「労働者を襲う解雇・失業・被曝労働に抗して」
報告:桂武さん(いわき自由労働組合書記長)/齋藤春光さん(同組合員)
日時:11月10日(土)/午後6時30分
場所:文京シビックセンター(障害者会館3階C会議室)
〔地下鉄三田線春日駅下車〕
主催:アジア連帯講座
(http://monsoon.doorblog.jp/ 03-3372-9401)
講座では、いわき自由労働組合の桂武さん、齋藤春光さんから3.11以降の組合運動と今後の課題について報告していいただきます。
第1は、「組合活動の針路」です。
3.11東北大震災と津波によって、いわき市沿岸部は、壊滅的打撃を受け、同時に東電福島第一原発事故によって原発被災民に追い込まれました。社会・生活システムがストップし、深刻な「地域崩壊」です。震災と原発事故直後に脱出していく人たちもいましたが、多くの労働者は、会社の自宅待機命令のままであり、具体的な指示もないまま身動きがとれない状態だったのです。震災と放射能被曝の次に労働者に襲い掛かってきたのが、資本による賃金未払い、予告手当未払いのうえ自己都合退職の強要でした。仕事がなく、失業状態の悪循環も続きました。
いわき自由労働組合は、労働相談活動を通して資本の震災便乗労基法違反や解雇こそ、被災した労働者の生活基盤を奪うことだと反撃を開始しました。ある分会は親会社の意向による全員解雇通告があったが、「震災用・雇用調整助成金」を活用して雇用と企業経営を続ける方向にまとめさせました。「雇用なき復興はあり得ない!」を柱にした闘いの成果です。
組合は、粘り強く地域再生、産業と農業・漁業を再建のための復興資金の要求、失業者雇用の取り組みを行っています。また、利権集団を排除し、復興事業を被災した人々と労働者の監視の下に置く共同の取り組みにも挑戦しています。
第2は、「除染問題と被曝労働」です。
東電は、福島第一原発事故の収束作業に携わる原発労働者に対して下請け構造を利用しながら被曝させています。それだけではありません。撒き散らされた放射性物質によって各地域の生活と労働も被ばくを伴う事態になっています。いわき自由労組は、被曝労働という健康犠牲を前提とした社会の変革、すべての原発廃炉の実現だと訴えています。
とりわけ原発の中で被曝労働を続けている作業員、除染作業に従事する労働者の被ばく問題を取りあげ、生涯の健康管理と生活保障を要求しています。また、放射線量検査活動、放射能除染問題の取り組みを通してゼネコンがピンハネ横行の下請け構造のうえで儲けている実態や損害賠償をあいまいにしてしまう危険性なども浮き彫りにしています。
講座では、リアルな現地報告を交えて今後の方向性について意見交換していきたいと思います。