虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

人権

12.7国公法弾圧裁判判決 堀越明男さんの勝利判決で追撃を 宇治橋眞一さんの不当判決糾弾!

最高裁判決写真公安政治警察-司法権力が一体となった弾圧をはねのけよう



 12月7日、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は、堀越明男さん(元社会保険庁職員)が自宅近くで「しんぶん赤旗」号外などのビラを配っていたことを警視庁公安政治警察が国家公務員法違反(政治的行為の制限)だとでっち上げ不当逮捕を強行した事件(2004年3月3日)について二審無罪判決(10年3月29日)を支持して無罪判決を出した。しかし、元厚生労働省職員の宇治橋眞一さん世田谷国公法弾圧事件(05年9月10日)に対しては、「管理職的職員」を根拠にして休日の「しんぶん赤旗」号外配布を国公法違反だと決めつけ罰金10万円の2審不当判決(10年5月13日)を支持した。

 堀越さん無罪は、当然だ。司法権力の反動化を許さず、公安解体、脱原発をはじめ民衆運動の前進のために勝利判決は、重要な「武器」であり、共有財産としておおいに使っていきたい。世田谷国公法弾圧事件の不当判決は、執行猶予をつけず、実質的量刑を重くして公務員の政治活動への規制強化の延長にある政治的判決だ。最高裁は、民衆運動に敵対しながら国家権力機構を強権的に維持・統制していく意図を世田谷国公法弾圧事件に対して指し示したのである。不当判決に対して厳しく糾弾していかなければならない。

 公安政治警察は、自衛隊のイラン戦争参戦下、04年~05年にかけて戦争ができる国家作りの一環である戦時治安弾圧体制の強化のために市民運動から共産党までも対象にした弾圧シフトを敷いた。連動して最高裁は立川反戦ビラ入れ最高裁不当判決(08年4月11日)をはじめ葛飾ビラ弾圧事件(09年11月30日)、板橋高校卒業式事件(11年7月7日)に対して立て続けに反動判決を出し、その定着化をねらってきた。

 しかし、堀越国公法弾圧事件は、社会保険庁バッシングキャンペーンに乗じて公安がそのターゲットとして堀越さんを設定し、人権侵害に満ちた違法捜査、でっち上げ逮捕が明白であるがゆえに最高裁は無罪判決を出さざるをえなかった。ところが最高裁は国家権力防衛の任務として審理を深めるための弁論を開かず、憲法判断する大法定審理(15人の裁判官で構成)も無視してしまった。2人の被告に対して7日に判決を言い渡すだけを通告してきただけだった。つまり、国公法による公務員の政治的活動の禁止を合憲とした1974年の猿払事件の最高裁判例を踏襲しながら、2人の国公法弾圧事件に対して「政治的行為の制限」の憲法判断を避け、判例の「修正」によって延命しようとする対応でしかない。12・7最高裁判決の政治的意図、公安政治警察解体に向けて、あらためて分析していく必要がある。



憲法判断を避けた最高裁



 判決は、国公法(政治的行為の制限)を合憲と押し出しつつ、「猿払事件は組織的な活動だった点など今回と事案が異なる」としたうえで「表現の自由は民主主義を基礎付ける重要な権利で、政治活動の禁止は必要やむを得ない限度にとどめるべきだ」「政治的中立性を損なう恐れが実質的にある場合」は、処罰するとした。その判断基準が「①管理職的地位の有無②職務内容や権限における裁量の有無③勤務時間内に行われたか④国や職場の施設を利用したか⑤公務員の地位を利用したか⑥公務員により組織される団体の活動として行ったか⑦公務員の行為と直接認識されるような状況だったか⑧行政の中立的運営と相反するような目的や内容があったか―などを総合的に考慮すべきだ」などと言っている。

 また、政治的行為について「政治的中立性を損なう恐れが観念的なものにとどまらず現実的に起こりえるとして実質的に認められるものを指す」と定義したが、ならばどのような影響が発生するのかなど具体的に指し示すことをしないのだ。いずれも手前勝手な主観的な裁量が可能なものでしかない。だから堀越さんは「管理職的な地位になく、職務の内容や権限に裁量の余地はなかった」から無罪と認定し、宇治橋さんは「多数の職員を指揮し、影響を及ぼしかねない地位にあった」「業務や組織運営に影響を与える可能性があった」から有罪だというのだ。

 こんな不当な判断に対して宇治橋さんは、「明確な基準が示されず、どんな人がどんな行為をしたら犯罪になるのかわからない。『管理職的』というだけで、私を有罪にしたことは許されない」(朝日新聞12・8)と糾弾した。堀越さんも「同じ行為で差が付くのは問題。両事件とも無罪にすべきだった」と批判した。



 世田谷国公法弾圧事件裁判の一審判決(08年9月19日)は、検察側の主張をほぼ全面的に取り入れ、憲法で保障された思想・表現の自由を否定し、日本共産党憎しに満ちた性格に貫かれていた。共産党号外配布が衆院選投票日前日だったことを取り上げて「特定政党のための直接かつ積極的な支援行為」と認定し、「衆院選前日に相当枚数を配っており、公務員の政治的中立性に強く抵触する」とした。そのうえで「公務員の政治的行為を一定の限度で禁止することは、憲法上許容される」と断言して、「政党の機関紙配布は法が制限する『政治的行為』の中でも政治的偏向の強い類型に属し、自由に放任すれば行政の中立的運営に対する国民の信頼が損なわれる」と暴論を展開した。休日に職場と関係のない地域でのビラ配布行為が、どのように「行政の中立的運営」が損なわれるということを明らかにすることもできないにもかかわらずだ。



 今回の最高裁判決は、「一般職員の堀越」と「管理職の宇治橋」と表面的に分断してバランスをとるようなポーズを見せつつ、本音のところは世田谷国公法弾圧事件裁判一審判決にあることは間違いない。猿払事件最高裁判決を「下級裁判所としては同判決を尊重すべき立場」などと強調していたほどだ。

 堀越国公法弾圧裁判の一審判決(06年6月29日)でも猿払事件の最高裁判例を踏襲して「指導的判決として今も機能している」から「公務員の表現の自由を制約することにはなるが、合理的でやむを得ない範囲にとどまる」などと違憲性を真っ向から否定した。



 だが2審では堀越さんと弁護団は、国公法弾圧の違憲性を全面的に争うとともに、国際自由権規約19条(表現の自由)、ILO〈国際労働機関〉151号(公務員は他の労働者と同様に、結社の自由の正常な行使に不可欠な市民的及び政治的権利を有する)、アメリカが公務員の政治活動を禁止していたハッチ法を改正し、原則自由とした流れに逆行することを立証していった。

 この裁判闘争方針によって高裁を猿払事件の最高裁判決に踏み込むまで追いこんでいった。判決は言う。当時は「冷戦中で不安定な社会情勢にあり、公務員の影響力を強く考える傾向にあった」と指摘し、「民主主義や情報社会が進んだ現在は国民の意識も大きく変わった」として、一般公務員の刑事処罰には「より慎重な検討が必要」であると明記せざるをえなかった。さらに「付言」では「さまざまな分野でグローバル化が進む中で、世界標準という視点からもあらためてこの問題は考えられるべきだろう。公務員制度の改革が論議され、他方、公務員に対する争議権付与の問題についても政治上の課題とされている中、公務員の政治的行為も、さまざまな視点から刑事罰の対象とすることの当否、範囲などを含め、再検討され、整理されるべき時代が到来しているように思われる」と言明していた。

 だから最高裁は、堀越国公法高裁判決でこのようなあたりまえの判断を放任することができず、「一般職員の堀越」無罪と「管理職の宇治橋」有罪という歯止めを設定したのである。多数派裁判官による強引な宇治橋不当判決だったことを須藤正彦裁判官の「ビラ配布と職務への影響を結びつけることができない。規制の範囲や手段の見直しが必要」という反対意見によって明らかではないか。



公安政治警察解体!



 今回の最高裁判決について最高検の長谷川充弘公判部長は、「それぞれの事案に応じて最高裁の判断が示されたもので、真摯に受けとめます」とコメント(朝日新聞/12.8)しているが、継続して国公法弾圧を行っていくという宣言である。

 民衆運動弾圧の実行部隊を指揮する警視庁幹部は、「方針があって狙い撃ちしたわけではない。認知したから立件しただけで、取り締まりは不偏不党でやっている」とどう喝し、堀越国公法弾圧に対する謝罪も反省もまったくない。これが権力の実態なのだ。

 公安は、堀越さんを不当逮捕するためにのべ171人も動員し、複数台の車両を使って29日間にわたる長期尾行、ビデオ撮影などの人権侵害、違法捜査を繰り返した。関連して共産党千代田地区委員会など六カ所の家宅捜索を強行した。地裁判決ではこのビデオ盗撮について「公道など行動が人目にさらされる場所にとどめられている」、「公道での撮影はプライバシー権がある程度放棄されている」などと不当解釈をでっち上げ「そのほかはすべて適法」だとして公安警察の違法捜査を防衛しぬく立場を追認していたほどだ。



 宇治橋国公法弾圧裁判の一審では、警視庁公安部公安総務課の寺田守孝警部が証人として出廷している。事件時、世田谷署に派遣され、事件捜査の指揮をとり、同署に「捜査本部」を設置していたことを証言した。寺田警部は国公法弾圧堀越事件で活躍しており、強引な違法捜査の手法を世田谷事件でも再現したのであった。

 だが地裁判決は、「公務員の政治的中立性と強く抵触するものであったことなどを総合すると、被告人の本件犯行は、この種の事犯の中では、相応の捜査価値、起訴価値をゆうするものであったということができる。訴追裁量権の逸脱があったと評価することはできない」と切り捨て、「日本共産党に対する差別的な取り扱いに基づくとはいえない」と防衛するのだ。さらに「本件捜査が、警視庁公安総務課が主体となって行われたとの弁護人の指摘を考慮しても、この結論は左右されない」などと言い張っていた。

 いずれも共産党をターゲットにした公安警察の明白な政治弾圧だったのであり、司法権力がバックアップしている構造を浮き彫りにした。



 応援団は、これだけではない。最高裁判決に対して産経新聞(12・8)は、「最高裁判決は禍根を残す」という見出しで、(国公法は)「公のために奉仕するという公務員の義務は、地位や身分、時刻を問わず、管理職か否かも関係ないといのが法の趣旨のはずだ。結果的に政治活動をなし崩し的に許しかねず」と強調し、「前回衆院選で日教組傘下の北海道教職員組合は民主党候補の陣営を組織ぐるみで応援した」事案や自治労組合員の選挙運動を取り上げながら公務員の政治活動に対して弾圧せよと主張している。総選挙、都知事選の真っ只中での政治的どう喝だ。



 最高裁判決を通した国公法による公務員の政治的活動禁止、規制強化を許してはならない。堀越国公法勝利判決をバネに追撃していこう。公安警察は、人権無視・プライバシーの否定、政治活動の制限のためのいやがらせ弾圧、盗撮・盗聴などの不法行為を拡大している。全国の民衆運動への敵対、活動家たちに対する微罪弾圧を繰り返している。情報収集のための不当逮捕・家宅捜索の強行を厳しく社会的に糾弾していかなければならない。公安政治警察を解体しよう!

(Y)

【案内】11・28横堀・団結小屋破壊を許さない!緊急行動へ

千葉地裁の看板(画像は撤去通告する地裁の貼り紙)

11・28横堀・団結小屋破壊を許さない!緊急行動へ




三里塚空港に反対する連絡会



 10月29日、千葉地裁は、横堀・団結小屋住人に対して「11月28日(水)、午前7時に小屋を撤去する。それまでに住人は小屋撤去、退去せよ」と通告してきた。この通告は成田空港会社と一体となった三里塚闘争破壊であり、一坪共有化運動に対する敵対だ。三里塚反対同盟(世話人:柳川秀夫)、大地共有委員会(Ⅱ)〔代表:加瀬勉〕、三里塚空港に反対する連絡会は、この暴挙を許さない。連絡会は、11月28日、地裁と空港会社の攻撃を許さない緊急行動を取り組んでいく。抗議行動への参加と支援連帯を訴える。

 2012年4月25日、東京高裁第9民事部(下田文男裁判長)は、横堀・団結小屋破壊裁判(建物収去土地明渡請求事件)で空港会社の指示のもとに原告となった地主・尾野勇喜雄(元横堀農民)の主張を追認し、三里塚反対同盟に対して「工作物を収去して本件土地を明け渡せ」と通告し、「仮に執行することができる」いう不当判決を言い渡した。判決は、原告=空港会社の三里塚闘争に対する敵対の意図を受け入れ、横堀団結小屋破壊への全面的な加担だ。反対同盟と弁護団は、不当判決を許さず、ただちに上告した。

 立て続けの共有地裁判反動判決と連動して空港会社は、地主・尾野に横堀・団結小屋破壊のための事務手続きの進行を指示し、千葉地裁に「工作物収去命令申立書」(7月12日)を提出した。地裁は柳川秀夫さんに「意見があれば書面」を10日以内に提出せよ(7月26日)と通知してきた。そして裁判所は、8月12日、いつでも撤去できる「決定分」を出し、今回、「11月28日小屋撤去」を通告してきた。

 空港会社のねらいは、反対同盟と大地共有委員会(Ⅱ)、連絡会の連絡先でもある横堀・団結小屋を破壊することによって空港拡張工事など空港「完成」化を加速させていくことにある。しかし、これは一坪共有地運動をはじめ木の根ペンションとプールの共有地、横堀大鉄塔と団結小屋、案山子亭、横堀研修センターなどの闘う拠点がますます空港会社に打撃を与え続けていることを現しており、その焦りとして横堀団結小屋破壊を画策してきたのだ。

 すでに横堀団結小屋には、「三里塚空港粉砕!団結小屋破壊阻止!一坪共有地強奪を許さない! 大地共有委員会(Ⅱ)」の看板を掲げている。11・28横堀団結小屋破壊を許さない緊急行動に結集しよう。



緊急行動

●日時:11月28日(水)、午前6時、横堀団結小屋前結集

●連絡先:横堀団結小屋(0479-78-0039)、横堀研修センター(0479-78-0100)/千葉県山武郡芝山町香山新田131─4

●前日から横堀研修センター宿泊可//事前連絡、迎車可

 
 

10.25東京高裁不当判決糾弾!現闘本部共有地裁判  三里塚空港に反対する連絡会の声明

2三里塚図










 

10.25東京高裁不当判決糾弾!  三里塚空港に反対する連絡会

 10月25日、現闘本部共有地裁判(「第2801号 共有物分割請求事件」)の控訴審判決が東京高等裁判所第2民事部(大橋寛明裁判長)で行われ、成田空港会社の主張を全面的に受け入れ、全面的価格賠償方式(地権者との合意もなく一方的に金銭補償することをもって土地強奪ができる悪法)によって共有地の「権利を空港会社に移転する」という不当判決を出した。三里塚反対同盟(世話人:柳川秀夫)は、不当判決に抗議し、ただちに上告する。現闘本部共有地は、成田空港C滑走路の完成を断固として阻んでおり、拠点を守り抜いていく。

 不当判決の第一は、三里塚大地共有委員会と共有者の「登記名義の取得」の契約関係、つまり「共有・再共有についての事実誤認」(①登記済証の原本は大地共有委員会が一括して保管している②共有名義人、被告も含めて当該土地の実質的な共有持権も処分権もない)について無視し、一審判決と同様に高裁も空港会社の主張を守り抜いたことだ。

 そもそも一坪共有運動及び再共有化運動の責任機関は三里塚大地共有委員会であり、「三里塚大地共有契約書」に明記されているように共有者は「転売、贈与、担保権の設定等、権利の移転及び共有地の分割は一切しない」という契約をしており、「単に登記名義を取得した」にすぎない。しかし高裁は、なんとしてでも空港会社と一体となって反対運動潰しのために「共有・再共有についての事実誤認」論を抹殺したのである。

 第二は、提訴自体が著しく「信義則に反する」ことであり、「強制的手段」論を否定したことだ。

 被告は、空港会社の提訴そのものが1991年から反対同盟と国・運輸省―空港公団(当時)の間で始まったシンポ・円卓会議の中で運輸省と公団が、農民の意志を無視し国家権力の暴力を使って推し進めた空港建設のやり方を謝罪し、二度と強権的な手段を用いないと約束した歴史的経緯などを無視することだと反論した。つまり、裁判を通した「強制収用」だと主張した。

 しかし高裁は、歴史的経緯を投げ出し、いきなり「共有分割請求は、共有者が共有関係の解消を求めるものにすぎず、その分割方法は、共有者間の協議により、協議が調わないときは裁判所が定めるものであって、請求者が取得することになるかどうかは、裁判所が諸事情を総合考慮して行う裁量判断により決せられるのであるから、『強制的手段』に当たらないことは、明らかである」などと主張した。

 いったいどのような「総合考慮」したというのか。そのひとかけらも披露しておらず、いいかげんに展開しているにすぎない。「政府・公団の反対同盟との約束は何も土地収用法の手続きに限定されない」し、「『あらゆる強制的手段』には提訴も含まれている」ことを当時の空港公団の発言、新聞記事、黒野空港会社社長の謝罪等の事実から「信義則に反する」は明白だ。これらの事実を通り越して、裁判所の空港会社防衛のために、わざわざ「裁判所」論を展開しているのだ言わざるをえない。この手法を詭弁というのだ。

 空港会社と裁判所が一体となった反対闘争に対する敵対を許さず、最高裁裁判に勝利しよう。裁判闘争カンパ(一口2000円)を行おう。



●カンパ送り先

三里塚芝山連合空港反対同盟大地共有委員会(Ⅱ)/〒289─1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131─4/ 電話&FAX0479─78─0039

●振替口座 00290─1─100426 大地共有委員会(Ⅱ)

●大地共有委員会ブログ
http://blog.livedoor.jp/kyouyutisanri/

報告:『日の丸・君が代』強制反対!10.23通達撤回!「破壊的教育改革」を許さない! 学校に自由と人権を!10・20集会

DSCF6592 10月20日、「『日の丸・君が代』強制反対!10・23通達撤回!「破壊的教育改革」を許さない! 学校に自由と人権を!10・20集会」が全電通会館で行われ、200人が参加した。主催は、10・23通達関連訴訟団(「日の丸・君が代」強制反対・予防訴訟をすすめる会、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会など13団体)。

 石原都知事と東京都教育委員会による新自由主義的教育破壊の一環としてある卒・入学式時の「日の丸・君が代」を強制する「10・23通達」(2003年10月23日)を発出してから九年がたった。教育労働者の「君が代」斉唱時の不起立・不伴奏の闘いへの報復弾圧として441人が処分されている。再雇用職員・再任用・非常勤教員等の合格取消・採用拒否も70人にのぼっている。さらに都教委は、都立高校の防災宿泊訓練での自衛隊との連携、侵略戦争美化の副読本の発行、競争と「自己責任」の教育の推進、教職員の管理・支配を強化している。

 連動して大阪でも橋下大阪市長率いる維新の会が主導して、新自由主義的教育破壊と弾圧を押し進めている。集会は、法定内外で粘り強く闘う10・23通達関連訴訟団が軸となり、新たな反撃を作り出し、大阪で闘う仲間たちと連帯していく場として行われた。

 主催者あいさつが近藤徹さん(「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会)から行われ、「都教委は、不起立教員の抵抗を根絶しようと『再発防止研修』を質量ともに強化している。だが学校現場での不服従の闘いは続いている。集会は、訴訟団が共同し『日の丸・君が代』強制反対の裁判勝利をめざす運動の結節点とすると共に、東京の『破壊的教育改革』に反撃していこう」と発言した。

 10・23通達関連訴訟団の紹介、宇都宮健児さん(前日弁連会長、弁護士)、落合恵子さん(作家)からのメッセージが紹介された。



これからの課題



 大内裕和さん(中京大教授)の講演が行われ、「『日の丸・君が代』強制反対運動のこれからの課題~東京と大阪から考える~」について以下のように提起した。

 ①「日の丸・君が代」強制反対運動の意義―「10・23通達が憲法の『思想及び良心の自由』に関わる問題であることを明確にした。「国論二分」状況をつくりだした」。

 ②教育における新自由主義と国家主義―「都教委による新自由主義的教育破壊とは、日の丸・君が代』強制だけでなく、階層的な職階制度とトップダウン体制/教員人事考課制度/学校評価制度/高校再編と中高一貫校の設置/教員給与格差などであった。教員の日々の教育実践のプロセスへの統制・介入、政治支配であり、単純な『戦前回帰』ではなく、新自由主義への『抵抗体』への攻撃であり、解体であった」。

 「橋下・大阪維新の会は、教育行政基本条例、府立学校条例、職員基本条例によって知事の政治支配が教育現場まで貫徹する仕組みをねらった。また、高校再編と整備、公立校と私立校の競争促進などによってグローバルな人材育成にある。会は、富の不均衡の拡大の中で庶民の将来の不安と不満の鬱積を公務員・教員バッシングに向かわせ、労働者間を分断させていった。変えてくれるなら独裁でもいいという雰囲気に流れていった」。

 ③今後の課題―「第1は、『思想及び良心の自由』(憲法19条)にプラスして『日の丸・君が代』が日本の帝国主義的侵略とアジア・太平洋に果たした歴史的役割の認識を広げることだ」。

 「第2は、教育領域ばかりではなく社会全般での新自由主義による『格差と貧困』のサイクルを批判し、反貧困のための闘いと連携していくことが重要だ。具体的には、同一労働同一賃金の原則による最低賃金の飛躍的上昇、時給1200円プラス家賃補助の政策の実現であり、生存権が結集軸だ」。

 「第3は、新たな帝国主義台頭に対する反戦運動の構築だ。とりわけ『尖閣問題』では、国有化を撤回し、外交交渉の場をつくるべきだ。反原発、反消費税増税、反貧困、反TPP、反米軍基地(オスプレイ)の運動を憲法改悪反対の運動とつなげていくことだ。大学の秋入学の前にボランティア活動を促進させると言っているが、ここに自衛隊体験入隊が設定されてくる可能性がある。先取り的な『徴兵制』を警戒しなければならない」。



大阪の闘い



 後半は、よしだよしこさん(シンガーソングライター)のメッセーソングで再開した。


 奥野泰孝さん(大阪・被処分者、府立学校教員)は、「今春の卒業式・入学式で君が代斉唱時に不起立であったことで戒告処分を受け、人事委員会に不服申し立てを行った。仲間たちで不起立の思いをグループZAZAでまとめた。自分の人生の筋を通すために権力の横暴に反対していく」と述べ、府教委を批判した。

 最後に集会アピールを参加者全体で採択した。(Y)
 

報告:シンポジウム 再審と国賠 裁判所・検察・警察の責任を問う

国賠写真 10月23日、国賠ネットワークは、「スペースたんぽぽ」で「秋季シンポジウム 再審と国賠  裁判所・検察・警察の責任を問う」を行った。

 ネットは、1990年2月、国家権力の犯罪を許さず、被害・損害の完全な補償と謝罪、人権の確立をめざして結成された。以降、えん罪事件を中心に国家賠償請求訴訟の原告、弁護団、支援の相互の経験交流を積み上げてきた。シンポジウムは、国賠を取り組むえん罪被害者、弁護士を向かえ、この間の課題と今後の方向性を解き明かそうと設定した。



「検察・警察・裁判所が一体となった冤罪作りを許さない」



 基調講演を布川事件で再審無罪(2011年5月24日)をかちとった桜井昌司さんが行った。

 「検察・警察の責任追及、冤罪発生の真相の解明、二度とえん罪を起こしてはならない決意をこめて10月に国賠提訴した。すでに再審の審理を通じて自白には任意性に欠け、全面的に信用できないこと、目撃証言も信用できないことが明らかになっている」。

 「国賠では私たちを犯人に仕立て上げるための捜査官の不法行為を示すすべての証拠を提出させ、警察の証拠でっち上げと検察の証拠隠しを明らかにする。さらに検察の公判維持のために無実の証拠はひた隠しにし、証拠開示の要求に虚偽の答弁をしたこと、取調官の偽証も明らかにさせる。冤罪を作り出すシステムを浮き彫りにさせ、二度と冤罪を起こさせないための闘いだ。29年間も獄中生活を強いられた。検察・警察・裁判所が一体となった冤罪作りの権力犯罪を暴きだし、勝利をかちとっていく」。

 ●布川事件―1968年8月30日、茨城県北相馬郡利根町布川で男性が自宅で殺害される。警察は二人組みの男性という推定のもとに強盗殺人事件として捜査。10月に別件で桜井昌司さんと杉山卓男さんを逮捕。過酷な取調べで「自白」。裁判で無罪を主張したが、最高裁で無期懲役が確定(1978年)。獄中から再審請求。仮釈放(96年11月)後も再審請求。水戸地裁浦和支部で10年7月9日に再審第1回公判、11年5月24日、再審無罪判決。



 パネル討論に入り、以下のような問題提起が行われた。



布川事件国賠



 秋元正匡さん(布川事件弁護団)は、「布川事件国賠訴訟にむけて」をテーマに布川事件の経緯を報告し、「事件の証拠構造は、自白、現場付近と周辺地域の目撃供述などであった。国賠訴訟は、国(検察庁)と茨城県を被告にする。えん罪の責任を①別件逮捕、自白強要、目撃供述のねつ造②公訴提起(無実の若者を被告人として起訴した)③無実の証拠を隠して公判を維持したことについて追及していく。無罪判決の後でもなお検察・警察は、2人を犯人であると言い続け、裁判所も自らの誤判の原因を明らかにしていない。責任を認めさせなければならない」と強調した。



富山(氷見)えん罪国賠



 竹内明美さん(富山(氷見)えん罪国賠訴訟弁護団)は、富山(氷見)えん罪国賠裁判の経緯を報告した。

 「被告国・富山県・個人(起訴検察官、取調官)を相手に約1億円の賠償請求裁判だ。口頭弁論は17回を終えた。原告側は柳原浩さんが犯人ではないと知りながら『でっち上げ』を強行したとして検察・警察を批判。アリバイ(電話記録)、似顔絵など捜査、鑑定(血液型)などからも明らかであり、捜査には故意・過失(重過失)があったと主張。被告は『供述の誘導があった』ことを認めるが、故意・過失(重過失)は否定。裁判は、『故意』『過失』が争点だ。今後は証人尋問が行われる」と述べ、「地裁が警察官や検察官ら10人を証人採用した。いかに『事件の真相』に迫ることができるか攻防が続く」と訴えた。

 原告の柳原浩さんも裁判闘争の局面を紹介しながら、力強く決意を表明した。

 さらに竹内さんは、東京拘置所で接見中、体調を崩した外国人被告の勾留中止を求めるために撮影をしたが(3月)、拘置所職員から映像消去をもとめられ、拒否したら接見中止となったことに対して「撮影も接見交通権の範囲であり、メモや絵より正確で弁護活動に必要不可欠だ。接見交通権侵害として国に慰謝料1000万円を求める国賠を東京地裁に起した」ことを紹介した。

 ●富山(氷見)えん罪国賠裁判―2002年、富山県氷見市で起きた強かん未遂事件で逮捕、起訴された柳原さんは、富山地裁で懲役3年の有罪判決をうけ服役。釈放後の2006年になって別の容疑により鳥取県警に逮捕された男性がこの事件の真犯人だったことが判明。富山地検は再審を請求後、07年4月に検察・弁護側双方が無罪判決を求める再審裁判が開始。同年10月無罪判決。09年5月、柳原さんは国賠を提訴した。



「ピース缶爆弾」フレームアップ事件国賠



 井上清志さん(「ピース缶爆弾」フレームアップ事件国賠原告)は、「再審国賠に対する最高検の姿勢は、『再審は認めるが、国賠までは認めない』という態度だ。最高裁は、裁判官の責任を断じて認めない姿勢だ。検察は、『自白が存在するかぎり起訴は違法でない』という立場だ。逮捕時、起訴時において嫌疑の有無にかかる判断過程に合理性がない場合のみ違法となる(職務行為基準説)論理だ。だから未開示証拠(捜査指揮簿、証拠リスト、送致目録など)を開示させることで『故意』『過失』を立証がしていくことが必要だ。困難なハードルだが、なんとか突破していきたい」と発言した。

 ●「ピース缶爆弾」フレームアップ事件国賠―1969年から71年にかけて日石本館地下郵便局爆破事件 、土田邸(警視庁警務部長)小包爆弾事件 などが発生。「ピース缶」事件
のみの逮捕・起訴。刑事裁判に14年(無罪確定)。その後、検察・警察の責任追及のため国賠を提訴。一審判決は検察側元証人Kの偽証を認め、200万円の支払い命令。しかし、国、都そして検察、警察の個人責任はすべて却下。控訴棄却。上告棄却、確定(2000年2月29日)。



 会場も含めた討論に入り、警察の裏金作りシステムを糾弾し続ける仙波敏郎さん(元愛媛県警巡査部長)、治安維持法による言論弾圧・拷問虐殺「横浜事件」の国賠を準備している木村まきさん(被害者・遺族)などから取り組み報告と連帯が呼びかけられた。

(Y)
 

【案内】秋季シンポジウム 「再審と国賠 裁判所・検察・警察の責任を問う」

秋季シンポジウム 「再審と国賠 ● 裁判所・検察・警察の責任を問う」

日時:10月23日(火)18:30~20:50
場所:スペースたんぽぽ 千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4階 JRなど「水道橋」
主催:国賠ネットワーク/http://kokubai.net/knet2nd/

 国賠ネットワークは冤罪事件を中心に、国賠裁判の相互の経験交流を通じて、人権の確立をめざしています。富山冤罪事件で再審無罪となった柳原さんの氷見国賠訴訟を、私たちはその提訴から支援してきました。 再審の扉は少しづつですが開こうとしています。足利事件再審無罪の菅家さん、布川事件再審無罪の桜井さん、さらに、再審開始が決まったゴビンタ・マイナリさんの無罪も、近く実現することでしょう。

 布川事件の桜井さんは10月10日に国賠提訴と聞きます。冤罪発生の真相の解明と、二度と冤罪を起こしてはならないという強い決意の表れでしょう。 再審から国賠訴訟へ、連動した流れも見えてき
たように思います。

 しかし「ラクダが針の穴を通るくらい難しい」再審無罪を勝ち取ってなお、公権力の過ちを認めさせ、冤罪からの人権・被害の回復を勝ち取るには、国賠訴訟が大変困難な壁として立ちはだかっています。

 国賠ネットワークは、こうした厳しい状況を乗り越えていくための方策や智恵、経験の交流をめざして、以下のような 「再審と国賠」 ~裁判所・検察・警察の責任を問う~ のシンポ ジウムを開くこととしました。

 冤罪で長期の受刑を強いられ再審裁判で無罪判決を獲得した桜井さんから、国賠を提訴する意図、目標など、お話しをしていただきます。続いて国賠原告代理人弁護士、法学者、国賠原告等パネリストたち、またフロアからの発言など、訴訟の具体的な課題と、実務的な<乗り越え>議論が熱く語られることでしょう。

 人権の未来について関心のあるかた、是非、ご参加下さい。

<基調講演>
○ 桜井 昌司(Sakurai, Shouji)
真実は勝つ!そう言い得る月日になった44年の冤罪生活は、人様の善意に包まれ、実に幸せな歳月でした。それに較べて醜い警察と検察の姿。この組織を改革させる闘いは、これからも続きます。 (ブログ『獄外記』よ
り)

<パネリスト>
○ 秋元 理匡(Akimoto, Masatada)
千葉県弁護士会に登録 千葉第一法律事務所 布川事件刑事弁護団、 著書 『崩れた自白 無罪へ―冤罪・布川事件』(現代人文社)等、えん罪問題、原発事故対応に関す
る講演多数。

○ 竹内 明美(Takeuchi, Akemi)
東京弁護士会に登録 立川フォートレス法律事務所 富山(氷見)冤罪国賠訴訟弁護団 東京三弁護士会取調べ可視化実現本部事務局 東京拘置所接見妨害事件で国賠原告となる(予定)

○ 指宿  信(Ibusuki, Makoto)
成城大法学部教授 刑事訴訟法
取調の可視化、証拠開示の問題など、冤罪に関する著作、発言は多数におよぶ。 諸外国での訴訟実務にも精通している

○ 井上 清志(Inoue, Kiyoshi)
元井上国賠原告(「ピース缶爆弾」フレームアップ事件) 国賠ネットワーク世話人、富山(氷見)冤罪国賠を支える会事務局

<コーディネータ>
○ 磯部  忠(Isobe, Tadashi)
国賠ネットワーク世話人
 

【報告】8.27 再審が出来なかった二人への滝実法相による死刑執行に抗議する緊急院内集会

死刑反対 八月二七日、衆議院第二議員会館で「再審が出来なかった二人への滝実法相による死刑執行に抗議する緊急院内集会」が死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90、死刑廃止を推進する議員連盟、(社)アムネスティ・インターナショナル日本、NPO法人監獄人権センター、「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク、死刑に異議あり!キャンペーンが主催して行われた。国会内院内集会は初めて開催された。

 滝実法相は就任後二カ月たらずの八月三日、服部純也さん(40歳)と松村恭造さん(31歳)の死刑を執行した。今年に入り二度執行が行われ、五人が殺された。

 死刑廃止を推進する議員連盟会長の亀井静香さんが最初に議連の活動を報告した(別掲)。次にかつて議連事務局長だった山花郁夫さん(民主党、衆議院議員)と橋本勉さん(民主党、衆議院議員)が連帯のあいさつをした。
 安田好弘弁護士が死刑をめぐる全般的状況を報告した。

 「死刑廃止議連は死刑廃止に向けて一歩をやってほしい。それは国会に法案を出して欲しい。韓国では法律に手をつけないで一四年間死刑を執行していない。フランスではミッテランの時に、死刑廃止の法律を作ったがその前五年間執行をしなかった。執行しないことによって、死刑存置の世論は下がっていった」。

 「八月三日というのはお盆前で執行しないことになっていたがこのタブーが打ち破られた。松村さんは本人が一審死刑判決後、控訴を取り下げ、それが確定してしまったので一審の判決だけで執行された。国際人権規約では恣意的な死刑を排除するために上訴権を保障しなければならないとなっているので、これに反している。さらに、強盗殺人とされているが、数万円を奪っただけなので殺人と窃盗ではないか。精神的にも大きな問題を抱えていた」。

 「服部さんは一審が無期で、死刑判決が出るはずがない事件だった。永山最高裁判決では、いろいろ総合的に考える、なおかつ死刑が許される。死刑しか選択がない時のみ死刑は許される。この基準に照らしても誤判の可能性がある。二人とも再審をしようとしていた。再審を願うと執行される。年四回執行体制に戻そうとしているのではないか。このままでは年内に後二回はあるだろう。検察が死刑執行の維持を強く進めている。死刑廃止に向けてハードルの低い法律を考えてほしい」。

 この後、執行された二人の担当弁護士が裁判の問題点、面会の様子など詳しく報告した。宗教者ネットワークの「死刑は殺人だ」の訴え、集会決議を採択し法務大臣に届けた。静岡県清水市で起きた袴田事件で袴田さんは死刑が確定しているが新たなDNA鑑定結果、再審の可能性が高まっている。何人もの死刑囚が再審無罪をかちとってきた。死刑制度の廃止を実現しよう。(M)

亀井静香さんの報告から

 残念ながら死刑廃止が出来ていない。刑の厳罰化を望む風潮が増して、国民のほとんどは目をそらしている。弱者を強者が押さえつけて豊かになっていく。これが当然だという考え方が強く覆っている。純ちゃん(小泉純一郎)が総理になってブッシュ大統領との約束でネオコン政策を持ち込んだ。私の力では止めることはできなかった。

 いま中東、ヨーロッパ、アメリカでも抵抗する流れが生まれている。日本でも起きている。民主党が自公と同じようになってしまった。消費税、原発、オスプレイ、三年前とはまったく違ってしまった。

 死刑についても、民主党は当初、命を大事にすると対応したがかつてに戻ってしまった。自民と同じように死刑を執行している。死刑廃止議連は一〇〇人程度いたが大きな政治混乱の中で、前に進めていこうという状況にないが、少しでも前に進めていきたい。

 第一に、法務省が三年に一度やっている死刑問題での国民意識のアンケートによると八十数%が死刑存置。このアンケート調査のやり方がおかしい。深層心理まで出るような結果になっていない、と法務省に変えるように申し入れ議論した。法務省は中身を検討すると謙虚さをもって始めている。検察をめぐるさまざまな不祥事で法務省は自信喪失状態だ。これは非常に大事だ。

 いっきょに死刑廃止にもっていけなくても、近づける一里塚があればということで衆参でぜひ調査する調査会の設置を求めている。これは全員一致でないともてない。また議員立法でも、会派の政調のOKをとらなければならない。特別無期刑の導入に対して、日弁連は最初ダメだと消極的だったが変わってきた。それを進めたい。国会議員は選挙違反や汚職などでやられるのではないかということで、検察・法務省に弱い。そういう困難さを抱えているが次の臨時国会に向けて進めていきたい。

 死刑廃止運動が強い圧力となっている。法務省は国際会議にいくと肩身が狭いという。犯罪人引渡しでも日本に引き渡さない理由に、日本に死刑制度があるからという。事務上の障害になっている。みなさん、死刑廃止に向けてがんばろう。(発言要旨、文責編集部)

共通番号制度関連法案反対!国家による一元管理を許すな

watching you uncle sam poster Big Brother 1984 Orwellian 野田政権は、民主・自民・公明党の合意による消費増税関連法案の衆院可決強行(6月26日)に続いて、参院での成立を狙っている。同時に消費税増税法案に「番号制度の本格的な稼働及び定着を前提とする」と明記し、民衆監視と管理、税・保険料の徴収強化のための共通番号制度関連法案(マイナンバー法案)の成立に向けて加速しつつある。

 野田首相は、国会の会期を9月8日まで延長したうえで消費税増税法案の参院8月上旬採決強行に続いて、自民・公明から衆院解散・総選挙を迫られつつもその前提条件として特例公債法案、共通番号制法案、公務員制度改革法案、衆院選挙制度改革関連法案の成立を主張しだした。これだけの法案を一挙に成立させるというのだ。ほとんど無謀だが、消費税増税法成立阻止とともに、こんな暴挙を許してはならない。



共通番号制度のねらい



 共通番号制度は、2014年6月から個人と企業に番号を割り振り、15年1月に「番号カード」を交付し、運用開始する予定だ。民衆一人ひとりに個人番号「マイナンバー」を付け、税務署や自治体などが別々に把握している所得や納税、社会保障サービスなどの状況を管理し、年金、医療、介護保険、生活保護、労働保険、税務の六分野で活用するとしている(「社会保障・税番号大綱」)。

 さらに民衆監視・管理のためにIC(登録証)カード(氏名、生年月日、性別、住所を記載し、ICチップに番号を記録する)を持たせ、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の住民票コードを利用し、住民登録・戸籍・収入・税・健康保険・医療・福祉給付・介護保険・年金・免許・旅券・犯歴などの個人情報を国家が一元管理するということだ。つまり「省庁自治体間のデータ連携」の一環として警察庁とリンクすることによってグローバル派兵国家構築のための治安弾圧システムへと飛躍的に「変質」してしまう可能性があるのだ。

 この実現は、長年の支配者、財界の願望でもあった。しかも導入費用は、とんでもない巨額になっている。政府が明らかにした内訳だけでも①国税庁や日本年金機構など情報保有機関のシステム整備3200億円②各個人情報を一元化する組織の設立700億円③ICカード導入800億円④個人情報を利用者が確認できるインターネットサイト「マイ・ポータル」開設300億円⑤個人情報の漏洩(ろうえい)を監視する第三者機関の設置10億円などとなっている。また、システム運用に年350億円の経費もかかるというのだ。IT大企業が大喜びの代物でしかない。



個人情報流出は必至だ



 共通番号制度法案は、2月14日に国会に上程し、衆院内閣委員会で審議に入る予定だったが、政府の消費税増税法案の審議入り、成立を優先したため審議が止まっていた。だから消費税推進派の読売新聞は、わざわざ社説(7月18日)で「共通番号法案 なぜ審議入りできないのか」という見出しを掲げて恫喝し、消費税率引き上げ第一弾の2014年4月に8%に続いて、第二弾の2015年10月10%の引き上げに間に合うために「早急に議論を詰め、確実に成立させるべきだ」と応援するほどだ。

 だが共通番号制度導入の最大の欠陥である「個人情報の漏洩(ろうえい)防止には万全の措置を講じなければならない」と触れざるをえない。そのうえで「法案は「『個人番号情報保護委員会』の設置や、懲役四年以下の罰則などを盛り込んでいる」から大丈夫だと言わんばかりだ。結局、「与野党はこの点についても、十分に議論を深めてもらいたい」などと制度導入のために強引にやれというのだ。

 すでに番号制度創設推進本部が11年度から12年度にかけ、全国四七都道府県で「マイナンバーシンポジウム」を開催し、いずれもヤラセの導入賛美発言を繰り返しているのだが、会場から「今、導入する必要性がわからない」「情報が漏れる危険性がある」「PR不足だ」(7月7日、京都大津市シンポ)という批判・疑問が続出している状態だ。

 内閣府の共通番号制度世論調査(11年11月/全国の成人男女三3000人)でも制度が「必要」が57.4%、「必要だと思わない」が27.3%と誘導した。しかし共通番号制度の個人情報に関して、最も不安に思うことを聞いたところ、「特にない」が11%、「プライバシー侵害のおそれ」が41%、「情報の不正利用により被害に遭うおそれ」が32%、「国により個人情報が一元管理され、監視されるおそれ」が13%と、何らかの懸念を感じていると答えた人は86%という結果だった。つまり、制度導入に反対が多数であり、各地のシンポでの会場発言においても拡大していることを証明している。



万全のセキュリティーなんて不可能



 不安や疑問が続いているのは、 官民レベルの個人情報流出事故が次々と発生しているからだ。たとえ守秘義務があっても、個人情報、秘密データ、犯罪歴・病歴などの漏洩事件が報道され続けている。

 共通番号制度法案では、①目的外利用などに罰則強化②第三者機関を設置し行政や医療機関を監督する③自分の情報へのアクセス記録を本人が確認できる仕組み、医療分野の病歴などの個人情報保護のための特別法をつくるとしているが、「完璧」なガードシステム、セキュリティーシステムが完成したということがいまだに報道されていないようにインチキなものなのである。要するに現在の「技術水準」では個人情報流出事故は、阻止できないのである。個人情報の流出を前提にした国家の民衆一元支配を優先した制度は必要ないのだ。

 民主党は、制度導入に対する民衆の危機感の広がりに動揺し、政府に対して万全のセキュリティー対策を構築することなどを求める中間報告を提出せざるをえなかった(7月16日)。だがあくまでも「着実な実施」を踏まえて①情報漏えいの早期発見や漏えいした場合に機動的に対処できるよう専門の職員を配置②システムをバックアップする拠点を複数の場所に設置③情報公開などのレベルでしかない。これでは個人情報の追跡・突合に対する懸念、財産その他の被害への懸念、他人の番号を盗用する「成りすまし」などの不正を阻止することはできない。

 民衆一人ひとりに番号を割り振って税金を搾り取り、社会保障費支出抑制をしながら、同時に監視・管理を強化する共通番号制度導入に反対していこう。

(Y)
 

報告:「シンポジウム 共通番号制のすべてを知ろう」

saban 共通番号制を考える市民シンポジウム実行委員会は、七月二二日、上智大学で「シンポジウム 共通番号制のすべてを知ろう」を行い、九〇人が参加した。 野田政権は、「行政手続における特定個人を識別するための番号の利用等に関する法律案」(通称「マイナンバー法案」)を二月一四日に閣議決定し、国会に上程した。政府は、消費税増税法案の成立とともに法案成立をねらっているが、まだ衆院内閣委員会で審議が始まっていない。推進派による全国シンポジウムでは各地で共通番号制は「いらない」「不安だ」「何かおかしい」という意見が噴出しているにもかかわらず、国会情勢から判断して消費税増税法案の成立後、短時間で法案強行成立を策動してくることが予想される。法案阻止のための取り組みが急務だ。

 集会は、法案反対運動を粘り強く取組んできた仲間たちによって準備された。



米は成りすまし犯罪者天国化



 シンポジウムPartⅠは、「共通番号制の本質と問題点を考えるために」というテーマ。

 田島泰彦さん (上智大学教授)は、「情報統制と監視のなかの共通番号制」という観点から①情報は誰のものか?②監視強化のなかの共通番号制③民主党政権下の「新たな表現規制」について明らかにし、「情報を市民のものに取り戻すために、まず必要なことは民主党幻想の克服だ。歴代の政権がやろうとしてきた情報統制と表現規制を現在の民主党政権がやろうとしている。情報公開と市民的自由は、普遍的な課題として取組んでいくべきだ」と強調した。

 白石 孝さん(反住基ネット連絡会)は、 「住基ネットから共通番号制へ、どこが違い、どこが問題か~わが国における国家管理の特徴と問題点」について解説し、「制度上の保護措置として、第三者機関による監視、罰則強化、目的外利用の制限などが言われているが、それは絵空事でしかない」と厳しく批判した。

 石村耕治さん (プライバシーインターナショナルジャパン<PIJ>代表)は、「共通番号でなりすまし犯罪社会化する米国の現状」について報告し、「米国では共通番号制によって成りすまし犯罪者天国化している。だから国防省は、不正アクセスなどを阻止するために一一年四月から国防省本人確認番号を使うことになった。分野別番号に戻さなければならない状態だ。日本は、米国の深刻な状況を知っていながらIT企業と利権拡大のために共通番号制を導入しようとしている。こんな暴挙を許してはならない」と発言した。

 続いて、実行委から「韓国における情報流出となりすまし被害の実情」が紹介された。




8月法案採決阻止を


 PartⅡは、「共通番号制で便利になるという幻想を見抜くために」というテーマ。

 知念哲さん(神奈川県保険医協会)が医療の現場から医療制度の将来の危険性を指摘。三浦清春さん(全国保険医団体連合会政策部員)も発言。辻村祥造さん(税理士、PIJ副代表)が「所得の捕捉と税制の課題」 、西邑亨さん (反住基ネット連絡会/入管法対策会議)が「強まる外国人管理~改定住基台帳法・改定入管法と共通番号制」、桐山桂一さん(東京新聞論説委員)が取材現場から共通番号制の危険性を明らかにした。


 最後に瀬川宏貴さん(自由法曹団)が共通番号制と秘密保全法制の関連性と法案阻止に向けた取組みの緊急性を訴えた。


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【報告】 横堀・団結小屋破壊を許さない!5.20三里塚・横堀現地集会とデモ

DSCF0984 三里塚大地共有委員会(Ⅱ)と 三里塚空港に反対する連絡会は、横堀農業研修センターで「横堀・団結小屋破壊を許さない!5・20三里塚・横堀現地集会とデモ」を行い、60人が参加した。

 成田空港会社による三里塚闘争への敵対を忠実に代弁する東京高裁第9民事部(下田文男裁判長)は、4月25日、横堀・団結小屋破壊裁判(建物収去土地明渡請求事件)で反対同盟に対して横堀・団結小屋撤去と土地明け渡し、原告(尾野良雄(元横堀農民)=空港会社)の仮執行を認める不当判決を言い渡した。

 高裁は、団結小屋の所有者をなんとしてでも反対同盟のものにするために「総有」(多数の者が同一の物を共同で所有する場合の一つの形態で各自に持ち分や分割請求権もない)論を強引にあてはめ、支援によって建設・維持されてきた歴史的経緯を捻じ曲げた。空港会社にとって団結小屋が反対同盟の所有でないと提訴の前提自体が瓦解してしまうからだ。

 空港会社のねらいは、大地共有委員会(Ⅱ)の連絡先でもある横堀・団結小屋を破壊し、住民を追い出し、一坪共有地運動を破壊するためにある。逆に言えば、それだけ一坪共有地運動が空港会社に打撃を与え続けていることを証明している。

 さらに一坪共有地を強奪するために現闘本部共有地裁判、柳川秀夫さん持分裁判、横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判の控訴審が闘われているが、木の根ペンションとプールの共有地、横堀大鉄塔と団結小屋、案山子亭、横堀研修センターなどの闘う拠点への破壊にまったく着手できないでいる。東峰地区住民への追い出しを許さず、闘う拠点を防衛し、空港会社を追い詰めていこう。



三里塚闘争の大義を掲げて



 集会は横堀研修センター内で行われた。

 横堀・団結小屋住人の山崎宏さん(労闘―労活評現闘)は、団結小屋破壊裁判の経過報告と不当判決を批判し、「三里塚闘争の初心を貫いて闘っていきたい」と発言した。

 加瀬 勉さん(三里塚大地共有委員会<Ⅱ>代表)は、「今日は、1978年5.20開港阻止決戦を戦った日だ。40年闘う決心は変わらず、闘いを進めていく。いっそうの奮闘を誓い合おう」と力強く訴え、「決意表明」(別掲)をアピールした。

 清井礼司弁護士は、高裁不当判決後、上告するとともに今後の闘いの方向性を提起し、「判決で仮執行がついたので土地明け渡し、団結小屋破壊の強制執行が可能となった。原告の手続き後、裁判所の執行官がいつまでに退去せよと山崎さんに通告に来る。退去拒否状態の場合、二回目に着手する。民間業者が荷物移動などを行い、警察に警備要請する。不当弾圧が予想されるが、ともに抗議していきたい。三里塚闘争の大儀を掲げて闘っていこう。福島、沖縄に通ずる闘いだ」と強調した。

 集会後、デモに移り、元辺田公民館跡を折り返して研修センターに戻るコース。横堀一帯に「団結小屋破壊を許さない!三里塚空港粉砕!」のシュプレヒコールを響かせた。

 デモ後、横堀大鉄塔に移り交流会。渡邉充春さん(関西・三里塚闘争に連帯する会、東峰団結小屋維持会)から関西新空港反対運動と一坪共有地運動の取り組みなどを報告。さらに長野から駆けつけたたじまよしおさん、木の根プロジェクト、田んぼくらぶから発言があった。(Y)



 「決意表明」



 加瀬 勉(三里塚大地共有委員会<Ⅱ>代表)




 4.25横堀団結小屋撤去東京高裁不当判決に断固として抗議する。我々は4.25横堀団結小屋撤去の不当判決に絶対に承服できない。

 事業認定取り消し訴訟に始まる三里塚空港反対闘争40年余の闘いのなかにおける幾多の裁判は、三権分立・司法の独立とはほど遠い政治裁判であり、階級支配の裁判であり、権力の弾圧裁判での歴史であった。今回の東京高裁の判決も同じものである。我々はこの不当判決に一度も屈することなく徹底的に戦い抜いてきた。これからも戦い抜いてゆく。これが我々の決意であり、基本的な態度である。

 我々は国家の空港建設という巨大開発に先祖伝来の農地を奪われ、山野を奪われ、家を破壊され、多くの三里塚の部落は消滅し、また、多くの農民は村を追われ離散していった。我々はこの国家権力の暴力的政策に生死をかけ徹底的に抵抗してきた。いま、福島の原発事故により、東北、関東の広範な地域の人たちが三里塚の農民の運命と同じくすることとなった。

 我々三里塚の農民は反原発を呼びかけ、共闘し、原子力船むつの廃船を目指して人民の船を大海に出航させ「むつ」を追跡し廃船に追い込んだ。フランス・ラアーグからの核再処理輸入阻止の行動にも立ち上がった。

 以来、今日まで反原発の闘いをつづけてきたが、原発安全神話とその政策を阻止することはできなかった。福島の原発事故の悲劇を阻止できなかったことは痛恨のきわみである。我々は自己の人間としての全存在と良心の全てかけてこの悲劇を克服するために新たなる戦いに立ち上がらねばならない。

 民主党政権、野田内閣は理念なき内閣であり、信念なき迷走内閣である。自民党にすりより、政権にしがみついてゆく反動的政府である。我々は彼らが言う国策である三里塚ハブ空港化を阻止した。

 然るに30万回発着。格安航空便によって野望を成し遂げんとしている。一坪共有地の金銭買収、あるいは横堀団結小屋強制撤去等の強権政治を40年一日の如くおこなっている。三里塚空港建設の失敗を省みず、福島の原発事故の悲劇を教訓とすることができず、原発の技術の輸出、原発の再稼働など亡国の政策を推進せんとしている。我々は、この野田内閣の亡国政策に対決し、その政策を廃棄させなければならない。

 20世紀の科学文明は侵略戦争と広島、長崎の原爆の悲劇をもたらした。21世紀の科学文明の始まりは、福島の原発事故の悲劇をもたらした。広島、長崎、第五福竜丸の被爆、チェルノブイリ、スリーマイル、福島の悲劇を教訓として巨大開発や大資本の暴走を阻止し、人間の命の尊厳を護り取り戻し解放するために、その崇高な歴史的使命と責任を果たしてゆかなければならない。三里塚一坪共有者1100名。大地共有委員会は、その先頭に立って戦うことをここに表明する。

【三里塚反対同盟声明】 東京高裁の団結小屋破壊判決弾劾!

東京高裁の団結小屋破壊判決弾劾!

三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人 柳川秀夫)

労活評団結小屋 東京高裁は4月25日、空港反対同盟に対して不当にも横堀の団結小屋の撤去を認める決定を下した。

 原告である小屋の地主は団結小屋を空港反対同盟のものであると決めつけ、反対同盟を被告にして小屋の撤去を求めた。

 反対同盟は団結小屋の歴史的経緯や実態からして支援の共有物であり、「団結小屋の所有者たる実質的な当事者を誤ったものとして、速やかに棄却されるべきである」として、提訴自体を取り下げるよう求めた。

 しかし、一審千葉地裁は反対同盟の主張を退け、原告の事実に反する言い分を全て認める判決を下した。

 反対同盟は直ちに控訴したが、東京高裁は実質審理を何ら行わず一回で結審し、控訴棄却の判決を下した。

 しかも地主が求めた仮執行(最高裁で確定する以前に強制撤去できる)を認めたのだ。


 原告は地主個人だが、この裁判は空港会社の反対同盟つぶしの意図のもとに行われていることは明白である。

 団結小屋が一坪共有運動の連絡先となり、一坪共有地強奪の裁判提訴に抗する現地拠点となっていることに対し、それを除去しようとする攻撃にほかならない。

 空港会社はシンポ・円卓会議で確認された「今後強制的手段を用いない」という約束を一方的に反古にし、裁判を使って用地内の反対派の土地を取り上げ空港を拡張・整備してきた。 反対同盟はこのような空港会社のやり方を断じて許すことはできない。そしてそれを追撃し、加担する司法権力―東京高裁の決定を弾劾する。

 我々はこのような不当な判決をはねのけて空港反対の闘いを貫いて行く決意である。




 2012年4月26日

報告:いらない!共通番号制 3・21市民集会 安全神話はない!原発もマイナンバーも

背番号+003 反住基ネット連絡会は、3月21日、総評会館会議室で「いらない!共通番号制 3・21市民集会 安全神話はない!原発もマイナンバーも」を行なった。

 野田政権は、2月14日、共通番号法案(=マイナンバー法案)と関連法案(整備、機構法)を国会上程した。法案は、消費税増税と社会保障削減の一体的強行とセットである民衆監視・管理のための社会保障・税番号制度導入だ。2014年6月から個人と企業に番号を割り振り、15年1月に「番号カード」を交付し、運用開始という計画だ。制度は民衆一人ひとりに個人番号「マイナンバー」を付け、税務署や自治体などが別々に把握している所得や納税、社会保障サービスなどの状況を管理し、年金、医療、介護保険、生活保護、労働保険、税務の六分野で活用するとしている(「社会保障・税番号大綱」)。

 さらに民衆監視・管理のためにIC(登録証)カード(氏名、生年月日、性別、住所を記載し、ICチップに番号を記録する)を持たせ、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の住民票コードを利用し、住民登録・戸籍・収入・税・健康保険・医療・福祉給付・介護保険・年金・免許・旅券・犯歴などの個人情報を一元化するとともに個人情報を確認できるインターネットサイト「マイ・ポータル」を開発し、各種の社会保障サービスが受けられるなどと宣伝している。まともなセキュリティーさえも完成しておらず、ITゼネコンと利権のために制度導入を強行しようとしている。国家による個人情報の一元管理体制である共通番号制度導入に反対していこう。



統治強化のための国家一元管理を許すな



 集会は、連絡会から基調報告が行なわれ、法案のポイントと問題点として①「国民が主権者」から国民管理に変質した番号制度の目的②サービス提供から国民管理に拡大した利用事務③番号利用法での個人番号の利用範囲などを批判し、「法案段階になって急に目的や利用範囲を曖昧にしたのは、導入後どんどん利用拡大を行なっていきたいという推進派の焦りだ。まさに『国民総背番号制』の本質が露にし出した。法案反対に向けて『マイナンバーなんていらない!』の取り組みを強めていこう」と呼びかけた。

 水永誠二さん(弁護士)は、「社会保障・税共通番号法(マイナンバー法)案の特徴」について報告し、「法案の制度目的、利用目的が明確でなく、限定されていない。プライバシーに配慮した制度設計になっていない。プライバシー情報の名寄せ・統合(データマッチング)がなされる危険性が最も高い。第三者機関(個人番号情報保護委員会)は非力で、監督権限は、警察等に及ばない」と批判した。

 藤田倫成さん(神奈川県保険医師協会)は、「医療と社会保障改悪に反対してきた。共通番号制は、所得を補足し保険料等の上限を決めて給付を抑制していくことを目的にしている。反対だ」と発言した。

 辻村祥造さん(税理士)は、「納税者番号として使うということは、一旦民間に公開するということなので、際限もなく広がるということが全ての前提になっている。民間企業等において当然、番号を元に勤務者のデータを集め、それを企業間で連携させたいという圧力はどんどん強くなっていく」と危険性を指摘した。

 パネルディスカッションに入り、石村耕治さん(PIJ代表)、黒田充さん(自治体問題研究所)、清水雅彦さん(日体大・憲法学)、から共通番号制の欠陥と人権侵害の危険性の実態を批判した。

 田島泰彦さん(上智大学)は、共通番号制と秘密保全法(公務員が特別秘密を漏洩したら厳罰を科し、知る権利や報道の自由に対する規制強化が目的)の関連、国家の一元的民衆管理の性格について明らかにした。

 さらに「昨日、藤村官房長官が秘密保全法を国会上程を慎重にすると言った。かつての国家機密法は、防衛の秘密に関してだったが、秘密保全法は『公共の安全と秩序、外交』まで網をかけ、取扱い者も調査、管理するひどい悪法だ。アメリカとの関係もあって、かならず制定するだろう」と警鐘した。

 最後に、福島瑞穂さん(社民党党首)が国会情勢、清水勉さん(日弁連情報問題対策委員会委員長 )さんが共通番号制を批判した『デジタル社会のプライバシー

―共通番号制・ライフログ・電子マネー』([編著]日本弁護士連合会/航思社)を紹介した。

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報告 2月25日、竪川デモ

tate2 二月二十五日、竪川河川敷公園の野宿者排除に反対する亀戸一周デモが行われた。


十一時から亀戸駅近くの文泉公園で行われた集会ではまず実行委の仲間が発言。一月二十一日に行政代執行をかけられていた五の橋のたもとから工事の終わったA工区多目的広場へと移動してから一ヶ月の動きを振り返る。二十七日には江東区による公園のフェンス封鎖が行われ、二月八日日には一人で五の橋のたもとに残っていたAさんの小屋に対して行政代執行による強制排除が行われ、翌日の抗議行動では一名に支援者が逮捕されている。


 代執行によって持っていったAさんの荷物だが、代執行前には「とりにくれば返す」と言っていた、水辺と緑の課・荒木課長は「代執行にかかった費用を払わないと返さない。」と言い出したが、弁護士が電話すると「返す」と言ったり「検討中」と言ってみたりと、はっきりしない。


 移動した仲間のテントにはすぐに警告書が貼られ、その後、指示書も3回貼られている。年末からの動きを見ると3回、警告書が貼られた後、最後の警告書の撤去期限の翌日に、弁明機会通知書が出されて、行政代執行の動きが始まっていったので、再度の代執行という事態も十分に考えられる。「行政代執行を許さず、闘おう。」と発言を結んだ。


 続いて竪川現地の仲間が小屋を守り抜いて闘っている現状と、再度の代執行を許さない決意を表明し、竪川とともに追い出しと闘う荒川の仲間、野宿者六名が参加した三多摩の仲間が発言。


 続いて各団体から連帯の発言、争議団連絡会議、経産省前テントの仲間、宮下公園のナイキ公園化に対して国賠を闘う仲間、2・9竪川弾圧救援会、竪川と連帯する関西有志の仲間が発言。


 最後に竪川の「長老」が発言してデモに出発。


 参加者約五十人は竪川周辺の亀戸を一周し、地域に「野宿者排除反対」を訴えた。


 この間仲間たちは区役所前の他、駅前など地域でもビラ撒きを行っているが、そのビラを受け取った地域住民も今回のデモに参加した。


 八日の代執行後には戻ってきたAさんのテント(仲間が再建した)に近所の主婦が訪れ「心配していたのよ!また合えて良かったわ。」と話していたのが印象的であった。 キャットフードを差し入れていたが、猫を飼っているAさんの所には猫好きの近所の人たちがよく訪れているとの事。


 区は区民からの苦情を野宿者排除の口実にしたり、野宿者がいると危険などとして公園の封鎖を正当化しているが、竪川に十五年も住むAさん初め、地域住民とは顔見知りであったり、散歩に来る人と立ち話をしたりするような関係性が作られていたのである。


 それが、区による野宿者排除が進むにつれ、少年たちの襲撃なども頻発するようになっていったのである。


 江東区に対して「再度の行政代執行を許さない!」という声を大きく広げていこう。


                                     (板)

報告:第23回 国賠ネット交流集会

DSCF6159 2月25日、国賠ネットワークは、スペースたんぽぽで「第23回 国賠ネット交流集会」を行い、54人が参加した。

 ネットは、1990年2月、国家権力の犯罪を許さず、尊厳をかがけて闘いを挑み、被害・損害の完全な補償と謝罪、そして権力犯罪の抑止と人権の確立をめざして第一回交流集会を開催した。すでに58団体、OB、原告と支援者たちの参加のもと、粘り強くネットを作り、各国賠裁判が取り組まれている。集会は、昨年の活動を集約し、各国賠の現状報告と交流が行われた。

 土屋翼さん(ネット代表世話人)からネット総括の提起で集会が始まり、「『やられたら、倍やり返す』ような『明るい国賠』には勿論、勝訴したいと、22年闘ってきた。いまだ国賠裁判の先のほうには灯りは残念ながら見えません。一方、再審事件は、証拠開示がすすみ、ゴビンタさん事件、福井女子中学生殺人事件、狭山事件、袴田事件、名張ぶどう酒事件、東住吉放火事件など、再審の扉は音を立てて開かれようとしています。この間蓄積した、知恵・知識・情報等を駆使して一つでも勝訴を獲得するよう活動を強化していこう」と強調した。



権力犯罪を糾弾し続ける



 各国賠からの報告。

 沖田痴漢えん罪事件(1999年、9月不当逮捕)は、「事件は、電車内で携帯電話を注意されたことによる女性の逆恨みから虚偽申告した女性と警察官による痴漢でっちあげ事件だ。不起訴となったが、02年4月に国賠の提訴をした。再上告して1月12日、棄却となり、敗訴が確定した。だが判決は、痴漢行為否定の二審判断を認めたが、賠償請求は認めなかった。結局、裁判所は警察・検察の違法性、責任追及を放棄した。今後は、国連人権委員会に対して提訴し、闘っていく」と報告した。

 大河原宗平・元群馬県警警部補の懲戒処分分取消訴訟とデッチ上げ逮捕によるえん罪国賠は、「大河原さんは群馬県警の裏金作りを批判したため、県警はもみ消しのために公務執行妨害罪をデッチ上げ不当逮捕し(04年2月)、懲戒免職となってしまった。果敢に闘ったが、一審敗訴。控訴審を闘っている。テレビ東京でこの事件が取り上げられ(12年1月21日)、片桐警察庁長官が『法廷の場で県警が適切に対応していく』などと異例の言及をしたほどだ。今後も支援を御願いします」と決意を表明した。

 護衛艦「たちかぜ」イジメ自殺国賠は、「判決(1月26日)は、先輩隊員の加害行為と隊員の自殺との事実的因果関係を認める内容であった。しかし、隊員の自殺について、先輩隊員にも幹部自衛官らにも予見可能性はなかったとして、先輩隊員の加害行為により被った精神的苦痛の範囲でしか損害賠償を認めなかった。控訴審における争点は、先輩隊員の加害行為と隊員の自殺との間に相当因果関係が認められるかという一点に絞られている。加害者や国に、隊員の自殺について法的責任があることを判決で明確にさせなくてはならない」と訴えた。

 さらに報告は、富山(氷見)国賠、築地署公妨国賠、新宿署違法捜査国賠、渋谷事件(星野再審)国賠、入江憲彦・元長崎県警警部補国賠、よど号国賠、東電シイタケ損害賠償、麻生邸リアリティツアー国賠から行われた。



えん罪国賠裁判における証拠開示



 第二部は、富山・氷見冤罪国賠弁護団代表である前田裕司弁護士が「えん罪国賠裁判における証拠開示」をテーマに提起した。 

 富山・氷見冤罪国賠は、富山県氷見市でおきた強かん事件(02年)で柳原浩さんが不当逮捕され、服役に追い込まれ、満期服役後、真犯人の出現(06年)により発覚した冤罪事件。09年5月、国賠を提訴。富山県警察及び富山地方検察庁高岡支部による違法な捜査や公訴提起の全容の解明、冤罪の原因を究明、および違法な捜査や公訴提起を強行した中心人物である警察官の被告 N 、検察官の被告 M の
責任を追及していく闘いだ。

 裁判の過程で原告と弁護団は、事件の全貌を明らかにしていくために検察に証拠開示を求めたが、一部は開示されたものの、そのほとんどがマスキングされたものだった。被告が開示を頑なに拒否してきたため文書提出命令申立てを行った。

 前田さんは、証拠開示の攻防の取り組みなどを紹介しながら①刑事事件における弁護人の証拠開示請求権②民事訴訟における国の手持ち証拠の開示の方法③検察官に対する証拠開示請求以外の書類等の入手方法④捜査機関が捜査過程で作成する書類の存在―などについて説明した。

 そのうえで「国と県は、告訴状と被害者の供述調書の一部を任意に開示し、その余は不開示だ。この対応をどうするかが問われている」と今後の方向性を提起した。なお第13回口頭弁論(2月1日)で被告の国は二五通の証拠を新開示してきた。裁判所の原告の文書提出命令申立てに対する判断前の幕引きをねらっていることは明らかだ。「事件の真相」に迫る闘いが攻勢的に展開されている。



東電代理人の「長野・大野・常末法律事務所」を許さん!



 集会の最後に交流集会恒例の国賠ネットワーク大賞に布川事件の桜井昌司さんが受賞。


 最悪賞は、東電代理人の「長野・大野・常末法律事務所」。受賞理由は、福島の二本松ゴルフ倶楽部が東電に「除染せよ」と訴えた裁判で代理人は「放射線は原発から離れた無主物ともいう存在であり、もはや東電のものではない」と反論したことだ。ネットは、弁護士法第一条の「弁護士の社会正義追及義務規定違反だと断罪した。

(Y)

秘密保全法案━人権・表現・取材・報道の自由に敵対する反動法制を阻止しよう

bbcea243-s 野田政権は、グローバル派兵国家建設の一環として秘密保全法案を今国会に提出しようと策動している。法案は、公務員らが「国の存立に重要な情報」(特別秘密)を漏らした場合、厳罰化によって統制強化しつつ、同時に民衆の知る権利や報道の自由を規制強化することがねらいだ。日米安保軍事情報、沖縄基地問題情報隠しなど、とりわけ脱原発運動のうねりの中で政権は秘密保全法を使って原発事故・再稼働・放射性汚染などをめぐる情報隠し、敵対を強めてくることは必至だ。

 法案制定策動は、直接的には中国漁船拿捕事件ビデオの動画投稿サイト「ユーチューブ」流出事件(2010年9月)、公安政治警察外事三課の対テロ捜査書類のインターネット流出事件(10月)が発生し、当時の菅政権が統治能力の脆弱性を立て直すために「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」(11年1月)をあわてて設置し、「秘密保全」法の制定を提言する報告書(8月8日)をまとめたことになっている。

 だが、すでに米軍情報防衛のための「秘密軍事情報保護協定」(GSOMIA)(2007年)の徹底を求める米国の圧力によって治安担当官僚らは、米国の軍事戦略と連動した治安弾圧体制強化のために新防衛計画大綱で「情報収集能力・分析能力の向上」と「各府省間の緊密な情報共有と政府横断的な情報保全体制を強化する」ことを押し出し、「秘密保護法の制定」を確認していた。その結果として内閣官房長官、内閣官房、警察庁、公安調査庁、防衛省、外務省、海上保安庁、法務省の官僚によって「政府における情報保全に関する検討委員会」(2010年12月)を立ち上げていたのだ。

 自民党政権時の「スパイ防止法」案(1985年廃案)は、秘密保護の対象を防衛・外交秘密にまで広げ、最高刑は死刑とする内容だった。「国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない」としたが「努力義務」のレベルであり、人権侵害、報道・取材の制約を狙っていた。この流れをも取り込みつつ、前段の蓄積を引き継ぐ形で有識者会議が法案の骨格となる報告書を提出し、野田政権が法案制定に着手することになったのである。



新たな治安弾圧を跳ね返そう



 法案の全文は、まだ未公表だが有識者会議報告書を土台にすることは間違いない。以下が報告書の主な内容だ。

 第1は、国の安全、外交、公共の安全・秩序の維持の三分野において当局の恣意的判断にもとづいて秘匿性が高い情報を「特別秘密」とした。この「特別秘密」を取り扱ったり、知り得たりした人が「故意」に情報を漏えいした場合、懲役五年、あるいは10年以下の懲役刑としている。現行の情報漏えいに対する罰則は、国家公務員法では「職務上知り得た秘密」を漏らした公務員を「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」、自衛隊法では「五年以下の懲役」だが、重罰主義で対応する方針なのである。

 また、「特別秘密」の漏えいをそそのかした場合(教唆)も処罰対象になる。「独立教唆」とし立件するとしている。

 第2の柱は、「適性評価制度」だ。各行政機関の長が実施権者となって「特別秘密」を取り扱う職員を制度にもとづいて人定事項調査、公安機関を動員したスパイやテロへの関与調査、犯罪歴、薬物・アルコール・精神問題での通院歴などを事前調査し、判定しておけというのだ。人権侵害の対象はこれだけではない。「配偶者のように対象者の身近にあって対象者の行動に影響を与え得る者についても」事前調査をやっておけというのだ。プライバシーの侵害を否定し、監視・調査対象の拡大である。

 警察白書(11年)は「情報保全の徹底・強化のための方策を推進し、情報保全に万全を期す」と述べ、法案制定を応援し、公安政治警察は大歓迎している。新たな治安弾圧の踏み込みを許してはならない。

 第3が取材の自由の制約である。報告書は「不当に制限するものではない」と言っているが、全くの嘘なのだ。「国民の知る権利等との関係」で「正当な取材活動は処罰対象とならないことが判例上確立している」、「特定取得罪は、取材の自由の下で保護されるべき取材活動を刑罰の対象とするものではない」などと言いながら、すぐに「刑罰法令に触れる」取材は処罰対象だと明言し、恫喝しているところに現れている。

 わざわざ「財物の窃取、不正アクセスまたは特別秘密の管理場所への侵入など、管理を害する行為を手段として特別秘密を直接取得する場合」、「欺罔により適法な伝達と誤信させ、あるいは暴行・脅迫によりその反抗を抑圧して、取扱業務者等から特別秘密を取得する場合」などをあげながら、「犯罪行為や犯罪に至らないまでも社会通念上是認できない行為を手段とするもの」も処罰対象とするとしている。これが本音なのだ。



法案反対のスクラムを



 結局のところ「社会通念上是認できない行為」が政府・治安担当官僚の手前勝手な秘密範囲の認定、弾圧対象を拡大し、取材制限することなのだ。強引な手法を駆使しながら内部告発を阻止し、民衆の知る権利への敵対に貫かれている。

 秘密保全法案に対しては日本弁護士連合会、日本新聞協会は知る権利や取材の自由の制約につながると懸念を表明している。

 なかでもムスリム違法捜査弁護団(旧:公安テロ情報流出被害弁護団)は、公安政治警察外事三課の対テロ捜査デッチあげ書類のインターネット流出事件の国家賠償請求訴訟を闘っている中で、「秘密保全に関する法制の整備に対する意見」を公表し厳しく批判している(2011年11月24日)。

 意見は、「本事件が『国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案』として『主要な情報漏えい事件等の概要』に掲げられ、秘密保全法制の必要性を裏付ける事案とされていることに抗議」し、「警察による情報収集活動の名のもと、イスラム教に関係する個人、団体等に関する個人情報が人権を侵害する態様で違法に収集・保管されていたものであり、秘密保全法制がこのような行政機関による人権侵害の秘匿を容易にする」危険性を明らかにしている。

 法案を通した国家権力の人権軽視と居直りを許さず糾弾していこう。表現・取材・報道の自由(憲法21条)に敵対する秘密保全法の制定を阻止していこう。

(Y)

報告:2.22江東区長はウソをつくな!小屋を返せ!仲間を返せ!集会・デモ

tate3 2月22日、江東区による二・八竪川河川敷公園の一軒の小屋に対する行政代執行の強行、Aさんに対する暴力排除に抗議する集会(東陽公園)と江東区役所包囲デモが行われ、61人が参加した。呼びかけたのは、竪川河川敷野宿者有志、山谷争議団、山谷労働者福祉会館活動委員会。

 江東区は、竪川河川敷公園で生活している野宿者たちの人権や居住権を破壊する暴挙を立て続けに強行した。行政代執行による小屋を破壊し、Aさんを排除しつくした。さらにテント村の周りにフェンスを張り立ち入り禁止処置にした。仲間たちは、区に対して繰り返し話し合いを求めてきたが拒否し、あげくのはてに暴力ガードマン、国家権力を使って弾圧してきた。なんとその理由が「住民の安全」だというのだ。

 区は、このような暴挙を行っていながら、「江東区報」(2・1)で「区では、一日も早く正常な公園利用を確保できるよう、今後とも警察関係機関とも連携しながら、不法占拠者に対し園内不法設置物の撤去と園内からの退去を強く求めていきます」などと居直ってきた。野宿者の生存権を否定する区を許してはならない。区長山崎孝明は謝罪しろ。国・行政の野宿者排除・排斥政策の強化を跳ね返していこう。



 集会は主催者アピールから始まり、「2・8竪川河川敷公園行政代執行から二週間。区は、Aさんの同意なしに小屋を破壊撤去し、病院に強制入院させ、フォローすることもしなかった。この強制排除を1日たりとも忘れることはできない。生活と生存権を奪われた仲間たちとともに江東区に抗議し、テント村を守る闘いを取り組んでいこう。仲間の生活と命は、仲間自身で守り抜く」と訴えた。

 竪川河川敷野宿者有志は、行政代執行時の様子を報告し、「ほんとに悔しい。暴力の賜物だ。両手両足を掴み、引きずられた。これ以上の暴力と差別をやめてくれ」と糾弾した。

 続いて竪川の仲間は、1月17日のフェンスを貼られた様子を報告し、「絶対に区には負けない」と発言。

 さらに渋谷の仲間、荒川河川敷で暮らす仲間たち、争議団連絡会、二・九竪川弾圧救援会(声明別掲)から発言が続いた。

 集会終了後、江東区役所に向けてデモに移った。すでに区役所前には機動隊バス四台が駐車中し、機動隊、公安政治警察が百人以上が弾圧シフトで対応してきた。デモ隊は、区役所前で「山崎区長は謝罪しろ!生存権をかちとるぞ!命の砦・竪川テント村を守りぬくぞ!」とシュプレヒコールを行った。(Y)

 

 

2.9 竪川弾圧救援会

http://solfeb9.wordpress.com/



 江東区・警視庁による竪川野宿支援者への弾圧にかんする救援会声明

 

 2月9日、江東区役所内で、前日の竪川で強行された行政代執行への抗議行動が闘われ、その渦中で、支援者のAさんが不当にも逮捕されました。

 新聞・テレビニュースなどでは、Aさんが区役所内のガラスを割り、器物損壊の現行犯で拘束され、逮捕されたと、単なる「暴力事件」のように報じられています。

 しかし、今回の事態の全責任は江東区にあります。

 当日の抗議行動は、前日の行政代執行の理不尽なやり方に抗議した正当な申し入れ行動でした。

 江東区土木部・水辺と緑の課は、2月9日に現地で団交を行うと約束しておきながら、抜き打ち的に代執行を強行、大勢の区職員と警備員が、当事者および支援者を暴力的に排除して、小屋を破壊するという暴挙に出たのです。さらに九日に予定されていた団交は直前になって拒否されました。

 9日の江東区役所への抗議行動は、こうした経緯の中で緊急に呼びかけられたもので、だまし討ち的な代執行と団交拒否の釈明を求めるために土木部に赴きました。ところが多数の職員が立ちはだかり、面会を拒否した上に、「退去警告」を繰り返し、まるで「不法侵入者」を追い払うかのように暴力的に排除したのです。

 さかのぼること1月27日には、竪川のテント村に、多数の区職員、警備員、警察官が押し寄せ、フェンスを張って通行禁止にするという暴挙にでました。この際も、抗議する当事者、支援者が引きずりだされるなど、暴行が加えられました。

話し合いを拒否し、恫喝と問答無用の暴力で、竪川の住人の生きる権利、生活拠点を一方的に奪う江東区こそが弾劾され処罰されるべきです。

 逮捕されたAさんは、深川署に留置されましたが、その夜中に突然、原宿分室に移送されました。人権を無視した警察の対応に抗議したことでAさんは、何と「保護室」(保護房)に叩き込まれました。

 保護房でのAさんの生活は、枕もふとんも与えられず、トイレはむき出し、食事も手づかみ、蛍光灯が24時間ついていて満足に眠れない、洗面、歯磨き、ペンの使用も認められない、本や新聞の差し入れもだめ、さらには、ひげ剃りや喫煙、体操さえもできないという、非人道的な状況を強制されています。

 「保護」どころか、拷問以外の何ものでもない、深川署および原宿分室の不当な処遇はただちにやめさせなければなりません。そして、Aさんを一日も早く取り戻すために、救援を呼びかけます。

 江東区土木部への抗議を! Aさんを保護房に閉じ込め不当な処遇を続ける原宿署、取り調べを担当する深川署への抗議を集中してください。

 救援カンパをお願いします。



 2012年2月14日





【カンパ振込先】

●ゆうちょ銀行

振替口座 00140‐2-750198 口座名称:ミンナノキュー

※ 通信欄に「2.9竪川」とご記入ください



●他銀行からの振込の場合: 019(ゼロイチキュウ)店 当座 0750198

※銀行振込の場合、振替用紙のように通信欄がないためメッセージが添付できません。メールアドレス:

 solfeb9@gmail.com の方へ入金次第を連絡していただければと思います。



【抗議先】



江東区・土木部 水辺と緑の課

電話: 03-3647-2538

FAX: 03-3647-9287



深川署

電話: 03-3641-0110(代表)



原宿署

電話:03-3408-0110(代表)
 

報告 2.7 アイヌ文化から北方諸島の問題を考えるトンコリと語りの夕べ

ain 二月七日、東京・飯田橋の富士見区民館で「アイヌ文化から北方諸島問題を考えるトンコリと語りの夕べ」が開催された。

二月七日は「北方領土の日」とされている。一八五五年に当時の江戸幕府と帝政ロシアがこの日に結んだ日露通好条約によって千島列島のエトロフ島とウルップ島の間が両国の国境と定められたことを根拠に、現在ロシア領となっているエトロフ以南の「北方諸島」を「日本固有の領土」と主張し、「日本への返還」を求めるキャンペーンが展開されてきた。しかしこうした「北方領土返還」運動は、先住民族であるアイヌ民族の自決権を無視し、日ロ両国の先住民族に対する植民地主義的侵略、差別と同化の歴史を正当化するものだ。

二〇〇七年九月には国連で「先住民族の権利に関する宣言」が賛成一四四、反対四(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)、棄権一一という圧倒的多数で採択された。日本も条件付きで賛成票を投じた。さらにG8北海道・洞爺湖サミットを前にした二〇〇八年六月には「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で採択され、政府もそれを追認した。しかし日ロ間の「領土問題」交渉では、自決権・自治権を有する先住民族としてのアイヌ民族の意思はまったく無視されている。

こうしたあり方に抗してアイヌ民族の先住民族としての権利を回復する闘いを支持する立場からこの日の集会が準備された。



集会では、制作が進められているアニメーション映画「七五郎沢の狐」の冒頭部分が映し出され、制作者の杉原由美子さんがこの作品についての思いを語った。この映画は狐のカムイ(神)が住んだ土地に産業廃棄物の処分場ができたことで、そこから立ち去らざるをえなくなるという創作ユーカラ(神謡)のアニメ化で、全編アイヌ語で語られる。それは自然とともに暮らしてきたアイヌ民族の生き方の意義を思い起こさせるるものになっている。

司会の本多正也さん(グループ“シサムをめざして”)がカラフトアイヌの歴史について説明した後、「アイヌ・アート・プロジェクト」の版画家・結城幸二さんが「文字を持たず、国を作らず、『神』である自然の一部としてあったアイヌ民族の精神文化」と、それが日本に同化される中で奪われた過程を、静かに、時には激しい言葉で語り、その自らの文化を取り戻して自立していく展望を語った。

「アイヌ民族とはいったい何者であるのか。先住民族であるということが常識とはなっていない。アイヌはあいさつの際に、『イラムカラプチ』という言葉を使った。直訳すれば『あなたの心に触らせてください』という意味だ。『あなたの本音に触れたい』ということで翻って『私も本音で語ります』ということになる。一つの集落の中でウソや見栄があればその集落は成り立たなくなる。だから本当の気持ちをしゃべりあおう、という意味だ。ここにアイヌの精神文化の一つの現れがある」。

「いまカラフト・アイヌ(エンチゥ)は、天然ガス開発によるエネルギーマネーで、自分たちの精神文化を奪われ、解体の危機にある。経済が文化をこわした。自然とともにあるというところから物事を考える必要がある」。

「確かにアイヌは二〇〇八年の先住性を承認されたが、アイヌの中では次のビジョンを描き出せていない。多くの予算が北大に流れ、北大がアイヌ文化のステーションのようになっている。すべて北大の中で政策が決められようとしている。しかし旧土人保護法の際も北大が政策の発信基地になった。いま同じことが行われようとしている。しかしなぜ北大は自分たちがやってきたことを謝罪できないのか。私たちはアイヌが間違っていなかったこと、アイヌとして生きてきたことの証を求める。私たちが民族としてのあり方を奪われた百数十年前にさかのぼってメスを入れてほしいのだ」。

「アイヌ民族は、自分に対する自信を奪われてきた。そこから酒におぼれ。家庭内暴力をふるい、自殺者を多く生み出した。自分がアイヌであることを忌み嫌ってきたのがアイヌ民族にとっての近代だった。本当のことを語らないと人間は進歩しない。人間力を高める必要がある。原発事故は、人間が自然を壊すことによって自分たちを壊していったことを示した。人間が神になろうとしたのが原子力エネルギーだった。しかし人間は神にはなれない。『神』とは自然なのだ」。



結城さんへの質疑応答のあと、結城さんと同じ「アイヌ・アート・プロジェクト」に所属する福本昌二さんのトンコリ演奏に合わせて、結城さんが語りを行った。トンコリとはカラフトアイヌの民族楽器。二人は昨年一二月にフランスのノーベル文学賞作家ル・クレジオさんの招きでパリのルーブル美術館で、ミロのビーナス像などを背にトンコリの伴奏に合わせ「ホロケウカムイ(オオカミ)の語り」を披露した。

風に吹かれた森のざわめきのようなトンコリの響きと結城さんの語りに、参加者は静かに聞き入った。

(K)

マルクス、中国版ツイッターの実名登録の義務化を批判する

higateMarx


【解説】報道・言論の自由が制限される中、中国の人々は「微博」(ウェイボー)と呼ばれる中国版のツイッターでさまざまな情報を発信している。すでに3億人を上回るユーザーがウェイボーを利用しており、政府批判なども盛んに行われている。昨年のアラブの春ではインターネットを通じた政府批判が政権打倒の一翼を担った。今秋に最高指導部の交代が予定される党大会を前に中国政府はバーチャル空間での言論にも神経を尖らせている。巨額の費用と人員を投入しインターネットへの監視を強めている。昨年末には北京、天津、上海、広州、深センの5市でウェイボーユーザーの実名登録の義務化を発表した。以下はマルクスの新聞の自由の主張を用いてこの政策を批判した空想インタビューの翻訳。原文はこちら http://www.yadian.cc/weekly/list.asp?id=109776 (H)


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マルクス、中国版ツイッターの実名登録の義務化を批判する
思寧


C&K通信社2011年12月20日(思寧 記者) 中国版ツイッターのミニブログ「微博」(ウェイボー)の実名登録を義務付ける《北京市ミニブログ発展管理に関する若干の規定》が発表され、インターネット各界では大変な話題になっています。今日はイギリス・ロンドンのハイゲート墓地でマルクス氏の亡霊に、ウェイボー実名登録義務化について伺います。


記者:マルクスさん、初めまして。C&K通信社の思寧と申します。北京の政府が2011年12月17日に発表したウェイボー実名登録の義務化についてのご意見をお伺いしたいと思います。


マルクス:ウェイボーとは何のことじゃ? わしが生きていたときには聞いたこともなかったがな。


記者:ウェイボー(微博)とはミニブログのことです。誰でもインターネットという通信手段を通じて140字以内の短い情報や自分の意見を発信することができる媒体です。あなたが活躍していた時代にもあった新聞を、いまでは誰でも手軽に出版できるようになった、といえば理解していただけるでしょうか。


マルクス:ほぉ、誰でも自分の新聞を発行できるのか。それはまことにすばらしい!報道出版の自由に関しては、当時わしは個々人の自由な発展を目標に掲げておったが、報道や出版の自由に関しては実現を果たしたということじゃな。で、そのウェイボーの実名登録の義務化とは?


記者:ウェイボーの実名登録義務化の規定によれば、政府が指定した機関に個人情報を申告して実名で登録しなければ、ウェイボーで文章を発表できない、というものです。


マルクス:ん? つまり匿名で政府批判をする文章は発表できないということかな?それではまるでわしが生きていた時代に、フランス政府が起草し、秩序党がより厳しく修正したブルジョアジーの出版法とまったく同じではないか。このブルジョア出版法では「新聞に発表する記事はすべて筆者の署名を必要とする」と規定していた。1850年、わしは『新ライン新聞 政治経済論評』に発表した論評でこのようなブルジョアジーの報道独裁イデオロギーを批判した。「新聞が匿名だった間、新聞は無数無名な世論の機関と見えた。だから、それは国家における第三の権力だった。ところが、各論説に署名がついたことで、新聞は多少とも有名な個人の寄稿の単なる寄せ集めに過ぎなくなってしまった。どの論説も広告に堕落した。それまでは、新聞は社会世論の通貨として流通していた。それが今ではかなり不確実な約束手形になってしまったのである。その信憑性と流通度は、振出人の信用だけでなく裏書人の信用にも左右されるからである。」(『フランスにおける階級闘争 1848年から1850年まで』)


記者:報道の匿名性が体現していた社会世論による監督権を主張されていたのですね。ですが北京の政府は、ウェイボーの実名登録の義務化政策はマルクス主義を防衛するためである、と言っているのです。

マルクス:ウェイボーの実名登録義務化はマルクス主義を防衛するためとな?


記者:ええそうなんです。中国の憲法ではマルクス主義を指導的な思想として規定しています。ウェイボー実名登録の義務化規定の第一条では、いかなる組織または個人であってもミニブログを違法に利用して憲法が規定する基本原則に違反する情報を製作、複製、発表、宣伝してはならないとしています。つまり、ウェイボーに流す情報は憲法で定められているマルクス主義の指導的思想に違反してはならないということなのです。


マルクス:マルクス主義に対する批判はまかりならんと? 君たちの中国共産党の毛沢東前主席はこういっているではないか。「わが国では、マルクス主義はすでに大多数の人から指導思想とみとめられているが、それなら、批判をくわえてはいけないのか、と。もちろん、批判してもよい。マルクス主義は科学的真理であり、批判をおそれない。マルクス主義が批判をおそれたり、批判によってたおされたりするようなら、マルクス主義はなんの役にも立ちはしない。」(『人民内部の矛盾を正しく処理する問題について』より) 実名登録の義務化規定の第一条からして、毛沢東思想にも一致していないではないか。(※訳注)


記者:ではマルクス主義にも一致していないと?


マルクス:わしの新聞の自由に関する観念は明確じゃよ。新聞の匿名とは、社会世論の監督権を行使する手段だということじゃ。わが友エンゲルスもこう言っておる。「なんびとも、あらかじめ政府の承認をえずに、自由に自分の意見を発表することができるという権利--すなわち出版の自由である。」(『イギリスの状態 イギリスの憲法』より) ウェイボーの実名登録の義務化は、わしやエンゲルスの新聞の自由に関する概念からも逸脱している。それは「憲法が規定する基本原則」すなわちマルクス主義に反しているのではないだろうか?


記者:なるほど、ウェイボーの実名義務化の規定は、それ自身の第一条にさえ反する禁令なのですね。


マルクス:そうじゃ。もし北京の政府がウェイボーの実名義務化の政策がマルクス主義だというのなら、わしは彼らにこういうしかないの。「私が知っているのは、ただ、私は決してマルクス主義者ではないということだ。」(「エンゲルスからコンラート・シュミットへの手紙 1890年8月5日」より)


※訳注:毛沢東はこのように述べて中国共産党への批判を奨励する「百花斉放百家争鳴」を始めたが、批判が余りに大きかったことからすぐに批判を封じる「反右派闘争」という名の粛清を展開することになる。


【報告】竪川公園の野宿者排除を許さない!2.1江東区役所包囲デモ

tate4 2月1日、竪川河川敷公園の野宿者排除に対して江東区役所包囲デモが行われた。

 11時より東陽公園で行われた集会ではまず実行委の仲間がこの間の経過を説明する。昨年12月に江東区が竪川河川敷公園の五の橋付近に住む仲間たちに対して「弁明機会通知書」を突きつけ、行政大執行の手続きが始まったこと、その場所はA工区の工事に伴ってA工区に住む仲間たちが区によって集められた場所であること、1月21日に仲間たちはその場所から不本意ながらも出ていき、工事の終わった所にある「多目的広場」に避難したこと、そして今、その場所で区との緊迫した攻防が続いていること、五の橋には体の悪い仲間1名の小屋が残っており、その中魔に対して区は「大執行令書」を出したこと、などが報告された。

 多目的広場では23日にさっそく、江東区土木部水辺と緑の課が荒木課長に率いられてやってきて、威圧をしている。話し合いを求める仲間の声にはいっさい声を傾けることもなく「お前達と話すことは何もない。」と言い放った。

 27日には公園を封鎖するフェンスを設置しに土木、業者、そしてガードマンが導入され、抗議する仲間達を暴力的に排除し、フェンス設置工事が強行された。

 その際、何人もの仲間がガードマンと土木の暴力によってけがを負っている。そしてその際ガードマンは排除の直前、胸につけた社名のワッペンをベリベリと剥がし、暴行に及んでいる。

 しかし、この明らかな警備業法違反行為の一部始終はビデオ画像に記録され、ネットに流されている。(山谷労働者福祉会館ブログ参照)

 フェンスを張られたことによって、竪川のほとんどの仲間が従事しているアルミ缶集めのための自転車やリヤカーが公園の中に持ち込めないなどの事態が生じている。

 そして今も竪川現地では強制排除の危機が続いている。

 続いて竪川の仲間が「団結してがんばろう!」「みなさん遠くからありがとう」と一人づつ発言。

 次に宮下公園のナイキ公園化に伴う行政大執行、美竹公園脇の東京都児童館での耐震工事工事を名目とした排除などと闘ってきた渋谷・のじ連の発言。三多摩からは夜回り三鷹、立川サンキュウハウスの仲間が発言。

 江東区で生まれ育ったという女性は「地域住民として子供の頃から遊んでいた竪川河川敷公園が、金儲けのための公園になることに反対です。」と発言。

 次に反原発戦線から経産省前テントから駆けつけた仲間とたんぽぽ舎が発言。たんぽぽ舎の仲間は山谷の越年に支援を呼びかけ、全国からたくさんのカンパが集まったことを報告し、「みなさんの闘いは全国の人が支持しています。」と発言した。

 続いて荒川堀切で国土交通省による排除と闘っている仲間、21日から支援に来て常駐体制をとっている関西の仲間の発言を受けて、江東区役所に向けたデモに出発した。

 平日にも関わらず100人近くの結集。大阪の仲間たちの見事なパーカッションの演奏もあって道行く人々から大いに注目されるデモとなった。歩道でもたくさんの人々がビラを受け取り、アパートの窓から手を振る姿も確認できた。

 しかし、江東区役所ではどういうつもりなのか、そろいのジャンパーを着た職員がスクラムを組み、緊張した面もちで出迎える。

 区役所前ではいっそう大きな声で「排除反対!」「区は話し合いに応じろ!」「暴力をやめろ!」とシュプレヒコールを行った。

 デモの後は区役所前で情宣活動を行い、この日の行動を終えた。                

(板)

*竪川河川敷公園強制排除続報*


 
 竪川河川敷公園の行政代執行による野宿者のテント強制排除の動きは緊迫した状況が未だ続いている。

 先週21日夜に行政代執行攻撃をかけられてきた五の橋のたもとからの移動を仲間達は行った。22日の「野宿者強制排除と襲撃を許さない江東デモ」の報告でも簡単に書いたが、これは工事のすでに終わったA工区と、間もなく工事の終するB工区をつなぐ場所である五の橋のたもとに対してかけられてきた「行政代執行」の手続きが進行する中で、強制的な、そして暴力的な排除から逃れるために、その範囲から出て行かざるを得なかったという事である。

 仲間達にとってはこれは全く不本意で納得のいかないものであった。五の橋のたもとに十数軒のテントが集められたのは江東区の指示であったからである。江東区土木部水辺と緑の課はそのために川を埋め立てて移転地を造成したのであった。しかし、今回の行政代執行にあたって区は「許可無く占有している」などとして言っているのである。しかも「話し合いを行う」「強制的な手段は取らない」と言っていたのは区の方なのである。

 しかし、このままでは強制的に排除されてしまうという中で、仲間達は工事の支障となっている五の橋のたもとから出て行く決断をしたのであった。区がこの事によって今一度、約束通り、話し合いでの解決の道に立ち戻ると信じて。

 しかし、その期待は見事に裏切られた。仲間達が避難したA工区の「多目的広場」には翌日から水辺と緑の課が、A 課長に率いられて登場し、「お前達とは何も話す事が無い!」と威圧し、恫喝をしている。警察権力も同行し、仲間達が少しでも挑発に乗れば介入する構えである。

 そして、27日には公園を分断するフェンスを張り巡らしたのである。その理由を「公園利用者の安全」などとするデタラメぶり。この時の混乱では社名などをテープで隠したガードマン(警備業法違反では?)や作業員の暴力で数人がけがをさせられている。そして「2月3日までに撤去しろ」と「指示書」をテントに張り、新たにここでも行政代執行の動きに出てきているのである。

 五の橋での「行政代執行」の「除去命令」に不本意ながらも従った仲間達がどこかに「避難」しなければならないのは当たり前ではないか。
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 そして、公園を歩いて見れば分かるが、仲間達が避難出来る場所は公園の中で「多目的広場」意外には無いのである。区はC工区ヘ移れと言うがB工区の工事が終わればC工区の工事が始まるのであり、そもそもC工区には元々住む仲間、B工区から移転させられた仲間達が住んでおり、五の橋の仲間達が移転出来る場所的な余裕は無いのである。

 人を人とも思わない江東区のやり方に怒りや疑問の声がわき上がり、連日、たくさんの人々が支援に訪れている。

 江東区へ抗議の声をぶつけるために緊急にデモが計画されている。平日ではあるが多くの仲間の参加を。そして江東区に抗議の声を!。                  

(板)

*江東区役所抗議デモ 
  2月1日(水)11時東陽公園(東西線東陽町下車)11時デモ出発
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