虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

セントラル

【香港】オキュパイ運動の力を集中させよう-左派4グループ共同声明

hkad
金鐘オキュパイにつくられたアンブレラ運動のモニュメント

以下は、複数のオキュパイ拠点を金鐘(アドミラリティ)の拠点に集中しようという二つの主張である。二つ目の文章では、特にプチブルの憤激が極右運動を大衆化させる可能性を示唆している。社会的変革の激動において、プチブルが憤激も動揺もすることなどできないくらいの確固たる組織的な運動をつうじて、このような動揺と憤激の大衆的極右化の根を完全に断ち切る、というのが理想ではあるが、現状ではとてもそのような組織的な動員をかけられるほど社会運動の側が強力ではない、という現状判断が読み取れるだろう。(H)


ファシスト暴徒による平和的オキュパイへの
襲撃を放置した特区政府を強く非難し、
みなさんの力を金鐘オキュパイに結集することを呼びかける


香港の法治は基本的人権を比較的尊重するものであったが、それは今日破壊された。今日、旺角、銅鑼湾、尖沙咀などでファシスト暴徒とマフィアが平和的にオキュパイを行っていた市民とその拠点を襲撃する事件が発生し、100名以上の負傷者がでたからだ。われわれはこの事件を強く非難する。残念なことに、われわれの特区政府は香港人の安全を守らなかっただけでなく、暴徒が平和的オキュパイ参加者を襲撃することを放置した。これらの暴徒とマフィアは明らかに準備を整えてやってきたのであり、そうであるなら特区政府がそのことを全く知らないということはありえないのである。知っていて警備態勢をとらず、市民を守るために襲撃者をひとりのこらず逮捕しなかったのは、事実上これらの暴徒とマフィアに依拠して民主化運動に打撃を与えることにほかならないのである。このような状況は、かえってオキュパイ運動の正当性と切迫性を証明するものである。民主主義を実現ことこそが法治を保障するものである、と。

政府容認によるひどい襲撃において、これ以上の被害を回避し、無辜の民衆への影響を緩和するには力を結集しなければならない。われわれは、他の拠点から撤収して、金鐘のオキュパイ防衛に力を集中し、現在の重要な陣地--この陣地はこの一週間で本当の市民空間になっている--を防衛することを真剣に検討するよう、みなさんに呼びかける。専制政治を終わらせるには長期の奮闘が必要であることは我々も理解している。今回の運動によって勝ち取られた成果はできる限り活用することは当然であるが、現有の実力の消耗、とくに梁振英政権が戒厳令を宣言し全面的に弾圧を行う口実を与えないよう注意する必要もある。

今回のアンブレラ民主化運動は、押し寄せる大波のごとく大きな発展をみせた。運動の参加者は驚くべき文化的素養を発揮し、香港人の自決への渇望とともに、香港人にその能力があることを示した。われわれは権力エリート階級が一切を取り決めることを拒否する!われわれは民主的自治を要求する!われわれは真の普通選挙を要求する!

今回の運動の結末がどうなろうとも、この運動の登場そのものが、すでに最大の成果である。それは香港人の民主的覚醒を代表しているからである。これこそが民主化が最後には勝利することの保証である。

すべての暴徒を法によって裁け!
梁振英は辞任しろ!本当の普通選挙、本当の民主主義を実施せよ!市民の立候補を!
全人代の決定を撤回せよ!
民主万歳!人民万歳!

2014年10月3日

街坊工友服務處
社會民主連線
全球化監察
先驅社

原文は署名団体の一つ街坊工友服務処のサイト参照
http://www.nwsc.org.hk/desktop/content.php?id=345



なぜ旺角を撤退し金鐘に集中すべきなのか?

2014年10月5日
區龍宇

街工など四団体は昨日、人々は旺角を撤退し金鐘に集中すべきだという声明を発表した。

まさにそうすることが必要となっている。政府がすぐに弾圧するという理由や、こちら側の力不足などの理由はこれまでも語られてきた。ここではもう一点を補足しておきたい。旺角での襲撃はすべてが組織された極右暴徒による計画だったわけではない、ということだ。

襲撃者のなかにはプチブルによる自発的な部分もいた。旺角は多くの小店舗が軒を連ねており、彼らに直接なんらかの影響を受けていなかったとしても、心理的にはすでに極度に動揺していた。これらのプチブル(小ブルジョアジー)は、上からは独占的な土地ブルジョアジーからの搾取を受け、下からは雇人からの突き上げに遭い、つねに社会的保守の集団を形成している。

さらに重要なことは、かれらの計江基盤が極めて脆弱であり、わずかの経済的波乱でもすぐに破産に追い込まれる状況にある。このような状況が極度に波乱を恐れ、波乱を目の当たりにすると恐慌に陥るという階級的心理を作り出している。いったん恐慌状態に陥ってしまった人間は、なんでもやってのけることができる。経験のある社会運動の活動家の第一戒は、これらのプチブルを恐慌の淵に追いやってはならないということである。いったん恐慌のふちに追いやられたプチブルは、一切を惜しむことなく「秩序回復」のために、容易に極右暴徒を支持するだろう。

ここ両日、これらのプチブルは誰かれとなく攻撃をしている。私も前夜に何人かの女性を防衛しながら旺角のオキュパイ拠点を後にしたときに、知らない人から「あんたは誰だ」と聞かれた。わたしが教師だと答えると彼は突如豹変して「お前みたいな教師がこのクソ学生たちを育てたんだろう!」と食ってかかられた。こういう人間に道理を説いても無意味である。そのプチブル精神が彼ら自身に呼びかけているのである。「一切を惜しまず秩序を回復せよ!!」と。

オキュパイ・セントラル運動はこれらプチブルの怒りを買ってはならない。さもなくばそもそも大衆運動ではない極右が大衆運動に代わってしまうかもしれないからだ!

わたしは、学生連合、学民思潮、街工、社民連、工盟およびすべての団体が、旺角およびその他の拠点を撤退し、金鐘に集中するという声明をだすことを期待する。

だが、金鐘に集中したとしても、主要幹線を長期間占拠しようと考えるべきではない。われわれの運動は無数の民衆の支持はあるが、一方で運動には弱点もあり、当面は中国共産党の譲歩を引き出すことは難しいだろう。もし無理に道路を占拠しつづけたとすれば、深刻な弾圧に発展する可能性がある。

一時的な街頭占拠によって政府との対話を再開し、すくなくとも添馬公園[政府総部ビルの目の前にある:訳注]を学生と市民が管理する民主化公園とすることを政府に認めさせるべきだろう。このような民主化公園は政府にとっても目の上のたんこぶになるし、今後のアンブレラ運動の一大拠点として、民主化の宣伝と教育のセンターとなるだろう。政府が承諾すればそれに越したことはない。実際、承諾することで交通も回復するだろうし、林鄭月娥[香港政庁ナンバー2]のいうように、双方相討ちよりもずっとましである。われわれの運動自身も成果をあげることになる。

もし政府が承諾しなくても、主要幹線道路から撤退して添馬公園の拠点化に集中すべきだろう。これによって運動は敗北するのではなく、逆に政府が難題にぶち当たることになる。公園を占拠したところで、市民生活や政府の活動に影響はでないが、拠点の登場で民主化運動にさらなる勢いがでるだろうし、これによって運動が抱えるリスクもそう大きくはないからである。

これごときで梁振英政府が戒厳令や発砲など行った時には、それこそ人々の批判を一斉に受けることになるだろう。

もし運動の側が旺角を撤退しなければ、逆に多くの批判を我々が受けることになり、暴徒による極右大衆運動の発展に力を貸すことになるだろう。

もちろん拠点を公園に移したとしても、政府は攻撃してくるだろうし、戒厳令あるいは発砲の事態に至るかもしれない。そのようなやむを得ない場合にも公園からの撤退を行うべきだろう。しかしわれわれはそれによって大衆の支持を勝ち得ることができるだろう!今日という日を失うべきではない!このチャンスを失うべきではない!自ら運動を袋小路に追い詰めてはならない!

とまれ、現在の力関係から考えれば、この運動は長期的な闘争にならざるを得ないだろう。だからこそ実力を蓄えておかなければならない!そう思うものはこの主張を拡散してほしい!

原文は香港独立媒体を参照
http://www.inmediahk.net/node/1026870

【香港】香港人の民主的コミュニティの誕生ーー「アンブレラ運動の共同綱領」の提案

香港人の民主的コミュニティの誕生
「アンブレラ運動の共同綱領」の提案

區龍宇

今回のアンブレラ運動は香港人による驚異的な民主主義の実践能力を示した。十数万の人々が混乱することなく、しかも自ら秩序を維持しつつ、相互の尊重し認め合っている。長年にわたり香港の人々は一種のアイデンティティの喪失状態にあったが、今回の運動はこの問題を初歩的に解決した。香港人はすでに新しい立場をもつことになった。それは香港人の民主的コミュニティである。

人類社会はコミュニティをつくることで生存が可能になる。しかし「コミュニティでは平等な政治権力を実施し、民主的な手続きで政策をきめなければならない」という概念が一般的となったのは近代社会以降のことである。中国そして香港はその後塵を拝している。1989年の中国の民主化運動において、初めて広く民主主義が叫ばれたが、それは人々が奴隷思想から抜け出しはじめたことを示しており、それに刺激を受けた香港人も同じような訴えを抱くことになった。しかし香港人は今日になってやっと、広範な動員をつうじた権利の獲得に動き始めたのだ。

現在、香港の街頭では民衆アセンブリーが登場しており、人びとは自発的に意見を表明したり相互党論を行っている。民衆アセンブリーを至る所で花開かせよう!われわれもさら様々な方法で組織化を進めなければならない。組織化こそが民主的コミュニティの骨格をうちかためることができるのだ。

この一週間の運動の深遠さから、この運動における絶対的多数の参加者にある種の共通点があることをわれわれは理解している。しかし、生まれたばかりの香港人の民主的コミュニティを健やかに成長させるために、一定の定義づけが必要だとおもわれる。まず、民主的精神とはネルソン・マンデラが言ったように、自らの権利を実現するためだけではなく、すべての人の権利を実現するものでなければならない、ということである。そう考えると、われわれは香港の全面的民主化を実現すると同時に、中国国内の民衆の民主的訴えも支持すべきなのである。われわれは香港人の政治制度の自主性と高度な自治の権利を追求しているが、香港独立を追求するのでも、また中国からの離脱を求めているのでもない。

つぎに、民主的コミュニティであるがゆえに、それは政治制度だけにとどまらず、コミュニティのすべての人の生存権や労働における尊厳が保障されなければならない。しかし1%の人々が経済を支配し、99%の人々の生存には保障も尊厳もないという格差が存在する現在の状況は、まさに民主主義に反することなのである。それゆえ、今回の全面的なオキュパイ香港運動において、独占財閥と専制政府に対する不満の声が至る所で耳にするのも、なんら不思議ではないのだ。民主主義は生存権の保障とかい離することなどできない。これが共通の訴えなのである。この訴えにはすくなくとも、労働時間規制、皆年金制度、団体交渉権が含まれるべきである。[香港では英植民地時代から中国返還された現在も、これら労働者を守る規制は存在していない:訳注]

いま運動には共同綱領が緊急に必要である。目標を明確にし、最大多数の参加者を団結させ、あわせて運動が陥るかもしれない不利な局面の主張とはっきりと境界を引くべきである。

運動は「選挙改革の五つの手続きをもう一度やり直す」などという要求を提起してはならない!これは袋小路にしかならないからだ!

香港人は自身の行動、汗と涙によって、中央政府に対して自らの要求を押し通す決意を示した。それゆえ選挙制度改革における明確な目標は次のようになるべきである。

・2017年の行政長官選挙における市民立候補の要求の堅持
・2016年の立法会選挙で、職能別議席を廃止して完全な普通選挙の実現の堅持
・基本法の変更は香港人の要望に沿ってのみ行われるべきであり、逆であってはならない
・自分たちの政府は自分たちで選ぶ!

運動はもちろん非暴力を堅持すべきである。しかし緊急の事態に対しては、心の準備をしておかなければならない。暴力を制止するためには、必要な力や方法を行使して相手の暴力を阻止することも必要である。そのためには広範な民衆によるピケット隊を組織する必要がある。

以上の提案は、コミュニティの一員としての意見である。市民からの多くの批判や意見が提起されることを望んでいる。これこそが民主主義である。

希望は人民にあり、変革は抵抗から始まる!

2014年9月30日 黎明
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