虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

反レイシズム

【案内】安倍改憲政権を許すな! 2.11反「紀元節」行動

安倍改憲政権を許すな! 2.・11反「紀元節」行動

●日時:2月11日(月・休)午後1時開場/集会後デモ

●場所:日本キリスト教会館4F(地下鉄東西線早稲田駅3b番、2番出口から徒歩5分)

●資料代500円

●主催:反「紀元節」行動実行委員会/連絡先090―3488―0263


よびかけ

 二〇一二年一二月二六日、自民党の安倍晋三総裁が首相に指名され、 第二次安倍政権が発足した。衆院選で二九四議席、公明党をあわせた与 党で全議席の三分の二を超えるという圧倒的な力を得て、「日本を取り戻す」と連呼する国家主義者による、極右保守政権が登場した。

 安倍自民党が選挙戦で掲げた政権公約には、「被災地の復興」「日米 同盟の強化」「集団的自衛権の行使を可能に」「領海警備の強化」「成長するアジア経済圏を取り込み……国際資源戦略を展開」「教科書検定 基準を抜本的に改善し、あわせて近隣諸国条項も見直し」などの文言が 並ぶ。それらは、原発の再稼働と新規建設を見据えつつ、住民不在・資本主導の「復興」をすすめること、安保体制に基づく日米同盟を基軸と し、沖縄をふみにじって軍事力を強化すること、アメリカと共同してアジアにおける覇を唱え、国家主義的な国内再編成を進めるということの 宣言である。そして最後には、安倍の「悲願」ともいえる「新しい日本 のかたち」をつくること、すなわち憲法の「改正」が提示されているのだ。

 サンフランシスコ講和六十年を機に昨年改訂された自民党の憲法草案は、九条改憲はもとより、天皇元首化や「日の丸・君が代」の明記、 「公共の利益と秩序」のために基本的人権や表現の自由の制限を公然と 掲げるものであり、なによりも、主権者である民衆が国家権力を縛るためのものである憲法を、国家が民衆を縛るという観点で書き換えている点において、けっして許すことのできない代物だ。

 たしかに、自民党が 積極的に支持された結果としての選挙戦の勝利とはいえず、また与えられた支持も改憲政策に対するものではなかっただろう。とはいえ、政権公約にそれを書き込んだ自民党が圧倒的多数の議席を得たことの意味は 大きい。さらにまた、自民党を右から突き上げる日本維新の会が凋落した民主党に迫る議席を得た。政権交代期はもちろん、第一次安倍政権の時期と比べてさえ、政治的な力関係、そしてそれを支える社会的な意識が、大きく右に動いているといわざるをえない。こうした状況を少しでも変えていかなければならない。

 もちろん、いったんは挫折した安倍の政治が、こうした背景を力に一気に現実化するとは必ずしもいえないだろう。安倍政権は、当面は中国や韓国との関係修復に動き、村山談話の踏襲も口にしている。さらに「従軍慰安婦」問題での日本軍の関与を認めた河野談話に関しても、当初その見直しを明言していたのに、一転して「慎重に」と立場を修正した。その背景には、主として米日韓の東アジアでの連携を優先するアメリカ国務省からの要請もあったと伝えられる。

 けれども、そうであればなおさら、国内的には国家主義的な右翼政治は一層強まっていくはずだ。対外的なアメリカ追随と国内的な「復古色」、それが安倍のナショナリズムである。さらにいえば、自民党の政権公約に掲げられていた項目も、実際にはすでに実体化しつつある現実そのものだ。米軍基地の強化と日米軍事一体化、領土ナショナリズムの扇動、原発の再稼働、民衆の生存権にかかわる政策の改悪、さらには天 皇の実質的な元首化や、「日の丸・君が代」のおしつけ、社会全体に蔓延する排外主義的なムード、国家による治安弾圧や人権侵害、これらはもはや日常である。安倍政権の役割は、そういった方向性を強化し、より目的意識化し、現実のものとして進めていくことである。

 こうしたなかにあって、われわれは、「安倍改憲政権」を許さないという角度から、今年の反天皇制運動を展開していきたいと考える。天皇起源の建国神話は、「日本の伝統文化」の一環としてあらためて位置づけなおされるであろうし、おそらく今年も、天皇出席のもとで3・ 11の「東日本大震災追悼式」が開催されるだろう。憲法記念日を前後し て改憲論議がすすみ、参院選の結果によっては、その具体化が着手されるだろう。こうしたなかで、国家主義や歴史の偽造がすすみ、「公共の秩序」をうたって治安弾圧も強化されるだろう。私たちは、こういった状況をはねかえしていくためにも、さまざまな運動課題を担ってきた人びととともに、協働の取り組みとしてこれらの状況に対する抗議の声をあげていきたいと考える。

 2・11の反「紀元節」行動をともにつくっていくために、多くの参加賛同を訴えます。
 
 

「領土問題」の悪循環を止めよう! 9・28記者会見・院内集会

IMG_1337 九月二八日、参院議員会館で「『領土問題』の悪循環を止めよう!――日本市民のアピール――」に関する記者会見と院内集会が開催された。

 「尖閣(釣魚諸島)」と「竹島(独島)」の領有問題をめぐって、日中・日韓関係が一挙に緊張している。とりわけ「日中国交回復」四〇年の今年、日中関係は最悪の段階に直面している。いま日本の国内では、各政党が「領土防衛」の強硬な姿勢を競い合い、中国各地で吹き荒れた「反日暴動」ともあいまって、マスメディアも例外なく「尖閣」「竹島」への日本の「主権」の「正当性」を何の歴史的検証もないまま断定的に主張し、中国・韓国の反論を一方的に切り捨てて、反中・反韓の排外主義的ナショナリズムを煽っている。

 こうした危機的状況の中で、九月二九日の日中共同声明四〇年記念日を前にして、こうした流れに憂慮する市民運動の中から、今回の市民の共同アピールを準備するための活動が進められた。「呼びかけ」がネット上で発信されてから一週間足らずで、賛同個人は一四〇〇人近くに達し、その数はさらに増え続けている。この声明は中国語、ハングル、英語でも同時に発表された。

 

ピースボートの野平晋作さんの司会で進められた記者会見・院内集会では、今回のアピール準備に尽力した、岡本厚さん(『世界』前編集長)、高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、内田雅敏さん(弁護士)、小田川興さん(早稲田大学アジア研究機構日韓未来構築フォーラム)が、経過説明と発言を行った。

 岡本さんはアピールの内容を説明し、政府やマスメディアの「挙国一致的」ナショナリズムではない市民の別の声の存在を、とりわけ中国・台湾・韓国の人びとに伝えることが重要である、と語った。岡本さんは、「尖閣」「竹島」の問題がたんなる「領土」問題ではなく、日本のアジアに対する侵略の総括という歴史問題でもあることを強調し、野田政権の「尖閣」国有化方針が七月七日という盧溝橋事件勃発の日に発表されるという挑発的行為を厳しく批判した。

 高田さんは、当初の予想をはるかに超えて賛同者が続々と集まっており、とりわけ在外日本人や、沖縄からの賛同者が目立っている、と報告した。高田さんは寄せられた声の中から、晴れた日には海の向こうに台湾の高峰が見えることもあるという八重山からの賛同者の「平和の海へ」という声を紹介した。

 内田さんは、無責任きわまる「ハーメルンの笛吹き男」=石原慎太郎東京都知事の吹く笛の音に誘われた政治家。メディア、世論の動きに警鐘を乱打し、中国人強制連行被害者裁判の弁護人としての経験から、民衆による平和の実現への希望を語った。

 小田川さんは朝日新聞ソウル支局の記者として在韓被爆者の悲痛な声に接したことを契機に「在韓被爆者問題市民会議」の活動を進めている、と語り「次世紀の子どもたちにどのような東アジアを作るのかが課題だ」と提起した。



 この記者会見には韓国や中国のメディアから多数の人が参加したが、日本のマスメディアの関心は低かった。国会議員として参加したのは消費税増税に反対し「党員権停止中」だという民主党の橋本勉衆院議員(比例東海選出)ただ一人。橋本議員は、野田内閣の「尖閣国有化」決定が非常に大きな間違いだった、と指摘した。

 会場からの意見では「時期にかなった勇気ある呼びかけ」として感謝する意見が多かった。また国会議員の役割が重大だ、という意見もあった。「領土」問題を沖縄へのオスプレイ配備の正当化につなげる主張に反対する声も上がった。

なおアピールへの賛同署名は一〇月一七日まで継続し、一〇月一八日には首相官邸前での行動も計画されている(時間未定)。

 挙国一致的な「領土防衛」ナショナリズム、「反中」「反韓」排外主義に抗して、東アジア民衆の連帯による平和を実現しよう。「中国の脅威」を口実にした沖縄へのオスプレイ配備や、自衛隊の「離島防衛」作戦に反対しよう。(K)
 

報告:8.31都教委包囲、要請行動

IMG_4107 8月31日、石原・中村東京都教育委員会の暴走を止めよう!ネットワークは、都庁第二庁舎前で都教委包囲、要請行動を行い、100人が参加した。



田中さんへの弾圧をやめろ



 午前は、水道橋の都教職員研修センター前で「日の丸・君が代」強制不起立を行った田中聡史さん(板橋特別支援学校教員)に対する都教委の「服務事故再発防止研修」強要への抗議行動(80人)が取組まれた。

 都教委は不起立ゼロに向けて処分を乱発してきたが、田中さんの不起立で頓挫してしまった。都教委はその報復として、この5ヶ月間に研修センターの研修(2回)、統括指導主事の学校での研修(3回)、学校長研修(毎週1回が20回)を集中的に続け、人権侵害の「思想転向」を迫ってきた。3回目の研修センターでの再発防止研修は、服務指導、受講報告書の作成、研修部長訓話を行ってきた。

 行動後、田中さんは、「都教委は『今後は二度と服務事故(不起立のこと)をおこさない』とチェックしてきたが、思想・良心の自由、教育の自由から断った」とアピールした。



都教委の居直りを許すな



 午後4時から都庁前で前段集会が行われ、見城﨣樹さん(ネット)から開催あいさつが行われ、「都教委包囲行動は、今回9回目だ。『日の丸・君が代』強制の10・23通達と「君が代」不起立処分を撤回させるまで続ける。大阪・橋下の教育関連条例による攻撃も強化されつつある。東京と大阪、全国の闘いを連携させ、跳ね返していこう」と訴えた。

 近藤順一さん(累積加重処分取消裁判)は、都教委による田中さんへの再発防止研修強要に対する抗議行動の報告を行い、「5ヶ月にわたる長期研修が継続して行われた。研修の成果がないと判断して、分限免職をねらっている。都教委に対する抗議を強化していこう」と強調した。

 第二庁舎10階の会議室に移動。都教委から波田・教育情報課長らが出席した。

 見城さんは、ネットの要請書を提起し、「都教委による『北朝鮮による拉致被害者の救出を目指す署名への協力依頼及びブルーリボンの紹介について』は、明らかに石原知事のお墨付きによって行われたものであり、都政の私物化、地位利用、政治行動だ。署名用紙を撤回し、石原知事は責任をとって辞任せよ」と突きつけた。

 さらに①学校の管理統制の強化②業績評価制度③教育の不平等④全国学力テスト⑤10・23通達について批判し、「『いじめ』が再び社会問題化している。だが都教委は何ら反省せず、開き直っている。教育の機会が大きく損なわれる状態にあるのに、オリンピック招致にカネを使うくらいなら、子どもたちに十分な教育を保障する手立てを講ずるべきだ」と要求した。

 高嶋伸欣さん(琉球大学名誉教授)は、都教委が7つの基本的事実の誤りがある扶桑社版歴史教科書を使っていることに抗議し、「怠慢、不作為の責任の自覚と都民全体に対する謝罪(「恥宣言」)を表明せよ」と糾弾した。

 続いて町田市公立学校教職員組合などから「10・23通達の撤回。懲戒処分撤回。服務事故再発防止県市有の中止。新たな懲戒処分をやめろ」と要請した。

 都教委は、高圧的に「承りました」などと事務対応を繰り返し、参加者の抗議の中、逃げるようにして退室した。

 ネットは、都庁前に戻り集約集会を行った。不誠実な都教委の態度を許さず、抗議のシュプレヒコール。橋下大阪市政と闘う大阪の仲間たちから報告と連帯アピールが行われた。

(Y)

日本による「尖閣・竹島」の領有は侵略・植民地支配の産物だ-「領土ナショナリズム」に反対しよう!

m0013159730(画像は8月15日に「釣魚台防衛」とともに「靖国参拝抗議」「元"慰安婦"への賠償」などを訴えて台湾台北で行われたデモ)
 
二〇〇〇万人を超えるアジア民衆、三一〇万人の日本民衆の悲惨きわまる死をもたらした天皇制日本帝国主義の侵略戦争が敗北に終わった八月一五日。今年の「八・一五」は韓国、中国との「竹島」(独島)、「尖閣諸島」(釣魚諸島)をめぐる紛争の新たな顕在化の中で、排外主義的ナショナリズムと「領土保全=安全保障の危機」キャンペーンが、日本国内であらためて大きくかきたてられている。

 八月一〇日、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は、「竹島」(独島)に韓国大統領として初めて上陸した。イ・ミョンバク大統領は、日本政府が慰安婦問題の解決のための韓国政府の要請を拒否し、「一九六五年の日韓条約で解決済み」との態度を取り続けていることへの批判である、と語った(八月一三日)。さらに八月一四日には「天皇は韓国を訪問したがっているが、独立運動で亡くなった方々を訪ね、心から謝るなら来なさい」との発言も行った(後にこの発言の一部を訂正したが)。

 イ・ミョンバク大統領のこの行動や発言が、どのような思惑から発せられたかにかかわらず、われわれは「慰安婦問題の根本的解決」すなわち日本軍「慰安婦」への謝罪と補償を求める主張が正当なものであり、日本の労働者・市民自身の課題として日本軍「慰安婦」への謝罪・補償を通じて、彼女たちの「正義」を日本政府に求めていかなければならない、と考える。そのことは、イ・ミョンバク大統領による今回の「独島上陸」行動の政治的意図の分析とは相対的には別個に確認するべきことである。



 「竹島」(独島)が「日本固有の領土」であり、「竹島は韓国によって不法占拠されている」という立場も撤回させなければならない。何よりも、一九〇五年の竹島の「日本領土編入」が、一九〇四年八月の第一次日韓協約、一九〇五年一一月の第二次日韓協約による韓国の「保護国化」を経て、一九一〇年の「韓国併合」に至る日本の朝鮮植民地化のプロセスの不可分の一環であることは、誰にも否定できない歴史的事実だからである。

 ところが、たとえば朝日新聞は「竹島問題、なぜおさまらないの」と題したニュース解説欄(「ニュースがわからん!」八月一六日朝刊)で、「日本は遅くとも江戸初期には領有権を確立したと考えている」との政府見解を無批判に掲載している。しかし江戸時代初期に「竹島」と呼ばれていたのは現在の韓国領鬱陵島なのであり、一六九六年に江戸幕府は朝鮮との交渉の中で鬱陵島が朝鮮領であることを承認し、幕府は鬱陵島への日本人渡航を禁止した。そして当時、鬱陵島への航行の目印として、日本名「松島」と呼ばれていた現在の「竹島」は、絶海の無人島として一九世紀半ばにいたるまで忘れ去られてしまった、というのが事実なのだ。
 
明治政府が一九〇五年二月に竹島の領有を宣言したのは、「江戸初期に領有権を確立していた」などという偽造に基づいたものではなかった。時の日本政府は、「竹島がどの国の領有権も及んでいない『無主の地』」であるという確認に基づき「無主地先占」の原則を振りかざして「竹島」(独島)の島根県への編入を行ったのである。「江戸時代初期に領有権を確立していた」のであればそんなことはしないはずだ。そして一〇年前の「尖閣諸島領有」時と同様に、「竹島領有」にあたっても国際的な「通告」はいっさい行われていない。

 野田政権は、この「竹島」(独島)へのイ・ミョンバク韓国大統領の「上陸」に抗議して、武藤駐韓日本大使を召還するとともに、五〇年ぶりに竹島の領有権問題を国際司法裁判所(ICJ)に提訴する強硬方針を固めた。さらに安住財務相は「日韓通貨協力」の打ち切りも示唆している。

 しかしこの問題の本質が、日本の朝鮮植民地支配、とりわけ日本軍「従軍慰安婦」への謝罪と補償を実現することであることを明確にしなければならない。「慰安婦」問題の解決をさしおいて、「竹島」(独島)の領有権を主張し、領土主義的ナショナリズムを煽りたてることこそ批判しなければならない。「日本の領土を韓国が不法占拠している」と声高に主張することをやめ、植民地支配の完全な清算への努力を進めることこそが出発点なのである。

 

 イ・ミョンバク韓国大統領の「竹島」(独島)上陸に続いて、八月一五日には香港からの抗議船に乗った七人が「尖閣諸島」(釣魚諸島)の魚釣島に上陸し、上陸した香港保釣行動委員会のメンバーと抗議船の乗組員など一四人が沖縄県警と海上保安庁に逮捕され、強制送還されるという事件が発生した。

われわれは「尖閣諸島」の日本の領有権主張に対して一貫して反対してきた。「尖閣諸島」の日本領有が、一八九四~九五年の日清戦争による台湾植民地支配と軌を一にしたものであり、それはおよそ国際法的にも正当化されないものだからである。そしていま、石原都知事による「尖閣諸島」の買い取り宣言や、野田政権による「国有化」の検討が、「中国の脅威」に名を借りた、沖縄を拠点とする日米軍事同盟の実戦的強化と一体のものであり、それと連動した排外主義的ナショナリズムのキャンペーンと連動しているからである。

ところが民主党、自民党から共産党、社民党にいたるまで左右を問わずすべての議会政党、そしてマスメディアが「日本固有の領土」である竹島、尖閣諸島の領有権を毅然とした態度で防衛せよという主張で一致している。野党の側は野田政権の「弱腰外交」を煽りたて、民主党政権が政治能力を喪失し断固とした対応を取れないからこそ、ロシアや韓国や中国の「不当な領土侵犯」に火をつけたと批判し、森本敏防衛相の「イ・ミョンバク大統領の竹島上陸は韓国の内政問題」という言及を取り上げて、野田政権を揺さぶっている。

そしてメディアでは、あたかも中国の「領土拡張」主義によって「尖閣諸島」で日中両国の軍事衝突が近々発生するというような危機アジりが横行している。そして同時に、この「軍事衝突」の可能性も見据えて、それに備えるために「日米の動的協力」が必要なのだとする主張が前面に押し出され、オスプレイ配備に反対する沖縄・「本土」の世論を抑え込もうという主張も強まろうとしている。



八月一八日、自民党の山谷えり子参院議員が会長をつとめる「日本の領土を守るために行動する議員連盟」が呼びかけ、自民、民主、きづなの国会議員八人が「尖閣洋上視察」を名目に石垣島から漁船で、尖閣諸島海域に向かった。この漁船には一六人の地方議員と極右のスター・田母神俊雄元航空幕僚長も乗った。同じく宮古島と与那国島から総勢一五〇人が二一隻の船で、尖閣海域に向かった。そのうち地方議員をふくむ一〇人が魚釣島に「日の丸」を掲げて上陸するという挑発を行った。

極右ナショナリスト・排外主義者たちのデモンストレーションである。国会解散・総選挙を見据えたこうした動きにはっきりと反対しよう。共産党、社民党は「北方諸島・竹島・尖閣諸島」への領土要求に加担してはならない。

 オスプレイ配備に反対する闘いは、「日本の領土が脅かされている」というキャンペーンを明確に反対することによってこそ、真に一貫性を持って繰り広げられることになるのである。「領土」問題を振りかざすことは、民衆間の連帯によって平和を達成しようとする努力を妨げるものでしかない。

(8月19日 K)

報告:排外主義と天皇制を問う8.15 反「靖国」行動

15写真1 8月15日、排外主義と天皇制を問う8・15 反「靖国」行動実行委員会は、集会(在日本韓国YMCA)と反「靖国」デモを行い、170人が参加した。

 天皇と野田首相は、政府主催の第67回全国戦没者追悼式(武道館)でアジア民衆に向けた戦前の植民地支配と侵略戦争の真摯な謝罪と反省をせず、戦後補償について触れなかった。従来から続くこの姿勢を韓国の李明博大統領は、天皇訪韓について「(日本の植民地支配下で)独立運動への謝罪をするというのならいいのだが、『痛惜の念』だとか、こんな単語一つなら、来る必要はない」、旧日本軍従軍慰安婦問題についても「女性の人権問題として、人類の普遍的価値と正しい歴史に反する行為だ」と批判した。李発言が自らの政治的不安定性を乗り切るためであったとしても、その背景には韓国民衆の歴史的に続く怒りがあるからだ。

 野田首相は、全国戦没者追悼式での式辞で「国際社会の一員として、国際平和の実現を不断に追求していく」と強調し、対中国と領土ナショナリズムを煽りながらグローバル派兵国家へと突き進もうとしている。野田は、かつて野党時代に小泉政権に対して「4回におよぶ(戦犯釈放を求める)国会決議などで、A・B・C級すべての戦犯の名誉は回復されている」「A級戦犯合祀を理由に首相の靖国参拝に反対する論理は破綻している」という質問主意書を出していた(2005年10月)。今回は、アジア諸国からの批判をすり抜けるために靖国参拝を行わなかったが、野田の本音は靖国賛美なのだ。産経新聞から「野田首相は靖国神社をよく理解する政治家だけに、残念である」(8月17日)と言われる始末だ。

 野田の立ち振舞いに苛立った松原仁拉致問題担当相、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」副会長の羽田雄一国土交通相が民主党政権下で初めて靖国参拝を行った。侵略戦争と天皇制を賛美する「国会議員の会」の与野党国会議員55人、石原慎太郎都知事が参拝を強行し、英霊にこたえる会と日本会議が靖国神社で「戦没者追悼国民集会」を開催した。連動して天皇主義街宣右翼、在日特権を許さない会、頑張れ日本!全国行動委員会などが反天皇制運動への敵対を行ってきた。反「靖国」行動は、右翼らの暴力的破壊と挑発を許さず、断固として集会と反靖国デモを貫徹した。



全国戦没者追悼式批判



 集会は、実行委から①「戦没者追悼式」と「靖国」参拝に抗議の声を!②右派状況・歴史認識③野田政権の性格④普天間基地へのオスプレイ配備を許すな!日米安保廃棄、天皇沖縄訪問阻止を!―基調を提起した。

 さらに「アキヒトXデーを見据えた天皇制の強化に対しても、反天皇制を鮮明に一つ一つ闘いを繋げて」いくことを確認。とりわけ天皇制国民統合装置と治安管理の強化に反撃するための一環として「スポーツ祭東京2013」(第六八回国民体育大会・第一三回全国障害者スポーツ大会)反対運動、東京都の2020年オリンピック招致運動への批判を強め、反天皇制運動を広げていくことを意志一致した。

 「お話」が山田昭次さん(歴史研究者)から行われ、「8・15と国体護持、日本の軍事大国化のための『愛国心』昻揚」について問題提起した。

 山田さんは、冒頭、「8・15とは何だったのか。この日が敗戦という危機を迎えた天皇制国家の護持を訴えた日であるにとどまらず、その後にもこの日が日本の軍事大国化の精神的支柱としての『愛国心』、すなわち国家に対する忠誠心の昻揚を目指す国家儀礼の日として利用されてきた」と糾弾した。

 そのうえで「8・15」批判を①1945年8月15日、天皇が日本人民私有に天皇制国家護持を訴えた「終戦の詔勅」②アジア・太平洋戦争日本人戦死者を殉国者として顕彰する全国戦没者追悼式と8・15との結合③「戦没者を追悼し平和を祈念する日」の制定と首相中曾根康弘の8月15日靖国神社公式参拝」④首相小泉純一郎の8月15日の靖国神社公式参拝の意図――などを掘り下げ、「全国戦没者追悼式や首相の靖国公式参拝は、反平和的な政治的意図を覆い隠す役割しか果たしていない。国家儀礼にこめられた内実を見破る鋭い批判的な眼をいま日本民衆に求められている」と結論づけた。

 連帯アピールが2012・9・15ピョンヤン宣言10周年集会実行委員会、辺野古への基地建設を許さない実行委員会、自衛隊・米軍参加の東京都・目黒区総合防災訓練に反対する実行委員会2012、福島原発事故緊急会議から行われた。

 集会後、九段下の靖国神社に向けてデモに出発した。すでに水道橋から神保町には、権力機動隊配備下、天皇主義右翼、街宣車が徘徊し、デモに対する挑発を行ってきた。権力は、右翼による集会横断幕、実行委宣伝カーマイクの破壊、水入りゴム球の投擲を放置し、この妨害を利用してデモ規制を行ってきた。九段下交差点前、実行委は、不当規制をはねのけて「侵略・戦争神社ヤスクニ反対!天皇制解体!」のシュプレヒコールをたたきつけた。デモは、水道橋の解散地点に到着し、闘争勝利を全体で打ち固めた。

(Y)
 

報告:2012平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動

IMG_1255 8月11日、2012平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動実行委員会は、豊島公会堂で「60年目に考えるサンフランシスコ条約体制とヤスクニの『復権』」の集会とデモを行った。

 行動は、今年がサンフランシスコ条約発効60年の年であり、また、沖縄「復帰」、日中国交正常化、40年目にあたる位置から戦後日本のあり方を規定し、枠組みをつくったサンフランシスコ条約とヤスクニの関係を検証する場として設定した。

 今村嗣夫さん(共同代費用)から主催者あいさつが行われ、憲法改悪勢力の活性化とともにヤスクニ復権策動の警戒と人権否定の自民党憲法草案を批判していくことを訴えた。



サンフランシスコ条約講和体制批判



 第一部はシンポジウム。

 古関彰一さん(獨協大学教授)は、「サンフランシスコ条約とヤスクニ」というテーマから「講和条約の最大の特徴は、戦争を法的に終結する条約であるにもかかわらず、侵略戦争を行ったことに対する謝罪や反省がないことだ。さらに日米安保条約の締結を義務付け、沖縄を本土から分離し、侵略を受けた国々に対する賠償請求権(戦後補償)を反故にした」と批判した。

 その政治性格について「当時の権力者たちは、A級戦犯の赦免請願運動を取り組み、次々と復権させていった。このプロセスは講和条約によって権力あるいは権力に連なる人びとが有利になるような構造の下で戦後を歩み始め、その対極にある弱者、わけてもアジアの人々の視点を忘れて戦後を歩み出してしまった」ことを明らかにした。

 石原昌家さん(沖縄国際大学名誉教授)は、「サンフランシスコ条約とヤスクニ下の沖縄」について①講和条約が発効した一九五二年四月二八日を「屈辱の日」と捉えたこと②天皇制維持のための沖縄戦③戦後の天皇メッセージの犯罪性④米軍沖縄占領と講和条約⑤戦傷病者戦没者遺族等援護法とヤスクニ化された沖縄――から検証した。

 さらに「オスプレイ配備問題で日米安保を具体的に問題視する状況にある。しかし、軍事活動を活発化させている中国との尖閣列島をめぐって『領土ナショナリズム』が台頭しつつある。沖縄の先島への軍備増強化を促進させる役目を担っている。日米最後の地上戦となった沖縄戦で、沖縄住民が軍民一体化した戦闘だったと沖縄戦体験を捏造して、それを利用しているところに大きな特徴がある。日本の国民世論を好戦的軍民一体形成を狙っている」と分析し、この流れに抗するために「沖縄靖国神社合祀取消裁判」の教訓を強調した。

 曾健民さん(台湾社会科学研究会長)は、「サンフランシスコ条約と台湾」についてアプローチし、「講和条約によつて作られた軍事、政治、経済、文化体制が、未だ我々の現実生活を左右し、東アジアの真の平和にとって脅威となっている。それゆえに条約の再認識は東アジア人民が『平和、民主、公義』を追求するにあたって共同事業だ」と報告した。

 李時雨さん(韓国・写真家)は、「サンフランシスコ条約と日米韓軍事同盟」の実態について大量に配備された劣化ウラン弾の追跡、原子力潜水艦、アジアの米軍基地などを映し出しながら「国連体系化の対日平和条約」を批判した。

 高橋哲哉さん(東京大学教授)は、「サンフランシスコ条約と戦後日本の思想状況」について「犠牲のシステム」「核システム」としての日米安保体制を暴き出し、その柱の一つが「原子力平和利用」だったことを歴史的に明らかにした。



池袋一帯に反ヤスクニのシュプレヒコール



 第二部は証言&コンサート。

 イ・インボクさんは、「父は、一九四四年四月二八日、ニューギニア・ヤピック河口で亡くなり、今は靖国に合祀されています。何の権利があって、家族には何も連絡せず勝手に合祀などできるのか」と糾弾した。

 イ・ヒジャさんは、太平洋戦争費が穂医者補償推進協議会・民族問題研究所パンフ「強制動員被害者に聞く、まだ終わってない話」を紹介し、決意表明した。

コンサートは、ソン、ビョンヒさん、ムン、ジンオさんが熱唱し、連帯を打ち固めた。


 集会終了後、デモに移った。在日特権を許さない市民の会、天皇主義右翼の挑発を許さず、反ヤスクニを池袋一帯に響かせた。(Y)
 

「国旗損壊」罪の新設を許さない!天皇主義右翼らの策動をはねかえそう

tomiko 自民党は、5月29日、天皇制と侵略戦争を賛美する「日の丸」旗を傷つけたり汚したりしたら処罰することができる「国旗損壊」罪を新設する刑法改正案を国会に提出した。法案は、「日本国に対して侮辱を加える目的で、国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する」など「思想・表現の自由」を否定する明確な憲法違反の法案だ。しかも構成要件及び刑罰は、現行刑法第92条に規定されている外国国章損壊罪に準拠すると規定し、外国の国旗と自国の国旗を同列に設定した。

 すでに改正法案は昨年3月の自民党法務部会の法律案審査に提出されていたが一部議員から「自民党が右傾化したと思われる」との反対論が出たため全会一致の賛同を得られず、石破茂政調会長(当時)預かりとなっていた代物だ。この時は、国旗の損壊とともに国歌の替え歌も処罰の対象にねらっていた(朝日2011年3月2日)。石破は、「国旗国歌法で日本の国旗が日章旗だと定められた時(1999年)に(国旗損壊罪を)立法しておくべきだった」と悔しがっていた。

 今回も高市早苗、長勢甚遠、平沢勝栄、柴山昌彦衆議院議による議員立法提出だ。いずれも日本会議議員懇談会、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会に属している札付きの天皇主義右翼である。高市らは、自民党の天皇元首化、基本的人権否定、現憲法九条改悪などを網羅した「日本国憲法改正草案」(4月27日)の第3条で「日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない」との明記を根拠にして総務会で了承させた。天皇制統合力を利用しながらグローバル派兵国家の建設とセットで排外主義的なナショナリズムへと収斂していくことにある。



自民党の憲法改悪攻撃の踏み込み



 法案の提出理由を高市は、「現行の刑法では、外国国旗の損壊は処罰の対象とされている一方、日本国国旗の損壊については規定が無く、処罰の対象とされていません。外国国旗であれ、日本国旗であれ、国旗を損壊する行為は、国旗が象徴する国家の存立基盤・国家作用を損なうものであるとともに、国旗に対して多くの国民が抱く尊重の念を害するものです」などと天皇制と国家への忠誠を強要する暴論を主張し、平沢も「日本の刑法は諸外国からみれば常識外れ。それを普通の形に直したい」と手前勝手な珍説を強調した。

 そもそも現行の刑法92条「外国国章損壊等」は、「外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する」「前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない」という規定になっている。つまり、外国国章損壊行為によって、その国との外交問題になることを避けるために刑法罰則を設けており、自国の外交利益を防衛することを目的にしている。だから外国政府の抗議があった場合、見せしめとして刑罰によって取り締まるために親告罪になっている。

 ところが改正案は、外国国章損壊の条文を引き写して「日本国に対して侮辱を加える目的で」とする条文を加え、「日の丸」旗の損壊が「国家の存立基盤・国家作用を損なう」、(国旗への)「尊重の念を害する」から違法だというのだ。「日の丸」旗への「損壊」は抗議の一形態でしかない。この行為そのものを刑事罰で禁止するのは、憲法19条「思想良心の自由」、憲法20条「表現の自由」の否定だ。違憲に満ちた改正法そのものが成立根拠がないのである。

 しかも親告罪とするならば、告訴するのは自分たちだとでもいうのか。いったい誰が、どういう概念で規定するのか。そんな文言は、まったくない。仮に「日本国に対して侮辱を加える目的」がないパロディーのケースは、どうするんだ。あくまでも天皇主義右翼らの主観的なレベルのレッテル張りのやりたい放題を認めさせ、身勝手な妄想によって「国旗損壊」罪を適用することでしかない。公安政治警察も仕事が増えて大喜びだ。要するに自民党の「日本国憲法改正草案」を前提としなければ改正法案の成立根拠が発生しないトンデモない反動法なのである。こんなフザケた法案を自民党が認めたところに憲法改悪攻撃の踏み込みがある。



愛国心と国威発揚のための国旗はいらない



 高市らは、「諸外国の法制度では、むしろ自国国旗損壊に対する刑罰の方が他国国旗損壊に対する刑罰よりも重くなっている」ケースとしてドイツ、イタリア、韓国、中国を取り上げ、「日本の刑法におけるアンバランスを是正することを期し、本法律案を起草しました」などとデマを飛ばしている。

 日本弁護士連合会会長の山岸憲司は、「刑法の一部を改正する法律案(国旗損壊罪新設法案)に関する会長声明」(2012年6月1日)で改正法案反対の立場から高市デマにも照準をあてて「米国では、連邦議会が制定した国旗保護法の適用に対し、連邦最高裁が『国旗冒とくを罰することは、この象徴的存在をかくも崇敬され、また尊敬に値するものとせしめている自由を弱体化させる』として、違憲とする判決を1990年に出している」と批判している。

 さらに米最高裁は、1989年に国旗焼却事件裁判で「我々は国旗への冒涜行為を罰することによって、国旗を聖化するものではない。これを罰することは、この大切な象徴が表すところの自由を損なうことになる」と判決を出している。また、同年に上院で可決された国旗規制法を却下し、「国旗を床に敷いたり、踏みつけることも、表現の自由として保護されるものであり、国旗の上を歩く自由も保証される」の判断もしている。親米右翼の連中が意図的に米最高裁判例をパスしているところに改正法案の欠陥を現している。

 このように国旗をシンボル化していく意図は、民衆を国家へと統合し、帰属意識と忠誠を強化させ、国家意志を強制していくものでしかない。天皇制、戦争と軍国主義、愛国心と国威発揚のための国旗はいらないのだ。今国会情勢下では法務委員会で本格的に審議されていないが、たとえ改正法案が成立しなくても、右翼運動の任務のひとつとして法案制定を設定しており、繰り返し国会提出を行ってくるだろう。天皇主義右翼らの意図を暴露・批判し、監視を強化していかなければならない。「国旗損壊」罪に反対していこう。

(Y)
 

石原都知事の「尖閣諸島」購入発言を批判する―「尖閣諸島は『日本固有の領土』ではない」

釣魚台~1石原慎太郎東京都知事の「都が尖閣購入」発言が話題を呼んでいる。

 四月一六日(日本時間:一七日)に訪米中の石原がワシントンでの講演で、「尖閣諸島を所有者から購入する」方針を示したのだ。石原が講演した場は、右派のシンクタンクである「ヘリテージ財団」で、「日本も核(武装)のシミュレーションをすべきだ」などと四五分間しゃべった後、講演の最後の五分間で唐突な形で「尖閣購入」計画について語ったのだという。

 「尖閣諸島はこのまま置いておくと、どうなるかわからない。中国が日本の実効支配を壊すため過激な運動をしている。ゆゆしき問題だ。豊饒な漁場であり、海底資源が日本の領海にある」。

 「東京が尖閣諸島を守る。日本人が日本の国土を守ることに何か文句がありますか。東京が買うことにアメリカも反対しないだろ」「買い取った後は、沖縄県や石垣市に一緒に持とうとオファーしようと思う」。

 石原は、すでに昨年末の段階で所有者側(埼玉県の栗原家)との間で「売る」という話で基本合意をしている、と語り、講演後の記者との話では「政府にほえ面をかかせる」と得意げにブチ上げたという。

 これは極右ナショナリストとしての彼の、いつものパフォーマンスであり、彼が国民新党から追放された亀井静香や「たちあがれ日本」の平沼赳夫らと打ち上げた「新党」へのアドバルーンであることは間違いないだろう。しかし今回の「尖閣購入」発言が、二〇一〇年九月の海保巡視船と中国漁船の衝突・中国漁船船長逮捕事件によって加速された「中国脅威」キャンペーン、そして中国を主要ターゲットにした米国の新軍事戦略と一体化した自衛隊の「南西配備」――先島諸島への自衛隊配備との連動を意識したものであることは明らかである。それはたんなる「放言」ではなく、意識的な計算にもとづく発言なのである。

民主・自民など既成政党の政治への不信。怒りが高まり、橋下徹大阪市長の「維新の会」や、河村たかし名古屋市長の「減税日本」などの「自治体首長新党」が選挙や世論調査で大き支持を得ているが、かれらはいずれも新自由主主義と強権的「リーダーシップ」の主張、そして中国や北朝鮮・韓国への排外主義的ナショナリズムを共通の土台にして人気を博している。河村名古屋市長が中国からの友好訪問団に対して「南京大虐殺はなかった」と語ったことは、その現れである。橋下は石原の「尖閣購入」発言に肯定的に言及している。こうした動きが極右国家主義的な憲法改悪の流れと連動していることを重視しなければならない。



野田政権は、石原の「尖閣購入」発言に「困惑」しつつも、「尖閣諸島」を国が購入して「固有地」とする可能性についても表明した(四月一七日、藤村官房長官)。多くのマスメディアや「識者」も石原発言を「唐突」と語りながらも、「尖閣諸島」(中国名:釣魚諸島)を日本が「実効支配」している「固有の領土」であることについては、当たり前の前提にしている。日本政府にとって、「北方領土」や「竹島」とは違って「尖閣諸島」については領土問題は存在しないとするのが公式の立場であり、この点については共産党や社民党までふくめた議会内での「挙国一致」が存在している。

われわれは一貫して、こうした「尖閣=固有の領土」論に反対してきた。二〇一〇年九月に大きな問題となった海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突・中国人船長逮捕問題についてもわれわれの立場を明らかにしてきた(注)。

ここでもう一度繰り返すことはしないが、要点だけ挙げておく。

●「尖閣諸島」帰属問題について、明治政府は尖閣が「清国政府の領土である」可能性を考慮して立場を取らなかった。一八八五年の古賀辰四郎による「貸与」申請以来、日本政府は「たびたび沖縄県を通じてたびたび現地調査を行った」という外務省の説明は事実に反する。

●一八九五年一月の日本政府による「尖閣」の領土編入は、日清戦争での清国の敗勢を条件としたものであり、台湾・澎湖諸島の植民地化と一体となった侵略戦争の結果である。

●一八九五年一月の「閣議決定」文書は一度も公開されたことはなく、「尖閣」の領土編入は官報にも掲載されず、国際的にも通知されなかった。

●尖閣諸島に「標杭」(国標)が建てられたのは、国連アジア極東経済委員会(ECAFE)が東シナ海に石油天然ガス資源が海底に存在する可能性を指摘した一九六九年五月に、当時の米国施政権下の琉球政府によってなされたのが最初である。

●保守派の政治学者が編集した文献(伊藤隆編・百瀬孝著『資料検証 日本の領土』 河出書房新社、二〇一〇年八月刊)でも尖閣の領土編入について「官報に出たわけでもなく、外国に通告されておらず、領土編入について無主物先占の万全の手続きをふんだとはとうていいえない」と指摘している。

われわれは、国際法的正統性に欠けるこうした「尖閣=固有の領土」論を撤回し、「領土問題は存在しない」とする立場を放棄した上で、中国・台湾との外交的交渉に入ることを政府に求めるべきである。

「中国脅威論」に基づく沖縄・先島への自衛隊配備をやめさせなければならない。

(K) 

報告:2・11反「紀元節」行動

P2116169天皇制統合強化を許さない!
 
 
 「危機」の時代の天皇制を問う!2・11反「紀元節」行動実行委員会は、2月11日、日本キリスト教会館で集会を行い、80人が参加した。

 「建国記念の日」は、1967年、自民党政権が天皇制国民統合の強化にむけて戦前の「紀元節」を引きついでデッチあげた「祝日」だ。政府式典は2005年から政府・自民党は、「国民式典」開催について、「建国記念の日は定着し、式典の役割を終えた」「会員の高齢化により式典を運営するのが困難」などの理由から中止にした。だが神社本庁、日本会議などによる「日本の建国を祝う会」の主催で「建国記念の日 奉祝中央式典」(明治神宮会館)を行ってきた。

 今回参加した自民党の谷垣禎一総裁は、「自民党が政権を取り返したら、こういう式典は当然、政府主催で行う」と発言し、天皇制の政治利用を強めていくことを確認している。街宣右翼らも「紀元節奉祝式典」(日本青年館)を行い、天皇制と侵略戦争賛美と改憲を掲げた。

 さらに3.11東日本大震災以降、天皇・皇族らは被災地訪問を繰り返し、今年の3月11日には政府主催の東日本大震災一周年追悼式に出席する。このイベントは、「追悼」「復興」という名のもとに政府責任をあいまいにし、天皇制に統合していくための演出でしかない。また、天皇行事である「全国豊かな海づくり大会」(11月11日、沖縄・糸満市)、「第六七回国民体育大会」(岐阜県、9月29日)、「第六三回全国植樹祭」(山口県、5月27日)も行う。天皇制強化にむけた諸策動のねらいを暴きだし、反天皇制運動を強化していこう。



政府主催3.11東日本大震災一周年追悼式反対



 集会は、実行委による基調報告から始まり、①2・11をめぐる右派動向と「ハシズム」状況②戦後から続く「危機」③天皇Xデーと「女性宮家」構想問題などを分析。さらに3.11政府主催の東日本大震災一周年追悼式に対して「戦死者をその犠牲者と演出する8・15『全国戦没者追悼式』と同質の攻撃である」と断罪し、「3・11は、核・原発政策を推進する戦後の『平和と繁栄』の欺瞞を明らかにした。だから私たちは、象徴天皇制の戦争責任、そして今日の核・原発大国をつくりだした責任を追及しよう」とアピールした。

 問題提起が次の4人から行われた。

 京極紀子さん(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)は、橋下大阪市長問題を取り上げ、「ハシズムがめざすもの……ナショナリズムと超新自由主義」というテーマから「教育基本条例」とハシズムの手法を批判し、「『条例化』阻止のために大阪の闘いを支援していこう。私たちの民主主義を対置し、在特会などの排外主義、公共サービスの民営化などに反対する労働運動、市民運動を強化していこう」と呼びかけた。

 桜井大子さん(女性と天皇制研究会)は、「『女性宮家』? 政府はこんなことやっている場合か」と糾弾し、「女性宮家」構想の背景、伝統主義右翼の「伝統=男系」の危機について明らかにし、私たちの平和・平等・民主主義そのものが危機にあると掘り下げた。そのうえで「天皇も皇后も高齢で体調も芳しくない。天皇・皇后の仕事は、皇太子と皇太子妃雅子にということにしたいが、雅子は病気でそれがかなわずだから、成人した秋篠宮の上の娘に宮家を立てて格上げし、皇后の仕事を託そうという話らしい。男系主義と序列社会の天皇制の悪あがきだ。しかも生身の女性の身体を要求する政治システムを許容し、人権感覚の希薄化の助長だ。天皇制は滅びるべきだ」と強調した。

 なすびさん(福島原発事故緊急会議・被曝労働問題プロジェクト)は、「『紀元節』に考える格差・差別と脱原発・反原発」について提起し、「何をすべきなのか」について「単に格差・差別システムとしての原発の停止で済むのか?そのシステムで生きざるを得ず、生存条件を築いてきた人々の生存権をどうするのか?」などを問いかけ、「格差・差別構造を見据えた人の交流とつながり、そこからこの構造に閉じ込められない共生の方針を探りたい。被曝労働問題はその大きな橋にとなる」と結んだ。

 村上陽子さん(ゆんたく高江)は、冒頭、沖縄防衛局による高江工事の阻止の闘いの報告とともに支援を訴えた。さらに「沖縄と天皇制」について沖縄文学の一つである嶋津与志の「骨」を資料にし、「沖縄が『捨て石』とされたのは天皇制を残存させるための時間稼ぎにほかならず、その負債がいまもって沖縄に苦痛を与え続けている。いま求められているのは、私たちが聞き捨ててきた記憶や文脈を提起し、たどりなおすことではないだろうか」と語った。



権力と右翼一体の闘争破壊を跳ね返せ



 集会終了後、デモに移り、早稲田から新宿方面一帯にわたって「天皇制はいらない!『紀元節』反対!」のシュプレヒコールを響かせた。

 なお高田馬場交差点付近で日本侵略を許さない国民の会、在日特権を許さない市民の会の三〇人ほどが「反天連カウンター」と称して「天皇陛下、靖国神社、英霊を冒涜し続ける反日極左を全員東京湾に叩きこめ!」などと挑発してきた。また、天皇主義右翼も街宣車約二〇台が「反天連は日本から出ていけ!」と叫びながらデモ妨害をしてきた。いずれも警視庁警備課・右翼公安担当との事前打ち合わせのもとで行っていることは間違いない。国家権力、排外主義者、天皇主義右翼が一体となった反天皇制運動の破壊を許さない。

(Y)

報告 10・23通達撤回!『君が代』処分撤回!2・5総決起集会

25 石原・大原都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネットは、2月5日、北区赤羽会館で「『日の丸・君が代』強制反対!大阪府教育基本条例反対!最高裁『君が代』不当判決糾弾!新自由主義教育路線と対決を!学校現場の非正規雇用労働をなくせ!全ての原発を廃炉に!」のスローガンを掲げて「10・23通達撤回!『君が代』処分撤回!2・5総決起集会」を行い、130人以上が参加した。

 今春の卒業式・入学式にむけて都教委は、起立斉唱を強要する職務命令体制を確認した。これは1月16日に三件の「君が代」処分最高裁判決が「累積加重」処分について触れたため、あらためて10・23通達の「正当性」を押し出し、手前勝手な解釈によって処分強行ができるという恫喝だ。そもそも「10・23通達」(03年)は、卒業式・入学式等に「日の丸」を掲揚し、「君が代」を起立して斉唱することを強制することを通して新自由主義教育と愛国心教育の推進のためであり、グローバル派兵国家作りと連動した攻撃である。

 石原都知事は、「教育再生・東京円卓会議」(11年11月)を立ち上げ、「憲法と教育は日本人の手で考え直したほうがいい。戦後続いてきた教育の破壊的改革をしなければこの国はもたない」などと暴言を吐き、橋下・大阪維新の会による「教育行政基本条例」「学校運営基本条例」の攻撃に見習って東京版「教育基本条例」の制定を狙っている。すでに抗議の不起立闘争をはじめ反対する教職員四三〇人に不当処分を強行しているが、弾圧に抗して裁判闘争や地域ぐるみの反撃など粘り強く闘われている。ネットは、この間の闘いを集約し、橋下・大阪維新の会の二条例に対する反対の闘いと連帯し、今春の闘争体制強化をかちとった。



1.16最高裁不当判決



 集会は、ネットを代表して渡辺秀美さんの主催者あいさつで始まり、とりわけ1月16日に最高裁判決に対して「高裁での戒告処分取消判決を破棄し、処分を有効とする不当判決だ。加重処分に対して『慎重な考慮が必要』ということで1名の減給と停職1ヶ月を取り消した。『一定の歯止め』と思われるが、根津さんの処分は取り消さなかった。ここに最高裁の闘うものに対する分断攻撃と、『日の丸・君が代』による『規律・秩序維持』を乱すものは許さないという姿勢の現れだ」と厳しく糾弾した。

 さらに「大阪では『条例案』から『減給・停職』は残し、橋下は『指導研修』をしても転向しない者は辞めさせるとまで公言している。最高裁判決後、都教委は、10・23通達の合憲性と職務命令を確認している。大阪府教委も『君が代起立斉唱』を求める職務命令を出した。最高裁判決などはそっちのけで事態は進行しつつある。ともに連帯し、『卒・入学式』を闘いぬこう」と呼びかけた。

 「報告」として、がくろう神奈川の反弾圧の闘い、朝鮮学校への公的助成を求める連絡会・東京、原発いらない!3・11福島県民大集会を呼びかける佐藤幸子さん(原発を廃炉に!原発いらない福島の女たち)から発言があった。

 河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会、東京「君が代」訴訟第一次裁判、アイム89処分取り消し裁判から「1・16最高裁判決」の評価、批判などが行われた。

 根津公子さん(被処分者)は、「最高裁に問われていたのは、『君が代』斉唱時の不起立行為に対する停職処分の是非、並びにそれに対する累積加重処分の是非だった。しかし、私の過去の行為を持ち出し、それを『積極的な妨害』として『秩序を害する』としたことは、司法が『積極的な妨害』を『秩序を害する』と恣意的に判断すれば、いかなる不起立処分も妥当とされる抜け道を用意したのと同じだ。極めて恣意的かつ政治的な判決だ」と批判した。



橋下・維新の会の教育基本条例を許すな



 寺本勉さん(「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪)は、「大阪における『教育基本条例』案・『君が代』起立・斉唱強制に反対する闘い」を報告。1・16最高裁判決に対する橋下の反応を取り上げ、「職務命令拒否の一回目から指導・研修を義務づけ、誓約書を提出しない限り現場に戻さない方向へ条例案をさらに改悪しようとしている。誓約書の提出を拒み続けると、それを理由にした分限免職をねらっている」と分析。今後の闘いの方向性として2・12集会・デモ・ヒューマンチェーン、府庁・大阪市役所に対する取組みなどを提起した。

 大阪と福島のカンパアピール後、大嶽昇一さんが業績評価裁判勝利の意義、学校職場での非正規雇用の実態と問題点について報告する仲間、卒業式不起立闘争にむけた決意表明などが続いた。

 最後に集会決議、行動提起(①裁判・集会・行動参加②都教委への抗議申入れ③卒業式ビラまき)を確認し、シュプレヒコールを行った。(Y)

【案内】「危機」の時代の天皇制を問う! 2・11反「紀元節」行動

2・11反「紀元節」行動 実行委ブログ
http://2012-211action.blogspot.com/
 
「危機」の時代の天皇制を問う! 
2・11反「紀元節」行動

日時: 2012年2月11日(土・休)
     午後1時開場  集会後デモ


場所: 日本キリスト教会館4F(地下鉄東西線早稲田駅3b番・2番出口から穴八幡神社方徒歩5分)


発言: 京極紀子(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)
     桜井大子(女性と天皇制研究会)
     なすび(福島原発事故緊急会議・被曝労働問題プロジェクト)
     村上陽子(ゆんたく高江)

主催: 「危機」の時代の天皇制を問う!
     2・11反「紀元節」行動実行委員会

呼びかけ団体: アジア連帯講座/ アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/ 国連・憲法問題研究会/ 立川自衛隊監視テント村/ 反天皇制運動連絡会/ 「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/ 靖国・天皇制問題情報センター/ 連帯社/ 労働運動活動者評議会
 

「危機」の時代の天皇制を問う!2・11反「紀元節」行動へ!

「女性宮家」創設に向けた政府の検討が本格化した。かつて、女性・女系天皇を認める方向で検討された「皇室典範」改正案は、秋篠宮家に悠仁が生まれ たことによって棚上げになった。しかし、このままでは天皇を支える皇族がいなくなるという危機感が、こうした方向性に踏み切らせたのである。
 
天皇主義者にとっては、この焦りには、別の意思も含まれている。次の天皇制を担うべき皇太子夫妻が、きわめて「頼りない」ことがそれである。病気の 妻は「皇后としての役目」を果たせるのか、皇太子は次の時代の天皇像を明確に示せていない、昨年、明仁天皇が入院した。時間はないのだ。
 
昨年の3・11以後の時間は、あらためて、日本の戦後社会の暗部を引きずり出した。原発・安保・基地・新自由主義・生存・ナショナリズム・排外主 義……多くの解決されるべき問題が、危機的な状況としてわれわれの目の前に広がっている。だが、それを隠蔽し、この日本の戦後社会のありかたを文 字通り象徴し、肯定し続けてきたのが天皇制である。絶対敬語にまみれた天皇への賛美は、そのような「日本」を賛美することと同義である。
 
今年の「紀元節」を、われわれは、こうした状況自体をとらえかえし、それに対する反撃の陣形を見出していくための抵抗の日としていきたい。さまざまな社会運動に取り組む方の問題提起を受け、集会後のデモにも取り組んでいきたい。
 
われわれは、さまざまな意味で危機の時代に生きているが、天皇制の「危機」は、もちろんわれわれにとっては危機でもなんでもない。それは世襲の人間が国家 の「象徴職」を独占していることの矛盾の現れだ。それ自体が身分差別であり、家柄や社会的な差別、民族差別を再生産していく装置である天皇制はいらない。

天皇神話にもとづく建国記念日=「紀元節」反対行動へ!

報告:「東京の教育を変えよう!学校に自由と人権を!10・22集会」

jpg 10月22日、全電通会館で「東京の教育を変えよう!学校に自由と人権を!10・22集会」が行われ、343人が参加した。

 石原都政・都教委による新自由主義教育改悪、「日の丸・君が代」強制を通した愛国心の押し付けのための10・23通達(03年10月23日)を発してから八年。「君が代」斉唱時の不起立・不伴奏を理由に437人の教職員が不当処分されている。

 東京高裁(大橋寛明裁判長)は、04年処分取消訴訟で都教委の「裁量権の逸脱・濫用」を認定し169人の処分取消を命じる判決を出した。しかし最高裁は、「10・23通達」関連裁判で立て続けに通達・職務命令を「合憲」とする不当判決を出している。司法の反動化が強まる中、「日の丸・君が代」強制反対・予防訴訟をすすめる会、「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会などが「『日の丸・君が代』強制反対!10・23通達撤回!最高裁は『司法の良心』を示せ!」を共同スローガンに一六団体の主催で実現した。

 
新自由主義教育改悪はやめろ
 

 近藤 徹さん(「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会事務局長)が主催者あいさつを行い、「最高裁第1小法廷に係属している不当処分撤回を求める3件の裁判について、11月末から一二月にかけて弁論期日指定の通知が届いている。年内又は年明けにも最高裁判決が出ようとしている。これまでの通達・職務命令合憲最高裁判決を許さず奮闘していこう」と訴えた。

 斎藤貴男さん(ジャーナリスト)は、「東京・教育の自由裁判をすすめる会」共同代表の取組みなどを報告し、「野田首相は、真っ先に経団連にあいさつし、経団連が出した資本のための震災復興プランにもとづいて計画を押し進めようとしている。むきだしの資本主義の貫徹だ。教育に対しても同様に新自由主義教育を導入し、破壊している。まさに棄民教育である。この流れに対して反処分闘争、『日の丸・君が代』強制反対闘争は、真っ向から対決している。力を合わせて、粘り強く跳ね返していこう」と強調した。

 澤藤統一郎さん(東京・教育の自由裁判弁護団)は、「今後の裁判方針だが、一つは判決が示した間接制約概念の枠組みの批判と、必要性・合理性の根拠とされた教育公務員論の批判が中心となる。第二は、まだ最高裁が判断を示していないところでの主張だ。国家シンボル論を介在した公権力権限論、裁量権濫用論、教育の自由について主張していくことが必要だ」と問題提起した。
 

赤川次郎さんからメッセージが届く
 
 赤川次郎さん(作家)の集会メッセージが紹介された。

 赤川メッセージは「一旦『心の中へ立ち入る』ことを許せば、次はさらに泥靴で心の中へ踏み込んで来る。それを拒むには、この一歩を拒否することです。『日の丸・君が代』の問題は、決して入学式と卒業式だけのことではないのだと、粘り強く訴えていきましょう」と呼びかけている。

 井前弘幸さん(大阪・新勤評反対訴訟団事務局長)は、「こんな条例あり?大阪府『君が代』強制条例の撤廃を求める」をテーマに報告。

 「10月21日、教育常任委員会は「教育基本条例案」の継続審議を決定し、12月8日~25日の府議会で審議されることになった。橋下は10月22日、府知事辞職届けを提出し、大阪市長選への出馬を表明した。11月27日は、大阪府知事選、大阪市長選のダブル選挙だ。条例案を争点の一つとするつもりだ。しかし、9・24全国集会に762人、10・20府庁包囲行動に300人、10・21府労連集会に2500人で条例反対の取組みが進んでいる。教育委員、教育委員会事務局、PTAも批判している。ともに橋下を追い詰めていこう」とアピールした。

 内田妙子さん(日航不当解雇撤回裁判原告団長、キャビンクルーユニオン委員長)は「日航『整理解雇』との闘い」を報告し、「安全運航を守るため、差別や人権侵害と闘ってきた労働者を排除し、労働組合の弱体をねらって不当解雇を強行した。安全なくして再建なし!一日も早く勝利して職場復帰を果たしたい」と支援を訴えた。

 最後に集会アピールアピールを採択し、闘うスクラムを強化していくことを誓い合った。

(Y)

【転載】8・15反『靖国』行動に向けられた弾圧を許すな!右翼による私たちへの攻撃、暴行や傷害を糾弾する!

8・15反「靖国」行動実行委の声明を転載します。
右翼のテロ襲撃を許すな!

8・15反『靖国』行動に向けられた弾圧を許すな!右翼による私たちへの攻撃、暴行や傷害を糾弾する!
 
 私たち「国家による『慰霊・追悼』を許すな!8・15反『靖国』行動」は、今年も、天皇制に反対し、靖国神社に代表されるような国家による死者の「慰霊・追悼」を批判する行動を行なうことができました。

 しかし、本年の行動は、これまでよりもさらに激しい弾圧や攻撃にさらされるものでもありました。そのことの内実を広く明らかにするとともに、こうした事態をつくりだした権力機関や団体・個人を厳しく糾弾せねばなりません。

 天皇制を批判したり、その戦争責任や侵略責任を問う行動は、これまでも公安警察や機動隊による過剰規制に加え、右翼勢力の攻撃にさらされてきました。最近は、こうした右翼勢力に、もっぱらインターネットで流布される虚言によって妄動する「ネット右翼」、そして彼らを現実の場に動員している「行動する保守」を名乗る右翼グループが加わり、私たちや友人たちの行動への妨害や嫌がらせはさらに醜悪なものとなっています。

 今回のデモのさなかに、私たちの行動に対し、襲撃する側が持ち込み、押さえられたとき落としたと思われるナイフが見つかっています。

 私たちは、これまで20数年の長きにわたり、8・15の行動を持続してきました。

 右翼たちの私たちに向けた「殺せ」「殺す」という脅迫的煽動は、「街宣右翼」や「行動する保守」「ネット右翼」たちが相互に顕示を競う中でエスカレートしてきました。しかし、今回ナイフが持ち込まれたことは、デモの参加者に対する、具体的な殺人/傷害が狙われていたと考えるしかありません。これは、右翼たちの行動の最悪の方向への転換の画期を示すものです。

 これに対する、警備・公安警察が実施した「警備」の体制はひどいものでした。それは、私たちの行動を抑え込むばかりか、「街宣右翼」「行動する保守」や「ネット右翼」たちにやりたい放題を許すものでもあり、私たちの行動に参加した人々の身体を、彼らの暴力行使による直接的な危険にさらさせるものでした。

 以下に、その具体的な実態を示します。



★右翼団体構成員による暴力

 警察は、デモコース最初の、上下4車線の白山通りを封鎖し、驚いたことに上下線の歩道寄りの車線にずらりと右翼の街宣車を配置させました。特に危険だったのは、居並ぶ右翼の街宣車の間から、ひっきりなしに右翼団体構成員が私たちを襲撃してきたことでした。

 この激しいもみ合いの直後に、白山通りから靖国通りに向かう半ばで、デモ隊の歩いている路上にナイフが落ちていたことが、多くの参加者によって確認されています。これは、襲撃者が割って入った機動隊員に取り押さられた際に、落としたものとしか考えられません。

 脇を歩いていた私服の公安警察官は、この「証拠物」を、何食わぬ顔で拾い上げ自分のバッグに収めてしまいました。このとき襲撃犯が逮捕されたのかどうかすら、現段階では不明のままです(この一部始終は、私たちにより現認され撮影されています)。

 警察は、この事件をなかったことのようにしたいのでしょうか。目前で不法な暴力行為が展開されている以上、警察は、この右翼によるテロ未遂事件の事態の一部始終を厳しく捜査し、襲撃犯の背景、その後の対応について明らかにする義務を有しています。

 右翼は、中身の入ったジュースなどの缶を私たちめがけて投擲してきました。これにより身体に打撲傷を受けた参加者も何人もいました。これが顔や頭部などにぶつけられた場合は、その被害は深刻です。これについても、警察は積極的に捜査を行う義務があります。

 右翼による襲撃により、宣伝カーは蹴られ、叩かれ、横断幕・バナーやパペットなどはデモ行進の開始直後から終了するまで攻撃を受け続け、強奪などもされました。右翼構成員は、大量な機動隊や公安警察官にほとんど規制もされずデモに併進し、暴行や罵声を浴びせ続けたのです。



★「右翼」に対する警察の優遇措置

 警察は、在特会に代表される「行動する保守」や「ネット右翼」のデモに対する妨害のための、彼らとの「ボス交渉」に積極的に応じ、わざわざ公道である歩道や車道の一部を空けて彼ら専用の区域を提供しました。彼らはこうしてしつらえられた安全な空間から、差別と排外主義にまみれた醜いヘイトスピーチを繰り広げたのです。彼らによるヘイトスピーチは、直接的な暴力をほしいままにする右翼団体と、まさに対をなし、暴力を助長するものです。

 右翼によるこうしたヘイトの行動は、多くの国や団体・個人から、国際的にも強く批判を受けているものです。民主主義を標榜する日本のような国家において、警察がむしろこれを助長するような体制を取ることは許されるべきではありません。



★警察によるデモへの弾圧態勢

 私たちのデモは、左右を街宣車と警察車両によって狭められた車線を、さらに戦闘服の右翼団体構成員と装備した機動隊の列にサンドイッチ規制される形で進ませられました。これは、私たちのアピールが右翼街宣車による圧倒的な騒音によりかき消されることを目的とするものでした。

 私たちのデモ行進が、機動隊によって強く規制される一方で、歩道や車道を並行して歩く私服の公安警察官や制服警官は、右翼団体構成員が私たちに暴行を働くのを積極的に制止しませんでした。警察は右翼に自由に行動させたため、その突進に翻弄され、ぶざまに混乱した警備体制を糊塗するため、むしろ機動隊は私たちの行動への規制を強めたのでした。その経過で、右翼や機動隊員に突き飛ばされ、転倒させられた人も多くいました。

 そして、そのような中でも、大量に動員された公安警察官は、ただただ私たちへのビデオや写真撮影などに励んでいたのです。

 私たちは、こうした日本社会における現実を、日本社会、さらに国際的にも広く知らしめることを希望します。民主主義を標榜し、日本国憲法において思想や表現の自由が保障されているにもかかわらず、現実の社会において、実質的にこれを行使することが不可能ないし困難な状況にあることに注目されねばなりません。

 また、インターネットなどにおいては、天皇制や靖国神社などへの批判、外国人やマイノリティの権利の主張を行なう意思表明すら、右翼勢力の執拗な攻撃にさらされ、発言を封じられることもたびたび起きています。

 こうした、直接的・間接的な暴力を含む攻撃が、どのような政治的・社会的立場やイシューに向けられているかは明らかです。右翼組織や「行動する保守」「ネット右翼」などのそれぞれの背景は、政治団体や暴力団、宗教団体、その他の挑発者グループ、なによりこの社会を覆っている差別・排外主義的な政治環境などさまざまですが、この間、彼らにとっての共通の「敵」をしつらえ、実質的に合流した行動をとることが繰り返されています。

 こうした状況は、社会や経済の破綻から「失われた20年」と呼ばれる最近になって、ますます明白に露呈していることです。排外主義は、人間が使い捨てにされ、生をめぐる競争に駆り立てられ、社会的に分断されるところに浸透しています。これは、社会全体が徐々に威圧的となり、軍事的色彩を強めている歴史的時間の中で、いままさに進行している事態です。

 私たちは、今回のような警察・右翼一体となった攻撃を強く糾弾します。すべての皆さんがこうした事実を認識し、右翼の暴力や、それを理

由とした警察権力の不当な規制をゆるさない声を、それぞれの場で上げていただきたいと思います。

2011年8月26日
 
国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動




左上から:右翼が襲撃時に落としたナイフを私服公安警察が何食わぬ顔で拾い上げ自分のバッグに収める。左下写真、公安警察の左腕に警視庁の腕章が確認できる。

右:デモへの襲撃を繰り返す右翼。




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▲テロ未遂の凶器を証拠隠滅した警視庁公安刑事

報告 2011平和の灯を! ヤスクニの闇へ キャンドル行動

813 2011平和の灯を! ヤスクニの闇へ キャンドル行動実行委員会は、8月13日、全電通労働会館で「3・11後の東アジア─原発とヤスクニが強いる国家と犠牲」をテーマにした集いが行われ、450人が参加した。

 集会は、今村嗣夫さん(共同代表)の開催挨拶から始まり、「今年のキャンドル行動は、3・11後の日本の状況を東アジアの民衆の視座からとらえ返す場として設定した。原発震災はこの国の闇を暴き出した。だが今またヤスクニとその思想を利用し、逃げようとしている」と批判し、「原発とヤスクニ」を厳しく糾弾していこうと訴えた。

 シンポジウムは、四人のパネリストから問題提起が行われた。

 高橋哲哉さん(東京大学教授)は、「私は福島出身だ。五月にいわき市を訪ねたが、震災と津波で港は瓦礫の山、原発からの放射能汚染水の放出で漁業も壊滅という惨状だった。3・11は、あらためて日本の病巣―原発・ヤスクニという犠牲のシステムを露にした」と提起。

 具体的に①「安全神話」によって原発を推進し、同時に中央と周辺の構造的差別を利用してきた②大量被曝を覚悟しながら働かざるをえない被曝労働者を「英霊」予備軍―ヤスクニと同様の論理で讃え、犠牲を強要するシステム③ウラン採掘現場での被曝犠牲④「核のゴミ」捨て場所を原発立地地域に押し付けようとしていることを浮き彫りにした。

 とりわけ日本とアメリカの原発推進派が「核のゴミ」の捨て場所としてモンゴルへの投棄計画を進めていたことを報告。結果としてモンゴルによって断られたが、推進派の根底には植民地主義が存在していることを厳しく批判した。

 石原昌家さん(沖縄国際大学名誉教授)は、「3・11原発震災―フクシマを見る沖縄の眼差し」という観点から「核と沖縄の米軍基地」について報告。

 さらに「日米両政府は、東日本大震災と原発事故を利用し、『トモダチ作戦』と称して人びとに受け入れられるような作戦をとってきた。それまで自衛隊・米軍は東アジアの軍事的展開に向けて宮古島や八重島の軍事基地化を目論んできたが、なんと災害発動の拠点・基地にすると言い出した。災害時の救出活動に監感謝されたのをチャンスとして反対しにくい状況時に住民を『絡め取って』『押し付けていく』という軍事配備に着手しようとしている」ことを明らかにし、「軍隊は『人命救助』の訓練にだけ専念すべきだ」と結論づけた。

 潘朝成さん(台湾・慈濟大學講師/ケマラン族)は、「台湾原子力発電所、核廃棄物と台湾先住民族の境遇」というテーマで①環境正義の下の原住民族の立場②新植民地における台湾原子力発展に対する米国の影響③台湾第4原発の建設とケラマン族の反対の取組み④核廃棄物保管場所の選定における環境民族差別について報告した。

 さらに潘さんは、「核廃棄物保管場所の選択は、台湾の権力者の重大な環境不正義、環境人種差別の事実を明らかにしている。先住民族の権利は集団の権利であり、これらの権利は国家が作られる前から存在している。先住民族の権利を認めるためには、現在の政治、経済と文化を徹底的に変えていかなければならない」と強調した。

 韓洪九さん(韓国・聖公会大学教授、平和博物館理事)は、「津波に勝った原発への愛」と題して「核兵器と核エネルギー」を批判。

 「南と北のリーダーである李明博と金正日は、多くの面で相剋関係であるが、核を愛しているという共通点も持っている」と切り出した。そして韓国の「原発ルネッサンス」(原発拡大政策)に触れ、「李大統領は『福島原発事故は、むしろ原発強化のきっかけにしなければならない』などと位置づけている。つまり韓国型原発を売り込むチャンスとしてしか見ていないようだ。しかも2010年、アラブ首長国連邦に原発を輸出したことを政権の最大の功績として宣伝している。世界の原発市場で主導権を確保し、原発輸出を韓国経済の新しい動力源にしようと考えている」と糾弾し、東アジア反核運動の方向性を提示した。

 集いの後半は、服部良一さん(衆院議員)が挨拶で再開され、反ヤスクニと天皇制解体をアピール。

 遺族証言では、韓国のナム・ヨンジュさん、古川佳子さん(靖国合祀イヤです訴訟原告)が発言。

 続いて黒田節子さん(ハイロアクション福島原発40年実行委員会)が「原発震災の渦中 FUKUSHIMAから」を訴えた。

 コンサートに入り、林廣財(台湾・飛魚雲豹音樂工團)、ソン・ビョンフィ(韓国)、ムン・ジンオ(韓国)、(台湾・飛魚雲豹音樂工團)が熱唱。

 内田雅敏さん(共同代費用)は、7月21日、靖国神社韓国人合祀絶止訴訟で東京地裁が政教分離違反問題について「靖国神社を特に手厚く支援する意図・目的はなかった」などと判断し、請求をすべて棄却する不当判決を糾弾した。

 最後にイ・ソクテさん(共同代表)から閉会挨拶が行われ、キャンドルデモに移り神田一帯にわたって「ヤスクニNO!」を響かせた。なおキャンドル行動に対して在日特権を許さない会、天皇主義右翼らが妨害宣伝を強行してきたが、挑発に乗らず毅然とデモを貫徹した。

 付記:警視庁公安部は、8月11日、台湾の高金素梅・立法委員を威力業務妨害、礼拝所不敬、傷害容疑で東京地検に書類送検した。高金素梅さんと台湾の仲間たちは、09キャンドル行動に参加するとともに靖国神社抗議行動(09年8月11日)も取組み、神社境内前で「台湾先住民族戦没者の)合祀をやめろ」、「英霊を返せ」を掲げ、抗議のシュプレヒコールをたたきつけた。権力の書類送検は、台湾の仲間たちの反ヤスクニ行動への敵対であり、キャンドル行動に対する事前弾圧だ。送検糾弾!撤回せよ!

(Y)

【報告】国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動

815 8月15日、国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動が行われた。まず、午後一時から在日本韓国YMCA九階ホールで集会が行われ、132人が参加、デモには200人が参加した。


集会後、神保町を通り九段下の靖国神社近くを通る「靖国思想」解体のデモを行った。既存右翼や在特会らは最初から最後までデモ隊列に対して執拗に攻撃を加えた。この間の反原発サウンドデモに対して逮捕を相次いで行っている警察だが、この日の右翼らの違法なデモ妨害突撃、交通妨害などの道路交通違反などには一定の規制はするものの、明らかな馴れ合い、泳がせの対応をとっていた。警察・機動隊はデモ隊をサンドイッチ規制して、正当なデモ行進をじゃました。デモ隊はこうした攻撃を跳ね返して、「靖国」「天皇制」を批判して、断固としてデモを貫徹した。


 3月11日東日本大震災以後、被災者の「慰問」と死者の「鎮魂」を行った天皇が新たな「国家の再生」に向けたメッセージを発している。こうした天皇制を撃ち、国家による、あらゆる死に対する意味づけを核とした、8.15の「追悼空間」=全国戦没者追悼と靖国思想――新しい国立の無宗教の追悼施設、あるいは千鳥ケ淵拡充という方向性も含めて――の解体に向けた行動に、今年も取り組んだ。

 


 集会は最初に、加納実紀代さん(女性史研究者)が「原爆・原発・天皇制」と出して講演を行った。


 加納さんは1945年8月6日、爆心から二キロ弱に住んでいて部屋の中で被爆した。当時五歳だった。父親は爆心地で消滅的に殺された。加納さんはじゃがいもからドッチボールのような顔になって死んだ友だちのこと、首のない死体や灰のような死体のことなど自分で見た残酷な原爆のすさまじさを語った。原爆は他の兵器と比べて、瞬間性、無差別性、根絶性そして全面性、持続・拡大性を持つものだ。


 原爆の被害とジェンダーについて。語り部をやっている阿部静子さん(19歳)はまぶたが閉じない、唇がないということで18回も整形手術した。結婚差別がひどかったことを紹介した。ヒロシマは被害者か、と問いかけた。戦争に明け暮れた日本の近代。その中で軍都「廣島」の加害性。1941年開戦時、広島の陸軍第五師団は真珠湾攻撃より一時間早くマレー半島のコタバル上陸作戦を行い、その後行く先々で住民たちを虐殺していった。原爆はアジアにとって「解放」だったのか? 加害者であり、被害者であったヒロシマ。


 原発について。なぜ「唯一の被爆国」が原発大国になったのか? アメリカは核の独占がソ連によって打ち破られた後、西側同盟諸国を支配化に置くために1953年、原子力の平和利用を打ち出した。日本では中曽根康弘と正力松太郎が積極的な役割を果たした。運動側どうであったか。被爆者、進歩的学者にも共有されていた科学技術信仰。原子力情報室初代代表になり、反原発運動で重要な役割を果たした武谷三男は1952年に、「被爆国だからこそ平和利用を」と推進論を展開したが、1954年3月、ビキニ環礁での水爆実験と日本人船員の被爆事件後、立場を転換した。ビキニ被爆を受けて、原水爆禁止署名運動が全国的に行われた八千万人弱の国民のうち3200万人が署名するという空前の運動の広がりが作られた。55年6月に日本母親大会の第一回が、八月に原水禁大会の第一回が開催された。しかし、ここでも「原子力は人類の繁栄のために」というスローガンが掲げられていた。


 原爆と天皇制。昭和天皇はアキヒトに宛てた1954年9月9日の手紙で敗戦の理由を「我が軍人は精神に重きをおきすぎて、科学を忘れたことである」と書いた。そして、アキヒトも8月15日の日記に敗戦の理由を「科学の力が及ばなかったためです」と記している。被爆の現実に立ち向かうというより、「アメリカはすごいんだ」という「クールな認識」であったろう。現憲法の制定の過程で、明治天皇制的なものを残そうとした日本の学者に対して、アメリカは原子力を背景に、マッカーサーの用意した「憲法」をいわば「押し付けた」。天皇制のもとの民主主義であり、沖縄を犠牲にし、日米安保の核の傘のもとでの戦後の出発であった。


 戦前の「近代の超克」論や日本的「和の論理」、「和の母性文明」=天皇制の論理を繰り返さないために、近代がめざした「豊かさや便利さ、効率性」を問い直し「弱者」のままで尊厳を持って生きられる社会をめざそう。

 


 講演後、参加団体によるアピールが行われた。差別排外主義に反対する連絡会の藤田さんは「行動する右翼に対するカウンター行動を9・23新宿柏木公園からのデモを行う」と発言した。「日の丸・君が代」の強制に反対する会の京極さんが、8月4日に横浜市の中学の歴史と公民の教科書が「つくる会」系の育鵬社のものが採択された。神奈川県下では藤沢市などでも採択され、実に45%の中学生が使うことになってしまったこと、そして大阪府で「君が代」強制条例が採択され、さらに「教職員処分」の条例化が九月府議会で目論まれていることが報告し全国的な反対運動をつくろうと呼びかけた。


 福島原発事故緊急会議の天野さんが9.11再稼働反対全国行動に向けた事前学習会を紹介した。許すなヤスクニ国営化阻止8・15集会実行委がアピールを読み上げた。反安保実行委が10月15日、浅井基文さん講演会のお知らせ。ブッ通しデモ実行委が7月23日から9月10日まで50日間、「がんばれ日本」というネオナショナリズムに抗して、都内で毎日デモを行っていることを報告し、ネットで検索してデモに参加してほしいと訴えた。靖国解体企画が正午に黙祷粉砕デモを靖国神社前で行ったことを報告した。最後に集会宣言を読み上げデモに出発した。

(M)

報告 「反「靖国」行動プレ・討論集会  それぞれの8・15行動 これまでとこれから

730 
 7月30日、国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動 は、池袋・ECOとしまで「反「靖国」行動プレ・討論集会  それぞれの8・15行動 これまでとこれから」を行っ
た。

 侵略戦争と天皇制を賛美する勢力は、毎年、8月15日に「終戦記念日」と称して武道館で天皇出席のもと「全国戦没者追悼式」を行い、靖国神社では超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の参拝、「日本会議」や「英霊にこたえる会」の戦没者追悼中央集会など天皇主義右翼らが総結集する。いずれも戦争の死者の「追悼」をとおして、「国のための死」を賛美し顕彰していくことにねらいがある。同時にグローバル派兵国家に天皇制を組み込み、民衆統合を強化しながら現在の「戦争」の死の肯定を強要する。天皇制の犯罪性を掘り下げることを拒否し、天皇制への統合を押しすすめようとしているのだ。反「靖国」行動は、靖国勢力の動向を見据えつつ、今年の8・15闘争にむけて討論集会を設定した。

 集会は、「靖国中毒」と題するDVD上映から始まった。天皇制と侵略戦争のために作られた靖国神社の歴史、各神社の役割などを境内をめぐりながらレポートし、批判した。

 次に以下の団体から取組みの歴史、課題、今後にむけて発言が行われた。

 第38回許すな!靖国国営化8・15東京集会実行委員会は、「1970年代、自民党は『靖国神社法案』を国会に何度か提出するが、反対の取組みなどによって廃案となった。反対運動を継承し、歴史をつなげていきたい。『日の丸・君が代』強制反対の闘いに対する不当処分事件に最高裁が次々と合憲判決を出している。今年 の八月 一五日は、下嶋哲朗氏(ノンフィクショ
ン作家)さんを講師に『良心をのみこむ国家 ~日の丸・君が代強制反対~』というテーマで講演してもらう(午後2時/在日本韓国YMCAアジア青少年センター)」と述べた。

 「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」キャンドル行動実行委員会は、日本・韓国・台湾の仲間たちとともに共同行動を積み上げてきた成果を報告し、今年の行動について「3.11後の日本、東アジアはそれをどう見るか。『人災』が『国難』化され、責任追及がいつの間にかあいまいかされていく。そんな状況の根底にひそむヤスクニ。今年のキャンドル行動は、3.11後の日本の状況を東アジアの民衆の視座からとらえ返す場として実施していきたい」と紹介した。

 日本戦没学生記念会(わだつみ会)の高橋武智さんは、「わだつみ会は、『再び戦争の悲劇を繰り返さないため、戦没学生を記念することを契機とし、戦争を体験した世代とその体験をもたない世代の交流、協力を通して戦争責任を問い続け、平和に寄与することを目的』としている。3月11日の東日本大震災・福島原発事故以降、私たちの生活環境はすべて以前のようではありえなくなった。今年の8.15集会は、『敗戦後と震災後』というテーマで、とくに原発事故をめぐる事態を、敗戦前から今日にまでいたる日本の現状と対比して考える機会にしようと考えている(8月15日(月) 午後
1時/飯田橋レインボービル 1階会議室)」と呼びかけた。

 靖国解体企画は、8月15日の「全国戦没者追悼式」と「靖国神社」に対する抗議行動の歴史を報告し、この闘いの意義として「靖国神社では、戦争で殺し殺されて死んでいった人たちを『英霊』としてまつりあげている。だれかに自分の死や他人の死(殺人)を強制されたことが人々に称賛する社会は、人間の生命そのものをないがしろにすることだ。今後も国家や社会による戦死者『追悼』『慰霊』のシステムそのものに強く反対していく」と強調した。

 8・15反「靖国」行動実行委は、反天皇制運動の取組みを通して「ヤスクニ」の統合力を強化するための「天皇賛美日」に対してカウンターアタックを粘り強く展開してきたことを報告。さらに今年の反「靖国」行動に対して在特会が靖国神社前のデモ中止キャンペーンを行っていると批判し、当日は創意工夫に富んだ靖国抗議デモを行っていこうと呼びかけた。

 最後に討論を集約し、8.15反「靖国」行動で再会することを確認した。(Y)

【報告】都教委包囲・首都圏ネット 『君が代』最高裁判決糾弾!大阪府『君が代起立』条例撤廃!7・24集会

to 7月24日、石原・大原都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネットは、「『君が代』最高裁判決糾弾!大阪府『君が代起立』条例撤廃!7・24集会」を行い、160人が参加した。

 ネットは、集会の柱として①10・23通達撤回・処分撤回!「日の丸・君が代」強制反対!②大阪府「君が代起立」条例撤廃!③「つくる会」系教科書採択阻止!④原発反対!子どもを放射能から守れ!⑤石原・橋下は知事をやめろ!――を掲げた。

 集会は、四月の入学式に10・23通達に抗議する不起立闘争を行い、都教委から不当処分を受けた仲間からの報告で始まった。

 藤田勝久さん(東京都立板橋高等学校元教諭)は、最高裁第1小法廷が都立板橋高校卒業式弾圧事件について「威力業務妨害罪」が成立(罰金20万円)とする不当判決(7月7日)を出したことを糾弾。さらに「最高裁には被告席がない。あるのは頭上高くの判事席とそれを仰ぎ見る弁護士、検察官席。憲法37条の被告人の公平かつ迅速な裁判を受ける権利は画餅となっている」と批判した。

 次に、最高裁の10・23通達を合憲とする不当判決を受けた仲間たちから発言。

 申谷雄二さん(南葛定時制嘱託採用拒否裁判/5月30日、最高裁第二小法廷・不当判決)は、「裁判所は一方的に裁く権利を思っているかもしれないが、裁く側もまた裁かれることに気づくべきだ。判決の日は、滑稽さだけが残った」と裁判官たちを批判した。

 「日の丸・君が代」強制反対、嘱託採用拒否撤回を求める会(6月6日、最高裁第一小法廷・不当判決)は、「最高裁は職務命令が個人の思想・良心を『間接的に制約する』と認めながら、式典の円滑な進行を図るには『制約は必要で合理性がある』とし『憲法の番人』という役割を自ら放棄した。最高裁判決に負けず、処分取消や他の裁判でも反対意見を力に諦めず闘っていきます」とアピール。

 「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会(7月14日、最高裁第一小法廷・不当判決)は、「最高裁は、約一ヶ月半の間に一一件の不当判決を出した。法廷が異なるにもかかわらず主文や判決理由はみな同じであり、最高裁全裁判官による根回し、合意なしにはありえず、実質的な『大法廷判決』だ。このまま引き下がれない」と決意表明した。

 「君が代最高裁判決批判」というテーマで金子潔さん(解雇裁判・予防訴訟原告)が提起した。とりわけ「憲法19条は戦前の反省に基づく日本の独自性強い規範だが、最高裁は『日の丸・君が代』裁判で19条合憲とした。初めて『思想・良心の自由』権の制約する新たな判例となってしまった。今後はバラバラな裁判闘争から全体的な共同体制の確立。『腐った雰囲気』の醸成を許さない市民社会への働きかけが重要だ」と強調した。

 教科書問題の報告が横浜学校労働者組合副委員長の茂呂秀宏さんから行われ、「横浜市教育委員(六人)だけで市立中学校の歴史教科書を天皇制賛美の「つくる会」系を全市一括採択しようと策動している。全市一括採択に反対し、学校現場からの教科書採択を目指していきたい」と訴えた。

 「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪は、大阪府「君が代起立」条例撤廃と「君が代処分」条例阻止にむけてアピール。9月24日の「『君が代』を起立して歌え!立たないとクビ!? 『君が代』強制大阪府条例はいらん!全国集会」(9月24日<土>午後1時/サーティホール<JR新大阪駅>)への参加を呼びかけた。

 特別アピールとして福島県教職員組合郡山支部書記長の鈴木浩行さんから東電福島原発事故後の組合の放射能調査活動、「わたしたちは忘れない!」を合言葉に連絡・集会を草の根で取り組んでいることなどを報告し、子どもを放射能から守る闘いに支援・連帯を呼びかけた。

 都教委包囲ネットの見城﨣樹さんから基調報告が行われ、「石原と都教委を糾弾し都庁を包囲してきた闘いを継続し、大阪府『君が代条例』反対、不当処分撤回、最高裁判決糾弾、反原発を闘っていこう」と確認した。

 最後に集会決議し、シュプレヒコールを行いスクラムを打ちかめた。

(Y)

【案内】7.30 反「靖国」行動プレ・討論集会 - それぞれの8.15行動 これまでとこれから

 7.30 反「靖国」行動プレ・討論集会へ

それぞれの8.15行動 これまでとこれから
――国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8.15反「靖国」行動プレ・討論集会

日時:7月30日(土) 開場18:00(予定)
会場 ECOとしま(豊島区生活産業プラザ)の多目的ホール
 *各線池袋東口下車 徒歩7分

■DVD上映:「靖国中毒」(予定)
■発言・問題提起(予定):
キャンドル行動実行委員会、8.15 東京集会実行委員会(NCC)、靖国解体企画、アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会、8.15反「靖国」行動実行委、ほか

●主催:国家による「慰霊・追悼」を許すな!8.15反「靖国」行動

●連絡先090-3438-0265

●呼びかけ団体(確認中):アジア連帯講座、国連憲法問題研究会、立川自衛隊監視テント村、反天皇制運動連絡会、「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会、靖国・天皇制問題情報センター、連帯社、労働運動活動者評議会

〈よびかけ〉

 8.15がやってくる。例年そうであるように、あたりまえのようにやってくる。首相の靖国参拝や右翼の大暴れ。そのことで強化される警察の弾圧。げんなりするような新たな課題を抱えて8.15は毎年やってきた。今年も、3.11以降の東北の人びとの苦難と、この事態に無策と無責任を露呈する政府・東電・マスコミに歯ぎしりする状況のなかで、当たり前のように8.15はやってくるのだ。この事態に国家は何を考えているのだ!?

 一方で、そのように繰り返しやってくる8.15に対して、問題であると声をあげる少なくない人たちが存在し続けている。「玉音放送」なる、天皇(当時)ヒロヒトの「終戦」メッセージをラジオ放送した日を「終戦記念日」とするこの社会の歴史認識を、この日に多くの「日本人」が繰り出す靖国神社の問題を、天皇参列と「お言葉」を欠かさない国家をあげた「全国戦没者追悼式」の問題を、直感的におかしいと感じとる人びと、長年の行動をとおして確信を持ち、そのおかしさを伝えようとする人びと。これらたくさんの人びとがつくり出してきた8.15行動の歴史があるのだ。

 私たちは今年、そんな人びとのほんの一部であるが、毎年アピールの交換をしたり、なんらかの共闘を模索したり、デモですれ違ってエールを交換した人たちと、それぞれの8.15への問題意識や行動の目的、作り方への模索の過程など、交流できるような討論集会を持ちたいと呼びかけあった。それぞれがあたりまえに行動の歴史を持っているにもかかわらず、8.15という限定された日程のために、交流そのものがなかなか実現してこなかったのは無理もない。だがそれはもったいないことである。

 この困難な時代に、それでも8.15を課題として何らかの行動を考える多くの仲間が寄り合い、問題の所在や行動の今後について意見交換をし、またそれぞれのこれからの8.15行動にフィードバックしていく。そんな集まりを参加者ともども作りだすことは、きっと私たちの力につながる。討論への参加とともに、情報や問題意識を共有するための交流の場としてもたくさんの方の参加を呼びかけたい。8.15を迎え撃つための前段討論集会へ、ぜひ!
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