虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

コロナ禍問題関連

【東京都知事選2020】小池知事は宇都宮けんじさんの質問状に誠実に答えよ

Eb2BnV6VAAES9jO 7月3日、宇都宮さんが出した公開質問状に対して小池都知事がFAXで宇都宮さんに回答を送付した。

2日に続き陽性者が100人を超えて都のコロナ対策に疑いがもたれて
いる時に出された公開質問状なのであるから、本来ならばFAXで宇都宮さんに回答してすませていいような問題ではない。

小池都知事は、情報公開が都政改革の一丁目一
番地と言ってきたのであるから、公開質問状が出されたこと自体を広く都民に知らせなければいけないはずであり、公開質問状に対する回答を合わせて都民に公表するべきである。

コロナ対策は都民の命の問題である。命の問題に関する政策に疑義がもた
れているのだから、積極的に応答するのが現職としての責務である。

 小池都知事の回答に対する宇都宮さんの会見が先ほど行われ、宇都宮さんのコメントも公開された。小池都知事の回答は極めて不誠なものでしかない。あと1日、小池都知事の嘘と宇都宮さんの誠実さを象徴する公開質問状を広げよう。
http://utsunomiyakenji.com/4301)

【第四インターナショナル声明】パンデミック、経済不況、新自由主義 - 歴史的大転換宿す世界

MW-II685_seattl_20200616140936_ZQ(アメリカ・シアトルでは青年と市民のデモ隊が3週間に渡って市中心部を占拠して「自治区」を現出させた)





パンデミック危機は巨万の生命を脅し、地政学的危機をも加速中


2020年6月8日 第四インターナショナル執行ビューロー


 パンデミック、経済不況、新自由主義が作り出した構造的格差と抑圧の可視化、世界システムの覇権をめぐる地政学的対立、差し迫った環境崩壊の詳細な未来像……こうしたものすべてが二〇二〇年に一度に起こった。われわれの世代にとっては前代未聞の世界的パンデミックに人間全体が直面したのである。

パンデミックは、世界中で四〇万人以上の死者(六月八日現在で四〇万一千人)を出し、公式に記録された感染者は二一六カ国で六八〇万人以上にのぼった。三月後半、ロックダウンがアジアに波及し始める以前に、三〇〇万人以上の人々が自宅に隔離されていた。

現在の時点で、どの程度まで流行の第二波があるのか、そしてウイルスが突然変異するかどうかを判断するのは不可能である。

医療問題以上のもの


これは長期的に続いている諸プロセスが凝縮した瞬間である。エコロジー危機、新自由主義の限界と格差、古い帝国主義と中国の間でのヘゲモニーをめぐる地政学的闘争といったさまざまなプロセスは、それぞれ相対的に自律的な発展を遂げてきたのだが、いまや爆発的に集中している。一九四五年に形成された世界を構造的に変えつつあるプロセスが生じており、相互に作用し合っている。それは間違いなく歴史の道程における分岐点であり、すべての政治的当事者にとって大きな賭けの瞬間である。

われわれは諸危機の集中点の中にいるが、それは危険に満ちていて、資本主義文明の危機であり、二〇世紀の世界大戦以降でもっとも深刻な危機なのである。これはグラムシが有機的危機と呼んだものである。すなわち、ブルジョア権力のまさにその構造の中に裂け目が現れはじめ、ブルジョア権力による普遍性の主張が崩れはじめる。そして、以前の覇権的主張がその本当の姿―資本主義の安定性を確実にする手段―を白日のもとにさらけ出すのだ。社会的合意は悪化し、資本家の主張はもはや公共の福祉に対応しているようには見えなくなる。「病的症候群」が現れはじめるとともに、政治的分裂が発生し、エコ社会主義的反資本主義者だけでなく、極右にも獲得の可能性がある政治的な空間が開かれていくのである。

われわれが連帯にもとづいた健康政策を提案するとき、その要求が資本主義によって設定された枠組みを超えることは明らかである。われわれの健康は生活環境次第である。それはきれいな空気を呼吸するかどうか、汚染されていない水を飲めるかどうか、高品質の食料を手に入れることができるかどうか、都市が居住に適した環境であるかどうか、などにかかっている。

手短に言えば、それはわれわれが良く生きるかどうか、われわれの賃金が良い生活を保障するに足るものであるかどうかにかかっている。健康は肉体・社会・文化・環境の問題であり、人間的に豊かな生活のための基礎である。資本主義によって生み出された生活状況のもとでは、われわれは社会・文化・環境の面で良い生活を送ることができないために、連帯にもとづく健康政策は資本主義によって設定された限界を超えるのである。

エコロジー危機

 森林伐採、資源略奪、資本主義的生産性、エコシステムの破壊、監禁状態での動物飼育の増加、食肉需要の増加によって、ウイルスはより容易に、より頻繁に種の境界を跳び越えるようになった。一九六〇年以降に出現した新たな病気の四分の三は、動物由来感染症である。この中には、エボラ出血熱、エイズ、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、そして新型コロナウイルスが含まれる。貿易のグローバル化はウイルスの急速な世界的拡散を導いた。巨大都市とそれと結びついたスラムの増加は、人間間での伝染のスピードを加速させている。それゆえに、新型コロナウイルスのパンデミックはグローバリゼーションのさまざまな影響の相互作用の結果である。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、二一〇〇年までには世界の平均気温上昇が六℃に達すると予測している。そのことは、大陸域のほとんどや北極海でのそれ以上の気温上昇と著しい海面上昇を引き起こし、熱波、森林火災、干ばつ、洪水、破壊的なハリケーン・台風のような異常気象がますます頻繁に、激しく発生することを意味している。これにより、三五億人の人々が海岸地帯や熱帯地方を含む陸地の一九%から離れざるをえなくなるだろう。気候破局は、それ以外の環境的なティッピング・ポイント(臨界点)(訳注)―生物多様性の著しい喪失、森林伐採、きれいな水の不足―とともに、新型コロナウイルスの影響よりもずっと恐るべき結果をもたらすだろう。しかし、パンデミックは、そうした災厄の世界的犠牲者がどうなってしまうのかをわれわれに教えてくれている。

世界には、アグリビジネスが、パンデミックの瞬間を、自然破壊を引き起こす資本主義プロジェクト推進のために利用している地域がある。これが起きている一つの例はブラジルである。ブラジルでは、今年三月と四月にアマゾン熱帯雨林の伐採が、昨年同時期と比べると二九・九%も増えた。この森林破壊の進行は、アマゾンの諸民族、とりわけ先住諸民族の集団殺戮の進行でもある。先住諸民族はすでに新型コロナウイルスによってもっとも影響を受けている集団の一つなのだ。エコ社会主義組織であるわれわれが、アマゾン熱帯雨林およびパンデミック期間中における先住諸民族の健康の国際的な防衛を繰り返し述べることは必要不可欠なことなのだ!

(訳注:ティッピング・ポイントとは、それまで小さく変化していたある物事が、突然急激に変化する時点を意味する語。環境破壊や地球温暖化に関して使われる場合、それがある地点=ティッピング・ポイントを超えると、不可逆的・爆発的に進行して、取り返しのつかない事態となることを示す)。

地政学的・地理経済的影響


アメリカ合衆国と中国の双方が攻撃的に作り出している二極対立の中で、ヘゲモニーをめぐる議論が明確となり、それは好戦的なものとなっている。

中国は、半世紀にわたって、アメリカ合衆国との戦略的パートナーシップの中で発展してきた。オバマ政権はすでに、二〇一五年に締結した環太平洋連携協定を通じて、その土台を掘り崩そうとすることにより、中国の恐るべき発展に対処しようとしたのだった。しかし、トランプ・プロジェクトによって推進された地政学的再配置の一部として、トランプ政権は二〇一七年一月にその合意を非難し、北京が主導権を発揮できる空間をそのまま残した。北京はワシントンの国家主義的保護主義に直面して、自由貿易と経済グローバリゼーションの旗手としての位置を占めはじめた。

この同盟関係の崩壊は国際社会のすべての領域に影響を及ぼしてきた。それゆえ、アメリカ合衆国とヨーロッパ連合(EU)は、この面から弱体化しつつある。EUはすでにブレグジットによって打撃を受けていたが、もっとも大きなダメージを被ることになるだろう。危機に際してヨーロッパ全体として医療手段を動員できなかったことは、EUに打撃を与えることとなった。つまり、危機がヨーロッパに及んだときに加盟国は協力して行動しなかったばかりか、一方的に国境を閉鎖し、自由な移動を中断し、調整もなしに運輸ネットワークを停止してしまったのである。何週間もの間、イタリアは、フランスや(医療用品や設備の輸出を停止した)ドイツのような近隣諸国からも、EUレベルにおいても、いかなる援助も受け取ることがなかった。備品供給に関しては、中国がもっと多くをおこなった。キューバはアメリカ合衆国による犯罪的な封鎖にもかかわらず、二〇カ国以上に医療団を派遣した。

スペイン、ギリシャ、イタリアのような債務国は、二四〇〇億ユーロのパンデミック危機特別支援枠をもつEFSM(ヨーロッパ金融安定化メカニズム)の方に誘導されている。このメカニズムは、借金と引き換えに、緊縮政策や公共サービス削減を強制するのである。

アメリカでは六月初めには四千万人が失業手当を申請し、(IMFによると)年末にはアメリカ経済の減少幅が五・八%にまで達すると予想されている。社会危機(と現在進行中の人種差別に抗議する反乱の波)を背景として、アメリカでは一一月に選挙が予定されており、それは国内および国外の政治状況の道筋を示すものとなるだろう。
トランプは(詐欺行為を含む)すべての可能な手段を用いて、再選をかちとろうとするだろう。しかし、彼の目標は達成困難である。国民の半数の間での彼の威信は大きな影響を受けている。アメリカにおける現在の急進化した広範な動員の爆発は、歴史的な社会的・人種的格差、新たな世代によって蓄積された政治的不満と経験、(黒人コミュニティに対してより大きな影響を引き起こした)トランプ政権によるパンデミックへの破滅的な対応という状況の中で発生している。

より貧しい国々では、人々は健康被害と経済的影響の両方に同時に直面している。ブラジル、ペルー、チリ、メキシコでは、感染者数が実際に増加している。ブラジルでは、医療専門家は六月に新型コロナウイルスの感染爆発が起こると予見しているが、それはボルソナロの犯罪的行動によって増大している。ブラジルは急激に悪化しつつある医療危機と経済不況・深刻な構造的危機とが結びついている。ボルソナロはさらに孤立を深めているが、彼のファシスト・イデオロギーという基本的支持基盤に訴えかけている。彼は国家警察、軍隊、武装集団に支援され、あからさまな独裁的方法で支配するために議会と最高裁判所を閉鎖している。

アフリカと中東においては、医療システムは最悪のレベルにあり、それは戦争状態によってさらに悪化している。病人数が少ない中でも、エピデミックのリスクが既存のリスクに加重されている。アフリカにおいては、たとえば、二〇一八年にマラリアによって三八万人、結核で六〇万七千人、栄養失調で二~三百万人が死亡した。

各国人民は、より強化された緊縮策、低開発・食料依存・債務の深刻化、多国籍企業・国内大企業による経済・資源支配に深刻に直面するだろう。これらはアラブ地域での革命的プロセスの引き金を引いたのと同じ要因であり、新型コロナウイルス後の新しいサイクルにとって新たな原動力を与えるだろう。
V字型回復が起こるかはまったく不確かなため、資本家グループや政府はより攻撃的になりがちである。資本主義が打倒されない限りは、さまざまなより良い「次の世界」は単なるユートピアになるだろう。「次の世界」はより不平等にさえなるだろう。反資本主義的オルタナティブのための闘いはますます緊急のものとなっているのだ。

新自由主義的モデルの危機

 この危機はグローバリゼーションにその根拠を持っている。以前からある危機はすべて、このパンデミックの後には深刻化しているだろう。その上、新型コロナウイルスは、(バリュー・チェーンを通じた、そして被支配国の生産を大企業集団の利益に適応させることを通じた)最大価値の追求や成長とはほとんど無関係な利益率の追求に深く規定されているグローバル化した資本主義生産システムのもろさを暴露した。にもかかわらず、次の数カ月間における資本家の目標は、できるだけ早く「いつも通りのビジネス」を推し進めることなのである。

ここ数年で、グローバリゼーションと緊縮政策を強調することの限界はすでに明らかになっていた。二〇〇八年の金融危機以降、主要中央銀行は、アメリカ連邦準備制度、ヨーロッパ中央銀行、イングランド銀行を含めて、経済システム全体を持ちこたえさせるために巨額の資金を民間銀行に注入した。同時に、実質ゼロ金利あるいはマイナス金利にすることで、各国と資本主義企業の負債額はアメリカとヨーロッパの両方で急増した。

銀行やそれ以外の部門の資本主義大企業は、中央銀行が豊富に分配した財政手段を生産的投資には使わなかった。それらは金融資産を取得するために使われたのである。このことによって、株式市場、債券市場(たとえば債務の債権化)、そしていくつかのところでは不動産部門において、投機的なバブルが作り出された。すべての大企業はこの危機の当初において過重債務状態となっていたのだ。

深刻な社会危機

 新型コロナウイルスは、生産・製品輸送・需要の急激な中断という影響を与えた。

パンデミックによる打撃が比較的小さな地域でさえ、たとえばアフリカ(六月七日現在において五一二五人の死者、そのうちアルジェリア・カメルーン・エジプト・モロッコ・ナイジェリア・南アフリカ・スーダンだけで三五〇〇人以上)においてさえ、中国での危機やアメリカ・EUの危機が経済・社会レベルでの深刻な影響をもたらしている。世界食料計画は二〇二〇年一年間に、深刻な食料不安が憂慮される人々の数は、とりわけアフリカと中東において倍増すると予想している(二〇一九年には戦争と気候変動のために一億三五〇〇万人が食料不安に陥っていた)。

この危機の影響は、いくつかの国における労働者階級のもっとも貧しいセクターに飢餓の亡霊を呼び戻している。この中にはとりわけ、労働世界から排除されている人々、あるいはまったく労働権を持たないまま不安定なやり方で労働世界に参入している人々、いつも民族的・社会的条件によって排除されている特定の人種の人々が含まれる。

それが、飢餓と闘うための階級連帯の呼びかけを組織しようとする社会運動のイニシアチブが決定的に重要である理由であり、そのイニシアチブが貧しい地域における政治組織にとっての能力に直接的影響を与える理由である。(とりわけブラジル、アメリカ、ヨーロッパにおける)黒人コミュニティや移民コミュニティによる運動が、こうしたイニシアチブを主導してきた。そのことはパンデミックに対する大衆的抵抗を組織する上で決定的役割を果たしている。

食料生産は、現在では、各部門で支配的な一握りの大企業の手に集中している。生産されているものの多くは人間の健康にとってかなり有害である。安価で満腹感を得られるため、ジャンクフードは貧困層にもっとも悪影響を及ぼす肥満や病気の大きな原因となっている。

労働者の雇用と生活条件劣化


労働者階級(われわれはその中に貧しい農民を含めている)は、直接的には死者の数によって、間接的にはレイオフ、雇用喪失や活動停止、賃金カットによって、新型コロナウイルスの主な犠牲者となっている。

たとえばアメリカ、ブラジル、フランスでの最初の研究によれば、どの研究においても、民衆諸階級が新型コロナウイルスによる死者という点で主な犠牲者となっている。ILOの推計によれば、三三億人におよぶ勤労人口のうち、五分の四以上が労働現場の全面的閉鎖、あるいは部分的閉鎖によって影響を受けてきた。アメリカでは、四月に二千万人の雇用が失われ、三月からの新たな失業保険申請は三千万人にのぼった。イギリスでは、三月一六日から三一日までの間に九五万人の失業保険新規申請があったが、これはいつもの一〇倍に達するものだった。ヨーロッパでは、短時間就業の割合が急増した。ドイツでは、五〇万社近い企業が三月に短時間就業を採用した。これは二〇〇八年金融危機後の一カ月間の二〇倍以上になる。

アフリカ、ラテンアメリカ、アジアでは、仕事場のかなりの部分はインフォーマル経済の中に存在している。それはインドでは九〇%にも及んでいる。こうした「正規のルートによらない」労働者は、新型コロナウイルスで収入を失い、実質的に社会的保護を受けておらず、失業手当の対象でもなく、医療サービスもほとんど利用できないでいる。

多くの国々で、こうした労働者のかなりの部分は移民であり、農村部から都市へと流入した国内移民(インド、アフリカの多く)か、あるいは他の国からの移民(湾岸諸国ではアジアから、アメリカでは南アメリカ・中央アメリカから、など)のどちらかである。こうした労働者は、経済破壊だけでなく、レイシストによるスケープゴートにもされるという意味で二重に弱い位置にある。

ILOは、世界中で一六億人の人々―世界のインフォーマル労働者の四分の三にあたる―が、第二四半期に自らの生活手段を失うリスクがあると予想している。ILOの推計では、世界の労働時間の六・七%が第二四半期に失われ、これは一億九五〇〇万人のフルタイム労働者が週四八時間働くのに相当する。このうち、一億二五〇〇万人分はアジアで、二四〇〇万人分は南北アメリカで、二〇〇〇万人分はヨーロッパで失われるという。アフリカ連合による調査によれば、二〇〇〇万人の雇用がアフリカ大陸で失われ、債務が増加するとされる。

差別は一段と悪化させられた


一般的に言って、労働者階級の中でもっとも不安定な人々がウイルスによって直接・間接に一番大きな影響を受けた。ニューヨークでは、ブロンコスに住む黒人であり、アメリカ全体ではネイティブ・アメリカンであり、黒人である。パリ地区では、セーヌ=サン=ドニ県に住む特定の人種の人々であり、ブラジルではスラム(ファベーラ)の黒人である。インドでは、街頭で暮らしたりスラムに住んだりする人々の相当部分がムスリムであり、彼らはモディ首相が非常に急いで、残忍なロックダウンを強制したとき、地主や州当局によってただちに追い立てられた。その結果、人々の巨大な移動が生み出された。フィリピンでは、七万人以上の海外出稼ぎ労働者が、パンデミックの結果として帰国せざるをえなくなるだろうと推計されている。この中には建設現場で働いていた人々もいるが、多くはクルーズ船を含む接客業で働いていた。

こうした人々はすべて、より高い罹患率、より不安定な食料・居住状況、働き続けるためにあちこちを動き回る必要性の犠牲者だった。

ヨーロッパ、アメリカ合衆国、カナダ、ラテンアメリカ、インド、中国、中東では、女性に対する暴力とフェミニサイド(男性による女性の殺人)がそれ以前と比べると三〇%から一〇〇%も増加した。
アメリカ合衆国、カリブ海沿岸地域、南アメリカ(とりわけブラジル)では、アフリカ系の人々が、その大多数が貧困な状態にあることを考えると、パンデミック、失業、インフォーマル部門からの収入の喪失、国家による暴力でもっとも被害を受けている。

すべての国外退去させられた人々、難民、シリア人、パレスチナ人、ウイグル人、バングラデシュのキャンプにいるロヒンギャの人々はこの状況によってさらに大きな影響を受けている。

アラブ湾岸諸国では、南アジアからの何百万人もの移民労働者が、仕事や収入がないもっとも不安定な状況に置かれている。

貧しい家庭出身の生徒や大学生は、教育機関が物理的に閉鎖され、コンピューターやインターネットへのアクセスを全員に保障するという動きがないままに授業がオンライン化されたことによって大きな被害を被ってきた。もっと年少の子どもたちにとっては、特に家庭環境において十分な支援がないことによって、被害を受ける可能性が高い。

民主主義的自由への攻撃も助長


多くの国が緊急事態を封じ込めるという観点から、民主的権利に対する規制を導入してきた。多くの国において、特例法が制定され、反対する者は逮捕されている。たとえばフィリピンでは、ドゥテルテ大統領が新型コロナウイルスを人民管理の抑圧政策を拡大するために用いた。同じことが香港でも起きている。北京政府は民主的権利への新たな制限を導入しつつある。ラテンアメリカでは、たとえばブラジル、チリ、エクアドル、ボリビアでこうした例が見られる。多くの国では、実行されている抑圧・管理措置は、新たな追跡技術や監視技術をともなう新たな政策手段を実験する機会となっている。

明らかに、その目的はこれらの手段を永続化させることにある。資本主義的政策がもたらしたさまざまな結果に反対する数多くの動員があったあとで、新型コロナウイルスが多くの国に達したので、ますますそうなっているのだ。たとえば、香港、アルジェリア、チリ、フランスがそうした例である。社会的に不公正な状況を拡大させたために、支配階級は当然にも社会的動員の再燃を恐れているのだ。

それでもやはり、新型コロナウイルスにもかかわらず、すでに香港では人々が北京政府の反民主主義的な法律に反対して街頭に出ている。ブラジルでも広範な運動がボルソナロの弾劾を要求して組織されつつある。われわれは次の数カ月間において多くの社会的・政治的動員が起きることを予期できる。

ミネアポリス市警の警官によってジョージ・フロイドが処刑されたことに反応したアメリカでの現在の爆発は、トランプの対ウイルス政策によって黒人コミュニティがより大きな影響を受けている中で、そして「黒人の命は大切」運動が展開されているという状況の中で起きている。

社会運動と反資本主義者は攻撃的政策の暴力に反対して団結しなければならない


  医療危機が依然として存在しており、支配階級の唯一の目標が自分たちの利益を再構築することである中では、労働者階級にとっての脅威は二重のものとなっている。事業閉鎖やレイオフが増加し、賃金が支払われなかったり削減されたりするだけでなく、労働権を保護する法律(それが存在するところでは)は緊急措置の期間中に広範囲にわたって問題にされてきたが、その狙いはそうした措置を延長することである。インドでは、モディ政権がこの方向で各州に圧力をかけ、ウッタルプラデシュ州やマディヤプラデシュ州では、健康法や新たな活動のための安全規則、解雇の促進などと一緒に、労働組合の諸権利の一時停止が実施されている。

 ドイツ、スペイン、アメリカ、ブラジルなどさまざまな国において、ロックダウンの間に、人種差別主義、外国人嫌悪、あれやこれやの陰謀説、国家主義、白人優位主義などを掲げて、極右グループがロックダウンに反対するデモを組織した。それ以外では、インドにおいて、(二億人の)ムスリムが「エピデミックに責任がある」と非難するレイシストのキャンペーンの犠牲者となっている。こうしたグループは、ロックダウンの間やその後に、多くの国で存在する社会的・政治的危機に寄生しているのだ。

 しかし、数多くの国において、ロックダウンにもかかわらず、社会運動、労働組合、民衆コミュニティが活動していた。それは、監禁状態になる前に労働組合、政治組織、社会運動によって実行されていた多くの行動や動員の継続としてであった。そうした行動や動員の例としては、性的暴力やレイシストによる暴力に反対する動員、住居の権利を求める動員、フランスの医療労働者の闘いのような被雇用者の闘い、チリ・レバノン・アルジェリア・香港における反緊縮・民主主義運動、そして過去数カ月におこなわれたクライメート・ジャスティスを求める動員などがあげられる。

 いくつかの国では、これは相互援助という新たな社会運動の成長へとつながった。その新たな運動は、現在の状況において「国の中で、国に反対して」活動するという興味深い問題を提起している。それはおそらく長期間にわたって、同じような規模では今まで存在していなかったようなコミュニティ組織を作るという問題なのである。新型コロナウイルス、そしてわれわれが生活する社会についてそれが明らかにしたことによって、こうした動員や運動は、活動を継続させ、成功させるという決意を強くすることができた。

労働の再評価と自己組織化へ


 多くの自己組織化された労働者人民のイニシアチブが、ロックダウンの期間中に、抵抗している諸領域から、農村部と都市の双方において、生まれてきた。人民からの、あるいは組織された諸セクターからのこうしたイニシアチブの例としては、小農民、先住諸民族、失業者、大都市周縁部での人々やコミュニティ、フェミニストの連帯ネットワークなどがある。こうしたイニシアチブは非常に興味深いオルタナティブを作り上げている。たとえば、伝染を確実に防ぐために布製マスクを人々に提供する共同工場のとりくみ、食料の提供やオルタナティブな生産、公的医療システムの防衛とそれを誰でも利用できるという要求、家庭で孤立している間に女性に対する暴力のエスカレーションが増えるとともに女性が担っている厳しい介護労働も増えていることへの非難などが挙げられる。

 危機の結果の一つは、非常に広範囲な民衆諸階層に、使用価値を生み出す種類の労働―エッセンシャル・ワーク―と利益を生み出すためだけに存在する種類の労働とがあることを明らかにしたことである。労働者階級のコミュニティがこの重要な労働に与えている価値を印象付けた行動によって、一般的に言っても、より特別な意味でも、医療・介護における社会的再生産という労働が重要であることが示された。家庭の中であっても、公的セクターあるいは民間セクターのいずれかで(低い)対価を支払われていても、同じように重要なのである。

 多くの国では、医療労働者への感謝の気持ちで始まった行動(拍手を送ること)によって、彼らの視野が広がり、すべての必要不可欠な労働者(エッセンシャル・ワーカーズ)、とりわけ郵便、輸送、食糧分配、小売サービスで働く労働者をも含めるようになった。こうした部門で働く者の多くが女性であり、黒人であり、移民であるということが明らかにされた。

 同時に、航空輸送の顕著な減少、そしてもう少し規模は小さいが道路輸送の著しい減少は、予期していなかった成果をもたらした。それは、「通常は」スモッグで息苦しい何千という都市で大気汚染が減ったことであり、さらに騒音が減ったことにより、この数十年間で、あるいはこれまでで初めて、多くの人々が鳥の歌声を聞けたことである。

 多くの社会運動の中で、そしてあちこちの労働運動の中で、「#ビルド・バック・ベター」というスローガンのもとで討論が始まっている。それは、「常態」というのが、おびただしい富の中での貧困、ホームレス、安全でない労働条件、女性に対する暴力、黒人や移民に対する差別、汚染やフードマイレージ(訳注)、他の側面での環境破局を意味していることを問題にするものだ。

 ロックダウンの期間中やそれが解除された後、多くの行動や労働者のストライキが起こっている。それらは、安全、不必要な生産の閉鎖、労働権の保障、賃金の支払いを求めている。たとえば、多くの国で、アマゾンで働く労働者やケータリング、輸送、物流(配達)部門の労働者が行動を起こしている。

 それゆえ、次の数カ月間における社会運動の絶対必要な任務は、雇用、社会的権利、民主主義的自由に同時に影響を与える社会的攻撃の波に直面している民衆諸階級の健康と権利を守るために、彼らを組織することであり、さらに人間と環境との持続可能な関係を再構築することである。

 (訳注:フード・マイレージとは「食料輸送距離」のことで、輸入食糧の総重量と輸送距離を掛け合わせたもの。食料の生産地から食卓までの距離が長いほど、輸送にかかる燃料や二酸化炭素の排出量が多くなるため、フードマイレージの高い国ほど、食料の消費が環境に対して大きな負荷を与えていることになる)

医療、住居、雇用、賃金、教育、移民、環境への要求が緊急


*あらゆるところで、とりわけパンデミックで打撃を受けた地域において、検査キットを利用できる人を大幅に増やすために有効な手段および蘇生病床・人工呼吸器の増設に資金を投入すること。適切な保護マスクと生物学的検査をすべての人々に普及させること。

*労働者の健康保護がおこなわれている場合にのみ経済活動を再始動させること。保護手段(マスク、ジェル、ゴーグル、手袋)をすべての被雇用者に提供すること。安全条件が遵守されない場合、被雇用者の保護および仕事から離れる権利の即時行使を認めること。

*仕事を一時停止した労働者の賃金について、休暇をとる、あるいは勤務しなかった時間を後で補填するという義務を課すことなく、企業/国が一〇〇%の責任を負うこと。その中には、移民労働者、不安定労働者、一時的労働者、家事労働者、フリーランス労働者、季節労働者が含まれること。雇用者が危機の間の賃金支払いを拒否した場合には、被雇用者の賃金を支払う義務を国が持つこと。政府は賃金を支払わないという罪を犯した企業に罰金を科すことによって、この介入の費用を回復しなければならない。

*きちんと生活するのに十分な額を保障されたミニマム・インカムを、インフォーマル部門の労働者、失業手当を支給されていない失業者、学生、それが必要な者すべてに国が提供すること。

*資本家グループによる解雇や事業閉鎖をすべて禁止すること。パンデミックが始まって以降に解雇された被雇用者を復職させること。

*学生・教員にとって安全な状況のもとで学校を再開すること。授業がなかったことにより学生に不利な扱いをおこなわないこと。

*ストライキ権を含む社会的権利を一時停止する独裁的で特例的な措置を禁止すること。とりわけロックダウン解除後にこうした措置を継続することを禁止すること。

*借家人の立ち退きをすべて停止すること。賃料、個人ローン、水道料金、エネルギー料金を一時猶予すること。住居が不安定な人々や住居を持たない人々に適切な住居を提供すること。空き家を接収すること。

*障害を持つ人々、高齢者、ロックダウンによって社会的に孤立している、あるいは孤立してきたすべての人々のために適切な社会的介護を提供すること。

*暴力の犠牲者である女性や子どもたちのために、ただちに緊急の保護措置を確立すること。暴力を振るう配偶者を排除する、あるいは犠牲者のための他の住居を提供する決定をすみやかにおこなうこと。重要な医療処置としての避妊・妊娠中絶を必要なときに利用できるよう保障すること。

*閉じられた難民センターを衛生設備のある開かれた受付センターに転換すること。すべての「不法」移民や難民をただちに合法化すること。すべての社会保護システムを利用できるようにして、あらゆる排除をやめること。超過密状態にある難民収容所、とりわけレスボス島にあるモリア収容所やアメリカ・メキシコ国境沿いの収容所をただちに閉鎖すること。


民衆諸階級の利益と社会的必要を一連の緊急解決策の先頭に

1.医療保険を含む医療システムの必要不可欠な領域すべて、および製薬業とバイオ産業、すべての医学・薬品の研究・開発は、最終的には公営化されて、公的管理のもとに置かなければならない。薬品・知見・医療製品の特許は廃止されなければならない。医学研究は、国際的な連帯精神のもとで、人間に奉仕するためだけにおこなわれなければならない。知見や技術はあらゆる国で自由に使えなければならない。

2.このことは、介護・看護・医療のための無料の社会インフラの発展と同時におこなわなければならない。社会的再生産という必要不可欠な仕事は、ほとんど、あるいはもっぱら女性が担っているが、社会的に再検討され、もっとよい報酬が与えられなければならない。

3.医療システムを再建するという状況では、すべての民間病院は公的管理のもとに置かれ、社会的所有へと移行されるべきなのは自明のことである。統一された医療・病院部門は絶対に不可欠である。

4.病院やそれ以外の医療設備を機能させるために必要な清掃やさまざまなサービスは、公共の仕事に戻されるべきである。関連労働に就いている被雇用者にはきちんと賃金を支払わなければならない。労働現場でのきちんとした医療を保障しなければならない。

5.これら全部をうまく処理できるように、一切の武器生産をやめ、武器工場を社会的に有用な生産へと転換し、これによって生まれた資金を同時に医療システムの発展に投資すること。

6.多額の所得・利益・資産には特別税を課して、医療システム拡大にかかる費用を調達すること。危機対策の費用は、最近数十年間に一般大衆の犠牲によって巨大な利益を上げ、富を蓄積してきた者たちに確実に負担させなければならない。

7.労働環境によって人々が病気になることがあってはならない。労働環境は人々の発展と健康に貢献できるものでなければならない。これは食肉産業、農業、高齢者介護、配達サービスで働く未熟練労働者にとって、とりわけ急を要するものである。労働安全、適切な衛生・健康措置が保障されなければならない。労働時間の短縮やよりよい休憩の手配。

8.高品質の公共住宅を建設する都市計画によって、居住に適さない住宅をなくすこと。

9.公共教育システムの強化・拡充。インターネット学習パッケージを提案する企業の発展を理由にした教育の民営化を拒否する。

10.主要なソーシャルメディアであるフェイスブック、ワッツアップ、アマゾン、ズームは、ロックダウンによって大きな利益をあげ、将来の巨額の利益を生み出すデータを収集している。こうしたソーシャルメディアを公的所有に移すこと。それらは(すでにあまりにも多くをかき集めているので、一切の補償なしに)、支配権を移されるべきである。それらは、利益のためではなく、透明性を持った公的なサービスとして運営されるべきである。

11.あらゆる国において、葬祭サービスを公的所有に移すこと。民間企業が人の死から利益を上げ、自らの売り上げの最大化のために人々の悲しみを操作するのは許されるべきではない。

12.持続可能な農業および世界的な食料正義(フード・ジャスティス)。社会的ニーズにもとづいて生産・分配の循環を再組織すること。フード・マイレージと食肉消費の削減。森林伐採を終わらせること。とりわけアグリビジネスによって推進されている森林伐採を終わらせること。

13.民間銀行を大株主への補償なしに収用すること。金融システムを市民管理のもとで社会化すること。個人口座への銀行手数料の一時的停止。当面のニーズを満たすために労働者階級にゼロ金利ローンを提供すること。家計への銀行債務、マイクロクレジット、家賃を凍結すること。誰に対しても水、電気、ガス、インターネットを保証すること。

14.公的債務支払いを当面の間停止することは、パンデミック期間中に大衆的ニーズを満たすために、さまざまな国が必要とする有効な資金を動員することを可能にするに違いない。債務支払いの一時停止は、不当な部分を特定し、それを帳消しにするための市民参加による監査と結びつかなければならない。

15.難民に法的地位を与え、医療・社会保障サービスが利用できるようするとともに、難民の安全な入国のために国境を開放すること。

16.先住民、移民、黒人、女性、LGBTIQ、障害を持った人々に公共サービスを提供する際の差別と闘うためには、何世紀にもわたる構造的差別と闘う積極的行動のプログラム、およびあらゆる人のニーズを真に満たすサービスを作り上げるための本当の政策決定において、コミュニティとの協議や関与をすすめるプログラムが必要不可欠である。


もう一つの世界は急を要する


現在の危機を収束させるためには、それが人間の生命の基盤を危機に陥れるので、エコ社会主義的展望を持った反資本主義的政策が必要である。それは社会的ニーズに基礎を置き、労働者階級によって、労働者階級のために組織された、銀行や主要生産手段の公的所有をともなう社会が緊急に求められていることを示している。そして、この危機が示すのは、その緊急性が気候変動の原因にブレーキをかけること、「われわれの共同の故郷」を破壊し、生物多様性を減少させ、ウイルス性の深刻な呼吸器症候群のような現代のペストへの道を開いている環境破壊を食い止めることが必要であるということである。

新自由主義の最初の一〇年間において、「もう一つの世界は可能だ!」という熱望があり、さまざまな社会分野が「もう一つの世界は可能だ!」と言って一体となったのなら、今日において、われわれは団結して「もう一つの世界は必要であり、緊急である!」と言わなければならない。われわれは共同の国際主義的行動を必要としているが、それは生命が利益よりも価値がある世界に向けた道筋をわれわれに指し示すものでなければならない。そこでは自然が商品であるのをやめるのだ。現在の危機は明らかに、資本主義生産のかなりの部分が純粋に略奪的で、完全に余計なもので、無駄に使われるものであることを示している。

二〇〇〇年代はじめ、グローバル・ジャスティス運動は、社会運動や労働組合のメンバー何百万人を団結させ、そこに急進的左翼組織が参加していった。今日では、われわれは資本主義、気候変動、差別に反対して闘うための要求を提起しながら、そうした結集を作り上げる必要がある。この目標を追求する上で、さまざまな国において、あるいは国際的レベルで、いくつかのイニシアチブが生まれ始めている。第四インターナショナルの諸組織と活動家は、そのようなイニシアチブの成功に向けて努力を傾注するだろう。社会主義・反資本主義・革命をめざす諸組織と諸潮流が、地域レベルであれ、国際的レベルであれ、共同行動を調整し、論議し、確立することは緊急に必要なのである。

新型コロナウイルス以前のいわゆる通常の状態に戻ることは不可能だろう。未来の人間と地球を脅威にさらしてきたのは、資本主義的「常態」だったからである。社会的ニーズに基礎を置き、労働者階級によって、労働者階級のために組織された、銀行や主要生産手段を公的所有に移した新たな社会へと変革することは緊急の課題である。それが根本的な社会―エコロジー的転換の展望が必要な理由である。    

【#宇都宮さんを東京都知事に】宇都宮けんじ候補による小池都知事への公開質問状

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感染拡大が続く7月1日、宇都宮さんが緊急記者会見を行い小池都知事に対して8点からなる公開質問状を出した。
http://utsunomiyakenji.com/4190)

8点の質問はコロナ対策における小池都政の欺瞞を鋭く突いている。宇都宮さんが公開質問状を出したことを全力で拡散しよう。小池都知事が宇都宮さんの公開質問状に回答せざるを得ない状況をつくりだそう。まだ3日もある。

#小池都知事は宇都宮さんの公開質問状に回答を SNS等で拡散させよう!

全文(リンク先にはさらに詳細な資料等が提示されています。参照ください)

公開質問状内容

東京都のコロナ感染症(Covid-19)に対応する政策について、次の通り質問します。

小池都知事は27日に実施された都知事選挙候補者のチューズライフプロジェクトの討論会において、「都のコロナ対策はうまくいっているか」という問に、唯一「〇」の札を上げられました。しかし、私は、あなたが進めてきた東京都のコロナ感染症対策には、多々疑問があると考えています。そこで、以下の通り、具体的に質問いたします。

この質問は、現在行われている東京都知事選挙における都民の選択にあたっての重大な情報ですので、この質問に対する回答は7月3日午後3時までに、ファックスで下記あてにファックスで回答くださるように求めます。

宇都宮けんじ事務所 (電話 03-6380-1537)
新宿区四谷三丁目5-5 山本ビル5階
FAX 03-6380-1538
連絡担当 海渡雄一/岡田光司

質問1

相談件数と検査数の推移を示すグラフを見てください。これを見ると、3月24日のオリンピックの延期が決定される前の段階で、帰国者・接触者相談センターへの相談件数が激増している(これは保健所に電話がつながった件数であり、実際には電話が繋がらなかったものも少なくないとされています)。にもかかわらず、この時期には検査は全く増えていませんでした。

厚労省は3月6日に「新型コロナ・ウィルスの患者数が大幅に増えたときに備えた 医療提供体制等の検討について」を発していましたが、その後も全く検査数が増えませんでした。ところが、オリンピック延期決定後に、極めて不十分ではありますが、検査件数がある程度増え始めています。

あなたは、オリンピック開催の支障となるため、感染者数を低く抑えるために、検査件数を押さえていたのではありませんか。そうでないなら、どうしてこのような推移となったのか、合理的な理由を示していただきたいと思います。

質問2

あなたは、6月11日に「いずれも目安を下回った」として、東京アラートを解除されました。しかし、我々が入手した資料(別紙)によると、6月11日の、感染症法に基づく「発生届」数は少なくとも36人であり、東京都が発表した同日の陽性者数22人とは大きく乖離しています。その他の日も、都の発表数と「発生届」数には乖離が見られ、「直近1週間の平均感染者数」を「発生届」数で計算すると22人となります。目安の20人を超えることとなり、東京アラートの解除基準が満たされていなかった可能性が濃厚となります。

東京都福祉保健局健康安全部感染症対策課は、「発生届けの確認作業に時間がかかり、実際の発生届と都の発表にタイムラグがあるため」と説明していますが、これでは、設定されていた基準自体の科学的根拠が問われることになります。感染症対策は、あくまで科学的根拠に基づいて行われるべきです。

あなたは、東京アラート解除の翌12日に都知事選への出馬を表明されました。政治的思惑から、恣意的な対応を行ったとすれば重大です。結局のところ、東京アラートの発令とその解除は、あなたの都知事選出馬のための政治的都合を優先し、恣意的に判断されたものではありませんか。明確にご説明ください。

質問3

あなたはこれまで都議会でも「必要な検査が行われている」と答弁してきましたが、保健所に検査を申し込んだ医療機関からは、「中等症以上の肺炎のある患者か濃厚接触者・海外渡航歴がある人以外は検査できない」と保健所から断られるケースが報告されており、板橋区議会での担当課長の答弁でも、「検査に関しては制限せざるを得なかった」と答弁しています。

事実として、4月11日に世田谷区の社員寮で亡くなっているとことを発見された男性は、4月3日から保健所に電話をかけ続け、6日後にようやくかかりつけ医からの依頼でPCR検査を受けられたが、検査の結果待ちの段階で治療を受けることなく孤独死し、死の2日後に陽性と判明しました。

日本医師会も、医師が必要と判断していたにもかかわらず、検査につながらなかった「不適切事例」が全国で少なくとも290例あったと発表しています(2020年3月18日)。その中には東京の事例も36例含まれています。

あなたは、このような実態を把握されていますか。それでも「必要な検査が行われてきた」という認識は変わりませんか。

質問4

厚労省が、各都道府県に対して、「PCR検査体制」について点検し回答するように各都道府県に求める事務連絡(6月2日付)が発せられています。その回答の締め切りは6月19日でした。しかし、7月1日段階でも、その回答は未提出です。すでに各区市町村に対し点検と報告を依頼し、回答を得ていると伺っています。にもかかわらず、締切を10日以上過ぎても回答しない理由は何ですか。ご説明ください。また、直ちに回答を行い、これを公表してください。

質問5

6月11日に東京アラートが解除されて以降、検査陽性者数の増加傾向が続いており、東京アラート発令中よりも多くなっています。しかし、これに対して、東京都は何ら有効な対策をとっていません。

PCR検査数は全く増えず、多くても2000件程度にとどまっています。休日には200件から300件程度しか検査されていません。このような検査状況で、十分な対策が取られているとされる根拠を示していただきたいと思います。

質問6

あなたは、昨日新型コロナ・ウイルスの「次の波」への警戒を呼びかけるための新たな「指標」とされるものを公表されました。しかし、アラート解除時よりも状況が悪化しているにもかかわらず、何ら数値的な指標を示すこともなく、医療提供体制の状況を重視し、具体的な数値基準は設けず、専門家らによる分析などを踏まえ、「緊急事態宣言下での最大値」などと比較して、必要に応じて警戒を呼びかけていくとされました。

これまでは、あなたは、曲がりなりにも、新規陽性患者数が週平均で20名を超える、感染経路の不明が半分以上などの数値基準を示していましたが、現状はこの基準を上回っています。にもかかわらず、何も対策を取らないことの言い訳に、数値的指標そのものを撤廃したものと言わざるを得ません。このようなやり方で、都として科学的根拠に基づく対策がどうしてとれるのかを説明してください。

質問7

歴代都政が保健所の統廃合と人員削減をすすめてきたことに加え、小池知事は2018年、多摩地域にある5つの都保健所の医師定員を1人ずつ、合計5人減らしました。(多摩地域で、医師定員25%削減、都保健所全体では2割削減)。

小池知事と東京都は、一連の保健所統廃合、人員削減について「機能強化をはかった」「正しかった」と述べていますが、自らがおこなった保健所医師削減も含めて、正しい措置であったとお考えですか。今後、保健所およびその人員を増やす必要があると考えますが、あなたのお考えをお聞かせください。

質問8

あなたは、3月23日に、コロナ感染症について記者会見を開き「新たな対応方針」を公表し、この日、「事態の推移によりロックダウンの可能性がある」と発言しました。この日はオリンピックの延期が公表される前日でした。

この方針の中で、あなたは、都の目指す医療体制として、重篤・重症当面100床、中等症床当面300床などと説明しましたが、この方針は病院経営本部や福祉保健局などの新型コロナ対策を所管する部局とのどのようなやり取りの下に発せられたのかを説明してください。

我々の入手した情報公開請求に対する非開示決定通知書によると、このようなやり取りのわかる病院経営本部の記録はないとされています。どのような会合がもたれ、あなたはどのような指示をしたのかを都民に説明してください。

また、あなたは3月23日の時点で、翌日にオリンピックが延期されることを知っていたのではないですか。

報告 6.12 「新型コロナ災害緊急アクション」活動報告会

EaS0zJmUYAE6dSh困非常事態宣言発令中!悲痛な声の連続に支援崩壊がはじまっている

いますぐ生存権を守る公的責任を果たせ!企業はコロナに便乗した解雇をするな!



 六月一二日午後三時半から、参議院議員会館講堂で「新型コロナ災害緊急アクション」活動報告会が行われた。「貧困非常事態宣言発令中!悲痛な声の連続に支援崩壊がはじまっている。いますぐ生存権を守る公的責任を果たせ!企業はコロナに便乗した解雇をするな!」と生々しい実践活動が報告された。

 雨宮処凛さんが(反貧困ネットワーク)主催者あいさつを行った。

 「新型コロナ災害緊急アクションは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、拡大する貧困問題を解決するために活動する団体により三月二四日に急遽結成された。参加団体が取り組んでいる相談ダイヤルや路上相談会などでは、既に悲痛な声が寄せられている。緊急アクションの相談フォームに届く声が増え続けている。

連日のように『所持金が数百円』「仕事を解雇され寮から追い出されて、路上生活となった』『何日も食べていない』『このままでは死んでしまう』などのSOSがひっきりなしに入っている。一つなくすといろんなものをなくす。それを取り返すにはどれほど時間がかかるか」。

 「連日のようにそんな人々のもとに駆けつけ、緊急宿泊費を渡して公的な支援、制度に繋げるなどしているのだが、生活困窮者支援の現場は、ずっと野戦病院のような状態で、民間がボランティアでできるキャパをとっくに超えている」。

 「新宿区は出る必要のないホテルから追い出していた。千代田区もひどい対応
をしている。ペットがいるとビジネスホテルにも泊まれない。そんな人を助けるために反貧困昼寝工房を立ち上げる。いますぐ生存権を守る公的責任、企業の雇用責任を求めていきたい」。

 次に、瀬戸大作さん(新型コロナ災害緊急アクション事務局)が「反貧困緊急ささえあい基金の報告と給付実績から見えてきた現状問題」を報告した。

 「ネットカフェが休業し住まいを失ったと相談がたくさんきた。支える基金を
つくった。この問題は日雇い派遣など部屋が借りられないということが以前からあった延長線上にある。金曜日から日曜日には生活保護申請ができない。役所はなるべく申請を受けないようにしている。保護申請に同行する。そうしないと受理されない場合が多い。所持金が百円しかなくても現金給付がされなく、フードバンクの証書を渡して返す場合もあった。二〇代から四〇代の人が大半だ。災害基金で数日の食べるおカネを確保し、一日二〇〇〇円を渡した」。

 「観光業や風俗業で働き社員寮に入っていた人が追い出され、シェルターに荷
物を運んだ。親の虐待から逃げた人、犬を抱えて困っている人。支援からこぼれているのは外国人。公的支援がまったく受けられない。連日問い合わせがくる。おコメを届けられるように、コメ農家にカンパしてもらっている。基金に五四〇〇万円の寄付が集まっているが、民間の支援には限界がある。栃木市は『まず県営住宅に入れ、その後に生活保護か就労先を探す』と対応している。解雇問題、休業補償問題と運動をしっかりつくっていかなければならない。二カ月がまんしたがカネがない。これからが本当にたいへんになる。政府・自治体を変えていきたい」。


 稲葉剛さん(つくろい東京ファンド)が「広がる住居喪失クライシス いまこそハウジングファーストを求める」として報告した。

 「アパートを借り上げて支援する事業をしている。都内で二五部屋を借り上げ
ていたが現在は四五部屋まで増やしている。二〇一五年に、派遣切り対策として離職者に三カ月間、住居確保給付金を支給するようになり、現在は九カ月間になっている。しかし、ハローワークに登録し、正社員をめざすもので、コロナ禍でのフリーランスは対象にならなかった。改善を求めた。四月末にハローワーク登録が撤廃された。声をあげていくべきだ。家賃の補助は低すぎる」。

 「都内に二〇〇〇人の路上生活者がいると言われているが、月に三~四万円で
生活している。レストランの残り物がもらえない、炊き出しがなくなる。『ビッグイシュー』販売も厳しくなり、ネット支援の会員を募り、九〇〇〇人がカンパを寄せてくれたので、四~五月、五万円ずつ支給できた」。

 「新宿区は住まいの提供の問題で虚偽の説明をし、八七人の宿泊支援を打ち切ったので、六月八日に抗議要請を行った。翌日には区長が自己批判し、補償をすると表明した。福祉と住宅確保は一体化すべきだ。居住権は基本的人権だ」。

 田川英信さん(生活保護問題対策全国会議、自治体議員の会)が、「生活保護申請同行支援の中で見えてきたこと」について、報告した。

「住民票がないということで、三重県、愛知県、静岡県、神奈川県、東京都と探
し回り、ようやく生活保護を受けることができた人がいる。①困っている所が居住地だ②明日来てくれ、今日は相談でいっぱいだと追い返す。無料低額宿泊所に行ってもらうのが保護の条件としている言われるが、これが貧困ビジネスをはびこらしている。この宿泊所がいやで逃げだす人が多い」。

 「漁船の持ち主に対して、漁船を売れという。しかし、漁船を売ってしまったら仕事に復帰できない。自治体で格差がありすぎる。生活保護を即日支給する所もある一方追い返す所もある。なぜそんなことが起きるのか。福祉事務所の脆弱性がある。①経験が必要だ②研修が足りない。実務を知らない人がいる。三年で移動してしまう③定数の抑制。忙しいとじっくり相談を受けられない。ほとんどの自治体がマニアルをつくっていない(東京都はつくっている)。行政のあり方を変えていかなければならない」。

 反貧困ささえあい千葉が報告。「一〇の支援団体を集めて、ささえあい千葉をつくった。県庁に要請し、一時避難所がつくられた。五月の連休に緊急相談会。生活保護申請に同行。緊急の部屋の確保。フード支援」。

 奨学金問題対策全国会議。「学費の延納を求める記者会見を行った。ネットで
学費の減額を求める署名が二〇〇万件集まった。野党はすべての学生の授業料半額免除支援法を発表した。与党は一部の学生に限定する選別主義をとっている。与党案では止めざるをえない学生が出てしまう。全国の学費を下げる、そして無償化へ」。

 稲葉奈々子さん(移住者と連帯する全国ネットワークと貧困対策PJ)が「外国人への緊急給付金急増急増から見えた課題」を報告した。

 「リーマンショックの時の日本の失業率は四・一%から五・六%に上がった。外国人は全国統計がなく、多く働く自治体調べで四〇~五〇%であった。今回はこれをはるかに上回るだろう。在留資格の問題があり、短期の場合、定額支援金を受けられない。中・長期でも、居酒屋、コンビニで働く人を直撃した。国籍別に見るとサービス業で働く人が最も多いフィリッピン人。トルコというのはクルド人。埼玉県に多く住んでいるが、東京に来るには移動の許可を得なければならない。そんな人たちを誰が支えてきたのか。それは家族の中で働いている人。今回はその人が働くところを失っていて困窮している。要請として、①国籍に関係なく公的支援が受けられるように②病院に行けない、治療費が払えない、医療支援の必要③県営・市営住宅に住む人が多いが、それを拡充してほしい④手続きを簡素化してほしい」。

 参加したフィリッピン人の女性が「大阪でホステスとして働いてるが四月~五月は休業で給料がない。六月には店は開いたがお客さんがこない。日本語がよく分からないので、最初一〇万円の支給も知らなかった。夜の仕事から別の仕事をしたいので日本語を勉強する機会をえたい」と話した。

 大阪市でみなみ子ども教室を運営する方の報告。「困窮はこれからが本番。外国人の場合は二~三週間遅れでやってくる。すべての申請書が日本語だ。不安定雇用で、雇用契約も給料明細もない。休業補償を受ける申請ができない。仮に定額給付金が出ても家賃に消えてしまう。ブラジル人学校、月謝が入ってこないということで支援している。朝鮮学校の学生が支援からまた外されている。許せない。みなみ子ども教室は助け合い基金をもらっている。おコメの支援に助けられている」。

 外国人への給付金だけでない有機米生産者団体との連携ということで、大野和興さん(コメと野菜でつながる百姓と市民の会)が「連休が終わったころ、コメを食えない人が出てきているという情報が入った。そこで山形、上越、三里塚の農家に相談し、二トンのコメを集めた。それ以外にも栃木や山形・新庄からも出すよと連絡が入っている」と報告した。

 中村光男さん(一般社団法人あじいる)が「あうん」の、フードバンク、医療相談、シングルマザー支援、仕事の確保など多方面にわたる支援活動をしていることを報告した。


 「労働相談から見えてきた企業の責任と労働組合の取り組み」というテーマでは、以下のような報告があった。

 コールセンターで働く労働者。「契約社員で働いている。ついたて、隣明けるとされたが組合に入り、自宅待機を要求したら実現した。声をあげてよかった。アパレル関係会社。派遣社員で解雇された。「二月は二〇万円、三月から給料が下げられ、四月に首切りされた。会社に戻るために争っている。おかしいと思ったら労働組合に相談してほしい」。

 奈良県の学童クラブに勤めていたが解雇された。「生徒数は半数に減ったのに、職員は全員出勤させられた。このやり方に口出したら、四月末に解雇された。団交で解決金の提案をしてきたが復職したい。補助金を受け取れるので簡単に首を切っている。こんなことをやめさせたい」。

 自販機関係の仕事。「残業代未払い、長時間労働に抗議してストをうった。六月には休業補償一〇割を求めて、ストを通告。法定では八割だが一〇割勝ちとった」。

 アルバイト。「四月四日~三〇日まで休業。会社は困っているのならカネを貸すと言ってきた。団交を要求したが拒否、六月二日から無期限ストに入っている。社会を良くしたいから闘っている」。

 瀬戸大作さんが最後に「死にたくないが死んでしまう状況がある。当たり前の生存権が奪われている。支えあっていく。今回は中間報告であったが、次には政策要望を出していく」とまとめの発言をした。

 なお、この報告会には日本共産党、社民党、立憲民主党の複数の国会議員が参加し、連帯のあいさつを行った。     

(M)

【かけはし編集部から】欧州「国境を超える連帯」(ESSF)の呼びかけ コロナ危機に直面するアジアの仲間にカンパを!

index(バングラディッシュの貧困地域に届けられたESSFのカンパ物資 2020年5月)





アジアの仲間にカンパを!
「かけはし」編集部
【送り先】◦新時代社 郵便振替 00290=6=64430
(アジアカンパと明記して下さい)


 6月1日付の『かけはし』に掲載されているように、ESSFはコロナ危機の中で奮闘するアジアの仲間たちへのカンパを呼びかけています。私たち『かけはし』編集部は全国の仲間たち、『かけはし』読者のみなさんがこの呼びかけに心から応えて、日本からカンパを送るために協力してくださることを強くお願いしたいと思います。

 呼びかけのなかでは、先住民族に食糧支援とコミュニティによる感染防止・衛生向上への支援を提供しているフィリピンの仲間、生計手段を失った日雇い労働者とその家族に食糧援助を提供しているパキスタンの仲間、失業中の女性労働者と家族に食料を提供しているインドネシアの仲間、貧困層の居住地域で食料を配布して衛生管理を支援しているバングラデシュの仲間たちの活動が紹介されています。

 現在は絶対量として世界的に食糧が不足しているわけではありません。タイ米の国際相場は1トン・600ドル弱で、1キロ・60円ほどです。しかし問題は、貧困層の人々はそれを購入することができないことです。国連の世界食糧計画と児童基金は、学校の休校などによって給食を提供されなくなった3億人を超える子供たちが深刻な影響を受けるだろうと警告しています。また、2年ほど前から東アフリカで発生したバッタによる穀物被害は現在、パキスタンとインドにまで拡大していて、それによってもたらされる深刻な食糧危機は今後、数年間は続くだろうと指摘されています。

 食糧危機ばかりではなく、コロナ危機も社会的な弱者にその影響が最も集中しています。現在米国で爆発し、ヨーロッパを始めとして全世界に拡大しているBLM運動のうねりの根源にあるものは、差別と抑圧そして耐えきれないまでに拡大した経済格差への怒りの爆発です。世界中の人々が、平等で自由で連帯して暮らしていける平和な世の中をつくろうとする挑戦を始めたと言っても過言ではないでしょう。

 そろそろ政府による個人への10万円給付が届くころだと思います。これを何に誰のために使うのか真剣に検討していただきたいのです。コロナ危機による経済的な影響がほとんどなく、比較的生活に余裕のある人は全額を、なんとかやっていける人は半分を、生活が苦しい人もアジアの仲間たちへの連帯の気持ちを込めて一~二万でもカンパしてくださることをお願いします。

 第一次集約を7月末として、私たちが責任をもってESSFに送金します。集約結果は随時『かけはし』紙上で報告します。
 
 6月15日 『かけはし』編集部
 

【第四インターナショナル声明】コロナと闘うキューバへの国際連帯と支援を!

Welcome_Cuban-pros(コロナ治療支援にジャマイカに到着したキューバ140人の医療団)

第四インターナショナル声明

COVID-19との闘い強化へキューバ封鎖を即時解除せよ

2020年4月20日 第四インターナショナル・執行ビューロー

 教育(保育園から大学までの公的かつ無料の)への権利と共に、医療はキューバ革命の偉大な成果の一つだ。それは、諸困難、過ち、またいくつかの後退にもかかわらず、今なお適切さを保っている。キューバの医療制度がもつ強さを知る上では、いくつかの決定的なデータを比較するだけで十分だ。

一人あたりGDPが年に五万八四六九ドルになる国であり、医療への投資がGDPの一四・三二%にあたる米国の中でわれわれは今、医療における実際の崩壊を目撃している。そしてそれを理解するのは難しくはない。つまりそこでは、住民一〇〇〇人あたりで三人の医師しかいないのだ(それは、この社会を特徴づけている残酷な社会的不平等に関し十分な情報を与えるものだ)。

キューバは、一人あたりGDPが僅か年七四七〇ユーロにしかならないが、医療にGDPの一〇・九二%を投資し、住民一〇〇〇人あたり九人の医師を抱え、二〇一九年の公式データによれば、本国における感染症に対処できているだけではなく、海外に支援を与えることもできている。

確固とした公的医療と対外支援


 二〇二〇年四月一九日時点で、キューバでは今回のコロナウィルスによる感染者が一〇三五人、また感染の始まり以後で死者が三四人だった。当局は、感染の広がりについて警告を発し、勝利を誇るような姿勢はとっていない。

 死者数は相当に高まりそうであり、対キューバ封鎖は、それがこの感染症に対応するために必要になる一定の装備と医薬品の輸入を妨げているがゆえに、一つの腹立たしい要素になっている。

 しかしながらはっきりしていることだが、キューバにおける諸資材の割り当ては他の諸国におけるよりもはるかに平等だ。その上にキューバ民衆の国際主義的連帯の伝統が、一〇〇%公的であるシステムのおかげで、特に医療の分野でこれまで示されてきた。

 この間いくつかのEU諸国が、この感染との闘いにおいてキューバの助けに頼ることを迫られた。住民一〇〇〇人あたり約四人の医師を抱え、一人あたりGDPが年二万九六一〇ユーロになるイタリアは、一人あたりGDPが年三万五九七五ユーロになるアンドラ公国(フランスとスペインの間にある:訳者)と共に、このカリブ海の国に助けを求めざるを得なくなった。EUの麻痺状態と彼らを助ける隣国の無能力が理由だ。

 公式データによれば、二〇一九年、海外のキューバ人医療要員は六〇ヵ国で二万八〇〇〇人を超えていた。

 キューバは現在まで、二〇ヵ国の全国的、また地方的な努力に加わるために医療専門家からなる二一の部隊を派遣してきた。この二〇ヵ国はこの間、このコロナウィルスとの闘いのためにキューバの医療支援を求めてきたのだ。これらの二一の部隊は、それらが前からサービスを提供していた六〇ヵ国における医療協力部隊を強化するもの、あるいはそれに追加されたものだ。

感染症対処経験と医薬品開発


 キューバの医療要員は過去五〇年にわたって、アフリカ、米州、中東、さらにアジアの一六四ヵ国で数々の使命を果たしてきた。

 キューバの医療要員は、この島を周期的に揺さぶるデング熱との闘いにおいて、加えてシエラレオネ、ギネア・コナクリ、リベリア(二〇一四―二〇一五年)におけるエボラ感染、ハイチのコレラ感染において、大量の経験を蓄積してきた。それはまた、カリブ海の国に加えてパキスタン(二〇〇五年)やネパール(二〇一五年)での数回の地震で犠牲者を助けるために、また中米とカリブ海での洪水やハリケーンに対して、効果的な役割も果たしてきた。世界保健機構(WHO)は、国際レベルにおけるキューバの医療支援の重要性と質を認めてきた。

 キューバはさらに、いくつかの感染症に対する処置と高度に有効な医薬品生産をも発展させてきた。COVID-19を生み出している新しいコロナウィルスのSARS―CoV―2に対する予防ワクチン、あるいは特定的な処置はまったくないとしても、キューバの製薬工業は、インターフェロン・アルファ2bのような折り紙付きで極めて有効な薬剤の生産を保証している。そこには、今回の疾病と起こる可能性のあるあらゆる合併症に襲われている患者に対する処置の一部である他の薬剤が加わる。

発展途上諸国の重荷を除け


 キューバに敵対して米国が課している禁輸は一つの犯罪行為だ。それが、キューバとさまざまな諸国間の自由な保健協力を妨げることをもくろむものだからだ。そしてそれらの国は、キューバの支援を求めてきたか、このカリブ海の島国との協力を強化することを願っているのだ。

 キューバの当局は四月一六日、外務省声明の中で、正しくも以下のように言明した。すなわち「発展途上諸国が、特に医療の分野で、高度に工業化された諸国民がたいていは利用できている、そうしたテクノロジーの利用を保証されないならば、また彼らが妨害のない無私のやり方で科学の発展とその成果を共有できないならば、世界人口の圧倒的多数は、一層相互に結びつくようになった世界で、今日同様、あるいはもっとひどくさえ危険にさらされるだろう」と。

 同じ声明が次のように述べたことも全く正しい。すなわち「発展途上諸国に敵対する政治的な動機による威圧的な経済方策が解除されなければ、またそれらの国が負担となり返済不可能な対外債務の返済を免除されず、国際金融機構の容赦ない監督から自由にならなければ、われわれは自らを欺いて次のように考えてはならない。つまり、感染症が一つもなくてさえ、子ども、女性、高齢者を含んで毎年何百万人もの人びとを殺している経済的、社会的不均衡に対応する上で、これからわれわれはもっと良好な位置にいることになるだろう、と考えてはならないのだ」との言明だ。

キューバの対外支援を妨害するな

 コロナウィルス危機は、コロナウィルス感染への十分な対応の背骨は公的な医療システム、ということを示すことになった。全体としてのこの四〇年の新自由主義諸政策、および特にこの一〇年の緊縮は、命の重大な喪失に責任を負ってきた。何と言っても、切り詰めがもっとも過酷となったところで、医療システムの崩壊はもっとも劇的になっているのだ。米国では混沌状況は他の諸国よりも大きい。理由は、政府の超反動的な性格だけではなく、何らかの無料で普遍的な公的医療ケアシステムに似たものの不在にもある。

 その上米国は、犯罪的な法の形でキューバの支援を拒絶してきた――それは、数百、あるいは数千の命を犠牲にさせることになろう――だけではなく、キューバからの支援を求めた諸国にそれを断念するよう圧力もかけてきた。ブラジル、エクアドル、ボリビアの反動的諸政権はともかくも彼らで、キューバ人医療派遣団を追放した。

 トランプはこのすべてでも十分ではなかったかのように、今年四月一五日、この国連機関がコロナウィルスとの闘いで一つの重要な役割を果たしている最中に、WHOへの米国の拠出を停止する決定を行った。

 キューバはこのゆえに、予防活動、もっとも傷つきやすい人々の保護、また社会的管理の諸行為の分野で、科学的研究を共有し発展させるために、また様々な国の経験を交換するために、政治的な偏見のない国際的な努力が絶対に必要、と主張している。それは、感染期間と人命の損失率を引き下げることを可能にするだろう。

 したがって第四インターナショナルは、すべての革命的、進歩的、また民主的諸勢力に、キューバに対する封鎖に反対する闘いを強化するよう、そしてキューバ民衆との連帯を強めるよう訴える。われわれは、キューバの医療労働者が与えている国を超えた援助を全面的に支持する。この危機からの出口は唯一、国際連帯および民衆内部の国際主義の発展だ。彼ら自身の民衆の命を軽視し、危機からの出口として民族主義、レイシズム、さらに戦争に力を貸す反動的政権を打倒しよう。

キューバ敵視の封鎖を解除させる闘いを強化しよう!
連帯、自己決定、国際主義を!
われわれの命はやつらの利益よりも価値がある!

(「インターナショナルビューポイント」二〇二〇年四月号)

原文
http://www.internationalviewpoint.org/spip.php?article6539


報告 自衛隊は南西諸島にウイルスを持ち込むな!4.25アクション

_20200425_152434(画像は「琉球弧自衛隊配備反対アクション」のツイッターから)


さる4月5日、宮古島にて陸上自衛隊は、同島における部隊編成を終了したとする式典「結団式」を行った。

この式典に関して宮古島
市医師会は「この時期に大規模な式典を行うのはコロナリスクを拡大させる可能性があり中止するべきだ」と申し入れを行ったが、政府自衛隊はまだ基地工事が完成もしておらず宮古島保良地区のミサイル・弾薬持ち込みも住民の抗議で止まっている状況であるにもかかわらず自衛隊配備態勢の既成事実つくりを優先して、式典開催を強行した。


そして、この式典の直前に熊本から宮古島に出張していた自衛官のコロナ感染が発覚。4人の宮古島の隊員が自宅待機を命じられるという事態に発展した。地域住民・地元医師たちの提言や忠告を無視した結果、宮古島におけるコロナリスクを高めた政府自衛隊は、挙句の果てにコロナ陽性の自衛官の在島中の足跡りを「軍機」として公表しないという、許されざる態度をとり続けている。

また、沖縄島辺野古新基地建設工事は、事業関係者にコロナ感染者が判明したことを受けて無期限工事停止という体になっているが、全市民の外出自粛が呼びかけられている石垣島でも宮古島同様、自衛隊基地建設工事は依然として続けられている。

このような政府自衛隊による島民無視、生命人権軽視の態度に対して、4月25日に琉球弧自衛隊配備反対アクションが首相官邸前で「自衛隊は島々にウイルスを持ち込むな緊急抗議アクション」を行った。当日の行動は、参加者同士が自然に「ソーシャルディスタンス」を保ちながら、抗議の意思表示の声を上げた。

行動の冒頭、呼びかけ主催の栗原さんから一連の経過を説明した上でウイルスは島の外から持ち込まれる。それが政府の事業や機関が持ち込んだのでは、明白な人災であり犯罪だ。そして、軍機・軍隊ファーストで『軍隊は住民を守らない』という沖縄戦の教訓がまたも証明された。今回の事件は、かつて日本軍が石垣島の人々を強制移住させてマラリア禍の大量死をもたらした歴史をほうふつとさせるものだ。自衛隊基地を南西諸島の人々に押し付けているヤマトの人間が、コロナリスクを押し付けて自分は自宅で安全確保なんてあり方がはたして道徳の問題として許されるのか?そういう思いで今日の行動を呼びかけた」と訴えた。

最近宮古島を訪問したという参加者からは、自衛隊基地から隊員は自由に出入りして、マスクもろくに着用していない様子が報告された。

立川から参加した「テント村」の大洞さんは「このかん地元や都心でいくつかの行動に参加してきたが、このコロナ状況あるいは『自粛』を運動側が一定受け入れてしまっている状況で、いろいろ悩ましい。悩ましいが、一切の街頭行動を中止や自粛してインターネット運動にしても、世の中を動かすことはできないだろう。コロナの問題は年単位になりかねないが、その間運動を止めたところで、政府は止まりはしないだろう。ならば、創意工夫を駆使しながら街頭に立ち続けていくしかない。今後も頑張りましょう」とアピールした。

参加者は15人。最後に、全体で「感染者を出した自衛隊は南西諸島の基地を閉鎖しろ」「南西諸島から総撤収しろ」「基地建設工事を今すぐ停止しろ」「海外派兵部隊を今すぐ帰国させろ」などのシュプレヒコールを上げて、21回目となる自衛隊配備反対アクションを終えた。

(F)

【コロナ禍に際しての第四インターナショナル声明】いますぐにエコ社会主義への移行を!「もう一つの世界は必要で緊急だ!」

1(画像は業務時の安全確保と有給休暇の権利の確立を求めてストライキを闘うカリフォルニアのファストフード労働者)








いますぐにエコ社会主義への移行を!

第四インターナショナル・執行ビューロー声明 4月16日




1.われわれは危険に満ちた危機、資本主義文明の危機の渦中にある。これは二〇世紀における二回の世界大戦以来もっとも深刻な危機である。われわれは、すべての人々に影響をもたらすコロナウイルスのパンデミックと闘っている。


新型コロナウイルスに対して、(今のところ)ワクチンは存在しないし、効果が立証されかつ安全な抗ウイルス治療法も存在しない。つまり、今日、われわれが頼ることができるのは、ウイルスの影響を軽減するために物理的な距離を保つことだけであり、それによって感染の連鎖を断ち切ることだけである。


われわれが隔離を強いられているときに、唯一われわれを守ってくれるのは公的医療システム、収入と権利の保障、連帯なのである。恐慌になりつつある景気後退のさなかでも、多くの企業家が自らの利益を確保しようとしている。その一方で、各国の支配層は近隣諸国の犠牲の上で自らの利益を確保しようとしている。


しかし、万人の万人に対する闘争のなかで、スケープゴートを探し求めて格差・外国人嫌悪・レイシズムを抱えたままでは、われわれがこれから迎える長期にわたるパンデミックから抜け出す道はない。つまり、全体としての人間社会の利益・権利・連帯を擁護することによってのみ、われわれはこの危機を克服できるのである。


まさに国際主義のとき、社会・人種・ジェンダー・環境的な正義のとき、人間の共通の尊厳を守るときなのだ。


2.新型コロナウイルスは新自由主義によるパンデミックであり、グローバル化された新自由主義段階にある資本主義の産物である。新自由主義的ゴローバリゼーションを原動力とする資本主義は、世界全体へとその裾野を広げてきた。


世界的な生産連鎖は企業が利益を増やすために提供されているが、それによって各国はちょっとした危機に対しても脆弱になっている。企業を持続させている過剰運動性は、医療や生態系のセキュリティ対策を排除してきた。化石燃料の使用や大規模な資本主義農業にもとづく自然との略奪的な関係は、地球システム(炭素、水、窒素)の根本的な循環バランスを破壊するとともに、生物圏やわれわれもその一部でしかない生物網と人間との関係をも破壊する。


それは持続不可能なモデルである。それは、限られた地球上で際限ない成長をめざし、地球の限界を超えてしまっている。そして、共有財の合理的使用とは両立できないエコロジー的疎外や消費の欲求を作り出している。


3.いわゆる「自然」災害が気候危機の結果であるとすれば、新型コロナウイルスや起こりうる変異種も地球の生物圏への攻撃の結果である。森林伐採、環境劣化、野生動物の商業的狩猟や「レクレーションとしての」狩猟は、人間が免疫抗体を持たない新たな病気の条件を絶えず作り出している。食肉産業はきわめて多数の遺伝子型が同一の動物を監禁状態に置くことを必要としている。そのため、食肉消費が加速度的に増加していることは、近年のウイルス大流行のほとんどと不可分に結びついている。


それはまた、世界の多くの部分における森林伐採や遺伝子多様性の喪失の主要な原動力となっている。つまり、農業は居住可能な土地の半分をすでに占有しており、その七七%は、放牧地や動物飼料生産のための耕作地に使われているからである。このパンデミックを生み出す産業を克服するためには、われわれの食料生産システムや食事の重大な転換が必要とされている。


4.全人類がウイルスによって攻撃されている。被搾取階級や被差別セクターが最も影響を受けている。危険な住宅や貧弱な衛生環境のなかで生活している家族、不安定労働者、飢餓賃金しか受け取っていない人々がそうである。医療労働者(医師、看護師)、供給を止めることができないトラック運転手や運送労働者、そして誰もが生活できるように世界の歯車を動かさなければならないすべての人々が被害を受けている。


言い換えると、パンデミックは誰にでも影響を与えるが、社会階級によって影響は同じではないということである。しかし、世代的な影響もある。つまり、すべての階級にわたって高齢者が亡くなっている。人間社会全体を見れば、貧しい高齢者がもっとも多数亡くなっている。


そして、危機は女性に厳しい打撃を与えている。女性は社会的再生産労働のほとんどに責任を持っており、自宅に隔離されると仕事でずっと大きな束縛を受け、もう一つのエピデミックであるドメスティック・バイオレンスの被害を受けている。


5.グローバル・サウス諸国の状況はさらに深刻である。さまざまな条件や環境のもとで、ラテンアメリカ・アフリカ・中東・東アジア・インド亜大陸の国々はパンデミックによって影響を受けてきた。まだ初期段階にあるこれらの諸国において、あらゆることが示しているのは、パンデミックと貧弱な衛生条件、基本的衛生設備の欠如、極端に過密な都市・地域、社会的安全手段を取ろうとしない地方政府や支配階級とが結びついて、このパンデミックでは見られていないが、これから先かなりの割合で真に人道的な破局を引き起こすに違いないということである。


エピデミックが、アルジェリア・エジプト・南アフリカのようなアフリカ諸国やペルー・エクアドル・インド、そしてブラジルの大都市におけるファベーラ(訳注:スラム地区)で拡大している状態を見ると、非白人の人々はより大きな危険に直面していることがわかる。非白人の人々は、何十億もの人々を貧困へと追いやっている資本主義支配の論理にさまざまなやり方で従属している。


いま必要なことは、グローバル・サウスの国々との経済的・社会的・人道的連帯の呼びかけにエネルギーを注ぐことである。そのことが、先住民族、小農民、貧しい労働者、黒人、ダリット、そして現代の新植民地主義的形態のもとで人種差別を受け民族的に排除されたままのすべての人々に対する、レイシストによるジェノサイドの震源地が広がるのを阻止する方法だからである。


6.とりわけ資本主義周縁部やグローバル・サウスの極右政権によって推進されている強権的措置に大きな関心を寄せる必要がある。インド・フィリピン・ペルー・エクアドルの政府によって後押しされている抑圧的・強権的政策は、強権的措置を深化させ、政治体制をさらに閉じたものとするために、新型コロナウイルスのパンデミックがどのように用いられるかという例である。


ドゥテルテは、隔離に従わない者を射殺すると述べているし、エクアドルでも貧しい労働者の住居に警察が侵入してきている。

7.ウイルスは資本主義システム全体の矛盾と害悪を明らかにしている。そして、それらを解決する唯一の方法が、人間と自然とのもう一つの関係を確立するもう一つのシステムにあることを示している。


*新自由主義段階において、資本主義は、それまで労働者の生産強度および二〇世紀を通じて労働者がかち取ってきた社会的権利を保障するために国家が提供していたサービスを放棄した。新自由主義はこうしたサービスを民営化し、国家を人々の人間的なニーズを充足することができないようにした。システム総体とその行動を攻撃することなしに、この危機に対応することは不可能である。


*新自由主義のもとで民営化された医療システムは、基本的にはこうしたサービスを利用できるお金を持つ者にだけ役立つものであり、生命という人間的なニーズを充足することはできない。


*新自由主義は労働関係を混乱させ、それをより不安定にした。したがって、自分の力で働いているフリーランスの人々や被雇用者の収入を保障するためのメカニズムは、収入の再分配システムの発展と並んで、今日の中心的な要求である。


*グローバリゼーションの破壊的な特徴、および企業やその世界的な生産チェーンの人質となっている社会の脆弱さを明らかにすることによって、その危機は国際分業の一般的構造に異議を唱える可能性を再び開くことになる。そうした構造は社会的・エコロジー的に持続不可能だからである。


*新自由主義は消費至上主義を通じて、利己主義的な行動を深化させてきた。しかし、危機のなかで、社会は、生き残るためには社会的連帯が必要だということを再び学びつつある。


*反科学的イデオロギー、反啓蒙主義、宗教原理主義が、ロナルド・レーガン、ブッシュのイデオロギーやいまもトランプ、ドゥテルテ、モディへと続くイデオロギーとともに、支配を正当化し、持続させるために再浮上してきた。しかし、彼らによる否認主義(訳注:幅広く認められている事実や歴史的事象を否定する立場)的行動は科学的仮説とますます明白に衝突し、混乱を深めている。


政府は、時間的尺度や方法はさまざまだが、ときには強権的行動と結びついて、危機を緩和する措置を取らざるをえなくなってきた。しかしながら、指導者のなかには、ブラジルのボルソナロ大統領、トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領のように、抵抗を続け、反啓蒙主義や否認主義を維持している者もいる。


*危機はあらゆるものに疑問を投げかけている。パンデミックを封じ込めるために政府が採用している(しばしば不十分な)緊急措置は、客観的に見て、資本主義社会の現行形態に挑戦するものでなければならない。つまり、生命を助けるために、われわれは資本主義機構総体を攻撃しなければならないのだ。このことが全力で実現されれば、人類と地球を救うことになるだろう。


8.労働者人民はパンデミックという非常事態の前から、精力的にこのシステムに立ち向かっていた。チリ、レバノン、アメリカ合衆国、インド、香港、そしてその他の多くの場所で、大衆は二〇一九年をとおして立ち上がっていた。


女性、青年、環境保護活動家の運動は、強力な戦闘的国際主義を再構築してきた。それは実際のところ、一九六〇〜七〇年代以降では、国際主義のもっとも強力な推進力となっている。それらの運動が直面しているのは、ますます強権的で全体主義的になっている政府である。そうした政府は、伝統的なブルジョア体制の危機の産物であり、さらに破壊的な、生命と自然の略奪者である資本主義を存続させるという必要性の産物でもある。


自らの強さや連帯を信頼するのではなく、反科学を主張する救世主を信頼するように、人々を導こうとしているのはそのような体制なのである。まさにこの瞬間において、これらの体制は全体主義を強化するためにパンデミックを利用することを望んでいる。街頭行動はいま凍結されているが、闘いは街頭においてだけではない。抵抗の新たな形態、人々の意見を得るための新たな手段の利用が連帯という意味において成長している。


9.この状況のなかで、多くの政府は極端な措置を取らざるをえなくなってきた。われわれは新自由主義の形式や内容と資本主義システムを攻撃する措置を防衛しなければならない。


*パンデミックに対応し、健康を守るための公衆衛生政策。


*物理的隔離にかかわらず仕事を保障すること。活動を一時停止した労働者の賃金を企業や国家が一〇〇%の責任を負うこと。休暇を取得する義務やあとで未就労時間を取り戻す義務を課さないこと。それには不安定労働者、臨時労働者、家事労働者、フリーランス労働者、季節労働者が含まれること。


*インフォーマル・セクターの労働者、失業手当の出ない失業者、学生、それを必要とするあらゆる人々のために、国はまともな生活を送るのに十分な、保障された最低限の収入を与えなければならない。


*あらゆる解雇の禁止。パンデミックが始まって以降に解雇された被雇用者の復職。


*ストライキ権を含む社会的権利を一時停止する強権的・例外的措置の拒否。


*情報とコミュニケーションの権利。


*障がい者、高齢者、ロックダウンによって社会的に隔離されたすべての人々に対する適切な社会的介護の提供。


*特に隔離が決定された諸国において、暴力の犠牲者となっている女性と子どもに対する即時緊急の保護措置をとること。暴力的な配偶者を排除する、あるいは犠牲者のための別の住居を提供するという決定を速やかにおこなうこと。


*弱者への援助。


*すべての人々への平等な処遇。


*適切な産業(自動車、航空機、武器など)を社会が医療危機を乗り越えるのに役立つ生産、たとえば換気装置、モニター装置、集中治療室、防護設備などの生産へと即時転換すること。


*薬品、予防用品の無料配布と価格固定。


*必要不可欠な領域での労働条件改善。


*新自由主義によって解体された医療サービスを公益管理のもとで社会化・再構築すること。


*製薬業の国有化。


*国民経済と住居の防衛。


*不当な債務支払い拒否/帳消しという視点から、市民参加による債務監査をおこなうとともに公的債務の支払いをただちに一時停止すること。


*銀行に対する家計債務、マイクロクレジット、家賃を凍結すること。誰もが水・電気・ガス・インターネットを利用できるようにすること。


*銀行システムを公益管理のもとにおくこと。その際、大株主への補償なしに銀行を接収すること。銀行システムを市民管理のもとで社会化すること。


*大資産への課税。


10.われわれは、政府が行動するのを腕組みして待つことはできない。われわれは、農村地帯や都市部において、抵抗の領域から、労働者の自己管理型イニシアティブを発展させるために、協働して行動しなければならない。


こうしたイニシアティブの例は、人々や組織されたセクターから生まれている。たとえば、特に小農民、先住民族、失業者、大都市周縁部に住む人々やそのコミュニティ、フェミニスト連帯ネットワークによる例がある。これらのイニシアティブは、非常に興味深いオルタナティブを作り上げている。


特に、確実に感染を防ぐために人々に提供される布マスクの協同生産、食料の寄付やオルタナティブな生産、公的医療システムの防衛、医療システムに例外なくアクセスするという要求、労働権や賃金支払いの保障を求める要求、女性に対する暴力のエスカレーションが増えていることへの告発、家で隔離されている間に女性によって担われている辛い介護労働への非難がその例である。いまや、いままでよりもさらに、こうしたイニシアティブを一般化しなければならない。


そして、エコ社会主義と「よく生きること」の一部として、自律的自己組織化という日常的なオルタナティブに向かわなければならない。このエコ社会主義と「よく生きること」とは、生命と地球を破壊した、大量虐殺・生態系破壊システムである資本主義に対する具体的なオルタナティブとして、われわれが提案しているものである。


11.必要な物理的隔離とそれに従うための条件を作り出している緊急措置を尊重したうえでも、労働者大衆は行動し闘う手段を持っている。ブラジルでは、「カセロラソ」(訳注:鍋などを叩く抗議行動)やボルソナロ大統領の弾劾を求める一〇〇万以上の署名が、連帯意識へと変化した連帯感情の例である。


その連帯意識は人民によってとられるべき必要な手段を求める闘いへと導く。もし食料が十分でないならば、われわれは、電話やインターネットを使って、近隣地域で自らを組織し、コミュニティ農園の収穫物を利用したり、農民協同組合が生産した食料を意識的に消費したりする。


さらに、大衆食堂を調理食品や食材の分配センターに転換することができる。もし収入を保障する政策が不十分であれば、自治体当局からの給付金を要求することは可能だ。大衆的な創造力をあらゆる形態で喚起すべきである。


12.その深刻さにもかかわらず、新型コロナウイルスのパンデミックは「パーフェクト・ストーム(訳注:複数の災厄が同時に起こる破滅的な事態)」というわけではない。われわれの食料システムや自然との略奪的関係は、最後には新型コロナウイルスよりも伝染力が強く、かつ(あるいは)致死的なウイルスによる感染爆発を引き起こす可能性がある。くわえて、猛烈な感染爆発は気候カオスによって引き起こされる極端な事象と同時並行的に起きるかもしれない。


何千人の、あるいは何百万人の人々が突然に避難せざるをえなくなる深刻な洪水や猛烈なハリケーン/台風がその結果として起これば、深刻なパンデミックと闘うために必要な社会的距離や隔離といった措置をとることが不可能になるだろう。公衆衛生危機と気候危機が結びつけば、人間にとって前例のない大惨事を生み出すかもしれない。同時に、パンデミックと気候/エコロジー緊急事態には類似点がある。


その類似点とは、すぐに行動することが決定的であること、(伝染と排出の両方の)加速度的な増加を厳しく抑え込まなければならないこと、そして公平・公正な反資本主義的解決策だけが、最大多数の生命を救うオルタナティブとしての機能を果たすということである。


13.巨大な地政学的シフトが進行中である。それは世界の様相を再構成するだろう。しかしいま、ある要求が押し付けられている。つまり、世界中での休戦協定という要求である。諸国人民の連帯を強化すべきときなのだ!


14.新型コロナウイルスに起因する危機は、環境に肯定的な影響を与えていると言われてきた。エアロゾルや亜酸化窒素のような短期的な大気汚染物質の濃度減少が、とりわけ大都市圏において観測されている。それによって、大気の質や視界が改善されている。しかし、CO2のような長期的な汚染物質という観点からは、新型コロナウイルス危機は根本的な変化をもたらしてはいない。


国際航空便の半数以上はいま地上にとめおかれており、エネルギー使用の減少は電力や輸送を含めて、世界のCO2排出量を五%減少させたと推定されている。これは世界のCO2年間排出量の減少としては最大のものである。しかし、それは、地球温暖化を産業革命以前の平均気温から一・五℃以下に抑えるために必要とされる年間減少率をまだ下回っている(排出量を二〇三〇年までに半減させるためには、年間排出量を六〜七%削減することが必要とされる)。


しかし、資本主義企業が期待していることは、できるだけ速やかに以前の状況に戻って、経済成長を再開することなのである・・・。さらに、ブラジルのようないくつかの国では、CO2の主要排出源は土地利用の変化にあるが、新型コロナウイルス危機の間に環境監視が中断していることが森林伐採や排出を増加させているという証拠がある。


エネルギー需要を減らし、森林や先住民の土地を守り、排出量を削減するための首尾一貫した組織的な努力だけが、気候緊急事態に対する適切な対応を可能とする。新型コロナウイルス危機が「環境に肯定的な影響」を与えることができるという幻想は、せいぜいのところお人好しであり、最悪の場合は、その幻想が厭世的・優生学的・エコファシスト的状況へのドアを開けるかもしれない。人間社会の根底からの再組織化が必要である。


15.新自由主義の初期において、「もう一つの世界は可能だ」とともに叫んだ野心的な運動や社会セクターがあったのなら、今日われわれは「もう一つの世界は必要で緊急だ!」と言うために団結しなければならない。


共通の国際主義的行動を通じて、生命が利益よりも価値がある世界、自然が商品であることをやめる世界に向かう道筋が示されている。現在の危機が明らかにしているのは、資本主義生産の重要な部分が純粋に略奪的で、全体として不必要でむだの多いものであることだ。


その危機はまた、著しく減少した労働時間でも必要不可欠な物を作り出すことができること、賃金・収入保障や医療システム・教育システムへの例外のないアクセスが過渡期において完全に実現可能であること(その過渡期ではエコ社会主義への移行とともに、エネルギー・システムや生産システムは完全に置き換えられ、膨大な数の労働者がさまざまな経済部門に移行していく)、政治的な意思次第では大規模な産業調整が比較的短期間でおこないうることを示している。


エコ社会主義への移行なしには未来はない。エコ社会主義を打ち立てるために団結しよう。


原文
Fourth International on Covid-19 pandemic

Let’s build the transition to ecosocialism now!


【グローバル・コロナ禍】ロックダウンの南アフリカから現地報告


ed9e0f98-refugees-1200x858【ケープタウンで教会が支援する難民キャンプの閉鎖と移動を求める市当局】

南アフリカ・ケープタウン在住の仲間から現地の様子を伝える報告が届きましたので、配信します。




ロックダウンの南アフリカから

福島康真

 ラマフォサ大統領はイースターが始まる前日の四月九日夜に行った演説で、全国ロックダウンを二週間延長して四月三〇日まで続けると発表した。

 南アフリカでは三月二七日から新型コロナウイルスの拡大を阻むためにロックダウンに入っており、国全体がほぼ止まった状態が続いている。

 この演説で大統領は、(1)感染を遅らせたり減らすために公的な保健体制を強め、(2)パンデミックで影響を受けているビジネスや個人を支援するための包括的な経済支援策をとり、(3)貧困層や影響を受けやすい世帯に対する社会的支援策を拡大するという、三つの政略に沿って政府は集中的組織的な対応を行うと述べた。

 政府はすでに検査体制を作ってきたが、これからの二週間、九つあるすべての州で特に脆弱な環境にある地区での集中的な検査を行うために戸別訪問検査を含めた体制を取るとしている。感染ホットスポットはすでに特定しており、そこからの拡大を防ぐためにそこにリソースを集中していくとした。

 経済対策としては、大企業から小規模ビジネスまで規模を問わない支援、労働者やフリーランサー、インフォーマル・ビジネスに対する支援を行うとし、UIF(失業保険基金)に四百億ランド(約二四〇〇億円)を投入し、すでに三億五六〇〇万ランド(約二一億円)が支払われていると述べた。また基礎医療品の供給のために資金を投入しているとしている。

中小企業に対してはローン返済の六カ月の繰延をすでに承認しており、救済のための政策の調整を行なっており、小規模農業に対しても最優先の資金投入を行うという。地域の工場などでマスク、手洗い用消毒液、薬用品などが生産できるようにし、医療労働者がこれらの製品を利用できる環境を作るとも述べた。

 またホームレスの人々に対して全国で一五四のシェルターを確保しており、すでに利用されているという。

 そして大統領は、これらの施策では現在のすべての要求に応えるのには不十分だが、これからの数週間で起きるであろう事態に対して迅速かつ素早い対応をとるためにこれらは必要で、今後さらに包括的な緊急経済政策を作っていくと述べた。

 演説の最後に、この政策を行うために大統領を含めた政府閣僚の報酬を今後三カ月の間三三%カットし、それを連帯基金に寄付すると発表した。

 政府の発表によると四月一〇日現在、検査総数六万八八七四のうち、これまでの感染者確認数は一九三四で、そのうちの一八人が死亡し、四五人が回復している。最初に感染者が確認されたのは三月五日で、三月一五日に政府は全国災害宣言を出したが、その段階での感染者総数は五一で死亡者はまだ出ていなかった。

 ヨーロッパで感染が急速に拡大し始めた直後の三月上旬に感染者が確認されたことを考えると、南アフリカでの感染は海外からの旅行者によってもたらされた可能性が高い。ヨーロッパから戻ってきた大都市の中間層、中産階級の人からウイルスが拡大していったと考えられる。

 現在も感染者の大多数はヨハネスブルグ、プレトリア、ダーバン、そしてケープタウンといった大都市に集中している。南アフリカでは、かつてのアパルトヘイト時代に作られた人種別居住区が現在も残っており、基本的な経済構造は変わっていない。都市周辺に住まわされている貧困層の人々が都市に仕事のために毎日通っている。

 ウイルスが拡大するとすれば、都市に住んでいる中間層、中産階級の感染者が、かつての人種別居住区から通っている人を感染させ、その人が住んでいる地域に広がっていく。そのような拡大を阻むために、政府はロックダウンの導入を決断したと考えられる。

 政府が全国災害宣言を出してから一二日後の三月二七日に、ロックダウンが始まった。

 それが始まるまで、政府は様々なメディアを使って手洗いの励行、社会的距離(ソシアル・ディスタンス)の確保、握手の代わりの腕での挨拶などを行うように宣伝してきた。

 ロックダウンが始まると、国境は全て閉鎖された。航空便は貨物便を除く国際・国内便が全て運休、陸の国境も閉鎖され、二つの貨物専用港を除いて海の国境も閉鎖された。国内の長距離バスも運行停止した。長距離移動に鉄道は使われておらず、ほとんどが航空便が長距離バスの利用のために、都市間の移動も禁止された。

 個人の外出も禁止され、一日中家にとどまること(ステイ・ホーム)が呼びかけられた。散歩、ジョギング、ペットの散歩も禁止され、友人の訪問や一緒に住んでいない家族の訪問も禁止された。大きな敷地を持つアパートなどでも、玄関や庭などは公共の場にあたるので敷地内とはいえそこに行くことも禁止された。

 レストランを含めた全ての店が営業停止になったために、ウーバーイーツなど
の出前サービスも営業停止になった。

 また人の接触を行わないようにするために酒類販売は禁止され、ウイルスを拡散する恐れのためにたばこの販売も禁止された。

 食料品を買うための外出と医療機関に行くための外出だけが許されており、そ
のためにスーバーマーケットなどの食料品店と薬局のみの営業が許可され、そこで働く労働者や医療機関で働く労働者の通勤のために午前中三時間、午後三時間だけ公共交通機関が運行している。

 オンラインショップも取り扱えるのは医療関連品や生活必需品だけで、その配送も許可を受けた業者しか行うことができない。

 こういった非常に厳しい環境の中で、南アフリカの人々は現在生活をしている
が、現在のところ大きな混乱は起きていない。

 中間層、中産階級、そして富裕層が住む地域で、この「規則」を破る人がほと
んど出ていないのは、これらの人々は比較的大きな敷地の家や大きな部屋のアパートなどに住んでいるためだと思われる。

 それに対して、かつての人種別居住区などに住んでいる貧困層の人にとっては非常に厳しいことになる。狭い家に大人数で住んでいたり、密集する掘立小屋に大人数で住んでいると、社会的距離そのものを確保することが難しい。常に密集している場所にいなければならないので、不満も高まっていく。

 現在のところ感染者の多くは中間層以上が多く住む都市中心部に集中しているので、そこから感染を周辺地域に広げていかないための交通手段の遮断、人の移動の遮断という方法は、ある意味で合理的な方法だと思える。

 しかし時が経つとフラストレーションが溜まっていく。毎日午後八時になると
人々はそれぞれの家で一斉に拍手をしたり叫んだり、鳴り物を鳴らしたりする。これは最前線に立っている医療に携わっている人々を激励するために始められたのだが、現在ではフラストレーションを発散するために行われているようだ。

 こういう状況の中で、労働組合や住民組織、NGOなどは、基本的に感染の拡大を阻むために社会的距離を確保することを呼びかけている。

 労働組合のナショナル連合の一つのSAFTU(南アフリカ労働組合連合)は、
この混乱に乗じて利益を上げようとする企業を厳しく非難すると同時に、社会的距離を確保することを労働者に呼びかけ、政府に対して様々な経済政策提案を行っている。そういう中で、SAFTU書記長が感染する事態が起きた。彼は隔離生活に入ったため当面の間書記長職を解任され、他の指導部全員に対しても検査を受けることを義務とした上で、全組合員に対して政府が推奨する社会的距離の確保に努めるように呼びかけている。

 現在の南アフリカは、ほぼすべての人々が感染を拡大しないために一つになっているようだ。

 大統領は演説で、政府閣僚の報酬を今後三カ月間カットすると述べた。ということは政府は少なくともこれから数カ月はこの事態は終息しないと考えているとも言える。

 現在まだ人類がコントロールできない感染とその拡大を阻むためには、自分が感染を広げる当事者にならないことから始めるしかない。その上で、世界の人々がどのように協力できるのか。手探りの状態はまだしばらく続きそうだ。


(四月一〇日、南アフリカ・ケープタウン)

【第四インターナショナル・ヨーロッパの声明】新型コロナウイルスのパンデミックに直面して:われわれの生命は奴らの利益よりも価値がある

20200318at29S_o【黄色いベストもストライカーも去り、警官隊に制圧されたパリの街頭】


ヨーロッパにおいて、とりわけ世界で二番目に巨大な経済ブロックであるヨーロ
ッパ連合(EU)において、過去二〇年間以上にわたって続けられてきた公共政策が、新型コロナウイルスのようなパンデミックに対応できたはずの公的医療体系を破壊してきたことが日々証明されている。


三月には、この地域はパンデミッ
クの中心地となった。いまではパンデミックの中心地はアメリカ合衆国へと移っているが、明日にはアフリカやラテンアメリカ、アジアへと移り、貧弱な医療体系しかない国々で何百万人もの人々をますます危険にさらすだろう。



この二〇年間、緊縮予算の原則や自由主義的資本主義の論理に合致させるために、つまりGDPに占める社会保障費の割合を減らすために、病院、医師や看護師、何万もの集中治療室や蘇生病室が削減されてきた。オーストリア、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグは別として、他の諸国では一〇万人につき四〜一一床の集中治療室しかない。ポルトガルやギリシャではもっと少ない。この二カ国では、スペイン、フランス、イギリスと同じように、過去一〇年間に病院の病床を廃止する計画が継続されてきた。こうした政策は近年つねに医療労働者によって非難されていたが、パンデミックに対応するためのリソースの破局的な不足を招いた。


イタリアとフランスでは、すでに集中治療ユニットの最大能力に達したか、あるいはそれを超えてしまっている。他の諸国も今後数週間以内に、同じ状況に直面するだろう。どこでも、政府は、防護用品(マスク、ジェルなど)や必要不可欠な設備(病床や人工呼吸器)の必要な供給、病院スタッフの緊急補充といったこの不足に対処するための対策を講じるのに時間をかけすぎている。ドイツにおいてさえ、何十万もの病床が過去二〇年間で削減され、患者に対する看護師の割合を見れば、少なくとも一一万人の看護師が不足している。


同時に、ヨーロッパの政府や雇用主がとらわれている最大の強迫観念は、不景気に対する不安であり、最大限の生産を維持することだった。人々を守るための緊急措置が課せられたとき、いくつかの政府は矛盾した命令を続けたし、今も続けている。いくつかの国においては、ウイルスの拡散を遅らせ、減少させるために全国民の隔離を決定せざるを得なかったが、それでもなお、自動車生産や建設業、軍事産業、造船所といった部門においてさえ、労働者の健康を危険にさらして最大限の経済活動を維持しようと求め続けた。さらに、必要不可欠な部門(食料生産、配送、道路、公共交通、医療・在宅介護スタッフ)の労働者は十分な個人的防護設備を持っておらず、EUの安全(健康)法のガイドラインさえ幅広く無視されている。


「不要不急な活動」を禁止する法令を出した国もあるが、つねに最大限の経済生産を維持しようという欲望を捨てたわけではない。フランスとイタリアは特定の労働者の解雇を禁止したが、こうした措置は対象範囲が限られている。スペインでは、すでに過去数週間で一五〇万人の解雇者(そのうち五〇万人はカタロニアにおいて)が出ているにもかかわらず、企業閉鎖によって影響を受けた労働者は、企業再開後に、働けなかった時間分を回復しなければならないだろう。


イタリア
では、雇用主の組織である「コンフィンダストリア」は、ほとんどの経済部門でいつも通りのビジネスを続けるよう強い圧力をかけたが、労働者と戦闘的労働組合が政府に操業続行を許可された部門の数を部分的に減らさせた。しかし、今のところ、もっとも打撃を被っている地域においてさえ、地方警察当局へのたった一つの布告によって、多くの工場が活動続行を認められている。労働者の抵抗も続けられている。フランスで生産が停止したのは、しばしば部品不足や当面の販路不足によるものである。プジョー・シトロエンやルノーはいまでも活動を最大限再開しようとしている。フランスの労働大臣自らが建設業や公共労働部門に対
して、活動を再開するように圧力をかけた。


何百万人もの労働者が直接に解雇されたり、無給の部分的失業状態に置かれたりした。不安定で一時的な契約は更新されなかった。被雇用者の資格を有していなかった何百万人ものフリーランスも、気がつくと仕事や収入がなくなっていた。しかし誰にとっても、請求書やローン支払いが届けば支払わなければならないのだ。すべての労働者は自らの立場(賃金労働者、フリーランス、失業、短期雇用、季節雇用など)にかかわらず、収入は一〇〇%保障されなければならない。その国で生活する費用にもとづく最低限の収入が全員に保障されなければならない。


利益や配当金はこの資金調達のために使わなければならない。


不安定な条件の中で生活している労働者、ホームレス、そして女性が真っ先に新型コロナウイルスの拡散とそれによる隔離によって影響を受けることになる。倒れそうな住宅や狭く不健康な住居によって、貧困層にとっての隔離は富裕層にとっての隔離とは違うものになる。イタリアやフランスでは、裕福な人々はより危険の少ない地域で自己隔離するために、もっとも危険にさらされている地域を離れてしまった。

ロシア当局は弾圧的な手段へと転換し、隔離違反には高額の罰金を課すとともにビデオ監視や警察による管理を強化してきた。同時に、ロシア当局は収入や仕事を失った何百万人の中小企業労働者に対するいかなる支援も事実上拒否してきた。しかし、故郷に帰国できないまま、その多くが仕事を失った中央アジア出身の三百万人の移民労働者はもっとも弱い立場に置かれている。感染の拡大は、ロシア政府がこれまで実行してきた新自由主義的で容赦ない病院「最適化」プログラムを主な要因として、多数の被害者をもたらす恐れがある。


同様に、この状況の中で、ドメスティック・バイオレンスとフェミサイドがあらゆるところで増加している。


多くの国の刑務所では、囚人や職員が防護設備もないまま過密状態におかれている。


移民(とりわけギリシャとトルコの間で立ち往生している人々や収容所内にすし詰めにされた人々)は、不安定な健康条件のゆえにさらに大きな危険にさらされている。ほとんどの国において、彼らは国の支援やNGOの支援さえなく、食料支援もなく取り残されてきた。そして、防護手段のないセンターの中にすし詰めにされてきた。ポルトガルは国内にいる難民にたいして一時的に居住許可を出すことを決定した。しかし、これはすでに居住申請が出されたことを当局が確認した人々についてだけのものである。

他の誰にも増して、移民は収入、仕事、住居、食料の面でかつてなかった危機に直面している。国籍があろうとなかろうと、移民や難民も含めて、巨大で多様な不利な立場にいる人々のための「社会支援」部門は破綻している。同時に、移民やもともと移民であった人々は、医療・介護、公共交通、食料生産、配送、清掃といった絶対不可欠(エッセンシャル)な部門の労働現場で多くが働いている。と同時にその多くが女性を中心とした職場でもある。


パンデミックは階級差別を悪化させている。そして民衆諸階級やもっとも不安定な人々はこのパンデミックの間、とりわけ死と向き合っているにもかかわらず、もっとも低い賃金しか支払われていないし、これからも支払われないだろう。同時に、いくつかの政府は、イタリアやフランスに先導されて、好戦的な姿勢や国家主義的な構造に頼ることによって自らの怠慢を覆い隠そうとしてきた。軍隊や国歌を目立たせ、「聖なる連合」を呼びかけてきたが、その一方でこのパンデミックが始まってからほど階級差別が強まったことはかつてなかった。同様に、いくつかの政府は、社会的・民主的権利を制限するためにこの状況を利用しようという誘惑に駆られて、非常事態宣言を出した(イタリア、フランス、ポルトガル、スペイン)。


そのようにして、ドイツでは、新型コロナウイルス危機は、労
働運動がかちとったさまざまな成果(たとえば、バイエルンにおける労働時間法やドイツ全域における介護部門の人員比率法)に異議を唱え、それを撤廃するために利用されている。フランスでは、政府布告によって、企業が労働時間や休日
の権利に関する規定から逸脱することが認められた。スペインやポルトガルでは、規定を逸脱して、医療部門や必要不可欠な生産部門におけるストライキ権を禁止し、雇用主にスト破りを認めた。ハンガリー議会は、すべての民主的規制を無視して、オルバン首相に全権を与えた。


このパンデミックの到来は、多くの科学者や他の者たちにとって驚きでもなんでもない。企業的農業の大規模な成長は、食肉産業や森林伐採、大都市におけるスラムの増大や世界的生産連鎖とともに、新たな未知のウイルスを培養し世界的に拡散するという時限爆弾を生み出した。


ヨーロッパ連合は、この危機に直面して哀れな様相を呈している。現在の状況は、長年にわたる緊縮政策の結果である。たとえば、過去一〇年間に少なくとも六三回にわたって、EUはさまざまな国における公的医療支出の削減を要求してきた。医療での協同のとりくみを準備したり、パンデミックと闘うためのリソースをプールしておいたりするどころか、政府は手始めに「感染国」との国境を閉鎖し、イタリアが求めた支援を拒絶し、混乱したやり方で矛盾した措置をとった。数週間にわたって、イタリアはヨーロッパ諸国からよりも多くの支援を、中国やロシアから、そしてキューバからでさえ受け取った。


マスク、検査キット、集中治療室
の不足が、ほとんどの国において深刻なロックダウンを不可避としたが、今日においてさえヨーロッパレベルでの協力は(感染拡大に)追いついていないままである。最近数週間以内に開かれたヨーロッパ・サミットで関心を集めたのは、株式市場の危機や金融危機から自らを救い出すために、予算規定を一時中断し、ヨーロッパ中央銀行(ECB)が量的緩和をおこなうことだけだった。


その一方で、
この要求に直面して、EUはたとえばイタリアに対する低利の借款を供与しないために、ヨーロッパレベルで直接に保障されたコロナ債を発行することを拒否した。皮肉なことに、唯一の提案はESM(欧州安定メカニズム)を利用することだった。しかし、ESMによる支援は、現在の破局的な状況を生み出した緊縮策を条件としたものなのである。医療、産業資源、予想される医療人員という観点からの協力はまったくなかった。各国はみずからの自衛策を追求している。


緊急措置

ヨーロッパにおける第四インターナショナルの諸組織と活動家は、それぞれの組織とともに以下の緊急措置プログラムを支持する。


-スクリーニング検査キットを大規模に使えるように有効な手段を投入すること。

蘇生病室と人工呼吸器を増やすこと。すべての人々に適切な防護マスクを配布し、生物学的検査を受けさせることが、隔離解禁の条件である。こうした手段を民主的に管理されたもとで生産すること、新型コロナウイルスに対する薬品やワクチンの非商業ベースの研究に直接的な支援をおこなうこと。


-人々の日常生活や医療保護にとって必要不可欠ではないすべての経済活動を停止すること。


-不安定雇用労働者、臨時雇いの労働者、家事労働者、フリーランス労働者、季節労働者を含む、活動を停止した労働者の賃金について、休暇を取ったり、あとで働かなかった時間を回復したりする義務なしに、企業・国が一〇〇%の責任を負うこと。雇用主が賃金を支払うことを拒否した被雇用者の賃金を国が支払う義務をもつこと。インフォーマルな部門で働く労働者、失業手当が支給されない失業者、学生、それを必要とするあらゆる人に対して、国は保障された最低限の収入を支給しなければならない。それはまともな生活を送るのに十分でなければならない。


-あらゆる解雇を禁止すること。パンデミックが始まって以降に解雇された被雇用者を復職させること。


-ストライキ権を含む社会的権利を一時的に停止する強権的・例外的措置を拒否すること。


-活動を続けているすべての被雇用者に対して防護手段(マスク、ジェル、ゴーグル、手袋)を供給すること。安全条件が尊重されないのであれば、彼らの保護と職場から離れる権利の即時行使を認めること。


-テナントからのあらゆる立ち退きを停止すること。家賃、個人ローン、水道料金・エネルギー料金の支払いを猶予すること。倒れそうな住居に住む人々や住居のない人々に対して適切な住居を提供すること。空き家を徴発すること。


-障がいを持つ人々、高齢者、ロックダウンによって社会的に孤立したすべての
人々に対して適切な公的介護を提供すること。


-とりわけ隔離が決定された国々において、暴力の犠牲者となっている女性や子どもに対してただちに緊急保護の手段を確立すること。


-証明書を持たない移民や難民全員にただちに居住許可を与えること。あらゆる社会的保護システムへのアクセスを即時保障すること。すべての追放措置を停止すること。すでにコロナウイルスが移民キャンプに入り込んでいるため、きわめて過密となっている移民・難民キャンプ(とりわけレスボス島のモリア・キャンプ)をただちに閉鎖することは絶対に必要である。それとならんで、基本的で健康的な隔離条件を持っている必要なホテルやアパートの徴発も絶対に必要である。

難民の安全な入国手続きのために、ヨーロッパの各国国境を開放しなければなら
ない。

情勢の求めに応じて、一連の緊急決定においては、民衆諸階級の利益が中心に置かれるべきである。


-民間医療部門全体を統合して、医療部門を公的に再組織すること。近年閉鎖された病室、サービス、病院を再開して、そのサービスを運営するために必要なすべての医療労働者をただちに雇用すること。必要なすべての医療組織をオープンすること。医療労働者の賃金を引き上げること。


-製薬業を公的管理へと移行させること。必要な薬品を特許権とは無関係に生産すること。


-主要なソーシャルメディアを公的所有へと移行させること。フェイスブック、ワッツアップ、アマゾン、ズームはロックダウンから多大な利益を得ており、未来の巨大な利益を生み出すデータを収集しているからである。それらは(すでに利益を集めすぎているのだから、補償なしで)支配権を移され、利益を追求しない透明な公的サービスとして運営されるべきである。


-あらゆる国で葬祭業を公的所有に移行すること。民間企業が死から利益を得て、売り上げを最大化しようとして人々の悲しみを操作することは認められるべきではない。


-持続可能な農業と世界的な食料正義(フード・ジャスティス)を目指すこと。


-適切な産業(自動車、航空機、武器など)を社会が医療危機を乗り越えるのに役立つ生産、たとえば換気装置、モニター装置、集中治療室、防護設備などの生産へと転換すること。労働者は自らの労働現場を調査して、医療当局と協力して転換のための手段を講じることができるだろう。


-主要株主への補償なしで民間銀行を接収すること。市民管理のもとで金融システムを社会化すること。個人口座への銀行からの請求をすべて一時停止すること。


当面のニーズを満たすために勤労諸階級にゼロ金利の融資を提供すること。

-ただちに公的債務の支払いを一時停止すること。それによってパンデミック期間中の人々のニーズを満たすために十分な資金を動員するのを可能にしなければならない。債務支払いの一時停止は、不当な債務を確定させそれを帳消しにするために、市民による監査と結びつけなければならない。

残念ながら、このパンデミックとそれに続いて起こる世界的危機は、グローバリゼーションと気候変動によって繰り返し生み出される危機の始まりなのである。資本主義は、人間社会を不安定化させ破壊する世界、気候災厄や医療惨事のリスクを増大させる世界を作り出した。われわれは、利益、パンデミック、気候変動という古い世界に終止符を打ち、地球の破壊を止めなければならない。


これまで以上に、われわれの生命は奴らの利益よりも価値があるのだ。

二〇二〇年四月八日

オーストリア:ソーシャリスト・オルタナティブ(SOAL)

ベルギー:社会主義労働者党(SAP)-反資本主義左翼

イギリス;ソーシャリスト・レジスタンス

デンマーク;社会主義労働者党(SAP)

フランス:SFQI-フランス・第四インターナショナリスト

ドイツ:国際主義社会主義組織(ISO)

ギリシャ:OKDE-スパルタクス

ギリシャ;TPT(第四インターナショナル綱領的傾向)

アイルランド:ソーシャリスト・デモクラシー

イタリア:コムニア・ネットワーク

イタリア:反資本主義左翼

オランダ:SAP-グレンゼロス

ポーランド:ズビグニエフ・マルチン・コワレフスキー

ポルトガル:SPQI-第四インターナショナル活動家集団

ロシア:ロシア社会主義運動(RSD)

スペイン:アンティキャピタリスタ

スウェーデン:ソーシャリスティスク・ポリティク

スイス:社会主義のための運動(BFS/MPS)

スイス:ソリダリテ(連帯)

トルコ:ソシアリスト・デモクラシ・イジン・イエニヨル(社会主義民主主義への新たな道)

(『インターナショナル・ビューポイント』四月九日)

原文 
Faced with the Covid-19 pandemic, our lives are worth more than their profits

【アメリカ】進行中の「コロナウィルス・ストライキ」中間報告

5919(画像はAMAZONの労働現場でコロナ患者が発生したことにより、ストライキで全倉庫の洗浄を求めた労働者たち。かれらは現在、解雇攻撃にさらされている)



下部から湧き上がり広がる闘い
継続し成長すれば新時代視界に


ダン・ラボッツ

 

 われわれは今、雇用主が職場を安全にすること、あるいはその操業停止に踏み込めないでいることへの対応として、米国中で労働者が仕事の放棄や山猫ストを行っていることを見続けている。このストライキは、それらをある種のストライキの波と呼ぶには小さすぎるものだが、しかしわれわれは、自分自身の主導性で実際に彼らができるもっとも強力な行動であるもの、つまり仕事の放棄、に労働者がとりかかっている、ということに注目しなければならない。このストライキは、民間部門と公共部門の双方で、大小の労組のある職場と労組がまったくない職場双方で起きている。

広範な職場に山猫ストが伝染中


 労働者は一五〇年間、無数の産業で安全と健康をめぐるストライキに立ち上がってきた。二〇世紀の記憶に残るものは、炭塵じん肺をめぐる鉱山労働者のストライキだ。しかしわれわれは、雇用主に対し強力な要求を行う労働者による、また時に勝利を得ている、一つの感染症への対応としての健康と安全をめぐる山猫ストという、こうしたことに似たものを以前は経験したことがなかった。そしてこれらのストライキは、政治家の無知を露わにした言明、また時には偽りの言明、そしてあらゆるレベルにおける政府の失策のど真ん中で起きている。したがってこれらのストライキは、一人の特定の雇用主にだけ向けられている時であってさえ、経済的性格だけではなく政治的性格をも帯びている。

 われわれは今、さまざまな産業といくつかの州でそうしたストライキを見ている最中だ。

▼フィアット・クライスラーの労働者は、彼らの職場は安全でないと宣言し、三月半ば「ミシガン州の同企業スターリング・ハイツ組み立て工場(SHAP)で山猫的な労働放棄をやってのけた」。その中で労働者たちは、オンタリオの同企業ウィンドソー組み立て工場でも仕事を放棄し、工場閉鎖に向け三大自動車企業(フォード、GM、フィアット・クライスラー)に圧力をかけている(注一)。

▼仲間の労働者の妻が検査で陽性となりその労働者が隔離されたことを受け、ピッツバーグの下水部門労働者が三月二五日に作業を止め、トラックを駐車させ彼らの職場への入り口を封鎖した。要求は、マスク、もっと良質な手袋、そしてもう一組の作業靴の確保だった。労組は、ストライキが起きたことを否定し、労働者の職場放棄を誤解のせいにした(注二)。

▼ジョージア、カスリーンにあるプルデュー鶏肉処理工場の労働者は、工場の消毒を要求して三月二三日に労働を放棄した。「われわれは今何も得ていない。どんな形の補償もまったくなく、清潔さもまったくなく、特別手当も全然ない。われわれはここで完全に、鶏肉のためにわれわれの命を危険にさらしている」、ケンダリン・グランヴィルはこう語った。

▼ジェネラル・ダイナミックスのメーン、バースにあるケネベック川沿いのバース鉄工造船所では、労働者の一人が検査で陽性になったと会社が明らかにした後、六八〇〇人にのぼる同工場労働者の半数が三月二四日、仕事に出てくることを拒否した。労組が家に留まることを組織したのかははっきりしていないが、組合役員は、造船所の操業停止と従業員が家に留まることの容認を求めた(注三)。

▼チムスター667支部メンバーの、ほとんどがアフリカ系米国人からなる労働者の一団が三月二七日、仲間の労働者一人が検査で陽性になった後、メンフィスにあるクロガー食料雑貨倉庫で山猫スト

に入った。「われわれは本当に危険な状況にあり、怯えている」「労働者の半数は家に戻っている。彼らは自分の安全に怖れをもっている。それがここにあるものであり、彼らは設備に触れることを恐れるほど緊張している」、フォークリフト運転手であるモーリス・ウィギンズは新聞にこう語った(注四)。

 スターテン島のアマゾンの倉庫では、仲間の労働者が検査で陽性になった後に、労働者総数二五〇〇人のうち約一〇〇人の労働者が三月三〇日に仕事を放棄した。彼らは、会社が施設を清潔にし職場を安全にするよう要求した(注五)。

GEでは人工呼吸器製作要求し


 明らかに、ストライキや座り込みにとってつまらなすぎるというような職場はまったくない。三月二一日、オレゴン、ポートランドにあるクラッシュ・バーと関連のウッディーカフェおよびタヴァーンで、全スタッフ二七人のレイオフに抗議しようと、一二人の労働者が店内を占拠した。その一人であるハンナ・ジオイアは、法的回路を通じて賃金支払要求を追求するよりも座り込みを行った理由を問われて、「われわれは、この請求を処理する政府出先機関の能力を事態好転まで待つことはできないと見ている。われわれには今資金が必要なのだ」「レイオフされるのはそれだけで破滅的だが、公的な医療危機の中ではそれは破局的だ。われわれには選択肢がない。われわれは、法的に必要とされていることを、われわれの権利であるものをオーナーがやることを期待している」と語った(注六)。

▼おそらくもっとも注目に値することとして、マサチューセッツ、リンにあるGEエンジン工場の労働者が、「コロナウィルス・パンデミックの最中での人工呼吸器不足を国が埋めることを助けるためにその工場を活用するよう会社に訴えて」三月三〇日に仕事を放棄し、その後工場にピケを張り、社会的距離を確保し六フィート離れた行進を行った。これは、工場を人工呼吸器生産に転換するよう会社に訴えることにより労働者の職を救うことを意図したストライキだ。「GEの医療部門はすでに、人工呼吸器製造では国で最大の生産者の一つだ。したがって組合員たちは、他の工場も救命装置生産向けに転換され得る、と確信している」。こう伝えた「ヴァイス(万力)」紙記事は以下のように説明する。

―これらの抗議は、ジェネラル・エレクトリックによる、二六〇〇人近くの労働者の解雇として、国内航空関係要員の一〇%をレイオフすることになろうとの公表直後に現れている。そのレイオフは五億ドルから一〇億ドルを企業のために取っておく努力としてあり、整備労働者の五〇%の「一時的」レイオフと一体的になっている。このニュースは、下院が数兆ドルを投じた公的資金による企業救済案を通す準備を整える中で到来した。ちなみにこの救済策には、航空産業に対する少なくとも連邦援助としての五〇〇億ドル、貸し付けとしての二五〇億ドル、さらに税の一時的軽減が、また「国家安全保障に決定的」と思われている諸企業(すなわち、ボーイングやジェネラル・エレクトリックのような国防省契約企業)に対するさらなる一七〇億ドルの連邦援助が含まれるだろう(注七)。

官・民、組織・非組織問わず


 確実だが、報道が取り上げてこなかったこうした他のストライキや座り込みがあるに違いない。そしてわれわれは、あらゆる種類の労働者による、特にそれらの中でも重要なものとして教員や看護師による、多くの他の抗議行動があることを知っている。とはいえわれわれはそれらを、それ自体重要だが今回の議論に含めていない。山猫ストは労働者運動の歴史と理論では、またコロナウィルス・パンデミックの中における経営者と政府に対する今日の対応では、特別な位置を占めているのだ。

 われわれが注目することは、これらのストライキ参加者が高度に熟練し同時に高給取りの労働者である――ジェネラル・ダイナミックスのバース造船所の労働者のような――こととまた、またポートランドやオレゴンのバーやレストランの労働者、そしてジョージアのプルデュー鶏肉処理工場の労働者のような低賃金労働者でもあるという同時併存だ。

 人は、黒人労働者――ピッツバーグの下水、カスリーンのプルデュー鶏肉、さらにメンフィス、チムスター――がこのストライキで指導的役割を果たした、ということを典型にすることができる。しかしそれでもバース造船所の労働者は圧倒的に白人であり、他方自動車労働者は、黒人、アラブ人、白人、ラティーノであり、またGEのリン・ジェットエンジン工場もまた、民族的に混在した要員を抱えているのだ。

 そしてこれらの抗議行動では、疑いなくあらゆるジェンダーの労働者を見出すことができ、われわれは、労働者の心配に声を与えている男と女両者の叫びを聞いている。中心の要求が労働者の健康をめぐるものである一方、われわれは、彼らが早くも、賃金、手当、労働条件、さらに職の保障に関する要求を上げ始めているということを見ることができる。

 これらの行動に関しもっとも常と異なっていることは、組合の役員がそれらを呼びかけたのではなかったということだ。いくつかの例ではそもそも組合がまったくなく、自動車のような他の例では、労組はあるものの、労働者は労組と会社に反する形でストライキを行うことを強いられている。バース造船所のような一定の職場の場合、組合役員が戦術的に労働者の労働放棄を支持した可能性があるように見えるが、下水の場合ははっきりしない。

 これらの非公式ストライキは時として労組のノンストライキ協定条項に抵触し、あるいは公務被雇用者の場合、そうした業務放棄は法に抵触しているかもしれない。それでも労働者は、彼らの健康を

防護し、彼らの職を救う目的で、ソーシャルメディアや伝統的な口頭以外ほとんど頼るものが僅かなまま、それらの行動をやり切ることを自ら組織したのだ。

山猫ストの二面性と可能性


 山猫ストは、二つの面から考えることができる。通常山猫ストが勃発する理由は、労組がまったくないか、それとも組合指導部が経営者と闘う指導性を発揮できなかったか、のどちらかだ。左翼は時として山猫ストを、労働者の意志の本物の表現として、経営者に対する労働者の抵抗から自然発生的に発展した行動として、ロマン化して考えてきた。ある者たちはそれを、資本主義を打倒し、労働者を権力へと運ぶことになる、そのようなゼネストの前触れと見ている。

 だが同時に、労働者がそれまで組合を統制できてこなかったがゆえに、また組合を彼らの力の表現として使うことができなかったがゆえに、山猫ストに訴えざるを得なかった、ということも認められなければならない。山猫ストには、生産点における労働者の直接的な力の表現という側面と、しかしそれだけではなく、彼らの意志を表現できる民主的に統制された組合の建設という点での彼らの敗北――経営者と労組官僚の力を理由とした――の表現でもあるという、二面があるのだ。

 労働者がこれを認識する時、少なくとも社会的高揚の時期には、時に過去において彼らは、彼らの労組内で権力を行使し、それらを戦闘組織に変えようと挑んできた。こうして山猫ストは、基層の運動に燃料を注ぐエネルギーの源になる可能性をもつ。たとえばその一例が、重工業における一世紀を超える例、また公務部門における七五年の例だった。つまり、産業別労働組合会議(CIO)創立に導いた一九三〇年代の米労働者の偉大な前進、およびゴム工場、自動車産業、電気労働者、また他の多くにおけるまさにそのような山猫ストから派生した米職種別労組連合(AFL)の広大な拡張だ。

 労働者は何千人という単位で労働放棄を行い、ある者たちは彼らの工場を占拠した。他方他の者たちは大衆的ピケットラインをつくり出し、スト破りや警察と戦った。山猫ストは、大不況の一〇年の間、米国中でいわばウィルスのように広がり、工業の小規模な作業場や小売り労働者にまでたどり着いた。同様なことが、教員や公務部門被雇用者でも一九六〇年代と一九七〇年代に起きた。彼らは非合法なストライキに立ち上がり、彼らの労組を設立した。基層の高潮はまた、一九七〇年代に統一鉱山労働者をも転換させ、同じく他の労組指導部をも狼狽させた。

闘いへの注視と連帯強化を

 現在の経済減速を早めた(二度目の大恐慌になりそうに見える)コロナウィルスは、彼らの事業と利潤を保全しようと闘う雇用主、そして彼らの健康と命のために、彼らの職と生活水準のために闘う労働者、この間の対立の原因となった。われわれは、そう呼ばれるがままの「欠くことのできない労働者」が彼らの力を感じている中で、これらのストライキが継続すると期待できる。パンデミック――われわれは、それが米国でまさに今跳ね上がり始めつつあるに過ぎない、ということを思い起こさなければならない――が広がるにつれ、また経済危機の深さとその長期的影響が鮮明になるにつれ、ストライキはわれわれが予想できない他の形態をとるだろう。

 しかしわれわれは、何人かが労働力の二〇%から二五%に達すると見ている失業が、そうした行動の勢いを削ぐものにもなり得る、ということを思い起こさなければならない。歴史的に失業の高まりは、一九七五年から一九八〇年におけると同じく、われわれがここで論じている底辺からの闘争を減速させるように、あるいは停止させるまでに作用した。

 それでも山猫ストが続き、成長するならば、それらは、労組の指導権をつかみ取るために、またそれらを労働者階級の戦闘組織に変えるために立ち上がる、そうした新たな基層運動を推進する可能性があると思われる。もしそれが大規模に起こるならば、われわれは、多くの他の可能性が、もっとも重要なものとして、自立的な政治行動や労働者階級の政党の可能性が、視界に現れ得る新しい時代に入る。

 われわれは、これらの山猫スト運動から視線を外してはならず、それらを支え、それらが広がり成長することを願い、われわれの連帯を差し出し、それらが労組を民主化し、経済と政治の権力両者と闘う階級闘争の組織にそれらを転換する運動になることを願わなければならない。



(二〇二〇年三月三一日、「ニュー・ポリティクス」より)

(注一)「レイバー・ノーツ」二〇二〇年三月一八日。
(注二)「ピッツバーグ・ガゼット」二〇二〇年三月二五日。
(注三)WGME、二〇二〇年三月二四日。
(注四)「ペイ・デイ・レポート」二〇二〇年三月二七日。
(注五)「ニューヨーク・ポスト」二〇二〇年三月三〇日。
(注六)「イーター・ポートランドOR」二〇二〇年三月二二日。
(注七)「ヴァイス」二〇二〇年三月三〇日。

(「インターナショナルビューポイント」二〇二〇年四月号)  



報告:4.7「緊急事態宣言発令弾劾!#自粛と給付はセットだろ!」 都教委包囲 ・首都圏ネット行動

配信:4.7都教委 4月7日、都教委包囲・首都圏ネットは、新宿東口アルタ前で「緊急事態宣言発令弾劾!#自粛と給付はセットだろ!」情宣行動を行い、100人以上の仲間たちが参加した。

 情宣行動の開始にあたって参加者全体で「緊急事態宣言発令糾弾! 自粛と給
付はセットだろ! すべての人に給付金を! 中途半端はやめろ! 感染前に死んじまう! 生活保障をしろ! 希望者全員に検査をしろ! 早急に医療体制を整えろ! 都立病院の独法化を撤回しろ!」などのシュプレヒコールを行った。
 
 ネットの仲間は、「安倍首相は、オリンピック延期の前にはコロナ感染は大丈夫だと言っていたが、延期が決まったとたんに『三密』(密閉・密集・密接)を避けてくれと言い出した。そもそも政府のコロナ対策の初動が非常に遅れていた。

人命よりもオリンピックが優先されていた。この間は、外出の『自粛』、30万円の給付金を言い出した。この30万円も全ての人に対する給付ではない。貸付金もやると言っているが、早くても五月中旬の支給だ。その前に困って死んでしまう」と厳しく批判した。

 さらに「安倍の緊急事態宣言を弾劾します!」(別掲)の声明を読み上げ、「この緊急事態宣言の狙いは、国民の間に緊急事態という言葉になれさせることだ。その次のステップが緊急事態を憲法に明記することにある。小池都知事が『都市封鎖・ロックダウン』を使って活気づいている。こんな人に緊急事態などを言わせてはならない」と強調した。
 
 石橋新一さん(破防法・組対法に反対する共同行動)は、「最近、政府関係者が新型コロナウイルス感染拡大に関し『国のせいにしないでくださいね』とツイッターに書き込んでいた。とんでもないことだ。韓国のコロナ対策と比較してみれば安倍政権の初動は遅れている。学校の一斉休校をトップダウンでくだした。韓国は、今でも休校にしていない。青少年の行き場がなくなれば感染は、さらに拡大してしまう。安倍は、当初から改憲の予行演習をするために緊急事態宣言をねらっていた」と暴いた。
 
 見城赳樹さん(ネット)は、「安倍は、閣僚にも相談せず学校の一斉休校要請を言い出していた。法的根拠がないのに安倍が言うと、みんな従ってしまう事態になっている。こういうファッショ的なやり方を繰り返し批判してきた。国会でもコロナ特措法改定案に反対したのは共産党だけだ。危機的な事態に対して国会、都庁前連続行動を闘ってきた。生命が脅かされている状況下、政府、都の無策を許さず闘っていこう」と訴えた。
 
 池田 五律さん(戦争に協力 しない!させない!練馬アクション)は、「自衛隊は、コロナ対策の一環として災害救援として出動している。感染症法第33条に基づいて政令を変えるだけで都市封鎖ができるようになっている。国会を通さなくてもいい。コロナ特措法と制令の変更によって、違憲行為などを拡大していこうとする狙いがある。恐怖を煽り、情報操作をやりながらの強行に対して警戒し、はね返していこう」と発言した。
 
 リレートークが続き、医療労働者は、「医療現場の医師や看護師たちの死にそうな労働はコロナになったから起きていることではない。一貫して人員を削減し、医療費削減のために病床を削り続けてきたからだ。すでに日本の医療は破綻していた。私たち医療労働者は、そのことを必死に訴え続けてきた。今回、あらためて医療の実態が暴露された。現場にはマスクなどがまとに届いていない。命を守るために大幅な人員増を実現する必要がある。そのためにも団結して闘っていこう」とアピールした。

 最後にシュプレヒコールを行い、継続して緊急事態宣言反対の取り組みをしていくことを確認した。

(Y)




声明「安倍の緊急事態宣言を弾劾します!」 
2020・4・7 都教委包囲
・首都圏ネット

 本日、安倍内閣によって、新型コロナウィルス対策の下に「緊急事態」が宣言されました。

 私たちは、この寓挙かつ暴挙を断固として糾弾するとともに、宣言の撤回を要求します。

 理由の第1は、緊急事態宣言は労働者・民衆の諸権利=集会の自由・移動の自由などを大きく制限するもので、主権者たる私たちの権利を国家が侵すことは民主主義を否定するものて゛あり、認めることは絶対に出来ません。

 民主主義の否定は、安倍政治の本質です。この間いくつもの事例を知っていま
す。それは、ファッショ的政治であり、断固否定します。

 第2は、緊急事態宣言は、安倍・自民党が目指す改憲の柱の一つ、「緊急事態条項」実現に道を開こうとするものです。自民党の緊急条項は、ナチス・ファシズムが権力を握った手法です。危険きわまりないものです。コロナウィルスの感染拡大が創り出す人々の不安を政治的に利用し、自己の政治的野心を実現させることは、私たちは許しません。

 第3は、緊急事態宣言の本当の目的は安倍内閣の無策の責任転嫁です。

 安倍政権は新型コロナウィルス発生初期において、水際対策に失敗しました。それは習金平の国賓として来日(安倍のポイントかせぎ)が四月初旬で、その実現を優先させたため中国からの訪日を封鎖できなかったのと、オリンピック・パラリンピックを日程通り実現させることを最優先させたため、意識的に検査対象者を限定し感染者数の操作を行いました。

 現在の感染拡大の責任は明らかに安倍内閣にあります。それは、人々の生命・健康・生活よりも習金平訪日・オリンピック・パラリンピック開催を最優先させたからです。

 その結果、人々の生命・健康・生活は危機的状況に長く置かれています。

 安倍は、対策としていくつか出していますが、企業の救済が最優先で、真に困っている経済的弱者の救済は後回しです。

 肝心の医療対策もおざなりで、医療の現場は悲鳴を上げています。また、感染の疑いのある人に対するケアも全く不十分な状況です。

 このような状況は、緊急事態宣言を出しても何ら改善されません。

 民衆の犠牲を作り出す安倍のコロナウィルス対策=緊急事態宣言を私たちは糾弾します。

 民衆の権利制限をはねのけて、命と人権、生活を守るために断固闘い続けましょう!

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【コロナ禍問題】労働者が感染爆発を生き残るには

sinagawa緊急事態宣言はいらない!

今すぐの生活保障が先だ!


 東京都での感染拡大を受けて政府は緊急事態宣言を発令した。我々は政府の緊急事態宣言発令に反対する。補償がないままの緊急事態宣言は、派遣やパート労働者を中心に多くの失業者が生み出され、ネットカフェで暮らす人々などが行き場をなくし、感染ではなく経済的苦境により命を落とすことになる。

しかも緊急事態宣言が発令されれば、企業は、現状では義務となっている労働者に対して休業補償を企業は免れることができる。このように一方的に労働者・地域住民のみにリスクを押し付けるやり方では感染封じ込めはできない。今求められているのは、労働者・住民の自主的「籠城」を政府・自治体が全面的に支援することである。

ロックダウンではなく自主的「籠城」の支援を

今回の緊急事態宣言の背景には、無策を糊塗したい政府や都が、感染拡大を前に日本医師会や一部専門家を中心に、緊急事態宣言に続きロックダウンという強力な措置を行い、感染を封じこめて医療崩壊を防ぐべきだという一定の世論の広がりを受けて判断したものだ。

例えばクルーズ船での杜撰な体制を実名で批判した岩田健太郎神戸大学教授・医師は自身のツイッターで「東京都は「ロックダウン」を決断すべきです。今日です。現状の患者の増え方は一意的でこれまでの患者選択、検査、コンタクトトレーシングでは抑え込めません。 つまり現状維持では状況は悪くなる一方で、別の方針に転換する、プランBに移行する必要があります。」とツイートしていた。

しかし特措法にはロックダウンは定義されていない。特措法で可能なのはあくまでも「外出の自粛」だけであり現行と変わりはない。つまり切り札的イメージと裏腹にロックダウンは実施不可能である。しかし感染拡大を封じ込めるためには岩田教授が言うように現在は外出制限が必要である。

であるから政府・自治体はロックダウンのような勇ましい言葉をもてあそぶのではなく、労働者・住民が自主的に「自宅」に「籠城」できるように支援を行う必要がある。そして自宅を持たない人、自宅に居場所がない人には新たに安全な「籠城」場所を提供する必要がある。

したがって政府・自治体がまず行うべきことは、住民にのみリスクを押し付ける現行の対策からの転換である。経済活動の縮小により困窮に陥った人々を救済することが待ったなしに求められている。一律平等な現金の支給が必要だ。

年度末をまたいだ現在、様々な支払いに苦慮する人々、とりわけ収入が減り家賃の支払ができなくなった人を早急に救済する必要がある。「5月目途に所得減少世帯に30万」が検討されているが遅すぎる。このままでは「籠城」どころか多くの人が路上に放り出されてしまい、感染の封じこめは不可能だ。

災害に無力な小さな政府

直接・早急に住民に援助を届けようとすると時に障害となるのが、国・地方を含めた公務員の少なさである。20年以上にわたって公務員定数を削り、民間委託を広げてきた小さな政府・自治体は、このような非常時には何もできない。どこに生活困窮者がいるのか等、現在の自治体では、住民のニーズをほとんどつかみ切れていない。そのため、このままでは多くの孤独死が発生する可能性がある。これがこの間、新型コロナウイルスの感染拡大が明らかにした事実である。

迅速一律平等な所得補償を

政府が強権で感染を封じ込めることはできない。そして感染のリスクは平等ではなく階級差が歴然と存在する。私たちが生き残るためには自主「籠城」と、矛盾するようだが連帯が必要である。必要なのは自主「籠城」とそれを支える様々なネットワークである。住民による自主的な地域ネットワーク(それは個人加盟労組、地域労組の取り組みや貧困対策に取り組んできたNPOだったりするだろう)が求められている。

必要なのは政府の強権ではなく、自主「籠城」を支えるネットワークとそれを支える迅速一律平等な所得補償である。様々なネットワークがつながりながら、共に政府に向けて運動を展開しよう。このままでは、医療崩壊と失業・困窮による大量の病死、自殺・孤独死が発生してしまう。


感染症医療体制の今すぐの確保を!

感染拡大のさなかに都立病院を半民営化の愚

オリンピックの延期が決定されて以降、緊急事態宣言まで国や東京都の対応は手のひら返しとなった。明らかに都知事選を意識している小池都知事は「ロックダウン(都市封鎖)」という強い印象を持つ言葉を使用し、強力なリーダーシップを発揮する指導者として自分を都民に売り込んだ。しかし小池都知事の「強力なリーダーシップ」は決して都民のためには発揮されない。

その力はどこまでも大資本の利益のために奉仕される。今現在、都知事が真っ先に行わなければいけないことは医療の確保、中でも集中治療体制の確保である。しかし小池都知事は、感染が拡大する中で、都内の指定感染症病床の約70%(80/118)を占める都立・公社病院を22年度中に地方独立行政法人化する方針を3月31日付で公表した。感染との闘いが長期戦になることは明らかにもかかわらず安倍政権に倣った真逆の方針である。

感染との闘いのただ中で都立・公社病院の地方独法人化を強行すれば、労働条件の切り下げによる看護職員の大量退職などで医療提供に支障をきたす可能性が高い。都は都立・公社病院の地方独法化を今すぐ撤回し、都立・公社病院へ人工呼吸器などの医療資源と人材を集中させるべきである。とりわけ感染症病床の確保は、軽症・無症状者の入院を制限したとしても深刻さを増している。

都は現在においても都立・公社病院を自己収支比率といった経営指標で評価することをやめようとしていない。経営指標で病院運営を縛ることを直ちにやめ、採算性を度外視しても住民の命を守るために都立・公社病院を最大限活用すべきである。民間病院との間で役割分担を行い、都立・公社病院を中心に感染症対応可能病床を確保するべきである。


地域医療を疲弊させた医療費抑制

都は感染症指定病床に加えて都内の拠点病院に協力を要請して感染症対応可能病床を1000床まで確保したとしている。今後、4000床まで拡大するとしている。しかし財政措置のないお願いにとどまっているため、対応可能病床の増床は感染者の拡大に追いつておらず、自覚症状がありながら病床が空くまで自宅待機や一般病院での入院せざるを得ない患者が多数いる。

病床確保が進まない理由は財政措置ばかりではない。この間政府が進めてきた医療費抑制政策と病床削減を義務付けた地域医療構想により、地域医療を支えてきた病院が感染症医療に対応する体力をなくしている。医療費削減のために診療報酬が改悪される度、地域の中規模病院では急性期医療を断念し人員配置の少ない慢性期病床へと病床が変更されてきた。

急性期病床に比べ少ない人員配置の慢性期病床では人手のかかる感染症医療を行うことはできない。したがって国は医療従事者を確保し感染症対応病床を確保しようとする病院に対して財政措置を行い全面的に支援するべきである。しかし国は、真逆な対応を取っている。地域医療構想実現のために病床を削減する病院を支援する84億円を計上した20年度予算をそのまま成立させた。このように小池都政の都立・公社病院の地独法化は、安倍政権の医療費削減と一体のものである。


脆弱な日本の医療体制

日本は病床数こそ多いが、そこに働く医師・看護師数は少なく、多くの医療従事者を必要とする集中治療室の数も少ない。人口1000人当たりの診療医師数はドイツ4.3、イタリア4.0人に対し日本は2.4人でOECD加盟35か国中30番目である。看護師数はドイツ12.9、イタリア5.8人に対し日本は11.3人、OECD加盟国中11番目である。集中治療室の病床数は10万人当たりドイツ29~30床、イタリア12床、日本は5床程度である。しかも看護師の配置数は他のOECD加盟国の半分である。

この人員配置数では感染予防を徹底させた場合4分の一程度しか運用できないと指摘されている。つまり新型コロナウイルス感染症の前では人口10万人あたり実際に稼働できるICU2床弱であり、イタリアの6分の1である。

日本では体制不備のため検査数が極端に少ない。そのため国内感染者数が5000人を超える前にあっけなく医療崩壊に至る可能性がある。


感染爆発を生き延びるために

1.財政措置による感染症病床の増床と軽症・無症状者の入所施設の早急な開設。

2.迅速一律平等な所得補償。

3.自主「籠城」を支える「自宅」の確保。

4.封鎖ではなく住民・労組などのネットワークを活用したすべての住民の自主「籠城」への相互援助、とりわけ自主「籠城」中の職の確保を企業に義務付けること、派遣切り、雇止め、解雇、内定取り消し等を許さない闘い。

5.自主「籠城」を支える公共サービスの維持。

6.公共サービスを支える労働者への支援、とりわけ長時間労働の禁止。この感染爆発を労働者階級が生き延びるための戦略・戦術を確立するために経験を交流させよう。


(矢野薫)

【第四インターナショナル声明】新型コロナウイルスのパンデミック:やつらの利益を守るのではなく、われわれの生命を守ろう!

rsayFO1R(画像はコロナ医療支援にイタリアに駆け付けたキューバ医師団。3月22日)








新型コロナウイルスのパンデミック:やつらの利益を守るのではなく、われわれの生命を守ろう!


第四インターナショナル執行ビューロー
二〇二〇年三月一七日


 コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)は、深刻な公衆衛生の問題であり、それによる被害は膨大なものとなるだろう。西ヨーロッパにおいてはすでに、医療システムは崩壊の瀬戸際にある。それがグローバル・サウスにまで拡大するならば、すでに非常に脆弱であった公衆衛生システムが四〇年に及ぶ新自由主義政策によって恐ろしいほどに壊されてきたために、数多くの死者がでるだろう。

 それはこの一世紀でのもっとも深刻なパンデミックとなっている。一九一八年から翌年にかけてのいわゆるスペイン風邪による死者数は、推計は困難だが膨大なものだった。その多くは青年層だった。その影響は、とりわけ第一次世界大戦の直後に深刻となった。新型コロナウイルスによるパンデミックの急速な拡大はとりわけ、資本主義グローバリゼーションや一般化した商品化、そして利潤法則の優先によってもたらされた国際貿易の発展という状況のもとで、新自由主義的秩序や危機の高まりによって引き起こされた人民の抵抗能力の減少によって説明することができる。

 この新型コロナウイルスは二〇一九年一一月はじめに中国で発見された。警告を発しようとした医師と科学者は当初、弾圧され、沈黙させられた。中国共産党がただちに対応していたとすれば、流行の危険は未然に防がれていたかもしれない。

 危険を認めない政策は、中国政府に限ったものではない。アメリカ合衆国のトランプは、この「外国のウイルス」をあざ笑っていた。ボルソナロは、すでにブラジルがパンデミックに巻き込まれていたのに、「サッカー試合を禁止するなんて過剰反応だ」と述べて、法律や医療当局の指示に反して、裁判所や議会に反対する(支持者たちの)デモに参加した。イギリスのボリス・ジョンソンは、はじめのうち「集団免疫」(ウイルスが広がるのを許容し、人口の約七〇%が感染するまで流行するのにまかせる)を提唱していた。彼はあとでこの冷淡で危険なアプローチを変更せざるをえなくなった。ベルギー首相のソフィア・ウィルメスは、長い間いかなる警告にも耳を貸さなかった。

 フランス大統領は、二〇二〇年一月に最初の症例が見られても、すぐには戦略的備蓄(防護服や防護用品……)を補充しなかった。

 東ヨーロッパのあまり感染者が出ていない国の政府は、西ヨーロッパにおける医療危機の教訓から学んでいない。ヨーロッパ連合(EU)は、深刻な打撃を受けているイタリアに対するもっとも基本的な連帯すら組織することができないでいる。イタリアは、国内ではマスクの生産さえしていないのに……。こうした遅れの主な理由は、政府が経済活動や製品輸送を危うくすることを望んでおらず、人々を守るためのリソースを最小限にしようとしていることにある。労働者に対する資本の攻撃としての緊縮政策を続けたいという要求と景気後退への不安の方が、人々の健康を守ることよりも強いのである。

 医学・科学研究がきわめて急速に進歩しているにもかかわらず、新型コロナウイルスの進化について予見するには早すぎる。たとえば、北半球に暖かな天候が到来すれば、ウイルスは弱まるのだろうか? その病気は収束するのだろうか?

 ウイルスは突然変異するのだろうか? もし変異するとすれば、毒性が強まるのだろうか、それとも弱まるのだろうか? 中国で発生した伝染病は、東西に拡散していった。それには、ヨーロッパ、イラン、アメリカ合衆国が含まれる。それらは条件の整っている国である。しかしながら、ウイルスは同様に南の諸国にも存在しており、そこでは、たとえば季節の次の変わり目に、北へと逆流する前に、感染が大きく増加する可能性がある。ワクチン開発には時間がかかるだろう。新型コロナウイルスによる病気が短期間のうちに自然に消え失せることを期待するとすれば、それは無責任である。

 ウイルスは非常にすばやく広がっている。実際に感染している人数と感染が判明した人数との割合は、日常的なスクリーニング検査がなされていないためよくわからない。しかし、その危険性ははっきりと立証されている。病気による致死率は、国によってさまざまである。感染者のうち、八〇%は軽症であり、二〇%が重症化し、そのなかで五%が重篤になり、約二%が死亡すると言われている。高齢者や持病を抱えた人だけに重症化する危険があるわけではない。流行が広がった地域では、もっと若い人々も集中治療室に入れられている。

 主だったメディアや政府は、年齢による致死率の違いに焦点を当てている。しかし、階級の違いに関心を寄せようとはしないし、コロナウイルスに起因する致死率が、収入や資産によって人々にどう影響するかにも注意を払おうとはしない。あなたが七〇歳でしかも貧しいとき、集中治療室での治療にアクセスできて、そこで治療を受けられる保証は、あなたが金持ちであるときとは同じではないのだ。

 人々の中には、新型コロナウイルスの抗体は存在していない。重症化したときの治療には、最先端の設備と訓練された有能な医療スタッフが必要である。こうしたものがなければ(あるいは病院のシステムがパンクすれば)、多くの治療可能な患者が亡くなっているし、これからも亡くなるだろう。

 それゆえ、新型コロナウイルスのパンデミックは、われわれの組織も含めて、すべての進歩的な活動家のネットワークがきわめて真剣に考慮すべきことなのである。流行が広がっているところではどこでも、流行を封じ込め、人々を守るための厳格な方法がとられなければならないし、このことが資本主義経済を機能させることよりも優先されなければならない。すべての国において、起こりうる流行の広がりに備え、政府に真の予防策をやらせるために、最初に被害を受けた国々の教訓を学ばなければならない。

強力な予防計画

 感染が広がったほとんどの国では、準備ができていなかったために、政府は不足分を何とかやりくりしたり、ときには開き直ったりしている。すでに予防計画があるところでは、それを強化しなければならないし、ないところでは予防計画を制定しなければならない。

 こうした計画では、全体としての医療システムの再構築や流行した場合に必要とされるリソースのすべてを動員することが準備されなければならない。とりわけ、すでに深刻な人手不足に陥っている医療サービス従事者をただちに増員する準備をしなければならない。

 病院は、重症者の治療に当たることで、感染と闘う中心的存在のひとつであるにもかかわらず、これまでずっと予算削減や弱体化、民営化にさらされてきた。公的・社会的コントロールのもとで、民間の治療サービス、薬品や医療用具の生産は徴発されなければならない。スペイン政府は、民間病院の病床を徴発する措置をとっている。

 防護服、水性アルコール消毒ジェル、検査キットといった戦略的備蓄は、医療労働者やその他の絶対に必要な労働者、そしてもっともリスクを抱えた人々に優先的に回されなければならない。

 予防計画はまた、医学的・科学的研究をも含んでいる。しかしながら、ここでもう一度言わなければならないのは、緊縮政策によって研究予算が減額ないしはカットされてきたことである。とりわけコロナウイルスの研究予算はそうである。この分野で仕事しているすべての民間企業は公的・社会的コントロールのもとで国営化されなければならない。

 韓国は、流行の動きを理解しできるだけ早く対処するためには、大規模なスクリーニング検査をおこなうことが有効であることを示した。しかしながら、予算の制約があるということは、こうした検査キットの備蓄がたとえあったとしても更新されてこなかったということを意味する。これによって劇的な状況が作り出されている。防護手段が不足しているという状況では、それは装備が不足している医療従事者やその家族のために優先的にとっておかなければならない。

 生活条件を保障するために、家賃、住宅ローン、公共料金の支払いは猶予されなければならない。住宅からの立ち退きをすべて中止させること、ホームレスの人々に必要な家具のある避難所を設けること、不健康な建物に人々を放置しておかないように空き家を徴発することが実施されなければならない。道路上で生活している人々を孤立させたり、どこかに閉じ込めたりしてはならない。

 資本主義経済における問題の蓄積によって準備され、パンデミックによって爆発する経済的・社会的危機の到来が、さらなる富の集中と社会的権利の破壊の機会であってはならない。むしろ、進歩的勢力は、リソースの再分配と公共財に基礎を置く解決策を求めなければならない。

 最後に、流行の急速な拡大を考えるならば、社会的接触や旅行を制限する極めて厳格な措置や経済活動の急激な縮小が実施されなければならなかった。それゆえ、計画の中には、貧困の拡大を防ぎ、医療危機の際に誰一人として貧困のまま放置させないために、人々への大規模な援助が含まれなければならない。これは、賃金労働者とフリーランスの労働者のいずれにも適用されなければならない。こうした規制にかかる費用は、利潤や企業収入、大金持ちへの増税によってまかなうべきである。

社会的自己組織化の大きな重要性

 われわれは、当局が人々の医療や社会保障を守るため、必要なすべての措置をとることを要求しなければならない。しかし、こうしたものだけに頼ることほど危険なことはない。社会構成者の独立した動員が不可欠である。

 労働運動は、すべての不必要な生産と輸送を中断させるために、どうしても必要な労働職場には最大限の安全衛生条件を確実に遵守させるために、全面的ないしは部分的な失業の場合にも労働者の収入と労働協約が確実に十分に維持されるために、闘わなければならない。すでに自動車のような不必要な生産をおこなっている労働職場を閉鎖することを要求して、ストライキが発生した。たとえば、バスク州のビクトリアにあるメルセデス・バンツ工場がそうである。他のところでは、たとえばフランスの病院やスコットランドのごみ収集の場において、どうして必要な労働に従事する労働者が、より安全な条件を要求して行動を起こした。

 地域組織は、多くのレベルにおいて不可欠な役割を担っている。それらは人々が置かれている孤立を打ち破るのを助ける。とりわけ自宅隔離の期間中に家事や子育てというもっと重い束縛を引き受けざるをえない女性の孤立を打ち破るのを助ける。地域組織は、レイシズムや外国人嫌悪、LGBT+嫌悪と闘うことによって、不安定な、移民の、登録されていない、差別されているマイノリティが、受ける資格のある保護から確実に排除されないようにすることができる。地域組織は、自宅隔離によって暴力を振るう配偶者と一緒に過ごすことになり、自宅が死に至る刑務所になってしまう女性を助けることができる。地域組織は、「社会的距離をとる」という日常的な行為が確実に尊重されるようにすることができる。

 これまでなかったことだが、近隣地区やマンションにある草の根組織が、援助を申し出る人々と助けを求める人々(高齢者、障がい者、隔離中の人)とをつなげるという例がさまざまな国、たとえばイギリス・オランダ・フランスにおいて多く見られる。イタリアでは、実際の援助とならんで、バルコニーからみんなで歌うことを通じて、コミュニティが一緒になって孤立を打ち破り、連帯を示そうとしてきた。

社会運動は、どんな手段が効果的で不可欠なものであり、国際的な交流を励ますのかを知るために、独立した医学的・科学的知見を信頼できなければならない。医師と研究者は、社会運動にかかわらなければならない。

 最後に、社会運動の自己活動は欠くことのできない民主的保証である。大国の専制主義は、効率の名のもとで医療危機の際に強化される可能性がある。可能なもっとも広範で単一の動員によって、この支配的な傾向に反対しなければならない。

資本主義社会の世界的危機

 パンデミックは、社会にとっての重要な試金石を示している。北イタリアのロンバルディの状況は、支配的秩序に何が起こっているのかを端的に示している。ロンバルディはヨーロッパでもっとも豊かな地域の一つであり、もっとも充実した病院システムの一つを有している。にもかかわらず、この病院システムは新自由主義的政策によって弱体化させられてきた。病院は、重症患者が殺到することで身動きが取れなくなり、麻酔鎮痛集中治療学会が、患者を選別して、生存する望みのある患者だけを治療し、そのほかの患者は死ぬに任せるという指示を出すほどまでになっている。

 これは、事故のあとに、救急労働者が多数の犠牲者の中から最初に治療するものを決めなければならないときのような一過性の状況ではなく、もし政策が別のものであったならば避けられたかもしれない制度的失敗なのである。平時において、必要なものが不足することによって、全員を助けるのを放棄する戦争医学が必要となっているのだ。これが、世界でもっとも経済的に豊かで、医療が発達した地域の一つで起こっていることである。そして、明日のヨーロッパのどこででも起こりうるのだ。

資本主義支配秩序への明確な非難

 問題は、新型コロナウイルスのパンデミックが、明日にでも「正常化する」のかどうかではなく、どれだけの死者を出して、どれだけの社会的激変の犠牲を払ってなのかということである。というのは、われわれは大きな流行(SARS、AIDS、新型インフルエンザ、ジカ熱、エボラ出血熱……)が繰り返し発生する時代に生きているからである。慢性的な医療危機の状態は今日、世界的なエコロジー危機(地球温暖化はそのひとつの側面)、永続的戦争状態、新自由主義的グローバリゼーションの不安定さ、資本の「金融化」、債務危機、基本的社会構造の不安定と脆弱さの増加、ますます専制的になる体制の増加、差別、レイシズム、外国人嫌悪などと結びついている。

 医療危機と闘うことは、多国籍企業や製薬業界ロビー、工業的農業と具体的に闘うことを必要とする。工業的農業は、均衡のとれたエコシステムを可能とする小農民のアグロ・エコロジーやアグロフォレストリーに敵対しているからである。それは、都市改革において、不健康なメガシティに終止符を打つことを必要とする。一般的には、利潤論理に無料の治療を対置する。いかなる病人も社会的地位にかかわらず無料で治療されなければならない。われわれの生命はやつらの利益なんかよりも価値があるのだ。

 エコ社会主義は、資本主義社会のこの世界的危機に対するオルタナティブを表現する。医療危機への対応は、このオルタナティブを実現するための他の分野の闘いと一体となった動員であるべきである。そのようにエコ社会主義者、フェミニスト、労働者の闘いを一つにすることは、その目標として、われわれや地球を殺しつつある資本主義システムの廃棄と新たな社会の建設を掲げなければならない。


(「インターナショナル・ビューポイント」三月一八日)

【韓国からのオピニオン】新型コロナウイルス:崩れた公共医療、脆弱になった世界

韓国医師すべての中国人を阻もう? 拡散する見当違い

ウ・ソッキュン人道主義実践医師協議会共同代表へのインタビュー


毎日新型コロナウイルス関連のニュースが更新され、国全体の耳目がこの感染症に注がれている。その中で広がっている不安心理をもとに「中国人入国を源泉封鎖しよう」という主張も広がった。漠然とした恐怖ではなく、科学的根拠に基づいて、事態の本当の原因を確かめてみる時だ。現職医師でもあるウ・ソッキュン人道主義実践医師協議会共同代表に会って、この事態の原因からムン・ジェイン政府と中国政府の問題点まで話を聞いた。



Q 新型コロナウイルス事態が続いているが、「中国人入国を食い止めろ」とい
う感情が広がるなど、中国人に対する反対や嫌悪も大きくなっている。現職医師でもある立場から、科学的根拠に基づいて見ると、今拡散している「中国人拒否」の動きについてどう考えていますか。


毎日状態が変化しているが、現在の中国の資料を見ると、ウイルスが他の地域に伝播しているのは、主に武漢の人々の移動によるものである。湖北省を除けば、地域社会の感染は限定的であり、入国禁止を、中国の他の地域にまで拡大するのは、科学的根拠がないと思う。また、現在、日本やタイ、シンガポールに行ってきた後、感染された人がいるが、それでは、このすべての国にも入国禁止措置をとるだろうか?

そして、今回の事態について、中国人の食習慣への批判も多く出ているが、このウイルスがコウモリから直接移るわけではない。コウモリを食べて生じたものではない。SARSやMERSのような中間の媒介の役割をした何かがある。例えば、ヘビの話もあるが食べるために飼われているヘビや生きている山の熊の胆汁を飲むように、一部の韓国人もしていることだ。食習慣に原因を求めるのは科学的ではない。

このような主張はむしろ真の原因を覆い隠すことになる。真の原因は、中国の貧富の格差と公衆衛生の問題である。現在、中国は米国との覇権競争でものすごいお金を空母など軍備に注いているが、それに反して、公共医療や公衆防疫、健康保険システムは、非常に脆弱である。例えば、韓国の医療民営化論者が中国には営利病院が多いとうらやむほどだ。今回の事態は、市場化‧営利化された医療システムがどのように大きな災害をもたらすことになったのかを示すものである。批判の焦点は、普通の中国人民にではなく、中国政府に向けなければならない。

Q ムン・ジェイン政府が武漢に住んでいた韓国人を輸送してシンチョンとアサンにしばらく隔離措置することで、地域政界の反発などもあった。同胞たちの受け入れを「感染拡散」と規定して非難する一部の政治家の行動はむしろ不安と恐怖、さらに嫌悪と排除を助長することになるのでは。

今回の事態について、北朝鮮が国境を閉じたが、北朝鮮がそのような措置をとるしかないのは、病院や陰圧設備のような医療インフラが非常に不足しているからだ。北朝鮮は、SARSの時も、国境を封鎖した。

事実、武漢から入国する場合であっても、感染の症状がなければ隔離対象ではな
く、監視対象であるだけだ。ところが、あまりにも不安感が激しくて政治的理由などを考慮して隔離される。

もちろん地域住民の反対を利己主義だと批判だけすることは難しい。現代感染症への対処で非常に重要なのが「危険疎通と地域社会の参加」だ。危険疎通の最初がまさに地域社会の恐怖や不安を尊重することだ。地域住民に対して「あなたがたは無知だ」という態度ではだめだ。不安を尊重しながら説得する過程が必要で、政府が地域住民を決定過程に参加させ、しっかりと説得しようとする過程を踏まなければならない。一方、地域社会の経済的損失も発生することがあるが、住民が一緒に参加して例えば政府に補償を求めることができる経路などを用意しなければならない。「無条件でだめだ」態度は、科学的根拠はないが、だからといって「無条件で行え」とすることも困難である。住民の不安を解消することができるように十分に説得しなければならない。

Q 公共医療の観点から見て、感染症への対処で、過去のウイルス事態以後良くなった点はありますか。

現在、韓国で国家指定の陰圧病床が198病床ある。ところが、この程度では感染症に適切に対処することは困難だ。伝染病が発生した場合、患者のほか、密接接触者や感染者ではないが、感染が疑われる患者が多く生じるが、これらを陰圧病床に移して検査しなければならない。

この陰圧病床を増やしたのがMERS事態以後のパク・クネ政府の時だった。ところが、その後は増やさなかった。パク・クネ政府の時、医療法施行規則を改正し、2018年までに300病床相当の陰圧病床を備えるとして、100病床相当の陰圧病床を一つずつ設置することにした。ところが、陰圧病床を新たに建てるのではなく、移動型にすることもできるようにしたが、実質的に使えない陰圧病床も多い。市道の指定陰圧病床の現況が数百と出ているが、そのうちのどれだけ正しく使うことができるのかを明確に知ることはできない。

そもそも民主党の公約では中央感染症専門病院と圏域別の感染症専門病院、地域拠点公共病院を立てるということであった。しかし、この約束芽忘れられた。この政権に入ってから公共病院は一つも建てられていない。この政権が前政権よりもそれでも良いのは感染者の移動経路などの情報をすべて明らかにするということだ。しかし、公共医療インフラを一つも増やしていない。振り返ってみると、政権毎に伝染病が一つずつ切迫しているが、ノ・ムヒョン政権時のSARS、イ・ミョンバク政権時の新型インフルエンザ、パク・クネ政権時のMERSは、今のコロナウイルスまできた。このような状況なのにどうして公共医療インフラを増やさないのか分からない。

公共医療インフラを増やすお金がないというのは嘘だ。たとえばウイルス事態でGDPが約0・25%減少した。これだけでも数兆ウォンに達する。そのお金を公共医療インフラに使えば、1年に1兆ウォン当てても公共病院をいくつかずつ建てることができる。公共病院拡充や新設の問題が出てくれば、常に病床が残らないかは、問題が提起される。それでは、逆に聞きたい。病床が残ると言うならば私立民間病院病床はなぜずっとやりたいように黙って置いておくか? 公共病院を建てるときにのみ「病床が残るのに、なぜ作るのか」という話をする。

何よりも、この政権は、保健医療分野をさらに市場に任せる政策を展開している。
あらゆる規制緩和と遠隔医療そして、大学病院の営利技術持株会社設立を通じた事実上の大学病院営利化まで推進する。さらに、データ3法を通過させて、健康関連の個人情報を、民間の保険企業に渡して健康管理サービスを民営化するガイドラインを作るなど、民営化一色である。公共医療に投資する考えはまったくないし、自分の公約も無視している。パク・クネ政府の時の医療民営化政策を創造経済という名前で革新経済だと名付けて、バイオヘルス3台を投資分野としながら、より洗練させて進めている。


ムン・ジェイン政府も人種主義的政策から自由ではないようで中国人留学生登校停止措置や大学開講1カ月延期勧告措置がそれだ。これは、他の中国人入国者に比べて同等でもなく、医学的、科学的根拠もない措置だ。寄宿舎の別途使用や寄宿舎の使用禁止のような大学当局の措置は言うまでもない。人種差別的偏見に対する政府の屈服であり、それ自体が、中国人に対する偏見を煽る。人種的嫌悪自体も問題だが、これはまた、市場化された医療システムや私たちの社会の公共医療の不十分さのような本当の問題を覆って、まるで中国人が新型コロナ感染症(コロナ-19)の社会的原因であるかのように見せる効果を生む。

Q 政府と専門家は、共通してマスクの着用や手の洗浄など、主に個人衛生に気を使ってもらいたいと強調している。ところが先日、公共運輸労組が声明を通して提起したように、いざ人が集まる交通機関や公共施設で働く労働者の健康と安全のための措置は、適切に講じられていないようだ。
ある労働者が主に危険に多くさらされているかどうか、この労働者の安全のために必要な措置と国家に対する要求は何でなければならないのでしょうか。


病院では非正規職が非常に多い。一部の国立大学病院では、正規職化がされたが、まだ残っている非正規職にも正社員と同じように保護具を支給しなければならない。もう一つ、正規職と非正規職の差別をなくし有給病気休暇を保障しなければならない。

公共施設や社会サービスに従事している労働者も同じだ。正規職でも非正規職でも関係なく、自分を防護するために手洗いが正しくできるようにスペースを用意しなければなければならない。マスクの場合、医学的効用性については議論があるが、労働者がマスクを必要に応じて使えるように供給しなければならない。

何よりも、病院をはじめとするでんな所でも、感染症の対処で非正規職労働者への差別があってはならない。先に有給病気休暇を保障しなければならないと言ったが、特に公共でも民間でも人を相手にするサービス分野の従事者にはとても重要な問題だ。多くの人に会って接触せざるを得ない、労働者が感染源になれば手に負えなくなる。この労働者に咳のような症状が出た場合は、病院に行くことができるように有給病気休暇がとれなければならない。また、学校休校や休園など家族の面倒が必要な場合、有給休暇が必要である。有給病気休暇保障が重要なのだ。


病院の場合には、人材不足も深刻だ。特に陰圧病室の場合、熟練人材が必要だが、あまりにも不足している状態だ。感染病室に勤務する人々は、ほとんどが過労死することになる。この点でも、公共医療人材が非常に不足している点を必ず指摘しなければならない。かりに地域に公共医療施設を建てる場合でも、今は行くべき人材がいない。すべてがソウルに集まるからだ。


公共医療人材を拡充するには、少なくとも国立公共保健医科大学はもちろんのこと国立医大や医療系列大学に公共人材育成のために定員を30%は増員しなければならない。そして、これらに無償教育を提供しながら、地域の公共医療機関に10年以上勤務するように義務付ける方法も考えられる。このように人材も拡充が求められている。現在例えば予防医学とか感染内科のようなものは開業も難しくお金もかかるので志願者が多くない状況だ。私立(民間)病院では、お金がないので募集もせず訓練もさせない。

ところが、韓国の公共医療病床は10%余りしかない。OECD平均の73・5%
(2018年公共医療資料集)の7分の1にもならない。このように、公共医療施設と人材を増やすことを考えていないから、残るのは労働時間を増やし延長勤労をさせることだけである。今、労働部は防疫と治療関連業務の特別延長勤労申請が入ってくるとすぐにそれを措置しようとするが、既にこの労働者たちは延長勤労をするしかない。前述したよう政権毎に伝染病が突発しているが、事前に備えながら、公共医療‧防疫‧検疫の人員を増やさなければならない。今人材が足りず、軍の人員を投入しているが、それでは軍の医療は誰が責任をとるのか? これは上手なやり方ではない。

Q 過去にも多くの人命を奪った伝染病があったが、2000年代以降だけでも、SARS・鳥インフルエンザ・MERS・エボラ、そして今の新型コロナウイルスまで、短い期間に強力な伝染病が相次いで発生しているようだ。最近の伝染病の発生とその対処における利益中心のこの資本主義システムがどのような影響を及ぼしているか話してください。

韓国から武漢まで通常3〜4時間程度で行くことができる。それほど資本主義はグローバル化を通して、地球を、単一の生活圏のように作った。問題は、それにふさわしい防疫体系や公衆保健システムが備わっていないことだ。今回の事態も中国の不十分な公衆保健システムの結果が韓国にいる私たちにも影響を及ぼしているのではないか。国家間の格差もあり、中国の次元で見ても、その内部の格差も深刻だ。農民工は最初から健康保険から排除されたり、中国政府は、公衆衛生に投資していない中で、営利病院が雨後の竹の子のように生じている。中国の資本主義の問題が結局、韓国にまで直接影響を与えているのだ。

特に中国が公衆衛生には背を向けて、空母、あるいは宇宙戦争のような軍備に莫大な資源を注ぎ込む米国との覇権競争が重要な要因として作用している。それらによる軍事的緊張が世界的にとても多くの資源を浪費することになる。その過程で、公共医療や社会保障は、簡単に無視され、結局この世界資本主義の問題が継続的な新型感染症に脆弱な世界を作り出している。

また、環境破壊で人間が野生動物と接触する機会が多くなって、資本主義的工場式畜産業で豚や鶏などの遺伝的多様性が排除された動物でのウイルス変異が容易に起こり、急速に広がる異常な条件が揃っている。ここに移動手段の発展とでたらめな公衆防疫システムの問題が重なったことがパンデミック発生の真の原因である。

一方、製薬会社も資本主義体制の問題を露出する。例えば今、新型コロナウイルスに対応するため、既存の開発された抗ウイルス剤を投与しているが、この薬がかなり高い。製薬会社は、この特許を握って莫大な利益を享受する。すぐに人を治療するために薬を使わなければならが、特許があるために政府が勝手に作ることもできない。今回も韓国政府は、コロナウイルスに経験的に使用する抗ウイルス薬(エイズ治療薬として知られている)カルレトゥラを生産する多国籍製薬会社アボットなどに会ったことが分かっている。


Q 最後に、今回の新型コロナウイルスの事態と関連して強調したい点があれば一言お願いします。


中国人を憎むのではなく、中国での民衆の苦痛を見なければならない。今回の事態で、中国資本主義の素顔が明らかになった。米国とともに「G2」と呼ばれるが、実際にはその内部では、医療システムも公衆防疫も目茶苦茶だったし、民主主義も機能していなくて、中国政府は、事態初期に隠すのに汲々となってこれだけ拡大させてしまった。中国が自ら主張するように、社会主義であれば、最も民主的でなければならないが、むしろ非常に閉鎖的ではないか。中国の民衆の苦痛をどのように等しく解決するのか心配する時ではないかと思う。

キリスト教の黙示録を見ると、世界の終末の時期に災いを呼び起こす4人の奇士が登場する。まさに疫病、戦争、飢饉、死である。今日を見ると、気候の危機がドック打ち、今すぐ見られるように、病気の危機もある。気候危機は、食糧危機につながるものであり、戦争の危機はいたるところに存在する。そのためローザルクセンブルクが投げかけた問い、すなわち「前近代主義か社会主義か」という問いが浮かび上がる。私たちは、資本主義を超えて変革を苦悶しなければ、人類文明が危機に処するのがますます現実化されるのではないか。今のような伝染病の症状について、自然科学的にだけで眺めるのではなく、資本主義で、なぜこのようなことが度々発生するのか問われなければならない。この資本主義システムが果たして持続可能なのかという問いを投げ続けている。

*インタビューまとめ:イ・ジュヨン(機関紙委員長)

(社会変革労働者党「変革と政治」100号より)
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