虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

Global Justice

TPP協定批准・関連法案12.9採決糾弾

IMG_1655TPP協定批准・関連法案採決糾弾
多国籍企業の利益のための協定
命と暮らしを守る闘いを今後も


 一二月九日午後二時一二分、自民・公明・維新などによって、TPP協定批准の参院本会議での採決が行われ成立した。そして、続いて関連法も採決成立した。TPPは多国籍企業の利益のための貿易協定で、命と暮らしが脅かされる。しかし、アメリカのトランプ次期大統領がTPP協定を批准しないことを明言しているので、TPPは発効しない。

 当時の菅民主党政権がTPPに参加すると発表した二〇一〇年から反対運動を続けてきた「TPPを批准させない!全国共同行動」は午前一〇時から、参議院議員会館前で、成立阻止へのアピール行動を行った。和歌山の農協労連。「農協がつぶされ、農地が企業に奪われるとTPPを批判してきたが農業だけの問題ではなく、この国の仕組みを変えていくのに重点があった。運動を広げ、あきらめないで地域で助けあっていく」。

 北海道食の連絡会。「北海道で公聴会があった。与党が推薦した証人は食の安全や医療問題には一切触れず、だれもTPP賛成とは言わなかった。これからも暮らしを守るためにがんばる」。 

 内田聖子さん(アジア太平洋資料センター事務局長)は「まだ批准していないのに、一兆円以上の予算を使っている。こんな国は他にない。例えば、農業対策費とか中小企業が海外に出ていくようにとセミナーや相談窓口をつくった。しかし、トランプの勝利が明らかになり、最近では誰もセミナーに行っていない。誰のためにも何の役にもたたない。税金がどぶに捨てられている」とTPP推進を批判した。篠原孝さん(民進党、衆院議員)が衆院での与党の中身を明らかにしない審議姿勢を批判した。

 採決に向けた討論が始まったと報告されると、コールを行う。「廃案めざして、野党はガンバレ、ガンバレ。農業つぶすな、廃案めざせ。子どもを守れ、雇用を守れ」。

 和田聖仁さん(TPPに反対する弁護士ネット事務局長)は「私はカジノ法問題の担当もしている。安倍首相の答弁は目茶苦茶でウソだらけだ」と批判した。

 「トランプが撤退を言い、クリントンが反対していた。これは米国世論が圧倒的に反対していたからだ。世界的にもグローバリゼーションに反対する運動が盛り上がっている。こうした流れが事態を動かしたのだ。日本の国会で批准してもTPPは発効しない。これからは二国間協議が行われるだろう。その時アメリカ第一主義でアメリカの要求を通すように圧力をかけてくるだろう。安倍政権がこれに応えないようにさせよう。EUはTPP水準が必要と言っている。今後も運動は続く」と、事務局から発言があった。連続運動の中心を担っている山田正彦さん(元農水相、弁護士)は「これからも運動を」と語った。

 投票が始まった。山本太郎さん(自由党)と森ゆう子さんが投票に対して牛歩を始めたと報告があり、「牛歩だ、牛歩だ、山本太郎、森ゆう子、いけいけ山本太郎、採決やめろ」のコールで応援する。結局、議長が二分以内での投票を示し、採決・可決された。

 採決・可決を糾弾するコールが国会にぶつけられた。この後、本会議を終えた共産党の議員団が続々と駆けつけ、抗議集会を行った。紙智子さん(共産党、参議院議員)は「本会議で採決を強行した。満身の怒りを込めて抗議する。三〇日ルールを押しつけ成立を図った。私たちはいろんな分野で質問してきた。TPPは発効しない。闘いはこれからだ」と訴えた。共産党議員団の発言の後、徳永エリさん(民進党、北海道選出参院議員)は「農業がつぶされ、地域が壊されるTPPは許さない。これからTPP水準で自由貿易協定が進められる。これを許さ
ない闘いを」と力強く抗議した。

 醍醐聡さん(TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会よびかけ人)、農民連青年部が採決を批判した。最後に、事務局より「二〇一〇年からTPP反対運動を始めた。この運動で育てたことを大事にしよう。協同の力、連帯の力で政治を変えていこう」と締めくくった。

(M)

TPP協定批准・関連法案強行に、 断固として抗議する
2016年12月9日
TPPを批准させない!全国共同行動


 政府与党は、12月9日、圧倒的多数が今国会での批准に反対している世論を無視して、ルール破りの異常な国会運営を繰り返し、TPP(環太平洋連携協定)の批准と関連法案の成立を強行した。断固抗議するものである。

 そもそもTPP協定の内容は、国会決議にも自民党の公約にも反するものであり、国会審議でも政府はまともな情報を開示しないまま、提起されたさまざまな疑問や参考人などの指摘に対しても、根拠も示さず「その懸念はあたらない」を繰り返すだけであった。私たち参加各国の人々の、いのちや暮らし、地域、人権や主権さえも脅かすという、TPPへの懸念は、払拭されるどころか、ますます強まった。

 しかも、次期アメリカ大統領に決まったトランプ氏が、「TPPからの離脱」を宣言し、もはやTPPが発効する見通しが無い中での暴挙である。ニュージーランドを除く参加各国が、承認作業を止めているなかでの国会承認は、無駄だという以上に危険である。二国間協議を主張するトランプ氏に、TPP水準を最低ラインとした協議に応じることを、国会がお墨付きを与えたに等しい。

 私たち「TPPを批准させない!全国共同行動」は、この臨時国会を前に、多様な国民階層を代表する20名のよびかけ人と、これに賛同する270団体及び多数の市民を結集して、「今国会でTPPを批准させない!」を合い言葉に、多様な行動を展開してきた。10月15日には、各地で取り組まれた集会、学習、宣伝行動を土台に、2010年にTPP反対運動が始まって以来最大規模で中央行動を成功させ、緊急に提起した請願署名も70万余に達している。この動きに励まされ、国会最終盤にも全国各地で行動が展開されている。臨時国会開会以来毎週水曜日に国会議員との情報交換を行い連携を強めるとともに、衆参審議最終盤には、連日座り込み行動も展開し、多くの市民も参加した。

 私たちは、今回の暴挙に抗議し、ここまで育んできた共同の広がりを力に、今後始まるであろう日米二国間協議など、多国籍大企業の利益のためにいのちや暮らし、地域を差し出すあらゆる企てにストップをかけるため、奮闘するものである。

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報告:アジア連帯講座/講座報告「「ロシア革命― 革命的民主主義とプロレタリア権力」 講師:酒井与七さん(JRCL)

酒井講座 11月5日、アジア連帯講座は、文京区立アカデミー湯島で「ロシア革命― 革命的民主主義とプロレタリア権力」というテーマの講座を酒井与七さん(JRCL)を講師に招いて行った。

 来年はロシア革命100周年。資本主義の死の苦悶が続く現代において、その意義と継承すべき成果を探求していく契機の第一歩として講座を設定した。

 酒井さんは、その切り口としてトロツキーの永久革命論の成立プロセス、強調していたアプローチなどを①「マルクスとエンゲルスのヨーロッパ永久革命」②「トロツキーのプロレタリア永久革」③「1905年の第一次ロシア革命とトロツキーのロシア永久革命論の成立」④「1905年革命における革命的民主主義ブロック」⑤「トロツキー『総括と展望』と帝国主義時代におけるプロレタリア永久革命論」と整理し、各論分析、掘り下げた(講演要旨別掲)。

 講座の後半は、DVD「トロツキー伝」が上映された。
 「TROTSKY━革命の盛衰━(KULTUR社、米国)」は、以下のような内容で構成されている。

「①紹介/トロツキーの孫 エステバン・ボルコフがトロツキーの生活・襲撃時などを語る、メキシコの邸宅、撲殺後のベッドのトロツキー

 ②10月革命/武装蜂起、軍事革命委員会のトロツキー、レーニンとトロツキー

 ③トロツキーの生い立ち /1879.10.26 ヘルソン県イワノフカ村で生まれる

 ④トロツキー・ペトログラードソヴィエト議長/就任アジ演説など

 ⑤ウィーンにてスターリンとはじめての会議

 ⑥ロシア内戦

 ⑦第三インターナショナル

 ⑧クロンシュタット叛乱/鎮圧後のクロンシュタット

 ⑨勝利への試練 レーニン

 ⑩ソ連からの追放/アルマ・アタ到着1928.1.25

 ⑪わが生涯/トロツキーの演説 ほんもの声

 ⑫ヒトラーとスターリン

 ⑬メキシコシティー/リベラ、フリーダカーロなど登場、トロツキーのラジオ演
説の声とシーン

 ⑭暗殺/葬式

 ⑮メキシコ・トロツキー記念館」。
 

酒井与七さんの講演(要旨)

トロツキーの永久革命論 ― 革命的民主主義とプロレタリア権力


 1、マルクスとエンゲルスのヨーロッパ永久革命

 19世紀ヨーロッパ世界において民主主義革命を完遂することによって階級的な労働者革命にむけて急進することができるというマルクスとエンゲルスの近代的共産主義の立場は、さらに1848年 革命敗北の教訓として、労働者階級の運動が全政治革命において勝利的に前進することなしには全 ヨーロッパの民主主義革命も完遂されえないという結論にまで発展させられた。(『第二インターの革命論争』解説(1975年、 紀伊國屋書店、1~3頁) )

 トロツキーはこのような立場と方法を20世紀のヨーロッパとロシアにおいてつきすすめ、ロシア永久革命論という独自の綱領的立場に到達したのである。

 2、トロツキーのプロレタリア永久革命論とその3つの位相

 永久革命論に関するトロツキーの1929年の著作(トロツキー文庫『永続革命論』現代思潮社版) では、永久革命とされるものが3つの位相でとらえられている。

 すなわち、①帝国主義時代における民主主義革命を基盤にするプロレタリアートによる権力の獲得(いわゆる民主主義革命からプロレタリア革命への飛躍)、

②プロレタリア権力樹立後における社会主義にいたる長期の過渡的変革過程 (資本主義に対する長期にわたる過渡的社会革命過程 ― 社会主義にいたるまでの不断
の政治的・社 会的変革の過程としての反資本主義的過渡期)、

③一国または数ヵ国におけるプロレタリア革命の勝利から世界プロレタリア革命の完遂にいたるまでの国際的波及および相互影響の過程としてである。

 そして、社会主義にいたるまでの不断の政治的・社会的変革の過程としての反資本主義的過渡 期の展開は 世界プロレタリア革命の完遂にいたるまでの国際的過程に依存し、社会主義の達成は ただ国際的に世界規模においてのみ展望されうるとされる。

 トロツキーは、以上のような位相を包括するものとして永久革命または永続革命という概念を説明 している。

 3、1905年の第一次ロシア革命とトロツキーのロシア永久革命論の成立

 ロシア革命の性格とその展望をプロレタリア永久革命として構想するトロツキーの考え ― 永久革命の概念 ― は1905年の第一次ロシア革命をつうじて形成されるのであるが、1904年夏に出版されたトロツキーの『われわれの政治的任務』ではロシア革命について“2段階革命”論の立場が 依然として保持されていた。

 トロツキーの『1月9日以前』では、以上のように、プロレタリアートが階級的に主導する全人民 的政治ゼネストならびに武装蜂起によるツァーリ専制体制打倒と全人民的憲法制定会議の実現が展望 されていたが、しかし“臨時革命政府”の問題 ― 専制体制打倒後の革命権力とその階級的性格 の問題 ― はまだ提起され
ていなかった。

 ツァーリ専制権力に取って代わるべき革命的権力の問題が提起されるのは、専制体制の解体打倒を めざす政治的ゼネラル・ストライキと武装蜂起の実現とその勝利的成果としての臨時革命政府樹立の 問題が現実的課題として意識されることになる1905年初めであった。1905年の第一次ロシア革命は同年1月9[22]日の「血
の日曜日」をもって始まる。

 ここでは大衆的武装蜂起によるツァーリ専制政府の転覆と“われわれの政府”の樹立が呼びかけら れていて、こうして、現実の闘争展開をつうじてツァーリ専制権力打倒後の臨時革命政府の問題 ― 旧専制権力に取って代わるべき革命権力の問題が提起されたのである。

 まさにこのとき、メンシェビキは“専制権力打倒・革命政府樹立”に反対する立場をとったが、 そのメンシェビキについてトロツキーの「ロシア革命の3つの概念」で批判している。

 2つの党派の間で基本的不一致が始まったのはまさにこの点である。ボリシェビキは、ロシアのブ ルジョアジーが自分自身の革命を最後まで導くことができると認めることを断固として拒否した。”

 また1905年3~4月頃に書かれたレーニンの未発表手稿の「1879年型の革命家、1848 年型の革命か」には、ロシア革命とメンシェビキについて批判する記述がある。

 メンシェビキと異なり、革命をつうじて樹立されるべき臨時革命政府の問題について最初に鮮明な 立場を提示したのがパルヴスだった。パルヴスはトロツキー『1月9日以前』の序文を書いていて、その日付は“血の日曜日″の9日後になっている。

 1905年1月9日の労働者請願デモを主導したゲオルギー・ガポンは「血の日曜日」のうえで専 制政府打倒と武装蜂起の共同行動の呼びかけていて、レーニンはこれに積極的に呼応する「蜂起のための戦闘協定について」という文章を2月21日に発表している。

 レーニンは専制体制打倒の蜂起と民主主義的変革を実施すべき革命的臨時政府樹立が実 践的課題として現実的射程に入ってきていることを確認している。そして、民主主義的革命の全般的 課題を引き受けるべき臨時革命政府の政治的・階級的性格について、レーニンは“プロレタリアート と農民の革命的民主主義独裁”
として定式化したのである。レーニンは同年7月に『民主主義革命における社会民主党の二つの戦術』を発表し、労働者と農民 の革命的民主主義独裁の立場からロシア革命の戦略問題を詳細に論じ、メンシェビキを全面的に批判している。

 トロツキーがロシア革命における権力問題について自己の立場を確定し、パルヴスによる“労働者 民主主義の政府”の考えを跳躍台としてプロレタリア永久革命の展望を定式化したのは1905年夏 だった。

 4、1905年革命における革命的民主主義ブロック ― レーニン、ルクセンブルク、パルヴス、トロ ツキー

 1905年革命においてレーニン、ローザ・ルクセンブルク、パルヴス、トロツキーがカウツ キーをもふくめて基本的に“革命的民主主義”ブロックを形成し、全体としてメンシェヴィキに対立 していた。その基本的対立点は1905年のロシア革命におけるブルジョア自由主義派の政治的性格 の評価 ― ブルジョア自由主義派にたいして革命の政治的主導権を認めるか否かということについて であった。

 レーニン、ローザ・ルクセンブルク、パルヴス、トロツキー ― そしてカウツキー ― のあいだに 次の3点にわたる基本的一致点をみいだすことができる。

 すなわち、革命の当面する直接的性格としての民主主義革命、この革命における諸階級の基本的相 互関係、ロシア革命の国際的展望とプロレタリアートの社会主義的な階級的独立性などの諸点におい て、レーニン、パルヴス、ルクセンブルク、トロツキーはメンシェヴィキ派と対立するという点で共 通し、1905年のロシア革命において客観的に革命的民主主義ブロックを構成していた。

 だが彼ら の間には、一つの革命政党の内部において存在しうる様々な戦術的相違やロシア革命の究極的な綱領 的展望についての相違があった。

 ロシア革命の勝利にむけた綱領的展望にかんしては、ロシア民主主義革命の勝利は農民に支持されたプロレタリアートの独裁以外にはありえないし、そのプロレタリア独裁権力は都市の大工業にたいして反資本主義的な集産主義的手段をとるだろうと主張するトロツキーが他の3人から“孤立”して いた。

 他方、レーニンは、ロシア民主主義革命の勝利によって実現されるべき革命権力の階級的ならびに 政治的性格についてきわめて慎重で“抑制”的だった。専制体制打倒後の“権力は …… プロレタリ アートの手中に移るだろう”としたローザ・ルクセンブルクの考えは政治的にレーニンに非常の近 かったが、民主主義革命勝利の見通しについて最も慎重かつ“抑制”的だったといえるだろう。そし て、革命勝利後に“労働者民主主義の政府”を展望するパルヴスはレーニンとトロツキーの中間に位置し、カウツキーはロシア革命の展望についてパルヴスとトロツキーの中間に位置していたといえそうである。

 レーニンのロシア革命構想は、
①ツァーリ専制体制転覆後の革命権力を“プロレタ リアートと農民の革命的民主主義的独裁”であるとし、この革命権力はさしあたってブルジョア民主 主義革命の枠内にとどまらざるえないこと、しかしながら、

②労働者・農民の革命的民主主義独 裁として勝利的に実現されるロシア革命はヨーロッパ・プロレタリアートの革命的活性化の時期を切り開くだろうということ、そして

③ロシア・プロレタリアートの社会主義のための階級的闘争 ― プロレタリア革命 ― は西ヨーロッパ諸国プロレタリアートを主力とする国際社会主義革命の一環として展望することができるということによって構成されていたといえるだろう。

 このようなロシア革命構想からすると、レーニンはロシア革命の“革命的民主主義独裁”=ブルジョア民主主義革命段階を必ずしも固定的・教条主義的にとらえることなく、永久革命的モメントの 可能性を含めて考えていたように思われるし、以上のような構想は、その内容からして、独自のレー ニン版“永久革命”構想といえるかもしれない。

 5、トロツキー『総括と展望』と帝国主義時代におけるプロレタリア永久革命論

 トロツキーのロシア永久革命構想の基本的枠組みは、1905年『総括と展望』でまとめ、“永久革命論の3つの位相”という特徴を明らかに認めることができる。

 『総括と展望』の主張を“1905年ロシア永久革命論”といえるが、この時期の永久革命論の国 際的枠組みは、同書の第九章「ヨーロッパと革命」の結語から明らかなように資本主義ヨーロッパ だった。 また、一九〇五年ロシア永久革命論はその革命的労働者党建設において自然発生主義であった。こ のことについて、トロツキーの『永久革命論』(1929年) において革命的労働者党建設において“一種の社会革命的運命論”に陥っていたことを述べている。

 だが、 トロツキーの『永久革命論』(1929年)は『結果と展望』(1906年)のたんなる拡大延長 ではない。この2つのもののあいだには、一つの飛躍と一つの転換がある。『永久革命論』は資本主 義の帝国主義時代の意識的把握のうえに展開された反帝プロレタリア国際社会主義革命の理論と綱領 であり、そこには『結果と展望』からの重大な歴史的飛躍がある。また、1929年の『永久革命論』 はプロレタリア革命党組織論におけるトロツキーのレーニン的転換を明白に前提としているのである。

 「帝国主義と国際革命 ― 一国社会主義反対」については、 『レーニン死後の第三インターナショナル』一章、 『ヨーロッパとアメリカ』 で述べている。

 「帝国主義と植民地革命」については、「東洋における展望と任務 ― 東洋勤労者大学三周年記念講演」、 『レーニン死後の第三インターナショナル』3章、『永久革命論』で述べている。

 「プロレタリア独裁下における反資本主義的過渡期」については、ソ連共産党10大会トロツキー報告「産業 について」、「合同左翼反対派綱領」のソ連邦経済政策の部分『裏切られた革命』で述べている。

 最後に

 “3つの位相”とは別に、永久革命論に潜在的に含意されるものとして“国家をめぐる権力のため の闘争方法”という位相があると私は考えていて、“革命的民主主義と革命的民主主義とプロレタリ ア権力”というテーマは“国家をめぐる権力のための闘争方法”の問題になる。今後、このテーマを追求してみたい。

11.2 TPP反対行動報告

TPP11211.4
TPP衆院特別委員会で強行採決
八日衆院本会議採決許すな!
農業、医療、労働など破壊するな


一一月四日午後、自民、公明、日本維新の会はTPP(環太平洋経済連携協定)の承認案と関連法案を衆院TPP特別委員会で野党議員の抗議の中、賛成多数で強行可決した。与党側が民進など野党側と審議日程の調整がつかないまま、委員会採決に向け、午後から締めくくり総括質疑を実施した。民進党、共産党議員は、合意のない状態での委員会開会に反対し退席した。質疑の終了直前、委員会室に戻り、「強行採決反対!」などと書いた紙を手に、塩谷立委員長を囲んで抗議する中、採決を強行した。

今後政府・与党は四月八日にTPP承認案・関連法案の衆院本会議採決を目指すとしている。民進党は山本有二農水相の不信任決議案の提出も検討している。臨時国会の会期は一一月三〇日までだが、政府・与党は会期延長をせざる程追いつめられている。

この日も国会前ではTPPに反対する人々の抗議行動が行われた。TPPの協定審議内容がほとんど黒塗りで明らかにされないまま、農業、医療、労働、食の安全などを根底からくつがえすTPPが成立に向けて、全国の人々の意思を無視して進められている。断じてこれを許してはならない。

11.2STOP TPP 市民アクション国会前行動
国内批准反対 強行採決絶対反対


 一一月二日午後六時半から、衆議院第二議員会館前で「TPP批准反対 強行採決絶対反対」行動がSTOP TPP 市民アクションの呼びかけによって行われた。一一月四日に特別委員会と衆院本会議での強行採決が予定されていたが、山本有二農水相の「強行採決を認める発言は冗談だった」とする二度目の発言が明らかになり、四日の採決をめぐり与野党の激しい攻防が続く中での緊急行動であった。

衆院TPP特別委員会の理事・畠山和也さん(共産党衆院議員)が終わったばかりの理事会の様子を報告した。

「午後五時以降に理事会が開かれた。昨日の山本農水相の二度の暴言を問題にした。①強行採決発言について、撤回したが冗談だった発言②JA関係者に明日農水省に来てくれれば良いことがある、と発言した。大臣の資質に欠けると、野党は午前中に辞任に値すると要求。昼、自民党国対委員長は今日採決したい。野党は採決する状態にないとして午後五時自民と決裂。午後五時一五分理事会で、自民は四日の委員会で締めくくり質疑をする。強く抗議したが民進党理事は退席、共産党は残った。塩野谷委員長は四日午後一時半から総括質疑を行い、委員会の採決をすると決めた。本会議での採決はこの日は行わず、来週にずれこむことになった」。

集会の始まる前、カムロテツさんらのグループがラップ調で訴えた。

「TPP絶対反対、強行採決反対、国内批准反対。与野党合意も認めない。円満採決絶対反対。野党はもっと気合を入れろ、市民はもっと気合をいれろ。採決延ばしてもうれしくない。延ばした分だけこぶしをあげよう」。

山田正彦さん(元農水相)が「四日採決と聞いて頭にきた。日本の農業が危機に陥り、自給率が一〇%になる大事な問題だ。我々の勝負の時だ。許されない。TPPの葬式を出そう。四日正午に集まろう。何が何でも止めよう」と檄を飛ばした。清水忠史さん(共産党、衆院議員)。「採決が一日二日延びたぐらいで満足しない。廃案に追い込もう。農業のみならず、医療・中小企業への問題点が明らかになりつつある。審議は道半ばだ。山本農水大臣の発言、冗談で採決をもてあそぶな、辞めてもらうしかない。四日の委員会強行採決断固反対。中央公聴会も開いていない。日本を滅ぼす自民党になるな」。

植草一秀さん(オールジャパン平和と共生運営委員)。「TPPは様々な仕組みを根幹から変えてしまう、恐ろしいものだ。共同通信の行った世論調査でも、七八%が慎重審議を求めている。賛成しているのは一〇%のみだ。世界的にグローバリズムに抵抗する動きが現れている。TPP批准を阻止しよう」。加藤好一生活クラブ生協会長は金曜日には黒のコスチュームでがんばると語った。

毎日反対行動を行っているカムロテツさんは「TPPは社会の根幹が根底から変えられるものだ。6が9になる。山が海になるようなものだ。経済は円運動でなくてはいけないのに、線になりどこか一カ所に集められ独り占めされる。人間の生存・生活が破壊される。だからTPPは許せない」。JR総連、神奈川自治労連、全労連全国一般、自由の森学園の仲間がそれぞれTPPを批判した。



山浦康明さん(日消連共同代表)は「一〇月二七日午前中に、参考人として発言した。食の安全問題、遺伝子組み換え食品は鮭、麦、コメにまで及んでいて我々はそれを食べるのを拒否できない。食品添加物について知りたいが、TPPが通れば企業秘密だから表示しないとなってしまう。安倍首相は午後に、何ら私の具体的説明に反論することなく、日本の基準は変えないと答弁した。まともな審議が行われていない」と批判した。

ママの会の杉山さんは「先週の金曜日からずっと抗議行動に参加している。批准しても抗議しあきらめない。子どもをTPPから守る」と語った。神奈川県大和市から来た仲間は地元の人にTPPを知っているために話しかけている。一一月一二日には地元で行動する。TPPの危険性を地元で訴えようと話した。

横浜からきた岩田さんは「多国籍企業は彼らに都合のよいルールを作る。NAFTAで、アメリカの安いトウモロコシがメキシコに輸出され、メキシコのトウモロコシ農家は壊滅した。その人たちがアメリカに行き、低賃金で雇われたのでアメリカの労働者の賃金が半分になった。米韓自由協定によって、韓国の畜産農家は壊滅した。ボリビアでは水道事業民営化され、水道料金が値上げされ庶民が困った。エジプトでは最賃が上げられない。EUに加盟したイギリスの漁業はノルウェーの安い魚が入り衰退した。一%の多国籍企業だけがもうかる。それがTPPだ」と世界で起きている自由貿易協定の問題点を指摘した。

フェイスブック憲法九条の会、歌手のえみむめもの歌など発言が続いた。最後に、「ふるさと」を合唱してTPP阻止まで闘いぬく決意を固めた。

(M)

追記:
この日の行動を終えて、家に帰り午後九時からのNHKテレビニュースで、山本農水相の発言問題を取り上げて、政治家の発言として問題があるとコメントしていた。これで終わると思っていたら、TPP批准によって良いことが起こると三つの例を紹介した。

一番目、日本は豚肉に一キロ四八二円関税をかけているがこれが五〇円になる。価格では米国産に負けるが霜降肉のような質で対抗する農家。この農家は初めTPPに反対していたがピンチをチャンスに変えると紹介した。

二番目、コメ。日本のコメ消費は二〇年前の三分の一に減っている。ベトナムは二二・五%の関税をかけているがこれが撤廃される。そうすると日本の三倍のコメを食べているベトナムに輸出できる。日本のおむすびをベトナムで販売したら、高い商品だがおいしいと売れた。

三番目、自動車部品製造会社。メキシコに輸出しているが、アメリカに製造拠点がない。輸出するには自動車部分の三七・五%しか輸出できないという制限が撤廃される。これが雇用につながる。

このどの例を考えてみても、どれも不確かで、日本の農家やベトナムの農家が豊かになるとは思えない。圧倒的な日本の農家や関税をなくすことによる相手国の農家や労働者の生活が厳しい競争にさらされ破壊されるだけだ。こんなウソとごまかしでTPPを通してはならない。

報告 : 10.15 TPPを批准させない中央集会

IMG_1522今国会でTPPを批准させない
10.15農民連合など全国から八〇〇〇人が結集


ハゲタカによるハゲタカのための条約だ
百害あって一利なしが実態

一〇月一五日正午から、東京芝公園23号地で「今国会での拙速な批准は絶対許さない!1万人行動・中央集会」がTPPを批准させない!全国共同行動の呼びかけで開かれ、全国から八〇〇〇人が集まった。会場には以下のような団体の旗が翻った。農民連、全農協労連、農民センター、全国農団労など農民団体。パルシステム、生活クラブ生協などの生協団体。全労連、東京全労協、国労、全水道東水労、全建総連、国公労連、全建総連、JR総連など労働組合。

集会前段に歌手のえみむめもと制服向上委員会が歌でTPP反対を訴えた。続いて本集会に移った。山根香織さん(主婦連合会参与)が開会のあいさつを行った。

「政府は今月中の衆院通過を狙っている。TPPは一四兆円の経済効果があるとか、日本が締結し米国を引っ張っていくとか、信じられない言葉が政府からあがっている。農水産業の聖域をまもれないことがはっきりしてきている。残された関税の撤廃、食の安全・安心問題など危険な内容であふれている。国民軽視で大企業や投資家優先の協定だ。決まってしまえば後戻りできない。国会批准阻止のために全国で行動が行われている」。

次に、国会議員がかけつけ、連帯のあいさつをした。福島みずほさん(社民党)。「昨日から衆院で審議が始まった。TPPは①農業・酪農を壊す②食の安心・安全の問題。遺伝子組み換え、原産地を表示しなくてもよい③薬の安全問題、国民皆保険を壊す、ものだ。TPPは強欲資本主義のためであり、人々のためにならない。ISD条項によって、企業からしか提訴できない、それによって政府が多額の損害賠償金を払わされる。TPPは百害あって一利なし。米国大統領候補の二人も反対している。どんなことがあっても承認させない」。

小池晃さん(共産党)。「①多国籍企業のために関税をなくしてしまう。医療、食の安全、ISD条項。これは亡国の条約だ。②条約の内容を明らかにしていない。国会決議を踏みにじっている。国産米に影響を与えないと言っていたが嘘だ。米国大統領候補二人も国内の雇用・産業が壊されるから反対している」。

山本太郎さん(自由党)が「英文で六三〇〇頁もある条約は三分の一しか訳されていない。どんなやりとりをしていたのか情報公開したら、すべて黒塗りで出されてきた。こんなひどい状況を多くの人に知らせ阻止しよう」と話した。民進党の国会議員は参加せずにメッセージが紹介された。

オーストラリアはISD条項を禁止

全国から参加した仲間たちが訴えた。Anti-TPP Hokkaido(北海道の青年)。「デモや講演会をやり反対を訴えている。台風で被害を受けた。その上TPPが通れば死刑宣告を受けると同じだ。ベトナムの労働者の賃金が下げられる。ブラック企業が増えるなど、すべての労働者の安全を守ろう」。

石田正昭さん(日本協同組合学会会長、龍谷大学教授)。「批准のやり方に賛成できないという総会決議をあげた。学会がこうした行動をすることは異例のことだ。
①暮らし、命をおびやかす
②協同組合の組織・経営に脅威を与える
③日本が加害者になって途上国の人々を脅かすから、TPPに反対だ。さらに、アベノミクスに反対しなければならない。①財政出動②TPPは年金、健康保険へ民間投資の拡大をすることだ。これは生活を脅かす」。

ママデモ(三鷹)。「オーストラリア上院で、『ISD条項を禁止する』ことを通した。日本の三三県の一一一六人の地方議員にメールしてTPP反対行動に参加してほしいと訴えたが八人しか賛同の返信がなかった。これを一〇〇人以上に増やしたい」。

高田健さん(総がかり実行委)。「安倍首相は参院選で全国一〇〇カ所の演説で憲法改正を一度も言わなかったのに、憲法改正をやろうとしている。一一月南スーダンへ自衛隊を派遣し、駆けつけ警護をしようとしている。安倍打倒の共同の闘いを進めよう」。

吉田敏恵さん(岩手県生協連合会専務)。「午前四時発の貸切バスで五〇人が参加している。八月三〇日の台風一〇号で甚大な被害を受けた。一四〇〇億円の被害のうち二割が農水産物だ。しかし、これは再生する。TPPは食料の自給を壊す。七つの農協を訪れ反対の署名してもらった。まだまだあきらめない」。

植草一秀さん(オールジャパン平和と共生運営委員)。「ハゲタカによるハゲタカのための条約だ。日本を経済植民地にするための最終兵器だ。何が生じるのか。
①日本の農業がハゲタカ農業へ
②医療、すべての人から富裕層だけのものへ
③食の安全・安心が壊される
④労働、一億非正規化⑤農協・生協など共済事業が破壊される
⑥一〇〇〇兆円の郵貯などがハゲタカに持ち去られる
⑦六三〇〇頁の条約。四年間の秘密の保護。これがステルス爆撃機で、ISDに核弾頭が植えつけられている。断じて許せない」。

安倍政権はなぜ批准をいそぐのか

福島農民連。「10・7怒りの軽トラパレードをトラクター三台、軽トラ二〇台で本宮駅から二本松市に向けて行った。原発事故とTPPで二重に苦しめられている。安倍打倒しかない」。内田聖子さん(アジア太平洋資料センター)。「条約内容を翻訳し、読み解きブックレットを作った。国会答弁を見ているとすべて無視していたので怒りがこみ上げた。海外の状況。米国。議会で承認されないように運動している。雇用の問題、ISD条項で主権が脅かされる。日本やオーストラリアの企業から米国政府が訴えられる。カナダ、オーストラリアでは説明会やパブリックコメントが行われているのに、日本ではただの一度も説明会も開いていないし、パブリックコメントもとっていない。民主主義の観点からも異常だ」。

海外からのメッセージが紹介され、集会アピールを採択した。最後に山田正彦さん(弁護士・元農林水相)が「米国に行き、多くの議員や労働組合、環境団体らと話し合った。米国で批准されないものをなぜ日本は急ぐのか分からないと言われた。TPPは米国多国籍企業・軍産企業の世界支配が狙いだ。強行採決させてはならない」と閉会のあいさつを行い、トラクター、軽トラを先頭にして都心をデモ行進した。臨時国会での最大の課題、TPP批准を阻止しよう。 

(M)

報告 : 反G7名古屋5.21集会&デモ

IMG_0529 名古屋市立教育館講堂で5月21日、講師にイラクの子どもを救う会代表でフリージャーナリストの西谷文和を招いて「G7伊勢志摩サミットを問う!講演集会」(主催:G7伊勢志摩サミットを問う集会実行委員会)が開かれた。約70人が参加した。

今回の講演は映像の解説を中心に進められ、G7における「テロとの戦い」の欺瞞を深くえぐる内容であった。同時に事実の背景を報道しないメディアの欺瞞を追及するものであった。

講師は一昨日までシリアのイスラム国支配地域にいたとのこと。これまでISへの空爆は10,000回以上行われており、空爆によりシリアの多くの子供たちの命が失われている。日本はテロの有志連合に入っている日本とも無縁ではない、と指摘した。

講演では現在までのシリアの内戦の歴史がスライドで説明された。そもそも中東で戦争が多い原因は宗教の違いで戦争が行われているのではなく、ヨーロッパ列強の植民地支配のなかで民族対立、宗教対立があおられ戦争が発生している地域背景について述べた。スライドでは、講師が自ら取材、政策したシリア現地の映像も紹介され、臨場感あふれる内容であった。

トルコからシリアに入り、さらにカメラは空爆で破壊された激戦地に進み衝撃的な映像が続く。アサド軍と自由シリア軍が対立して壮絶な銃撃戦が続いている地域ではほとんど人が歩いていない。人がほとんどいない街で、カメラは「アラーは偉大なり」と叫びながら機関銃を連射する兵士。長引く戦争が日常となっている異常な状況のなかで銃弾、戦車砲の破片が取り除かれないまま、麻酔薬のない病院に放置されている子供たちが映し出す。

映像は続いてIS(イスラム国)のものに切り替わる。石油の強奪をもくろんだ米国、欧米の資本がもたらした数年間のシリアの無政府状態、マリキ政権によるスンニー派の虐殺を背景に台頭したISはクルド人虐殺を始めた。

罪なき人々が虐殺されても動かなかった米国だったが、自らの油田が危うくなった段階で空爆を始めた。シリア内戦による大量の武器の調達により潤う戦争商人によりシリアの内戦は泥沼化、長期化させられる。ISの正体は、米国がイラクに無謀な戦争にもってもたらされたものである。

映像のあと講師は、わかりにくい戦争、テロとの戦いによって儲け続けたい死の商人らが存在するため、本来取り締まれたISやアルカイダの台頭を招いた、と指摘。歴史的背景を含めてわかりやすく説明する必要があるメディアが役割を果たしていない、と会場に取材に来ているマスコミに問題提起した。

また、諸悪の根源は米国にあるが、米国の後方支援のために集団的自衛権を行使して憲法の解釈を変え、日米ガイドラインを変えた日本にも「米国の正義の戦争」の責任の一端があることを指摘した。講師はさらに、最近のパナマ文書の暴露にも触れ、戦争法と格差拡大は密接につながっていることも訴えた。

講演の終了後、約80人の参加者が名古屋の繁華街の栄を中心にメッセージボード、横断幕、旗を掲げてデモ行進を行った。名古屋の街に「Attac.jp」の%の旗、「アジア連帯講座」の旗等がひるがえった。デモの参加者は大量の公安政治警察が過剰警備するなか、G7の欺瞞性を市民に訴えるとともに、世界経済の問題、沖縄県で起きた米軍属による女性遺棄事件への抗議の声を上げた。

今回の集会、デモでは大量のマスコミへの対応が行われた。デモの終了後にネットで検索をしたところ、相当数の記事がヒットしている。名古屋の主要な通信社、新聞社、テレビ局が取材・報道を行った今回の集会、デモは、社会的な影響が大きかったといえる。

(山本)

報告:5.12G7伊勢志摩サミット反対街頭記者会見

12日銀前 5月12日、G7伊勢志摩サミット反対街頭記者会見の主催で「G7伊勢志摩サミット反対! 街頭記者会見に夜たちあがれ!」が日本銀行本店前で行われた。

 5月26~27日、G7伊勢志摩サミット首脳会議が行われ、約半年かけて関連会議を全国10カ所で開催する。仲間たちは、「サミットが大企業と金持だけが潤う世界の秩序と安定を目指し、テロの危機を叫びながらテロの原因となっている貧困と混乱を世界中にまき散らしてきた」と抗議し、フランスの労働規制緩和に反対する「夜たち上がれ」運動の「5月15日に世界中で夜に立ち上がろう」という呼びかけに応えて行動が行われた。
 
 小倉利丸さん(ピープルズプラン研究所)は、「G7は、『民主主義』を標榜しているが、ほとんど民衆の意志を無視して密室で物事を決め、あたかも国際公約であるかのように国内に持ち込み政策に反映させている。こういう反民主主義な手法は2008年の洞爺湖サミット以降も変わっていない。今回は、安倍政権による戦争法制定後のサミットであり、先進国の軍隊とともに対テロ戦争に参加していこうとねらっている。パナマ文書が公開され、世界の指導者、金持ちが税逃れをしていることが明らかになった。世界の人々は重税で苦しんでいるのに、大企業、金持ちはタックスヘイブンを使って税逃れをし、私腹を肥やし、欺瞞的なナショナリズムを煽っている。グローバル資本主義の末期症状だ。貧乏人は税金を払えないのだとつきつけ、抗議していこう」と訴えた。
 
 ATTAC Japan(首都圏)は、「2008年6月洞爺湖サミット後の九月にリーマンショックという世界的金融危機が起きた。さらにユーロ債務危機、緊縮攻撃、イスラム諸国に対する軍事介入、放射能被害者を放置したままでの原発再稼動・輸出、沖縄へのさらなる基地負担の押し付け、そしてアベノミクスという危機の先送りなどが続いている。フランスでは労働法改悪に反対する『夜たち上がれ』運動が展開され、全世界の仲間たちにむけて5月15日同時行動を呼びかけている。国際的な連帯を強め、サミットに反対していこう」とアピールした。
 
 G7茨城・つくばサミットを問う会は、「5月15日にG7茨城・つくば科学技術大臣会合への抗議デモを準備している(つくばセンターペディストリアンプラザ)。すでに学習会では『日本の反グローバリズム運動の16年』、『G7伊勢志摩サミットとは何か』、『科学技術と核・軍事体制を問う』をテーマにして行ってきた。共に闘おう」と発言。

 伊勢志摩サミットに反対する実行委員会(東京)は、「5・22伊勢志摩サミット反対・新宿デモへ!」の参加を呼びかけた。

 「対テロ戦争」と天皇制賛美のG7伊勢志摩サミット粉砕実行委員会は、「5月27日に志摩市・木場(きば)公園でG7サミット反対集会を行い、志摩市内サミット抗議デモを取り組む」と報告。

 仙台で開催するG7財務大臣・中央銀行総裁会合に異議あり!実行委員会の仲間から携帯中継で報告とアピールを受けた(5・20平和ビル前アピールと小倉利丸さん講演会)。

 最後に主催者から全国各地の反サミット行動スケジュールが紹介され、連帯し共同の取り組みを確認した。

(Y)

報告:4.16アジ連公開講座「TPPをマクロとミクロの視点から批判する」 講師:大野和興さん

配信用:大野さん講座 4月16日、アジア連帯講座は、大野和興さん(「TPPに反対する人々の運動」世話人)を講師に「TPPをマクロとミクロの視点から批判する」公開講座を豊島区民センターで行った。

 安倍政権は、食料主権と生活破壊、グローバル資本のための環太平洋経済連携協定(TPP)を昨年、12カ国政府と談合し、強引に「大筋合意」を進め(15年10月5日)、TPP署名式(ニュージーランド/2月4日)で署名した。TPPの既成事実化を押し進めながら自民、公明党は、交渉内容や協定などの情報公開、説明が不十分なままTPP関連法の改正案11本を一括法案として国会に提出することを決め、3月8日にTPP協定承認と関連法案提出を閣議決定した。4月5日、審議入りを強行し、なんとしてでも批准し、関連法案なども成立させようとしていた。

 しかし、アメリカは11月に大統領選があるため批准に遅れるだけでなく、次期大統領候補たちもTPPに反対傾向が強い。日本の国会では、強引に審議入りしたが、

①甘利明前TPP担当相が金銭問題で失脚し、病気を理由に雲隠れ中

②TPP衆院特別委員会に提出されたTPP交渉の経過・関連文書はほぼすべてを黒塗り状態で実質的に「審議」を否定

③委員会の西川公也委員長(自民)が『TPPの真実-壮大な協定をまとめあげた男たち』(中央公論新社)という本の出版予定が判明。黒塗り文書提出とは真逆の対応で審議紛糾してしまった。3月14日の熊本震災の発生もあって、結局、安倍政権は参院選前のTPP争点化を避け、今国会での成立を断念し、秋の臨時国会に先送りすることになった。

 TPPは農産品関税の撤廃と称する農業破壊の拡大、食の安全基準や食品表示の緩和、金儲けのための投資や金融、サービス貿易などの協定で貫かれている。世界の人々はTPPによる貧困の拡大、農業と環境の破壊、食の安全軽視など民衆の生活全般への深刻な影響へと直結するために不安と批判を強めている。あく
までも安倍政権は、TPP関連法制定をねらっている。大野さんの問題提起を材料に、さらに学習・論議を深めていきたい。

■大野和興さん講演要旨(文責アジ連)

 国会でTPPの審議が始まっている。だが緊迫感がない。なぜかというとアメリカが動かないからだ。米大統領候補全員がほぼTPP反対だ。最初はいいよと言っていたクリントンも反対に回った。大統領選挙が終わったら、すぐに賛成に転じる話もあるが、あれだけはっきりと反対と言っていたら、そんなに簡単に賛成はできないだろう。たぶん米は、再交渉を要求してくるだろう。米が主導してきたと言っても、積み木細工の再交渉は、なかなかうまくいかないだろう。そこを見越して批准をしていない国もある。議会の批准をしなければならない国は、アメリカの動きを見ている。

 その中で安倍政権だけが、突出して前のめりだ。今国会で確実に成立させるということでやってきた。ところが甘利の問題で失脚した。さらに情報開示で黒塗りの書類が出てきた。やつていることが、すごくちぐはぐだ。熊本地震も重ねって、強行にやるメリットは日本にない。アメリカは大統領選で動かず、選挙後も1年、2年は動かないだろう。参院選あるいは衆参同時選挙前にTPP成立を強行突破するメリットはない。たぶん次の国会にまわるだろう。私たちは批准阻止を掲げて取り組んでいるが、やはり運動が上滑りしている所がある。ここらで地域からもう一度作り直すことが必要かなと思っている。 


本題にはいりますと、TPPをどう捉えるかを一つは、軍事と経済との関係、つまり、日米安保とTPPの問題だ。二つ目が、憲法とTPP。三番目が、具体的に暮らしの中でどうなるのか、というアプローチをしていきたい。

■日米安保とTPP

 2010年に民主党の菅首相が、10月の通常国会の冒頭で「TPPに入る」ことを表明した。ほとんどの人がTPPを知らなかった。なぜ突然、こんなことを言い出したか。その背景は日米安保にある。

 日米経済摩擦が70年代から80年代にあったが、そのとき改めて感じたのはそもそも60年安保改定だった。安保条約に経済条項が入り、単なる軍事同盟だけではなく、経済同盟にもなった。日米安保条約の第二条(経済的協力の促進)には、「締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによって、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。」と明記されている。安保条約で日米政府は、経済政策の食い違いを除くことになっている。アメリカの主張に沿って「除く」となる。

 このことを具体的に示したのが、吉岡 裕さん(元農林水産省経済局長)の「日米貿易摩擦とアメリカの農業政策 」(昭和62年度〔日本農業経済学会〕大会討論会報告)だ。その中に「5.日米関係の特殊性と日本の政治状況」がある。「特殊性」とは、日米安保の存在だ。「この条約には同時に『経済協力条項』が含まれており、自由な経済社会体制の強化をめざして両国は、経済政策上の相違を除去するように努力し、そのための協議を続けることを確認している。この防衛関係と経済関係のリンクは、米国側の政治的解釈としては当然視されており、『防衛での貸しは、経済で返させる』との期待が米国にはある。」と述べている。

 つまり、日米の貿易関係は、防衛と軍事に確実にリンクされている。東西冷戦下、安保はどんどん変質し、冷戦終結と同時に安保も経済もグローバル化していった。グローバル安保とグローバル経済のリンクがTPPだ。

 2011年東日本大震災の年の11月にAPEC首脳の閣僚会議がホノルルであった。野田首相(民主党政権)は、オバマ米大統領と会談をし、TPPの交渉に日本入ると宣言した。ぼくらもデモをするために現地に入っていた。

 集会で、グアム、ホノルル、ハワイ、グアム、沖縄、韓国の済州島、オーストラリアの人たちが集まってのセッションで、米軍基地でなにが起こっているのかということを話した。これらの地域を線で結ぶと中国をすっぽり包囲する形になる。沖縄からは高里鈴代さんが参加した。この時にTPPの狙いを実感した。

 野田首相は、中国の包囲網としての経済の軍事化、原発の輸出、武器輸出3原則をはずして武器輸出と兵器協力などを言い出していた。これが安倍政権に引き継がれ、アベノミクスの核のところに原発輸出と武器輸出がおかれた。日米安保は、冷戦下の安保からグローバル安保へと変わっていた。TPPはグローバル経済の象徴として位置づけられた。この二つがここで具体的に結合したとみてよい。TPPは経済のグローバル化であり、世界の市場化の一環だ、アジア・太平洋における自由な企業活動を行うこためのものだといわれているが、実態は米日主導の経済のブロック化の一つの現れだとぼくはみている。

■反国益論としての反TPPではなく

「TPPに反対する人々」を作った時、奇妙な状態があった。保守主義の経済を論じている中野剛志(経産官僚)をTPP反対の論客として引き込んだ。当時、ネット右翼の在特会がTPPに反対だった。中野は、在特会が講師として招くような人物だった。中野はよく右翼のインターネットTVのチャンネル桜にも出演していた。右翼のTPP反対のよって立つ位置はナショナリズムで「国益に反する」という主張だ。私たちは、こういう主張や運動とは一線を画さなければならないと考えた。国益論としての反TPPではなくて、グローバリゼーションで抑圧され収奪されるのは世界の民衆ですから、生活者として共に反対していく論理を作っていかなければならないと考えた。

第二は、日本は加害者だということだ。

 TPPにはISDS条項(投資家と国との 間の紛争解決)がある。例えば、米国の企業が日本に投資したが、日本の公害防止条例で停止させられた。投資の儲けと投資の自由を阻害したことになるから、その企業は日本政府を相手に損害賠償請求ができる。すでに米国ではやっていて、結構、カネ儲けをしている。だから日本は米国にそれをやられると大変だ、日本の国益が侵されるというのが、TPP反派主流の論理だ。

 私たちは、そうじゃないだろう、海外投資をしているのは日本も同じだろうという視点を提起していった。例えば、フィリピントヨタでの組合潰し、マレーシアで住友化学がある村に放射性廃棄物を出し、住民の健康被害を発生させるといった日本企業による悪事の事例は沢山ある。住民たちは、日本に来て、抗議集会、住友化学と交渉を行った。TPPは日本の企業にとって絶好のカネ儲けの話だった。日本は、むしろそこを狙っているのだから加害者だ。このことをきちっと言っていかなければならないとキャンペーンを開始した。革新系のTPP反対運動をしている人たちも「日本の国益に反する」といういい方をよくする。国益論は、右派、左派関係なく侵されています。右派は、単なる経済的なことだけではなく、軍事の問題を絡めて国益論を主張する。左派は国益論を出したほうが人々に訴えやすいので安易に流れていった。今もTPP反対運動では国益論の傾向に流れている。

●憲法とTPP

 今、TPP違憲訴訟が行われている。違憲訴訟の幹事長の山田雅彦さんは、民主党政権時代の農林水産大臣でTPP反対運動で頑張っている人だ。「なぜ違憲訴訟を始めたのか」と質問したら、山田さんは、「TPPは人権、生存権を損なう。憲法違反で真っ向から問うたほうがいいだろう」と強調した。当初は、みんな門前払いになるだろうと思っていたが、門前払いにならなかった。

 違憲訴訟は、一つはTPPによる損害賠償を請求し、二つ目が憲法判断をさせる、二本立てになっている。つまり、TPPによって農産物の安全性か損なわれる、薬が高くなるとか、色々あげて国民が不利益を被るから損害賠償請求した。だが、まだ協定が結ばれていないから諸被害発生していなかったので「そうなるであろうという」論理なので損害賠償請求はできないのだが、山田さんはそれを前提にしつつ、たとえ損害賠償請求で却下されたとしても、憲法判断を仰ぐことが狙いだと語っていた。

 TPPに対する憲法判断とは何か。13条の「生命・自由・幸福追求権」、15条の自由権と基本的人権、22条の職業選択の自由、25条の生存権、健康で文化的な最低限の生活をする権利に対する憲法判断だ。つまり、農業者がTPPで関税撤廃などで農業を辞めざるをえなくなったから憲法13条違反だという立論だ。さらに職業選択自由とは、営業する権利、生業の権利、つまり百姓は百姓で生きる権利、商店で生きる権利が脅かされるから違憲だという論理だ。

 もう一つの柱は、ISDS条項だ。進出企業は、その国による諸規制などによって投資の自由が脅かされたとして、国際仲裁裁判所に訴えられることができる。仲裁裁判は、ほとんど投資した方が勝っている。投資の自由を保障するための仲裁機関だから、負けるわけがない。仲裁裁判所の国際法廷の結論は、日本の最高裁判所の判決よりも優先するという条項らしい。そうすると司法の独立性とか、権限はどうなるのか。一国の司法の最高裁の判決を越える国際仲裁裁判所の決定は、ほんとに効力があるのか。そんなことが許されるのか。司法独立の問題として争点となる。

 これらが違憲訴訟の争点だ。すでに原告側の証言が三回もやられている。山田さんは、「証人調べまでいけそうだ」と言っていた。

 アメリカと韓国のFTA(自由貿易協定)が結ばれて、最初は韓国の米、豚、牛が大変だと言っていた。たしかに牛は大変になっている。それ以上に果樹農家が壊滅的状況だ。どんどん安い果物が入ってきた。想定外の被害が韓国では発生している。日本でもこれから何が起きるかわからない。韓国の状況を知っておくことは重要だ。山田さんは、農家、薬価の問題などで国民は不安におののいていることを根拠にして精神的慰謝料を請求するべきだと主張している。

 このように反TPPのアプローチは、生存権の問題として捉えることだ。そして日常の運動のレベルに降ろさなければいけないなというのが課題だ。裁判の意義も含めて日常の問題として労働と生活の現場に問題を引き下ろして、運動を組立てていかなければと思っている。

■反TPP運動の課題

 世論調査を見ると、TPP賛成が多い。一般の人は、「いいじゃないの安いものが食えるから」と言う。みんなが食えなくなって、低賃金で非正規になってという背景もある。ここをいかに崩していくか。現実としてTPPの運動は、いつも少数だ。僕らの集会だって数百人を超えたことがない。だから共産党も含めたネットワーク作ることにした。TPPストップ市民アクションに全労連、全労協、全日農、農民連も入ってくれと、一緒にやろうよと広げた。農協は途中、安倍政権に脅されて抜けてしまった。反TPP運動は、いかに戦争法反対と反原発と結びつけて取り組んでいけるのかが大きな課題だ。

 じゃどうすればいいのか。一つの試みとして農業集落ごとに入り、その集落の農業が20年後にどうなるか計算をしょうよと言って集まってもらう。つまり農業グループ、個人の農家などが一番身近なところで、今後どうなってしまうのかを実感しないと運動にならない。

 3.11大震災で東北が壊滅し、福島の原発が吹っ飛んだ。実は、2011年5月、6月は反TPP闘争の山場だと位置づけていた。そのために陣形作りをやっていた。2月に東京で集会をやって、500人集まった。それをバネに春の決戦だとしていた。そしたら3.11だ。TPPどころじゃないとおもっていたら、4月に読売新聞が社説で「震災復興のためにTPPを」を出した。TPPでカネ儲けをしよう、カネで震災復興しなければならないという論理だった。その後、経団連が「今こそTPP」「震災復興はTPPなくしてありえない」と提言した。原発が爆発し、津波被害で三陸海岸は深刻な状況、行方不明者が5000人も発生していた。こんな時になんでTPPなのか。

 権力者は、TPPによって反転攻勢を狙った。 典型的な意見として元農水省官僚だった山下一仁(キヤノングローバル戦略研究所)が「ダイヤモンド」で「この大震災は、強い農業を作っていくためのチャンスだ」と主張していた。要するに、三陸海岸含めて農業地帯が真っさらとなった。だから農民の土地所有権がない状態だから私権を制限して大規模な区画を作り、大型農業機械を入れ、政府投資をして企業を動員して大規模農業を育成することができるというのだ。これがTPPで勝つことであり、強い農業の中心だ。TPPで儲けることのチャンスを震災が作ってくれたと言っていた。まさにTPPの本質をずばり指摘し、その後、あらゆる分野に貫徹していくことになる。私はいろんなところで「ショックドクトリンもいいところだ」と山下批判やった。

 もう農業という言い方で語ることはできない時代に入っていると思う。誰の農業か、主体は誰か。企業の農業、資本の農業、百姓の農業、農家の農業と言わないとだめだ。一つにくくれない局面に入っている。強い農業を作ると言うと時は、それは農家の農業ではない。それを農業と言ってしまうと、百姓自身が俺も強い農業でやっていけると誤解してしまう。

 色々な農家と知り合いだが、千葉の米作地帯で農業を行っている仲間たちからTPPの話をしてくれというので行った。かつて三里塚闘争もやっていた人たちもいる。TPP批判を話したが、終わってからの交流会で大型農家の彼は、「TPPになったら米の輸出を考えている。どやら儲かるみたいだ。外国で和食がブームだから日本の米が売れる」と言だし始めた。TPP賛成だという農業者はたくさんいる。農業者だからTPP反対だというのは間違いだ。むしろ専業農家のほうが主流で米の輸出で儲かるからTPP賛成だというのが多い。

 私は、「日本中に同じようなことを考えている人が一杯いる。みんな輸出で儲かるということで輸出したら、そんなの誰が買うのだ。それだけの需要があると思うのか。当然、だぶついて大暴落だ。それより国内で売ったほうがいい。アジアで金持ちが増えているといったって、中国の富裕層だけだ。そんな話に乗らないほうがいいよ」と言ったけど納得しなかった。

 こないだ日経新聞で全国の農業法人のアンケート調査の記事が出ていた。大型経営の農業法人は、7割がTPPになったら輸出が増えると答えている。同じように5割が値段が下がると答えている。つまり大型経営の7割は、輸出が増えるから、それに乗っかれということだ。

 山下一仁の「強い農業」「大震災が絶好のチャンスだ」という論理と空気が浸透している。このような雰囲気が農業者にも広がっている。

 それに対してどうすればいいのか。今、北海道五区で衆議院補選が行われている。自民党の 小泉進次郎が張り付いている。小泉は、細かく歩き、強い農業の話をしている。北海道は、TPPでたしかに大変だが、実は北海道の百姓で遺伝子組み換えをやりたがっている農民、農民グループがある。遺伝子組み換えを認めろと常に発信しているグループもある。モンサントからカネも出ている。遺伝子組み換えで量産して、輸出して儲けるという論理が蔓延している。

■TPPによって貧困連鎖が拡大

 いま企業化した輸出型の農業経営者は俺らの時代だと思っているが、TPPによって、確実に小さな農業が潰れてしまう。小さい農業が潰れたら、どうなるか。僕らはきちっと言わないとだめだ。

 例えば、国威内では1000万トン~1200万トンぐらいの米の潜在生産力があるが、それを減反して800万トンぐらいにしている。この列島の人が食べるうち、大型経営の人たちの米より小さな農家・兼業農家が生産した米の方がはるかに多い。その小さな農家はつぶれる。小さな農家は、高齢化し、平均年齢が70歳ぐらいだ。国民年金が夫婦で5万か、6万だ。これでは食えない。畑、田んぼを耕して、年金と農業で生活を支えている。小さな農家がいなくなるということは、村がなくなるということだ。地域社会がなくなり、商店がなくなり、そして食えなくなる。地域社会が崩壊しつつある。TPPは、その状況を進めることになる。

 都市の労働者にも関係する。例えば、TPPのメリットで牛丼が安くなると言われる。確かに牛肉が安くなる。輸入米も安くなる。安い米と安い牛肉でいっぱい350円の牛丼が300円になる。かつて4~5年前、牛丼の安売り競争があった。260円になったこともある。めし代が下がるということは、それだけ賃金を引き下げてもいいということでもある。350円の牛丼を260円に下げた時、経営者は、260円の牛丼が食えるのだったら、また給料を下げるのもいいなと判断する。そして給料が下がり、200円の牛丼になる。このように貧困と牛丼の値下げは、貧困の循環だ。

 牛丼の引き下げは環境問題にもつながる。1993年、GATTウルグアイラウンドの最後に牛肉の自由化をやった。例えば、今回地震にあった阿蘇の山麓は、肉牛の放牧をやっている。赤牛の放牧地だ。春になると草原を野焼きして、牛を放つ。牛は草を食いながら、夏と秋を過ごして、その間に子どもを産む。秋は子牛を連れた母牛を呼びもどして小屋で飼う。牛小屋の牛のフンは、畑、田んぼに入れて作物、米を作る。山と田んぼ、畑、牛がぐるぐると循環する。日本型の循環農業だ。こういう循環の農業が昔から成立している。TPPでやすい牛肉が入ってくることでこの循環が破壊されてしまう。春の野焼きと牛が草を食べることで、草原は再生する。熊本は昔から名水の地域だが、その水は阿蘇の草原に降った雨が地下に染み込み、地下水となったものだ。牛がいなくなって草原が荒れると、その水も枯れてします。

 韓国と米国でFTA協定を結び、その後、農家は先行き不安で牛を売り出した。大暴落し、牛肉不足になった。結果として牛がいなくなることによって、いろんな循環が途絶えてしまった。

 TPPの問題は、一筋縄でいかない。都市の貧乏人、農村の貧乏人の拡大再生産だ。同時に環境は、どんどん壊されていく。食の安全の危険以前にこのような問題がある。食の安全の基礎が壊されていくのだ。

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アピール:「G7伊勢志摩サミット」反対の闘争に

584970239-dpa_148d8c00984b1efa-155auC83fRNG(画像は昨年のドイツ:エルマウG7サミット対抗行動)

「G7伊勢志摩サミット」反対の闘争に

「G7伊勢志摩サミット」G7(以下、「G7」という)が5月26~27日に三重県の伊勢志摩市で開催される。それに先立ち外相会合(4月10日~11日  広島市)、科学技術相会合(5月15~17日 つくば市)、保険相会合(9月11~12日  神戸市)などの担当相会合などが開かれる。

今回のG7で予想される主要な議題は、世界経済貿易、政治、外交、気候変動エネルギー、インフラ整備、保健衛生、女性などである。独占資本と結託した安倍政権は、G7を通じて日本の次世代成長戦略として先進技術を内外にアピールし、外交において内閣支持率をあげ、5月27日G7終了後の参議院運動勝利をもくろんでいる。


  G7の問題点とねらい

G7はすでに帝国主義・独占資本の利益調整のための会議の段階を通り越し、現在は国境を越えた資源の確保、市場の確保、外交的・軍事的支配の確保・拡大の旗振り役を担っており、ありとあらゆるグローバル・ガバナンスを担う政治主体となっているが、そもそもG7には国連をはじめとする国際機関が何の権限も与えていない。G7は、帝国主義諸国と独占資本の寄せ集めの制度であり、国際法の観点からみても非公式の実態のないグループにすぎないのである。

問題は、G7でなされた決定、決議、宣言、表明は国際法上の根拠なしのG7内での仲間内の取り決めにもかかわらず、その決定等がG7とはなんの関係もない第三世界、途上国までに実質的に強い影響を及ぼしていることである。逆にこのような「世界政府」の役割に期待を寄せる途上国の存在が、問題をさらに複雑化している。さらにG7への少数の参加国の内政が過度に影響するグローバリズムに内包するナショナリズムの問題もはらんでいる。

G7における帝国主義・独占資本の反動的なねらいは、経済、軍事の新自由主義グローバリゼーションとナショナリズムによる世界支配である。われわれの身近にあるもの(商品、製品)、金(金融、投資、株式)、ひと(労働力、労働者)、情報、技術、サービス、システムといったありとあらゆるものが国境を越えて行き来して貧富の格差が拡大している今日、経済、産業、財務、交通関連の財界の関与の下で国家が介入しない市場の原理に基づいた自由市場経済の世界的拡大の背景となる新自由主義をリードしているのがG7である。

また今回のG7では「IS(イスラム国)掃討」をはじめとする世界各地での「対テロ戦争」の遂行における帝国主義諸国の国際的な軍事連携の強化が行われる。特定秘密保護法の強行採決、武器輸出の解禁、安保関連法の強行採決を行い、憲法改悪に突進している安倍政権は、さらなる帝国主義間の軍事同盟の強化を今回のG7を通じて行っていくであろう。同時に安倍政権は、伊勢神宮の近辺でG7を開催することにより、日本の神道イズムの世界への発信、「天皇制戦争国家・日本」のG7に結集した帝国主義諸国における承認をもくろんでいる。


  新自由主義グローバリゼーションの拡大、ナショナリズムの世界化反対の闘争に

われわれは、G7に結集する帝国主義諸国と独占資本の「世界政府」の仮面をかぶったナショナリズムによる世界支配を弾劾する。世界の労働者は、G7に反対する、国家と資本から自立した主体的な運動を創造していかなければならない。

プロレタリアは祖国を持たない。プロレタリアの唯一の目的は、全世界にわたるあらゆる民族の労働者の祖国を作り上げることである。労働者は国家をこえて、力の強いもの、お金のあるもの、販売力、宣伝力のあるものが世界を凌駕していく世界共通化の考え方の欺瞞性を暴露し、G7に結集した帝国主義・独占資本による新自由主義グローバリゼーションの拡大、ナショナリズムの世界化と対決する闘争に立ち上がらなければならない。

帝国主義諸国と独占資本と結託し、「天皇制戦争国家」、改憲に突き進む安倍ブルジョア政権打倒!
世界の労働者は労働者政府の樹立に向かって前進せよ!

(愛知:山本)

報告 : 3.27「原発を輸出しないで! 〜アジアの人びとの叫び」(反核世界社会フォーラム2016)

IMG_0987反核世界社会フォーラム2016分科会:原発を輸出しないで!
アジアの人びとの叫びに応えて
国際的な連帯闘争が必要だ


輸出される国の民衆の声を聞け

 三月二七日午前中、韓国YMCAスペースYで「原発を輸出しないで! 〜アジアの人びとの叫び」(反核世界社会フォーラム2016の分科会3)が主催:No Nukes Asia Forumで開かれた。

 欧米諸国で行き詰った原子力産業は、生き残りをかけてアジア各国でその動きを強 めている。日本では国内での原発新増設の問題に加えて、原発輸出の問題も深刻さを増している。三菱とアレバが四基輸出予定のトルコ・シノップ、米仏の原子力企業と結んで日立、東芝、三菱が大規模な原発輸出をねらうインドなど、輸出される側の声に耳を傾ける。そして、輸出する側の国に住む者がどうすべきかを明確にし、原発輸出を「挟み撃ち」にして食い止めるための議論のきっかけとしたい。

トルコとインドから切実な訴え

 トルコの報告。プナール・デミルジャンさん (トルコ、脱原発プロジェクトnukleersiz)とメチン・グルブズ(トルコ、シノップ反原発プラットフォーム)が行った。

 「二〇一三年五月に、日トルコ原子力協定が結ばれ、四基の原発を建設する。値段は二二〇億ドルとされていたが一六〇億ドルに値下げされた。しかしこのことをトルコ側は説明していない。建設反対の理由は次の通りだ。建設予定のシノップ市の近くに地震の断層がある。電力は不足していない。トルコは自然の豊かな国で、水力・風力・太陽力を活用できる。発電は天然ガスが四八・七%で、ロシアに依存している。ロシアとも原発協定を結んでいる」。

 「シノップ市は黒海に面し、九九%が森であり、第一級の自然遺産だ。漁港もあり、漁業と観光業が盛んだ。二〇一四年にシノップ市で二万五〇〇〇人が建設反対のデモを行い、二〇一五年には三万人のデモを行った。チェルノブイリ原発事故の影響で三年後にガンが増えた。全世界の原発に反対する」。

 インドの報告。ラリター・ラームダースさん(インド、核廃絶と平和のための連合)、アミルタラージ・スティフェンさん(インド、反核運動全国連合)。

 「一九七四年にインドは最初の核実験を行った。その後核実験をしないとしていたが一九九八年に核実験を再び行った。核兵器と原発をリンクして考えることが大事。インドとパキスタンは一九四七年に分裂した。一九七四年、インドが核実験をした二週間後にパキスタンが核実験をやった。核国家主義になっている。安全保障アイデンティティと結びついていて、スーパーパワー国は核兵器・原発を持っているのに、なぜわれわれが持ってはいけないのか。ここに闘う難しさがある」。

 「日印原子力協定の問題点。非常に危険だ。貧困層へ苦しみを与える。フクシマ、ヒロシマ・ナガサキがあった。日本が原発輸出するのは道徳違反だ。死んでしまいそうな核産業を復活させた。インドには原発が二二基あるがこれを四六基にする計画だ。原発企業は事故の免責を要求しているがこれは絶対に受け入れられない。核拡散反対の願いが打ち切られ、武器レースがエスカレートしていく。軍事主義になり、日本国憲法九条違反になる」。

 「クダンクラム原発反対運動について。父が原発建設関係の仕事をしていた。原発は経済開発のものだと思っていたが福島の原発事故で変わった。情報公開を求めたが安全性は見せない。フクシマの恐怖が起こってきた。二〇一一年八月から、非暴力・平和デモを行った。多くの漁民が参加した。警察は激しい弾圧を行った。一日六億リットルの海水を使い、四〇度になる温水を海に流す。二〇一一年九月、海から抗議した。それに対して国家に対する扇動罪で弾圧した。五人が殺された。核廃棄物の処理計画がまったくない。日印原子力協定を止めたい。再稼働反対、原発ゼロを」。

止めた比国、輸出する韓国

 フィリピンの報告。コラソン・ファブロスさん(フィリピン、非核フィリピン連合)。

 「一九七〇年代にマルコス時代、独裁体制で秘密裏に建設が進められた。最初二三億米ドルで原子炉が二つであったが、三二億米ドルで原子炉一つとなった。マニラから車で三時間のバターンに作られた。電力不足、安い電力ということだった。IMFから大きなカネを借りた。汚職や人権侵害もあった。反対運動は消費者の問題として始まり、反マルコスキャンペーンの一部となった。一九八三年バターン原発は稼働した。しかし反対運動が全国化し、一九八六年にピープルズパワーがあり、原発は止まったままだ。一九九一~二年に米軍基地が閉鎖された。政府は一三カ所の建設計画をあきらめていない。五月に総選挙があるが原発反対の候補者がいない。バターンから原発に反対している。世界中の仲間と共に反対している。『平和・連帯・再稼働反対』」。

 韓国からの報告。イ・ホンソクさん(韓国、エネルギー正義行動)。

 「韓国政府の原発輸出問題について十分な対応ができてこなかった。政府は原発輸出をどんどん進めている。韓国では二五基の原発が稼働しているがこれを二〇年で四六基に増やす計画だ。電力需要は増加しない、核濃縮サイクルがない、再処理はしないのにだ。二〇〇九年、ヨルダンに研究用の原子炉を輸出、二〇一一年三月一五日にUAEと原子力協定を結んだ。韓国にとってフクシマ原発事故は原発輸出のチャンスになった。そしてこの日を原子力の日として制定した。二〇一六年にアラブ首長国連邦(UAE)に輸出。このオプションで韓国の軍隊がUAEに行き、UAEの軍隊を訓練している。これに対して平和団体が反対している。国際金融機関からカネを借りてUAEに貸し付けて原発を作っている。低金利で返してもらう構造になっているので韓国にとって負担だ。また核兵器を持とうという動きが強まっている。韓国インド原子力協定を結んだ。さらに、サウジアラビアにはスマート原子炉の輸出をしようしている。反対する国際的な闘いを」。

原子力マフィアとの闘いへ

 台湾からの報告。王俊秀さん(国立清華大学社会学研究所教授/台湾環境保護連盟)

 「台湾には三基の原発があるが民進党政権ができ、二〇二五年には原発が止まる。日本が輸出する必要はない。今後核廃棄物が問題になる。自転車で発電するなど市民の電力の運動が起きている。日本のデモに参加した。若者が出てこないと運動は成功しない。がんばって」。

 アジアの報告を終え、日本の運動団体が発言した。日印原子力協定反対キャンペーンの福永正明さんは「国際的な原子力マフィアがうごめている。世界中の原発を止める。輸出させない。次の世代に核の被害を受けさせないためにがんばろう」と訴えた。河合弘之さん(脱原発弁護団全国連絡会代表、弁護士)は「原発が稼働していないと輸出はできない。台湾は原発を止めた。『日本と原発』を自費で制作し、一一〇〇回の自主上映を行い、八万人が観ている。高浜原発3、4号機を止めた。稼働しているのは川内原発二基だけだ。四月二日には、差し止めの判決がある。原発なし自然エネルギーでやっていける」と発言した。宇野田陽子さん(ノーニュークス・アジア)が「原発には未来はない。原発や武器を売ってもうけるのは許せない。台湾へ日本企業が原発を二基輸出した。今回、アジアフォーラムとして富岡など福島被災地をアジアの人々に見てもらった。貴重な交流が持てた」と報告した。

アジアで反原発・反核の闘う仲間たちとフクシマの交流の実現は重要な機会だった。原発・核兵器のない世界の実現に向けて奮闘しよう。

(M)
 

【第四インター声明】新しい自由貿易協定(TPP、TTIP,TISA)について

ttip-action-brusselsTTPなどの国際自由貿易協定についての第四インターナショナル国際委員会の声明を紹介します。

………………

声明:新しい自由貿易協定(TPP、TTIP,TISA)は、何の解決にもならない。それはさらなる問題を生じさせるだけだ

第四インターナショナル国際委員会

2016年3月1日



 強盗団が犠牲者から奪い取るように秘密裏に、そして非民主主義的やり方で――。金融機関と多国籍企業を所有しているエリートたちは、新しい「自由貿易協定」の実施に向けて進んでいる。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)、TISA(新サービス貿易協定)がそれだ。

 以前の場合――欧州連合(EU)を生み出した諸条約や北米自由貿易協定が強制された時――と同様に、支配階級はこうしたイニシアティブを、「貧困をなくし、富と繁栄を増進させる」魔法の定式であるかのように提示している。自由貿易協定のバランスシートが「魔物の誘い」に惑わされて、それを待ち望んだ人びとにとって次のようなものであることは疑いない。

多国籍企業による現存各国家の合法性と主権の侵害、企業と国家の間の紛争を解決する「民間」法廷の設立、国家が依然として保持している公共サービス(教育、保健、交通、水道)の民営化と商品化、ソーシャル・ネットワークにおける表現の自由を消滅させる通信コミュニケーションの規制緩和、自営農民・家族農業の解体とモノカルチャーや遺伝子組み換え作物や殺虫剤の拡大、環境保護法よりもどん欲の優先、都市と農村の人びとの生活・労働条件のいっそうの悪化、そして新しい移民のうねりの促進。

新しいルールはそうしたことを許容するものだ。

もしこうした条約が実際に世界貿易を拡張していたのだとすれば、なぜ三〇億人以上の人口、すなわち世界の総人口の三分の一以上を占める諸国が全体としてはじき落とされているのか。こうした新しい規制の本当の意味には二重の要素がある。西側帝国主義諸国の影響圏内にある「他の国」のプレゼンスを制限すること、かれらの多国籍企業のために最大限の利益を保障することである。

現在、資本主義がこうむっている危機は、「自由貿易」を実現する諸条件に限定が課されているなどということで引き起こされたわけではない。

少数者の手中への富の過剰な集中(国際協力団体オックスファムによれば、現在、六二の家族が残りの九九%が所有するのと同じ額のものを持っている)、労働者階級の購買力の大幅な減少、グローバルな規模での巨額に上る債務の重荷(二〇一四年の統計では二〇〇〇億ドル)、架空資本の異常なまでの拡大――こうしたことが生産能力の相対的過剰を引き起こし、二〇〇八年よりもさらに深刻な、新たなリセッションを回避する国家の能力を減退させたのである。

米国ならびにその同盟国(西欧、日本、その衛星国)と中国との、経済的利益をめぐる矛盾の拡大――それは部分的にはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)として知られる諸国との間の矛盾をも形成するが――は、こうした新しい条約を、それぞれの国の超国家企業の力を強化し、可能な限りの民営化を促進し、そうした動きと対立する完全雇用や人間的・社会的・エコロジー保全法制を廃棄するはずみにさせていくことになる。

世界の労働者階級は、国民的政治の狭い領域に閉じ込められることはできない。われわれはこうした諸矛盾を注意深く追跡し、帝国主義的盗賊どもの対外政策のセットのあらゆる秘密を習得し、世界の労働者階級や人間性の利益と完全に相いれない、見せかけの利害に自ら引きずられることを許してはならない。中国。ロシア、米国や欧州諸国の支配階級は、われわれの共通の敵である。これは国家間の闘いではなく階級闘争であり、われわれは多国籍企業や軍事化に反対して、世界のすべての人びとに手を差し伸べる。

われわれは、こうした「商業的条約」の創設に全面的に反対して、グローバルな規模ですべての労働者の生活条件・労働条件の改善にもとづくオルタナティブな政策を促進する。労働組合活動と集団的交渉の実践の自由を回復し、経済の戦略的部門を再国有化する。巨額の資産と投機的資本への強力な進歩的課税を行う。移住の自由のために国境を開放する(合法的でない人などいない)。すべての不快で、不法で、正統性のない、持続不可能な公的債務を否認する。労働の領域と人権の擁護において国際的協定の適用を求める。そしてさまざまな国家グループの間の現存する不均衡を計算に入れた国際的貿易を育成する。

第四インターナショナル――すべての大陸にいるそのメンバーはこうした条約の批准に反対する運動の一部分を構成している――は、二〇一六年二月二一日にスペインにおいて、欧州大陸のさまざまなラディカル左派政治勢力によって採択されたようなイニシアティブを歓迎する。それは民衆の社会的統合のためのオルタナティブなプログラムを発展させ、きたる二〇一六年五月二八日(土曜日)に計画されているような広範な動員を実現することを目指している。

こうしたタイプのイニシアティブを世界レベルに拡大すべきであり、大陸を結んだ統一した動員が調整されるべきだ。こうした条約の批准は、決して不可避のものではない。世界の民衆が、最後の決定権を持っているのだ。

名古屋で学習会開催ー「G7伊勢志摩サミットとは何か」

DSCN2020 3月12日(土)、元自衛隊イラク派兵差止訴訟代表の池住義憲さん(以下、「講師」という)を講師にむかえ、学習会「G7伊勢志摩サミットとは何か」(ATTAC東海、不戦へのネットワークの共催)が名古屋のウィルあいち(愛知県女性総合センター)で開催された。

土曜の夜の時間にもかかわらず、36人もの人々が全国から参加した。講義では「サミット」のこれまでの経緯、「G7伊勢志摩サミット」の概要、平和の視点からみた「G7伊勢志摩サミット」の問題点、経済と軍事の両方の視点からグローバリゼーション等がわかりやすく説明された。「グローバリゼーションとは」等の資料も配布され、講義の途中で質問をする熱心な参加者もいた。

 講師は、グローバリゼーション(地球化)についてまず、もの(商品、製品)、金(金融、投資、株式)、ひと(労働力、労働者)、情報、技術、サービス、システムというものが国境を越えて、自由に行き来でき、自由に移動できるようにすること、と定義した。講師はまた、私たちの身近にあるありとあらゆるものが国境を越えて行き来する今日の現実がグローバリゼーション、とし、国家が介入しない市場の原理に基づいた自由市場経済の世界的拡大のなかで、その背景となる新自由主義をリードしているのが「G7伊勢志摩サミット」である、と述べた。また、国境を越えたものの自由な行き来を促進するものが関税障壁の撤廃であり、世界的規模で非関税障壁を促進するものが新自由主義である、と強調した。

 講師は続けて、力の強いもの、お金のあるもの、販売力、宣伝力のあるものが世界を凌駕していく世界共通化の考え方、基準に警鐘を鳴らした。

グローバリゼーションの促進のためには、資源、エネルギーの確保、拡大が必要で、それらの拡大再生産が行われている。結果として、トヨタ自動車のような下請け、孫請けという企業のピラミッド構造が発生する。また生産物の販売のため、市場の確保・拡大が発生する。TPPの狙いは、アメリカで生産した商品の販売の市場を環太平洋に確保、拡大することにある。その段階の次に来るのは、市場での販売の強化をはかるための、外交的、軍事的、政治的な支配権力の確保・拡大である。講師は、資源の確保、市場の確保、支配の確保・拡大が猛烈な勢いで起こっているなかで、その旗振り役が「G7伊勢志摩サミット」である、と強調した。

 「G7」については国際法上、何の根拠も規定もない。「G7」は権限のない、非公式のグループに過ぎない。したがって「G7」で出された決定、声明、表明は、7か国のなかの仲間内の取り決めに過ぎない。問題なのは、「G7」があたかも「世界政府」のようにふるまい、その決定事項が何の関係のない第三世界にまで実質的に強制力、強い影響を及ぼすことである。

 講義の後の質疑応答では、主に愛知、大阪からの参加者から意見、質問が出された。地域に根差した市民の視点、またアジアの労働者と連帯する労働者の視点等から意見、質問が寄せられ、質問者自身の「G7」に対する真剣な姿勢がうかがえた。

次回の学習会はビープルズプラン研究所の小倉利丸さんを講師に招き、5月8日に開催される。学習会のあとはデモも予定されている。

5月8日の学習会、デモも、多様な市民、労働者の視点から「G7サミット」を問う場として、全国からさらに多くの参加者が期待される。

報告:つながれアジア!葬れTPP!1・30国際シンポジウム

配信:TPPシンポ写真 1月30日、TPPに反対する人々の運動は、田町交通ビルで「つながれアジア!葬れTPP!1・30国際シンポジウム」を行い、約100人が参加した。

 安倍政権は、食料主権と生活破壊、グローバル資本のための環太平洋経済連携協定(TPP)を昨年、強引に「大筋合意」を進め(10月5日)、既成事実化のキャンペーンを広げている。2月4日に12カ国政府による署名式がニュージーランドで行われる。TPPは農産品関税、食の安全基準や食品表示、投資や金融、サービス貿易全般なども含まれており、民衆の生活破壊へと直結する協定だ。だからこそ十分な情報公開が求められている。

 ところが「大筋合意の概要」(日本語訳/2月5日)を公表したが、協定文は5500ページと膨大であり、関連文書すべてが公開・翻訳されているわけではない。安倍政権は、今国会でTPP協定について審議を押し進め、なんとしてでも批准し、その延長で関連法案なども成立させようとしている。TPP交渉を行ってきた甘利明経済再生相(TPP担当相)が金銭授受疑惑で辞任に追い込まれ、政権を直撃したが、後任に石原伸晃衆院議員(自民党)を就かせた。石原は、TPPの全貌を知らないため官僚の指示通りに発言するのみだ。

 世界の人々の間にはTPPによる貧困の拡大、農業と環境の破壊、食の安全軽視への不安が広がっている。TPPに反対する人々の運動は、海外ゲストを迎え、国際的な反対運動の連携を強めていく一環としてシンポジウム(東京・山形・大阪)を開催した。

 主催者あいさつが山浦康明さん(TPPに反対する人々の運動共同代表)から行われ、「2015年10月5日に合意したTPPは、2月4日には12カ国の署名式が予定されている。その後、各国の国会で承認の手続きに入る。日本は、TPPの既成事実化が始まっている。国会ではTPPが成立していないにもかかわらず、対策の法律や予算が先行して行われるという異常な事態を迎えている。協定文を分析したが、政府が説明しているような内容ではなく、問題点がたくさんある。グロバル企業にとって有利なルールであり、農民、労働者、農民、消費者、市民にとってはとても問題が多い協定だ。TPP担当相の甘利が金銭授受問題で辞任した。政府はガタガタだ。米国においても大統領選がスタートし、TPPどころではない。TPPを葬りさろう」と訴えた。

 三人の海外ゲストから以下のような問題提起が行われた。

 ファウワズ・アブドゥル・アズィズさん(マレーシア/第三世界ネットワーク)は「TPP、マレーシア、市民社会運動―日本での議論に向けて」について報告した。

 「2013年、52の市民団体がTPPに反対する運動(BANTAH)を立ち上げ、TPPに関する市民への啓発、政府の署名決定を覆すことができない場合でも、マレーシアにとっての費用と効果を精査するよう働きかける取り組みを行った。主に①投資とISDS(投資家国家間紛争解決)②政府調達と国有企業に関して
述べる」。 「投資の条文は、広範かつ曖昧な適用範囲であり、外国人投資家の『資本』と『投資』に与えられる一方的かつ過度な保護体制になっている。開発の努力に反する偏った条項だ。公益に反する外国企業や投資家の利益追求に対して支持者は、安全策や除外措置あるから保健衛生、環境、社会的弱者の優遇政策などで政府の権利は維持されると主張するが、公益を守るための適切な措置とはなっていない」。

 「TPPによって政府調達の際、国内企業と同じ待遇と市場参入の機会を外国企業に与えなければならなくなる。外国企業が受注した場合、国内経済への『波及効果』がかなり小さくなり、利益は大方国外へ『漏れ』出るため、成長をけん引する手段としての政府支出の効果が限定される。入札が国内企業にのみ開かれている現在の政策を変更し、基準値レベル以下の小さな案件を除いて同等かそれ以上の優遇された条件を外国企業に与えなければならなくなる。米国や他のTPP加盟国により相当額の調達案件が公開されるかもしれないが、どの程度マレーシア企業は参入できるだろうか?」。

 アズィズさんは、反TPP運動の教訓と課題について、「人権問題や持続的開発の分野で活動する市民団体に、海外での貿易や投資に関する協定と関係があることを理解してもらうことは難しく、また非ブミプラトラ(地元民)の経済団体にブミプトラ支持にみえる政策に納得してもらうことも簡単ではなかった。BANTAHはすべての民族に影響があることを指摘してきたものの、TPPがブミプラトラ寄りの優遇政策に打撃となる可能性があることが、優遇政策に反対する人々の注目を集めることになった」と指摘した。

 チョン・テインさん(韓国/韓米FTA阻止汎国民運動本部に参加)は「世界金融危機とFTA―TPPと韓米FTA」というテーマで報告。

 「現在、世界金融危機から長期停滞に向かいパワーシフト(力の移行)という危機が進行している。アジアへの軸足移行だ。その中でTPP(韓米FTA)は、市場原理主義の頂点であり、国際的な合意による民営化と規制緩和だ。オバマ米国大統領は、『TPPがあれば中国は地域のルールを設定できない。米国はそれをする』と言っているように、米国にとってアジア重視の一つで軍事的手段による中国封じ込めだ」。

 「TPPが狙う分野は、サービス、知的財産権、投資などであり、公的部門の破滅だ。とりわけこれまでの金融機関、新金融サービスに対して規制する可能性が強くし、自由貿易と逆行する構想だ。TPPの批准に対抗し、新しい公正な貿易協定を求めるために①サービスの自由化はネガティブリストではなくポジティブリストへ②不適合措置についてサービス分野からラチェットの仕組みを削除③未来最恵国待遇④ISDSの抜本的な見直しまたは削除⑤保険医療に関する章の見直しが必要だ。今後の対策として、例えば、アジアと世界の平和と繁栄に向けて、米国と中国との間で中立的な地域協定を構築することは可能か?アジアに第三の地域?は可能かなどを構想していくことが大事だろう」と強調した。


 モアナ・マニアポトさん(ニュージーランド/先住民族マオリの芸術家)は、TPPによって「政府は知的財産権に関する提訴によって生じる事柄をどのように解決するのか。投資家の権利保護として、特に鉱物や水などの天然資源をめぐる投資家対政府家の紛争解決(ISDS)による影響はどうなるのか。マオリの健康に関する権利はどうなるのか。手頃な価格で薬剤を入手できる権利はどのように保証されるのか。どれも紛争を誘発し、TPP参加国と投資企業は、自ら保護するための法的権利を手に入れることでしょう」と糾弾した。

 さらに「交渉は終結したものの、未だに条文が発表されない時に、政府は条約を受け入れるための必要条件とした『最高水準』には十分達しない状態にあるということを認めた。TPPは単なる新たな自由貿易協定などではない。すべてのものの商品化が急速に進む世界の中で、マオリは今まで以上に、未来世代に対する守護者として、私たちの祖先から受け継いだ責任というものを痛感しています」と発言した。

 最後にシンポジウムアピールが提起され、「いま地球の隅々まで広がる新自由主義的グローバリゼーションは、世界の何重もの格差と抑圧、差別を生み出し、貧困と飢えの連鎖をつくりだしています。その最先端の動きがTPPなのです」と批判し、批准阻止にむけた国際的包囲網を作り出していくことを参加者一同で
確認した。

(Y)


シリアとイラクについての革命的左翼諸グループによる国際的声明

922535889シリア、イラク、IS、そして帝国主義の「対テロ」戦争についての革命的左翼諸グループによる国際共同声明です。




…………



独裁、帝国主義の侵攻、ダーイシュに対決して闘おう。われわれは「国家安全保障」、レイシズム、緊縮政策の政治を拒否する



シリアとイラクについての国際的声明



 われわれは独裁、帝国主義の攻撃、そしてダーイシュ(IS)に対して闘っている。われわれは「国家安全保障」、レイシズム、緊縮政策の政治と闘っている。今こそ行動の時である。

 ここ数カ月にわたり、全中東の民衆はシリアとイラクでの衝突の激化による大きな打撃をこうむってきた。この激突のエスカレーションは、グローバルな帝国主義諸国――主に米国、ロシア、そして欧州諸国――と、サウジアラビア、カタール、トルコ、イランなど地域の帝国主義的関係者の双方によって促されたものであった。こうした紛争は、反革命の二つの異なった形態の産物である。一方では地域の独裁と反革命体制があり、他方ではダーイシュなどのような反動的イスラム勢力がいる。主要な国際的大国と地域諸国が自らの政治的・経済的ヘゲモニーをこの地域に押しつけようとする決意もまた、現在の悲劇の中心的要因である。

 シリアでは、反革命が取った最初の形態は、アサド政権への支援である。ロシアの殺人的襲撃、そしてイラン、ヒズボラ、宗派的なイラク武装勢力による介入は、このきわめて反動的で反民主主義的なプロジェクトを推進するものだ。クルド人勢力をふくむシリアの民主的・革命的勢力に向けてありきたりの形で示された西側諸国の不信行為によっても、アサドは勢いづいている。

 民主的で社会的に公正な未来のために闘っている人びとは、シリアの政権、帝国主義、そして地域のその同盟者にとって第一の攻撃目標である。反革命的役割を果たしているイスラム主義勢力は、あれこれの時点で直接的あるいは間接的に湾岸王制やトルコが支援してきたが、シリアの民主的勢力はこうしたイスラム主義勢力のターゲットでもある。

 つねにそうであるように女性たちは戦争の最初の犠牲者だ。レイプ、誘拐、そして女性の売買さえ、この紛争の身の毛もよだつような結果なのである。

 ダーイシュとは何ものか。それは、国際的・地域的双方の帝国主義による侵略と、この地域の政権、とりわけイラクとシリアの政権の独裁的・宗派的性格の産物である。この地域での宗派的緊張の拡大も、国内の弾圧と国外からの侵略の致命的複合の産物である。

 これこそ、アンカラ、ベイルート、パリ、クウェート、サウジアラビア、そしてチュニジアで起きた最近の攻撃と、エジプトでのロシア機への攻撃についてわれわれが理解すべき情勢の枠組みである。こうした攻撃は、それらを輩出した悪――国家テロリズムを強化するだけである

 「テロとの戦争」というレトリックは、その物質的表現を、戦争とレイシズムにおける権威主義的国家安全保障政策という威嚇の中に見出している。レイシズム、とりわけイスラモフォビア(イスラム嫌悪症)が幾何級数的に拡大し、欧州全体で国家政策となっている。帝国主義諸国は、独裁政権への支持と、自由への制限を正当化するために「テロとの対決」というレトリックを使っており、他方、地域の独裁者たちは同じ言葉を、自分たち自身による弾圧を擁護するために使ってきた。

 いまやフランス、ロシア、米国、トルコそしてシリアの政権を団結させているのは、すべてを包含するこの同じ世界観である――それぞれが独自の利害を持っているにもかかわらず、である。このようにしてかれらは、直接的あるいは間接的に、シリアでの攻撃と軍事作戦を調整している。

 現在、「テロとの戦争」の名の下で、フランス国家はテロを遂行する権力を求めている。いわゆる「フランス的価値」の名の下に、自由が攻撃されている。フランソワ・オランドは権威主義的一直線路線でシリアとイラクを爆撃した。その一方、戦争と高貴な「諸価値」に関するすべての言葉は、フランスの勤労諸階級の政治的・社会的願望への回答を用意することを不可能にさせている。こうした状況において非登録移民、難民、ムスリム、ベールを身に付けた女性、ロマの人びと、外国人などは、すべて「内なる敵」に仕立て上げられようとしている。

 広域中東圏全体で、政治的反対派と社会運動への国家的弾圧が高まっている。エジプトでもどこでも、ここ数カ月の間に幾百人もの死刑判決が下された。

 一時的な大衆運動の停滞、抑圧された人びとの大きな部分が方針喪失状況に陥っている現実に直面する中で、われわれは建設的イニシアティブへの挑戦を強めなければならない。実践的には次のようになる。



●強権主義政策反対、すべての人びとの民主主義的諸権利を擁護せよ。

●帝国主義によるあらゆる軍事的攻撃反対、同時に独裁体制、反革命体制への非和解的批判を。

●西側諸国のシリアでの軍事作戦反対、空爆にも西側諸国軍隊の直接侵攻作戦にも反対、西側に支援された軍事紛争への参加にも反対。

●中東、マグレブ(サハラ以北の北アフリカ地域)、そしてどこにおいても反革命のあらゆる形態との闘いを。

●ヨーロッパでも、アジアでも、アフリカでも抑圧的安全保障政策、レイシズム、緊縮政策と闘おう。

●「欧州要塞」と闘おう、すべての難民と移民に国境を開放し、まともな生活条件を保障するよう求める。

●中東、マグレブ、そして全世界で自由と解放のために闘っている人びととの連帯を強化しよう。

●アラブ地域全体の民主主義的・進歩的・反帝国主義的勢力との連帯を。

●中東とマグレブで解放と外国の侵略に反対するための正当な闘いを行っている人びととの連帯を。われわれは、この地域の民衆の解放は民衆自身の活動による、と強調する。



署名組織(さらに追加されるだろう)



革命的左翼潮流(シリア)

社会主義フォーラム(レバノン)

革命的社会主義者(エジプト)

労働者左翼同盟(LGO チュニジア)

革命的共産主義者同盟―社会主義労働者党(LCR-SAP ベルギー)

反資本主義新党(NPA フランス)

ソーシャリスト・レジスタンス(イギリス)

社会主義労働者党(SWP イギリス)

二一世紀の革命的社会主義(rs21 イギリス)

ザ・エディタース サルベージ(イギリス)

ソリダリテS(スイス)

国際社会主義者・スコットランド(ISS スコットランド)

SAP―グレンツェルース(オランダ)

国際社会主義者(オランダ)

反資本主義(スペイン)

エン・ルチャ―エン・イルイタ(スペイン)

国際社会主義左翼(ISL ドイツ)

社会主義的民主主義左翼・イェニ・ヨル(トルコ)

社会主義オルタナティブ(オーストラリア)

国際社会主義組織(ISO 米国)



(二〇一五年一二月一一日)

香港:下からの組織化と長期的な闘争の準備を!

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 香港では街頭を占拠して民主化闘争がつづいている

【解説】香港の民主化闘争は、オキュパイ・セントラルという大規模な街頭闘争を成功させた。9月22日からはじまった大学生や高校生らの授業ボイコット運動、そして9月26日の街頭における機動隊の暴力と学生リーダーへの弾圧に対する広範な市民の憤激による自発的な街頭占拠闘争、9月29日には学生と市民による街頭占拠闘争を支持するための独立系労働組合ナショナルセンターによるゼネスト宣言を経て、10月1日の国慶節には10万余りの市民が、行政長官官邸から見下ろすことができる大通りを含む市内数か所を占拠するまでに発展した。オキュパイ運動は(1)中国政府が決定した2016年議会選挙(職能別議席の温存)と2017年香港行政長官選挙(親中派が占める候補者選定委員会による候補者の確定)の方法を撤回すること、(2)行政長官および選挙制度改革チーム責任者の辞任、(3)オキュパイ空間の確保などを要求している。以下は、独立系労働組合ナショナルセンターのゼネスト呼びかけ当日であり、市民による自発的な街頭占拠が始まりつつあった9月29日未明に書かれた林致良同志の呼びかけである。(H)

========

人民による正義の闘争を支持し、偽りの選挙に反対する
下からの組織化と長期的な闘争の準備を!


林致良


ここ両日、数万の香港市民、特に青年たちが、無私無欲の精神を発揮し、自発的に集会闘争を展開し、香港政府本庁舎前の学生たちを支援している。大衆運動は拡大し継続しつつある。本日未明、一部の市民はすでに自発的に銅鑼湾と旺角の通り[どちらも繁華街]を占拠した!

闘争に道理あり
偽りの選挙を恥じよ


デモに参加している市民たちは、行政長官の選出方法についての中国全人代常務委員会の決定に反対し、市民候補者と自由選挙の真の普通選挙を要求している。これは全く正当であり、かつなんら急進的な要求ではないにもかかわらず、北京当局はかたくなにそれを拒否している。北京当局は、選挙候補者指名委員会によってふるいにかけられた候補者のなかから、有権者が一人一票で選ぶ選挙を普通選挙として香港人に押しつけようとしている。このような方法は上流階級の特権を保障し、市民の真の選挙権を奪うものでしかなく、そもそも普通選挙と呼ぶことなどできない代物である。このような反動的制度と公然たるペテンに反対するために、学生たちが授業をボイコットし、市民らが平和的な集会を行うことは、まったく正当な闘争にほかならない!

各分野の闘争のための
プラットフォームの組織を


政府によるかたくなな拒否から、真の普通選挙をかちとる闘争は長期の奮闘が必要となるだろう。より多くの香港市民の支持が必要となるだけでなく、中国人民の支持を得ることが(すでに中国国内のSNSなどでは香港人民を支持する書き込みなどが見られる)、勝利をかちとるカギになるだろう。必要なことは香港の労働者民衆による下からの組織化であり、労働者、学生、女性など各分野の闘争委員会を組織し、民主化闘争の継続を共同で準備する必要がある。

街頭での議論の組織を
生活分野での民主化をいかに実現すべきか


真の普通選挙を実現することはごく当たり前のことであるが、しかしそれだけでは深刻な人々の生活困窮問題を解決することはできない。今日の民衆、とくに青年たちは、物価高騰、低賃金、長時間労働、公共住宅への永遠の入居待ちなど、未来に展望を見出すことができない。こうして織りなされるさまざまな不満は資本主義社会に普遍的な現象であり、香港においても例外ではない。それゆえ、われわれは政治制度の民主化を実現する必要があるとともに、同時に生活の困窮も改善しなければならない。専制反対の政治闘争と大企業独占反対の生活経済闘争は相互に補完するものである。

真の普通選挙は香港市民による現状変革のツールの一つであり、われわれは積極的にこのツールを手にしなければならない。同時に「われわれの生活はいかなる抑圧に直面し、その抑圧は何故に生み出されているのか?もし市民派候補者が実現するのなら、われわれはいかなる政治的手段で理想的な生活を保障し実現するのか?」について検討し討論することが極めて重要である。

大規模な大衆集会で最も貴重なのは、異なる業種、異なる居住区の人々が遭遇するチャンスをつくりだすことである。われわれは街頭で民主的政治制度を実現しようと奮闘する市民の皆さんに、みなさんの周囲の10~20人を一つの単位としたグループをつくることを呼びかけたい。そしてそこで、真の普通選挙というツールの実現のだけでなく、理想的な民主主義にはどのような実質的な内容が含まれるのか、われわれが考える真の民衆のための政府は物価高騰、低賃金と長時間労働、家賃高騰などの問題をいかに解決するのか、いかにして民主主義を経済生活のなかで実現するのかなどについて、討論することを呼びかけたい。

人民による積極的な討論を通じたコンセンサスの形成こそが、民主主義を選挙の時だけのものに限定させず、真の民主的生活を実現させることができるのである。

2014年9月29日 午前3時

報告:6.1TICAD(アフリカ開発会議)を問う-誰のための経済成長なのか? 南アから仲間を迎えてシンポとデモ

1アフリカ 219 【神奈川】6月1日から3日にかけて横浜・みなとみらい地区では外務省、世界銀行などの主催でアフリカ開発会議(TICAD Ⅴ)がおこなわれていた。その対抗アクションとして「横浜
でTICADを考える六・一国際シンポジウム実行委員会」は、「誰のためのTICADか?」と題して、集会とデモに取り組んだ。

 今回ゲストで来日したチャイナ・ングワネさんは南アフリカの社会活動家であり、大学の奨学金プログラムのコーディネーターとして、排外主義、貧困を課題に掲げて行動している。精力的な地域コミュニティー作りをする原動力は、チャイナさんが出身国であるジンバブエから移住せざるをえなかった事情とも結びついている。

 チャイナさんはこの集会の前後数日間の滞在中に、横浜寿町を訪れ、2日の反原発集会、モザンビーク・プロサヴァンナ計画に反対する集会などにも参加し、各所で討論を重ねた。

 この日もシンポジストの1人としてTICADについてグローバル企業が覇権を持っていること、透明性の欠如を指摘した。また、スライドを用いて、たとえばドルの奴隷を表すロゴ・ジャミングなどを紹介し、具体的には、スラム地域での要請行動の中でタイヤを燃やしながらの路上封鎖などによってコミュニティーの意志を伝えている様子、中国からの不法武器輸出船の入港に反対する行動の様子を紹介した。

 ジンバブエにおける政府軍兵士のダイヤモンド鉱山略奪とアジアへの輸出、などを経験したことにより、外国企業による開発が人命の犠牲をともなうものだとチャイナさんは確信している。TICADも環境破壊を持ち込むものでしかなく、かつての植民地帝国主義諸国同様TICADもまたアフリカでの殺人行為を進めていると語るチャイナさんは、快活ながら揺らぐことのない信念に支えられているのだと感じた。



「多文化共生」の裏にあるもの



 チャイナさんと並ぶシンポジストとして登場した近藤昇さん(寿日雇い労働者組合)は、簡易宿泊所が集まる横浜・寿町は外国人労働者の町でもあるとし、南アフリカの格差とつながる状況もあるという。山下公園の襲撃後も横浜市教育委員会は人権教育として「(情操教育のため)犬を飼う」という方針しか出せなかったこと、景気の動向に関わらず、毎週金曜日の炊き出しをやめることができない現状、TICADのような国際会議との関連で言えば、APEC開催時に大規模な追い出しが頻発し、それに加担しようとした行政担当者との交渉を通じて勝ち取った成果についても報告した。

 稲葉奈々子さん(NO―VOX「持たざる者」の国際連帯行動)はアフリカから日本に渡る人の多くが、日本での最底辺労働に従事し、多くは難民申請をしては却下されている現状を報告した。「多文化共生」という言葉と裏腹に、消費文化とグローバルな企業展開の中でアフリカからの移住労働者が果たしている役割を考えたいということが提起する一点目であった。

 そして、バングラデシュ出身の活動家と知り合ったときの例をひきながら、欧米NGOの貧困支援活動の中から、微妙だが、先進国の基準をそのまま当てはめている側面があるのではないかという、二点目の提起をおこなった。



ソマリアの海賊とされた人々



 提起を受けて、質疑が続いた。なぜ横浜でTICADが開催され、営利のための企業進出に肯定的な報道が多いのかという質問、排外主義に対する労働組合の闘い方はどうかという質問があり、アフリカから移住して難民申請に取り組む人についての発言もあった。

 また、横浜でTICADを考える会の小倉利丸さんは、TICAD外交の問題点としてアフリカ諸国の成長率の高さにのみ着眼している点などをあげ、歴史的な格差の放置を棚に上げて、アフリカ人民が等しく文明化を成し遂げるかのような幻想が矛盾に満ちていることを強調した。ついで、日本政府の矛盾のひとつとして、ソマリアで海賊行為を働いたとして捕まり、日本で拘留されている青年たちについて、ソマリ語通訳の確保など刑事手続き上の基本的な権利も担保されていない現状を小倉さんは訴え、支援継続の決意を表明した。

 チャイナさんは、労働組合についてはワークショップを開き、「仕事がないのは外国人のせいではない。政府の腐敗のせいだ」ということを説明し続けるという。厳しい環境の中で培われた明快なメッセージは、グローバル企業の横暴と、排外主義の暴力に対抗する運動体にとっても寄与するところが大きいはずだ。



ズールー語でデモのコール



 デモは会場である横浜市従会館を出発し、桜木町駅、赤レンガ倉庫横を経由して象の鼻パークで解散した。参加者は50人あまりだったが、「トーイ、トーイ」「ハイ」というかけあい、「パワーは、私たちのもの」、「うそをついているのは、あいつら」など、チャイナさんの指導でズールー語のコールを織り交ぜて街頭に呼びかけることができた。神奈川県警本部の裏手ではこの間の不当な弾圧にも精一杯抗議をおこない、楽しくデモを完遂した。

 TICAD V開催期間中、天皇なども呼びながら第2回野口英世賞授与式が行われ、安倍首相は「横浜宣言」を発表して閉幕した。「横浜宣言」は農業従事者は主人公、女性の権利向上等もうたい、アフリカの「オーナーシップ」,日本の「パートナーシップ」をうたってきている点は従来どおりだ。しかし小農の権利、都市での失業にふれず成長と開発をうたうことは欺まん以外の何ものでもない。そして、自衛隊派兵などで企業進出の安全を確保するという思考は、アフリカ人民による平和構築を妨げるものでしかないということは、継続して発信しなければならない。   (海田)
 

【案内】6/1シンポ&デモ!「誰のためのTICAD(アフリカ開発会議)か? -グローバリゼーションのなかで搾取と排除に抵抗するアフリカとアジアの人々-」

6/1シンポ&デモ!
誰のためのTICAD(アフリカ開発会議)か?
-グローバリゼーションのなかで搾取と排除に抵抗するアフリカとアジアの人々-


【ゲスト】
 チャイナ・ングバネさん
  南アフリカ共和国:クワズールー・ナタール大学市民社会センター
  デニス・ブルータス・コミュニティー奨学金プログラムのコーディネーター

【シンポジスト】
・日本のアフリカ外交の問題点
 小倉利丸さん(横浜でTICADを考える会)
・ヨコハマ・コトブキの地域活動から
 近藤昇さん(寿日雇労働者組合)
ジブラルタルや喜望峰を越えてくる人びとと
 稲葉奈々子さん(NO-VOX「持たざる者」の国際連帯行動)

※会場では英語→日本語の逐次通訳はあります。

日 時:2013年6月1日(土)
    シンポジウム 13:30~16:30
    横浜市内デモ 17:00~
場 所:横浜市従会館 4階ホール
    神奈川県横浜市西区宮崎町25
交 通:JR桜木町駅、京浜急行日ノ出町」駅10分
地 図:http://www.siju.or.jp/hall_info
参加費:500円(申し込み不要)
主 催:横浜でTICADを考える6・1国際シンポジウム実行委員会

★チャイナ・ングバネさん★
1974年、ジンバブエに生まれる。現在は南アフリカ・ダーバンに在住し、クワズル・ナタール大学の市民社会センターで、デニス・ブルータス・コミュニティー奨学金プログラムのコーディネーターを務める。国境なき市民、人道的活動家。ジンバブエなど周辺国から迫害を逃れて、あるいは生活のために南アに移り住む人々が、南アの住民から迫害される「外国人排除」との闘いに尽力。地域コミュニティにおける社会的抵抗と共存に尽力。国境なき開かれたアフリカを夢見ながら、地域の社会正義実現のための運動を組織。2013年3月にダーバンで行われたBRICsサミットに対抗して開かれたカウンター民衆サミット「Brics-from-below civil society summit」でも活躍した。
http://ticakov.hatenablog.com/entry/2013/05/14/204638

※チャイナさんが現地新聞に寄稿した社会運動の記事をはじめ、これまでの学習会やアフリカ関連の資料などは、ブログに掲載していきます。


 6月1日から3日まで、横浜で行われるアフリカ開発会議(TICAD)にあわせて、シンポジウムとデモをやります!TICADは日本政府の対アフリカ外交が目的の政府間会議です。外務省が作成したTICADのパンフレットのタイトルは「躍動のアフリカと手を携えて」。躍動するアフリカ市場へ日本企業が進出することが大きな目的の一つとなっています。

 そのために「平和・安定」と呼ばれる自衛隊や海上保安官の派遣、「援助」と呼ばれる企業支援、「友好」と呼ばれる非民主的政権との外交が日本政府の対アフリカ外交の基調になっています。

 私たちはTICAD開催を契機に、大企業や軍隊による「成長」や「安定」とは違う関係を考える取組みをおこないます。シンポジウムでは、アフリカ一の「先進国」となった南アフリカにおけるグローバル化と社会的亀裂、そしてそれに直面する社会運動のいまを南アフリカからのゲストに語ってもらいます。

 TICADの会場、みなとみらい地区のパシフィコ横浜は、横浜を象徴する華やかなビジネス・観光地帯の象徴ですが、そのすぐそばには港湾都市ヨコハマの発展を底辺で支えてきた労働者のまち、寿町があります。アフリカだけでなく日本でも貧困や人権の問題は深刻化しています。「躍動のアフリカ」のもうひとつの現実を知り、日本社会の問題をグローバルに理解する一助になることを願っています。

 シンポジウム後には、TICAD会場となっているみなとみらい地区周辺をデモします。TICADで来日しているアフリカの友人たちに、TICADでは聞けないもうひとつの声があることを街頭で訴えます。ぜひ参加を!

                     横浜でTICADを考える6・1国際シンポジウム実行委員会


※6・1シンポジウムでは賛同金を集めています。個人1000円、団体3000円です。こちらにもぜひご協力ください!
郵便振替口座 
口座番号:00230-1-37721
加入者名:人権を考える会

資料:89年民主化運動の性格と歴史的位置

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▲学生の民主運動支援に駆けつけた北京の労働者たち

以下に紹介するのは、1989年「北京の春」民主化運動を革命運動として評価した香港・先駆社の論評です。89年9月に書かれたもので、すこし古いですが「堕落した労働者国家」が巨大な共産党一党独裁体制を維持したまま資本主義へ進むことを可能にした政治的・階級的背景を理解する前提となるとおもいますので、翻訳紹介します。

この論評が書かれてから20年以上が経過しました。その間、組織された民主化運動(政治革命)の芽は徹底して摘み取られてきました。一方、弾圧体制と一党独裁の強化というターボエンジンを原動力とする官僚制という伝動ベルトによって、資本主義が中国の隅々にまで浸透するなかで、経済的、社会的不平等に対する中国人民の怒りは職場や地域に蔓延しています。

巨大な「政治革命」の萌芽であった89年民主化運動の敗北は、「堕落した労働者国家」である中国における反革命=資本主義復活を阻止する最大の勢力としての労働者(政治革命の主体)の抵抗を徹底して粉砕しました。それは中国官僚支配体制が大きく反革命=資本主義復活の道に踏み出す条件を作り出したといえるでしょう。(H)


89年民主化運動の性格と歴史的位置
向青


六四天安門大虐殺から100日目の今日、世界各地で大衆的な追悼が行われている。ここ数カ月、中国の民主化運動を支持し、中国共産党による血の弾圧を非難するという全世界の中国人の主張は大いに一致している。しかし今回の民主化運動の意義をいかに理解するかについては深刻な分岐がある。民主化運動の継続的発展と最終的な勝利を促すために、われわれはこの分岐の存在を認め、研究し、正確な結論を導き出さなければならない。


89年民主化運動は革命運動


多くの人が今回の民主化運動は平和的な請願示威行動だと純粋に考えている。もっとも貴重な特徴は一貫して非暴力を堅持し、暴力に対して暴力を用いなかったことであり、共産党当局の主要な犯罪は度を過ぎた弾圧によって不要な流血を招いたことである、というものだ。私たちはこのような考えは正確ではないと考える。このような考えの最も明白な誤りは「中国共産党の弾圧がもう少し『度をわきまえたもの』であるなら非難しなくてもよい」というふうにつながるからである。

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報告:10.13-14 IMF・世界銀行東京総会への対抗アクション

DSCN3099 10月13日、IMF・世銀東京総会反対行動実行委員会は、都心厳戒態勢に抗して水谷橋公園から「IMF・世界銀行東京総会への対抗デモ」を行い、300人が参加した。

 IMF(国際通貨基金)・世界銀行の年次総会が10月12日~一四日、東京(有楽町・国際フォーラム、帝国ホテル、ホテルオークラ)で行われる。世界約180カ国から財務大臣、財務官僚、中央銀行総裁をはじめ、業界関係者、NGOなど2万人が集まる。会議は、世界経済危機の延命のために各国に対して緊縮財政計画と増税を強要し、「金貸し集団」として太ってきた。新自由主義路線(規制緩和、民営化、社会保障費の削減、非正規雇用の拡大など)の強化によって経済格差、貧困増大を促進していく「談合」を繰り広げようというのだ。こんな支配者たちの会議に対して闘う世界の民衆は「IMF・世界銀行による経済支配は、もうたくさんだ!IMF・世界銀行は、1%の金持ち(グローバル金融資本)の代理人!」「もう、たくさんだ! 我慢も限界だ!」と叫び、グローバルなうねりを作り出しつつある。対抗デモは、世界の仲間たちと結びつきながら総会会場を包囲していった。



生存を脅かすIMF・世銀はいらない!



 デモの出発前の打ち合わせでは、稲垣豊さん(ATTACジャパン)からアピールが行われ、「IMF・世界銀行の年次総会は、当初、エジプトで開催される予定だったが、昨年からのアラブの春とエジプト民衆によるバラク独裁体制打倒の闘いがあり、開催できなくなった。この事態が総会の本質を象徴している。IMF・世銀は、これまで各国の軍事独裁政権を支え、自民党政権も支えてきた。城島財務相は、会議でビルマ支援再開、アフリカ支援を表明した。アメリカのビルマ支援の流れに乗ったものだ。ビルマやアフリカを食い物にする経済支配の強化を許してはならない。すでにビルマでアジア商業的農業会議が行われたが、農民たちはヤンゴンの会場前にテントを張り『多国籍資本が支配する農業はNO!』を突きつけた。さらにエクアドルに続きアフリカでも債務帳消し運動があり、チュニジアは、債務支払い拒否の取り組みを行っている。チュニジアでは来年三月、世界社会フォーラムが開催される。世界的な労働者民衆運動のネットワークでパートナーシップを示していこう」と呼びかけた。

 「持たざる者」の国際連帯行動の原隆さんは、「No more IMF―IMF・世銀による経済支配は、もうたくさんだ!『持たざる者』の国際連帯行動アピール」を読み上げ、「私たちが望むのは、貧困や失業を拡大する競争社会じゃない。私たちが望むのは、誰も虐げられない人間らしく生きられる公正・平等で連帯に基づいた社会だ。生存を脅かすIMF・世銀はいらない!原発もいらない!沖縄の米軍基地もいらない!」と強調した。

 デモに移り、有楽町付近では会場の国際フォーラムにむけて「IMF・世界銀行はいらない!新自由主義路線反対!国境超えてIMF・世界銀行の横暴をやめさせるぞ!」とシュプレヒコールをたたきつけた。
 
 

10.14対抗フォーラム



 10月14日、「対抗フォーラム」(呼びかけ・「持たざる者」の国際連帯行動実行委員会)が水道橋・たんぽぽ舎で行われた。

 実行委は、「昨日の対抗デモは、300人の参加で成功した。搾取と貧困の元凶であるIMF・世銀に抗議するグローバルノイズ、ミュージシャンたちも参加し、会議会場に向けて抗議のシュプレヒコールを行った。外国メディア、銀座の外国人たちにも注目された。今後も民衆の世界的なネットワークでIMF・世銀を包囲していこう」と発言した。

 小倉利丸さん(富山大学教員)から対抗フォーラムとしての提起が行われ、とりわけ今後の反IMF・世銀運動の方向性について次のような問題意識を提起した。

 「グローバル資本主義の深刻な危機が続いている。どの国も財政危機にあり、経済成長は限界だ。現在の国民国家、市場を中心とする資本主義システムでは、危機を乗り越えるための処方箋は出せない。この局面は、われわれが次のシステムを考えるチャンスでもある。問題は、次の経済システムは何かだ。かつては社会主義、共産主義だと言えばまとまっていたが、今はまとまらない。ところがこれは日本限定の状況かもしれない。ヨーロッパでは社会民主主義、新自由主義の経験のうえで、再度コミュニズムをまじめに考えなおすべきだと、かなり多くの左翼知識人が議論し始めている。僕も真剣に考えるべきだと思っている」。

 「世界社会フォーラムは、もう一つの世界は可能だというスローガンを掲げた。フォーラムで多様な議論を交わされたが、もう一つの世界が具体化するだろうという期待があったが、かならずしもそうはならなかった。二〇世紀型社会主義、共産主義の議論は長く行われてきて、その中から私たち組むべきものが多いにあるのではないか。躊躇することなく議論していくことは重要であり、党派的なイデオロギーに回収されないような、新しい考え方の中で再生できるかどうか試みていく価値があるだろう」と呼びかけた。

 さらに小倉さんは、第三世界の知識人の議論の場としてサウス・サウス・フォーラムを紹介し、「先進国の枠組みで作られた社会保障、低所得者層対策への配分は、第三世界の搾取によって成り立ってきたものだと指摘する。だからケインズ主義、新自由主義システムを選択することはできないと結論づけている。第三の選択肢を探す議論が行われている。この論議も注目していきたい」と述べた。

 小倉さんの提起後、質疑応答が行われた。「ビルマにおける土地強奪に反対するグローバル連帯のよびかけ」、稲葉奈々子さん(茨城大学准教授)からのメッセージ「返済できない債務を負う『先進国』―反グローバリズム運動を問い直すために」が紹介された。
 
(Y)
 

IMF・世界銀行年次総会に抗議の声を!10.13対抗デモへ

10.13 IMF/世界銀行総会対抗デモ
10月13日(土)正午
東京・水谷橋公園(東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅下車)
主催:実行委

biz1 10月12日から14日までの日程でIMF(国際通貨基金)・世界銀行の年次総会が東京国際フォーラムや帝国ホテルをメイン会場にして開催される。

 IMF・世界銀行とは何か。東京で開催される今年の年次総会にあたって作られた公式サイトから引用しよう。まずIMFである。

 「IMFの基本的な使命は国際システムの安定性を確保することであり、この安定性の確保は、3つの方法により行われます。すなわち、世界及び加盟国の経済状況を把握すること、国際収支が悪化した国に融資を行うこと、加盟国に対して事実支援を提供することです」。

「サーベイランス:IMFは国際金融システム、加盟国の金融・経済政策を監視しています。IMFは各国、地域、グローバルなベースで、経済活動を把握し、加盟国と定期的に協議を行い、マクロ経済政策・金融政策面のアドバイスを行っています」。

 「技術支援:主として低・中所得国による自国経済の効果的運営を支援するため、IMFは、制度の改善、適切なマクロ経済政策・金融政策・構造政策の立案に関する技術的な指導と研修を提供しています」。

 「融資:IMFは、対外支払いに困難が生じており、妥当な条件で十分な資金調達先を見つけることができない国に対して、融資を提供しています。この資金支援は、各国が外貨準備の再構築、自国通貨の安定化、輸入の支払い(これらすべては経済成長を再開するための必要条件である)によって、マクロ経済の安定性を回復するのを助けることを意図したものです。またIMFは、低所得国の経済発展・貧困削減を助けるため、これらの国に譲許的融資を提供しています」。

 次に世界銀行である。

 「文字通り『世界の銀行』として、開発途上国の貧困削減への努力を支援することを目的にしています。途上国の持続的成長や生活水準の向上につながる事業に対して、融資による支援や政策アドバイスを行っています」。



 しかしこの自己宣伝を信じる人は、そう多くはいまい。実際のところIMFや世界銀行が、グローバルな金融資本主義の司令塔として各国に新自由主義政策を強制し、債務危機を口実に「構造調整政策」を導入してさまざまな民衆支援策を解体し、「途上国」の債務奴隷化と、市場競争原理による貧困・格差を拡大してきた張本人であることは、今や多くの人びとが知ることである。

 「加盟国が経済危機に陥った場合、常にIMFが最初に介入します。/ある国の財政が火の車になり、支払いを続けられなくなった途端、IMFは財政消防隊に変身します。ところが、この消防隊は実は放火魔で、構造調整政策という(SAPs)という扇で火を煽るのです」「借り手の国の経済政策は、いまやIMFとそのウルトラ自由主義経済専門家の支配下に置かれることになります。こうして新しい形の植民地支配ができあがります。もはや以前のように、占領軍や行政官をその国に駐在させる必要はありません。なぜなら、債務があるというただそれだけで、債権者に依存し続けなければならない状況ができあがってしまったのですから」(ダミアン・ミレー、エリック・トゥサン『世界の貧困をなくすための50の質問』、大倉純子訳、つげ書房新社刊)。

 そして今や、この債務危機・債務奴隷化の波が、途上国から欧州など先進資本主義国にも押し寄せ、失業・賃下げ・年金改悪・社会福祉の切り捨てによる社会全体の解体と貧困をもたらしていることはギリシャ危機などで周知の事実である。金融資本による過剰貸付の野放図な強制、債務返済の不履行、債務危機の発生と金融資本の救済、そのための「緊縮政策」による労働者民衆への犠牲の強制と労働者の社会的諸権利の解体――こうした構図を強制したのはIMF・欧州委員会・欧州中央銀行から成る「トロイカ」だった。

 IMF専務理事のクリスチーヌ・ラガルドは今年、トロイカによる過酷な「緊縮政策」の強制に対して闘うギリシャと労働者民衆を嘲りながら「私は、3人で1つの椅子を分かち合い、教育を得ようと切実に熱望しつつも日に2時間しか教育を受けていないニジェール小さな村の子どもたちのことのほうを、もっとたくさん考えている」と言い放った。しかしアフリカのニジェールの子どもたちにそうした状況をもたらしたものこそ、IMFが長期にわたって強制してきた構造調整政策であることを彼女が知らないはずはない。

 民主主義・人権を破壊し、貧困と差別、グローバル資本の新たな植民地支配をもたらした元凶である金融資本の総本山、IMF・世界銀行に対して、途上国の人びとも先進資本主義国の労働者・民衆も闘いに立ち上がっている。

 チュニジア、エジプトの労働者・市民が切り開いた「アラブ革命」、そしてスペインの「怒れる者たち」の広場占拠の闘い、ギリシャのゼネストと職場占拠・街頭決起、そしてウィスコンシンからウォール街にいたる米国の「オキュパイ」運動の急速な拡大は、グローバル金融資本に対する怒りの世界的・同時的拡大を示している。

 自らの闘いとしてこのIMF・世銀総会への抗議の意思を表明し、世界の人びととの連帯を求めていこうではないか。



 IMF・世銀総会が東京で開催されるのは、1964年以来、48年ぶりである。

IMF・世界銀行年次総会準備事務局長である財務省の仲浩史は同年次総会のサイトで東京開催の意味について次のように語っている。

「東京での開催は一九六四年以来、2度目となります。1度目の総会は、同じ年に開かれた東京オリンピックと共に、日本を世界へとアピールする舞台となり、戦後からの『再出発』の原動力となりました。/そして半世紀たった今、日本が再び国際通貨基金・世界銀行年次総会の開催地として立候補したのは、もう一度『再出発』を実現したい、という思いからでした。/大震災から力強く復興するこの国の姿を、世界のみなさまに見ていただくために……」。

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そして10月9日から始まる多くのIMF・世銀総会関連企画の中には10月9日、10日に仙台で開催される「防災と開発に関連する仙台会合」が含まれている。ここでは「災害に強い社会を構築して持続可能な開発を支えていく」という観点からのパネルディスカッションが企画している。しかしこの企画においては、被災者の生活再建をなおざりにした資本主導の「復興」の問題点が排除されているばかりか、何よりも現在、さらに深刻化している福島原発災害の問題が完全に切り捨てられている。原発事故の惨状と被害の実態を語らずに、どのようにして「災害からの復興の教訓」など語られるのか!

われわれはこのような問題を改めて前面に押し出しながら、貧困、失業と飢餓、差別と権利破壊、環境破壊を押し付けるグローバル資本主義の司令塔であるIMF・世界銀行年次総会に抗議の意思を示そう。

10月13日正午、東京・水谷橋公園(東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅下車)に結集しよう。(K)
 

【報告】9.18STOP TPP 官邸アクション 遺伝子組み換え作物広げるモンサント社に抗議行動

反TPP世界同時アクションとして

 九月一八日、STOP TPP!! 官邸前アクション★オキュパイモンサントスペシャルが同実行委員会主催で開かれ、世界同時アクションに呼応して、日本モンサント社前と首相官邸前で「STOP TPP」と同時に「NO!モンサント」を訴える特別プログラムを行った。モンサント社前行動に一五〇人、官邸前には四〇〇人が参加した。

 STOP TPP!官邸前アクションは、八月中旬より毎週火曜日、午後六時から八時まで首相官邸前で活動を開始し、今回で五回目だ。

 今年九月は、米国で「ウォール街占拠」が始まって一年。全米各地では様々な行動が企画されている。OCCUPY MONSANTO(モンサント社を占拠せよ!)も、こうした中から生まれた世界同時アクションの一つ。世界有数の多国籍企業である同社は、遺伝子組み換え作物を世界に広げ、種を支配することで世界中で農民を、食べ物を支配し、各国の食糧主権を脅かしている。こうした暴挙を止めるため、世界各地の農民や消費者団体、NGOなどが九月一七日を「OCCUPY MONSANTO」の世界同時アクションデーに決め、全世界に呼びかけた。

 モンサントはTPPによって参加国へのさらなる「進出」も目論んでいる。もちろん日本もその対象の一つ。TPPを強烈に推進している経団連の米倉会長が会長を務める住友化学は、モンサントと提携をしている。

 午後六時から始まった官邸前では様々なアクションが行われた。スピーチ、ラップ、大きなスクリーンを登場させ、映画『モンサントの不自然な食べ物』予告編上映、海外アクションの映像を交えて紹介した。そしてモンサントがいかに悪どいことを行っているかを現した演劇は迫力満点で拍手喝采。

先住民の土地を略奪するな

 オキュパイ モンサント行動には全世界で七〇カ国が参加した、と司会が報告。最初にスピーチ。福岡県久留米のJAみいから六人が参加。「福島原発事故によって肉の値段が下がり、今でも苦しい。九州は山間部が多く畜産が盛んだ。TPPが導入されれば畜産は一〇〇%生き残れない。社会の形が維持できなくなる。水・自然を守ってきた文化、ふるさとを捨てざるを得なくなる。農家をつぶさないでくれ。TPP参加に絶対に反対だ」。

 ワーカーズコープ(共済協同組合)。「自分たちで仕事を作っていく運動をしている。人の命を守れないTPPに反対。人間が人間らしく生きられる社会を取り戻そう」。毎回参加している紙智子さん(共産党、参議院議員)が連帯のあいさつを行った。

 秋田・横手の佐藤さん(農民連)は「五〇年コメ作りをしている。一俵一六六〇〇円がTPPに入れば、三五〇〇円になる。とても農業はできない」と強く反対の意思を語った。信州の林さんは「四軒分の田んぼ六町歩を耕しているが年収で三〇〇万円にしかならない。自分の跡継ぎはいない。田んぼはダムの役割をして環境を守ってきた。食糧をまもるためにがんばりたい」と発言した。

 ゲストトークに移り、世界の種を支配するモンサントの戦略と人々の運動につ
いて、印鑰智哉さん(国際連帯活動家)が報告した。

 「モンサントは種の遺伝子組み換えを行い、その面積は世界の耕作地の一割を超えている。南北アメリカ大陸を中心に、南ア、インド、フィリピンに広がっている。特に南米がひどい。パラグアイでは小農民の立場に立つ大統領を代えるためにクーデターまで起こさせた。メキシコでは先住民がモンサントの種を買わないと犯罪になるというモンサント法が出され、反対にあい現在保留になっている。先住民の土地が奪われている」。

 茨城県のモンサント実験圃場で何が起きているのか!?、高士太郎さん(にゃんとま~)(自由業)が「一九九七年からコメのめぐみという直播の種を作っている。耕す人は地元の人を雇いモンサントの制服を着せている。モンサントになじんで農協を批判するようになっている。まずは人々の意識を変えようとしている」と報告。

 生活クラブ連合会の清水さんが「一九九七年から遺伝子組み換え食品を使わないようにしている。最近アメリカに行き、TPP反対の人たちと交流した。アメリカ政府の後ろ盾となっている一部の大企業が推進していて、人々は反対している」と語った。

新しい形の植民地支配

 大地を守る会の発言の後、映画「モンサントの不自然なたべもの」を上映している渋谷のアップリンクの松下さんが「地球を滅ぼす、食糧で世界を支配する、静かなテロのようだ。種に特許を作ってはいけない」と映画を紹介した。

 脅かされる食の安全と食料主権をテーマに、安田節子さん(「食政策センター ビジョン21」主宰人)が「TPPは最悪の協定だ。多国籍企業群があやつっている。なぜ日本がねらわれているのか。それは八〇兆円の食糧品市場があるからだ。関税を撤廃させ、もうけようとしている。農薬、BSE対策など規制の緩和のために動いている。モンサントは遺伝子組み換え種の九割、普通の種の二割の特許を持っている。特許侵害をビジネスにしている。日本は普通の種の特許を認めていない。知的所有物の強化ということで食べ物を支配しようとしている。それは軍隊によらない新しい形の植民地支配だ。関税を撤廃することは日本の食糧安全保障が崩壊することだ」と訴えた。

 遺伝子組み換え食品はいらないキャンペーンは「日本もベトナムなどにモンサントと同じようなことをしている」と指摘した。

 最後に「モンサントポリスを日本に入れてはいけない!」という寸劇が行われ、大いに盛り上がった。TPP、多国籍企業モンサントとの闘いは日本だけの闘いでなく、世界的な闘いであることが分かる行動でもあった。

(M) 
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