虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

三里塚

【案内】1.13 2013三里塚反対同盟旗開き-東峰現地行動へ

2013三里塚反対同盟旗開き

■主催:三里塚芝山連合空港反対同盟(世話人:柳川秀夫)

■日時:2013年1月13日(日)、正午/場所:横堀農業研修センター(0479-78-0100)


    参加費:1000円

■新連絡先:三里塚芝山連合空港反対同盟、大地共有委員会(Ⅱ)

                  千葉県山武郡芝山町香山新田90-5/電話:FAX0479-78-8101

■会場への行き方:京成東成田駅地上 11時00分集合 迎えの車待機/09:28発  京成上野 →10:35着 成田→10:46発  京成成田 →乗り換え 京成本線(普通) [芝山千代
田行き]→10:52着  東成田



1.13東峰現地行動へ

■主催:三里塚空港に反対する連絡会

■日時:1月13日(日)、午後2時/場所:旧東峰共同出荷場跡 開拓道路コースのデモ

    /反対同盟旗開き終了後、東峰出荷場跡地に移動

■新連絡先:千葉県山武郡芝山町香山新田90-5/電話:FAX0479-78-8101



横堀・団結小屋破壊弾劾!



 千葉地裁八日市場支部は11月28日、横堀の団結小屋撤去の強制執行を行った。

 28日早朝7時、地裁の執行官がガードマンに守られながら多数の「執行補助員」(撤去作業員)を引き連れて小屋の前に現れた。加瀬勉大地共有委員会(Ⅱ)代表、柳川秀夫反対同盟代表世話人、小屋の住人の現闘は団結小屋敷地内に待機して破壊に抗議する。

 前夜から横堀農業研修センターに泊り込んだ三里塚空港に反対する連絡会をはじめとする約30名の仲間は、6時に団結小屋前に結集し、「団結小屋破壊を許さない」「一坪共有地運動を守り抜くぞ」の横断幕を掲げ、抗議のシュプレヒコールをあげる。

 仲間の断固たる抗議の気迫の前にガードマンたちはなす術もなく執行官は小屋に近づくことができない。執行官はついに待機していた千葉県警の機動隊に出動を要請し、制服機動隊が仲間の排除にかかる。仲間を一人一人引き抜いて排除し、機動隊員が壁を作って執行官の通路を確保する。執行官と県警公安警察は小屋の敷地内に進入し、中にいた3人を追い出した。

 その後、「執行補助員」の腕章をまいた作業員たちが昼すぎまで重機を使っての周囲の立木伐採や物資の搬出作業を行った。正午過ぎ、解体業者は2台の重機を使って2つの建物の破壊を開始した。作業は日没過ぎまで続き、小屋は完全に撤去された。

 今回の団結小屋の撤去は、反対運動が厳然として継続し、闘う主体が健在であることを示した。そして同時に空港会社の空港整備のやり方が、空港建設当初からあいも変わらず、国家権力機動隊の力をもって強行していくということも示したのだ。

 小屋の土地明け渡しが反対同盟を被告として提訴されたのと、一坪共有地を裁判によって強奪しようと提訴されたのが全く同じ時期であったことが空港会社の意図を物語っている。

 空港会社は羽田空港の国際化に伴う成田の相対的地位の低下に焦り、なりふり構わない攻撃に打って出ている。資本の利潤の追及のためには地元住民・農民の生活を踏みにじってでもその目的を遂げようとするその本質が露骨に現れたものだ。



飛行時間延長・年間30万回発着をやめろ!



 空港会社は成田の国際空港としての存続の重要な要件としてLCC(格安航空会社)の就航拡大を目指している。しかし、内陸空港であるが故に夜間の飛行時間制限というネックを抱えている。LCCにとって時間制限は運行上、「門限」に間に合わず欠航を余技なくされるという致命的な欠点であり、空港会社に飛行時間の延長を求めている。年間30万回への発着回数の増加とともに住民の生活がまたもや踏みにじられようとしているのだ。

 我々は40年以上にわたって闘い続ける三里塚農民と連帯し、闘いの重要性を改めて確認し、共に闘い抜いていきたい。

 1月13日、反対同盟旗開き、東峰現地行動に結集しよう!



柳川秀夫さん 11.28緊急行動前段集会での発言(要旨)

 1991年に政府と「いかなる状況においても、強制手段はとらない」と合意した。シンポジウムでは、「今後の空港問題の解決については、話し合いで解決する」と合意した。でも力があるものが正義だとすれば、それは理不尽だ。旧態依然として続いているということだ。だから世界的にも各国で紛争が起こっている。理不尽な力でもって、物事を押しすすめれば、かならず反発がある。その度がだんだん過ぎれば、力の対決に戻るかもしれない。そのときは、また違う形の力の対決となるかもしれない。そういうことも含めて今日の代執行の強行がある。ともに頑張っていきたい。



加瀬勉さん 抗議声明(要旨)  激動の時代を更に前進

 我々は、彼らの弾圧に屈することなく果敢に抗議行動を展開した。人民主権は民主主義の基本理念であり、土地所有権、居住権等の我々私権は公権力をはるかに凌ぐものである。にもかかわらずそれを蹂躙し、民主主義を破壊する国家犯罪を行った。40年の長きを闘ってきた我々は更に一寸の土地をも死守し、更に50年余闘うことをここに宣言する。社会変革のための新しい共同行動を創造してゆかなければならない。 空港建設反対、農地死守の先頭に立って闘うよう決意を込めて呼びかける。
 

11.28横堀団結小屋破壊を糾弾する! 緊急行動報告(三里塚空港に反対する連絡会)

28闘争(三里塚空港に反対する連絡会による報告)

 11月28日、千葉地裁八日市場支部は、成田空港会社が三里塚闘争と一坪共有地運動への敵対の一環として横堀団結小屋破壊を設定した意図を忠実に代弁して強制撤去を強行した。われわれは、千葉地裁の成田空港会社と一体となった暴挙を糾弾する。

 千葉地裁と空港会社よ!11.28破壊は、三里塚闘争史上における新たな犯罪行為として書き加えられる。われわれは、絶対に許さないし、ただちに反撃の闘いに踏み出していく。三里塚芝山連合空港反対同盟(代表:柳川秀夫)、大地共有委員会(Ⅱ)〔代表:加瀬勉〕、三里塚空港に反対する連絡会は、団結小屋破壊抗議闘争を体を張って果敢に闘いぬいたが、この闘うスクラムは三里塚闘争の実力闘争の地平を引き継ぎ、新たな闘う水路を切り開いていく決意を打ち固めた。

 三里塚反対同盟、大地共有委員会(Ⅱ)は、新たな闘う拠点として成田空港の完成化を阻む横堀大鉄塔隣りの案山子亭に移設することを決定した。山崎宏さん(労闘―労活評)が事務局として案山子亭に住み、活動を展開していく。また、三里塚空港に反対する連絡会の連絡先も案山子亭になった。

 用地内拠点の横堀大鉄塔と案山子亭、木の根ペンション、一坪共有地を守り抜き、全国の脱原発運動をはじめ民衆の闘いと結びつきながら空港会社の野望を打ち砕いていく陣形をさらに構築する。横堀団結小屋破壊裁判、一坪共有地裁判は、いずれも上告審の闘いに入っている。勝利判決をかちとるために奮闘中だ。11・28破壊を糾弾し、支援・連帯を強化していこう。



ドキュメント緊急行動



 11・28横堀団結小屋破壊を許さない緊急行動に参加する仲間たちは、27日、闘争前夜に横堀研修センターに結集した。

 加瀬さんは、「団結小屋破壊の強制執行は、三里農民の財産権、居住権を破壊する国家犯罪だ。強引にやらなければならないほど空港会社は追い詰められているのであり、あせりの現われだ。用地内拠点と一坪共有地は人民の闘う土地であり、社会変革を押し進めていく『武器』だ。明日の闘いは、三里塚闘争を全国に訴え、政府・空港会社に打撃を与える闘いになる。『完成』できない成田空港の全貌を暴きだし、反対し続ける農民、民衆の正義の闘いだ。頑張っていこう」と檄を飛ばした。

 28日、午前六時、横堀団結小屋前に集まった仲間たち30人は、「横堀団結小屋破壊許さない!」の横断幕を掲げ、「団結小屋破壊工事をやめろ!強制執行をはねかえすぞ!われわれは最後の最後まで闘うぞ」のシュプレヒコールを横堀地区一帯に響かせた。すでに千葉県警の公安政治警察と機動隊、ガードマンが大量に配備されているが、毅然として闘争態勢を組んでいった。

 柳川さん、加瀬さん、山崎さんは、団結小屋内で待機する。外の仲間たちは、ガッチリとスクラムを組んでいった。

 小山広明さん(大阪府泉南市会議員/反空港全国連絡会)は、「政府は『いかなる状況においても強制収用はしない』と言ってきた。国交省と反空連との交渉(一一・九)でも態度は変わっていないと言っていた。だが空港会社は、裏から地権者を動かし千葉地裁が強制執行を行おうとしている。こんなペテンを許してはならない。三里塚の原点と人権を守り抜くために大阪から駆けつけた。最後までガンバロー」とアピール。

 午前七時過ぎ執行官と執行補助員がガードマンに守られながら小屋前に到着し、栗原執行官が柳川さん、山崎さんに立ち退きを通告する。ガードマンが仲間たちに対して暴力排除で襲いかかってきた。だが仲間たちの反撃によってけちらしていった。形勢不利と判断した敵は「打ち合わせ」どおりに機動隊に「援助要請」し、一人一人の腕を持ち、引き抜いていった。さらに執行官、ガードマン、機動隊は、団結小屋敷地内に進入し、柳川さん、山崎さん、加瀬さんを排除した。

 その後、重機によって立木伐採、団結小屋破壊を強行した。作業員の中には、ヘルメットを被らず、安全靴も履いていない者もいる。急遽集められたアルバイト作業員たちだ。地裁が労働災害防止のための労働安全衛生法違反を黙認するほどだ。重機が動いている中、危険な作業を強いる悪徳業者を使わなければならないずさんな強制執行作業なのだ。

 不当排除後、ただちに抗議集会を開始する。

 柳川さんは、「執行官に対して山崎さんの同意なしに個人の財産である植えた樹木や水道ポンプを伐採、破壊するなと抗議したが、すべて拒否してきた。道祖神でさえも神主にお払いさせてどこかに持っていこうとしている。結果的には見てのとおりだが、こういう問題は今後も続く。皆さんとともに頑張っていきたい」と決意表明した。

 山崎さんは、「空港会社が団結小屋破壊を強行したのは、やはり一坪共有地運動の拠点として機能してきたからだ。共有地強奪裁判提訴と同時に団結小屋破壊裁判も提訴したことに現れている。今日の闘いは、断固とした空港反対闘争が健在であることを示した。全国の三里塚に心を寄せる仲間、反原発を闘う仲間たちとともに国策である成田空港建設に反対していこう」とアピールした。

 最後に抗議のシュプレヒコールを行い、工事監視行動に移っていった。解体業者は正午過ぎ、2台の重機を使って建物の破壊にとりかかり、日没過ぎまで解体、伐採作業を行った。翌29日は敷地内の樹木を全て切り払い、午後8時までには完全に更地にしてしまった。



【新連絡先】

●三里塚芝山連合空港反対同盟、大地共有委員会(Ⅱ)千葉県山武郡芝山町香山新田90-5/電話:FAX0479―78―8101



●三里塚空港に反対する連絡会―同



●2013年反対同盟旗開き/主催:三里塚芝山連合空港反対同盟(世話人:柳川秀夫)/日時:1月13日(日)、正午/場所:横堀農業研修センター(0479-78-0100)/参加費:1000円

■会場への行き方:京成東成田駅地上 11時00分集合 迎えの車待機/09:13発  京成上野・特急 →10:20着 京成成田 →乗り換え 10:32発 京成本線(普通) [芝山千代田行
き]→10:37着  東成田



●1・13東峰現地行動/主催:三里塚空港に反対する連絡会/日時:1月13日(日)、午後2時/場所:旧東峰共同出荷場跡 打ち合わせ後、開拓道路コースのデモ/反対同盟旗開き終了後、東峰出荷場跡地に移動
 

【案内】11・28横堀・団結小屋破壊を許さない!緊急行動へ

千葉地裁の看板(画像は撤去通告する地裁の貼り紙)

11・28横堀・団結小屋破壊を許さない!緊急行動へ




三里塚空港に反対する連絡会



 10月29日、千葉地裁は、横堀・団結小屋住人に対して「11月28日(水)、午前7時に小屋を撤去する。それまでに住人は小屋撤去、退去せよ」と通告してきた。この通告は成田空港会社と一体となった三里塚闘争破壊であり、一坪共有化運動に対する敵対だ。三里塚反対同盟(世話人:柳川秀夫)、大地共有委員会(Ⅱ)〔代表:加瀬勉〕、三里塚空港に反対する連絡会は、この暴挙を許さない。連絡会は、11月28日、地裁と空港会社の攻撃を許さない緊急行動を取り組んでいく。抗議行動への参加と支援連帯を訴える。

 2012年4月25日、東京高裁第9民事部(下田文男裁判長)は、横堀・団結小屋破壊裁判(建物収去土地明渡請求事件)で空港会社の指示のもとに原告となった地主・尾野勇喜雄(元横堀農民)の主張を追認し、三里塚反対同盟に対して「工作物を収去して本件土地を明け渡せ」と通告し、「仮に執行することができる」いう不当判決を言い渡した。判決は、原告=空港会社の三里塚闘争に対する敵対の意図を受け入れ、横堀団結小屋破壊への全面的な加担だ。反対同盟と弁護団は、不当判決を許さず、ただちに上告した。

 立て続けの共有地裁判反動判決と連動して空港会社は、地主・尾野に横堀・団結小屋破壊のための事務手続きの進行を指示し、千葉地裁に「工作物収去命令申立書」(7月12日)を提出した。地裁は柳川秀夫さんに「意見があれば書面」を10日以内に提出せよ(7月26日)と通知してきた。そして裁判所は、8月12日、いつでも撤去できる「決定分」を出し、今回、「11月28日小屋撤去」を通告してきた。

 空港会社のねらいは、反対同盟と大地共有委員会(Ⅱ)、連絡会の連絡先でもある横堀・団結小屋を破壊することによって空港拡張工事など空港「完成」化を加速させていくことにある。しかし、これは一坪共有地運動をはじめ木の根ペンションとプールの共有地、横堀大鉄塔と団結小屋、案山子亭、横堀研修センターなどの闘う拠点がますます空港会社に打撃を与え続けていることを現しており、その焦りとして横堀団結小屋破壊を画策してきたのだ。

 すでに横堀団結小屋には、「三里塚空港粉砕!団結小屋破壊阻止!一坪共有地強奪を許さない! 大地共有委員会(Ⅱ)」の看板を掲げている。11・28横堀団結小屋破壊を許さない緊急行動に結集しよう。



緊急行動

●日時:11月28日(水)、午前6時、横堀団結小屋前結集

●連絡先:横堀団結小屋(0479-78-0039)、横堀研修センター(0479-78-0100)/千葉県山武郡芝山町香山新田131─4

●前日から横堀研修センター宿泊可//事前連絡、迎車可

 
 

10.25東京高裁不当判決糾弾!現闘本部共有地裁判  三里塚空港に反対する連絡会の声明

2三里塚図










 

10.25東京高裁不当判決糾弾!  三里塚空港に反対する連絡会

 10月25日、現闘本部共有地裁判(「第2801号 共有物分割請求事件」)の控訴審判決が東京高等裁判所第2民事部(大橋寛明裁判長)で行われ、成田空港会社の主張を全面的に受け入れ、全面的価格賠償方式(地権者との合意もなく一方的に金銭補償することをもって土地強奪ができる悪法)によって共有地の「権利を空港会社に移転する」という不当判決を出した。三里塚反対同盟(世話人:柳川秀夫)は、不当判決に抗議し、ただちに上告する。現闘本部共有地は、成田空港C滑走路の完成を断固として阻んでおり、拠点を守り抜いていく。

 不当判決の第一は、三里塚大地共有委員会と共有者の「登記名義の取得」の契約関係、つまり「共有・再共有についての事実誤認」(①登記済証の原本は大地共有委員会が一括して保管している②共有名義人、被告も含めて当該土地の実質的な共有持権も処分権もない)について無視し、一審判決と同様に高裁も空港会社の主張を守り抜いたことだ。

 そもそも一坪共有運動及び再共有化運動の責任機関は三里塚大地共有委員会であり、「三里塚大地共有契約書」に明記されているように共有者は「転売、贈与、担保権の設定等、権利の移転及び共有地の分割は一切しない」という契約をしており、「単に登記名義を取得した」にすぎない。しかし高裁は、なんとしてでも空港会社と一体となって反対運動潰しのために「共有・再共有についての事実誤認」論を抹殺したのである。

 第二は、提訴自体が著しく「信義則に反する」ことであり、「強制的手段」論を否定したことだ。

 被告は、空港会社の提訴そのものが1991年から反対同盟と国・運輸省―空港公団(当時)の間で始まったシンポ・円卓会議の中で運輸省と公団が、農民の意志を無視し国家権力の暴力を使って推し進めた空港建設のやり方を謝罪し、二度と強権的な手段を用いないと約束した歴史的経緯などを無視することだと反論した。つまり、裁判を通した「強制収用」だと主張した。

 しかし高裁は、歴史的経緯を投げ出し、いきなり「共有分割請求は、共有者が共有関係の解消を求めるものにすぎず、その分割方法は、共有者間の協議により、協議が調わないときは裁判所が定めるものであって、請求者が取得することになるかどうかは、裁判所が諸事情を総合考慮して行う裁量判断により決せられるのであるから、『強制的手段』に当たらないことは、明らかである」などと主張した。

 いったいどのような「総合考慮」したというのか。そのひとかけらも披露しておらず、いいかげんに展開しているにすぎない。「政府・公団の反対同盟との約束は何も土地収用法の手続きに限定されない」し、「『あらゆる強制的手段』には提訴も含まれている」ことを当時の空港公団の発言、新聞記事、黒野空港会社社長の謝罪等の事実から「信義則に反する」は明白だ。これらの事実を通り越して、裁判所の空港会社防衛のために、わざわざ「裁判所」論を展開しているのだ言わざるをえない。この手法を詭弁というのだ。

 空港会社と裁判所が一体となった反対闘争に対する敵対を許さず、最高裁裁判に勝利しよう。裁判闘争カンパ(一口2000円)を行おう。



●カンパ送り先

三里塚芝山連合空港反対同盟大地共有委員会(Ⅱ)/〒289─1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131─4/ 電話&FAX0479─78─0039

●振替口座 00290─1─100426 大地共有委員会(Ⅱ)

●大地共有委員会ブログ
http://blog.livedoor.jp/kyouyutisanri/

報告:8.18三里塚・木の根ペンションでおひさま発電所オープン記念!

木の根2 8月18日、三里塚・木の根ペンションで「おひさま発電所オープン記念!〔原発の電気に頼らない〕木の根夏祭り」(主催:地球的課題の実験村 協賛:全国農漁民発電網〔準備会〕)が行われ、60人が参加した。

 「巨大空港のどまん中で現代文明のありようを問い続ける 木の根ペンション太陽光発電に出資カンパ」が一月に呼びかけられ、6月末までに98人、60万4000円が集まった。5月下旬にはソーラーパネル(最大3・8kw/h)20枚の設置工事を開始し、発電をスタートしていた。

 この計画は、「続・木の根物語プロジェクト」からペンションで消費するエネルギーを自給していこうという提案を受け、三里塚反対同盟やペンション利用者などとともに検討を積み上げ、①「再生可能なエネルギーを、木の根の地に建設することをとおして、豊かな大地と原発のない社会を目指して、交流ができる場としていきたい」②「私たちの生活の場から『豊かさ』を問い直し、大量消費社会から、今後のエネルギー政策において、誰もが参加し地域主体の分散型エネルギー構造を整えていく」ことを確認していった。

 作業過程では、学習会の取り組み、埼玉県小川町を拠点に日本・アジア各地で太陽光発電に取り組んでいる桜井薫さん(自然エネルギー事業共同組合REXTA代表)の協力を受けながらオープンにたどり着いた。



空港のど真ん中で夏祭り



 会場は、ペンションの裏庭。にぎり、焼きそば、天然酵母パン、酒処「ろくでなし」、無農薬野菜、有機農産物加工品の販売、ヨーヨーつりなどの売店が並ぶ。

 大森武徳さん(続・木の根物語プロジェクト)が「現在使われている電気は、すべてソーラーパネル『おひさま発電』です。木の根夏祭りにようこそ」と開会宣言を行った。

 第一部は、韓国農楽集団ウリト、「ザ・空」、「AKOGARE」、「発電Happening」の演奏が行われる。

 第二部は、大野和興さん(実験村、農業ジャーナリスト) のアピールで始まり、「おひさま発電所オープン」を祝うとともに、「全国農漁民発電網設立・準備会」について紹介し、「仕事と暮らしの足元から『原発いらない』を発信する。全国の百姓と漁師で原発一基分に電気を作ることをめざす。食とエネルギーの自給で地域自立をめざす。10月21日に福島県三春町で『芹沢農産加工所太陽庫発電完成記念シンポ』で正式発足する」と紹介した。

 桜井薫さんは、プロジェクター映写を使いながら、「太陽光発電・自然エネルギーの今・今後」をテーマに講演。3・11以降、被災地避難所での太陽光発電の設置支援、世界各地での設置活動を報告。

 さらに「REXTAは、1994年12月に設立自然エネルギー利用関連の事業を行うメンバーにより構成された事業協同組合だ。市民共同発電所運動は、今まで電力会社から一方的に送られてくるものと思っていた電気を市民自らの力で作り出すことにより、一人一人の意識の変化や地域のエネルギー自給率の向上につながる。 自然エネルギーの利用により、CO2の削減・
温暖化防止や地域の産業、社会の活性化につながる」と強調した。

 続いて脱原発ソング「ゆうき千葉人」をスタートにしながら盆踊りに移った。

 ペンションは、成田空港第一ターミナル南側数百メートル、二本の誘導路にはさまれたところに存在している。空港反対闘争のシンボルだ。木の根夏祭りは、航空機が撒き散らす轟音を跳ねかえしていった。(Y)

横堀・団結小屋破壊を許さない!

横堀看板 立て続けの共有地裁判反動判決と連動して空港会社は、地主・尾野勇喜雄(元横堀農民)に横堀・団結小屋破壊のための事務手続きの進行を指示し、千葉地裁に「工作物収去命令申立書」(七月一二日)を提出した。地裁は柳川秀夫さんに「意見があれば書面」を一〇日以内に提出せよ(七月二六日)と通知してきた。八月下旬以降、横堀団結小屋(反対同盟の連絡先/労闘―労活評現闘常駐)の退去・小屋撤去命令を決定し、退去日を通告してくる。

 空港会社のねらいは、大地共有委員会(Ⅱ)の連絡先でもある横堀・団結小屋を破壊と住民を追い出しであり、一坪共有地運動の敵対だ。これは空港会社が拡張工事などの空港「完成」化に向けたあせりの現われだ。つまり、一坪共有地、木の根ペンションとプールの共有地、横堀大鉄塔と団結小屋、案山子亭、横堀研修センターなどの闘う拠点がますます空港会社に打撃を与え続けているのだ。

 すでに横堀団結小屋には、「三里塚空港粉砕!団結小屋破壊阻止!一坪共有地強奪を許さない! 大地共有委員会(Ⅱ)」の看板が掲げられている。横堀団結小屋破壊を許さない包囲を強化していこう。東峰地区住民への追い出しを許さず、空港会社を追い詰めていこう。(Y)



●一坪共有地裁判カンパに協力しよう(一口 二〇〇〇円 振替口座:00290―1―100426 大地共有委員会〔Ⅱ〕)



●大地共有委員会〔Ⅱ〕連絡先:〒289─1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131─4/電話&FAX0479─78─0039/振替口座 00290─1─100426 大地共有委員会(Ⅱ)
 

三里塚共有地裁判8.9不当判決糾弾! 柳川秀夫さん持分裁判/横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判

横堀くぼち写真 8月9日、東京高裁第五民事部(大竹たかし裁判長)は、柳川秀夫さん持分裁判と横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判に対して控訴棄却の不当判決を出した。裁判後、清井礼司弁護士は、不当判決に対しては上告するという三里塚反対同盟の意志を明らかにした。

 判決は、いずれも空港会社の単独所有を認め、全面的価格賠償方式(地権者との合意もなく一方的に金銭補償することをもって土地強奪ができる悪法)を適用した千葉地裁不当判決を支持した。

 柳川持分裁判は、横堀土地持分(約116㎡、15分の3)に720万6507円、木の根の土地持分(1.5㎡、780分の1)に12万9246円を一方的に支払うことによって「所有権の移転」と称する土地強奪を認めた。

 しかし柳川さんの横堀共有地持分は15分の3の所有であり、空港会社が「大部分の持ち分を所有している」という評価は当てはまらない。だから一審判決では、「裁判所による共有物の分割(民法258条2項)について、法は、裁判所の適切な裁量権の行使により、共有者間の公平を保ちつつ」などと振る舞いながら「共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情が存するときは、共有物を共有者のうちの一人の単独所有又は数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法、すなわち全面的価格賠償の方法による分割をすることも許されるべきである」などと強引に空港会社の所有権を認める暴論を展開せざるをえなかった。

 高裁もこの乱暴な論理を踏襲し、「NAAは空港用地として不可欠な土地を単独で取得する必要性が高い」し、「賠償額は妥当で、当事者間の公平が害されることはない」などと強引に認定し、柳川さんの反論を排除した。

 横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判でも全面的価格賠償方式を適用し、空港会社が被告・共有者37人(持ち分1080分の1)に賠償額3万727円を一方的な支払いで所有権移転を認めた。

 このように司法権力と空港会社が一体となって共有地強奪と敵対を強行した。反対同盟は、ただちに上告し、裁判闘争を闘いぬく決意だ。

 一坪共有地裁判カンパに協力しよう(一口 2000円 振替口座:00290―1―100426 大地共有委員会〔Ⅱ〕)
 

●現闘本部共有地裁判控訴審判決

     10月25日(木)/東京高裁第2民事部822号法廷/午後1時



■大地共有委員会〔Ⅱ〕連絡先:〒289─1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131─4/電話&FAX0479─78─0039/振替口座 00290─1─100426 大地共有委員会(Ⅱ)

 

【案内】8.18 おひさま発電所オープン記念!〔原発の電気に頼らない〕木の根夏祭り

P7174010 8.18 おひさま発電所オープン記念!
〔原発の電気に頼らない〕木の根夏祭り



木の根ペンションのおひさま発電所のため、皆さんにたくさんの出費カンパをお寄せいただきました。6月末までに98名、60万4千円となり、おかげさまで五月下旬から最大3.8kw/hのソーラーパネル20枚が発電をスタートしました。それを記念して〔原発の電気に頼らない〕木の根夏祭りを開催いたします。歌あり、講演会あり、踊りありのお祭りをにぎやかに行いたいと思います。ぜひお越し下さい!

日時:8月18日(土)午後5時~9時
場所:成田市木の根ペンション(0476-35-2215)/京成東成田駅徒歩10分
参加費:1000円(1ドリンク+1食込み)
主催:地球的課題の実験村 協賛:全国農漁民発電網(準備会)

■プログラム
第1部/バンド演奏
第2部/プロジェクター映写/7時30分~講演会 桜井薫さん(自然エネルギー事業共同組合REXTA代表理事)「太陽光発電・自然エネルギーの今・今後」/盆踊り
 おにぎり、焼きそば、天然酵母パン、酒処「ろくでなし」、無農薬野菜、有機農産物加工品の販売、ヨーヨーつりなど

三里塚共有地裁判のお知らせ

三里塚共有地裁判のお知らせ

●第三回現闘本部共有地裁判(結審)

 8月7日(火)、午前11時/東京高裁第2民事部822号法廷

●柳川秀夫持分、横堀くぼ地共有地裁判判決 傍聴の参加を

 8月9日(木)、午後4時/東京高裁第5民事部511号法廷

 (判決後、弁護士会館ロビーで報告)★地下鉄霞ヶ関下車



●裁判カンパ協力お願いします(1口 2000円 振替口座:00290―1―100426 大地共有委員会<Ⅱ>)

三里塚芝山連合空港反対同盟大地共有委員会(Ⅱ)

〒289─1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131─4/ 電話&FAX0479─78─0039

大地共有委員会ブログ http://blog.livedoor.jp/kyouyutisanri/



●三里塚共有地裁判経過

2010.10

空港会社が柳川秀夫持分土地、現闘本部一坪共有地、横堀くぼ地一坪共有地を強奪するために千葉地裁に提訴。横堀団結小屋(大地共有委員会(Ⅱ)連絡先、労闘―労活評現闘)の撤去・土地明け渡し裁判も起こした。

2011.9

千葉地裁は、現闘本部裁判(2011.9.16)、柳川裁判(2011.9.22)、横堀くぼ地一坪共有地裁判(2011.9.28)で、いずれも全面的価格賠償方式(地権者との合意もなく一方的に金銭補償することをもって土地強奪ができる)を適用し、空港会社の単独所有を認める不当判決を出した。

2011.10.25

千葉地裁が原告の横堀団結小屋の「撤去・土地明け渡し」を認める不当判決。

2012.4.25

東京高裁が横堀団結小屋破壊裁判不当判決。判決が確定していないにもかかわらず住民の追い出し、団結小屋取り壊しができる仮執行も認めた。
 

報告:5.26成田プロジェクト―今だからこそ花崎さんの話を聴く会

花崎講演会 「いま成田空港で何が起きているのか」プロジェクト(成田プロジェクト)は、5月26日、文京シビックセンターで「今だからこそ花崎さんの話を聴く会」を行い、四〇人が参加した。

 成田国際空港会社は、現行の年間発着枠23・5万回から2014年度中に30万回へ突き進んでいる。B滑走路南端の東峰地区は、着陸するジェット機が約二分間隔で頭上四〇メールで通過して、すさまじい騒音と排気ガスの撒き散らし、航空機事故の危険性が強まっている。人権と生存権に対する著しい侵害だ。

 成田プロジェクトは、東峰住民と連帯する「声明 人権・生存権を侵害する航空機騒音をただちに止めるべきです」(2010年12月)を出し、国土交通省と成田空港会社に騒音問題で申し入れ、現地騒音調査、成田バスツアーなどの取り組みを行ってきた。

 さらに昨年五月、福島第一原発事故後、「空港と原発―巨大科学技術を考える」というテーマで鎌田 慧さん(ルポライター)、伴英幸さん(原子力資料情報室共同代表)、平野靖識さん(地球的課題の実験村)、三里塚農民と共に集会を行った。

 今回の講演会は、福島第一原発事故と原発開発破産という歴史的局面を哲学者花崎皋平さんの提起をヒントにして論議を掘り下げていくことになった。

 司会の中里英章さん(成田プロジェクト)から開催あいさつとこの間の活動報告が行われた後、花崎講演が始まった。



エコロジーと倫理



 花崎さんは、昨年4月、「ドイツの脱原発論に接して」を発表している。その中で三里塚農民が主張した「腹八分目」の思想を「節 度(ソープロシュネー)」という詩で取りあげた。「急速に進んでいる地球環境の破壊の真の原因は『抑制を失った自由』という思想」だと批判し、だからこそ「科学技術を神のように崇め自然を切り刻んできた文明の転換のためには賢慮(フロネーシス) 節制(ソープロシュネー)が必要だ」とアピールしていた。

 この延長から花崎さんは、今回、「エコロジーと倫理」というテーマを設定し、以下のように問題提起した。

 ドイツ政府の安全なエネルギー供給に関する倫理委員会の提言書「ドイツのエネルギー転換―未来のための共同事業」の「倫理的立場」を取りあげ、「核エネルギーの利用やその停止やエネルギー生産の別の形態への変更についてのあらゆる決定は、社会の価値決定にもとづくものであり、技術的経済的観点に先行する」という提起に焦点をあて、「この優先順位の置き方はきわめて重要である。社会の価値決定が第一にされなければならないのである」と確認する。

 そのうえで学び、継承すべきものとして「近現代史の持続可能性の倫理の提唱者として田中正造がもっとも重要な思想家だ。石牟礼道子が水俣の被害者たちにまなびながら語っている倫理思想もより切実に顧みられるべきだ。持続可能性の倫理を農の現場から生み出した重要な文書として『三里塚芝山連合空港反対同盟/児孫のために自由を律す―農的価値の回復を』(1994年7月)がある。東北の大惨事で被災した人たちの中からも重要な思想が表現されている。昨年九月の『さよなら原発五万人集会』での武藤類子さんのスピーチだ。反原発の行動宣言であると同時に、いまを生きるすべての人が胸に刻むべき倫理を示している」と浮き彫りにした。

 最後に、「どうしたら原発のない世界を作っていけるか」と問いかけ、「まだ明確な答えのない課題に対してできることは、一人一人が自分で考え、決断して行動することであると思うという個の自立の決意が表明されることだ」と結論づけた。

 質疑応答では、「自然に対する人間のエコロジー的責任」、「持続可能性と責任」、「世界責任憲章と国際社会共通の倫理原則」、「人間の自然に対する特別な義務」「三里塚の『腹八分目の思想』と地球的課題の実験村」などについて意見交換が行われた。



闘う拠点を防衛しよう



 「三里塚現地はいま」では山下一夫さん(成田プロジェクト)から報告があり、「三里塚闘争破壊のために横風用滑走路の完成を阻む横堀地区の柳川秀夫さん(対同盟世話人)持分土地裁判、現闘本部一坪共有地裁判、横堀くぼ地一坪共有地裁判を提訴した(2010年10月)。併せて三里塚大地共有委員会(Ⅱ)(加瀬勉代表)の連絡先である横堀団結小屋(労闘―労活評現闘)の撤去・土地明け渡しを求める裁判も起こした。

 千葉地裁は、現闘本部裁判、柳川裁判、横堀裁判で空港会社の単独所有を認める不当判決を出した(11年9月)。横堀・団結小屋破壊裁判も一審不当判決に続いて東京高裁も団結小屋の「撤去・土地明け渡し」追認した(12年4月25日)。しかし空港会社は、木の根ペンションとプールの共有地、横堀大鉄塔と団結小屋、案山子亭、横堀研修センターなどの闘う拠点への破壊にまったく着手できないでいる。東峰地区住民への追い出しを許さず、闘う拠点を防衛し、空港会社を追い詰めていこう」と訴えた。(Y)
 
●成田プロジェクトブログ 
http://berita.sakura.ne.jp/naritapj/
 

【報告】 横堀・団結小屋破壊を許さない!5.20三里塚・横堀現地集会とデモ

DSCF0984 三里塚大地共有委員会(Ⅱ)と 三里塚空港に反対する連絡会は、横堀農業研修センターで「横堀・団結小屋破壊を許さない!5・20三里塚・横堀現地集会とデモ」を行い、60人が参加した。

 成田空港会社による三里塚闘争への敵対を忠実に代弁する東京高裁第9民事部(下田文男裁判長)は、4月25日、横堀・団結小屋破壊裁判(建物収去土地明渡請求事件)で反対同盟に対して横堀・団結小屋撤去と土地明け渡し、原告(尾野良雄(元横堀農民)=空港会社)の仮執行を認める不当判決を言い渡した。

 高裁は、団結小屋の所有者をなんとしてでも反対同盟のものにするために「総有」(多数の者が同一の物を共同で所有する場合の一つの形態で各自に持ち分や分割請求権もない)論を強引にあてはめ、支援によって建設・維持されてきた歴史的経緯を捻じ曲げた。空港会社にとって団結小屋が反対同盟の所有でないと提訴の前提自体が瓦解してしまうからだ。

 空港会社のねらいは、大地共有委員会(Ⅱ)の連絡先でもある横堀・団結小屋を破壊し、住民を追い出し、一坪共有地運動を破壊するためにある。逆に言えば、それだけ一坪共有地運動が空港会社に打撃を与え続けていることを証明している。

 さらに一坪共有地を強奪するために現闘本部共有地裁判、柳川秀夫さん持分裁判、横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判の控訴審が闘われているが、木の根ペンションとプールの共有地、横堀大鉄塔と団結小屋、案山子亭、横堀研修センターなどの闘う拠点への破壊にまったく着手できないでいる。東峰地区住民への追い出しを許さず、闘う拠点を防衛し、空港会社を追い詰めていこう。



三里塚闘争の大義を掲げて



 集会は横堀研修センター内で行われた。

 横堀・団結小屋住人の山崎宏さん(労闘―労活評現闘)は、団結小屋破壊裁判の経過報告と不当判決を批判し、「三里塚闘争の初心を貫いて闘っていきたい」と発言した。

 加瀬 勉さん(三里塚大地共有委員会<Ⅱ>代表)は、「今日は、1978年5.20開港阻止決戦を戦った日だ。40年闘う決心は変わらず、闘いを進めていく。いっそうの奮闘を誓い合おう」と力強く訴え、「決意表明」(別掲)をアピールした。

 清井礼司弁護士は、高裁不当判決後、上告するとともに今後の闘いの方向性を提起し、「判決で仮執行がついたので土地明け渡し、団結小屋破壊の強制執行が可能となった。原告の手続き後、裁判所の執行官がいつまでに退去せよと山崎さんに通告に来る。退去拒否状態の場合、二回目に着手する。民間業者が荷物移動などを行い、警察に警備要請する。不当弾圧が予想されるが、ともに抗議していきたい。三里塚闘争の大儀を掲げて闘っていこう。福島、沖縄に通ずる闘いだ」と強調した。

 集会後、デモに移り、元辺田公民館跡を折り返して研修センターに戻るコース。横堀一帯に「団結小屋破壊を許さない!三里塚空港粉砕!」のシュプレヒコールを響かせた。

 デモ後、横堀大鉄塔に移り交流会。渡邉充春さん(関西・三里塚闘争に連帯する会、東峰団結小屋維持会)から関西新空港反対運動と一坪共有地運動の取り組みなどを報告。さらに長野から駆けつけたたじまよしおさん、木の根プロジェクト、田んぼくらぶから発言があった。(Y)



 「決意表明」



 加瀬 勉(三里塚大地共有委員会<Ⅱ>代表)




 4.25横堀団結小屋撤去東京高裁不当判決に断固として抗議する。我々は4.25横堀団結小屋撤去の不当判決に絶対に承服できない。

 事業認定取り消し訴訟に始まる三里塚空港反対闘争40年余の闘いのなかにおける幾多の裁判は、三権分立・司法の独立とはほど遠い政治裁判であり、階級支配の裁判であり、権力の弾圧裁判での歴史であった。今回の東京高裁の判決も同じものである。我々はこの不当判決に一度も屈することなく徹底的に戦い抜いてきた。これからも戦い抜いてゆく。これが我々の決意であり、基本的な態度である。

 我々は国家の空港建設という巨大開発に先祖伝来の農地を奪われ、山野を奪われ、家を破壊され、多くの三里塚の部落は消滅し、また、多くの農民は村を追われ離散していった。我々はこの国家権力の暴力的政策に生死をかけ徹底的に抵抗してきた。いま、福島の原発事故により、東北、関東の広範な地域の人たちが三里塚の農民の運命と同じくすることとなった。

 我々三里塚の農民は反原発を呼びかけ、共闘し、原子力船むつの廃船を目指して人民の船を大海に出航させ「むつ」を追跡し廃船に追い込んだ。フランス・ラアーグからの核再処理輸入阻止の行動にも立ち上がった。

 以来、今日まで反原発の闘いをつづけてきたが、原発安全神話とその政策を阻止することはできなかった。福島の原発事故の悲劇を阻止できなかったことは痛恨のきわみである。我々は自己の人間としての全存在と良心の全てかけてこの悲劇を克服するために新たなる戦いに立ち上がらねばならない。

 民主党政権、野田内閣は理念なき内閣であり、信念なき迷走内閣である。自民党にすりより、政権にしがみついてゆく反動的政府である。我々は彼らが言う国策である三里塚ハブ空港化を阻止した。

 然るに30万回発着。格安航空便によって野望を成し遂げんとしている。一坪共有地の金銭買収、あるいは横堀団結小屋強制撤去等の強権政治を40年一日の如くおこなっている。三里塚空港建設の失敗を省みず、福島の原発事故の悲劇を教訓とすることができず、原発の技術の輸出、原発の再稼働など亡国の政策を推進せんとしている。我々は、この野田内閣の亡国政策に対決し、その政策を廃棄させなければならない。

 20世紀の科学文明は侵略戦争と広島、長崎の原爆の悲劇をもたらした。21世紀の科学文明の始まりは、福島の原発事故の悲劇をもたらした。広島、長崎、第五福竜丸の被爆、チェルノブイリ、スリーマイル、福島の悲劇を教訓として巨大開発や大資本の暴走を阻止し、人間の命の尊厳を護り取り戻し解放するために、その崇高な歴史的使命と責任を果たしてゆかなければならない。三里塚一坪共有者1100名。大地共有委員会は、その先頭に立って戦うことをここに表明する。

【三里塚反対同盟声明】 東京高裁の団結小屋破壊判決弾劾!

東京高裁の団結小屋破壊判決弾劾!

三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人 柳川秀夫)

労活評団結小屋 東京高裁は4月25日、空港反対同盟に対して不当にも横堀の団結小屋の撤去を認める決定を下した。

 原告である小屋の地主は団結小屋を空港反対同盟のものであると決めつけ、反対同盟を被告にして小屋の撤去を求めた。

 反対同盟は団結小屋の歴史的経緯や実態からして支援の共有物であり、「団結小屋の所有者たる実質的な当事者を誤ったものとして、速やかに棄却されるべきである」として、提訴自体を取り下げるよう求めた。

 しかし、一審千葉地裁は反対同盟の主張を退け、原告の事実に反する言い分を全て認める判決を下した。

 反対同盟は直ちに控訴したが、東京高裁は実質審理を何ら行わず一回で結審し、控訴棄却の判決を下した。

 しかも地主が求めた仮執行(最高裁で確定する以前に強制撤去できる)を認めたのだ。


 原告は地主個人だが、この裁判は空港会社の反対同盟つぶしの意図のもとに行われていることは明白である。

 団結小屋が一坪共有運動の連絡先となり、一坪共有地強奪の裁判提訴に抗する現地拠点となっていることに対し、それを除去しようとする攻撃にほかならない。

 空港会社はシンポ・円卓会議で確認された「今後強制的手段を用いない」という約束を一方的に反古にし、裁判を使って用地内の反対派の土地を取り上げ空港を拡張・整備してきた。 反対同盟はこのような空港会社のやり方を断じて許すことはできない。そしてそれを追撃し、加担する司法権力―東京高裁の決定を弾劾する。

 我々はこのような不当な判決をはねのけて空港反対の闘いを貫いて行く決意である。




 2012年4月26日

横堀・団結小屋破壊裁判 東京高裁不当判決糾弾!

横堀判決+012 4月25日、東京高裁第9民事部(下田文男裁判長)は、横堀・団結小屋破壊裁判(建物収去土地明渡請求事件)で空港会社の指示のもとに原告となった地主・尾野良雄(元横堀農民)の主張を追認し、三里塚反対同盟に対して「工作物を収去して本件土地を明け渡せ」と通告し、拒否するなら「仮に執行することができる」いう不当判決を言い渡した。

 判決は、原告=空港会社の三里塚闘争に対する敵対の意図を受け入れ、横堀団結小屋(反対同盟の連絡先/労闘―労活評現闘常駐)の破壊への全面的な加担だ。反対同盟と弁護団は、不当判決を許さず、ただちに上告し、裁判闘争を闘いぬく決意だ。団結小屋破壊のための「仮執行」攻撃を許さない。



結論ありきの訴訟指揮



 高裁は、反対同盟の「本件工作物は、被告が所有するものではなく、支援者らの共有である」という主張に対して、まともに審議することもなく、たった一回の裁判だけで結審してしまった(二月一五日)。最初から不当判決の結論ありきで強引に訴訟指揮したあげく、団結小屋が「被告構成員の総有に属することを認めることができ、法的に被告が工作物の収去義務や本件土地の明渡義務を負うことは明らかである」と断定し控訴棄却した。

 千葉地裁と同様に高裁は、判決で「総有」(多数の者が同一の物を共同で所有する場合の一つの形態で各自に持ち分や分割請求権もない)を押し出してきた。空港会社にとって団結小屋が反対同盟の所有でないと提訴の前提自体が瓦解してしまうからだ。つまり、原告は、団結小屋の所有者が支援であるが、その関係を特定することができないために団結小屋建設経緯の事実を手前勝手に歪曲したのである。

 高裁が無視した横堀団結小屋の歴史の事実はこうだ。1971年夏、宇都宮大学全共闘、新潟大学全共闘、労活評―安保研が建設した。70年代末、労活評の単独管理となる。1989年に成田治安法が適用される(97年解除)。2000年7月、空港公団の指令によって尾野が労活評現闘を被告にして退去を求めて千葉地裁に提訴した(一審、二審ともに敗訴)。ところが裁判の過程で尾野の土地ではなく、空港公団が買収した土地の一部であることが判明するという杜撰な実態が明らかになる。25年間なんの問題もなく経過したため「時効取得」によって尾野の所有となった。だが団結小屋はその後も労活評管理によって維持し続けている。

 このように横堀団結小屋は、支援者によって建てられたのであり、支援の共有物なのである。反対同盟は多くの様々な支援者を現地に受け入れたが、それはすべて支援者自らの自立・自活・自前を大原則としていた。しかも横堀・団結小屋は、横堀部落との協同・協力関係のうえで支援が闘争拠点として建てたのだ。だから「空港会社の請求は、反対同盟に当事者適格を欠く不適法であり、団結小屋の所有者たる実質的な当事者を誤ったものとして、速やかに棄却されるべき」であり、原告の提訴自体を取り下げるべきなのだ。



一坪共有地運動の敵対を許さない



 空港会社が一坪共有地を強奪するために現闘本部共有地裁判、柳川秀夫さん持分裁判、横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判を提訴し、大地共有委員会(Ⅱ)の連絡先でもある横堀・団結小屋破壊裁判を起こしたのは、なんとしてでも一坪共有地運動を破壊するためだ。高裁は、空港会社と共犯者として団結小屋の住人の追い出しと撤去を最高裁で判決が確定していないにもかかわらず、「仮執行」を認めたのである。空港会社と高裁が一体となった一坪共有地運動の敵対を許してはならない。

 空港会社は、年間30万回にむけて発着枠を23.5万回に増やし、来年3月には25万回の拡大を強行しようとしている。航空機の轟音、排気ガスを撒き散らす、人権・環境破壊だ。とりわけB滑走路南端の東峰地区住民の頭上40mにジェット機が着陸のために頻繁に飛行している状態だ。

 さらにB滑走路西側に新たな誘導路の建設、LCC(格安航空会社)の導入と第二ターミナル南側に専用ターミナルを増設することを明らかにした。空港公害になんら歯止めをかけることもなく、空港拡張にひた走っている。政府・成田空港会社による「国策」として空港建設を暴力とカネのバラマキによって押し進めてきた路線は全く変わっていないのだ。



5・20三里塚・横堀現地集会とデモへ



 反対同盟大地共有委員会(Ⅱ)<代表:加瀬勉>/三里塚空港に反対する連絡会は、横堀団結小屋破壊裁裁判の控訴棄却を糾弾し、「仮執行」を許さない「5・20三里塚・横堀現地集会とデモ」(5月20日(日)/横堀農業研修センター/午後1時半/集会後、辺田地区へデモ)を行う。成田空港三〇万回発着を中止せよ!航空機騒音拡大・環境破壊を許さない! 東峰住民の追い出しをやめろ!一坪共有地・団結小屋裁判闘争勝利!すべての原発を停止せよ! TPPに反対する!を掲げて闘っていこう。
 
 

■5・20三里塚・横堀現地集会とデモ

5月20日(日)横堀集会/横堀農業研修センター/午後1時半/集会後、辺田地区へデモ/12時30分:京成東成田駅地上結集(迎車待機)



共催:三里塚芝山連合空港反対同盟大地共有委員会(Ⅱ)<代表:加瀬勉>/三里塚空港に反対する連絡会

〒289-1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131―4 電話&fax0479-78-0039
 
 

■京成電鉄時刻表

京成上野駅特急 10:47発→成田駅11:57着 成田駅乗り換え芝山千代田行12:06発→東成田12:12着 (帰りも車に分乗して東成田駅へ)
 
 

■柳川秀夫持分/横堀くぼ地(共有物分割請求控訴事件)第1回控訴審/東京高裁第5民事部/共に5月16日(水)午後4時
 
 

■裁判カンパにご協力を 1口2000円 振替口座:00290―1―100426 大地共有委員会(Ⅱ)

【案内】三里塚4.25高裁判決 5.20横堀集会へ

三里塚 横堀・団結小屋破壊を許さない!
4.25横堀・団結小屋破壊高裁判決公判へ


4月25日(水)午後1時/東京高裁第9民事部809号法廷
終了後、日弁連会館会議室で報告会(地下鉄霞ヶ関駅)


5.20三里塚・横堀現地集会とデモ
5月20日(日)横堀集会/横堀農業研修センター/午後1時半/集会後、辺田地区へデモ/12時30分:京成東成田駅地上結集(迎車待機)

共催:大地共有委員会(Ⅱ)<代表:加瀬勉>
   三里塚空港に反対する連絡会
〒289-1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131-4 
 電話&fax0479-78-0039


現闘本部共有地裁判(共有物分割請求控訴事件)第1回控訴審
東京高裁第2民事部/4月12日(木)午前11時


断固闘いぬく 
柳川秀夫(反対同盟代表世話人)

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団結小屋破壊の裁判は一坪共有地取り上げの裁判と一体の空港会社による攻撃だ。三里塚闘争の歴史を無視し、経済的利益を最優先する空港会社の姿勢が現れている。訴訟の原告は地主個人だが実体は、空港会社そのものだ。我々はいかなる策動も許さず断固闘いぬく。


21世紀の科学文明の暴走を許してはならない 
加瀬  勉(大地共有委員会<Ⅱ>代表)

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 20世紀の科学文明の暴走は、侵略戦争と広島、長崎への原爆投下の悲劇をもたらして帰着した。21世紀の科学文明の暴走は、原発の事故となって福島を中心とする東北各県、関東の地域に悲劇をもたらした。我々は暴走する21世紀の科学文明・巨大開発をストップさせなくてはならない。牙を剥いて我々に、人類に襲い掛かってくる巨大開発である空港建設を国家権力が暴力を用い、破壊行為をもって推進せんとする行為を断じて許してはならない。

 + + + + +


空港会社、司法権力一体の闘争破壊を跳ね返せ


 昨年10月25日、千葉地裁は横堀にある団結小屋(労闘-労活評)を撤去し、土地を明け渡せという地主原告の訴えを認める判決を下した。裁判は空港反対同盟を被告として争われてきた。


 成田国際空港株式会社は空港反対運動、とりわけ一坪共有運動の拠点となっている団結小屋を破壊するために地主を原告に仕立てて小屋の撤去と土地の明け渡しを求める裁判を起こさせた。


 2000年にも現闘の住人を被告として同様の裁判を起こさせ、一審、二審とも原告の訴えを認める判決を出したが、小屋の所有者を特定することなく小屋の撤去という目的を達することはできなかった。


 そこで今回(2009年)空港反対同盟を小屋の所有者とし、反対同盟を被告として提訴したのだ。原告は空港反対を共に闘った元反対同盟員の地主だが、実態は空港会社が訴訟をやらせているのである。


 原告の訴状にある「住人は現在も空港建設に反対し、『一坪共有地』を守るための活動中の被告のメンバーであり、被告の連絡先となっている」という記述からもそれは明らかである。


 そして「反対同盟が住人に委託してこれら工作物に常駐させて占有を継続させ、もって自ら本件工作物の間接占有を継続している」と、反対同盟が「委託」しているなどという全く事実に反するデッチ上げを行い、反対同盟を被告に仕立て上げた。空港反対運動の拠点の一つである団結小屋を排除し、運動を破壊しようとする空港会社の意図が明確に表れている。

 裁判の過程で原告側は移転費用を出すという和解案を提示してきたが、断固拒否し法廷で争ってきた。


 反対同盟は団結小屋は支援者の共有であり、反対同盟を所有者と特定し被告とするのは誤りであるとして速やかに棄却するよう裁判所に求めた。


 しかし、千葉地裁は原告の主張をすべて受け入れ、「支援者らとしては、被告(注・反対同盟)のために本件工作物を建築したものであり、支援者が関与した程度に応じて持ち分を維持する意志を有していたとは考えがたいから、被告構成員の総有とするのが当事者の意志解釈として合理的である。」と裁判所独自の「推認」を加え、「総有」の概念を持ち出して反対同盟の所有と認定した。


 かかる不当な判決は断じて認めることはできないとして反対同盟は即時控訴した。


 その第一回控訴審公判が2月15日、東京地裁で開かれたが、実質何ら審議することなく結審となり、4月25日判決が言い渡されることになった。


 公判に先立つ13日、原告(地主)=空港会社は仮執行を求める「附帯控訴状」を提出してきた。高裁判決時に仮執行宣言を付加せよというもので、一刻も早い住人の追い出しを求めている。


 高裁判決は厳しいものが予想される。不当な判決にも屈しない闘いの体制を構築しよう。


 さらに空港会社は空港用地内に点在する一坪共有地(木の根、横堀、東峰の6カ所)を裁判によって強奪せんと2009年、千葉地裁に共有者を被告として「共有物分割請求」を提訴した。11年9月、裁判所は、三里塚闘争の歴史的経緯を見ることなく、完全に空港会社の主張通りの不当判決を下した。司法権力を使った土地取上げは強制収用と本質的に何ら変わるものではない。共有者は直ちに東京高裁に控訴した。一坪共有地裁判に勝利しよう!


成田空港30万回発着を中止せよ


 空港会社は昨年10月20日からA・B滑走路「同時離着方式」の適用空港となった。これによつて現行年間22万回の発着枠は23・5万回に増え、来年3月からは25万回も可能になるという。


 空港会社は年間30万回に向けて突き進んでいる。平行滑走路の現在の誘導路が「く」の字型に曲がっているのを直線化するために天神峰現闘本部(北原派)を裁判所の判決をもって撤去し、農民の耕地を裁判でと取り
上げようとしている。また増加する飛行機の往来に対処するためにB滑走路西側に新たな誘導路を建設しようとしている。


 成田空港はLCC(格安航空会社)の導入を推し進め、第2ターミナル南側に専用ターミナルを増設することを明らかにした。


 こうして空港会社は利潤の追求のために空港機能の拡張に向けて突き進んでいる。


 空港会社、司法権力一体となった反対運動破壊を許さず、大衆的反撃で彼らの野望を粉砕しよう!横堀現地に結集し、共に闘おう!


※京成電鉄時刻表

京成上野駅特急 10:47発→成田駅11:57着 成田駅乗り換え芝山千代田行12:06発→東成田12:12着
帰りも車に分乗して東成田駅へ


【案内】5.26 成田プロジェクト 今だからこそ花崎さんの話を聴く会

2012・5・26 成田プロジェクト 今だからこそ花崎さんの話を聴く会

昨年4月、東日本大震災と福島第一原発事故からわずか1カ月のとき、ドイツを旅した花崎さんは「ドイツの脱原発論に接して」という一文を発表しました。


  そして「節度(ソープロシュネー)という詩も(裏面に印刷してあります)。この一文には倫理委員会の報告をもとにしてドイツが脱原発へ向かった理由が記されていたので、衝撃をもって受け止めました。私たちがもとめる思想の力を示しているからです。最近は邦訳もWeb上に出ました。
(ドイツのエネルギー転換~未来のための共同事業 http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/3rd/3-82.pdf


  3.11から1年をむかえた今、花崎さんの話をゆっくり聴いて、これからのことを考えようではありませんか !


お話:花崎 皋平 さん(哲学者)


日 時 2012年5月26日(土)


開会2:00 ~ 5:00(開場1:30)


会 場 文京シビックセンター・区民会議室4階ホール


東京都文京区春日1-16-21 
電話:03-3812-7111(文京区役所代表)
東京メトロ 後楽園駅・丸の内線(4a・5番出口)南北線(5番出口)徒歩1分
都営地下鉄春日駅三田線・大江戸線(文京シビックセンター連絡口)徒歩1分
JR総武線 水道橋駅(東口)徒歩9分 参加費 500円


問い合わせ・連絡先:成田プロジェクト(narita-pj@pen.co.jp
〒113-0033 東京都文京区本郷3-13-3 三富ビル ペンの事務所気付
TEL03-3818-1835 FAX03-3818-9312

報告:2012年三里塚芝山連合空港反対同盟旗開き

P1155725 三里塚芝山連合空港反対同盟(世話人:柳川秀夫)は、2012年反対同盟旗開きを横堀農業研修センターで行い、30人が参加した。

 空港会社は、アジア国際空港競争と羽田空港国際化による地位低下を取り戻すためにA・B滑走路の同時平行離着方式を導入し離着陸回数30万回増、LCC(格安航空会社)の参入にひた走ろうとしている。さらに東峰地区にジェット機の轟音と排気ガスを撒き散らし、追い出し攻撃を強化。横堀地区では誘導路整備工事を拡大し、横堀大鉄塔と案山子亭の孤立化をねらって鉄板フェンスを張り巡らし、地下トンネルを延長した。

 千葉地裁は、一坪共有地と横堀・団結小屋破壊裁判で空港会社の反動主張を全面的に認め相次ぐ不当判決を出している。反対同盟と被告は、ただちに控訴した。横堀・団結小屋破壊裁判控訴審・第一回公判(2月15日/東京高裁)を皮切りに一坪共有地裁判が始まる。控訴審闘争勝利にむけてスクラムを強化していこう。

 他方、14日、国連平和維持活動(PKO)派兵のために陸上自衛隊の迷彩服で統一した先遣隊が民間機に乗り込みバンコク経由で南スーダンに出兵した。すでに11年11月21日、横田基地に向かう米軍のチャーター機が燃料補給を口実に成田空港に着陸している。成田空港の軍事利用を許してはならない。

 恒例のトン汁が参加者に振舞われた後、旗開きは山崎宏さん(横堀地区・労活評現闘)の司会で始まり、「昨日、成田空港から南スーダンPKO派兵のために陸上自衛隊先遣隊が出兵した。成田空港の軍事利用を許さず、反戦闘争を強化していこう」と強調した。



次の時代にむけて



 柳川秀夫さんは、「一坪共有地裁判は一審で負けたが、控訴審でも勝利にむけて頑張っていこう。空港会社は、あいかわらず空港機能を拡張しようとしている。闘いは永遠と続く。現在の社会は消費を目的にした活動を中心にしており、空港問題も同様で巨大化でしかない。こういったシステムが福島第一原発事故被災と深刻な放射能汚染を引き起こした。三里塚の各場所を放射能測定したがどこも高い値が測定された。放射能問題も大きく取り上げていかなければならない。三里塚闘争は、次の時代に繋げるために奮闘していこう」と挨拶した。



木の根ペンション連結型太陽光発電計画



 平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)は、「成田空港離発着枠を22万回から30万回にむけた態勢を強化している。内陸空港だから大変な騒音になっている。この時期は北風なので次々とB滑走路南端に着陸している。2分間隔、低空飛行で非常に危険だ。らっきょう工場は、昨年の原発事故放射線被害の影響で売り上げが六五%に下がってしまった。農家はもっと厳しい状況になっている。有機農業を台無しに追い込んだ。脱原発を三里塚の地からも訴えていかなければならない」と発言。

 さらに「『続・木の根物語プロジェクト』の仲間たちは、昨年、木の根ペンションのプール開きを実現した。今度はペンションで消費するエネルギーを自給していくために連結型太陽光発電を建設することになった。地球的実験村としてもこの計画を応援しているのでぜひ出資カンパに協力していただきたい」と呼びかけた。

 清井礼司弁護士は、「昨年は裁判闘争に支援していただいたが、不当判決が続いた。控訴審でも奮闘していきたい。裁判闘争を闘いながら三里塚現地の闘いと結びつけていきたい」とアピールした。

 続いて加瀬勉さん(共有委員会<Ⅱ>)のメッセージ紹介、高見圭司さん、関西三里塚闘争に連帯する会の刈谷稔さん、関西東峰団結小屋維持会のアピール紹介、獄中闘争の仲間のアピール紹介、「続・木の根物語プロジェクト」などから発言が続いた。最後に団結がんばろうを行い2012年の闘う意志一致を打ち固めた。(Y)

報告 12.4三里塚・東峰現地行動

DSCF0600 12月4日、三里塚空港に反対する連絡会は、東峰共同出荷場で三里塚・東峰現地行動が取り組み、60人が参加した。

 空港会社は、新自由主義的航空政策の忠実な担い手として離着陸回数30万回増とLCC(格安航空会社)の参入、拠点化に向けた機能拡張工事を次々と強行している。平行(B)滑走路の「く」の字型に曲がった天神峰地区の誘導路を直線化するために、機動隊を大量動員して天神峰現闘本部(北原派)を破壊した(8・6)。横堀地区では横堀大鉄塔・案山子亭に向かう道路にあった横堀十字路を閉鎖し、5メートル以上もある鉄板フェンスを張り巡らした。地下トンネルも二倍以上に延長し、闘う拠点を暴力的に孤立させようとしている。

 発着回数は、2011年度中 に25万回、12年度中に27万回、14年度中に30万回の増枠計画だ。また、空港処理能力拡大のためにA・B滑走路の同時平行離着方式の導入を強行した(10・20)。これまで航空機離陸後の接触事故を回避するために離陸時間差、一五度以上の開きを確保する安全ルールさえも取っ払ってしまった。国交省は、「新たな監視担当管制官を常時一人置くから安全だ」などと安全軽視に満ちた発言を行っている。

 こんな発着枠増加は、過密ダイヤの拡大による管制業務疲労、ニアミス・接触、滑走路離発着事故の多発化であり、CO2排出量減少運航の否定だ。東峰地区などの飛行コース直下に轟音を叩きつけ、生活・環境破壊、追い出し攻撃の強化でしかない。つまり、政府・成田空港会社による「国策」として空港建設を暴力とカネのバラマキによって押し進めてきた路線は全く変わっていないのだ。千葉地裁による一坪共有地と横堀・団結小屋破壊裁判での相次ぐ不当判決でもその姿勢がストレートに現われている。

 このような政府・空港会社に対して連絡会は、「成田空港30万回発着を中止せよ! 航空機騒音拡大・環境破壊を許さない! 東峰住民の追い出しをやめろ! 一坪共有地・団結小屋裁判の控訴審闘争勝利! すべての原発を停止せよ! TPPに反対する!」を掲げ東峰行動を取り組んだ。
 
「30万回発着をやめろ! 東峰住民の追い出しを許さないぞ!」
 
 集会は、湯村一美さん(東水労青年女性部)の司会あいさつで始まり、次々と発言が続いた。

 石井紀子さん(東峰地区)は、「東峰団結小屋は、裁判の結果、和解で上物はなくなったが、土地は残った。苗木を植えて東峰の憩いの場にする。騒音防壁に囲まわれて殺風景な東峰だが、その中でも季節ごとに花が咲くようになる。私は、この地があるかぎり、魂はここにある。私の故郷です。都会育ちの皆さんも、ここを故郷だと思って気軽に訪れてください」と述べた。

 渡邉充春さん(関西・三里塚闘争に連帯する会、東峰団結小屋維持会)は、「一月に加瀬勉さんを招き一坪共有地を守り抜くための意思一致をした。関西新空港と伊丹空港を統合した新会社が設立された。LCCを導入して黒字化させ、膨大な赤字を消すと言っているが、未知数だ。厳しく監視していく。反空港全国連絡会でも国交省交渉などの取組みを追求しいきたい」。

 さらに「東峰団結小屋があった土地は、18分の17が空港会社、18分の1が石井常司さんの共有地所有だった。裁判の過程で千葉地裁が①小屋の撤去②石井さんの共有地を認める③石井さんが土地を管理するという和解案を提示してきた。小屋の住人の同意を得て、和解に合意した。跡地は公園になる。闘いを継続するために一つの選択をした」と報告した。

 山崎宏さん(横堀地区・労活評現闘)は、「9月に現闘本部共有地裁判、柳川秀夫さん持分裁判、横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判の不当判決、10月に横堀・団結小屋裁判の不当判決が出た。いずれも空港会社の土地強奪の主張を認める反動判決だった。国・会社の立場にたった司法の姿勢が明らかとなった。控訴審でも闘っていく。11月21日、横田基地に向かう米軍のチャーター機が燃料補給を口実に成田空港に着陸した。空港の軍事利用の一環として実行したのだろう。米軍再編による空港利用の再構築を許してはならない」と呼びかけた。

 集会を中断して、B滑走路全体を見渡すことができる開拓道路に向けてデモに移った。滑走路に向けて「30万回発着をやめろ! 東峰住民の追い出しを許さないぞ!」とシュプレヒコールを行った。

 デモは東峰出荷場に到着し、集会を再開。

 大森武徳さん(続・木の根物語プロジェクト)は「7月17日木の根プールが20年ぶりで復活した。その後も多くの仲間たちに利用され、福島の南相馬市の中学生たちも参加した。来年は、防水処置も含めて絵画を描こうと計画している。人々の思いを伝えていきたい。ペンション利用など参加してください」と呼びかけた。

 さらに横堀団結小屋維持会、成田プロジェクト、安保終了を通告する会、東水労青年女性部からアピール。

 最後に2012年1月15日に反対同盟旗開きが開催されることが紹介され、「団結頑張ろう」を行い再会することを確認した。(Y)
 
●2012年反対同盟旗開き

主催:三里塚芝山連合空港反対同盟(世話人:柳川秀夫)

日時:2012年1月15日(日)、正午

場所:横堀農業研修センター(0479―78―0100)

参加費:1000円

・午後2時~横堀大鉄塔へ



●京成東成田駅:地上11時00分集合 迎えの車

09:28発 京成上野 →10:35着 成田→10:46発 京成成田 →乗り換え 京成本線(普通)


[芝山千代田行き]→10:52着 東成田

報告 三里塚・東峰芋掘り&収穫祭ツアー―金城実さんと闘いの像に会いにく

金城さんと農民像 11月6日、成田プロジェクト(いま成田空港で何が起きているのかプロジェクト)は、「三里塚・東峰芋掘り&収穫祭ツアー―金城実さんと闘いの像に会いにく」を行った。

 今回のバスツアーのスケジュールは、東峰での芋ほり→ワンパック収穫祭→東峰共同墓地墓参→東峰騒音監視→横堀鉄塔・「抗議する農民」像と対面→案山子亭・交流会→木の根ペンション訪問。

 メインは、沖縄の彫刻家・金城実さんが30数年前の作品である「抗議する農民」像と再会し、参加者とともに「三里塚の闘いの原点は何か」「沖縄・原発・三里塚の問題はひとつ」について意見交換することだ。農民像は、1970年代半ば、4000m滑走路の供用を阻んでいた岩山大鉄塔に据えたが、77年5月6日に機動隊の封鎖によって抜き打ち撤去され、強奪したがその後奪い返し、現在は横堀鉄塔中断に敢然と立ち、成田空港を睨み続けている。



金城さんと「抗議する農民」像


 東京・丸の内を午前9時に出発し、車中で中里英章さん(成田プロジェクト)が成田空港の周辺地図をもとにツアーコースを説明し、「空港会社は年間22万回の離着陸回数を30万回に増やそうとしている。すでに東峰地区のジェット機騒音は、激しいものとなっている。さらに空港用地内に点在する一坪共有地を裁判によって強奪しようとしている。今日のツアーで三里塚現地の人々の粘り強い闘いを知ってほしい」と呼びかけた。

 金城さんは、「戸村一作さん(当時の反対同盟委員長)が同じ彫刻家ということで三里塚の岩山大鉄塔に像を展示することになった。像はデモ行進のなか車で運び、機動隊に何度も止められたが、車はデモ隊に併走しないで一直線に走っていった。自分たちが着いたときは、もう彫刻は立っていた。ものすごいドラマだった」など数々のエピソードを紹介した。

 東峰地区の石井紀子さんが耕作する芋畑に到着。田んぼくらぶの仲間によるレクチャー後、一斉に芋ほりを行い、土だらけになりながら紅色のさつま芋を採り、次々と袋が一杯になっていった。

 正午は、東峰のワンパックべじたぶるん~収穫祭に参加。石井恒司さん、石井紀子さんなど生産者の挨拶。会場には野菜料理、バーベキュー、各ブースが並び、アフリカン太鼓ジャンベ&ダンスなども披露。飛び入りで金城さんの沖縄下駄踊りで会場を盛り上げた。

 東峰地区に移動し、共同墓地墓参、頭上40mを飛行するジェット機のすさまじい轟音を体験し、人権・環境破壊の成田空港に怒りを感じる。


横堀鉄塔へ


 横堀鉄塔・案山子亭に移動。

 空港会社は、誘導路を新設するために、これまでの横堀鉄塔・案山子亭に向かう道を横堀十字路の左折手前から5m以上もある鉄板フェンスを張り巡らし、トンネルも2倍以上に延長した。参加者は、「膨大なカネをかけてフェンスを張り巡らし、トンネルを作って闘う拠点を孤立させようとしている」などと怒りが噴出した。

 案山子亭では、加瀬勉さん(大地共有委員会Ⅱ代表)、平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)、山崎宏さん(横堀地区)、田んぼくらぶの仲間が出迎えてくれた。

 金城さんは、さっそく鉄塔階段を昇り、「抗議する農民」像と再会し、感激に満ちた笑みを浮かべる。あらためて像をめぐる歴史をふり返り、「この鉄塔に農民像が存在していることこそが、民衆の抵抗の象徴だ。国家権力は、カネと暴力によってなんでもやる。しかし、民衆の断固たる闘う意志さえあれば跳ね返していけることを、この場所は語り続けている。三里塚を闘った仲間たちが、全国に飛び散り、地域の闘いを担っていった」と力強く語った。

 案山子亭で交流会が始まる。

 山崎さんは、「空港用地内には、この横堀鉄塔、案山子亭、木の根ペンション、一坪共有地などの反対派の拠点が存在している。八月に北原派の現闘本部を強制撤去したが、あいかわらず力づくで排除する姿勢は変わっていない。一坪共有地裁判でも不当判決が続いたが、が、現在、控訴して闘いを準備している」と発言。

 加瀬さんは、「金城さんとは四〇年ぶりの再会だ。農民像は仁王立ちで空港反対だと立っている。像を眺めると『お前は権力に対してストップと本気でやったことがあるのか』とかならず言うんだ。芸術は永遠の生命を表現する力があり、空港反対などの社会性の二面がある。金城作品には永遠の生命力がある。三里塚と沖縄、反原発を結びつけて闘っていこう」とエールの交換をした。

 さらに「高木仁三郎さんは、いい仕事をしてくれた。高木さんの言うことをきいていれば、原発の悲劇はなかった。三里塚戦線でも高木さんは頑張ってくれた」と述べた。そして、加瀬さんは故・高木仁三郎さんを追悼する俳句を高木久仁子さん(成田プロジェクト)に手渡した。

 金城さんは、「闘いは哲学を生み出してきた。沖縄、靖国裁判は、ずっーと負けっぱなしだ。なぜ闘うか。抵抗の遺伝子をかならず子どもたちに伝えていく、進化させていく」とまとめた。

 平野さんは、東峰部落の状況などを語り、金城さんに三里塚のらっきょうと落花生をプレゼントした。

 ツアーは、交流会後、木の根ペンションへ。ペンション二階から成田空港全景を観察したが、騒音・排気ガスによる環境破壊が深刻であることを確認せざるをえなかった。

 ペンションを後にして、帰りのバスの中で今後の運動イメージなどを語り合いながらツアーを終了した。

          (Y)

【案内】 12.4三里塚・東峰現地行動

12.4三里塚・東峰現地行動


成田空港30万回発着を中止せよ 航空機騒音拡大・環境破壊を許さない 東峰住民の追い出しをやめろ 一坪共有地・団結小屋裁判の控訴審闘争勝利 すべての原発を停止せよ TPPに反対する


日時:12月4日(日)/集会:午後1:30/デモは開拓道路コース
会場:東峰共同出荷場
会場への行き方:京成東成田駅地上 午後12:40に集合 迎え車待機【時刻表:別掲】
主催:三里塚空港に反対する連絡会


ただちに原発停止・廃炉へ


 三里塚空港反対闘争は今、改めてその意義の重要性が明らかとなっているだろう。「国策」として農民の土地を奪い、民主主義を踏みにじり、国家権力の強権をもって、推し進められた空港建設のやり方は今も全く変わっていない。

 福島原発の事故によって明らかとなった原発の問題も同様である。東電をはじめ独占資本の利潤追求のために「国策」の名のもと労働者・市民の建設反対の運動を力で押さえ込み、地元には金をバラ撒き、建設を強行してきた。日本の原子力行政は、「核武装」化の野望を秘めていることを見逃してはならない。福島原発の事故は未だその「収束」の展望は見えず、放射能汚染は政府・東電・マスコミ一体となった隠蔽工作によって実態を明らかにされていない。

 福島の住民は放射能被曝に関しての不安は一向に解消されていないし、首都圏にまでその影響は及んでいる。静岡、神奈川、埼玉のお茶から、群馬、茨城、千葉の農産物から放射性物質が検出され出荷できなくなる事態が生じている。

 三里塚でも千葉県内の畜産家から買った堆肥が福島の稲ワラを飼料として与えていたため高い放射線値が示され使用できなくなった農家がある。原子力発電は住民の生活に重大な影響をもたらすものであり、ただちに全ての原発を停止・廃止すべきである。また、政府がいまだ目論んでいる原発の輸出を絶対に許してはならない。

 成田国際空港株式会社は空港用地内に点在する一坪共有地を裁判によって強奪せんと2009年、千葉地裁に共有者を被告として「共有物分割請求」を提訴した。金銭補償をするから共有地の所有権を手放せというもので、用地内木の根、横堀、東峰の6カ所、共有者約70名が対象である。2名(2カ所)を除き、横堀現闘本部をはじめとする4カ所(併合により3法廷)の共有者はいずれも空港会社の要求を拒否し、裁判闘争を闘い抜いた。

 9月に3つの裁判の判決が次々に出され、いずれも我々の主張を認めず、空港会社の言い分を容認するという不当な判決だった。空港会社の主張は共有地の大部分は会社が買収済みで共有者の持ち分は極わずかであり、空港施設に囲まれていて、持っていても利用できず何ら経済的価値を生み出さないというものだった。裁判所は、これを追認した。

 また、シンポ・円卓会議で確認された「強制的手段を用いない」という約束も「民事訴訟に訴えることまでには及ばない」と会社を擁護した。裁判所は、三里塚闘争の歴史的経緯を見ることなく、完全に空港会社の主張通りの判決を下した。司法権力を使った土地取上げは強制収用と本質的に何ら変わるものではない。共有者は直ちに東京高裁に控訴した。反対同盟、共有者は今後も裁判闘争を闘っていく決意を明らかにした。

成田空港30万回発着を中止せよ


 空港会社は現行年間22万回の離着陸回数を30万回に増やすため機能拡張の工事を強行しようとしている。平行(B)滑走路の「く」の字型に曲がった誘導路を直線化し、さらに新たな誘導路を天神峰地区に建設するというものだ。そうした工事のために天神峰現闘本部を破壊し、農民の土地を奪おうとしている。空港はLCC(格安航空会社)の参入、拠点化を決め、空港施設の整備を進めている。横堀地区では新たな監視塔が建てられ、工事が行われている。

 東峰住民追い出し、共有地強奪攻撃を許さず、三里塚農民と連帯して闘おう!


生活破壊のTPPは反対だ


 野田民主党政権は、アメリカと経団連の要求によりTPP締結に向けて大きく動き出した。TPPは日本の農業に壊滅的な打撃をもたらす。農水省の試算でも食料自給率は14%に落ち込み、340万人の農民が仕事を失うと言われている。その影響は農業に止まらずあらゆる産業分野に及び労働者人民の貧困と格差を生み出す。TPPを断固粉砕しなければならない。

 12.4東峰現地に結集し、共に闘おう!
 
京成電鉄時刻表
京成上野駅特急 10:47発→成田駅11:57着 成田駅乗り換え芝山千代田行12:06発→東成田12:12着 (帰りも車に分乗して東成田駅へ)

10.25不当判決糾弾!横堀・団結小屋破壊裁判

 10月25日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)は、横堀・団結小屋破壊裁判(建物収去土地明渡請求事件)で空港会社のバックアップのもとに原告となった地主・尾野良雄(元横堀農民)の主張を追認し、反対同盟に対して「工作物を収去して本件土地を明け渡せ」という不当判決を言い渡した。



一坪共有地運動破壊を許さない



 空港会社が大地共有委員会(Ⅱ)の連絡先でもある横堀・団結小屋の撤去を求める訴訟(2009年)を起こしたのは、なんとしてでも一坪共有地運動を破壊するためだ。原告は「住人は現在も空港建設に反対し、『一坪共有地』を守るため活動中の被告のメンバーであり、被告の連絡先となっている」から強奪する権利の構成要件が成立するなどと乱暴な主張を行ってきた。

 だが団結小屋が空港用地外に存在するために、わざわざ尾野を原告にして反対同盟を被告とした。そのうえで反対同盟が「住人に委託してこれら工作物に常駐させて占有を継続させ、もって自ら本件工作物の間接占有を継続している」というストーリーをデッチ上げた。

 そもそも団結小屋は、支援者自身のための団結小屋として、支援者自らの力によって建てられたのであり、支援の共有物なのである。反対同盟は多くの様々な支援者を現地に受け入れたが、それはすべて支援者自らの自立・自活・自前を大原則としていた。しかも横堀・団結小屋は、横堀部落との協同・協力関係のうえで支援が闘争拠点として建てたのだ。つまり、原告は、団結小屋の所有者が支援であるが、その関係を特定することができないために強引に反対同盟が所有者だとした。「工作物を収去して本件土地を明け渡せ」と命じる主体の存在がいないと困まってしまうからだ。

 反対同盟は、団結小屋は反対同盟の所有ではなく、支援者の共有であると反論し、「空港会社の請求は、反対同盟に当事者適格を欠く不適法であり、団結小屋の所有者たる実質的な当事者を誤ったものとして、速やかに棄却されるべきだ」と結論づけた。



「総有」論を動員して原告を防衛



 しかし地裁判決は、原告の主張を受け入れるだけではなく、「支援者らとしては、被告のために本件工作物を建築したものであり、支援者が関与した程度に応じて持分を維持する意思を有していたとは考えがたいから、被告構成員の総有とするのが当事者の意思解釈として合理的である」などと手前勝手な論理を作り上げた。

 「総有」とは、多数の者が同一の物を共同で所有する場合の一つの形態で各自に持ち分や分割請求権もないとうものだ。この「総有」概念を動員してまで、反対同盟の所有にしたいのだ。団結小屋が支援の共有物であることをなんとしてでも否定するための暴論でしかない。

 こんな不当判決を許してはならない。反対同盟は、控訴して闘いぬく決意だ。横堀・団結小屋破壊策動を跳ね返していくために控訴審闘争に支援・連帯を強化していこう。

(Y)
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