフメド、ムハンマド・アスラム・マリク、アスガル・アリ・アンサリである。うち四人は2010年7月に逮捕され、他の二人は2011年7月に同じ罪名で逮捕された。

 最初に逮捕された四人はすべて「労働者カウミ運動(LQM)」と呼ばれる、パキスタン第三の都市ファイサラバードの動力織機労働者組織の指導者である。LQMは2004年以来、地域社会をベースに作られた繊維労働者の権利のために闘う組織である。LQMはファイサラバード市と周辺地域の繊維労働者の中で大衆的基盤を持っている。

 2011年11月1日、ファイサラバードの反テロ法廷は六人の指導者にテロの罪状で判決を下した。パキスタンでしばしば見られるのは、テロリストがこうした法廷で釈放され、労働者がテロ法で有罪になるということだ。

 彼らはストライキ中に工場に放火したと告発されている。これはでっち上げである。事実はこうだ。2010年7月20日のストライキ当日、テクリ・ワラの工場主からカネを貰ったゴロツキが、賃金の引き上げを求めて工場から出ていく労働者たちに発砲しはじめた。一部の労働者は果敢にも工場内に入り、ゴロツキどもの発砲をやめさせた。ゴロツキどもの一部は、怒った労働者に叩きのめされた。

 裁判の中で労働者たちの弁護士は、かりに工場が焼き払われたのだとしたら、なぜその三日後に工場の運転再開が可能になったのか、と問うた。

 ファイサラバード地区の10万人以上の動力織機労働者は、2010―11年度予算の説明で政府が発表した賃上げの実施を求めて2010年7月10日にストライキを決行した。政府は民間企業の労働者の最低賃金を一七%引き上げると発表したのである。ファイサラバード、ジャンなどの地域のLQMは、ストライキの三週間前に動力織機工場主と交渉に入った。

 事件が起きたのは、多数の動力織機工場があるファイサラバード郊外の工場地帯スダールである。この地区は、労働者が大規模な自己組織化を効率的に果たしたことにより、三年間にわたって労働者と工場主の間での戦場になっていた。

 労働者の指導者たちの長期投獄判決は、ファイサラバード、さらにはパキスタン全国の労働運動にとって破滅的な打撃となる。裁判所がこうした過酷な反労働者的判決を下すなどということは、誰もの予測を超えることだった。とりわけ司法そのものが強力な民衆運動の支援を通じて再建されたからである。しかし反テロ法廷は、緩やかなペースで労働者階級の戦闘性の全国的シンボルになってきた動力織機労働者の運動にダメージを与えるという目的だけで、判決を書くことを選択した。

 資本主義の下で労働者を規律で縛る主要な方法の一つは、資本家たちの出す条件で資本家との交渉をする以外の選択しか残されていないところまで労働者を追いやることである。それは国家の暴力を通じてでも、体制内で生き残るためには妥協の選択しかないように財政的に労働者に打撃を与えるというやり方を通じてでも、行われるのだ。

 資本家たちは、後者の方法を採るのが通例だった。労働者に割り当てられた不正に反対し声を上げる男女にとって、弾圧された労働者の指導者をお前らもこうなるのだという見せしめにするためである。投獄されている同志たちのすべては結婚しており、彼らの家族の第一の稼ぎ手である。彼らの家族は金銭的破局の瀬戸際に追いやられている。家族たちは十分な食糧も買えないため、子どもたちに学校をやめさせることを考えている。

 これは労働者たちを服従させる資本家たちの政治戦略の一部であり、それが投獄された指導者たちの家族に厳しい結果となることをわれわれは知っている。そこでパキスタン労働党(LPP)、労働者カウミ運動(LQM)、全国労組連合(NTUF)、労働者教育基金(LEF)は、投獄されたわれわれの同志たちを財政支援を訴える運動を始めている。

 これらの指導者たちは、当局との妥協を拒否し、真実を語ったことの結果を引き受けることで、素晴らしい勇気と確固たる信念を示した。家族たちがわれわれの温かい支援を受けるに値するのは、同志たちが労働者階級とともにこの運動に参加したために弾圧の苦しみを受けている、というだけの理由によるものではない。この運動の結果が、そして困難な状況に置かれているわが同志たちに連帯を差し伸べるわれわれの能力が、今回の事件が労働者階級の戦闘性を妨げることになるのか(資本家たちが願っているように)、それとも支配階級のいまわしい戦術に反対する労働者階級の輝かしい連帯の模範例になるのかを決するだろうからだ。

 反テロ法は、しばしばパンジャブ州の産業労働者の抗議行動に向けて使われている。13人の労働組合指導者が、こうしたテロリズムの名での告訴に直面している。彼らの本当の罪名は、組合員の生活向上、賃上げを要求したということにある。パンジャブ州政府は、経営者に挑戦している工場での労働組合運動をつぶすために全力を上げている。

 LQM、NTUF、LPP、LEFを代表して、われわれはこうした国家テロの被害者の家族たちに温かいカンパを訴える。家族たちは、緊急の金銭的支援を必要としており、われわれは集団的な支援によってのみ家族を支えることができる。



▼ファルーク・タリクはパキスタン労働党のスポークスパーソン。

(「インターナショナルビューポイント」11年11月号)



読者のみなさんへ。私たちもカンパを呼びかけます。「パキスタンカンパ」と明記して、新時代社の郵振口座に送ってください。新時代社:00290-6-64430

11月2日がくろう神奈川の組合員4人全員釈放を実現

がくろう強要未遂の不当逮捕をはね返す


神奈川県警のデッチ上げを許すな


 10月25日に起きたがくろう神奈川弾圧で拘留されていた4人は、11月2日釈放された。〈事件概要についてはがくろう神奈川声明を参照〉午後2時から勾留理由開示裁判がおこなわれる予定だった横浜地裁ロビーには、4人を出迎える70人あまりの支援者が4人の体調などを気遣ったりして喜びの輪が広がった。そして玄関前で3人の担当弁護士と4人の被弾圧者が簡単に発言すると、そのたびに支援者の大きな拍手に包まれた。



「奪還と言うにふさわしい」


 同じ日の6時から裁判の報告集会を予定していた開港記念館で集会が開かれ、改めて神奈川県警公安3課、裁判所、検察庁のでたらめが浮き彫りにされた。担当弁護士は2人参加したが、その1人である佐藤弁護士は「奪還と言うにふさわしい」と強調し、今回の弾圧の異様さを振り返った。まず逮捕令状の頭書きに「市民団体のメンバーであり、政治党派と関係があり」などと長い説明を加えた後、交渉を「企て」、「脅迫」などという表現で終始していることがあげられる。


 即時釈放のための意見書作成、裁判官などへの説得、準抗告という試みに対して4人の釈放が拒否され、勾留理由開示裁判を迎えた経緯なども説明した。3時間以上に及ぶ勾留理由開示裁判に、経験のない裁判官が耐えられないだろうということが、釈放の背景にあるのではないかという推測も佐藤弁護士は述べていた。そこには、都合のいい裁判官を選んで荒唐無稽なでっち上げの逮捕状を請求し、合計八カ所の家宅捜索を強行しようという、公安警察の「こそ泥」然とした様相がうかがえる。


 その上で「釈放はひとつの区切りだが油断はできない。不起訴を勝ち取るという重要な取り組みが残っている」と佐藤弁護士が語り、岡部弁護士は今回の事件をえん罪弾圧であり、その特徴として、第1は強要罪の要件がない、第2は問題となった話し合いは正規の交渉である、第3は校長の人事評価が誤っていたと、簡潔に位置づけた。強要罪は「生命、身体、自由、名誉及び財産に対する侵害」と「告知」あるいは「暴行」が明らかになったときであり、そうでなければ子供のおねだりも罪になるという例えを用いていた。


 この交渉については元々は要求というより、意外な評価をつけた事情を校長から聞こうというものにすぎなかった、交渉の特質として強く要求するという側面は当然であり、マスメディアは「人事評価は交渉事項でない」という公安3課の見解をたれながしてしまった。また、監察指導者でもある校長は、その怠慢を棚に上げて不当な低評価を当該組合員に強要し、後日横浜市教委の指導で人事評価の一部を覆さなければならなかった。


 岡部弁護士は「交渉がおこなわれた中学校での実況見分もなく、栄署の捜査責任者もなかなか特定できなかった。とにかくずさんと言うに尽きる。だが勾留された側は一方的に迷惑をこうむった。間違いはあくまで明らかにすることだ」と気迫のこもった調子で、この一週間あまりを総括した。



活動の自立性と多様性を逆証明



 この後、がくろう組合で救援を担当したYさんから栄署激励行動、声明文配布など救援活動の概要説明があって、4人の被弾圧者からも次々に発言があった。4人の発言は逮捕される経緯と留置所内の様子のほか、さまざまな決意表明、これまでの組合運動、市民運動とのかかわりに及んでおり、がくろう神奈川の組合員が果たしてきた自立した活動の多様性を改めて確認する場ともなった。だからこそ、集会などに集まった人の数以上に広範な、支援層が弾圧への抗議とともに急速に広がったのだということがいえる。


 公安警察は冤罪を作って延命するだけの犯罪組織だが、市民活動の分断、個人の生活の破壊という点については最も下劣で、これ以上その存在が許されないということをこれからも宣伝していこう。


 (K)

【転載】がくろう神奈川組合員4人への「団交弾圧」抗議声明

★★★転送転載大歓迎★★★

1.抗議・支援要請

 すでに新聞報道その他でご存知の方も多いかと思いますが、去る10月25日、私たち学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)の組合員と退職した元組合員のあわせて4人が、神奈川県警公安3課と栄警察署に強要未遂容疑で逮捕されました。しかし本件の実態は、手続き的にも道義的にもまったく正当な「校長交渉」=労使交渉、すなわち正当な労働組合活動に対する、まったく不当な刑事弾圧です。ことの経緯は、別紙「組合員への不当逮捕に抗議する(声明)」をご覧ください。

 この不当な弾圧に対する抗議と、救援活動への支援を要請します。私たちは、労使交渉という労働組合の基本的活動そのものを対象とした、この極めて悪質な刑事弾圧を断固許さず、立ち向かって行きます。皆様のご尽力をたまわれれば幸いです。


【抗議先】
神奈川県警本部
横浜市中区海岸通2丁目4番
代表電話・FAX 045-211-1212
総合相談室電話・FAX 045-664-9110
神奈川県警栄警察署
横浜市栄区桂町320?2
電話 045-894-0110

【支援・激励・問い合わせ】
学校事務職員労働組合神奈川
横浜市港北区篠原台町36-28 東横白楽マンション602
電話・FAX  045-434-2114


組合員への不当逮捕に抗議する(声明)


 10月25日、私たち学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)の組合員と退職した元組合員のあわせて4人が、神奈川県警公安3課と栄警察署に強要未遂容疑で逮捕された。しかし本件の実態は、正当な労働組合活動に対するまったく不当な刑事弾圧である。がくろう神奈川は強く抗議するとともに、不当に逮捕・勾留された4人の即時釈放を要求する。



 本件不当逮捕は、がくろう神奈川が組合員勤務の横浜市立中学校長と2009年3月に行った「校長交渉」=労使交渉に際しての、当時いずれも組合員であった4人の行為を被疑事実としている。

 しかしまず、この交渉は事前にがくろう神奈川より申し入れ、校長も受諾した上で行われたものである。一部報道では県警公安3課の説明として、「地方公務員法は人事評価についての交渉は認めておらず」などと交渉そのものが違法であったかのように報じているが、そのような明文規定はなく、まして交渉することそのものを違法とする法解釈などありはしない。何より本件は当事者同士が、人事評価という議題も労使交渉であるという位置づけも事前に承知した上で行ったものであり、まったく適法な労使交渉であった。

 そして労使交渉の席上、両者の主張が平行線をたどれば厳しい議論になるのは当然であるし、使用者側が一方的に打ち切ろうとすれば抗議し、要求が受け入れられなければ相手側の問題点を指摘し、あるいは今後の更なる取り組みの強化を通告して追及するのも、労使交渉である以上当然のことである。違法行為を予告したわけでもない交渉における言動を「強要未遂」などと言いなすのは、民間労組が交渉でスト権行使を示唆するのを「強要未遂」と言うのと同じくらい、通用しえない話である。


 そもそもの発端は、組合員に対する人事評価であった。一部報道では「人事評価を上げるよう要求」とあり、あたかも通常を上回る高評価を不当に得ようとしたかのような印象を受けるかもしれないが、事実はまったく異なる。そもそもがくろう神奈川は、人事評価制度そのものに強く反対しており、制度撤廃を求め続けている。その上で現場においては、制度上どうしても評価をせざるをえないなら全て標準にあたるB評価を、と申し入れており、SやAなどの高評価を求めるなどあり得ない。

 その上で本件はどういった交渉であったのか。当該中学校勤務の組合員はこの年度に新規採用され、初任ながら事務職員単数校に配属された。県内でもっとも多忙とされる横浜で、右も左もわからない1年目からたったひとりの事務職員として配属された上、本来頼りになるべき管理職=人事評価制度上の「観察指導者(校長)」も「助言指導者(副校長)」も事務職員の仕事を知らず、指導も助言もありはしない。この組合員はそんな環境の中でも尽力し、1年間事務職員業務を滞りなく勤めた。しかし人事評価における校長評価は、標準がB評価であるところ、7ヵ所中5ヵ所にC評価をつけるものであった。C評価を受ける者は県内全体で1%にも満たず、著しく低い評価であった。

 当該校長は、人事評価制度上本来果たすべきとされている「指導」や「助言」もせず、また勤続年数に基づく評価を行ってはならないとされているにもかかわらず「初任者はC評価から始まる」といった重大な誤解ないしはデタラメに基づいて、著しい低評価を下した。C評価を下した場合に記入すべき「指導・助言内容」も記入できていない。これを不当評価と言わずしてどう言おう。後の話であるが、この評価については横浜市教委も「行き過ぎ」と認め、不充分ながら一部を訂正させたほどである。

 以上の経緯・理由を踏まえて、がくろう神奈川はC評価の撤回とB評価への修正を要求した。私たちはこの要求を、組合員への不当極まる評価を撤回させ、組合員の人権を守り名誉を回復するための正当なものであったと信じる。



 以上の通り本件刑事弾圧は、手続き的にも道義的にもまったく正当な労働組合活動に対する、警察の不当介入・不当弾圧そのものである。がくろう神奈川は、逮捕・勾留を行い、あるいは請求し、あるいは許可した県警・検察・裁判所に強く抗議し、4人の即時釈放を要求する。加えて、逮捕された現職組合員の任命権者である横浜市教委と相模原市教委には、今回の逮捕・勾留を理由としたいかなる処分や不利益取扱いも行わないよう要求する。

 最後に、私たちがくろう神奈川は今回の不当な刑事弾圧に屈することなく、逮捕された4人の救援活動とともに、組合活動を決然と展開して行くことを表明する。みなさんのご支援ご注目をお願いします。



2011年10月27日

学校事務職員労働組合神奈川

≪読書案内≫ 『国家と情報 警視庁公安部「イスラム捜査」流出資料を読む』

1106091167『国家と情報 警視庁公安部「イスラム捜査」流出資料を読む』

 河崎健一郎、梓澤和幸、青木理 編著/現代書館2200円+税

http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5663-7.htm


■公安テロ情報流出被害弁護団と原告の闘い

 グローバル派兵国家建設と連動した治安弾圧体制構築の一環として作られた警視庁公安部外事3課の公安テロ情報流出事件(2010年10月28日)が発生してから約一年。公安政治警察の幹部も含めて400人以上のパソコン、携帯電話、口座記録なども調査したが、いまだに実行犯と流出ルートを特定できないでいる。幹部らの保身を根拠にして腐敗・堕落の欠陥組織を温存し続けいるが、公安内は疑心暗鬼が深まり、「団結」の危機が進行している。

11年の「警察白書」で「国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案」の項を設けて「本件データには、警察職員が取り扱った蓋然性が高い情報が含まれていると認められ、このようなデータがインターネット上に掲出されたことにより、不安や迷惑を感じる方々が現にいるという事態に立ち至ったことは極めて遺憾である。警察では、引き続き、個人情報が掲出された者に対する保護その他の警察措置や本件に対する捜査、調査に組織の総力を挙げて取り組み、事実を究明していく」などと触れざるをえないほど追い込まれている。ただし被害者に対する真摯な謝罪と必要な措置は棚上げのまま居直りつづけているのが実態だ。

 さらに公安の危機の現われとしてあるのが、この10月に警察庁長官に就任した片桐裕の記者会見が決定的だ。片桐は、わざわざ流出事件を取りあげ、「全容解明しないと責任を果たしたことにならない」と述べ、公安系列に回し蹴りするほどだ。もちろん被害者に対する謝罪はなく、組織温存を前提とした居直り会見であることは言うまでもない。とりわけ取調べの可視化に敵対し、新たな捜査手法の導入として「通信傍受の範囲を相当広範囲に認めるとか、DNA型データベースの対象者を相当広げるとか、司法取引を行うとか、何らかの別の捜査手法」が必要だと強調し、その反動性を前面に押し出してきた。

 これまで警察庁長官は公安畑出身が就任するケースが多かったが片桐は生活安全部出身であり、対暴力団を通した治安強化の構築をねらっている。片桐の長官就任は、公安テロ情報流出事件を「決着」つけることができない公安系列の劣勢を反映した警察庁人事力学の現状である。

 いずれにしても公安政治警察の人権侵害、腐敗・堕落の体質は、まったく変わっていないことは、これまでの公安事件によって明白だ。とりわけ反原発運動の高揚に対する支配階級の危機をバックにした公安と機動隊の連携プレーによるデモ弾圧、公安条例違反、公務執行妨害罪などのデッチ上げの弾圧を強化しつつある。警察権力の敵対を許さないために、さらなる民衆の追撃を強化していかなければならない。その一環として警察権力に深く刺した棘である公安テロ情報流出事件の検証は、公安の決壊を拡大していくためにも重要な作業である。

 「国家と情報」は、公安テロ情報流出被害弁護団(http://k-bengodan.jugem.jp/)の団長である梓澤和幸弁護士を中心に以下のような執筆人とテーマだけでわかるように公安警察批判を鋭角的に、かつ厳しく展開していることがわかるだろう。

 「第Ⅰ章『流出資料をめぐって』/青木理(ジャーナリスト) 『公安警察の隠微な歴史と外事3課の新設』『流出資料からみる公安警察の馬鹿げた実態』/古屋哲(大谷大学教員)『警備情報活動と出入国管理行政との関係について』/岩井信(弁護士)『ムスリムの狙い撃ち―公安警察の違法捜査』/上柳敏郎(弁護士)『金融機関の公安警察に対する個人情報提供』/田原牧(新聞記者)『在日ムスリムを襲った無知と偏見』『日本政府のムスリム敵視政策・歴史と変遷』/西中誠一郎(ジャーナリスト) 『デュモン事件と公安テロ情報流出事件』/前野直樹(イスラミック・サークル・オブ・ジャパン日本人部代表)『日本のムスリムとその課題』」

 「第Ⅱ章シンポジウム『検証・公安テロ情報流出事件』/第Ⅲ章資料集『公安テロ情報流出資料』」。

■イスラム教徒=テロリスト?

 公安テロ情報流出被害弁護団と原告(14人、国内在住のイスラム教徒)は、5月16日、東京地方裁判所に対し国と都を相手に国家賠償請求訴訟を提起し裁判闘争中だ。提訴は、「警視庁、警察庁及び国家公安委員会が、人権を侵害する態様で被害者らの個人情報を収集し、収集した個人情報を正当な理由無く保管し、かかる個人情報を漏洩させ、さらに、漏洩後に適切な損害拡大防止措置を執らなかった」ことを理由として総額1億5400万円(一人あたり1100万円)の損害賠償を請求した。

 また、流出情報を無編集のまま「流出『公安テロ情報』全データ イスラム教徒=『テロリスト』なのか?」として出版した第三書館を相手に流出公安情報出版被害回復請求訴訟も闘われている。

 本書の冒頭で弁護団の河崎崎健一郎弁護士は、「なにが問題なのか―事件の見取り図」でこの事件の三段階の問題構造を明らかにしている。
 公安は、イスラム教徒をテロ犯予備軍として捜査、訊問を繰り返し、国籍、氏名、電話番号、旅券番号、職業、家族構成、交友関係などを一人一人調べ上げ、人権侵害、差別・排外主義に貫かれた報告書をデッチ上げた。その情報流出と違法出版によってプライバシー情報、名誉毀損の拡散した。第二が情報流出を警察権力は、自らの犯罪であることを否定し続け、放置による被害を拡大させた。

 そして、「より根深い本当の問題(第3の問題)―被害者を苦しめる三重の被害」についてクローズアップし「イスラム教徒であるというだけで、テロリスト扱いされ、モスクを監視され、一人ひとり尾行され、その個人情報を丸裸にされていたということの屈辱と恐怖である。また、銀行やホテル、レンタカー会社や大学など、社会生活を行う上で信頼して利用している多くの機関が、彼らの個人情報を、令状もないままに、惜しげもなく公安当局に提供し、また、ときには別件逮捕などの違法な手段を用いて、強制的にかれらの情報が収集、分析、そして利用されてきた」ことを痛烈に糾弾し、公安捜査が憲法20条の信教の自由の侵害だと断言する。

 そのうえで「公安警察の活動実態を明らかにし、被害者たちの受けた『三重の被害』の根本に届く議論に資する部分に関しての資料を改めて公表し、解説や多角的な論考をあわせることで、『国家と情報』についての本質的な議論を喚起したい」と呼びかけている。

 もちろんだ!私たちは、10.24免状等不実記載弾圧を許さない!国賠裁判の勝利判決(09年9月9日)をかちとり、神奈川県警公安政治警察の権力犯罪を暴き出してきた地平のもとに公安テロ情報流出被害弁護団と原告の闘いに連帯していく決意だ。

 「10.24免状等不実記載弾圧を許さない!国賠裁判 9・9東京高裁 微罪弾圧国賠裁判勝利判決」については、「かけはし2009.9.21号」を参照していただきたい。
http://www.jrcl.net/web/frame090921c.html

■公安警察は解体だ!

 国賠裁判は、8月24日、第一回口頭弁論が行われ、原告の意見陳述があり、「偏見に基づく違法な捜査で名誉を汚されたままで、捜査当局から謝罪もなく捨て置かれている」現状を浮き彫りにさせ、警察権力を断罪した。本書では「コラム 被害者の証言」のコーナーを設けて、①一〇年以上前から続いていた公安調査の被害②情報流出を警察権力が認めた後でも公安の監視・訪問が続いている実態③公安警察の「事件化」工作と恫喝する検察と警察―を暴露している。

 ところが無反省の公安を防衛するために国賠裁判では国と都は居直り続け、請求棄却を求めた。

 この不当な姿勢は、弁護団が公安テロ情報流出事件に関し、照屋寛徳衆議院議員が内閣に提出していた質問主意書に対する回答(7月1日)にも現われている。 流出情報が警察のものであったのかどうかという確認に対して「個別に明らかにするのは適当でない」などと拒否回答だ。さらに、「被害者らに対し、警察庁としての謝罪は行ったのか」という質問に対し、「警察において、個人情報が掲出された者で連絡することが可能なものに対し、諸事情を勘案しつつ、個別に面会するなどして必要な措置を確認するなどしているところである」などと回答してきたが、弁護団によれば「被害者に対して直接謝罪した例はなく、必要な措置を確認した例もない」ことを確認している。つまり、まったくの嘘、でたらめなのである。

 弁護団は、「実質的な回答を拒否するというのでは、立法府は公安警察活動に対して一切の監視・監督を行うことができないことになる。このこと自体が、公安警察活動が民主的統制に服さない活動であることの証左と言える。情報流出や信教の自由侵害について責任を逃れようとするものであり、このような被害者に対する不誠実な態度は、情報流出発生以降一貫した政府の態度であると言わざるを得ない」と批判している。政府・警察権力の開き直りを許してはならない。公安政治警察は、解体しかない!

(Y)

【転載】差別・排外主義にNO!9・23行動への弾圧に抗議する声明文


▲不当逮捕の瞬間

差別・排外主義にNO!9・23行動への弾圧に抗議する声明文
http://923solidarity.tumblr.com/post/10663013076/no-9-23


 9月23日、「在特会」「主権回復を目指す会」「排害社」といった、民族差別・排外主義を煽りヘイトスピーチをまき散らす「行動する保守」勢力の行動に抗して、社会的な包囲網を形成すべく、「差別・排外主義にNO! 9・23行動」実行委員会は、「生きる権利に国境はない!」「私たちの仲間に手を出すな!」を合言葉に街頭大衆行動=デモに取り組みました。

 デモ隊は、新宿柏木公園を出発地点として新宿の繁華街を整然と行進し、予想された集団によるデモへの妨害・襲撃もなく、沿道の市民、あるいは周辺の店などで働くマイノリテイーの人々へ、差別・排外主義にNO!の声を届けました。

 しかし、警視庁によるデモへの妨害は非常に過剰かつ悪質なもので、デモ隊が整然と歩いているにもかかわらず、隊列右側を歩く参加者を突き飛ばしたり、歩道側に押し付けるなど違憲・違法な警備活動を行いました。このような警察による妨害は、震災/原発事故以降の社会不安の中で、批判の声を圧殺するかのようにエスカレートしています。

 そして、デモ隊が新宿区役所通りを通過していた午後3時10分ころ、第六機動隊員が、バナーを手に持ち沿道の人達にアピールしていたAさんを引きずり出して隊列から引き離すと同時に、示し合わせたように私服警官を含む大勢の警察官がデモになだれこんできました。デモ参加者も引き倒されたり抑えつけられたりしながら抗議しましたが、警察官はきわめて暴力的にAさんを引き倒し、不当にも逮捕しました。この警察の不当、違法な行為の一部始終は、映像でもはっきりと確認できます。

 Aさんは、「公務執行妨害」とデッチあげられ、今も新宿署に監禁されています。

 これは、ただ歩いていただけのAさんを狙い撃ちにし、同時に、民族差別・排外主義に反対するすべての人々を踏みにじるも同然の行為です。


 私たち「差別・排外主義にNO! 9・23行動救援会」は、Aさんの即時釈放を求め、不利益を最小限にとどめるべく活動しています。


 今回の弾圧を徹底的に暴露・糾弾し、警察のもくろむ分断とネガティブキャン
ペーンをはねかえしましょう!


◆◇◆激励/賛同メッセージを送ってください◆◇◆

 弁護士が接見を行った時に、みんなの激励メッセージを伝えることができますので、救援会のメールアドレスに送ってください。

 また、わたしたち救援会の活動への賛同メッセージも、このウェブサイト上で紹介したいと思っています。「賛同メッセージ」とタイトルをつけて、お名前・肩書き・メッセージをご記入のうえ救援会のメールアドレスに送ってください。

◆◇◆救援カンパをお願いします◆◇◆

 弁護士費用をはじめ、救援活動には多額の費用が必要となります。どうかカンパをお願いいたします。郵便振替用紙に『「差別・排外主義にNO!9.23行動」実行委員会』『救援カンパ』とお書きいただき、以下へお振り込みください。

連絡先:東京都港区新橋2-8-16石田ビル5階(救援連絡センター気付)
tel:03-3591-1301 / fax: 03-3591-3583
メールアドレス:923solidarity@gmail.com

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パキスタン北部における暴力的弾圧

baba-jan1(中央のマイクがババ・ジャン)


パキスタン北部における暴力的弾圧 

ババ・ジャンなどの逮捕者を釈放せよ
http://www.internationalviewpoint.org/spip.php?article2304

 
ピエール・ルッセ



 パキスタン北部、ギルギット・バルチスタン地方で拘留されているパキスタン労働党(LPP)の指導者ババ・ジャンなどの被逮捕者を守る連帯キャンペーンが進められている。LPPからの情報によればババ・ジャンは秘密警察によって二日間にわたって拷問を受けた。



 一カ月以上前、「北部地域」のヒマラヤに位置するギルギット・バルチスタン地方で進歩的活動家たちが暴力的弾圧を受けた。さる8月11日、一年前の2010年7月4日にフンザ峡谷で起きた壊滅的な地滑りへの補償支払いを求める人々に対して、警察が実弾を発射した。この地滑りはきわめて大規模な洪水を引き起こし、巨大な湖が作られることになった。そのため多くの住居と、中国との地域的交易にとって不可欠な輸送ルートが破壊された。村民を見捨て、被害を受けた457家族のうち25家族への被災見舞い金を着服した行政当局を村民たちは告発した。

 州政府の閣僚が訪問した8月11日に村民たちはデモを行った。警察部隊は、アフザル・バイド(22歳)と彼を守ろうとした父親のシェル・ウッラー・バイグ(50歳)を残忍にも殺害した。翌日、この虐殺に対してアリアバードなどフンザ地方の各地域で住民たちが立ち上がり、警察と衝突して警察署や行政官事務所に放火した。四日間にわたり住民たちは市を支配した。

 当局は住民たちを鎮めるために、住民殺害の責任者である警官を告発手続きが始まったと主張し、悲しみにうちひしがれた家族への財政的補償を行った。彼らは、8月11日に起きた事件への沈黙を強制するために進歩的サークルへの弾圧準備を有利に進める目的でそうした動きに出たのである。こうして一週間後の8月19日、36人が検挙された。その中にはLPPの党員10人が含まれており、うち6人が勾留されている。9月16日には新たな逮捕の波が始まり、さらに33人が検挙された。

 LPPの六人の党員が最初に投獄された。LPP州委員会のメンバーで進歩的青年戦線(PYF)の指導者であるババ・ジャン(1)は、民衆動員に深く関わっていた。警察に対してPYFが抵抗したために、彼は8月19日には逃げる時間があった。しかし彼はなお指名手配を受け、捕まれば即決処刑され(「行方不明者」となる)、「超法規的処刑」の犠牲者となる危険があった。不幸なことにギルギット・バルチスタン地方は当局による人権侵害でよく知られている。したがってババ・ジャンは、一カ月間の地下生活の後、彼に何が起こったかを誰も気づかないということがないように、記者会見を開いてから自ら出頭する道を選んだ。

 それにもかかわらずLPPが得た情報によれば、ババ・ジャンはパキスタン情報機関ISI(2)によって留置房から連れ出され、二日間にわたって拷問を受けたのである。彼は縄で吊るされ、気候変動の犠牲者である住民を守るために闘ったために激しく殴打された! ISIは、彼が行政官事務所に放火した責任者であると「自白」させようとした。これに対して彼は、自分がその場所に着いたのは後になってからだとはねつけた。

 ババ・ジャンが弾圧のターゲットになったのは、彼がLPP、PYFの一員として、2010年7月4日のスキャンダル(大規模地滑りとその補償問題)とその後日談をパキスタンの中で知らせる上で、きわめて積極的な役割を果たしたからである。彼らの行動、とりわけラホール、カラチ、イスラマバードで行われた記者会見によってこの問題は全国紙のトップページに掲載された。

 LPPはババ・ジャンと他の被逮捕者の釈放、すべての弾圧被害者の防衛のために連帯キャンペーンを開始している。このキャンペーンは、デモ参加者への虚偽に満ちた告発の撤回、そして2010年7月4日の地滑り事故のすべての被災者に対する有効な補償を求めている。このキャンペーンはパキスタンならびに国際的レベルで展開される。われわれはこの問題に関して定期的な報告を行うだろう。

 すでに香港に本部のあるアジア人権委員会(AHRC)はさる7月に「ギルギット―バルチスタンでの弾圧に反対するアピール」を発した。

 当面の課題として、抗議の手紙をパキスタン大使館へ、そして連帯メッセージをLPP(labour_party@yahoo.com)へ。



注1 ババ・ジャンは2004年にLPPに入党し、2010年にファイサラバードで開催されたLPP第五回大会で全国委員に選出された。

注2 ISIはパキスタン軍情報部。
 

(「インターナショナルビューポイント」2010年9月号)

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▲(フンザでの弾圧抗議デモ)

【反弾圧】差別・排外主義にNO!9・23行動への弾圧に抗議する声明文

9月23日に行われた「差別・排外主義にNO!9・23行動」のデモに対する弾圧の抗議・救援カンパよびかけが公開されましたので、転載します。

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差別・排外主義にNO!9・23行動への弾圧に抗議する声明文
http://923solidarity.tumblr.com/


 9月23日、「在特会」「主権回復を目指す会」「排害社」といった、民族差別・排外主義を煽りヘイトスピーチをまき散らす「行動する保守」勢力の行動に抗して、社会的な包囲網を形成すべく、「差別・排外主義にNO! 9・23行動」実行委員会は、「生きる権利に国境はない!」「私たちの仲間に手を出すな!」を合言葉に街頭大衆行動=デモに取り組みました。

 デモ隊は、新宿柏木公園を出発地点として新宿の繁華街を整然と行進し、予想された集団によるデモへの妨害・襲撃もなく、沿道の市民、あるいは周辺の店などで働くマイノリテイーの人々へ、差別・排外主義にNO!の声を届けました。

 しかし、警視庁によるデモへの妨害は非常に過剰かつ悪質なもので、デモ隊が整然と歩いているにもかかわらず、隊列右側を歩く参加者を突き飛ばしたり、歩道側に押し付けるなど違憲・違法な警備活動を行いました。このような警察による妨害は、震災/原発事故以降の社会不安の中で、批判の声を圧殺するかのようにエスカレートしています。

 そして、デモ隊が新宿区役所通りを通過していた午後3時10分ころ、第六機動隊員が、バナーを手に持ち沿道の人達にアピールしていたAさんを引きずり出して隊列から引き離すと同時に、示し合わせたように私服警官を含む大勢の警察官がデモになだれこんできました。デモ参加者も引き倒されたり抑えつけられたりしながら抗議しましたが、警察官はきわめて暴力的にAさんを引き倒し、不当にも逮捕しました。この警察の不当、違法な行為の一部始終は、映像でもはっきりと確認できます。

 Aさんは、「公務執行妨害」とデッチあげられ、今も新宿署に監禁されています。

 これは、ただ歩いていただけのAさんを狙い撃ちにし、同時に、民族差別・排外主義に反対するすべての人々を踏みにじるも同然の行為です。

 私たち「差別・排外主義にNO! 9・23行動救援会」は、Aさんの即時釈放を求め、不利益を最小限にとどめるべく活動しています。

 今回の弾圧を徹底的に暴露・糾弾し、警察のもくろむ分断とネガティブキャンペーンをはねかえしましょう!


◆◇◆激励/賛同メッセージを送ってください◆◇◆

 弁護士が接見を行った時に、みんなの激励メッセージを伝えることができますので、救援会のメールアドレスに送ってください。
 また、わたしたち救援会の活動への賛同メッセージも、このウェブサイト上で紹介したいと思っています。「賛同メッセージ」とタイトルをつけて、お名前・肩書き・メッセージをご記入のうえ救援会のメールアドレスに送ってください。

◆◇◆救援カンパをお願いします◆◇◆

 弁護士費用をはじめ、救援活動には多額の費用が必要となります。どうかカンパをお願いいたします。郵便振替用紙に『「差別・排外主義にNO!9.23行動」実行委員会』『救援カンパ』とお書きいただき、以下へお振り込みください。

連絡先:東京都港区新橋2-8-16石田ビル5階(救援連絡センター気付)
tel:03-3591-1301 / fax: 03-3591-3583
メールアドレス:923solidarity@gmail.com

救援カンパ振込先:ゆうちょ振替 口座番号=00200-5-38572 口座名義=「差別・排外主義にNO!9.23行動」実行委員会
※他の金融機関からお振込の場合:ゆうちょ銀行 〇二九店 当座0038572

【転載 反天連声明】9.11反原発デモへの弾圧を許さない。5人の仲間をすぐ返せ!

9月11日に新宿で行われた「素人の乱」反原発デモへの警察権力による12人逮捕という弾圧に対する反天皇制運動連絡会の声明を転載します。


▲警察と排外主義者のコラボによる反原発弾圧
排外主義者のマイクを上官の命令と勘違いしたのか?

[反天連声明]
9.11反原発デモへの弾圧を許さない。5人の仲間をすぐ返せ!
──自由な行動、表現の自由に対する警察権力の不当な弾圧と、排外主義者たちによるデモへの妨害と攻撃を許すな! 


 9月11日、新宿で行われた「9.11原発やめろデモ!!!!!」に対して、警察権力は、これまで以上に敵意をむき出しにして臨んだ。主催者によれば、当初のデモ申請の出発地点とデモコースは一方的に変更させられ、デモ隊に対する過剰な警備体制が敷かれた。デモの隊列は圧縮され、押し込められ、参加者は暴力を振るわれたという。こうして自ら混乱をつくり出した警察は、デモ参加者を「公務執行妨害」などの名によってほしいままに逮捕し去ったのである。最終的な逮捕者は12人、まさに大量弾圧というべきである。

 私たちの多くは、そのとき、都内で行われていた別の反原発アクションの場にいた。新宿の状況はそこにも刻々と伝えられた。膨れ上がっていく逮捕者の数に耳を疑い、怒りをかきたてられながら、このどす黒い警察権力の意思が、原発を推進し維持し続けようとする国家の意思とまっすぐつながっていることを、あらためて確認しないではいられなかった。

 逮捕された人びとが「違法なデモをした」「暴行をふるった」などという許しがたいデマが、マスコミなどで垂れ流される。今回の弾圧が、反原発への弾圧であるばかりでなく、5.7や8.6などと同様、運動の広がりそれ自体に対する弾圧であることは、デモの参加者にこそはっきりと感じられていよう。なによりも、さまざまな人びとが、さまざまな方法で、自由に路上に繰り出していくことを圧殺しようというのが権力の意思だ。だから大量の逮捕者を生みだしたデモは、警察の暴力性ではなくデモの暴力性の証しとして描きだされる。そしてそのデモの参加者は「特殊な存在」であり、いわゆる「過激派」であるというかたちで、反原発運動のなかに分断の線が引かれる。

 14日までに、逮捕者のうち7人まで釈放されたが、残りの5人に対しては不当にも10日間の勾留がつき、いまなお警察署に捕われたままだ。すでに救援会が立ち上がりさまざまな活動に取り組んでいる。私たちもまた、多くの人びととともに、新宿でおきた事態をはっきりと認識し、不当逮捕糾弾・即時釈放要求の声を上げていきたいと考える。
     *
 そして私たちは、今回、差別排外主義「市民右翼」=在特会(在日特権を許さない市民の会)などの連中がその場に登場し、デモ隊を挑発し、警察に逮捕を要求したという事実に、強い怒りを禁じることができない。

 3.11以後、「原発の火を消させない国民会議」なるものを立ち上げた彼らは、この日、歩行者天国がおこなわれていた新宿三丁目の交差点近くに陣取り、デモ参加者を「反日極左」と名指しつつ、「生きたまま原子炉にたたきこめ」などと連呼した。

 なにより、そのような場所を、警察が在特会に確保させたということ自体が、彼らへの優遇ぶりを物語っているのである。もちろん、歩行者天国を理由に情宣を制限することは不当だ。しかしこれまで、多くの市民・社会運動は、それを理由に警察や地元商店会の執拗な介入を受け、情宣の妨害をされてきたのだ。それが、彼らに対してだけは黙認されたばかりか、柵の中とはいえ、特等席ともいうべきカウンターの場が用意されたのである。

 あまりにも傍若無人に差別的な言辞を吐き続ける在特会メンバーに対し、抗議の声をデモ参加者が上げるのは当然である。しかし、抗議しようとしたデモ参加者は、「逮捕しろ」と叫ぶ在特会メンバーの声に煽られるようにして一斉に襲いかかった警察によって、道路に押し倒され逮捕された。在特会のメンバーは、「逮捕なんて生ぬるいことしてないで射殺しろ」と叫び、逮捕者と一緒にいて警察に拘束された女性の腹を蹴るなどの暴行まで加えている。だが、これにたいして警察は「おとがめなし」で、なんの対応もしていないのである。暴力を行使した側ではなく、それに対して抗議しようとした側が逮捕されたのだ。

 警察は、在特会にデモ妨害の自由を与え、デモ隊を挑発させることでデモを弾圧するための道具に使ったことは明らかである。在特会はその与えられた条件を存分に享受して、デモへの薄汚い妨害を続けたのだ。

 デモ隊のすぐ脇で自由に「カウンター」を展開する在特会と、警察に規制され圧縮されながら進むデモ隊の不自由さ。このきわめて非対称的な構造は、私たちにとっても既知のものである。私たちも参加して例年取り組まれている、8.15反「靖国」行動のデモも、彼ら在特会らの「カウンター」に見舞われ続けているが、今年もまた警察は、九段下交差点が見わたせるポイントに、わざわざ彼らのためのステージをしつらえてやり、彼らはそこから、差別排外主義と暴力的な言辞を思うがままにデモ隊に浴びせかけることができたのだ。

 警察権力と在特会のデモ隊に対する悪意は、彼らが言うところの「過激派」や「反日極左」を、そのようなものとしてレッテルばりして、この社会から葬ってしまいたいという意思において通底している。異論や他者を暴力的に排除することを自己目的化しているのが排外主義者であるとすれば、警察権力は、排除と包摂の線を引きながら、自律的な行動を自らの制御しやすい枠内へと押し込めていこうと意識している。かかる整序への暴力、排除と包摂の位階的なシステムこそ、この社会を根本から侵しているものであって、それを私たちは天皇制社会と呼ぶ。

 3.11以降の現実は、地域差別や「死に向かう」原発下請労働者などへの差別構造とそれを前提とする社会のうえに、原発という存在が立っていたことを明らかにした。差別構造総体に対する反対の声を! 自由な行動、表現の自由に対する警察権力の不当な弾圧と、排外主義者たちによるデモへの妨害と攻撃を許すな! 5人の仲間をすぐ返せ!


2011年9月16日
反天皇制運動連絡会

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9/11デモ弾圧への救援会もできました。詳しくは、下記をご覧の上是非ご協力ください  

   http://911nonukyuen.tumblr.com/

新たな「秘密保全法」制定を許すな

315supression新たな秘密保全法制定を許すな

「知る権利」剥奪に抗議しよう

人権侵害・情報統制にNO!
治安弾圧体制を跳ねかえせ



有識者会議がまとめた報告



 「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」は、8月8日、外交・安全保障や治安などの重要情報を「特別秘密」とし、漏洩を罰する「秘密保全」法の制定を提言する報告書をまとめた。

 2010年11月の横浜APEC「戒厳態勢」下において釣魚諸島付近での海上保安庁巡視船による中国漁船拿捕事件ビデオが保安官によって動画投稿サイト「ユーチューブ」流出(9月)した。また公安政治警察外事三課の人権侵害に満ちた対テロ捜査デッチアゲ書類のインターネット流出(10月)が発生し、日本統治機構の脆弱性が世界的に露呈してしまった。大慌ての菅政権は、秘密保全法制の検討、国家公務員の守秘義務の罰則強化によって自らの責任を棚上げ延命することを策動した。これら流出事件を便乗利用し法制化作業を加速させるために有識者会議(座長・県公一郎早稲田大政治経済学術院教授)を設置したのであった(11年1月)。

 これまでの政府は、統治能力強化のために「国家機密法」制定を策動してきたが、民主党政権下においても「政府における情報保全に関する検討委員会」(2010年12月)を立ち上げていた。

 そもそも検討委員会は、新防衛計画大綱の中で「わが国の安全保障の基本方針」と「わが国自身の努力」において「情報収集能力・分析能力の向上」「各府省間の緊密な情報共有と政府横断的な情報保全体制を強化する」ことを新たに打ち出し、秘密保護法の制定を明記し、その実現のために設置したのであった。統治機関を担う内閣官房長官、内閣官房、警察庁、公安調査庁、防衛省、外務省、海上保安庁、法務省の官僚によって構成されている。当然、この動きには米軍情報防衛のための「秘密軍事情報保護協定」(GSOMIA)(2007年)の徹底を求める米国の圧力があったことは言うまでもない。報告書では日米軍事一体化の強化のために自衛隊法なども取り込み、「一つの法律に統一させることが妥当」だと強調しているところに現れている。



恣意的な秘密範囲の拡大



 有識者会議は、国の安全、外交、公共の安全・秩序の維持の三分野に限定し、秘匿性が高い情報を「特別秘密」と定義した。「特別秘密」対象について「別表」などで具体的に列挙しているが、結局のところ統治機関の恣意的判断によってその範囲は拡大していくことは必至だ。

 現行の情報漏えいに対する罰則は、国家公務員法では「職務上知り得た秘密」を漏らした公務員を「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」、自衛隊法では「5年以下の懲役」になっているが、報告書では特別秘密を取り扱ったり、知り得たりした人が故意に情報を漏えいした場合、懲役5年、あるいは10年以下の懲役刑などを設けることを提言している。共謀や教唆も処罰対象にすべきだとした。さらに特別秘密を受け取った人は処罰しないようと言いつつ、不正アクセスや管理場所への侵入などによる取得を処罰対象に含めた。つまり、内部告発の絶対阻止のために重罰主義の徹底で対応する方針だ。

 有識者会議は、とんでもない人権侵害も提言している。各行政機関の長が実施権者となって特別秘密を取り扱う職員を事前に「適性評価制度」でチェックせよと提言している。秘密情報を取り扱う適性があるかどうかを判断するために住所や本籍などの人定事項、スパイやテロへの関与、犯罪歴、薬物・アルコール・精神問題での通院歴など事前調査し、判定しておけというのである。また、「配偶者のように対象者の身近にあって対象者の行動に影響を与え得る者についても」同様の事前調査をやれと言う。このように監視・調査対象を次々と拡大していことの証明だ。プライバシーの侵害などについて全く無視だ。

 アンバランスだが、「内閣総理大臣及び国務大臣にあっては、極めて高度な政治的性格を有する職であることから、適性評価の対象外とする」と「意味不明」な根拠で、こんな「配慮」を行うのが有識者会議の人権感覚だ。

 報告書は、法制化によって取材の自由を「不当に制限するものではない」と断言し、「刑罰法令に触れる」取材は処罰対象だと強調する。要するに政府の恣意的な秘密範囲を拡大し、取材制限するということだ。明らかに民衆の知る権利の規制強化であり、情報統制へとつながる。民衆の知る権利の規制強化を許してはならない。



公安警察の活動正当化する論調



 菅政権時における「秘密保全」法制定の動きは、野田政権においても引き継がれる。野田首相の日米安保を軸にした領土主義の強調は、南西諸島への軍事力増強、日米共同実戦態勢の構築であり、グローバル派兵国家建設として「有事対応・戦争指導」体制を確立していくことなのだ。同時に、この体制作りは、公安政治警察にとって「秘密保全」法を「武器」に民衆監視をも含めた対テロ治安弾圧態勢作りの絶好の「チャンス」だと位置づけている。

 警察庁は、この8月に「警察白書」を発表 しているが、さすがに公安政治警察外事三課対テロ捜査書類流出事件をさけることができず、「本件データには、警察職員が取り扱った蓋然性が高い情報が含まれていると認められ、このようなデータがインターネット上に掲出されたことにより、不安や迷惑を感じる方々が現にいるという事態に立ち至ったことは極めて遺憾である。警察では、引き続き、個人情報が掲出された者に対する保護その他の警察措置や本件に対する捜査、調査に組織の総力を挙げて取り組み、事実を究明していく」などと被害者に対して「平謝り」して、捜査が完全にデッドロック状態であることを認めざるをえなかった。

 ところがこの事件を逆手にとり、「情報保全の徹底・強化のための方策を推進し、情報保全に万全を期す」(警察白書)と決意表明し、「秘密保全法」制定と連動してその担い手と「自負」する公安政治警察の宣伝作戦が始まっている。公安を取り扱った週刊誌記事、公安外事課を主人公とするスパイ捕り物合戦本などの賛美キャンペーンを先取り的に展開している。

 『週刊文春』(9月15日号)は「公安警察は何を狙っているのか」と題して政財界・マスコミ等を総合的に監視する公安IS(インテグレイテッド・サポート)出身の濱嘉之を広告塔として登場させている。内閣らの「身体検査」をやっていると自慢し、「反原発を主張する人の思想の変遷やバックにどんな団体がついているのか調べる」と述べ、遠まわしで反原発運動に対する恫喝をしている。そのうえで「政権がどうであれ、常に『国家と国益』を考えているんです。公安警察は国家にとって不可欠なものなのです」などと持ち上げた。公安テロ情報流出事件を無視し、公安幹部らのもみ消し工作もふれることができないフザケた内容となっている。

 産経新聞記者の大島真生の『公安は誰をマークしているか』(新潮新書)では、真新しい公安警察の「活躍」のたぐいはなく、古くさい事例をかき集めてまとめたものにすぎない。

 大島は本書の「おわり」で、ようやく公安テロ情報流失事件に触れ「一国民として考えると、もしテロが計画されようとしているのならば、こうした日頃の内偵捜査は大切だと思う」「もちろん公安警察が情報を得ようとするのは、テロやスパイ活動を防ぐためであり、それは一般国民の利益にもつながる部分はある」などと評価する。

 他方で「『人権』という視点からみると、イスラム教徒というだけで疑いの目で見るのは、いかがなものかとも思う」「国民が関心を持って公安警察の『やり過ぎ』『行き過ぎ』をチェックすることだ」と巧妙にバランスをとるポーズをとりながら公安の人権侵害、民衆弾圧の実態を検証する文言はひとかけらもない。結局のところスパイ天国日本を許さないために公安警察を防衛していくためのアピールでしかないのだ。

 「秘密保全法」制定キャンペーンの一環である公安政治警察の「暗躍」を許してはならない。「秘密保全法」制定の動きを厳しく監視し続け、反対していこう。治安弾圧体制の強化を跳ね返していこう。



(Y)

【転載】 「8.6原発やめろデモ!!!!!」弾圧に抗議する



8.6原発やめろデモ!!!!!弾圧救援会
http://d.hatena.ne.jp/nonukyuen/20110814/1313316008


「8.6原発やめろデモ!!!!!」弾圧に抗議する

   2011年8月13日 8.6原発やめろデモ!!!!!弾圧救援会


2011年8月6日東京の日比谷公園から出発した「原発やめろデモ!!!!!」http://86nonukes.tumblr.com/ で3名が不当逮捕されました。2名は8日に釈放され、残る1名はいまだに勾留されています。私たち救援会はこの逮捕に強く抗議し、今すぐ釈放を求めます。そしてみなさまにカンパなどの支援をお願いします。

この日も原発反対を表現するため多彩な人が集まりました。しかしデモ出発前から警察の異常なまでの過剰警備が始まり、デモ中も多くの参加者が体を押されたり、「早く歩け」と言われ続けました。そして東京電力本店前を過ぎた山手線のガード下で1名が、続いて銀座の数寄屋橋で1名がいきなり押し寄せた警察に逮捕されました。2名はただデモで歩いていただけです。

2名はその後築地警察署に勾留されました。逮捕された人は外の世界から隔離され、警察署内で長くつらい取り調べを受けます。そこで外の仲間が助けるために動いているよ、がんばれ、ということを伝えて励ますために、デモ後に築地署の前に激励と抗議に行きました。

ところが築地署前には大勢の警察官が立ち並び、公道で抗議する仲間を威嚇し続けました。そしてまたも押し寄せてきて、1名を倒し、不当逮捕しました。その際に本人は警察に殴られ、引きずられ、骨折の疑いがあるほどのケガを負わされてしまいました。警察の理不尽な暴力は絶対に許せません。

デモ中に不当逮捕された2名は8日に釈放されましたが、築地署前での1名は原宿署に移され、8月9日に裁判所が10日間の勾留をつけてしまったため、今も勾留され続けています。逮捕した際、警察は「建造物不法侵入」を口実にしたにも関わらず、勾留中に「公務執行妨害」に切り替え、「警察官に暴力をふるった」などと後からデッチ上げています。

「原発やめろデモ!!!!!」では5月7日にも渋谷署があまりにひどい不当逮捕を行いました。この時も無実の罪でした。http://57q.tumblr.com/

福島原発事故の大惨事を経た今、原発反対の声を上げるのは当たり前のことです。しかしこの国の警察は力で無理やり押さえ込み、サウンドデモのような自由な表現をまるで目の敵のようにしています。

そこで救援会は一刻も早く助け出すために全力で動いています。原発に反対し、不当逮捕に心を痛める全ての方にも、ぜひサポートをお願いいたします。


★救援カンパをお願いします
弁護士費用をはじめ、救援活動には多額の費用が必要となります。どうかカンパをお願いいたします。
郵便振替用紙に「8.6x原発やめろデモ!!!!! 弾圧救援会」とお書きいただき、以下へお振り込みください。
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口座番号:00140‐2-750198 口座名称:ミンナノキュー
他銀行からの振込の場合:
019(ゼロイチキュウ)店 当座 0750198

救援会メールアドレス:86nonukyuen(at)gmail.com
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/nonukyuen/

マレーシア:人民こそが英雄だ!そして闘争は続く

人民こそが英雄だ!そして闘争は続く

勾留されていたマレーシア社会主義党の全員を奪還

 

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「ピープルパワーは勝利する!」奪還集会で気勢を上げる保釈された6人のPSMメンバー

7
29日夕方、最後まで拘束されていた6人のマレーシア社会主義党(PSM)のメンバー全員が釈放された。クアラルンプール・スランゴール華人会館でその日の晩に予定されていた抗議集会は奪還勝利集会に変わった。集まった400人の支援者は保釈された6人を歓呼して迎えた。

 

釈放されたPSMの国会議員でもあるジェヤクマルは支持者にこう語った。「政府はますます人々の支持を失っています。キャンドル集会やハンストでの抗議など、皆さんが政府に圧力を加えてくれた。そうでなければこんなに早く釈放されることは無かったでしょう。」

 

同じく釈放された別のPSM中央委員はこう語った。「釈放された6人が英雄なのではない。みなさんが、そして79日に街頭に繰り出した人民こそがこの国の英雄なのです。」

 

奪還勝利集会は、PSMの党旗とインターナショナルの合唱の中でクライマックスを迎えた。

 

この集会には、1957年の独立以来、政権にしがみついてきた統一マレー国民組織を批判し、79日の街頭行動を呼びかけたクリーンで公正な選挙を要求する運動体「BERSIH 2.0」の代表や人権団体「人民の声」の代表らも参加し、6人の釈放を祝福した。79日の闘争では「BERSIH 2.0」の呼びかけに応え全国から2万人が首都クアラルンプールに集まり選挙制度の改革を訴え、警官隊が暴力的に弾圧を行い、1600人が逮捕された。PSMは「BERSIH 2.0」には加盟していないが、協力関係を維持しながら同デモの参加を呼びかけていた。

 

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公正な選挙を求める人々2万人が集まった7月9日のクアラルンプール集会

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のアルチェルバン書記長は今回の弾圧でも民衆が防衛的になることはなかったと語る。「今回の弾圧に対して多くの支持者がカンパを寄せてくれました。政府は『緊急事態法』を使って弾圧しましたが、多くの人はその弾圧を恐れることは無かったのです。これは極めて重要なことです。不正の無い選挙を要求する79日の街頭行動に何万人もが集まったことがその何よりの証です。」

 

6人を含む30名のPSMメンバーは、6月末に「もうたくさんだ!与党連合・国民戦線は退陣せよ!」のキャンペーンを展開中に、「王政との戦争、共産主義イデオロギー再生の試み」の容疑で逮捕された。そのうちの24名は10日間の勾留の後、保釈・起訴されている。

 

今回釈放された6名も83日に起訴された。容疑は共に、1966年制定の「社団条例」と1960年制定の「国家保安令」に違反して、非合法組織の反政府的な文書を所持・配布した、というものである。裁判所は、30人まとめて10月中旬に審理を行うと告げた。裁判所前では20名のPSMの支持者が支援行動を行った。

 

625日の不当な弾圧以降、マレーシア警察は、「PSMが元首に宣戦した」「PSMはマラヤ共産党の復活をもくろんでいる」「PSMは海外の特務機関と通じて政府転覆をもくろんでいる」「PMSBERSIH 2.0の中心的組織である」などとデマを振りまいてきた。PSMはマレーシア警察の正副の警視総監はデマの責任を取り辞職すべきである、と要求している。

 

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これまでの情報

マレーシア社会主義者への大弾圧を許すな

クアラルンプールの弾圧:自由・公正な選挙制度求める市民の運動に恐怖する支配者

【報告】5.7 渋谷・超巨大サウンドデモに1万5千人の大結集

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 5月7日午後2時、代々木公園内ケヤキ並木にすべての原発の停止を求める数千人の人々が集まった。一万五千人を集めた4.10高円寺サウンドデモを渋谷に再現しようとしたものだ。

 前日の菅総理の「浜岡原発をすべて停止させる」との発表を受けて、「残りの原発も止め、廃炉にしよう、福島など被災者を支援しよう」との訴えがあり、さらに東京電力への怒りとともに、原発企業である東芝、日立、三菱の不買運動や原発推進議員の落選運動の呼びかけもあった。そして、ミュージシャンたちの訴えや演奏も行われた。

 三時からデモ行進が開始した。参加者は若者が目立ち、子ども連れや女性も多かった。ちんどん屋さんやロックバンドなどサウンドカーが先頭に立ち、打楽器・管楽器・弦楽器・笛・ブブゼラなど様々な鳴り物によって、「反原発」の意思をアピールし、渋谷を一周する巨大なデモを行った。主催者によると参加者は増えて一万五千人を超えた。

 ただ、デモは一挺団200人とされ、物切れにされたうえに、警察のサウンドデモに対する規制も厳しく、不当逮捕者がでた。せっかくの巨大な「反原発の意志」が踏みにじられた。次は6月11日の全国反原発統一行動デーに巨大な反原発のうねりをつくりだそう。(M)


 (TBS)


(レイバーネット)


渋谷・原宿で行われた5・7原発やめろデモで4人が逮捕されました(うち2人はその日に釈放)。以下、救援会の声明を転送します。


…………
(転送・転載歓迎)


「5.7原発やめろデモ!!!!! 弾圧救援会」
http://57q.tumblr.com/




5.7原発やめろデモ!!!!! 弾圧救援会声明文


・どんなデモだったのか

2011年5月7日、東京・渋谷で行われた「5.7原発やめろデモ!!!!!」では、15000人を超える参加者を集めるデモ行進がありました。たくさんの人が、それぞれのスタイルで、「原発はいらない」を表現する素敵な行動でした。しかし、警察は大量の機動隊を配置して、デモを妨害し、大量の参加者を細かく分断してしまいました。雨の中、デモ行進は出発だけで3時間もかかってしまうあり様でした。また、機動隊は隊列を取り囲んで身動きが取れないようにしました。他にもまだまだひどいことがあるのですが、ここでは書ききれません。参加者がネット上で様々な立場から異様さを指摘しています。警察の妨害がなければ、デモはもっと自由であったはずです。


・逮捕について

そんな中、4名の参加者が法的な根拠もなく警察に連れ去られました。うち2名はその日のうちに解放されましたが、残る2名は警察の留置場内にいます。警察は公務執行妨害容疑での現行犯逮捕であると言い張っています。そもそもデモ行進に大量の警察官が割り込み、混乱状態を招いておいて公務執行妨害とはまったくおかしな話です。むしろこっちが警察を逮捕してやりたいところです。


・救援会の目的

このような不当な逮捕について、「絶対におかしい!」と思う人があつまり、急遽この救援会を立ち上げました。救援会は、2人を守り、助け出すことを目的にしています。弁護士の面会など法的なサポートはもちろん、差し入れや励ましなどもしていこうと思っています。

今回、原発反対のデモに参加したことで2人は逮捕されています。社会とその価値観が根っこから揺さぶられる一方で非常事態の名のもとに自由が抑圧されている今、政府にとって望ましくない主張をしたからです。思想信条によって人が自由を奪われるようなことが許されてよいはずがありません。

・2人はどんな状態か、これからについて

5月9日現在、2人は原宿署と代々木署に、それぞれ留置されています。逮捕された時に、打撲・擦り傷をおわされたものの、健康状態に問題はないようです。

2人は無実の罪で留置されて取り調べをうけています。日本の警察の取り調べは、弁護士の同席も許さず、密室で行われます。そして、やってもいないことを「自白」するよう強要されるのです。2人はそれにも屈せず、黙秘を貫いています。それが自分や仲間の基本的人権を守る最良の方法だからです。

検察は、起訴しなくても最大23日間にわたり、逮捕した人を留置場に入れておくことができます。それはその人の生活や仕事を破壊するのに十分な時間です。


・逮捕された2人を助け出そう!

これまで述べたように、今回の逮捕はデタラメです。一刻も早く2人を助け出さないといけません。現在、救援会は全力で動いています。しかしながら、私たちだけの力では十分ではありません。多くのみなさんの助けが必要です。救援会は以下のことを要請します。




1. 激励メッセージを送ってください

弁護士が接見を行った時に、みんなのメッセージを見せることができます。文章や絵などを、画像データで救援会のメールアドレスに送ってください。


2. みんなの声を広めよう

今回の不当弾圧は、「反原発」の運動の委縮とイメージダウンを狙ったものです。逮捕がデタラメだということを、ドンドン広めてください。

メディア関係者の人は、どんどんマスコミで発信してください。


3. 救援カンパをお願いします

弁護士費用をはじめ、救援活動には多額の費用が必要となります。どうかカンパをお願いいたします。

郵便振替用紙に「5.7原発やめろデモ!!!!! 弾圧救援会」とお書きいただき、以下へお振り込みください。

 

ゆうちょ振替:
口座番号:00140‐2-750198 口座名称:ミンナノキュー

他銀行からの振込の場合:
019(ゼロイチキュウ)店 当座 0750198


連絡先:
東京都港区新橋2-8-16石田ビル5階(救援連絡センター気付)
tel:03-3591-1301 / fax: 03-3591-3583


メールアドレス:
57nonukyuen@gmail.com

報告 3.25 「2.20アメリカ大使館前弾圧抗議集会やるどー!」

220赤坂1、2号を奪還したぞー

 3月25日、「2.20アメリカ大使館前弾圧抗議集会やるどー!」が東京・戸塚区民センターで救援会の呼びかけ、沖縄をふみにじるな!緊急アクション実、辺野古実、ゆんたく高江、麻生邸リアリティーツアー国賠訴訟団の協力によって行われた。

 2.20弾圧とは何か。沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会は、昨年末から沖縄・高江での米軍ヘリパッド建設工事強行に抗議して一月から三回のアメリカ大使館への抗議の申し入れを行ってきた。2月に入ると沖縄防衛局が暴力的にヘリパッド建設に抗議する高江住民の座り込みを妨害するという暴挙に踏みこんできた。実行委は、この事態を糾弾するためにアメリカ大使館抗議デモを2月20日に打ち抜こうと計画したが、警察権力は不当にも集合場所・デモコース・解散場所の変更を強要してきた。

こんな不当弾圧を許さず、参加者は徒歩で大使館に向かったところ、こんどは赤坂警察署の指揮によってJTビル前で通行妨害を行った。不当な阻止線に抗議するのは当然の権利だ。ところが警察権力は、この抗議行動に対して公務執行妨害罪を適用して二人の仲間を不当逮捕した。赤坂一号は警視庁本庁、赤坂二号は三田警察署に勾留された。しかし二人の獄中での闘いと獄外の救援会、仲間たちの闘いが一体となって権力の闘争破壊を跳ね返し、3月3日、二人を奪還した。集会は、獄中・獄外を貫く反撃によって勝利したことを確認し、高江連帯・ヘリパッド建設反対の新たな闘いを作り出していくステップとして行われた。

不当弾圧に抗して沖縄連帯闘争は続く

 集会は、さっちゃん(立川自衛隊監視テント村)から二月にヘリパッド建設に抗議する高江住民とともに座り込み行動に参加したことの報告から始まった。

 「2月の本格工事強行以降、毎日百人近くの作業員が動員されている。作業員の多くは若者だった。座り込みをなぜ行っているのか語りかけていった。だが上からの命令で突如座り込みに体当たりしてきたり、暴力的になった」ことを糾弾した。

 さらに国が高江住民などを相手にヘリパッド工事妨害の損害賠償などと称して提訴した「SLAPP訴訟」(恫喝訴訟)を取り上げ、「住民に対する訴訟費用、時間的拘束など大きな負担をかけてきている」と批判した。

 高江住民の会からの連帯メッセージが紹介され、「3月から6月までの間、沖縄防衛局は希少鳥類の営巣期間であるため、騒音の大きい重機を使った作業を控えるとしており、今現在工事は中断していますが、また七月から本格的な工事再開が予想されています」と支援を訴えている。

  「高江にヘリパッドを造らせるな!」の声を抑えつけるな!沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会は、「警視庁と一体となって都公安委員会がデモ申請を認めずコース等の変更強制してきた。抗議して『仮処分』を申し立てた。ところが都は五〇ページにわたる『過激派キャンペーンにもとづく『意見書』を出してきた。デモへの過剰な規制と禁止を許してはならない」と批判し、大使館前規制と二人の仲間の不当逮捕もこのような権力の姿勢の延長にあったことを糾弾した。

 奪還された赤坂一号は、「山谷闘争、野宿者運動の経験からしても、今回の不当逮捕でもあらためて権利を掲げて実現していくことの重要性を実感した。権力の横暴を許さず、権利を掲げて反弾圧を闘っていきたい」と決意表明した。

 赤坂二号は、代用監獄である三田署において権力の人権・人格を否定した対応を認めず、果敢に抗議の闘いを繰り広げ、不当な取調べを跳ね返していったことを報告。そして「獄中において外からの激励行動が聞こえていた。大変力強かった」と勝利宣言した。

 救援会は、①2.20経過②救援対策③分析④イラク開戦以後の弾圧状況について提起し、「今回の反弾圧の闘いの成果を確認し、沖縄基地撤去の闘いを行っていこう」と呼びかけた。

 さらに発言がゆんたく高江、麻生邸国賠訴訟団、辺野古実、みんなの宮下公園をナイキ公園化計画から守る会、フリーター全般労組、沖縄をふみにじるな!緊急アクション実から行われ、今後の闘いの方向性など提起した。(Y)
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