20170531kyo

 

 五月三一日午後六時半から、「5・31共謀罪法案の廃案を求める市民の集い」が5・31共謀罪法案の廃案を求める市民の集い実行委員会が主催して開かれた。午後六時三五分にはすでに東京・日比谷野外音楽堂は定員オーバーになり、外での参加も含めて四七〇〇人が参加した。

 

 実行委の参加団体は以下のとおり。アムネスティ・インターナショナル日本/グリーンピース・ジャパン/自由人権協会/女性と人権全国ネットワーク/新聞労連/日本消費者連盟/ピースボート/移住者と連帯する全国ネットワーク/反差別国際運動/ヒューマンライツ・ナウ/人身売買禁止ネットワーク/共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会/共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会。

 

 多くの市民が反対し、過去三度も廃案になった共謀罪法案。その共謀罪法案が、名前だけを「テロ等準備罪」に変え、国会での十分な審議もなされないまま、成立しようとしています。共謀罪は、話したことだけを理由として人々を取り締まるものです。この法律ができれば、会話の内容は広く監視され、自由にモノを言えない社会が作り出されることになります。共謀罪は、表現の自由、思想の自由を侵害し、市民団体の活動を萎縮させるものです。自由に物事を考え、自由に意見を表明することは市民の基本的人権であると同時に、民主主義の根幹でもあります。すなわち、共謀罪は、民主主義を破壊します。真のテロ対策とは、さまざまな考え方や意見があることを理解し、民族的・文化的・宗教的な違いを乗り越え、差別や貧困、抑圧をなくしていくことです。テロ対策」を名目に異なる考え方や意見を弾圧する今回の法案は、むしろ「テロ対策」に逆行しています。私たちは、共謀罪の成立が監視社会の幕開けとなることを危惧し、将来に禍根を残さないため、今、共謀罪法案に反対します。(呼びかけ文より)

 

 集会前に豊岡マッシーさんの三線と沖縄の歌によるプレ企画が行われ、集会を盛り上げた。最初に野平晋作さん(ピースボート共同代表)が共謀罪反対・辺野古新基地建設反対の6・10国会包囲行動の呼びかけを行った。

 

 米田祐子さん(グリーンピース・ジャパン事務局長)が「五月二五日、人権・環境団体も共謀罪の対象になると金田法相が国会で答弁した。監視・分断を深めるもので許せない」と主催者あいさつをした。海渡雄一さん(弁護士)が国連人権理事会特別調査員の書簡を読み上げ、「共謀罪法案の根本を批判している。共謀罪法案の審議をストップし、国連の問いに答えよ」と特別アピールを行った。

 

 野党の国会議員が多数参加し、廃案に向けた熱の入った発言を行った。

 

 山尾しおりさん(民進党、衆院議員)。「議員会館で次の日の国会質問を考えている時、いつも闘いの声が聞こえている。これが私を支えてくれている。私の検事時代の経験から言っても捜査機関のちゅうちょをなくした時、自由がなくなる。あきらめていない。必ず廃案に持ち込める」。

 

 山下芳生さん(共産党、参院議員)が「風力発電に反対する岐阜の市民四人に対して運動をつぶすために、警察が個人情報の収集をしていたことが明らかになった。共謀罪は普通に暮らす市民を監視するものだ」と批判した。福島みずほさん(社民党、参院議員)は「共謀罪成立の目的が憲法改悪のためであり、戦争ができる国造りの一環であること」を明らかにし批判した。

 森ゆうこさん(自由党、参院議員)は、「森友学園問題は八億円の土地の払い下げであったが、加計学園は二〇〇億~三〇〇億円の話であり、さらに学校ができた後にも一〇〇億円の補助金が今治市などから出される。安倍政権がこれを進めた」と明らかにし、共謀罪によって「新たな戦前を作ってはならない」と痛烈に批判した。

 糸数慶子さん(沖縄の風、参院議員)は「辺野古での抗議行動、座り込み、ブロックを積むことが共謀罪の対象にならないと政府は答えたが本当だろうか。現に山城博治さんは五カ月にもわたって拘束された。山城さんは六月国連に行って人権侵害を訴える」と報告し、共謀罪成立が沖縄の基地建設反対行動に適用される可能性について言及した。

 

 特別ゲストの香山リカさん(精神科医)が「私の実家は小樽市で、プロレタリア作家の小林多喜二が生まれた。多喜二は一九三三年二月二〇日治安維持法違反で逮捕され、その日の夜に拷問で殺された。そんな社会にしてはいけないと小さい時から教わってきた。精神科医をやっているが、人間は自分で感じたり決めたりすることが大事。共謀罪は人の心を破壊する。これに反対する闘いは人間を守る闘いだ」と発言した。

 

 続いて、実行委参加団体の以下の人たちが発言した。山口薫さん(アムネスティ・インターナショナル日本)、旗手明さん(自由人権協会理事)、小林基秀さん(新聞労連委員長)、小田川義和さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)、加藤健次さん(法律家団体連絡会)。山田健太さん(日本ペンクラブ言論表現委員会委員長)は、「表現の自由を奪うこと。警察・政府が管理する秘密社会をつくることになるために反対する。今後、記者会見を行い、反対をアピールする」と意気込みを語った。

 

 集会では何回も、「共謀罪NO!」のプラカードを掲げコールを行った。集会は熱気に包まれた。集会後、銀座デモを行った。共謀罪を廃案へ。(M)