虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

North-South America

メキシコ・トロツキー博物館への財政的支援を訴える

image新型コロナ・ウィルスの流行の打撃を受けるレオン・トロツキー博物館

 一九四〇年、暗殺者ラモン・メルカデルは、メキシコのコヨアカンにある亡命中のトロツキーの住宅に押し入り、スターリンからの暗殺命令を実行した。トロツキーの孫で後に技師となったエステバン・ヴォルコフ・ブロンシュテインは、この暗殺まで祖父のレオン・トロツキーやナタリア・セドフとともにこの館で暮らしていた。トロツキーの一家で、今日、唯一生存者であるヴォルコフは、レオン・トロツキー博物館となっているこの館の経済的存続が危機に陥っているとの警告を発している。

 新型コロナ・ウィルスの流行のために博物館への訪問者が途絶えている。入場料と販売金が、遺品を管理するメキシコのさまざまな行政機関からの委託を管理を行っている、レオン・トロツキー亡命の権利博物館協会の主要な収入源だが、その財政状態は改善不可能な危機に瀕している。

 博物館は、トロツキーが生活していた家屋と庭と警護施設から成り立っていて、
家屋はその当時のままに維持されているが、とりわけその書斎はラモン・メルカデルがトロツキーを暗殺した時そのままである。

 博物館がなくなることになれば、それは革命の歴史の記憶にたいする実に重大
な打撃となるだろう。

 第四インターナショナル・スペイン支部、『アンティカピタリスタス』がカン
パを集める運動を計画している。

 この計画をともに担うことを望む人々はこの活動に参加できる。

宛先: Association Anticapitalistas
IBAN: ES25 1491 0001 2221 7799 8321
基金の名称:Donacion Museo


 皆さんの支援を望む。額の多少は問題ない。この必要に応じて連帯を。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::

 以上のカンパ要請は、フランスの月刊誌「ランティ・カピタリスト」(2020年4月号)に掲載されたものです。

■新時代社の口座に振り込み、トロツキー博物館支援のためと書いて下さい。そうすればまとめて送金します。

新時代社 郵便振替 00290=6=64430


【アメリカ】人種差別主義的警察の暴力に対する反乱

106560222-1591029199038gettyimages-1238480766われわれは息ができない

人種差別主義的警察の暴力に対する反乱


二〇二〇年五月三〇日

ソリダリティ全国委員会


 五月二五日、丸腰の黒人ジョージ・フロイドが、ミネアポリスの白人警官によって残虐にも殺害された。そして、地方検事や連邦検事は、その行動がビデオに撮影されていたのに、警官の即時逮捕をためらった。このあとに起こったミネアポリスおよびホワイトハウス前を含む他の都市における暴動やデモは、最近起こった広く知られている人種差別主義者によるいくつかの暴力事件に引き続くものである。

 五月三〇日までに、デモは多くの都市に拡大し、抗議行動には多くの人種を含む参加者があった。その多くは若者であり、マスクを着用し、街頭デモのときにはソーシャルディスタンスを取っているように見えた。参加者の中には、地方組織や全国組織によって動員されたように思える人々もいたし、殺害のビデオ動画やその後の抗議行動の動画を見て参加してきた人々もいた。

 フロイドの殺害は、一連の警官による黒人男性殺害のもっとも最近のものだが、それは二〇一四年のミズーリ州ファーガソンでのマイケル・ブラウン殺害にまでさかのぼることができるし、さらに一九九一年のロサンゼルス警察によるロドニー・キング殴打にまでさかのぼることもできる。しかし、今回はそのような警察の暴力が映像に収められた最初のものの一つである。

新型コロナウイルスによる感染者や死亡者の恐るべき統計上の数字が過去数週間、数ヶ月で明らかになってくると、有色人種の人々が医療危機の主な犠牲者となっていることがはっきりしてきた。ジョージ・フロイドの殺害は、警察による蛮行がパンデミックによっては隔離されていなかったことをわれわれに思い出させるものだ。

「黒人のくせにジョギングしている」「黒人のくせにバードウォッチングしている」


 二月には、黒人青年アフマド・アーベリーが、ジョージア州ブランズウィック近郊の自宅近くをジョギングしていると、元警官を含む三人の白人自警団員が彼を呼び止め、彼らの主張によれば、「市民逮捕権」を行使しようとした。一人がショットガンで彼を三発撃ち、もう一人は拳銃を抜いて横に立っていた。三人目の白人市民参加者がその様子を撮影したビデオ映像が公開されてはじめて、ジョージア捜査当局が動き出し、最初に二人を、次に三人目の自警団員を逮捕したのだった。

 地域の白人男性ネットワークが数週間にわたって自警団員を告発させなかったのだが、そのことがわれわれに思い起こさせるのは、一九六四年の「フリーダム・サマー」の間にミシシッピ州で地域自警団と警官によって公民権活動家のチェイニー、グッドマン、シュワーナーが殺害された事件である(訳注一)。

 ジョージ・フロイドが殺害されるわずか数週間前、ニューヨークのセントラル・パークで、公園の規則に従って犬をリードでつなぐように黒人のバードウォッチャーが要請したことに対して、白人女性が警官を呼ぶと脅し、警官に電話で自分の命が「アフリカ系アメリカ人によって脅かされている」と伝えたビデオ映像が明らかとなった。

 その女性と犠牲者になるところだった黒人男性は、姓が同じだった(訳注:クーパー)以上のものを共有していた。つまり、彼女がそのような告発をした事件では、誰のことばが警官や検事、主流派報道機関によって受け入れられるかを二人とも理解していたのである。寒気がするように皮肉なことなのだが、その事件は、一九八九年に「セントラル・パーク・ファイブ」と言われる五人の黒人男性らが、投資銀行員の白人女性をレイプ・殴打した罪で誤って訴追されて有罪判決を受け、服役した事件とまさに同じ公園で起きたのだ(訳注二)。

  アメリカ社会における人種・ジェンダーの醜い現実を、特権を持つ白人が恥知らずにも利用することは、それ自体があくどい行為であり、ミネアポリスで噴出した憤激の感情を強くしただけだった。ほぼ同じときに、ケンタッキー州ルイスビルで黒人医療労働者のブレオナ・テイラーが、間違った住所で捜査令状を執行しようとした警官によって、彼女のベッドで撃たれて死亡した。アーベリーとフロイドの殺害や最近のセントラル・パークでの事件は、もし動画が撮影されていなかったなら、広範な大衆的関心をもたらさなかったかもしれない。

 録音されたジョージ・フロイドの「ぼくは息ができない」という嘆願は、二〇一四年におけるニューヨーク市警の警官によるエリック・ガーナー殺害を痛いほど思い起こさせるものだ。警官も参加した自警団によるリンチ、攻撃されるというほんのささいな妄想(それには黒人がそこにいるということも含まれる)のために白人の特権を利用して黒人に対してすぐに警察を呼ぶという行為、警官による数え切れないほどの非武装黒人の殺害は、黒人がアメリカではこんな風に扱われるという例である。

 このことを助長する政治的雰囲気は、アメリカでもっとも人種差別主義的で反動的な勢力と公然といちゃついている大統領によって煽り立てられている。それはわれわれを支配する政党のうちの一つ(訳注:共和党)の暗黙の共犯およびもう一つの政党(訳注:民主党)の空虚な反対と無力さの中でおこなわれているのだ。

今度は火だ

 アフリカ系アメリカ人に対する続発する暴力によって、数年おきに、悲しみや怒りの噴出が、街への放火や商店の略奪をともなう暴動として表現されるところにまで達する。マーチン・ルーサー・キング牧師が一九六八年に暗殺された後のロサンゼルス・ワット地区の反乱や一九九一年にロドニー・キングを殴打した警官に無罪判決が出された後のロサンゼルスがそうであった。

 ミネアポリス警察署が燃やされたことやその周辺道路を抗議行動参加者に一時的に明け渡したことは、かなりのシンボリックな重要性を持っている。黒人地区の警察署は、警察が公共安全の源ではなくむしろ占領軍であることを常に思い起こさせるものであるからだ。抗議行動参加者たちは、彼らを抑圧するものの物理的シンボルであるミネアポリス警察第三分署を燃やしている炎のすぐ近くで踊っていた。数時間の間、街路はそこに住む民衆のものとなった。

 われわれは、暴動によって起こった損害が黒人コミュニティそれ自身をいかに
傷つけるかを嘆き悲しむ、いつものようなリベラル・保守双方の代弁者からのもっともらしい物言いの大合唱を予想することができる。これもまた一つのもみ消し行為である。都市暴動は結果であって、人種的に隔離されたアメリカの都市において、黒人や他の有色人種の人々が直面している悲惨な生活状況の原因ではないからである。

 人種差別主義的資本主義による数十年間におよぶレッド・ライニング(訳注三)、資本逃避、人種的居住地分離などのために、多くの黒人地域は失業者センターの状態にとめおかれ、そこには絶望・暴力があふれ、役所からは放置されてきた。その一方で、白人居住地域は民間資本の投下や公的支出のおかげで繁栄してきた。より富裕な白人地域は、十分に予算が投入された学校や地域の安全を享受してきたのである。

 第三分署の燃えかすがくすぶっている一方で、もはや息をすることができないコミュニティの怒りもまたくすぶっている。反乱は社会的・人種的公正という酸素を求める叫びである。アフリカ系アメリカ人が過去四百年の間に経験させられた搾取・抑圧・州や自警団による暴力の根源は深く、広いものなので、その解決策もまた膨大なものになる。

 それは、州に警察がおこなっている暴力の責任をとらせ、われわれを支配する政治家によって勇気付けられている自警団員を訴追させることからはじまる。しかしながら、黒人に対する抑圧という広範な問題にとりくむには、根本的な構造変革が必要となるだろう。たとえば、それは人種差別主義的な刑法・刑務所システムの解体、そして奴隷制という犯罪に対するさまざまな形態の賠償(進歩的サークルの中で議論されてきた)を含む富の再分配である。

 一九六三年に黒人小説家のジェームズ・ボールドウィンは、人種的抑圧に関す
る彼の論評集に『次は火だ』というタイトルをつけた。火はやってきている。アメリカ社会の再構築だけがそれが生み出した抵抗の炎を鎮めるのである。

(訳注一:一九六四年夏、ミシシッピ州に人種を超えた学生たちが集結し、それまで選挙での投票権を行使できなかった黒人の有権者登録を促進する運動=「フリーダム・サマー」を展開した。この中で、学生ら六人が殺されたが、特にネショーバ郡で三人が殺害された事件は、映画『ミシシッピ・バーニング』のモデルとなった。)

(訳注二:この事件では、一四〜一六歳のアフリカ系アメリカ人四人、ヒスパニック系一人の計五人が容疑者として逮捕され、長時間による取り調べで虚偽自白を強いられ、六?一三年の刑を執行された。その後、真犯人の自白とDNA検査によって、二〇一二年になって有罪判決が取り消された。)

(訳注三:レッドライニングとは、アメリカの金融機関が低所得の黒人が居住する地域を、融資リスクが高いとして赤線で囲み、融資対象から除外するなどして差別してきたことを指す。)

* ソリダリティ全国委員会は第四インターナショナル統一書記局のアメリカにおける支持組織

【アメリカ】進行中の「コロナウィルス・ストライキ」中間報告

5919(画像はAMAZONの労働現場でコロナ患者が発生したことにより、ストライキで全倉庫の洗浄を求めた労働者たち。かれらは現在、解雇攻撃にさらされている)



下部から湧き上がり広がる闘い
継続し成長すれば新時代視界に


ダン・ラボッツ

 

 われわれは今、雇用主が職場を安全にすること、あるいはその操業停止に踏み込めないでいることへの対応として、米国中で労働者が仕事の放棄や山猫ストを行っていることを見続けている。このストライキは、それらをある種のストライキの波と呼ぶには小さすぎるものだが、しかしわれわれは、自分自身の主導性で実際に彼らができるもっとも強力な行動であるもの、つまり仕事の放棄、に労働者がとりかかっている、ということに注目しなければならない。このストライキは、民間部門と公共部門の双方で、大小の労組のある職場と労組がまったくない職場双方で起きている。

広範な職場に山猫ストが伝染中


 労働者は一五〇年間、無数の産業で安全と健康をめぐるストライキに立ち上がってきた。二〇世紀の記憶に残るものは、炭塵じん肺をめぐる鉱山労働者のストライキだ。しかしわれわれは、雇用主に対し強力な要求を行う労働者による、また時に勝利を得ている、一つの感染症への対応としての健康と安全をめぐる山猫ストという、こうしたことに似たものを以前は経験したことがなかった。そしてこれらのストライキは、政治家の無知を露わにした言明、また時には偽りの言明、そしてあらゆるレベルにおける政府の失策のど真ん中で起きている。したがってこれらのストライキは、一人の特定の雇用主にだけ向けられている時であってさえ、経済的性格だけではなく政治的性格をも帯びている。

 われわれは今、さまざまな産業といくつかの州でそうしたストライキを見ている最中だ。

▼フィアット・クライスラーの労働者は、彼らの職場は安全でないと宣言し、三月半ば「ミシガン州の同企業スターリング・ハイツ組み立て工場(SHAP)で山猫的な労働放棄をやってのけた」。その中で労働者たちは、オンタリオの同企業ウィンドソー組み立て工場でも仕事を放棄し、工場閉鎖に向け三大自動車企業(フォード、GM、フィアット・クライスラー)に圧力をかけている(注一)。

▼仲間の労働者の妻が検査で陽性となりその労働者が隔離されたことを受け、ピッツバーグの下水部門労働者が三月二五日に作業を止め、トラックを駐車させ彼らの職場への入り口を封鎖した。要求は、マスク、もっと良質な手袋、そしてもう一組の作業靴の確保だった。労組は、ストライキが起きたことを否定し、労働者の職場放棄を誤解のせいにした(注二)。

▼ジョージア、カスリーンにあるプルデュー鶏肉処理工場の労働者は、工場の消毒を要求して三月二三日に労働を放棄した。「われわれは今何も得ていない。どんな形の補償もまったくなく、清潔さもまったくなく、特別手当も全然ない。われわれはここで完全に、鶏肉のためにわれわれの命を危険にさらしている」、ケンダリン・グランヴィルはこう語った。

▼ジェネラル・ダイナミックスのメーン、バースにあるケネベック川沿いのバース鉄工造船所では、労働者の一人が検査で陽性になったと会社が明らかにした後、六八〇〇人にのぼる同工場労働者の半数が三月二四日、仕事に出てくることを拒否した。労組が家に留まることを組織したのかははっきりしていないが、組合役員は、造船所の操業停止と従業員が家に留まることの容認を求めた(注三)。

▼チムスター667支部メンバーの、ほとんどがアフリカ系米国人からなる労働者の一団が三月二七日、仲間の労働者一人が検査で陽性になった後、メンフィスにあるクロガー食料雑貨倉庫で山猫スト

に入った。「われわれは本当に危険な状況にあり、怯えている」「労働者の半数は家に戻っている。彼らは自分の安全に怖れをもっている。それがここにあるものであり、彼らは設備に触れることを恐れるほど緊張している」、フォークリフト運転手であるモーリス・ウィギンズは新聞にこう語った(注四)。

 スターテン島のアマゾンの倉庫では、仲間の労働者が検査で陽性になった後に、労働者総数二五〇〇人のうち約一〇〇人の労働者が三月三〇日に仕事を放棄した。彼らは、会社が施設を清潔にし職場を安全にするよう要求した(注五)。

GEでは人工呼吸器製作要求し


 明らかに、ストライキや座り込みにとってつまらなすぎるというような職場はまったくない。三月二一日、オレゴン、ポートランドにあるクラッシュ・バーと関連のウッディーカフェおよびタヴァーンで、全スタッフ二七人のレイオフに抗議しようと、一二人の労働者が店内を占拠した。その一人であるハンナ・ジオイアは、法的回路を通じて賃金支払要求を追求するよりも座り込みを行った理由を問われて、「われわれは、この請求を処理する政府出先機関の能力を事態好転まで待つことはできないと見ている。われわれには今資金が必要なのだ」「レイオフされるのはそれだけで破滅的だが、公的な医療危機の中ではそれは破局的だ。われわれには選択肢がない。われわれは、法的に必要とされていることを、われわれの権利であるものをオーナーがやることを期待している」と語った(注六)。

▼おそらくもっとも注目に値することとして、マサチューセッツ、リンにあるGEエンジン工場の労働者が、「コロナウィルス・パンデミックの最中での人工呼吸器不足を国が埋めることを助けるためにその工場を活用するよう会社に訴えて」三月三〇日に仕事を放棄し、その後工場にピケを張り、社会的距離を確保し六フィート離れた行進を行った。これは、工場を人工呼吸器生産に転換するよう会社に訴えることにより労働者の職を救うことを意図したストライキだ。「GEの医療部門はすでに、人工呼吸器製造では国で最大の生産者の一つだ。したがって組合員たちは、他の工場も救命装置生産向けに転換され得る、と確信している」。こう伝えた「ヴァイス(万力)」紙記事は以下のように説明する。

―これらの抗議は、ジェネラル・エレクトリックによる、二六〇〇人近くの労働者の解雇として、国内航空関係要員の一〇%をレイオフすることになろうとの公表直後に現れている。そのレイオフは五億ドルから一〇億ドルを企業のために取っておく努力としてあり、整備労働者の五〇%の「一時的」レイオフと一体的になっている。このニュースは、下院が数兆ドルを投じた公的資金による企業救済案を通す準備を整える中で到来した。ちなみにこの救済策には、航空産業に対する少なくとも連邦援助としての五〇〇億ドル、貸し付けとしての二五〇億ドル、さらに税の一時的軽減が、また「国家安全保障に決定的」と思われている諸企業(すなわち、ボーイングやジェネラル・エレクトリックのような国防省契約企業)に対するさらなる一七〇億ドルの連邦援助が含まれるだろう(注七)。

官・民、組織・非組織問わず


 確実だが、報道が取り上げてこなかったこうした他のストライキや座り込みがあるに違いない。そしてわれわれは、あらゆる種類の労働者による、特にそれらの中でも重要なものとして教員や看護師による、多くの他の抗議行動があることを知っている。とはいえわれわれはそれらを、それ自体重要だが今回の議論に含めていない。山猫ストは労働者運動の歴史と理論では、またコロナウィルス・パンデミックの中における経営者と政府に対する今日の対応では、特別な位置を占めているのだ。

 われわれが注目することは、これらのストライキ参加者が高度に熟練し同時に高給取りの労働者である――ジェネラル・ダイナミックスのバース造船所の労働者のような――こととまた、またポートランドやオレゴンのバーやレストランの労働者、そしてジョージアのプルデュー鶏肉処理工場の労働者のような低賃金労働者でもあるという同時併存だ。

 人は、黒人労働者――ピッツバーグの下水、カスリーンのプルデュー鶏肉、さらにメンフィス、チムスター――がこのストライキで指導的役割を果たした、ということを典型にすることができる。しかしそれでもバース造船所の労働者は圧倒的に白人であり、他方自動車労働者は、黒人、アラブ人、白人、ラティーノであり、またGEのリン・ジェットエンジン工場もまた、民族的に混在した要員を抱えているのだ。

 そしてこれらの抗議行動では、疑いなくあらゆるジェンダーの労働者を見出すことができ、われわれは、労働者の心配に声を与えている男と女両者の叫びを聞いている。中心の要求が労働者の健康をめぐるものである一方、われわれは、彼らが早くも、賃金、手当、労働条件、さらに職の保障に関する要求を上げ始めているということを見ることができる。

 これらの行動に関しもっとも常と異なっていることは、組合の役員がそれらを呼びかけたのではなかったということだ。いくつかの例ではそもそも組合がまったくなく、自動車のような他の例では、労組はあるものの、労働者は労組と会社に反する形でストライキを行うことを強いられている。バース造船所のような一定の職場の場合、組合役員が戦術的に労働者の労働放棄を支持した可能性があるように見えるが、下水の場合ははっきりしない。

 これらの非公式ストライキは時として労組のノンストライキ協定条項に抵触し、あるいは公務被雇用者の場合、そうした業務放棄は法に抵触しているかもしれない。それでも労働者は、彼らの健康を

防護し、彼らの職を救う目的で、ソーシャルメディアや伝統的な口頭以外ほとんど頼るものが僅かなまま、それらの行動をやり切ることを自ら組織したのだ。

山猫ストの二面性と可能性


 山猫ストは、二つの面から考えることができる。通常山猫ストが勃発する理由は、労組がまったくないか、それとも組合指導部が経営者と闘う指導性を発揮できなかったか、のどちらかだ。左翼は時として山猫ストを、労働者の意志の本物の表現として、経営者に対する労働者の抵抗から自然発生的に発展した行動として、ロマン化して考えてきた。ある者たちはそれを、資本主義を打倒し、労働者を権力へと運ぶことになる、そのようなゼネストの前触れと見ている。

 だが同時に、労働者がそれまで組合を統制できてこなかったがゆえに、また組合を彼らの力の表現として使うことができなかったがゆえに、山猫ストに訴えざるを得なかった、ということも認められなければならない。山猫ストには、生産点における労働者の直接的な力の表現という側面と、しかしそれだけではなく、彼らの意志を表現できる民主的に統制された組合の建設という点での彼らの敗北――経営者と労組官僚の力を理由とした――の表現でもあるという、二面があるのだ。

 労働者がこれを認識する時、少なくとも社会的高揚の時期には、時に過去において彼らは、彼らの労組内で権力を行使し、それらを戦闘組織に変えようと挑んできた。こうして山猫ストは、基層の運動に燃料を注ぐエネルギーの源になる可能性をもつ。たとえばその一例が、重工業における一世紀を超える例、また公務部門における七五年の例だった。つまり、産業別労働組合会議(CIO)創立に導いた一九三〇年代の米労働者の偉大な前進、およびゴム工場、自動車産業、電気労働者、また他の多くにおけるまさにそのような山猫ストから派生した米職種別労組連合(AFL)の広大な拡張だ。

 労働者は何千人という単位で労働放棄を行い、ある者たちは彼らの工場を占拠した。他方他の者たちは大衆的ピケットラインをつくり出し、スト破りや警察と戦った。山猫ストは、大不況の一〇年の間、米国中でいわばウィルスのように広がり、工業の小規模な作業場や小売り労働者にまでたどり着いた。同様なことが、教員や公務部門被雇用者でも一九六〇年代と一九七〇年代に起きた。彼らは非合法なストライキに立ち上がり、彼らの労組を設立した。基層の高潮はまた、一九七〇年代に統一鉱山労働者をも転換させ、同じく他の労組指導部をも狼狽させた。

闘いへの注視と連帯強化を

 現在の経済減速を早めた(二度目の大恐慌になりそうに見える)コロナウィルスは、彼らの事業と利潤を保全しようと闘う雇用主、そして彼らの健康と命のために、彼らの職と生活水準のために闘う労働者、この間の対立の原因となった。われわれは、そう呼ばれるがままの「欠くことのできない労働者」が彼らの力を感じている中で、これらのストライキが継続すると期待できる。パンデミック――われわれは、それが米国でまさに今跳ね上がり始めつつあるに過ぎない、ということを思い起こさなければならない――が広がるにつれ、また経済危機の深さとその長期的影響が鮮明になるにつれ、ストライキはわれわれが予想できない他の形態をとるだろう。

 しかしわれわれは、何人かが労働力の二〇%から二五%に達すると見ている失業が、そうした行動の勢いを削ぐものにもなり得る、ということを思い起こさなければならない。歴史的に失業の高まりは、一九七五年から一九八〇年におけると同じく、われわれがここで論じている底辺からの闘争を減速させるように、あるいは停止させるまでに作用した。

 それでも山猫ストが続き、成長するならば、それらは、労組の指導権をつかみ取るために、またそれらを労働者階級の戦闘組織に変えるために立ち上がる、そうした新たな基層運動を推進する可能性があると思われる。もしそれが大規模に起こるならば、われわれは、多くの他の可能性が、もっとも重要なものとして、自立的な政治行動や労働者階級の政党の可能性が、視界に現れ得る新しい時代に入る。

 われわれは、これらの山猫スト運動から視線を外してはならず、それらを支え、それらが広がり成長することを願い、われわれの連帯を差し出し、それらが労組を民主化し、経済と政治の権力両者と闘う階級闘争の組織にそれらを転換する運動になることを願わなければならない。



(二〇二〇年三月三一日、「ニュー・ポリティクス」より)

(注一)「レイバー・ノーツ」二〇二〇年三月一八日。
(注二)「ピッツバーグ・ガゼット」二〇二〇年三月二五日。
(注三)WGME、二〇二〇年三月二四日。
(注四)「ペイ・デイ・レポート」二〇二〇年三月二七日。
(注五)「ニューヨーク・ポスト」二〇二〇年三月三〇日。
(注六)「イーター・ポートランドOR」二〇二〇年三月二二日。
(注七)「ヴァイス」二〇二〇年三月三〇日。

(「インターナショナルビューポイント」二〇二〇年四月号)  



【トルコのクルディスタン侵略戦争糾弾!】ソリダリティ(米国社会主義組織)の論評

_20191101_192004(画像はロジャヴァ・ダークでのクルド民衆の抗議デモ。スローガンは「"トルコISIS"による占領反対」。10月24日)

クルドへの裏切り トランプのデタラメさ際立つ

デイヴィッド・フィンケル




帝国主義者をも 困らせる裏切り

シリアのクルドの人々に対するドナルド・トランプの不実な裏切りは、帝国主義には「長続きする友など一人もいず、利益への永遠の関心しかない」との昔からの格言に新たな命を与えている。確かに、クルドへの最終的な裏切りはほとんど不可避だった――それ以前に何度も起きたように――。しかし、トランプがそれを行った特別なやり方は、本当に人を驚かせるものだった。彼はそれを、ペンタゴン、国務省、「国家安全保障」スタッフ、主要な同盟者、あるいは彼自身の偉大かつ無比の知恵を除く他の誰にも相談することなく、トルコの独裁者で彼の相棒であるエルドアンとの電話会談直後にやったのだ。そしてもちろんそれは、今も展開するいくつもの形で、米国の国内的紛糾へと流れ込んでいる。

 私は次のように考えている。つまりわれわれは、トランプ―エルドアン電話会談の複製記録が「機密扱い」サーバーに保存されてきた、と相当程度疑うことができる、そしてその同じサーバーには、ウクライナ大統領のゼレンスキーに対する「見返り」の電話、また(われわれがこれまで学び取ったように)他の外国の指導者に対する同じようなものが、不正告発者や議会で調査に臨む者たちが知ることのできない形で安全にとどまるよう隠されている、ということだ。エルドアンが長く温めていたシリア北部への侵攻計画に危険はない、と彼が分かるようにトランプが手配を整えた、と明らかにすることは、不都合なことになるかもしれない。

気まぐれからたわごとへ

現在の件では、撤退し、クルドの諸部隊と非武装の住民を干からびるまで吊して放置することに、帝国主義的な物質的利益すらなかった。それはまさにトランプの気まぐれだった。

シリア北部の米軍は大きな打撃力とはほとんど言えなかった、ということを心にとどめよう。それは、トルコの進入を止めるワナの針金、そして「イスラム国」(ISIS)と戦っているクルド諸部隊に対する兵站/情報 支援としての、小さな存在だ(だった)。その撤退は、大口ツイートが自慢するような、米国の「終わりなき中東戦争」からの撤退、を意味するものではない。それらの部隊は故国に向かおうとはしていず、イラクや近くのどこかに再配置されるだろう。

事実が突きつけられるとトランプは、その侵攻がいくつかの明示のない「限界」を超えるならば「トルコ経済を破壊する」だろう、とわめいた。そのたわごとをまじめにとるものは誰もいない。

エルドアンであろうが、逃げまどっている何万人という市民であろうが、米国の欧州の同盟者であろうが、またその真空にどう動く可能性があるかを今じっくりと考えているシリアの政権やイランやロシアであろうが、さらにその復活の潜在的可能性が世界の首都で当然にも恐れられているISISであろうが、そうだ。

人間的犠牲があまりに大きい

トランプは彼のポストファクトのたわごとの中で、クルドはシリアの中でISISに対する戦闘を行ったということを認めたが、しかし彼らは「彼ら自身の土地」を守るためにそうした(もちろんだ!)のであり、「彼らはノルマンディーでわれわれを助けなかった」(一体何をいっているのか??)、と語った。

悲劇であることは、クルドの諸部隊に、また自由と自己決定を求めるその熱望とシリアの修羅場のど真ん中で彼らが築き上げた進歩的なロジャヴァ構想が今潰されようとしているその民衆に、物質的な援助と武器を提供する能力が世界の左翼にまったくないことだ。われわれがもっているすべては、米国と欧州がトルコ政権に緊急の懲罰的制裁を加えるよう求めるわれわれの声だ。

極短期的な見通しは、多くの反革命的な諸勢力――トルコ、イラン、ロシア、アサド政権、ISIS――間の残忍な対立だ。われわれは、その結果や諸々の死の大きさ、あるいは新たな難民危機を予想することはできない。一つの結果は、米国とその約束が再び信用されることは決してない、ということかもしれない。それはそれ自身一つの良い教訓であろうが、しかしその人間的犠牲はあまりに大きすぎるのだ。

▼筆者は、米国の社会主義組織、ソリダリティ発行の「アゲンスト・ザ・カレント」の編集者。(「インターナショナルビューポイント」2019年10月号) 


【ベネズエラ】現地の指導的社会主義活動家へのインタビュー

Marea-Socialista

ベネズエラ

現地の指導的社会主義活動家へのインタビュー

主権、ベネズエラ民衆の尊厳、民主主義への国際的支援求める

 米国とその同盟諸政権は、先月国会議長のフアン・グアイドが選挙で選ばれたニコラス・マドゥロ大統領を否定する形で自らをこの国の大統領だと宣言した後、ベネズエラ政府に対する圧力を高め続けている。ベネズエラの革命家、ゴンザロ・ゴメスは社会主義組織のマレア・ソシアリスタの指導的メンバーであり、独立左翼のウェブサイト、aporrea.orgの共同創設者だ。以下は、米国のsocialistsworker.orgのエヴァ・マリアによるゴメスへのインタビュー。

【前記ウェブサイト編集者とインタビュアーによる注記】

 このインタビューは一月二七日に行われた。マレア・ソシアリスタは、ボリバール革命を通して達成された諸成果を支えて、終始一貫米帝国主義に反対し、その上で、ウーゴ・チャベスと現大統領のニコラス・マドゥロ両者の、国内資本と外国資本のビジネス利益に対する譲歩、官僚主義的諸傾向、さらに反民主的な諸方策を批判してきた。

ゴメスは二月五日、「憲法防衛市民プラットホーム」の代表者として、米国が支援する反政権派指導者、フアン・グアイドとの会談に参加した。このプラットホームは、米国の介入に反対し、民衆の国民投票(コンスルタ・ポプラー)を提案している左翼の諸個人によって組織されている。

われわれは、このプラットホームの目標、および彼ら自身の観点が知られるようにするために先の会談の公表を利用する、という彼らの期待を理解する。しかしながらわれわれは、この会談に懸念をもっている、と述べざるを得ないと感じている。つまり、欧州の帝国主義諸政権から、ブラジルとアルゼンチンの反動的な国家首脳から、またトランプ政権それ自身から直接的支援を受けている指導者であるグアイドとの会談は、介入への道を清めるために仕組まれたメディアも当事者である情報戦争の中では、ベネズエラ右翼に、自らを「あらゆる側と会話している」と描く余地を与える危険を犯している、という懸念だ。

誰もグアイドを選んでいない

――一月二三日、国会議長のフアン・グアイドが自らベネズエラの代理大統領と宣言し、すぐさま米国、リマ・グループメンバー諸国、また多くの諸国によって承認されました。しかし世界のほとんどにおいて、われわれがグアイドという名前を聞いたのはこれが初めてのことでした。彼は何者であり、ベネズエラ政治での彼の役割はこれまでどういうものだったのですか?

 グアイドは、右翼野党の人民の意志党(VP)議員だった。この党の党首は、現在投獄されている指導者であるレオポルド・ロペスだ。

グアイドは、議会内最大政党間での権力分かち合いという合意の一部として、国会議長に指名されたにすぎなかった。彼は、二〇一七年の反政権派による街頭決起に参加した。しかしそれを別にすれば、彼の党の指導的な公的人物としてすら、彼には大きな名声は何もなかった。

最高裁法廷は二〇一五年、票を買ったとして選挙不正の容疑をかけられたアマゾン州議会メンバーの議席剥奪を議会が拒否した時、議会の権威を認めない、と宣言した。

これは、議会での新たな右翼多数を阻止するために、支配政党であるPSUV(ベネズエラ統一社会党)によって行われたことだった。しかしその後PSUVは自ら議会を放棄し、憲法制定会議を――一九九九年にウーゴ・チャベスの下で施行された憲法と民主主義両者を基準とした時、大いに疑問のある条件で――推し進めた。

グアイドが一人の人物として現れたのは、この権威を認めないと宣告された、野党が率いる国会からだった。彼は大統領を自称した時、マドゥロが勝利した選挙に正統性はなく、彼は簒奪者だ、と告知した。彼は現時点では、その後新たな選挙を行うと想定される「移行政府」形成のための「暫定」という形で、大統領職を引き受けている、と言明した。

しかしながら、議会が彼を大統領と宣言したわけではなかった。ベネズエラ民衆による選出を経たわけでもなく、あるいは国会による選択すらなく、グアイドが自ら大統領と宣言したのは、一月二三日に行われた巨大な反マドゥロデモの後にすぎなかったのだ。

クーデターの特性を帯びた事態

――それでは本当のベネズエラ大統領とは誰なのですか? 一月二三日とその後のできごとはクーデターなのですか?

 ベネズエラ大統領は二〇一八年五月に選出された。それがニコラス・マドゥロだ。

この選挙は、いくつかの政党が禁止され、国家資金の利用がPSUVに有利、という厳しい諸制約下で行われた。しかしマレア・ソシアリスタは、われわれは諸々の批判をもっていたが、この選挙への参加を訴えた。有権者は自分の選択権を放棄してはならない、と考えたからだ。保守派野党は棄権を求めた。そして棄権率は五〇%強に達した。

われわれは、投票したとはいえ、マドゥロ政権は正統性を失っている、と確信している。その反労働者政策、恐るべき腐敗、外国の大国にわれわれの資源を引き渡す略奪的な資源開発主義、その憲法無視の諸決定、さらに彼らの統治手法となった抑圧的権威主義が理由だ。

政権は、高度に問題のある諸条件の下で選出され、憲法に対する全一連の深刻な侵犯によって、正統性を主張するいかなる資格も失っている。労働者階級の圧倒的多数は、マドゥロと彼の政府に対する拒絶を示してきた――この拒絶をはっきり表す大衆的な行動が数多くあった――。

グアイドはマドゥロ政権拒否の立場を明らかにし、議会の提案や政策を推し進めるためにこの不満を利用した。

その後彼は一月二三日に全国デモを呼びかけ、それへの反応の強さとマドゥロに対する巨大な怒りを確かめた上で、大統領を自称する好機を掴んだ。彼は、このデモの前で「大統領」としての就任宣誓を行った。再度言うが、この行為に対するいかなる合憲性もなしに、だ。

いわゆるリマ・グループとして組織されたいくつかのラテンアメリカ右翼政権と歩を並べて、トランプ政権がこの背後に現れた。並立政府の宣言に次いで、それを力で押しつけようとの、米国による介入という脅迫が動き出した。

それゆえ、マドゥロ政権には正統性がなく、この政権はボリバール革命をこれまで破壊し続けてきたわが民衆に対する抑圧者である、とわれわれが見なしているとしても、ベネズエラの本当の政府はマドゥロの政権なのだ。マドゥロは、米国に支援された自称大統領ではない。彼の置き換えは、その主権を行使し、受け入れることができ憲法にかなった諸条件の下で票を投じる、そうしたベネズエラ民衆によってはじめて可能なのだ。

それゆえ今起きている最中のことには、ベネズエラの軍部が遂行したわけではないとしても、しかしそれに代えて、ラテンアメリカのもっとも右翼的な諸政権やEUと連携した、米帝国主義からの制裁と脅迫を通した、進行中のクーデターという特性がいくつかある。これらの諸政権は、米州機構や国連といった諸機関から支持を得てすらいない。

米国の介入は、諸々の制裁、ベネズエラ海外資産の押収、特定商品の封鎖、「人道援助」の戦略的利用といった形態をとってきたが、同時にまた、政治的、経済的圧力が成果を生まない場合として、軍事的エスカレーションへの準備という形もあった。

われわれは、トランプと米政府が帝国主義的、植民地主義的、また資本家としての利害に駆り立てられている、ということを承知している。だからわれわれは次のスローガンを繰り返す。つまり「民衆はもはやマドゥロを欲しないが、しかしグアイドを選んだ者も誰一人いない」と。われわれは外国の介入に反対し、民衆により民主的に成し遂げられる解決を追求する。

選出はされたが正統性を失った大統領と、選出もされず正統性もないもう一人の間のこの対立において、われわれは対話が行われることを求めているが、それは民衆主権のための対話だ。欲するものは何か、それを人々に聞こうではないか。

われわれは、マレア・ソシアリスタおよび「憲法防衛市民プラットホーム」を代表して、憲法七一条の条件の下における、諮問的国民投票の実施を提案してきた。ちなみにこの条項は、「国民的重要性をもつ事項」を投票に付すことができる、と規定している。

その国民投票は、マドゥロ政権と野党の国会間の合意の下で、あるいは有権者の一〇%から支持を集めることにより実施が可能になるだろう。われわれは、何であれわれわれに対し閉じられた扉の背後で決定されることを欲しないがゆえに、この国民投票を実現させようと、他の政治諸組織や民衆運動と連携して今活動を続けている。

人々に彼らの運命を決めさせよう。政府が正統性を再獲得することが望みかどうか、人々の諮問に任せよう。総選挙にこれらの問題の決定を委ねよう。しかしわれわれは、他の政府や帝国主義勢力が彼らの意志を押しつけることを、あるいは民主主義の立場に立つふりをしつつも、民主主義を顧みず勝手にふるまっているベネズエラ国内の政治的エリートたちも受け入れない。

労働者は自らを自立させ始めた


――一月二三日の大規模な諸々のデモと以前の局面におけるマドゥロ反対行動の間にある違いは何ですか? 関係する異なった諸要素について詳しく話せますか?

 二〇一八年という年は、労働者とコミュニティの諸々の抗議、そしてますます注目に値する形で現れた労組の抵抗を特徴とした。これらの闘争は、ハイパーインフレーションと政府の反労働者的諸政策によって破壊された賃金の防衛に集中した。政府が諸手当の引き下げによって掘り崩し始めた労働協約の防衛、あるいは労働者の抗議行動に対する抑圧への反対などだ。

さらに労働者階級のコミュニティも物不足、水、天然ガス、電力、公共交通のような公共サービスの不足、また医療サービスや薬品の不足に抗議して、数を次々に膨らませて街頭に出てきた。

昨年のこれらの抗議行動と以前の年月におけるそれとの主な違いは、以前のものが野党の政治的諸要求に結びつき、またそれらによって駆り立てられ、そしてそれらが主に性格としては中間階級であった、ということだ。これらの二〇一七年の抗議行動は、大規模な決起として始まったが、街頭の暴力的衝突というエピソードで終わった。そしてそれは、徹底的な弾圧で応じた政府によって粉砕された。

今年の抗議行動はバリオス(大都市周辺の、貧しい民衆層が住む街区:訳者)で噴出した基本的必需品の問題を中心に始まった。次いでそれは諸々の青空総会へと、そして一月二三日のデモへと繋げられた。そしてそのデモでグアイドが、デモ参加者の多くにとっては驚きとなったが、自ら大統領と宣言したのだった。

労働者の諸闘争は、階級的展望から、しかしその連携内部での多様性と多元性に基づいて、諸闘争を推進し、それを一体化しようと挑んでいる活動家や労組指導者による新しいベネズエラ労働者組織を軸に、自らを表現し始めていた。

ある者たちは野党に結びついているが、他は「どちらにも立たず」、さらに他の者は、PSUV労組官僚が政府の一器官に成り果てる中で発展してきたチャベス派内異論派潮流から来ている。ちなみに先のPSUV労組官僚はこの国における主な経営者だ。

最大の労組であるボリバアリアン社会主義労組センターは今日、反労働者諸政策の持ち出しを助ける、政府機構のいわば腕になっている。彼らは、PSUV政府と軍部による労働者の権利破壊に反対する労働者階級の反抗管理を助ける目的で、諸々の抗議行動をくじくか、それらの政策を正当化するかしているのだ。

グアイドを伴った現在の情勢は、労組運動のこの新しい高揚を危険にさらしている。その情勢は底辺からの闘争から生まれた。しかし戦闘が今後必要とすることは、できれば吸収しその後その行動力を切り落としたいと思っている両極から、運動の自立性を保つことだ。

「裏庭」支配奪回への乗り出し


――この政治的危機の展開に影響力を及ぼしている米国とその同盟国をどう見ていますか?

 多くのベネズエラ人は、幾分の素朴さと共感をもって、マドゥロに反対する「支援」を期待している。それがもたらす恐るべき危険は言うまでもなく、この支援に込められた、主権とこの国の独立に対する意味のすべてを、彼らが今理解しているわけではないからだ。住民のもう一つの部分は、米国の介入について猛烈に怒りを覚え、民族主義的感情に導かれている。

マドゥロに批判的な政府に反対しているボリバリアンと革命的な部分は、その立場を維持してきた。しかし彼らは否応なく、帝国主義の介入に対決する闘争を最優先としなければならない。介入というこの脅威はマドゥロ政権に便宜を与え、この右翼政権に反対する民衆の自律的諸闘争の発展を妨げている。

――トランプ、ボルソナロやドゥケが代表するラテンアメリカ右翼、そしてベネズエラ反政府派間の連携をあなたはどう見ていますか?

 トランプの場合これは、米国が影響力を失ったラテンアメリカの諸々の部分を再植民地化する好機になっている。一方これはトランプの子分の諸政権にとって、それら自身の民衆に対する略奪によって提供される米国のためのご馳走から、そのおこぼれを食べる好機だ。

米国は、マドゥロ派官僚の反動的な性格にもかかわらず、その起源がチャベスが率いた革命にあることを大目には見ないだろう。また彼らは、ベネズエラほどに重要な国でこの国家を直接統治しようと、チャベスが伝統的なブルジョアジーを権力から取り除く過程をどのように組織したか、をも大目に見ることはできない。

この地域におけるいくつかの右翼政権は、米国との間に歴史的な、またビジネス上の結びつきを維持している。ワシントンは、この近隣の政府に対する中国やロシアのような途上中の帝国主義がもつ利害の影響力に腹を立てている。このような形でわれわれは、米国がその「裏庭」に諸々の条件を押しつけ、それを支配し、彼らが望む世界的な力関係を維持しようと乗り出しているのを見ているのだ。

民主的で合憲的な解決を求める


――この危機に対する交渉による解決を求めてウルグアイ、メキシコ、バチカンが進めている提案について、あなたはどう考えますか?

 内戦や侵略の可能性という危険を前にした時、それが政治エリート間の密室的な合意を助長しない限りにおいて、またそれが民衆の彼ら自身の政府――民主的な政治生活と人権と並んで、医療の諸制度を復活させ、食糧供給の準備と医療を再建することを目的にする政府――を選ぶ権利を尊重する限りにおいて、この提案には建設的な側面が諸々ある。

――今後の二、三週に起きることをあなたはどう予想していますか? この時期においてあなたは、ベネズエラの社会主義者の任務についてどう考えていますか?

 予想は極めて困難だ。トランプと米政府が今、彼らに都合のよい諸条件を作り上げようと指揮棒を振り回しているからだ。彼らがその指揮棒でほしい成果を得られないならば、彼らは、彼らの敵を直接破壊することに頼るかもしれない。そしてその敵はこの場合、マドゥロだけではなくこの国全体でもあるのだ。われわれは今、交渉を通じて戦争を回避すること、それによりさらに大きくすらなる苦難から逃れること、に期待をかけている。われわれは、民衆が彼らの道筋を再設定できる、そうした民主的で憲法にかなった解決を求める。

自律的で自己組織的、かつ意識的なやり方で自らの利益を守る、労働者と労働者階級コミュニティからの強力な参加と決起がなければ、どのようなものも民衆を利することにはならないだろう。人々は、より大きな福利をもたらす事業における彼ら自身の権力と支配的影響力の獲得をめざさなければならない。

――米国内左翼の大きな部分は、原則として米国の介入に反対――まさに正しくも――している。しかしそれは、マドゥロ政権に対しては無批判的な立場を取っている。あなたの望みとしては、世界の左翼にどう発言してもらい、ベネズエラ民衆との連帯確立のためどう行動してもらいたいですか?

 米国とその同盟諸国がベネズエラに敵対して遂行中のことを前にすれば、国際的な連帯が必要不可欠だ。左翼、進歩派、労働者、知識人、それらの組織からの介入主義諸政策に反対する連帯が特に重要になる。これらのグループは、人々が結局は受けることになる介入の高い犠牲を、また北米の民衆自身も背負う高い犠牲をも分かっている。

われわれはベネズエラ人に対するトランプの介入への強力な反対を求める。またそれは同時に、米国内の好戦的タカ派が強いる抑圧に反対し民主主義を求める闘いをも助けるだろう、と確信している。

われわれは、米帝国主義と正統性のない政府の押しつけに反対する、そして憲法にかなった手段と自由な選挙を通して自身の国の未来を決定するベネズエラ民衆の民主的諸権利を求める、国際的キャンペーンを必要としている。この連帯は、「人道的懸念」のような口実に隠れた介入を大目に見てはならない。

しかしこの反介入キャンペーンは、あるがままのマドゥロ政権に対するいかなる支持も意味してはならない。それはその民衆に対する抑圧者であるからだ。

介入への反対は、主権と諸々の自由に基づいてベネズエラ民衆が自ら決定を行うためのものでなければならない――まがいものの「社会主義」を名目に、ボリバール革命を裏切り、それを解体している政府をさらに打ち固めることを助けるためではなく――。

マドゥロの下で、一団の官僚集団が「ルンペンブルジョアジー」に成り果て、われわれの主権を多国籍企業と外国の諸大国に引き渡し、われわれの環境を破壊し、経営者からなるエリートを富ませるために、公共の諸資源とあらゆるものを略奪し、労働者を搾取することで権力の座で安楽にくつろぐまでにいたった。

米国の介入への反対は、専制的な政権と略奪的なカーストに支持を与える点まで拡張されてはならない。われわれが求めている支援は、民主主義、主権、そしてベネズエラ民衆の尊厳に対するものなのだ。(二〇一九年二月六日)

▼ゴンザロ・ゴメスは、マレア・ソシアリスタの全国調整機関メンバー。
▼エヴァ・マリアはsosialistsworker.org記者。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年二月号) 


【第四インターナショナル声明】ベネズエラ情勢 帝国主義者のクーデター策動反対!

zW4qmyamH6.jpgベネズエラ


帝国主義者のクーデター策動反対!

主権に基づく民主的危機解決を!

2019年1月24日

第四インターナショナルビューロー


 第四インターナショナルは、米国副大統領のマイク・ペンスにより(ラテンアメリカで信用を失っているトランプに代わって)冷笑的に組織化され、求められた、ベネズエラでの最新版クーデター策動、および帝国主義的介入に反対する自らの立場をはっきり宣言する。この策動に対する号砲は、簒奪者になると見られるフアン・グアイドが、彼には誰も票を投じていないにもかかわらず自ら「大統領」と宣言することを始まりとする一つの戦略の展開に向けて、一月二二日夜に流されたビデオ映像の中で鳴らされた。

そしてこれには、自称新政権を「認め」ようと殺到する、ラテンアメリカと世界中の一連のネオコン、右翼、そしてネオファシスト大統領と政府が続いた。米州機構と「リマ宣言」(マドゥロを選出した昨年の大統領選挙を正統性がないと断定:訳者)署名国もまた、グアイドの正統性のない大統領職を認め、ベネズエラに封鎖を課し、それによって軍事介入の口実として機能すると思われる対応を挑発する試みに力を貸すことによって、すぐさまこの帝国主義的諸計画に同調した。

われわれは、民族的主権の基本的諸規範を侵犯する、このクーデター策動と帝国主義的介入を糾弾するキャンペーンを全力を挙げて支持する。われわれは、このクーデターに反対するもっとも幅広く、民衆的で統一された国際主義的かつ民主的な決起を呼びかける。それが意味することは、われわれにはマドゥロ政権とそれが実施した制度との間にさまざまな意見の違いがあり、またそれらには批判が多々あるとしても、帝国主義者によるクーデターを介した解決などわれわれは考えない、ということだ。自らの未来の選択は、ベネズエラ民衆の自由で、独立した、民主的な決定に委ねるべきだ。

ベネズエラの否定できない政治的、社会的、経済的諸問題の解決は、「民主主義と人権」を守るという彼らの主張では完全に信用を失っている帝国主義者によるあらゆる介入のない形で、民主的な方法ではじめて可能になる。

確かに、民衆の重要な諸層は、この国の非常に深刻な経済情勢に、また政府が抱える諸困難や諸矛盾、また誤った諸決定に憤激を覚え、クーデターを支持して街頭に繰り出している。しかし悲劇だが、民族の寡頭支配層、また国際的な反動的でネオファシストですらある帝国主義諸勢力の指揮下に自らを置くことによっては、彼らは、ベネズエラにおける経済的、社会的情勢、また人権状況をいかなる意味でもよくする道には向かえない……、ということだ。

現時点であらゆることは、このクーデターを遂行中の者たちが内戦の押しつけ、あるいは外国の諸大国による直接介入を試みつつある、ということを示している。そしてそれらのことは、この国の問題を悪化させるにすぎず、アメリカ大陸と世界中での右翼と極右による政治的攻勢の深刻化に導くだけだろう。

軍事紛争は、この地域にとって破局的となり、この国の原油資源に対する大手国際寡占資本による支配を求める新たな聖地奪回に扉を開くだろう。米国によるイラク占領が引き起こした破局は、クーデターに参加する者たちがその方向を変えることができない場合、ベネズエラおよびこの地域全体で起こり得ることに関し一定の予感を与えるのだ。

われわれはあらゆる革命的、進歩的、民主的諸勢力に、この帝国主義者の最新版介入に対決して決起するよう訴える。そして、投票箱を通して表現された多数派の意思を尊重しつつ、軍事介入の脅威なしに、また経済的サボタージュから解放されて、自らの政治的、社会的、経済的諸問題を民主的かつ平和的に解決する点で、ベネズエラ民衆の主権を擁護するよう訴える。

ベネズエラのクーデター反対!

ベネズエラの危機に対する反帝国主義的で、独立した解決を!

(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年一月号) 


トランプの勝利は中東にとって何を意味するか

trump2_18_16トランプの勝利は中東にとって何を意味するか

ジルベール・アシュカル

2016年11月11日


 米国の新大統領ドナルド・トランプの対外政策一般、そしてとりわけ中東政策は、彼の国の海外に向けてその帝国的政策を一九世紀末に開始して以来、この職についた者の中で最も予測不可能な人物としてきわだった存在である。

 トランプは自ら矛盾に満ちており、幾つかの問題に関して選挙期間中も立場や調子を変えていった。しかしここ数年の間、彼が執拗に繰り返してきた幾つかの重要なテーマから考えれば、彼が大統領の任期中、中東に関してこだわっているだろう問題点を推測できる。

 彼の大統領への選出によって、最初に悪影響をこうむるのはシリア民衆となるだろう。米国へのドアはシリア難民に対して、キリスト教徒を例外として閉ざされてしまう。トランプのシリア難民に対するアジテーションは、つねにイスラム嫌悪(イスラモフォビア)を中心としているからだ。

 シリアからの難民流出を完全に止めるために、トランプは国境に「安全地帯」を作ることを主張している。居場所を奪われたシリア人たちは。そこで難民として海外への出国を許されるのではなく、一つにまとめられる。彼はアラブ湾岸諸国がそのための費用を払えと叫んでいる。メキシコとアメリカの国境に彼が作れと言っている「壁」の費用をメキシコに払わせる、というのと同じだ。

 トランプは第二に、ロシアの利害に協力することを基礎にロシア大統領ウラジミール・プーチンとの新たな友好・協力政策を出発させるだろう。これは中東において、シリアでのロシアの役割を積極的なものとして受け入れ、バシャル・アル・アサド政権を「より少ない悪」として受け入れることを含む。

 それは論理的には、この地域における米国の同盟者に対して、シリアの武装反対派への支持をやめるよう求めることを含む。ワシントンはその時、モスクワとともに「和解」政権の「反対派」メンバーを含むシリアの「連合政府」の共同スポンサーとなる。それは「テロとの戦争」の名の下に米国がアサド政権と協力する道を開くことになる。

 プーチンとともに権力の座にある「強い政治家」を支持する政策を採ることによって、トランプは、エジプトのアブデル・ファタハ・エル・シシ大統領とトルコのレイップ・タイイップ・エルドワン大統領の双方とワシントンとの関係を改善しようと望むだろう。

 彼は二人の男との間のフェンスを修繕し、二人をなだめすかして「テロリズム」に対する共同の努力を支持させることになる。それは二人の大統領がかれらの国で行っている「テロリズム」の定義を受け入れることになる。

 トランプがオバマ政権によるイランとの間の核交渉を廃棄しイランを敵に回す用意を示した以上、彼はサウジアラビアを引き入れてワシントンが支援するアンカラ(トルコ)、カイロ(エジプト)、リヤド(サウジアラビア)のスンニ派トライアングルに加わらせるよう試みるかもしれない。

 中東に向けたトランプのビジョンの原則的自己矛盾がここに存在する(彼の中国への敵対的スタンスは彼のグローバルビジョンの原則的自己矛盾なのだが)。それに打ち勝つにはモスクワ(ロシア政府)とアサド体制をテヘラン(イラン)との決裂に誘い込むことが必要である。

 最後に、トランプの下でワシントンとの関係が大きく改善されるだろうもう一人の地域的「ストロングマン」がいる。イスラエル首相のベンジャミン・ネタニヤフである。こうしてトランプが大統領に選出されたことによるもう一つの直接的犠牲者は、パレスチナ民衆である。ネタニヤフは、二〇〇一年九月一一日の攻撃の後のアリエル・シャロン以来のどのイスラエル首相よりも、パレスチナ民衆への対処においてより多くのフリーハンドを与えられることになるだろうからである。

(「インターナショナルビューポイント」ウェブ版二〇一六年一一月号)

【トランプ当選に際しての米社会主義組織の声明】右翼を打ち破るために左翼の建設を!

Cw8rJTJWgAAONLP(トランプ当選の報とともに「トランプ打倒」の大きなうねりが全米で巻き起こった。写真はマイアミにおける高速道路占拠)

 以下は米大統領選挙結果についての社会主義組織「ソリダリティー(連帯)」執行委員会の声明。「ソリダリティー」は米国における第四インターナショナルの支持組織。

右翼を打ち破るために左翼の建設を!



ソリダリティー執行委員会


2016年11月10日



 以下は米大統領選挙結果についての社会主義組織「ソリダリティー(連帯)」執行委員会の声明。「ソリダリティー」は米国における第四インターナショナルの支持組織。



 われわれは全世界の幾億の人びとと同様に、今朝目覚めて、ドナルド・トランプが米国大統領になったことにうろたえ、恐れおののいた。民主党やヒラリー・クリントンについてそれぞれがどのように考えていようと、投票した人の多数がトランプに投票したなどとは誰も信じたくなかった。トランプの勝利は、勢いを増しているポピュリスト右翼のグローバルなあり方であり、同じように予期されなかったイギリスの「ブレグジット(EU離脱)」投票の軌跡に従うものだった。トランプはマリーヌ・ルペン(フランス国民戦線の代表)のような欧州における右翼民族主義指導者たちの祝意を浴びている。

 今回の選挙で生み出されたものは、部分的には明らかに白人優位主義の表現である。しかしそれだけではない。選挙でクリントンがほぼ間違いなく代償を支払わされることになった戦場である、斜陽化した鉄鋼業が広がる州(ラストベルト=赤さびたベルト地帯)では、二〇〇八年と二〇一二年の選挙でオバマは二〇一六年のクリントンよりも白人有権者の中で明らかに好成績を残した。それは、今回の投票結果が単純に白人有権者のレイシズムのためだという意見よりも、もっと複雑な事態を示すものだ。

支配階級の新自由主義の政治が、数十年にもわたって全国と全世界で勤労人民の生活とコミュニティーを荒廃させてきたことが事実なのであり、ヒラリー・クリントンは多くの人びとによって、支配階級のエスタブリッシュメントの権化として、正しくも見なされている。多くの白人にとって、そうしたことが生み出した恨みは、レイシスト的で外国人嫌いの怒りという形を取っているが、その根っこはもっと広いものであり、レイシストの逆襲に打ち勝つためには、左翼はこうした事態を引き起こした根源を正しく指し示さなければならない。



悲しむべきことに、共和党の既得権層はドナルド・トランプの右翼ポピュリズムに対して自らの党をコントロールすることができず、民主党は新自由主義のセンターに危険を侵して倍賭けした。民主党全国大会は、あらゆる手段でバーニー・サンダース―-ポピュリストである彼はあらゆる世論調査でクリントンよりもよくトランプと対抗できるとされており、トランプが助長していたのと同様の経済的不安をかきたてていた――が候補として指名されないよう全力をつくした。

 ほとんど誰もが良いとは感じない候補者のために非民主的な道を切り開いた民主党は、左派や有色人種からの投票を当然のことと想定した上で、大統領選で保守派の有権者の票を獲得しようと追求したのである。民主党全国大会は、共和党大会の予備選でトランプが勝利するよう促し、そうすることで大統領選挙の本番において民主党が、それほどレイシスト的ではない保守派の票を獲得して勝利することがたやすくなるとふんでいた証拠が存在する。

 その一方で、緑の党――民主党よりも左に位置する最も目につくオルタナティブ――は大統領選で一%に満たない票しか獲得できなかったようである。この結果も、緑の党を左翼の党として建設しようと追求していた人びとにとって失望をもたらすものだった。その多くは五%の得票を目標にしていたが、実際の得票数は民主党の支持者あるいは無党派で、投票せず家から出なかった人びとや、さらに悪いことに船を飛び越えてトランプに投票した人の数よりも少なかった。

 簡単に言えば、米国の政治の中で左翼は空白となっている。まともな分析のどれも、民主党の大統領候補選びには最善の場合でも人間の顔をした新自由主義以上の存在はいなかった、とは結論づけていない。あらゆる人口統計とすべての政治的領域で見られた大衆的不満を生み出したものは、まさにこうした政治なのである。「どいつも同じ」という気分を促し、解決への期待を低めたのは、解決策を提起しなかったためであり、あらゆる左翼オルタナティブの不在こそ、少なくとも選挙期間中は不満のはけ口が右翼の側に流れていくことを確実にさせてしまったのである。



 われわれは、トランプに代表される白人至上主義とナショナリズムの極右的言説を打ち負かさなければならない。われわれの生命は、まさにその点にかかっている。しかし右翼を打ち負かす唯一の道は左翼の建設である。われわれは支配階級が選んだ候補者とかれらの新自由主義的課題を背後にして、より大きな統一を構築することでは、この闘いに勝利することはできない。何か悪いことへの恐怖から、この選挙でクリントンに勝利をもたらすに十分な多くの人びとを結集したとしても、あるいは彼女のような誰かのために二〇二〇年に同じことをしても、問題を先送りするだけで、右翼は強くなり続けるだろう。それではわれわれが勝利し、よりよい世界を作るために必要なパワーを築き上げることにはならない。

 そうするためには組織化が必要である。地域レベルから始めて、選挙政治において意味ある介入手段を左翼に与える、真に独立した政治的パワーを作り上げることが必要だ。リッチモンド進歩連盟は、その一例だ。同連盟は昨日、カリフォルニア州リッチモンド市政府で多数を獲得する三つの選挙で勝利した(訳注:米国西部カリフォルニア州のリッチモンド市は、人口一〇万人。同名の東部バージニア州のリッチモンド市とは別)。それは草の根の選挙パワーがどのようなものかの例証だ(こうした活動に参加する一つの方法は、二〇一七年三月三日から五日までシカゴで開かれる左派選挙会議に参加することだ)。

マサチューセッツ州の州民投票で、教員組合が主導する運動がチャータースクール(公設民営校)の拡大を求める大量の資金を投入したキャンペーンを打ち負かしたことも、われわれが新自由主義的民営化に反対して組織化をする時、何ができるかの励ましとなる例である。

われわれは、「黒人の命は大事」運動、ダコタ・アクセス・パイプラインに反対するスタンデイング・ロック・スーと連帯する闘い(訳注:スー族などスタンディング・ロックのアメリカ先住民保留地を通る環境破壊の石油パイプライン計画に反対する運動)、移住民の権利擁護グループなど、トランプの構想や極右のトランプ支持者の暴力による被害を最もこうむりやすい人びとにパワーを与える闘いを支援する必要がある。

現場の一般活動家が先頭に立つ社会的公正を求める組合活動、さらには階級的連帯による労働者の団結を可能にし、白人労働者の中でのレイシスト的・右派的語りを打ち破る新しい刷新的形態での組織化を含めて斬新な労働者階級の組織を作り出すことも決定的に重要である。

最後に、われわれは革命的組織を作る必要がある。現在、世界でわれわれが直面している恐るべき諸力の配置の究極的な解決のためには、それを支え、その衝撃を形づくっている資本主義と白人優位主義、ならびに異性愛的家父長主義のシステムを打倒するほかない。社会主義組織なしに社会主義世界を勝ち取ることはできない。われわれは、それが「ソリダリティー」であろうと別のグループであろうと、革命組織を見いだし、参加し、その建設にかかわり、公正な世界のために闘っているすべての人びとを強く励ますものである。

現在、われわれすべてが次に何が来るのかについて恐れており、われわれすべてが、友人、家族、同志たちの感情的・肉体的健康を確保するようチェックする必要がある。しかしわれわれは、闘い、勝利することができる活気にあふれた反資本主義左翼の再建を明日まで待つ余裕はない。われわれは心の底から、今日、多くの人びとが語る言葉に同意する。悲しむことなかれ、組織せよ!



2016年11月9日



「イスラム国」とアメリカの空爆について米左派の論評

無題今問題になっているISISと米国のイラク爆撃についての米国の同志の分析です。
…………

からまった帝国主義のクモの巣

デービッド・フィンケル

http://www.internationalviewpoint.org/spip.php?article3599

 帝国主義は、自ら解決できない危機を創り出す。これこそオバマ大統領が九月一〇日に行った演説が最終的に残したものである。それはシリア、イラクからアフガニスタンなどにつながる破局の連鎖なのである。米国が次の中東戦争に滑り落ちるなかで、今度こそ違ったものになると期待できる理由などあるのだろうか?

 テロリズムからエボラ出血熱にいたる、あらゆるグローバルな危機と闘う米国の「リーダーシップ」に関する、型にはまったたわごとはさておき――水責めの拷問、「異常な演出」、アフガニスタンやイエメンの結婚式パーティーを一掃する無人機爆撃、ガザへの連続的虐殺のためのイスラエルへのF16やヘルファイヤー・ミサイルの提供などでのわれわれの前衛的役割は知ったことではない――、オバマ大統領は少なくとも、イラクの石油収入で支払われる速やかで値段のかからない勝利というジョージ・W・ブッシュのウソを再利用してこなかった。オバマの演説は、敵を「弱体化させ、究極的に破滅させる」には時間とカネとリスクが伴うことを明らかにしている。

 

二〇一四年九月一〇日、オバマはイラクでの新たな米軍配備を発表した。

 オバマは、実際には一つの国名も名指しをしないまま、同盟諸国の広範な連合について語った。一五〇〇人ほどの米軍「顧問団と訓練員」の派遣という大統領の発表は、確かに婉曲な響きがする。しかし戦術的な意味では、彼が概括した限定的で特殊な目的は確かに達成可能である。しかしイラク、シリア、そして地域全体で次に何が起こるかは、巨大な戦略的空白状況を招くことになる。

 自称「イスラム国」なるものが、全体主義的でジェノサイド的存在であることは疑いない。しかしこの怪物は真空から生まれたものではなく、一部の頑迷な賢者がわれわれに信じ込ませたように七世紀のイスラムの教義から生じたわけでもない。それはむしろナチズムとマフィアの現代的混合である。そこではヒトラーを権力の座につけたドイツの強力な産業的基盤、あるいはコーザ・ノストラ(米国のマフィア)に無辜の非戦闘員の大虐殺を一般的には抑制させる社交儀礼を欠いているのだが。

 もともとの呼ばれ方からすれば「イラクとアル・シャムスのイスラム国」(ISIS)、そしてかつての「メソポタミアのアルカイダ」は、二〇〇三年の米国の侵略によるイラクの破壊の直接の産物であった。第一次大戦後のドイツに強制された屈辱と経済的破壊からナチスが登場したこととおおまかに類比すれば、アルカイダのイラク支部は、イラク国家と支配政党のバース党を解体し、スンニ派主導の軍を廃止し、それを破壊された国家の諸機関に真空状態で置き替えた、ジョージ・W・ブッシュ、ディック・チェイニー、ドナルド・ラムズフェルドの「偉大な」決定から生み出されたものだ。

 「産業的」スケールでの宗派間の殺害が続き、シーア派・スンニ派の混住地域は消滅し、イラクは内戦の中でほとんどメルトダウンしてしまった。そして米国の占領は惨害の中で泥沼にはまり込んでしまった。二〇〇六年から〇八年にかけて、米国はスンニ派の部族指導者にカネを出し、アルカイダに立ち向かわせて大きな成功を収めた。しかし資金が干上がる中で、ブッシュ、つづいてオバマの政権は、腐敗した宗派主義者のアル・マリキ政権に依存し、米国の戦闘部隊は不可避的に撤退した。ジャーナリストのロバート・フィスクは、米国の占領のきわめて初期に、先見の明ある言葉でこの物語を要約している。「米国はイラクから去らなければならない。米国はイラクから去るだろう。そして米国はイラクから去ることができない」。

 そうした中で、アラブの春が二〇一一年にもたらされ、シリアで民衆蜂起が起こり、アサド政権がそれに大規模な軍事的残虐性によって対処した時、米国は政策的ワナにとらわれた。米国政府とその地域的同盟国は「アサドは退陣しなければならない」と宣言しつつ、反乱の結果を恐怖していた。その結果、ゆるやかに組織されていた「自由シリア軍」(穏健な反対派)の指導者たちは、アサドはイラン、ロシア、レバノンのヒズボラから全面的な支援を得ているのに対し、西側はかれらを支援するが実際にはかれらが失うものを補充する援助だけを与えている、という印象を持っていた。

 シリアの悲劇の中から「メソポタミアのアルカイダ」の残党が立ちあがり、ISISという新名称の下にアサド政権と一定の戦術的共謀を行った(ジハーディストの囚人の釈放、ISISが接収した油田の秘密の購入をふくむ)。そしてイラクが混乱状況に舞い戻った時、イラク北部に乱入してモスルを奪取し、捕虜にした兵士数百人を処刑し、キリスト教徒とヤジディ社会(訳注:ヤジディ教はイラク北部のクルド人の民族的宗教とされる)で虐殺を行い、この暴虐行為をメンバー募集ビデオとして撮影し、「イスラム国」として征服を拡大するという願望をはっきりと言明したのである。

 

 次は何か? 米空軍はクルド人勢力や部分的に再編されたイラク軍とともにISISによるこれ以上の領土征服の勢いを鈍らせるだろう。支配の空白領域で拘束されたかれらの輸送部隊は全滅させられる可能性がある。かれらの武器が倉庫に置かれている限り、破壊される可能性がある。ISISは自らの武器産業を持ってはいない。非スンニ派社会における、初期的段階でのジェノサイド的絶滅はほとんど予防できる。そして外国からのジハーディスト青年の流入は、トルコが国境管理を厳しくし、そしてとりわけ「イスラム国」がもはや勝ちそうもないと見られれば、減少することになるだろう。

 クルディスタン地域政府とペッシュメルガ(訳注:イラク・クルド人ゲリラ部隊)武装勢力は、その弱点にもかかわらず、ISISの脅威に対して抵抗するとともに、かれら自身の自由のために闘っている。かれらは、それが手に入れられる場合にはどこでも、必要とする援助への権利を有している。住民たちののど元に突きつけられたISISのナイフを押し戻すために、かれらは最も重要な「地上兵力」なのだ。

 これらは多かれ少なかれ容易な部分である。次に起きることはもっと困難だ。情報アナリストのジョージ・フリードマンは次のように指摘している。

 「イスラム国は勢力を分散させ、非軍用航空機を標的にするのを否定するだろう。イスラム国支持者と他のスンニ派グループを区別し、支持者を殺害してイスラム国を打ち負かそうとするのは、最初の段階で失敗に終わるだろう……。今やかれらはスンニ派社会の網の目の一部であり、スンニ派社会だけがかれらを根絶できる」

 このことは明らかに事実である。ISISはイラクのモスル、ファルージャ、シリアのラカアといった都市に根を下ろし、空爆では打ち負かされない。

 要するに、イラク新政権(依然として重要閣僚の穴は埋まっていない)がアル・マリキ政権の閣僚の入れ替えのようなものになり、米国がシリアの政権――その軍事力、市民への残虐性は、その度合いにおいて「イスラム国」を超えている――と協力するようなことになれば、スンニ派ジハーディストの言説が確認され、ISISはもはや征服軍ではないかのように、かれらの影響力は持続的なものとなり、その病巣が転移することになる。



 注意を払っている誰もが、最近の経験から多くの教訓を得ている。オサマ・ビン・ラディンを殺害したオバマ大統領の大きな成功は、何も変えなかったことが明らかになった。何か変化があったというなら、CIAの協力組織がビン・ラディンを追い詰める中でポリオ・ワクチン注射プログラムを創り出したことが、パキスタンの極端な原理主義者にワクチン注射の労働者を殺害する口実を与え、公共保健に深刻な事態を招いている、ということだ(訳注:CIAによるビン・ラディンの捜索・特定にあたっては住民への肝炎ワクチンの投与が口実として利用された。そのためタリバンはワクチン投与活動を攻撃するキャンペーンを行っている、と報じられている)。

 オバマが米国の「スマート・ウォー(訳注:コンピューター情報戦争)」と考えたアフガニスタンでのブッシュの戦争は、想像できるかぎり最悪に近い形で終わろうとしている。米国の無人機爆撃は。イエメンやソマリアで起きたことを改善したという彼の主張は、幻想の飛翔である。

 正直になろうではないか。強いリーダーというオバマ大統領のイメージは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフが幾度もくりかえしオバマを失望させたことで、ほとんど高まらなかった。

 バランスをとることがほとんど不可能に見える、地域の政治的・宗派的紛争は、この新しい介入と米帝国のグローバル政策が直面する手に負えない矛盾の始まりに過ぎない。それはさらに拡大している。今やイランとの協力がイラク軍を保持する上で不可欠である。それはアサドを弱体化させる米国の意図にとって何を意味するのか。あるいはイランの核開発計画に関わる交渉にとってどういう意味を持つのか。代理人を通じたロシアの東ウクライナ占領によって混乱の淵にある欧州、そしてロシアが天然ガスの供給を削減すればこの冬に闇の中で凍える恐れに直面している欧州.を抱えるオバマ政権は、一度にいくつも複合的に起きる危機に対して、どのように「指導性を提供」しようとしているのか。

 大気中の二酸化炭素濃度が三九六ppmという不気味なレベルに達し、地球を荒廃させる気候変動の影響が戦争によって悪化するだけだという時に、こうしたことが起こっているのだ。帝国主義のグローバルなテロは、タリバンから「イスラム国」に至る、醜悪な、地方的かつ領域的な片割れを生み出したのである。破壊された社会で生じるテロリスト勢力は、不可避的にかれらを育むグローバルシステムを根こそぎにしないかぎり根絶できないのである。(二〇一四年九月一二日)

▼デービッド・フィンケルは米国の社会主義雑誌「アゲンスト・ザ・カレント(流れに抗して)」編集長。

(「インターナショナルビューポイント」編集長)

Occupy Wall Street-ウォール街を占拠せよ ニューヨーク声明

全世界に強いインパクトを与えている「Occupy Wall Street-ウォール街を占拠せよ」運動のデモ参加者によって9月29日に採択された声明を翻訳して転載します。


▲10月1日のブルックリン橋占拠闘争と700人に対する大弾圧




ニューヨーク市民総会(フリーダム公園)の第一「公式」声明

[原文 "Declaration of the Occupation of New York City"
http://nycga.cc/2011/09/30/declaration-of-the-occupation-of-new-york-city/]



これは9月29日午後8時ごろに、「ウォールストリートを占拠せよ」の全メンバーの投票で、満場一致で採択された。これは私たちの最初の、公式発表用の文書である。私たちはこのほかに3つの声明を準備中であり、まもなく発表されるだろう。それは(1)諸要求の宣言、(2)連帯の原則、(3)あなたがた自身の「直接民主主義のための占拠グループ」を組織する方法についての文書である。



ニューヨーク市の占拠の宣言



私たちは、大きな不公正に対して感じていることを表現するために連帯して集まっているこの時、何が私たちを結集させたかを見失ってはならない。私たちは、世界の企業勢力によって不当な扱いを受けていると感じているすべての人々に、私たちがあなたがたの味方であることを知らせるためにこの声明を書いている。



団結した1つの人民として、私たちは、人類の未来がその構成員たちの相互協力を必要としており、私たちのシステムは私たちの権利を守らなければならず、そのシステムが腐敗している時には、それぞれの個人こそが自分たちや隣人たちの権利を守らなければならず、民主主義的政府の正当な権力は人民に由来するが、企業は誰に同意を求めることもなく人民や地球から富を簒奪しており、民主主義のプロセスが経済権力によって決定されている間はいかなる真の民主主義も実現不可能であるという現実を認識している。



私たちは、人民よりも自分たちの利益を、公正よりも利己的な関心を、平等よりも抑圧を優先するさまざまな企業が私たちの政府を動かしているこのとき、あなた方に呼びかけている。私たちは次のような事実を知らせるために、ここに平和的に集まっており、それは私たちの権利である。



あの人たちは違法な差し押さえ手続きによって私たちの住宅を奪った。もともとの抵当権など持っていないにもかかわらずである。



あの人たちは納税者のお金で救済され、免責され、今まで通り役員たちに法外なボーナスを与え続けている。



あの人たちは職場の中に、年齢、皮膚の色、性別やジェンダー・アイデンティティー、性的指向をもとにした不平等と差別を永続化してきた。



あの人たちは怠慢によって食糧供給を汚染し、独占化を通じて農業システムを崩壊させてきた。



あの人たちは人間以外の無数の動物たちを苦しめ、閉じ込め、虐待することによって利益を上げ、そのことを隠してきた。



あの人たちは従業員から、より有利な賃金やより安全な労働条件を求めて交渉する権利を奪おうとしつづけてきた。



あの人たちは学生を教育のための何万ドルもの借金に縛り付けてきた。教育は人権であるにも関わらずである。



あの人たちは継続的に労働者をアウトソーシング(外注化)し、それを梃子として労働者の健康保険や賃金を切り下げてきた。



あの人たちは企業に人民と同等の権利を与えるように裁判所に圧力をかけてきた。いかなる刑事責任も社会的責任も負わせることなしにである。



あの人たちは健康保険に関する契約を免れる方法を見つけるために、何百万ドルものお金を法律対策チームのために使っている。



あの人たちは私たちの個人情報を商品として売っている。



あの人たちは報道の自由を妨げるために軍隊や警察を使ってきた。



あの人たちは利益追求のために、生命を危険にさらすような欠陥製品のリコールを意図的に拒否してきた。



あの人たちは自分たちの政策が破滅的な結果をもたらし、現在ももたらし続けているにもかかわらず、いまだに経済政策を決定している。



あの人たちは自分たちを規制する立場にある政治家たちに巨額の献金をしてきた。



あの人たちは代替エネルギーへの移行を妨害し、私たちを引き続き石油に依存させようとしてきた。



あの人たちは人々の生命を救うことができるジェネリック薬の普及を妨害しつづけている。これまでの投資を守るためと言っているが、それらはすでに莫大な利益を上げている。



あの人たちは利益を守るために石油の漏出や、事故、不正経理、添加物を意図的に隠してきた。



あの人たちはメディアの支配を通じて意図的に人々に誤った情報と恐怖を植え付けている。



あの人たちは囚人を殺害するための民間契約を承認してきた。容疑についての重大な疑義が提示されている場合にさえである。



あの人たちは国内でも国外でも植民地主義を永続化してきた。



あの人たちは国外において、罪のない市民の拷問と殺害に関与してきた。



あの人たちは政府からの調達契約を獲得するために、大量破壊兵器を生産し続けている




(・・・私たちの不満はこれに尽きるものではない)



世界の人々へ



ウォールストリートのリバティー広場を占拠している私たち、ニューヨーク市民総会はあなた方に、あなた方の力を行使することを促す。



あなた方の平和的に集会を開く権利を行使し、公共の空間を占拠し、私たちが直面している問題に対処するプロセスを作り出し、すべての人々に届く全体的な解決策を作り出そう。



直接民主主義の精神において行動を起こし、グループを形成しているすべてのコミュニティーに対して、私たちは提供可能なあらゆる支援、文書、およびすべての資材を提供する。私たちと共に、声を上げよう!
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

「最新トラックバック」は提供を終了しました。
  • ライブドアブログ