人民こそが英雄だ!そして闘争は続く
勾留されていたマレーシア社会主義党の全員を奪還
「ピープルパワーは勝利する!」奪還集会で気勢を上げる保釈された6人のPSMメンバー
7月29日夕方、最後まで拘束されていた6人のマレーシア社会主義党(PSM)のメンバー全員が釈放された。クアラルンプール・スランゴール華人会館でその日の晩に予定されていた抗議集会は奪還勝利集会に変わった。集まった400人の支援者は保釈された6人を歓呼して迎えた。
釈放されたPSMの国会議員でもあるジェヤクマルは支持者にこう語った。「政府はますます人々の支持を失っています。キャンドル集会やハンストでの抗議など、皆さんが政府に圧力を加えてくれた。そうでなければこんなに早く釈放されることは無かったでしょう。」
同じく釈放された別のPSM中央委員はこう語った。「釈放された6人が英雄なのではない。みなさんが、そして7月9日に街頭に繰り出した人民こそがこの国の英雄なのです。」
奪還勝利集会は、PSMの党旗とインターナショナルの合唱の中でクライマックスを迎えた。
この集会には、1957年の独立以来、政権にしがみついてきた統一マレー国民組織を批判し、7月9日の街頭行動を呼びかけたクリーンで公正な選挙を要求する運動体「BERSIH 2.0」の代表や人権団体「人民の声」の代表らも参加し、6人の釈放を祝福した。7月9日の闘争では「BERSIH 2.0」の呼びかけに応え全国から2万人が首都クアラルンプールに集まり選挙制度の改革を訴え、警官隊が暴力的に弾圧を行い、1600人が逮捕された。PSMは「BERSIH 2.0」には加盟していないが、協力関係を維持しながら同デモの参加を呼びかけていた。
公正な選挙を求める人々2万人が集まった7月9日のクアラルンプール集会
PSMのアルチェルバン書記長は今回の弾圧でも民衆が防衛的になることはなかったと語る。「今回の弾圧に対して多くの支持者がカンパを寄せてくれました。政府は『緊急事態法』を使って弾圧しましたが、多くの人はその弾圧を恐れることは無かったのです。これは極めて重要なことです。不正の無い選挙を要求する7月9日の街頭行動に何万人もが集まったことがその何よりの証です。」
6人を含む30名のPSMメンバーは、6月末に「もうたくさんだ!与党連合・国民戦線は退陣せよ!」のキャンペーンを展開中に、「王政との戦争、共産主義イデオロギー再生の試み」の容疑で逮捕された。そのうちの24名は10日間の勾留の後、保釈・起訴されている。
今回釈放された6名も8月3日に起訴された。容疑は共に、1966年制定の「社団条例」と1960年制定の「国家保安令」に違反して、非合法組織の反政府的な文書を所持・配布した、というものである。裁判所は、30人まとめて10月中旬に審理を行うと告げた。裁判所前では20名のPSMの支持者が支援行動を行った。
6月25日の不当な弾圧以降、マレーシア警察は、「PSMが元首に宣戦した」「PSMはマラヤ共産党の復活をもくろんでいる」「PSMは海外の特務機関と通じて政府転覆をもくろんでいる」「PMSはBERSIH 2.0の中心的組織である」などとデマを振りまいてきた。PSMはマレーシア警察の正副の警視総監はデマの責任を取り辞職すべきである、と要求している。
(H)
これまでの情報
・クアラルンプールの弾圧:自由・公正な選挙制度求める市民の運動に恐怖する支配者