虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

政治情勢

報告 : サンゴをつぶすな!海を殺すな!

IMG_1829 四月八日午後六時半から、東京・文京区民センターで「サンゴをつぶすな!海を殺すな!辺野古新基地建設の強行を許さない4・8首都圏集会」が辺野古への基地建設を許さない実行委の主催により開かれた。四三団体が賛同し、二四〇人が集まった。

 沖縄の闘いの歌「座り込め!ここへ」「沖縄いまこそ立ち上がろう」を歌い、集会が始められた。吉田さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が「今からが本番です」という三月二五日キャンプ・シュワブ前集会での翁長知事の発言を紹介し、「岩礁破砕許可が切れたが、国は工事を行っている」ことを糾弾し、なおかつ普天間基地の五年以内の停止についても守っていないと批判し、翁長知事の埋め立て撤回を支持し、基地建設を止めよう」と主催者あいさつをした。

 次に安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会・共同代表)が沖縄報告を行った。

 安次富さんは「二〇年の闘いを振り返る。辺野古・高江……沖縄のいま」と題して、パワーポイントを使い、県知事から名護市長、すべての国会議員が基地に反対する議員で占められ、連日の辺野古基地建設に抗議行動を起こす力の源泉は何かを分かりやすく解き明かした。

 「翁長さんも最初は辺野古移設に賛成だったが、沖縄のあきらめない、不屈のものすごい時間をかけた闘いによって反対になった。これが沖縄の底力だ。そして、スーパー金平では新入社員が辺野古の座り込みの激励に来ている。こんな会社他にありますか。これが沖縄で起きていることです」。

 「私たちの目指すものは、沖縄差別を打破し、自己決定権の確立へ。◦非暴力不服従闘争による平和的生存権を獲得する。◦沖縄が日米両政府による侵略戦争の加害者側に立つことを拒否。◦東アジアの人々と共に、東アジアの平和的共同体を創る!」。

 続いて、首都圏の地域からの報告。神奈川「島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会」。「二〇一五年島ぐるみ会議全国キャラバンを受け入れて結成した。講演会やニュースの発行、神奈川県警帰れの申し入れ、沖縄現地派遣(二〇一六年五〇人以上)を行っている」。

 千葉「沖縄と千葉を結ぶ会」。「千葉県警帰れの住民監査請求を九一一人で起こしたが、却下されたので、発展的に結ぶ会を発足させた。発足集会には二〇〇人が参加」。

 パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委。「PAC―3が配備されて一〇年になる。今まで無駄に税金一兆六〇〇〇億円が投入されている。また、自衛隊木更津駐屯地をオスプレイ整備の拠点にしようとしている。日米の軍事一体化がより進められることに反対しよう」。

 東京「〈語やびら沖縄〉もあい練馬」。「『沖縄戦を考える練馬の集い』の枠を恒常的なものにするために、もあい練馬を作った。考える集いは毎年行っている。そして沖縄と東京北部を結ぶ集いや首都圏一六地域とのつながりで自治体への一斉請願・陳情も行っている。道の初めて出会う参加者とのつながりを大切に」。

 山城さん釈放時の映像も流された。

 後半は、沖縄と結ぶ各運動団体からとして以下の団体が発言した。「ゆんたく高江」、「一〇年間高江のことを伝えてきた。一六〇人しか住んでいない所での攻防だ。ヘリパッド工事はずさんであったため、八月まで延長されている。N4は完成し、民家から四〇〇メートルしか離れていない所で離着陸訓練が行われている。とても人が住める所ではなくなっている。厳しい現実を知ってほしい。連帯していきたい」。

 「Stop!辺野古埋立てキャンペーン」、「大成建設は戦前から基地建設を行ってきた企業だ。戦後は米軍基地や空港建設を行ってきた。今回辺野古の埋め立てに重要な役割をしている。抗議が来るのをいやがっている。昼休みのスタンディングや抗議デモを続けていきたい」。

 「基地のない沖縄をめざす宗教者の集い」は「三月一五日、山城さん釈放の宗教者一四〇〇人の賛同署名を提出した。この運動はニューヨークにも広がり九五人が日本の総領事館に署名を提出した。さらにマサチューセッツ州のマクガバン下院議員は、辺野古基地建設が環境に及ぼす影響を心配し、辺野古に行きたいと言っている」と紹介した。「辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク」「警視庁機動隊の沖縄への派遣中止を求める住民監査請求実行委員会」「沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志」と発言が続いた。

 最後に辺野古実の中村さんが「①ゲート前座り込みは少ない時もある。沖縄に行こう②4・19日比谷野音集会に参加しよう。山城博治さんも参加予定。4・29女性殺害一周年集会、5・1定例防衛省行動への参加」と行動提起した。豊岡マッシーさんの沖縄の歌で会場全体が一つにまとまった。

(M)

報告 : 4.3防衛省定例申し入れ行動

IMG_1817 四月三日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会呼びかけの定例月初め、防衛省申し入れ行動が開かれた。突然の大雨と雷雨があり、冷たい陽気であったが元気に行動を行った。

 参加者の仲間たちが次々にスピーチ。MXテレビのデマ宣伝を抗議する仲間、「二月二九日に、回答を寄越したが訂正する意思を示さない不誠実なものであった。今後も訂正番組を求めて行動を行っていく。四月一五日午後一時新宿駅東口アルタ前広場集合、午後二時からデモへ参加を」と呼びかけた。

 神奈川機動隊の沖縄派遣の中止を求める住民監査請求運動の仲間、「監査請求は却下されたが住民訴訟はしない。県議会の中で追及していく」。「沖縄の元海兵隊員による性暴力・殺害から1年」基地・軍隊はいらない!4・29集会の呼びかけの後、三月二五日の沖縄県民集会に参加した花輪さんが報告した。

 「高江・辺野古に行ってきた。三月二五日の集会には三五〇〇人が集まり、山城博治さんが集会前に、力強いあいさつをした。翁長県知事が公式に参加し、公有水面埋め立てを撤回すると表明した。岩礁破壊許可取り消しについて、裁判も視野に入れている。計画の変更は知事の承認を求めなければならない。知事・市長の権限によって埋め立てを止めることが出来る」。

 「高江のオスプレイパッドは手抜き工事によって、まだ完成していないので使用できない状態だ。三月~六月までノグチゲラの繁殖期で重機を使えない。機動隊は撤収し、アルソックがゲートを警備している。N1テント前で監視行動を行っている。自然を再生させる。北部訓練場全体の返還を」。

 土砂搬出反対首都圏ネットの仲間が土砂採取による環境破壊問題を批判した。その後、沖縄から安次富浩さんが電話を通じてアピールした。

 「四月一日、岩礁破砕許可が切れた。雨の中、抗議行動にたくさんの人が参加した。県は調査船を出して、岩礁破壊をしていないか調べている。あらゆる手段をもって埋め立てを止めていくと知事が言明した。しっかり支えていく。県警による座り込みに対してごぼう抜き排除が進められている。工事を止められるはたくさん人が集まるかどうかにかかっている。決してあきらめない。現場での闘いを行う。どんなに厳しくても不屈の精神で闘う」。

 「森友学園、南スーダン自衛隊日誌隠しなど、安倍政権は法を無視している。沖縄で起きていることと同じだ。反核、反原発、共謀罪との闘いは沖縄とつながっている。安倍を倒そう」。辺野古実が行動提起した後、防衛省に向けて抗議のシュプレヒコールをあげた。今回申し入れは「ピースニュース」が行った。次回は五月一日午後六時半から、防衛省正門前。

(M)

報告 : 「岩礁破砕の期限は切れた 辺野古埋め立ては違法だ」3.31新宿デモ

IMG_1796 三月三一日午後六時半から、東京・新宿駅東口アルタ前広場で「岩礁破砕の期限は切れた 辺野古埋め立ては違法だ 米軍基地建設、即時中止せよ」新宿デモが沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの主催で開かれ、冷たい雨の中一八〇人が参加した。

 大仲尊さんが主催者あいさつを行った。

 「辺野古新基地建設に必要な辺野古・大浦湾の岩礁破砕許可権限を沖縄県知事が持っている。前知事が許可した期限が三月三一日で切れる。翁長知事はそれを認めないと表明している」。

 「安倍政権は、名護漁協が漁業権の一部を放棄したとして(漁業法3条)、岩礁破砕許可の再申請をせず、工事を強行しようとしている。しかし、漁業権放棄があっても県の許可がなければ実行できないので、国は県の許可が必要という今までの見解を変えてしまった。これは沖縄差別であり民意を踏みにじるものだ。強く抗議する」。

 「日本政府の方が違法行為を行っていくことになる。三月二五日、翁長知事は初めて埋め立て許可を撤回すると表明した。すると菅官房長官は、県知事個人に対して損害賠償を行うと記者会見した。しかし、こうしたことができるという条項はない。これは県民に対するどう喝だ。来年の一月名護市長選、年末に知事選がある。辺野古埋め立ての重要な局面を迎える。辺野古へ行こう。スクラムを組もう」。

 次に宮平真弥さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が、国が見解を変えた法的中味について説明して批判した。

 「水産庁が法的見解を変えた。沖縄はどこの国だ。法律を適用しなくてもよいのか。知事個人への損害賠償請求について、実は悪しき前例がある。それは昨年一二月一五日、元国立市長の上原ひろ子さんに対して、三〇〇〇万円の損害賠償を認める最高裁判決があった。景観を壊すとして、市長が建設を認めなかったマンション建設に対して、業者が市を訴え勝訴した。市は元市長を訴えそれを裁判所が認めた。国策に従わない知事や市長を黙らせるスラップ訴訟だ」。

 「今後、翁長知事が埋め立てを撤回する。そして仮差し止めを一緒に提出すると工事は止まる。国は執行停止を申し立てる。すると裁判になり、争っている間は工事が止められる。しかし、今の裁判では負けるだろうから、時間稼ぎに過ぎない。闘いによってしか工事は止められない」。

 次に、辺野古・抗議船に乗る闘いを行ってきた加藤さんが報告した。

 「三月五日から一六日まで辺野古・高江に行ってきた。四日間船に乗って抗議活動を行った。二日目に汚濁防止膜を張る工事をやった。カヌー隊一六双ほどが抗議行動をしたが、規制線の中なので見ていることしかできなかった。今では枠を作ってそこにブロックを落としていたがそんなことを無視してどんどんやっている。キャンプ・シュワブゲート前での闘いは、朝方は人数もそろいがんばって工事車両を止めているが、昼休みや午後になると人が減り、五分で排除され悔しい思いをしてきた。みんなでがんばろう」。

 沖縄から、大城悟さん(平和運動センター事務局長)が電話でアピールした。

 「今日で岩礁破砕許可が失効する。国は許可の手続きを取らず工事を続行する予定だ。すべて違法工事だ。これは沖縄差別だ。四月一日大規模な抗議集会を行う。必ず辺野古の基地建設を止めていく。共にがんばろう。山城さんが保釈になりうれしい。必ず三人の無罪を勝ち取っていきたい。添田さんの一刻も早い釈放を求める。ボーリング調査も終えていない。闘いによって止めている。辺野古には全国の仲間が集い行動している。本当の平和と真の民主主義、真の地方自治を確立するために闘う」。

 三年前に辺野古住民となり闘っている日本山妙法寺の黒柳さんが沖縄、福島原発、共謀罪とのつながりを指摘し、連帯のあいさつをした。そしてMXテレビのデマ放送との闘い、辺野古実から今後の取り組みについて発言があり、新宿伊勢丹を通り、新宿ゴールデン街までデモ行進した。

(M)


MLホームページ: http://www.freeml.com/asia-rentai

報告:話し合うことが罪になる共謀罪法案の廃案を求める4・6大集会

6日比谷 4月6日、日比谷野外音楽堂で「話し合うことが罪になる共謀罪法案の廃案を求める4・6大集会」(共催:共謀罪NO!実行委員会、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)が行われ、3700人が参加した。

 安倍政権と与党は、4月6日、民衆監視と対テロ治安弾圧体制強化に向けた共謀罪(「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画」を処罰する罪)を新設する組織犯罪処罰法改正案の衆議院審議入りを強行した。言論の自由、結社の自由、通信の秘密、基本的人権破壊の共謀罪法案衆院審議入りを糾弾する。

 自民党と公明党は、11日の衆院法務委員会審議入りを策動している。すでに委員会には性犯罪を厳罰化する刑法改正案、債権関係の規定を改める民法改正案が提出されており、法案提出順に審議すべきところを共謀罪法案を優先して審議することを決めてしまった。衆院(週3日審議)通過を4月中、参院(週2日審議)法務委員会を国会会期末6月18日までの成立をねらっている。

 公明党は、当初、人権侵害に満ちた共謀罪法案に対して党内と創価学会の慎重派、東京都議選(6月23日告示)対策などの事情で自民党の早期の法案審議入りに対して公明党の山口那津男代表が「後から出した法案を、なぜ先に議論しなければならないのか」「慎重審議」などと常套手段の抵抗ポーズを演じた。これまで秘密保護法、戦争法、TPP法で「慎重審議」ポーズをとりながら法案成立に向けてバックアップしてきた役割を今回も貫徹した。6日の衆院本会議で安倍晋三首相は共謀罪法案が「一般の人が処罰の対象にならないことをより明確にし、これまでに示された不安や懸念を払拭できる成案がまとまった」「適用対象をテロリズム集団や暴力団などの組織的犯罪集団に限定している。正当な活動をしている団体が対象になることはない」などといつも通りのウソ答弁を行い、グローバル派兵国家建設に向けて、これまでの既遂処罰が原則の法体系を破壊し、未遂でも罰することを可能にする反動的転換に踏み出していくことを宣言した。しかも法案には「テロリズム集団その他の組織的犯罪者集団」の定義・範囲を明記せず、とりわけ「その他」の文言によって警察権力・公安政治警察の恣意的判断で277罪を適応していくことを前提に、すべての民衆を監視・犯罪者対象とし、いつでもどこでも弾圧することが可能となってしまうことも触れなかった。

 さらに安倍は、「「国際組織犯罪防止条約を締結していないのは世界で11か国、G7では日本だけで、日本が国際社会における法の抜け穴となるわけにはいかない」「条約の締結に必要な国内法整備、すなわちテロ等準備罪処罰法を成立させ、条約を早期に締結することが必要不可欠だ」と従来の答弁を繰り返した。しかし組織犯罪条約はテロ対策の条約ではなくマフィアなどの越境的犯罪集団の犯罪を防止するための条約だ。国連立法ガイドの「第5 目的」には「国の法的伝統を生かしていけばいい」と明記している。しかも日本政府は国連のテロ関係主要13条約をすべて批准しており、共謀罪を新たに立法する根拠は消滅しているのだ。

 これまでの国会審議で金田勝年法相は「(共謀罪の)成案が得られたらきちんと答弁する」などと答弁拒否してきたが、強行開催される委員会でも二転三転し、答弁いきずまりが予想される。だから政府・与党は、法務省刑事局長らの答弁を増やすことで審議を加速させようとしている。こんな審議の不誠実対応を許さず、政府・与党の法案ウソキャンペーンを次々と暴露し、全国に発信していく必要がある。

 共謀罪法案に対する各社世論調査は、共同通信社(3月11~12日)は反対が45・5%、賛成が33%、毎日新聞は(3月11~12日)反対が41%、賛成が30%だが、NHK(3月10~12日)は法整備が必要45%、必要でない11%、産経新聞とFNN(3月18~19日)合同世論調査は賛成57・6%、反対31・2%という結果だった。法案賛成派を反対派に獲得するアプローチを強めつつ、国会を包囲していく全国運動の拡大を作り出していかなければならない。4・6集会をスタートに国会審議を厳しく監視し、いいかげんな政府・与党答弁を批判しぬき、各地で反対集会を継続して取り組んでいこう。

廃案に向けて全国運動を

 集会は「共謀罪は絶対廃案!テロ対策とウソつくな!思想弾圧許さない!共謀罪は憲法違反!治安維持法絶対反対!金田法相ただちに辞任!」のシュプレヒコールで始まった。

 海渡雄一さん(共謀罪NO!実行委員会)が開会のあいさつを行い、「共謀罪法案の本質は、まだ危険な行為がなにもなされていない段階で政府に異議を申し立てる様々な市民の活動を全面的に封じ込められるところにある。今日、与党は職権で共謀罪の審議入りを強行した。この暴挙に強く抗議する。政府が平気で国会でウソをつくような社会は、戦争を避けることはできないのではないか。共謀罪制定後、さらなる盗聴捜査の拡大を求めてくる。歴史に学び、現代の治安維持法である共謀罪制定の野望の挫き、廃案を誓う」とアピールした。

 有田芳生参議院議員(民進党)は、「戦後最悪の治安立法、共謀罪が審議入りしたことに強い憤りを持って批判しなければならない。法案廃止をめざして対策本部を立ち上げ、全国キャンペーンを取り組む」と報告。

 また、「法務省に法案にテロリズム集団の定義はあるのかと聞いたら、『ありません』と答えた。法案はいいかげんだ。安倍首相は、『普通の団体が一変して組織的犯罪者集団になることがある』の例として、オウム真理教をあげた。安倍首相は『普通の宗教団体がオウム真理教のように一変して組織的犯罪者集団になるならば一網打尽だ』と言った。1995年オウム真理教の出家信者は約1000人、在家信者は1万人。まったく事件に関係ない人を一網打尽にするというのが共謀罪の本質だ」と批判した。

 続いて、田村智子参議院議員(共産党)、福島みずほ参議院議員(社民党)、山本太郎参議院議員(自由党)、伊波洋一参議院議員(沖縄の風)が国会報告と共謀罪廃案に向けて決意表明を行った。

 さらに発言は、吉岡忍さん(ノンフィクション作家/日本ペンクラブ専務理事)、青木初子さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、佐藤学さん(安全保障関連法に反対する学者の会)、山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)、高山佳奈子さん(京都大学教授・刑法)から行われ、共謀罪廃案運動の報告と今後の方向性を提起した。

 最後に福山真劫さん(総がかり行動実行委)から行動提起後、共謀罪廃案に向けた国会請願デモに移った。衆参議面前ではデモ隊と国会議員がエールを交換し、共に闘う決意を打ち固めた。

(Y)

報告:3.30森友疑惑徹底糾明!安倍内閣は退陣せよ!国会議員会館前行動

配信:3.30国会 3月30日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、「森友疑惑徹底糾明!安倍内閣は退陣せよ!国会議員会館前行動」を衆議院第2議員会館前で行い、500人が参加した。

 23日に森友学園国有地格安取得問題で衆参両院で学園の籠池泰典理事長に対する証人喚問が行われた。籠池は、安倍昭恵・首相夫人の関与を示す秘書(官僚)の谷査恵子のFAXの存在などを明らかにした。野党は、安倍昭恵の証人喚問を要求している。しかし、安倍政権は、疑惑隠しと早期収束に向けて「必要ない」と拒否し、自民党の西村総裁特別補佐は籠池発言が虚偽の疑いがあるとして偽証罪で告発する可能性を言い放った。自民党の露骨な疑惑隠しに対して公明党の大口善徳国対委員長は、「西村氏は予算委員会を代表するわけでもない。どういう立場で会見したのかあいまいだ。国政調査権の発動や偽証罪の告発などについては、あくまでも衆参両院の予算委員会の委員長と理事が権限を持っている」と言わざるをえないところまで追い込まれている。

 実行委は、安倍政権と自民党、公明党による森友学園の国有地格安取得問題隠しを許さず、徹底糾明と安倍政権退陣に向けて国会木曜行動として設定。3月9日から開始し、今回で四波になる。

 集会は国会に向けて「森友疑惑徹底糾明!国有財産私物化するな!松井府知事の喚問行え!安倍昭恵氏の喚問行え!疑惑の政治家今すぐ出てこい!安倍首相の責任重大!稲田も金田も今すぐ辞めろ!安倍政権は憲法守れ!」のシュプレヒコールで始まった。

 主催者あいさつが小田川義和さん(戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター)から行われ、「森友学園国有地格安取得に対して安倍昭恵・首相夫人と秘書がどの程度関与していたのか。大阪府が学校認知を異例の早さで認可さたれたのはなぜか。財務省はなぜディスカウントしたのか。明確にしなければならない点がはっきりしてきた。関係者の証人喚問が必要だ。いずれも極右集団の日本会議に関係している。安倍政権が進めてきた愛国心教育・憲法破壊を許さない闘いだ。共謀罪早期審議入りを許してはならない。これらを一体として取り組んでいこう」と呼びかけた。

 小川敏夫参議院議員(民進党)、宮本岳志衆議院議員(共産党)、福島みずほ参議院議員(社民党)は、この間明らかとなった森友事件の新事実等などを明らかに疑惑糾弾と関係者の証人喚問の必要性、共謀罪廃案に向けた決意表明が行われた。

 森友学園国有地格安取得問題をクローズアップさせた木村真大阪府豊中市議(無所属)と山本一徳市議(日本共産党)が登壇。

 木村市議は、「そもそも塚本幼稚園がとんでもない教育をしていることで有名だった。今度は小学校を豊中に創設することを知った。自分の町にカルト右翼学園を作ることを許せないという気持だった。安倍昭恵名誉校長、日本会議の籠池だから政権直結だ。土地の取得などでうさんくさいことをやっているだろうと調査したら疑惑が次々と出てきた。山本一徳市議とともに昨年八月に『『瑞穂の国小学院』問題を考える会』を作った。情報公開請求し、売買契約書の一部が黒塗りだったので取り消しを求める行政訴訟を行った。これが報道され、森友学園問題に発展した」と報告。

 さらに「安倍昭恵100万円寄付問題など大きな問題となっている。籠池証言は具体的だ。昭恵さんは、フェスブックで『反論』しているが、メールでは『100万円の記憶がないんですが』などと書いている。とんでもないことだ。渡したに決まっている。しかも『1人でさせてすみません』と言った。つまり、教育勅語と憲法否定する素晴らしい教育を安倍晋三と昭恵が全面的に応援しなければならないが、立場上なかなかできないので、寄付だけても貰ってくださいということだ。安倍晋三首相が関与していたことに疑いはない。きちっと責任をとってもらうぞ。22日に財務省近畿財務局に対する背任容疑で告発状を大阪地検に提出した。真相究明していこう」と糾弾した。

 山本市議は、「塚本学園では教育勅語暗唱とか、児童虐待、親たちにヘイトスピーチ文書を送っていたなどひどい教育を行っていた。その実態を大阪府私学課も知っていた。松井一郎府知事が国会に呼んでくれと言っているのだから、さっさと国会で証言してもらいたい。関係者がなぜ学校を作りたかったのか。名誉校長が昭恵さんであり、そのバックに安倍晋三がいるからだ。国会で司法で徹底的に解明していこう」と発言した。

 海渡雄一弁護士(共謀罪NO!実行委員会)は、「政府は4月6日に共謀罪審議入りを策動している。森友疑惑徹底糾明と共謀罪反対は車の両輪だ。創価学会の創立者である牧口常三郎・初代会長は、治安維持法によって獄死した。現代の治安維持法といわれる共謀罪に創価学界、公明党加担していいのかとはたらきかけている。公明党は、法案が出された順番でやるべきだと言っている。共謀罪より先に民法改正、刑訴法改正法案が出ているからだ。どこまで公明党が頑張るかわからないが、支持する。審議入りさせないための取り組みを行っていこう。4月6日、日比谷野外音楽堂で集会を行う」とアピールした。

 俵義文さん(子どもと教科書全国ネット21)は、「2012年2月、育鵬社教科書を編集した日本教育再生機構が主催したタウンミーティングのパネリストに安倍晋三元総理、松井一郎大阪府議、八木秀次理事長が参加した。安倍は、大阪市議会で審議されていた国旗国歌起立斉唱条例、大阪府議会で審議中の教育行政基本条例を支持すると表明した。壇上で安倍と松井は握手し、自民党と維新が連携して教育政策を進めることを確認した。この中身は、森本学園でやっていた教育そのものだ。モデル学園として森本学園を建設しようとしたのだ。文科省は、この間、塚本幼稚園の3人の教員を優秀教員として表彰していることに現れている。だから昭恵夫人が主人も『素晴らしい教育だ』と言っていたと語っていたのだ」と批判した。

 最後に福山真劫さん(戦争をさせない1000人委員会)から行動提起。再びシュプレヒコールを国会に向けて行った。

(Y)

報告 : 山城博治さんらを返せ 辺野古工事を止めろ3・17新宿デモ

17新宿-2 三月一七日午後六時半から、東京・新宿駅東口アルタ前に集まり、「山城博治さんらを返せ 辺野古工事を止めろ3・17新宿デモ」が辺野古への基地建設を許さない実行委の呼びかけによって行われ、二〇〇人が参加した。

 実行委の青木さんが「山城さんが逮捕されてからちょうど五カ月目の今日、第一回の公判が那覇地裁で開かれた。裁判所は運動しないようなら保釈を認めると発言した。とんでもないことだ。不当弾圧を許すな」と主催者あいさつを行った。続いて、弁護士の内田雅敏さんが二月二三日に山城さんと面会した時の様子を語った。「韓国で、大統領弾劾が盛り上がっていることが話題になり、一九一九年三・一独立運動、一九六〇年四・一九李承晩打倒革命の抵抗の精神が憲法の前文に書かれている。そうした歴史を引き継いでいること。山城の不在が運動の結びつきを強めているというなど運動の話をしながら元気づけた。保釈の条件に運動をしないことなどとんでもない。保釈は権利だ」。

 沖縄から安次富浩さん(ヘリ基地反対協)が電話でアピールした。

 「山城さんら三人の第一回公判が午前一〇時からあり傍聴した。三つの罪名で起訴された。三人は運動の壊滅をねらったものだと批判し無罪を主張した。検察のビデオ検証が行われた。完全な不当勾留であり、釈放を求めていく。リーダーが現場にいなくとも私たちの手で闘いをつくっていく」。

 「三月末で岩礁破砕許可が切れる。政府は県の許可なしに工事を強行しようとしている。これに対して、県は新たに埋立撤回の訴訟を起こす用意をしている。三月二五日、ゲート前三〇〇〇人の集会を予定している。許可なしに工事をすることに現場で徹底的に闘う。名護市教育委員会は辺野古岬の埋蔵文化財の調査をする。政府が思うようには工事は進まない。来年一月の名護市長選、来年一一月の県知事選の勝利に向けて奮闘しなければならない。うるま市長選(四月二三日投票)で、山内末子さん(オール沖縄、県議)の勝利に向けて声掛けを。絶対にあきらめない。不屈の精神で自己決定権・平和生存権を実現する。新しい基地を作らせない。普天間基地を即時閉鎖せよ」。

 日韓ネット、オスプレイの横田基地配備反対運動、警視庁機動隊の沖縄派遣をさせない住民訴訟、MXテレビ批判行動がそれぞれアピールした。今後の行動が提起された。3・31新宿デモ(沖縄反戦地主会・関東ブロック)、4・3防衛省前行動(辺野古実)、4・8文京区民センター集会(辺野古実)、4・15新宿デモ(MXテレビ抗議)。シュプレヒコールを行い、新宿駅南口に向けてデモを行った。

(M)

報告 : 埋め立て工事を強行するな!山城博治さんらの即時釈放を求める3.13官邸前抗議行動

313官邸前 三月一三日午後七時から、「埋め立て工事を強行するな!山城博治さんらの即時釈放を求める3・13官邸前抗議行動」が主催:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックで行われ、二五〇人が参加した。

 最初に、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの仲間が主催者あいさつをした。

 「山城博治さんはようやく、奥さんとの二〇分の面会が実現した。アムネスティインターナショナルは釈放の国際キャンペーンを行っているが、良心の囚人に認定しようとしている。それほど山城さんらの長期勾留は政治的弾圧だ。今、共謀罪を成立させようとしているが、これが先取的に行われているのが沖縄だ。何としても釈放を勝ち取ろう」。

 「米国はベトナム侵略戦争の時、沖縄を拠点にしてベトナムへ爆撃を行った。沖縄は戦争に加担させられた。沖縄の人の基地反対は加害者になりたくないという意識も強い。辺野古に新基地を作らせない」。

 次に、伊波洋一さん(参議院議員、沖縄の風)と福島みずほさん(参議院議員、社民党)が連帯のあいさつを行った。伊波さんは「三月一〇日、国連人権委員会で、山城さんらの長期勾留が人権侵害だと指摘された。山城さんらの即時釈放を勝ち取ろう。三月四日、辺野古ゲート前で議員行動を八〇人の参加で行った。全国と連帯しながら思いを一つにして取り組みたい。勝つまであきらめない」。

 警視庁機動隊の沖縄派遣を止めさせる住民訴訟の第一公判(3月8日)の報告があった。都は「機動隊に対して、どこにいてもカネは払うのだから違法ではない」という答弁書を出してきた。沖縄問題をまったく無視するもので許せないと話した。

 MXニュース批判行動の仲間たちは週一回木曜抗議行動を続けているが三月一九日午後六時から文京区民センターで集会を持ち、今後は各週で持続的に抗議していくと発言した。沖縄の闘いと連帯する東京東部実行委の活動報告、日本山妙法寺は二月一六日に山城さんら釈放のために宗教者共同声明を出したこと報告した。

 沖縄の大城悟さん(沖縄平和センター)が「辺野古ではダンプを止める行動をしているがそれを完全には実現できない厳しい状況が続いている。それでも思いをひとつにして、揺るぎない闘いをつくっていく。埋め立てを止めるため、子どもたちに基地を残さないたに」とメッセージを寄せた。

 その後、全国土砂搬入反対連絡会、戦争・治安・改憲NO!霞が関デモの仲間たちが発言し、練馬の公園で「土人・シナ人差別などをもじった差別落書き」が相次いでいることについての抗議声明を読み上げた。最後に辺野古実が今後の3・17新宿デモ、4・8首都圏集会への参加を訴え、五月から本格的工事が開始されるという情報も伝えられる中で、さらに闘いを進めようと訴えた。

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報告 : 2017原発のない福島を!3.18県民大集会

18福島デモ三月一八日、福島県郡山市・開成山陸上競技場で「2017原発のない福島を!県民大集会」が同実行委主催で開催され、競技場観覧席をいっぱいにする五七〇〇人が県内外から集まった。

原発事故から六年が過ぎても、福島第一原発の廃炉作業は思うように進まず、原発被災者の生活再建も先が見えていない。実行委は以下の訴えをしている。

私たちは訴えます!

●東電福島第二原発を廃炉とし、福島県では原子力発電は将来にわたり行わず、福島県を再生可能エネルギーの研究・開発及び自立的な実施拠点とすること。

●放射能によって奪われた福島県の安全・安心を回復し、県民の健康、とりわけ子どもたちの健やかな成長を長期にわたって保障すること。

●原発事故に伴う被害への賠償、及び被災者の生活再建支援を、国と東京電力の責任において完全に実施すること。

角田政志さん(実行委員長)のあいさつの後、小渕真理さん(呼びかけ人)が「原発はいらない。復興ありきの政策によって権利を安倍政権から奪われている。希望に向かって励まし合おう」と発言し、集会が始められた。

 香山リカさん(精神科医、さようなら原発1000万人アクション賛同者)が特別ゲストとして、連帯の訴えを行った。

「被災地で働く自治体労働者から今でも相談がある。住民への対応でストレスがたまり、うつ病になる人も少なくない。国は終息し、乗り越えたと言い、経産省が一月二六日、福島ツデー『農産物は安心で、若者の被ばくはたいしたものではない』とCMを流した。風評被害を吹き飛ばすのは必要だが明るいイメージだけではだめだ。何が起き、実情は何なのかを明らかにしなければならない。第一原発の廃炉作業の困難さ、第二原発の廃炉問題、被災者への充分な支援問題など」。

「山城さんなど三人の初公判があり、沖縄に行っていた。基地はいらないという沖縄の民意を切り捨てている。これは福島と同じだ。福島を全世界が応援している。福島から始まる脱原発のスタートだ。心から連帯を」。

次に県民の、被災自治体の首長(浪江町長・馬場有さん)、避難を強いられている方(大熊町・渡部千恵子さん)、若者(佐藤さん・DAPPE<ダッペ:Democracy Action to Protect Peace and Equality=平和と平等を守る民主主義アクション>)がそれぞれ訴えた。

馬場浪江町長の訴え。

「六年間の過酷な避難生活に耐えてきた。大震災と原発事故から二二〇〇日になる。長い時間が経過した。八万人がふる里に戻れない。今月末から一部地域を除いて避難指示が解除される。復興の課題が山積している。第一原発の廃炉問題。除染廃棄物の処分問題。数十年数百年もかかる。暗い陰を落としている。長期間に渡り、生命・居住・財産・歴史文化を失う塗炭の苦しみを与えられた。全国・世界に伝えていかなければならない」。

「第一原発の事故は充分に究明されていない。津波による全電源の喪失以前に地震の揺れによって破断が起こっていたのか。そうであれば安全基準を根本から見直さなければならない。一切検証されていない。前橋地裁の判決は津波が予見できたのに対策をとらなかったと国と東電の責任を明確に認定した。それでも原発再稼働が進められている。国や電力会社は信用できない。何を信じて、原発と付き合うのか。信用できない原発とは付き合わない。廃炉実現、第二原発の廃炉を、原発のない社会・日本をめざそう」。

避難者渡辺さんの訴え。

「大熊町から三春に避難した。三月一二日、一斉避難勧告があり、町民はほとんど町を出た。消防士の息子と再会したのは三カ月後だった。みぞれが降る程寒い日だった。孫たちとワゴンを止めて一夜を明かした。国道288号線で郡山方面に向かう。普段なら一時間で着くところが五時間かかった。避難所では助け合った。その後、四月三日まで田村町に避難した。役場は会津若松に移った」。

「六年が経ち、戻ることなく亡くなった人が大勢いる。私の父も亡くなった。戻るために毎日歩いている人、新しい土地に移り住んだ人、県外で福島の新聞をとり死亡欄を見ている人、一次帰宅し家の周りを見ている人、家を作ったが大熊を忘れられない人」。

「電気に頼った生活だと電気が止まると終わり。井戸水を使い、汲み取り式のトレイであっても何の不自由もない。脱原発はもちろんのこと、種もみ、桜、種まき、田植えのふる里を思い出す。人間だけのものではない地球に思いをはせ、自然によりそった生活、優しい生き方が課題だ」。

若者・DAPPEの佐藤さんの訴え。

「第二原発の廃炉に動き始めたと報道されたが、東電は事実ではないと否定した。東電はさっさと決断しろ。政府は被災者が帰還しないことが足かせのように言うがそれがダメだ。一人一人の選択を尊重することが本当の復興につながる。足かせは第二の廃炉が決まらないことだ」。

「昨年一一月原発ゼロ若者ミーティングをやった。三五三人の若者が語ってくれた。電力不足が心配だという人に、原発の問題を話すとだったらない方がよいというふうに変わった。どうしたら原発依存をなくすのか。原発ゼロを可視化することが必要だ。原発に頼らないということは民主主義のテーマだ。一人一人の行動が社会を動かす。政治を人任せにしない。原発ゼロの未来をつくっていこう」。

次に「原発NO!」のプラカードを掲げ、スタンディングオベーション。集会アピール(別掲)を採択し、郡山駅に向かってデモ行進をし、原発のない社会の実現、被災者支援を訴えた。

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18 2017原発のない福島を!県民大集会 集会アピール

東京電力福島第一原発の大事故から6年の歳月が流れました。全国的には「記憶の風化」が語られていますが、福島県民にとって原子力災害は、「忘れる」いとまもない目の前の日常です。

 避難を続けている県民は、減ってきているとは言えまだまだ多く、県内避難が39608人、県外避難が39818人、合計79446人(避難先不明を含む:2月現在)にのぼっています。これほど膨大な長期避難者を生んだ産業公害は、この国に前例がありません。

 この3月末を期して飯舘村、浪江町、富岡町、川俣町山木屋地区で帰還困難区域を除き避難指示解除が行われる予定です。ふるさと復興への一歩前進とは言えますが、すでに先行して避難指示が解除された楢葉町や南相馬市小高地区をみると、帰還した住民は高齢者を中心にわずか1割ほどです。将来希望を描こうにもあまりに条件が悪すぎるというのが、被災地域の覆いようもない現実です。

 住民の帰還の足を鈍らせている大きな要因が、第一原発の事故現場への不安です。高線量の放射能のためメルトダウンした核燃料の状況把握もままならず、燃料デブリを取り出すことができるかどうか、見通しは立っていません。昨年12月には、驚くべき初歩的な人為ミスから、冷却水の注水と使用済み核燃料プールの冷却が一時ストップするトラブルが起きました。汚染水漏洩を防ぐ切り札ともいえる凍土遮断壁も、期待されただけの効果をあげていません。

 地域の除染も困難をはらんでいます。里山の除染が試行的に始まっていますが、除染の範囲を広げれば広げるほど、汚染廃棄物の量はふえていきます。すでに県内には1200万個を超えるフレコンバックが積み上がっています。フレコンバッグの耐用年数は3年から5年です。まだ土地の買収も満足に進んでいない中間貯蔵施設に、一体いつになったら運び込めるというのでしょうか。

 県産の食品の安全性をめぐる問題も、生産者や各種協同組合の努力にもかかわらずら、根本的な解決には至らないのが現状です。県産のコメは全量検査の結果、99・995パーセントが検出限界値未満になるところまでこぎ着けましたが、コメの値段は事故前に戻っていません。農林水産物だけではありません。「福島」に対する誤解や歪んだまなざしは、福島県民、そして避難している県民への差別や偏見につながっています。昨年11月以来、避難者家庭の子どもが学校でいじめにあっていた事案がいくつも表面化しました。これらが氷山の一角だという見方に、うなずかざるをえない県民の思いは痛切なものがあります。

 子どもたちの将来にかかわって健康被害への心配も続いています。県民健康調査で子どもの甲状腺がんが多く見つかっていることについては、まだ確たる評価は下されていませんが、検査の結果として現に手術を受けた患者さんの体と心の傷は、簡単に癒えるものではないでしょう。また、慢性疾患の増加や「うつ」傾向の広がり、子どもたちの運動能力の低下など、心身の被害は現に広範囲に及んでいます。

 第一原発の処理費用の負担問題も重要です。廃炉にかかる費用の試算額は当初の2兆円が8兆円にまで膨張し、除染と賠償を加えれば全体で21・5兆円に達すると予想されています。経済産業省は、その少なからぬ部分を託送料に上乗せして電気料金に転嫁することを提案しています。「償い」である賠償金まで国民に負担させようとは、なんと理不尽なやり方でしょうか。

 さて、私たちが声を大にして要求してきた福島第二原発の廃止は実現するのでしょうか。昨年11月22日に発生したやや大きな地震にさいし、第二原発3号機の使用済み燃料プールの冷却機能が一時停止するという、肝の冷える事態が生じました。福島県議会は全会派が一致して意見書をまとめ、あらためて福島第二原発の全基廃炉を強く主張しています。意見書が言うとおり、福島県は「県民の総意として、国へ対して幾度となく廃炉の実現を強く求めて」きましたが、国は「一義的には電気事業者が判断する」ことだという逃げ口上を繰り返すばかりです。しかし東京電力ホールディングスの株式の過半数は、国の設置した「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が保有しています。政府さえその気になれば、廃炉を決めることはすぐにでもできるはずなのです。

 第二原発全基廃炉を求める「オール福島」の声に背を向けながら、政府が何をしているかといえば、各地の再稼働の推進です。福島事故後、5基の原発が再稼働しました。もっともそのうち関西電力高浜3・4号機は、地方裁判所の仮処分命令で再停止になっていますが、原子力規制委員会の審査を通過したもの、および審査中のものは全国で20基以上にのぼっています。政府はあくまでも早期原発回帰への執着を捨てず、福島第二原発の廃止を断じて口にしないのも、そのことの表れにほかならないでしょう。第二原発の廃止は決して「自明のこと」ではないといわなければなりません。

 福島原発事故と放射能災害は、いまなお継続中です。万単位の住民がふるさとを奪われたまま、公的支援や賠償責任は次第に縮小されようとしています。そうした中で多くの人々が、あるいは「被害者訴訟」に打って出、あるいは「脱原発訴訟」の原告となり、人としての権利を声高く主張しています。これらの裁判は近々、結審あるいは判決の日を迎えることと予想されます。また原発の立地県では、性急な再稼働をよしとない知事も生まれています。事態は決して政府の思い通りに進んでいるわけではありません。

 私たち福島県民が全国民の未来のために果たすべき最大の使命は、福島第二原発の廃止です。それは県議会の言うように「県民の総意」であり、政府と東電がこれを受け入れないのは県民の総意を真っ向から踏みにじるものです。立場や利害の違いを乗り越え、力を合わせて、「原発のない福島を!」の声をさらに高くあげていきましょう。

 2017年3月18日
 2017原発のない福島を!県民大集会

報告:3・14共謀罪国会提出許さない!国会正門前集会

14共謀罪
 3月14日、共謀罪NO!実行委員会と戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の共催で「3・14共謀罪国会提出許さない!国会正門前集会」が行われ、500人が参加した。

「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」とはすべての民衆

 安倍政権は、2月28日、民衆監視と対テロ治安弾圧体制強化に向けた「実行準備行為を伴う組織的犯罪集団による重大犯罪の遂行」罪(共謀罪)を新設する組織犯罪処罰法改正案原案を自民党、公明党に提示した。しかし、民衆に危機を煽り、騙すためのテロの表記が一切ないことに対して批判が出たため、「テロリズム集団その他の」の文言を加えた改正法案をデッチ上げた。修正改正法案の表題を「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画」罪とし、「【テロリズム集団その他の】組織犯罪集団の活動として、当該行為を実行するための組織により行なわれるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行なわれたときは、当該各号に定める刑に処する」と明記した。原案と同様に条文には、「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団組織的犯罪者集団」の定義・範囲を明記していない。

 つまり、安倍政権、警察権力と公安政治警察は、グローバル資本主義と日本国家防衛という階級的任務を貫徹していくために既遂処罰が原則の法体系を破壊し、未遂でも罰することを可能にすることを狙っている。共謀罪と称していつでもどこでも窃盗罪、組織的な封印等破棄罪、組織的な強制執行妨害目的財産損壊等罪、組織的な強制執行行為妨害等罪、組織的な逮捕監禁罪、組織的な強要罪などを適用し、準備行為を立証するために盗聴法などを拡大した刑訴法を悪用してくるだろう。電話・メール・フェイスブック・ライン・盗撮・衛星利用測位システム(GPS)機器設置にいたるまでプライバシー侵害の違法行為のやりたい放題だ。

 人権侵害に満ちた修正案に対して法務省官僚は、「テロリズム集団は組織的犯罪集団の典型のため、あえて明記する必要はないと考えていた。再検討し、テロ等準備罪の対象をより正確に理解できると考えた」と補強した。与党もテロの表記が入ったため「国民に説明しやすくなった」などと民衆を騙す法案性格の「本音」を言い出しながら法案を了承した。安倍政権は、共謀罪を3月10日に閣議決定する予定だったが、原案修正と与党対策のために21日に延期した。

 共同通信社は、3月11~12日、全国電話世論調査を実施し、共謀罪に反対が45・5%、賛成が33%だった。毎日新聞の全国世論調査(11~12日)でも反対が41%、賛成が30%だった。いずれも前回の調査では賛成が反対を上回っていたが、今回は共謀罪反対が多数を示した。急速な反対運動の拡大によって安倍政権の危機アジリと「テロ対策」のウソが瓦解しはじめた現れだ。言論の自由、結社の自由、通信の秘密、基本的人権の破壊の共謀罪の正体を暴き出し、賛成派に切り込んでいきながら廃案運動を拡大していこう。

共謀罪法案上程阻止・廃案へ

 国会前集会は、「戦争法と一体の共謀罪は絶対反対!言論封じの共謀罪はいらない!閣議決定絶対反対!答弁不能の金田法相はただちに辞任!」のコールから始まった。

 主催者あいさつが海渡雄一弁護士(共謀罪NO!実行委員会)から行われ、「共同通信と毎日新聞の世論調査で共謀罪反対が賛成より上回った。反対の声が少しずつ世論を変えてきた。政府の偽りの情報を打ち破り、テロ対策ではなく政府に異議申し立てする市民を一網打尽にする戦前の治安維持法なみの治安立法だと示されたからだ」と強調した。

 国会議員の発言では逢坂誠二衆院議員(民進党)、山下芳生参院議員(共産党)、福島みずほ参院議員(社民党)から行われ、共謀罪廃案に向けた決意とともに森友学園問題、稲田防衛相糾弾が続いた。

 落合恵子さん(作家)は、「森友学園の不透明きわまりない問題や東京都の豊洲問題百条委員会についてメディアは盛んに報道している。その影に隠れて共謀罪が前のめりになっている。あわててテロという文言を入れた。テロとオリンピックをドッキングさせたら、みんな納得するだろうという安易さを許せない。政府は言い換えで本質を隠してきた。私たちこそ民主主義の下に彼らをアンダーコントロールすべきだ」と発言した。

 鎌田慧さん(ルポライター)は、「共謀罪によって盗聴、司法取引、尾行などを行ってくる。共謀罪によって『社会を脅かす』者だとしてデッチ上げ、逮捕する。沖縄の山城博治さんは、いまだに釈放されていない。怪しいヤツを安心・安全のために逮捕するのが狙いだ。国会包囲によって共謀罪を粉砕する」と訴えた。

 桜井昌司さん(布川事件えん罪被害者)は、「えん罪被害者は警察を信用できない。いかに悪党の組織かを体験して知っているからだ。人を死刑にするために、平然と証拠を捏造する。警察が共謀罪を持ったらヤクザに拳銃を与えるのと同じだ。裁判所も信頼できない。沖縄の山城博治さんは釈放されているはずだ。裁判所は警察にフリーパスを与えているからだ」と批判した。

 続いて三澤麻衣子弁護士(共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会)、武田隆雄さん(日本山妙法寺)、秘密保護法廃止をめざす藤沢の会 斉藤隆夫さん(秘密保護法廃止をめざす藤沢の会)、宮崎俊郎さん(盗聴法廃止ネットワーク)がアピール。

 最後に高田健さん(総がかり実)が「3・21共謀罪閣議決定糾弾 首相官邸前行動」、「自衛隊は南スーダンから即時撤退、共謀罪反対、3・19国会議員会館前行動」「4・6共謀罪反対!日比谷野音集会・デモ行動」などを提起した。

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共謀罪の国会上程阻止!廃案へ! 国会包囲していこう

d_09844704 安倍政権は、2月28日、グローバル派兵国家建設の一環である対テロ治安弾圧体制にむけ、「実行準備行為を伴う組織的犯罪集団による重大犯罪の遂行」罪(共謀罪)を新設する組織犯罪処罰法改正案の原案をまとめ、自民党、公明党に提示した。

 3月10日に閣議決定し、法案制定に向けて加速させようとしている。法案の名称を変えたとしても近代法の既遂処罰が原則という法体系を国家権力の恣意的判断で、未遂でも罰することをねらい、言論の自由、結社の自由、通信の秘密、基本的人権の破壊、サイバー弾圧など民衆の日常生活まで処罰対象を広げようとする現代版・治安維持法だ。警察権力・公安政治警察の権限拡大に向かう共謀罪の上程阻止・廃案に追い込んでいこう。

共謀罪のねらい

 法案は、共謀罪の対象を277罪(テロ犯罪110罪、薬物関連29罪、「人身に関す
る搾取」28罪、「その他資金源」101罪、「司法妨害」九罪)とし、法定刑が長期10年を超える懲役・禁錮が定められているものは5年以下の懲役・禁錮、長期四年以上10年以下の懲役・禁錮が定められているものは2年以下の懲役・禁錮としている。

 適用対象となる「組織的犯罪集団」(第6条の2)に対して、「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行なわれるものの遂行を2人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行なわれたときは、当該各号に定める刑に処する」と明記している。条文には、「組織的犯罪者集団」の定義、政府が共謀罪の呼称として「テロ等準備罪」と使っているテロの定義もなく表記そのものがない。

 この意図は明白だ。権力のデッチ上げストーリーに基づいて2人以上のグループを、例えば、市民団体、労働組合、サークル、2人のグループなどに適用すれば弾圧が可能だからだ。例えば、「実行犯」とデッチ上げて適応する罪として以下のような弾圧が可能となってしまう。

 いわゆる「万引き」「自転車泥棒」(占有離脱物横領罪)に対して「窃盗」罪を適用する。弾圧対象はかなり広範囲となり、事前の盗聴・行動確認のやりたい放題でいつでも誰でも不当逮捕を強行してくる。

 現地闘争団結小屋、テント村、ピケット破壊にむけて「組織的な封印等破棄」「組織的な強制執行妨害目的財産損壊等」「組織的な強制執行行為妨害等」を適用し、闘う仲間たちの撤去・破壊阻止集会準備段階から弾圧が可能だ。

 これまで労働争議弾圧として強行してきたが、共謀罪によって組合会議以前の執行部の個別討論の段階から弾圧が可能となる。労働組合と資本との団体交渉で雇用主を長時間監禁の準備を計画したなどとデッチ上げ、「組織的な逮捕監禁」「組織的な強要」罪を適用してくるだろう。さらに争議組合、地域ユニオンなどによる資本や金融機関への抗議行動、ビラ撒き・街頭宣伝が「組織的な威力業務妨害」罪と「組織的な恐喝」罪を適用し計画段階から複数の組合員が行なったとして弾圧してくる。

 いずれも事前調査として盗聴法(通信傍受法―盗聴の対象犯罪が①銃器犯罪②薬物犯罪③集団密航④組織的殺人の四類型から傷害、詐欺、恐喝、窃盗などを含む一般犯罪にまで改悪)を拡大した改悪刑訴法を駆使して、電話・メール・フェイスブック・ライン・盗撮にいたるまでプライバシー侵害の違法行為を膨大な警察官とカネを投入して追跡し、「犯罪」をデッチ上げるための材料をかき集め、共謀罪違反ストーリーを練り上げ、共謀罪違反として家宅捜索令状、逮捕令状を一体である裁判所に令状発布させ不当な家宅捜索、逮捕強行をねらっているのだ。

 それだけではない。不当な家宅捜索によって押収した現金・貯金通帳、日曜大工道具を「組織犯罪準備」のための証拠とし作り上げる。「日曜大工」のための電動工具、大工道具、修繕のための工具類のたぐいも「爆弾製造」関連機材としてこじつけようとすることも可能となってしまう。

 条文の最後に「ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減刑し、又は免除する」と明記しているように、スパイの潜入捜査を前提とし、協力者を育成し、または「司法取引」によって転向・裏切り・売り渡しを行わせることも想定しているのだ。安倍首相は、共謀罪の対象が「一般の人は対象にならない」などと国会答弁してきたが、「共謀罪成立なしで五輪開けない」「通常の団体であっても、犯罪行為を反復・継続するなど活動が一変した場合には、処罰対象になり得る」と居直り、本性をむき出しにしてきた。このような現代版治安維持法である共謀罪制定を絶対に許してはならない。

国連国際犯罪防止条約について

 政府は、共謀罪制定の「根拠」として「国連国際犯罪防止条約の締結に伴う法整備」「犯罪防止条約は、昨年11月現在で約180カ国・地域が締結。主要7カ国(G7)で未締結は日本だけだが、これの締結には共謀罪の整備が不可欠だ」などと言っている。しかしこれはとんでもないウソなのだ。

 「共謀罪」は、2000年の国際総会で採択された「国連国際組織犯罪防止条約」に日本政府が12月に署名し、03年5月、国会で批准を承認したことにより、国内法整備のためとして組織犯罪処罰法の中に共謀罪新設を打ち出した。しかし、そもそも組織犯罪条約はテロ対策の条約ではなくマフィアなどの越境的犯罪集団の犯罪を防止するための条約なのだ。

 国連立法ガイドの「第5 目的」では、「締約国は、この条約に定める義務の履行を確保するため、自国の国内法の基本原則に従って、必要な措置(立法上及び行政上の措置)をとる」と明記している。つまり、その国の法的伝統を生かしていけばいいのであり、共謀罪が国家権力の恣意的判断で未遂でも罰することを可能とすれば、これまでの既遂処罰が原則の日本の法体系の破壊なのだ。

 しかも「目標が純粋に非物質的利益にあるテロリストグループや暴動グループは原則として組織的な犯罪集団に含まれない」とまで明記している。法務省、外務省官僚たちは、この文言を十分に承知し、条約に違反しているからこそ後景化させ、対テロ治安弾圧体制構築にむけて共謀罪を組み込んだのである。

 あえて言えばすでに日本の法律には、「未遂」以前の「予備」、「陰謀」、「準備」段階の処罰法(「内乱」「外患誘致、外患援助」「私戦予備及び陰謀」「自衛隊法」「特定秘密保護法」)が存在し、また、未遂前の処罰を可能とする法律として、銃砲刀剣類やピッキング器具の所持等を処罰する銃砲刀剣類等取締法、特殊開錠用具所持禁止法、凶器準備集合罪などがある。しかも日本政府は国連のテロ関係主要13条約をすべて批准しており、共謀罪を新たに立法する必要はない。
 
共謀罪廃案に向けた方向性 
 
 政府は、共謀罪(「実行準備行為を伴う組織的犯罪集団による重大犯罪の遂行」罪)を与党に提示したが、「テロの表記を入れた方がいい」「テロ以外の組織的犯罪も含まれることからテロの明記は必要はない」(自民党)、河野太郎衆院議員にいたっては「共謀罪対象罪が676から277に減った。削れないと言っていたのは、やる気がなかったからか、国民に嘘をついたのかをはっきりさせないと議論は進まない」の意見が出たり、公明党は「テロという文言を入れた方が国民に分かりやすいのであれば、入れるのはやぶさかではない」などと、いずれも人権侵害に満ちた共謀罪を推進していく姿勢を確認している。法務省官僚は「検討する」としたが、若干の修正があろうが、ほぼ原案通りで政府は今国会に上程する。

 朝日新聞社(2月18、19日)が「テロ等準備罪」を設ける法案について全国世論調査(電話)を行ったが、「賛成」44%、「反対」25%、「その他・答えない」31%だった。ところが「一般の人まで取り締まられる不安をどの程度感じるか」という問いに対して「大いに」と「ある程度」を合わせた「感じる」が55%、「あまり」と「まったく」を合わせた「感じない」が38%だった。安倍政権のテロ対策と危機キャンペーンとセットで共謀罪制定の策動の「成果」の現れだが、多くの人々が「不安」に感じていることも示した。今後の共謀罪反対運動は、人権侵害に満ちた共謀罪の本質を暴き出しながら「賛成」層にも食い込み「不安」層の人々を反対へと獲得していく闘いでもある。共謀罪に反対する野党と連携し、国会を包囲し、上程阻止・廃案に向けて運動を拡大していこう。

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【香港】3月の行政長官選挙にラディカル左派が参戦

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 左上から時計回りで葉劉淑儀、曽俊華、林鄭月娥、胡国興

 
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 行政長官選挙への参戦を表明した社民連の梁国雄・立法議員。
 「市民推薦で立候補できる普通選挙を実現しよう」(2月8日)



【解説】

昨年末、梁振英・香港行政長官は326日に行われる行政長官選抜選挙に立候補しないことを表明し、親中派のなかで後継者争いが加速している。現在、行政長官選挙への立候補を表明しているのは林鄭月娥(キャリー・ラム、前政務官で雨傘運動と前面で対立)、曽俊華(ジョン・ツァン、前財政官、親自由主義経済の信奉者)、葉劉淑儀(レジーナ・イップ、元保安局長、現立法議員で治安立法を狙う)、胡国興(元高等裁判所判事)、そしてラディカル左派の社会民主連線の梁国雄などである。

 

香港の行政長官選挙は職能別に選出された1200人の選挙委員による間接選挙。その間接選挙に立候補する候補者資格を取得するには、214日から31日までの期間に150名以上の選挙委員の推薦を受ける必要がある。昨年末に行われた選挙委員を選ぶ選挙で民主派の議席は、前回(2011年)の200余りから今回327議席に拡大した。本番の行政長官選挙では過半数(600票)の支持が必要となるので、民主派が当選する可能性はない。

 

社民連の梁国雄は、28日に民主自決派の議員らとともにマニフェストを発表し、有権者1%の推薦で立候補できるとする国際標準の要求を掲げる民主派運動組織のプロジェクトにコミットしている。このプロジェクトは正式な選挙制度の枠外であり、かりに有権者1%の支持を得たからといって、正式な候補者資格を得られるわけではないが、9割以上もの有権者が行政長官選挙では選挙権がない現行制度の欺瞞を暴露することは可能である。

以下は香港の民主自決派を支援する區龍宇による論考である。職能別で選ばれた委員らによる間接選挙は実際には中国政府による選抜選挙でしかないが、目標を明確にしたうえで選抜選挙にかかわることは全く無意味ではないと主張している。原文はこちら(早野)

 

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皇帝[中国政府]の欽定で指名される黄大仙[行政長官]

行政長官の選抜選挙 その1


區龍宇
 


結局のところ誰が中央で誰が黄大仙人なのか? 聖旨が誤って伝えられているのか、それとも皇帝の真の詔なのか? 媚びて寵愛を争い、権謀術数的取引に事欠かないリアルなドラマは、この二〇年間テレビを席巻してきたフィクションの宮廷ドラマよりも面白い。

 


「腐敗官僚には反対するが、皇帝には反対しない」?

 

私はゴーゴリの『検察官』を思い出さずにはいられない。ストーリは、検察官が視察に派遣されてくると聞いた市長は[かねてよりの腐敗した市政のせいで]大いに慌て、たまたまその町に滞在していた博徒をその検察官だと勘違い、盛大な接待や付け届けを行い、あげくのはてには自分の娘も検察官に差し出してしまい、これで出世間違いなし、という淡いロシアンドリームを抱くのだが、そこに本物の検察官がやってきて、市長はじめ町のお偉いさん方一同ぽかんとするほかなかった、という内容だ。作者は、専制主義における人間の恥ずべき醜さを余すことなく風刺している。

 

あるいは、何人かの古くからの汎民主派(既成の民主派)はこの喜劇をご存知ないからか、同じように腐臭のする出し物を目の当たりにしているが、そのペテン性を暴露するどころか、逆にそのペテン劇に加担して、より少ない悪を支持するべきだと主張し、林鄭月娥(キャリー・ラム)ではなく、曽俊華(ジョン・ツァン)を支持せよという。しかしいわゆる「抗西環論」(西環は中国政府の香港出先機関である中央政府駐香港特区連絡弁公室がある場所)は、せいぜいのところ「腐敗官僚には反対するが、皇帝には反対しない」といった封建的忠臣ドラマの再演にすぎない。曽俊華が西環に反対するというのも、皇帝に忠誠心を示すためであり、治安維持条項の基本法二三条の立法化を進めるという点では、林鄭以上に中国政府に忠誠を誓っている。それに対して民主党の主席は批判するどころか、逆に擁護する始末だ。いったいこの党は民主派なのか、それとも「腐敗官僚には反対するが、皇帝には反対しない」派なのか、はっきりしているのではないか。

 

選挙ではなく選抜

 

初心を忘れるべからず。行政長官と議会の普通選挙の実現は、最低限の民主的要求である。世界では二〇世紀初頭に民主化運動の圧力によって各地で実現されていった。香港に目をやれば、二一世紀だというのに普通選挙は永遠に延期されているのだ! 職能別選挙制度が普通選挙の代りだという主張は、まったくの「魚目混珠」(魚の目玉を真珠に混ぜる=ニセモノ)にすぎない! 三〇年前には査良鏞が職能別選挙制度を次のように擁護していた。「政治的権利は社会的貢献に応じて分配すべきであり、大企業のトップはもっとも貢献していることから多くの権利を享受できる。一般市民の貢献は少ないので、権利も少ない」(大意)。彼らは次のことを忘れている。建設労働者がおらず、清掃労働者がいなければ、どれだけカネがあっても家も建たず、ゴミの処理にも困るだろう。勤労者に対するこのようなあからさまな差別的選抜制度は、真の民主派であれば、本来は受容も参加もしてはならない。受容し参加することは、民主主義を裏切り、支配者の酒池肉林の宴に加わるということである。

 

汎民主派の若手論客の區諾軒がウェブメディア『端』に書いた文章で曽俊華を擁護していないことは良いことである。だが「よりまし論」が間違いではないこと、そしてその論拠としてアメリカ左翼の中心的論客であるノーム・チョムスキーを引き合いに出し、彼もアメリカ大統領選挙では「よりまし論」としてトランプではなくヒラリーを支持したではないか、と主張する。しかしそれは間違いだ。アメリカ大統領選挙は普通選挙だからだ。良いも悪いも人民が権限を付与したものである。だが香港の行政長官「選挙」は、九割以上の有権者を排除するという前提で行われるものであり、専制政治のオブラートにすぎないのだ。

 

民主党はあるいはこう反論するかもしれない。ああ、道徳的高みに立った実効性のない主張になんの意味があるのか、と。その主張の前半部は正しいが、結論は正しくない。正しくは、民主政治においては道徳[正論]を説く必要があるが、道徳を説くにしても実効性がなければならない、である。世間の圧倒的大部分の政治は権謀術数と陰謀であり、民主派が道徳を説くことによってのみ、政治に対する人々の信頼を回復することができるのであり、そうしてこそ民主化運動に闘争的精神を注入することができるのだ。これが最大の実効性である。

 

行政長官制度廃止のための行政長官選挙を

 

二〇一一年に行政長官選挙に参戦した民主党の何俊仁を、社民連がこっぴどく批判したという古い対立を持ち出して、今回社民連の梁国雄が行政長官選挙に参戦するとは道徳もクソもあったものではないと批判するむきもある。確かに当時の社民連の声明の内容は水準の低いもので、道理を説かずに批判に終始していた。職能別選挙の本質はファシズムであり、原則的には参戦すべきではない。ただそれが抗議と真の民主主義のカンパニアであることを明確にした場合を除くという条件付きで。私は昨年末の「鶏毛有用、却非令箭」(一票の価値は伝家の宝刀ではないが紙クズというわけでもない)という文章のなかで、もし抗議の意味を込めて、そして「行政主導の廃止、立法主導と普通選挙による全権の議会の実現」というマニフェストの宣伝のためのみ限定して行政長官選挙[の候補者に選ばれる予備選挙]に参戦することは可能だと表明している。今日の民主化運動の最大の弱点は、目標が何なのかさえはっきりとしていないことである。もし何俊仁が二〇一一年にこのような立場で行政長官選挙に参戦したのであれば、それは必ずしも間違いだとは言えない。

 

もう一つ特別な状況として、かつて支配者が、職能別選挙は一時的なものであり、すぐに普通選挙に転換することを約束したということがある。そのような約束のもとで汎民主派が一時的に[選抜選挙という]状況を受容したことは、情状酌量の余地がないでもない。しかし約束はとっくに「鏡花水月」(絵に描いた餅)となってしまっており、汎民主派の漸進戦術は、三十年たってもなにも実現されていない!民主派はもっと早く「ちゃぶ台返し」をしていてもよかったのである。行政長官「選挙」は、無頼政権が香港における総監督官を「選抜」するために精密に設計された制度である。古くからの汎民主派は「選抜」を「選挙」だとみなしているが、何と愚かなことだろうか。

 

梁国雄の欠点や誤りを指摘する意見もある。だが民主派諸氏には、腐ったリンゴのなかからよりましなものを選ぶのではなく、どうか歴史の正しい側に立つよう、勤労市民の権利の側に立つように要請する。梁国雄のマニフェストの欠点という主張については、別な論考で考えを述べるつもりである。

 

區諾軒の文章の良いところは、今日の古くからの汎民主派がどれだけ徹底的に専制体制に取り込まれているかを明らかにした点である。彼曰く「市民が候補者を推薦することに対する嫌悪、社会運動活動家による曽俊華への反対に対する反感は、すでに私の許容範囲を超えたものになっている」。かわいそうな區諾軒よ、いっそのこと「棄暗投明」(反動勢力と手を切って正しい側に移行)してはどうだろうか? 何故にそのような投降派の隊列で苦悶するのだ。「要留清白在人間」(困難を恐れることなく、清く正しい姿でこの世にいつづけよう)ではないか(訳注)。


二〇一七年二月八日


 

(訳注)

于謙(明の政治家、1398―1457)が12歳の時に詠んだの詩「詠石灰」の最後の句。

 

・詠石灰

 千鎚万鑿出深山

 烈火焚焼若等閑

 粉骨砕身渾不怕

 要留清白在人間

 

・石灰を詠ず

 千鎚万鑿(せんついばんさく)  深山(しんざん)より出()

 烈火の焚焼(ふんしょう)    等閑(とうかん)の若(ごと)

 粉骨砕身(ふんこつさいしん)  渾(すべ)て怕(おそ)れず

 要(かなら)ず清白(せいはく)を留めて 人間(じんかん)に在()らしめん

 

(現代語訳)

・石灰を詠む

 叩かれ穿たれて 山の奥から掘りだされる

 炎に焼かれるが 気にしない

 粉骨砕身も   恐れることなく

 清く正しい姿で この世にいつづけようではないか

 

こちらのサイトを参照しました

報告/「『日の丸・君が代』強制反対!10・23通達撤廃! 2・5総決起集会」

配信:都教委 2月5日、都教委の暴走をとめよう!都教委包囲首都圏ネットは、東京しごとセンターで「『日の丸・君が代』強制反対!10・23通達撤廃! 2・5総決起集会」を行い、120人が参加した。

 石原都知事と東京都教育委員会は、2003年、小泉政権が押し進めるグローバル派兵国家建設と連動して新自由主義と愛国心教育路線の一環として10・23通達」(校長の職務命令により、入学式・卒業式での国歌の起立斉唱・ピアノ伴奏を強制)を強行した。ただちに教育労働者・地域の仲間たちは、反撃の陣形を立ち上げ、「日の丸・君が代」強制反対と10・23通達撤回を掲げ、教育現場、地域、裁判闘争などで闘ってきた。「君が代」斉唱強要に抗議する不起立・不伴奏等を理由にして延べ四七八人の教職員が不当処分された。再雇用職員・再任用・非常勤教員等の合格取消・採用拒否も行った。包囲ネットは、卒業式・入学式シーズン直前の闘う意志一致を行った。

 集会は、見城﨣樹さん(包囲ネット)の主催者あいさつから始まり、「安倍政権の反動化に抗する闘う結集軸が弱い状況が続いている。様々な課題で粘り強く闘われているが、課題別の壁を乗り越え団結と連帯を強めながら反撃を強化していこう」と訴えた。

 「現場からの報告」。

 「日の丸・君が代」被処分者は、「『日の丸・君が代』は絶対に認められない。その考えを生徒たちに丁寧に説明してきた。その成果もあって生徒たちは『心配』から『応援』に変わっていった。この変化を大事にしながら不起立を行っていきたい」と発言した。

 根津公子さん(河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会)は、「2015年5月、東京高裁は2007年『君が代』不起立処分取り消しと損害賠償を求めた事件で、河原井さんの停職三カ月処分を取り消しただけでなく、根津・停職六カ月処分の取り消しと河原井さん、根津の損賠を求める判決を出し、最高裁は都の上告を棄却した。2008年事件、2009年事件の裁判と闘いは続くが頑張っていきたい」とアピール。

 高校生へのオリンピック教育反対のチラシ撒きを行っているビラまき交流会は、「都教委は、『オリンピック・パラリンピック学習読本』を配布し、年間35時間もの学習を指示している。例えば、長野五輪の財政問題、環境破壊などに一言も触れず、一方的なオリンピック教育そのものだ。高校生に対して『オリンピックってなんだ! 勝利至上主義? 商業主義? ナショナリズム? 〈平和の祭典〉であるはずのオリンピックで何が起きているか、考えてみませんか!』というビラを撒いている。反応は少しずつ関心を集めている」と報告。

 「さまざまな闘いの現場」では、坂本茂さん(練馬平和委員会)が「学校現場を翻弄する自衛隊入隊者獲得の実態」を報告。

 石橋新一さん(破防法・組対法に反対する共同行動)が「労働運動・市民運動の解体ねらう共謀罪」を批判した。

 宮崎俊朗さん(「2020オリンピック災害」おことわり連絡会)は「東京オリンピックおことわり宣言と連絡立ち上げ」報告。

 井上森さん(立川自衛隊監視テント村)が「11.20天皇制反対デモに対する右翼・警察が一体となった弾圧」を糾弾した。

 山中雅子さん(心神喪失者等医療観察法〈予防拘禁法〉を許すな!ネットワーク)は、「相模原やまゆり園事件」を批判し、「医療観察法は精神障害者に対する保安処分だ。保安処分の拡大に反対し、精神障碍者差別を許さない」と強調した。

 北村小夜さん(元教員)は、「改めていま『教室から戦争がはじまる』」というテーマから①戦争動員は教室から始まる②軍国少女から反戦へと至るプロセスを検証③戦争翼賛体制に巻き込まれていく流れをストップするためになどを問題提起した。

 さらに「2016年4月から小中学校の健康診断の内科健診で『四肢に状況(四肢形態及び発育並びに運動器の機能に注意すること)』」の検査を実施することになった。『四肢に状況』と聞いただけで、軍隊式の姿勢や訓練を連想する。2003年の健康増進法施行で健康は国民の責務になった。国の健康管理状況が戦前のようになってきている。戦争準備は国民の体力づくりからだ」と指摘した。

 「各地からの発言」では、「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワークから闘いの報告と連帯アピール。

 最後に「卒業式 正門前チラシ撒き」行動の提起、集会決議を採択し、「団結がんばろう」でしめくくった。

(Y)

報告:1.20話し合うことが罪になる共謀罪 国会提出を許さない院内集会

20共謀罪 1月20日、「秘密保護法、戦争法と一体 話し合うことが罪になる共謀罪 国会提出を許さない院内集会」(共催/「秘密保護法」廃止へ!実行委員会/解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会/日本マスコミ文化情報労組会議/盗聴法廃止ネットワーク)が参議院会館講堂で行われ、340人が参加した。

 安倍政権は、3度も廃案になった共謀罪の名称だけを変えた「テロ等組織犯罪準備罪」法案(=新共謀罪―犯罪を行ったら処罰するのが近代法の原則だが、それを否定し、法律に違反する行為を話し合い、合意しただけで処罰可能にする)を今国会提出に向けて加速している。安倍首相は、施政方針演説で「安心・安全の国創り」の項目で「テロなど組織犯罪への対策を強化します」と強調した。すでに共同通信のインタビュー(1月11日)で(『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に関し)「成立させなければテロ対策で各国と連携する国際組織犯罪防止条約が締結されず、2020年東京五輪・パラリンピックができない。『共謀罪』は一般の方々が対象となることはない」などとウソを繰り返した。

 そもそも国際犯罪防止条約(TOC条約)の立法ガイドには、『自国の国内法の基本原則に従って必要な措置をとる』と明記されおり、新共謀罪は犯罪の既遂以前を取り締まりであり、国内法原則の逸脱だ。テロ対策が必要というならば、すでに現行法で予備罪、準備罪、ほう助犯、共謀共同正犯などの形で共謀を犯罪とする措置がとられている。つまり、派兵国家建設と一体である治安弾圧強化に向けて警察権力の権限拡大のために盗聴法改悪などの刑訴法制定とセットで新共謀罪を使って民衆監視・管理・人権侵害のやりたい放題の「武器」を握りたいのだ。現在、自民党と公明党は、法案の国会提出に向けて修正協議を法務省、警察官僚らとともに適応刑法の絞り込みを行っている。安倍政権の民衆管理・弾圧強化に向けた新共謀罪の国会提出反対と制定阻止をめざして新たなスクラムを実現した。

 司会は中森圭子さん(「秘密保護法」廃止へ!実行委員会) が行い、「共謀罪法案が国会提出リストに入ってしまった。行為を処罰するのではなく、思想、考えそのものを処罰するのがねらいだ。市民的自由の制限を許さず、なんとしてでも4度目の廃案を目指して取り組んでいこう」と開催あいさつを行った。

 主催者あいさつが高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)から行われ、「共謀罪は戦争法と一体だ。憲法破壊につながる悪法だ。すでに南スーダンに自衛隊が派兵され、戦争法が発動されている。自衛隊を撤退させたい。全国の戦争法廃止集会では共謀罪反対のスローガンが入り、制定阻止にむけて広がりつつある。韓国の民衆と連帯して安倍内閣を倒そう」と発言した。

 民進党、共産党、社民党、自由党の国会議員も複数駆けつけ、共謀罪制定阻止をアピールした。

 平岡秀夫さん(元民主党法務大臣、弁護士)は、「共謀罪(テロ等準備罪)の問題点」をテーマに問題提起。とりわけ政府の「国際犯罪防止条約を批准するために共謀罪が必要だ」という主張に対して「条約の目的(第1条)は『国際的な組織犯罪を防止、これと戦うための協力を促進』することであり、条約34条1項には『自国の国内法の基本原則に従って措置(立法上、行政上)』せよと明記されている。この枠組みであれば、すでに国内法で十分満たしている。密告、盗聴、司法取引を可能にした刑訴法改悪と一体で共謀罪を制定し、警察権力による監視社会の強化だ。政府のウソを暴き、法案制定を阻止していこう」と発言した。

 海渡雄一さん(弁護士)は、「平成の治安維持法・共謀罪法案の国会提出に反対しよう!」をテーマに①通常国会へ提出必至の情勢②なぜ共謀罪に反対してきたのか③盗聴捜査の拡大を招く危険④秘密保護法には既に共謀罪が導入されている⑤組織犯罪集団の関与を要件にしたら大丈夫か?⑥準備行為を要件としても、曖昧さは解消されない⑦共謀(合意)の対象となる犯罪としての「重大な犯罪」を限定したら⑧1925年治安維持法制定時には濫用のおそれのない完璧な法案と宣伝された⑨治安維持法と共謀罪との共通点と相違点について解説し、「条約批准のために共謀罪制定は不可欠ではなく、共謀罪法案の提案に反対する」と結論づけた。

 連帯発言が桜井昌司さん(布川事件元被告人)、治安維持法事件「横浜事件」の元被告の妻・木村まきさん、日本国民救援会、日本民主法律家協会、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会から行われた。

(Y)

報告:1.22五輪ファーストおことわり!オリンピックやめろ!デモ&2020年東京五輪反対にむけた連絡会結成集会

配信:オリンピックデモ 1月22日、反五輪の会は、「五輪ファーストおことわり!オリンピックやめろ!デモ」の前段集会を原宿・神宮橋で行った。

 反五輪の会の仲間たちは、次々と「生活と人間の尊厳を犠牲にするオリンピックはまさに『災害』だ。小池都知事は、『都民ファースト』を実現したいなら、東京五輪は即刻中止だ。オリンピックに憤る人びとよ、声をあげよう。五輪ファースト反対!オリンピックおことわり!」とアピールを行った。

 正午、デモに出発し、原宿一帯にわたって「オリンピックおことわり!金食い虫五輪はいらない!」とシュプレヒコールを響かせた。沿道の人々は、デモに注目し、賛同する拍手もわき起った。ところが表参道十字路に到達すると、沿道の人々の共感が広がるのを恐れた警察権力は、デモに対して不当な規制を繰り返してきた。デモ隊は警察権力の弾圧を糾弾したが、警察は突然、仲間を暴力的に排除し、1人を不当逮捕した。仲間たちは、不当逮捕・デモ弾圧に抗議した。

 デモ隊は、オリンピック会場~ 日本オリンピック委員会(JOC)への抗議~都営団地「霞ケ丘アパート」破壊抗議と住民への激励(三戸が生活)~千駄ヶ谷区民会館というコースで貫徹した。
 
 午後1時半から千駄ヶ谷区民会館で「2020オリンピック災害」おことわり連絡会は、2020年東京五輪反対にむけた連絡会結成集会を行い、140人が参加した。

 原宿からのデモに参加した仲間たちが会場に合流し、集会が始まった。 主催者あいさつを鵜飼哲さんが行い、「すでにオリンピック動員が始まっている。オリンピック費用も巨額な額に膨らみ、誰が負担するのかと国、東京都、大会組織委員会、関連自治体などで混乱している。その一方で明治公園の野宿者排除、霞ケ丘アパート破壊などを強行している。すでに反五輪の会の仲間たちは闘い、私たちはその闘いに敬意を表し、学びつつオリンピック反対の取り組みをスタートさせていきたい。オリンピックナショナリズムを突破していくために奮闘していきたい。デモに対して不当弾圧・逮捕を強行したが、まさに力尽くでオリンピックをやろうとする現れだ。支配者たちの野望を許さない」と訴えた。

 「リードイン・スピークアウト」に移り、谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)、アツミマサヅミさん(東京にオリンピックはいらないネット)、北村小夜さん(元教員)、山本敦久さん(成城大学教員)、江沢正雄さん(オリンピ
ックいらない人たちネットワーク)、友常勉さん(東京外国語大学教員)、なすびさん(被ばく労働を考えるネットワーク)、いちむらみさこさん(プラネタリィ ノーオリンピック・ネットワーク)、ピョンチャン冬季五輪反対、脇義重さん(元いらんばい!福岡オリンピックの会)、金満里さん(劇団態変)、井上森さん(立川自衛隊監視テント村)、池田五律さん(戦争に協力しない・させない練馬アクション)、根津公子さん(「日の丸・君が代」被処分元教員)、小川てつオさん(反五輪の会)が反オリンピックをアピールした。

 最後に主催者から「東京オリンピックおことわり宣言」が提起され、参加者全体で「私たちは決して孤立していない。多くの未だ見ぬ『おことわり宣言者』との出会いを求めて私たちは本日自らの『おことわり』を高らかに宣言する!『東京オリンピックなんていらない』と」確認した。

(Y)

 
 

報告 : 安倍政権の暴走止めよう!自衛隊は南スーダンからただちに撤退を!1・19国会議員会館前行動

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総がかり行動が新年初集会
「安倍政権の暴走止めよう!自衛隊は南スーダンからただちに撤退を!1・19国会議員会館前行動」

 
 一月一九日午後六時半から、戦争させない・9条壊わすな!総がかり行動が「安倍政権の暴走止めよう!自衛隊は南スーダンからただちに撤退を!1・19国会議員会館前行動」を行った。この冬一番の寒風吹きすさぶ中、三〇〇〇人が集まった。

 最初に参加した野党がアピールした。糸数慶子さん(沖縄の風、参議院議員)、近藤昭一さん(民進党、衆議院議員)、吉田忠智さん(社民党党首)、井上哲士さん(共産党、参議院議員)。安倍政権による共謀罪新設の動きを批判し、沖縄での辺野古基地建設反対、山城博治さんらの釈放を求め、次期衆院選で野党共闘を強め、安倍政権を退陣に追い込もうと訴えた。

 次に、小田川義和さん(憲法共同センター)が主催者あいさつを行い、参加した団体が連帯のあいさつを続けた。安保法制違憲訴訟について、武谷弁護士が「全国一五地裁で裁判が起こされ、これからも増えていく。東京裁判では、国は安保法制が合憲か違憲かについて逃げて答えようとしない」と国の姿勢を批判した。東京MXテレビの「ニュース女子番組」(1月2日放送)で、沖縄の闘いを「日当をもらっている。暴力をふるうテロリストなど」と歪曲、ねつ造した報道に対して、謝罪と撤回を求めて抗議行動をする女性から経緯が報告された。

 武器輸出反対ネットの杉原浩司さんが「米軍関係者が訪日し、日本の民間技術が軍用に使えないかと説明会を開いた。それに日本企業六〇社が参加した。また、日本政府は中古になった防衛装備品(武器)を海外に売りつけようとしていると政府のテコ入れで、軍産学複合体が飛躍的に進み、武器輸出につながっていると指摘し、共に反対していこう」と訴えた。

 高田健さんが今後の行動提起を行った。二月一九日(日)午後一時半、日比谷野音集会、三月一九日(日)午後一時半、衆院議員会館前行動。沖縄新基地建設反対署名の第二次締め切りを三月三一日とする。署名は一〇〇万筆に届こうとしている、さらにがんばろうと提起した。国会に向けて「戦争法廃止、自衛隊はスーダンから撤退、沖縄に新基地はつくらせない、野党は共闘、安倍を倒そう」とシュプレヒコールを行った。

(M)

報告 : 1.14「南西諸島に自衛隊基地はいらない」アクション

IMG_20170114_1449041月14日、「琉球弧自衛隊配備反対アクション」が永田町・首相官邸前で行われた。2016年から通算5回目の行動となる。


南西諸島における自衛隊配備は、辺野古・高江における米軍基地建設の策動のさらに陰に隠れるようにして、政府によって推し進められている。


16年12月には、石垣島の中山市長が自衛隊配備・基地建設の詳細も政府からあきらかにされていないにもかかわらず、「容認」を表明するという暴挙に出た。しかも、「予定地」にされている四地区の住民と話し合いの場を持つという約束を反故にしての「容認」表明だ。


この中山市長の態度には、四地区の住民はおろか、石垣島全体から怒りの声が上がっている。12月27日には市役所前で抗議行動が打たれ、1月29日には「ミサイル基地反対大集会」が開催される。


情報開示がないままに市長が自衛隊新基地建設を受け入れているのは、宮古島も同様だ。当初有力だった「大福牧場案」は水源地の真上になるという問題が指摘されて、計画は政府から明確には示されていないにもかかわらず、昨年6月に下地敏彦市長が「新基地容認」を表明する、という暴挙に出た。10月には「候補地」の千代田カントリークラブのある野原地区で防衛省が説明会を開催したが、住民たちは会場に「自衛隊基地反対」と書かれた大垂れ幕と大横断幕で飾り、説明会はさながら防衛省を糾弾する集会となった。


このような動きの中で、宮古島での市長選挙と市議補選をほぼ一週間後に控えた14日のこの日に「配備反対アクション」は開催された。参加者は20人。


時折雪がちらつく寒風の中、最初にシュプレヒコールをあげ、主催の栗原学さんから趣旨説明。


「いま小学館のコミック雑誌で連載されている『空母いぶき』のような『中国による南西諸島侵攻』を描く荒唐無稽な作品が、『リアリティがある』などと持ち上げられて、中国脅威論が娯楽と一体になって浸透している。作中ではすでに与那国島が戦場になっているが、このような政府の国策を後押しし、地域の住民の恐怖を煽る作品は許されない。日中の経済協力が進んでいるなかで、中国脅威論などまさにマンガだ。私たちは、どんなに荒唐無稽であっても、軍備増強を正当化しようとする脅威論に反論していく必要がある」


「12月にオスプレイが沖縄で墜落したが、一週間もしないうちに飛行が再開された。陸自がオスプレイを購入すると伝えられているが、いまの新配備計画が全部まかり通れば、北は馬毛島から宮古・石垣まで米軍と自衛隊のオスプレイが南西諸島を覆い尽くすことになる。先日、自衛隊習志野基地で米軍が訓練を行ったが、米軍-自衛隊一体化の中に辺野古の基地建設と自衛隊新基地計画が位置づけられている。それは日本が『アジアの軍事的盟主』の足がかりとして、南西諸島を支配しようとするということだ。絶対に許すわけにはいかない」


宮古島出身の20代の若い人からアピールもあった。


「市長選は4人の候補のうち、自衛隊基地絶対反対は奥平一夫候補一人だ。社民党と社大党が、党利党略で基地反対を明言しない候補を推す形になってやきもきしていたが、翁長知事が批判を振り切って奥平さんを推す形になってよかった。『オール沖縄が割れる』なんて批判もあるようだが、軍事基地に反対しないなら『オール沖縄』に何の意味があるのか。しかし、ヤマトの基地押しつけが、どこでも住民を引き裂いている。ヤマトで闘って、ヤマトで計画を止めていきたい」と訴えた。


アピールでは、宮古島に戦時中に17か所もの「慰安所」があり、このことを記憶にとどめる「祈念碑」が現在の空自レーダー基地と「候補地」の千代田カントリークラブのほぼ中間にあることが紹介され、「自衛隊配備の問題は、72年前の侵略の責任の清算と直結しているということを祈念碑は訴えているかのようだ。『領土』や『防衛』なんて考え方が、平和という概念と対立している。必要なのは、隣国との緊張を高める軍備などではなく、軍備放棄という憲法九条の精神の完全実現なのではないか。アジアの平和を展望しながら、自衛隊配備を阻止していこう」ということも語られた。


最後に「南西諸島に自衛隊基地を作るな」、「軍事による自然破壊をやめろ」、「ミサイル基地はいらない」、「軍隊は住民を守らない」、「軍備より平和外交を」などとシュプレヒコールをあげて、この日の行動を終えた。


(F)

【中国】三つの壁に直面する中国共産党政権~中国官僚資本主義の盛衰を論じる

tianchao


三つの壁に直面する中国共産党政権
中国官僚資本主義の盛衰を論じる


區龍宇

筆者は香港を拠点に活動する反資本主義左翼/トロツキスト組織「先駆社」のメンバー。邦訳に『香港雨傘運動』『台頭する中国 その強靭性と脆弱性』(いずれも柘植書房新社)などがある。


原文

習近平政権[2012年末]の発足後、経済の不安定化はさらに深刻さを増している。中国官僚資本主義の特徴は、社会的蓄積を強力に略奪して投資に回すことで急激な経済成長を素早く実現することにある。しかしこの種の資本主義は、高度の独占とウルトラ級の搾取によって、とてつもない貧富の格差をつくりだす。その結果として有効需要に事欠き、過度な蓄積と過度な生産がますます深刻化することになる。巨大なバブルが株式市場と不動産市場を覆っている。官僚資本主義の二度目の決算の期日は迫りつつある。

官僚資本主義の最初の危機は1990年代末から2000年にかけてのあいだに爆発した。当時の経済不安定も深刻であった。中国共産党の対策は、破綻に瀕する銀行を救済する一方、大量に外資を導入して、中国を主要な商品輸出国に転換し、中国が世界の搾取工場となる礎を築いた。中国共産党は転換に成功し、危機を克服し、しかも中国を主要な資本輸出国の一つに転換させたのである。これ以降、中国は完全にグローバル経済に融合した。ゆえに中国は輸入大国にもなった。とりわけ石油と鉱物資源についてはそうである。世界に対する中国の影響力はますます大きくなっているが、逆に世界への依存もまたますます大きくなっている。


◆中国の拡張法則

今日の中国は、
・世界第二の経済体
・世界最大の商品貿易国
・世界最大の製造業国家
・世界第二位の外国直接投資の輸入国
・世界第五位の外国直接投資の輸出国
・世界最大の外貨準備保有国
・世界最大のアメリカ公債の海外保有者
・世界最大のエネルギー総消費国(国内石油消費の過半数を輸入に依存)
・世界最大の富裕層の居住国

中国官僚資本主義の台頭は、必然的にグローバルな拡張の内在的法則を有しており、この法則は経済面だけでなく、政治と軍事面においても以前にも増して貫徹されている。これをもって中国は帝国主義国家になった、一般的な資本主義大国ではなくなったという主張もある。さらには、中国は以前から発展途上国や第三世界と自称してきたが、かなり前からそうではなくなっていたという主張もある。

もっとも粗雑な認識に基づき、つまり覇権的特徴を有するすべての国家や、小国を搾取することのできるすべての国家が帝国主義であると考えるのであれば、中国は疑いもなくそのような国家になりはじめていると言えるだろう。しかしより厳密な西側マルクス主義に基づけば、現在の中国を帝国主義と名付けることは、従来からの多くの帝国主義諸国との区別があいまいになってしまい、現在の中国の矛盾の性質を誤って判断することになり、我々がその弱点をはっきりと認識することの障害になる。我々が判断を誤らないためにも、中国の拡張法則と現在の実際の到達段階をしっかりと識別する必要がある。


◆グローバル・バリュー・チェーンにおける苦しい立場

まず軍事面からみてみよう。中国の軍事力はいぜんとして限定的である。世界第二の国防費大国であるが、海軍と空軍はまだ発展途上であり、グローバルな展開には至っていない。実際に、台湾を武力で統一するだけの力はないというのが現状である。というのも海峡を越えて大軍を輸送する能力がないからである。中国の領土以外にも軍事基地はなく[2016年からはジブチに自衛隊や米軍と同じく拠点基地を設置している]、何らかの軍事同盟にも参加していない。つまり、かりに海軍と空軍の近代化が今後も進んだとしても、外国でその軍隊が陸上および港湾において支援を受けることはできないのである。中国が軍事上、グローバルに展開できるのは弾道ミサイル、宇宙衛星、そしてインターネットによる攻撃のみである。これでは中国がグローバルな覇権を実現することはもちろん、アジアにおける覇権でさえも不可能だろう。中国の軍事力は比較的弱小な国家に脅威を与えるには十分であるが、それは主要な帝国主義の実力には程遠く、アメリカとは比べるすべもない。

もちろん、戦後の帝国主義は必ずしも政治および軍事による直接統治に依拠する必要はなくなった。それは軍事力を背景としてはいるが、それ以上に経済力に依拠し、後進国を搾取してきた。かれらはハイテクノロジーに依拠し、後進国から超過利潤を搾取する(いわゆるテクノロジカル・レント[先進技術の独占による超過利潤])。それはまたグローバルな金融独占に依拠して不均等交換を後進国に強制する。だがグローバル経済における中国の支配力は、やはり限定的である。我々は次のことを忘れてはならない。中国は後発国(late comer)であり、先進国を追い越そうとする際には、やはり多くの障害に直面するのである。技術の面では中国は急速に追いついたが、しかし依然として先進技術の面では不十分であり、多くの超過利潤を獲得することは難しい。中国で最高レベルのICチップメーカーでさえ先進国の二、三代前のモデルにとどまっており、大部分のICチップは輸入に頼らざるを得ない。バリュー・チェーンの面では、中国のグローバル・ブランドは極めて少ない。これは中国の多国籍企業がグローバル・バリュー・チェーンにおいてステップアップすることの困
難を意味している。

官僚の排外文化は中国の多国籍企業における外国人上級管理者の受け入れを困難にしており、多国籍企業が特に必要としている人的資源を自らはく奪している。そして人的資源の欠如は、中国の多国籍企業が世界市場で長期的に競争することを困難にしている。中国はすでに世界資源の重要なバイヤーになっているが、後発の競争者であることから、中国企業が先発帝国主義の多国籍企業との競争において、往々にして極めて高額の代金を支払わされている(例えば。ハイ・プレミアムで外国の石油を買いあさる)。先進国向けの投資では、往々にして斜陽産業あるいは倒産に瀕した企業が対象になっている。これらをまとめると、中国の対外投資の多くは薄利であり、損失を被っているケースも少なくない。

まとめると、中国の対外投資総額と貿易量の規模は巨大であるが、中国はいまだ世界市場で安定した基盤を持って充分な剰余価値を搾取できているわけではない。それゆえ帝国主義と称することは難しいのである。実際、中国は依然として世界の搾取工場であり、それは依存性の蓄積(つまり先進国の技術と市場に依存した資本蓄積モデル)が、依然として中国資本主義の重要な特徴であることを物語っている。それはまた中国共産党が依然として、主に途上国からの搾取ではなく、自国の労働者農民と自然資源からの搾取に依存していることを明らかにしている。これらすべての証拠が、中国が既に帝国主義国家になったという論断を否定しているのである。


◆半植民地の歴史的負債

われわれはまた、中国とその他の旧来からの帝国主義との重要な区別に注意すべきである。つまり半植民地の歴史的遺産が、いまだ中国の上の重く覆いかぶさっているということである。中国共産党にとって、国家統一の任務はいぜんとして完成しておらず、台湾はいまだにアメリカの保護下に置かれている。このいわゆる「不沈空母」[台湾]は、中国の覇権にとって終始ひとつの脅威となっており、取り除かずにはおられないが、しかし当面はそれを取り除く力がない。香港にいたっては、すでに中国に回帰したが、人心は回帰しておらず、逆にますます乖離の遠心力が増大している。香港は極めて小さいが、その西欧化された中産階級の上層部分は米英の支配階級とさまざまに直接あるいは間接的、文化的なつながりを持っている。中国全土に対する香港の経済的重要性はすでに以前ほどではないが、香港は中国資本が国境を越えて移動する橋梁であり、香港国際資本の守旧勢力も、中国共産党にとっては脅威ともいえるのである。

およそすべての以前からの帝国主義国家は、植民地経営の歴史があり、文化的にも影響を及ぼしつづけている。これらの旧植民地の知識階層と中層・上層階級は、旧宗主国の言語を理解する者も少なくなく、それは政治や経済的つながりの強化にとって大きな助力にもなっている。だが中国はそうではない。植民地経営の歴史を持たない後発の競争者として、中国は文化的にも後塵を拝している。各国で中国語ブームが起きてはいるが、それは商業利益がモチベーションになっているもので、一部の専門業種の人々に限られており、必ずしも中国文化に対する敬慕からのものとは言えない。このことは中国共産党が海外で宣伝を行う際の障害になっている。孔子学院[中国政府が海外の教育機関と連携して世界各地に設置している中国言語・文化の宣伝機関]の世界各地での悪評も、中国の文化的実力が欠如していることのひとつの反映である。


◆南シナ海での衝突の意味

総じてこれら半植民地の歴史的遺産は、依然として中国共産党支配階級の覇権的野心への制約となっている。それゆえ1999年にアメリカが中国の駐ユーゴスラビア大使館を爆撃し、2001年にアメリカの軍事偵察機と中国の戦闘機が南シナ海で衝突したこと等などは、アメリカが中国をけん制し続けていることを明らかにしたが、当時の中国政府は「韜光養晦」政策[才能を隠して、内に力を蓄えるという天安門事件以降に?小平が掲げた中国の外交・安保の方針]を維持し、基本的に忍耐の姿勢を貫き、徐々に足場をかためる長期展望にとどまり、直接的な対抗措置を取ることはできなかった。対外政策においても戦略的には防衛的なものが主であった。習近平の登場後、南シナ海と釣魚台(尖閣)で紛争が持ち上がり、戦術的には攻勢的な政策をとったが、防衛的な戦略姿勢を変更するまでには至っていない。習近平は南シナ海紛争において攻勢に移りつつあるが、その最も直接的な要因は防衛的なものであり、アメリカの軍事偵察を南シナ海という正面玄関から追い出して、中国沿海に接近させないことにある。

つぎに、中国の外国貿易への依存度が高まるにつれ、中国共産党の安全保障に対する危機感は深まり、南シナ海の軍事拠点をテコにして東南アジアとの航海路線を防衛する必要が高まったことが挙げられる。中国は対外貿易の90%と石油輸入の77%をマラッカ海峡と南シナ海を通過する航路に依存している。中国は、アメリカとの関係が悪化し、海上における生命線を断ち切られることを確実に恐れている。それゆえ、近年における中国の挑発行動も、やはり大戦略の変更ではなく、防衛的必要性の戦術的な調整から出発したものである。

中国共産党は国家統一の任務を完成するまでに戦略的防衛から攻勢に転換し、アジア全域でアメリカ勢力に積極的に挑戦することを追求するかどうかは疑わしいし、アメリカと世界的覇権を奪い合うことを画策しているかどうかは言うに及ばずである。「台湾回収」がいまだならず、半植民地の歴史遺産を完全に払しょくすることができないなかで、アメリカおよびそのアジアの盟友である日本に対して直接的な軍事的対抗措置をとることはできないだろう。実際、中国がその周辺地域においてより強硬な立場を採用している目的は、ほかでもなく将来における「台湾回収」のための準備なのである。同時に、香港に対しては政治的コントロールをより安定したものにしようとしている。だが中国共産党による台湾と香港に対する攻勢も、一歩進んでは砦を築き次へ進むという歩みにとどまっている。

我々は、米中関係の別の側面にも注意すべきである。それは両大国が貿易、投資、債務において高度に相互依存しているということである。それゆえ「Chinmerica」という呼称を発明し、双方の経済的に緊密な協力関係を描写する識者もいるほどだ。このような状況からも、中国共産党が米中対戦において切ることのできるカードは多くない。

もちろん、中国はグローバル経済のなかで拡張し続けており、グローバル・バリュー・チェーンにおける低位に甘んじることは望んでおらず、早晩アメリカとさらに大きな衝突が発生するだろう。中国がいまだ帝国主義ではないということは、それがアジアにおいても覇権大国のひとつではないということを意味するものではないし、弱小国を抑圧しないということを意味するものでもない。実際にそれらの事態は発生しつつある。我々は、中国共産党による広大な南シナ海の領有権主張を絶対に支持しない。現在の中国が強大になればなるほど、それを盾にして弱者を蹂躙することは許されない。一方的な軍事行動ではなく、これまで以上に東南アジア諸国との平和対等の協議を行うべきである。

釣魚島については、アメリカが1972年に日本に施政権を返還するまで、日本が有効的に管轄したことはなかった。それ以降、日本がこれらの諸島を占領したのも日米安保条約がその背景にある。このような占領は、帝国主義による中国包囲の意味合いを持ち、進歩派がそれを支持する理由はない。近年において日中両国の釣魚島紛争がヒートアップしているが、その発端は日本による一方的な国有化にある。一方、過去において世界の進歩的勢力は釣魚島に対する中国の領有権主張を支持してきたが、それは不当なことではなかった。当時の中国は反帝国家として日米同盟に対抗していたからである。しかし現在の状況は一変してしまった。中国共産党政権はすでに反動的な官僚資本主義の覇権に転換してしまった。ゆえに我々は中国共産党の釣魚島に対する行動を支持する必要もなくなった。逆に、われわれはこの諸島を国際的に中立の海洋保護区として、石油資源を永遠に海底に埋蔵するという環境保護を主張すべきである。


◆中国の覇権に立ちふさがる三つの壁

現在の中国は疑いなく上昇中のアジア覇権国家のひとつである。しかし日本を圧倒してアジア最大の覇権国家になるためには、いぜんとして非常に大きな障害に直面しているし、世界を主導する超大国になることなどは言うに及ばずである。

一つ目の障害は、遠くない将来に訪れようとしている経済危機の克服である。この危機は、かりに強力な国家介入によってその爆発性を軽減できたとしても、ただ事では済まないだろう。なぜならそれは一般的な商業周期的なものではなく、官僚資本主義の構造的危機だからである。それは極めて巨大な不均衡と矛盾を累積している。

この種の資本主義はまた巨大な政治的遠心力を生み出している。それはまさに台湾のひまわり運動と香港の雨傘運動が示したところでもある。2014年5月、これまでずっとおとなしかったマカオでも、北京[中国政府]が選んだ行政長官の腐敗に抗議する2万人のデモがあった。

同じ官僚資本主義はさらに密集した党内派閥闘争を生み出している。もう一つの障害は、中国共産党はいまだ安定した権力継承制度を確立しておらず、これは10年に一度、総書記の任期が満期になるたびに権力闘争が勃発するということである。

これらはすべて、中国共産党がさらに覇権を強化するまでに国内で直面する巨大な挑戦となるだろう。もちろん、専制支配者は国内の巨大な矛盾を、外部での衝突を惹起することで、人民の関心を空想上の外敵に向けようとする。しかし最高指導者もはっきり理解しているが、暴力装置、とくにその軍隊はとっくに恐るべき腐敗にまみれている。もし習近平がこのときに、国際関係の激化によって国内の関心を外に振り向けることを選択すれば、それは間違いなく非常に危険な策略を選択することになる。

あるいはそのような不安があるからか、習近平は反腐敗運動を展開するついでに、ライバルに打撃を与えている。だが反腐敗運動は成功しないだろう。なぜならこの運動は同じく腐敗した官僚によって主導されているからである。たとえ幾千もの腐敗官僚を牢屋に放り込んだとしても、長期的に見ればそれは全く効果がないだけでなく、党内からの反発を招き、権力闘争を激化させるだけだからである。

まとめると、中国共産党が覇権を実現するには少なくとも三つの壁を取り除く必要がある。1、中国の半植民地の歴史的遺産。2、グローバル資本主義における後発者という地位。3、激化する国内矛盾。

この三つの壁の存在が、中国が国際関係において主に守勢を取らざるを得ず、個別のケースにおいてのみ限定的な攻勢姿勢をとる理由なのである。もし習近平が自らの力を顧みることなく、アメリカと覇権を争うような火遊びをすれば、その炎によって自らが焼き殺されることになるだろう。

2016年10月4日

【転載】稲田防衛相の靖国参拝抗議声明(安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京)

827「安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京」による稲田防衛相の靖国参拝への抗議声明を転載します。






………

内閣総理大臣 安倍晋三 様

復興大臣   今村雅弘 様

防衛大臣   稲田朋美 様



安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京

          〒202-0022 東京都西東京市柳沢2-11-13



2016年12月閣僚の靖国神社参拝抗議声明



2016年12月28日、今村雅弘復興大臣が靖国神社拝殿前で参拝し、同29日には「防衛大臣である稲田朋美が一国民として参拝した」と称して稲田朋美防衛大臣が、靖国神社昇殿参拝を行った。私たち「安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京」は、この参拝は日本国憲法第20条1項「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」に、明らかに抵触する閣僚の憲法違反行為であるとして、ここに厳重に抗議するものである。

特に稲田防衛大臣は、ハワイ訪問から安倍首相とともに12月28日夜に帰国したばかりであり、本来であれば、アジア諸国とりわけ中国、韓国との不戦の誓いを模索すべき時に、敢えて靖国神社参拝強行に及んだ。このことは、東アジアに対して喧嘩を売る行為に等しい。事実、中国、韓国からは、直ちに参拝行為に対する厳しい批判の声があがっている。

稲田防衛大臣は、過去に「国民の一人ひとり、みなさん方一人ひとりが、自分の国は自分で守る。そして自分の国を守るためには、血を流す覚悟をしなければならないのです!」「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけないんです」と発言をしている。

このような信念に基づいての防衛大臣靖国神社参拝は、東アジア諸国にとって、戦争準備行動と捉えられるのは自明のことである。

 稲田防衛大臣は、午前8時頃の靖国神社参拝に先立ち、午前6時30分ごろには靖国神社参拝を関係者に事前予告し、マスコミ取材および関係者の動員という周到な準備を行った上での参拝であり、あたかも靖国神社が「国から特権を受け」ているような印象を与えるような世論操作を行っている。個人的参拝でなく政権党閣僚としての政治的参拝であることは明らかである。

 安倍晋三内閣総理大臣は、ハワイ真珠湾訪問に際し、「慰霊」という神道用語を多用し、マスコミもまた無批判に「慰霊」という神道用語を使っている。明らかに、憲法第20条3項(「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」)違反であり、私たちは厳重に抗議する。

安倍靖国参拝違憲訴訟の大阪高裁判決は、2017年2月28日に予定されている。私たちが取り組んでいる安倍靖国参拝違憲訴訟・東京の闘いも2017年2月6日に結審が予定され、近く東京地裁で判決が行われる予定である。

私たちは、被告安倍晋三内閣総理大臣の「個人の信教の自由」に基づく靖国神社参拝正当化論の欺瞞性を打ち砕き、靖国神社参拝違憲判決を勝ち取るために、全力を尽くして闘い続けることをここに明らかにすると共に、首相・閣僚による憲法違反の靖国神社参拝を今後、行わないことを強く要求するものである。



報告 : 12.21「リオ五輪」反対運動現地報告集会

IMG_2371 一二月二一日、東京・原宿の隠田(おんでん)区民会館で、八月に開かれたリオデジャネイロ・オリンピックの現地で、反対運動を繰り広げる現地の仲間と交流してきた仲間の報告集会が行われた。主催は「二〇二〇オリンピック災害」おことわり準備会。国立競技場周辺の野宿者排除や、競技場に近接する霞ヶ丘住宅の取り壊しに反対する運動を継続してきた「反五輪の会」のいちむらみさこさんが報告した。いちむらさんは国際的なオリンピック反対運動のネットワークである「プラネタリー・ノー・オリンピック・ネット」のメンバーでもある。

 いちむらさんはリオ五輪に異議を唱える現地の人びとの抗議行動や、デモの映像をスクリーンに映し出しながら、現地の人びとの闘いの息吹きを紹介した。



 反リオ五輪の活動を現地で呼びかけたのは、ファベーラという貧しい人びとが住むスラム街の住民たちの住宅の権利を守る運動、人身売買に反対する運動、フェミニストの運動など多様な人びとによって構成される運動である。ファベーラの住民はリオデジャネイロの人口の二四~五%にも達する。五輪のための再開発で、住民たちの立ち退き、排除が行われる一方、急速に経済危機が進む中でのオリンピックだった。

 ドバイ経由の便で三四時間もかかって着いたリオデジャネイロは、まだ五輪のための工事中で、看板がファベーラの存在を隠していた。市内の三三の学校では、給料が支払われない教員たちが抗議の占拠を続けている。経済危機の中で公共事業を後回しにして「五輪第一」を貫くやり方に人びとの抗議が高まっている。「オリンピックよりも教育を」というスローガンが掲げられている。町の中心には五輪の看板はなく、反五輪のポスターの方が多かった。五輪のモニュメントのすぐ隣に反五輪のモニュメントが建っていたりしている。



 オリンピックの開催中、さまざまなテーマに即した討論会が毎日行われた。環境問題、居住の権利、ホームレス支援、先住民、労働、公共サービスと「オリンピック災害」、スポーツの商品化とナショナリズムなどについてである。この討論会に対して、警察がゴム弾、催涙弾などを撃ち込んで解散を強制し、会場となった公園には人がいられなくなるような弾圧を行った。

 一方、チケット売り場などはガラガラで人びとがオリンピックに詰めかけるという状況ではなかったという。

 サッカー・ワールドカップの主会場となり今回のリオ五輪でも開会式・閉会式とサッカー競技が行われたマラカニヤン・スタジアムに近いマラカニヤン駅の裏でもファベーラが残っている。オリンピック前に多くのファベーラは解体されたが、しぶとく残って、自分たちの権利のために地域活動を行っている人びとがいるのだ。そこではシングルマザーの女性がコミュニティーの中心となって町づくりの中心になっている。

住居の破壊が強行されたが二〇軒が残り、行政側はついに根負けして新築の白い家を二〇軒建て、そこに住むよう促した。しかし住民たちは「自分たちは家が欲しくて抵抗したのではない」と怒り、「排除の展覧会」を開催した。

いちむらさんはこうしたリオデジャネイロでの反五輪運動の多彩な、生き生きとした活動を紹介し、二〇二〇年東京五輪反対の運動の可能性について示唆した。



なお一月二二日には午前一一時半から反五輪の会が「五輪ファーストおことわり!オリンピックやめろ!デモ」を呼びかけ(JR原宿駅表参道口すぐ神宮橋集合、一一時半:アピール、一二;〇〇デモ出発)、午後一時半からは「オリンピック災害 おことわり!」集会が千駄ヶ谷区民会館(JR原宿駅下車)で行われる(主催:「2020オリンピック災害」おことわり連絡会)が開かれる。

 「二〇二〇年東京五輪」に反対する運動を広げよう。

(K)

報告:12.23反天連シンポジウム

23シンポ 12月23日、反天皇制運動連絡会は、千駄ヶ谷区民会館で「12・23反天連シンポジウム 天皇の『象徴的行為』ってなんだ!? 『代替り』状況のなかで考える」を行い、80人が参加した。

 明仁天皇は、8月8日に天皇制延命・強化に向けて憲法違反である「生前退位表明」の政治的行動を強行し、皇室典範と関連法規の改定を求めた。また、「天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たす」と述べ、憲法上の規定のない「象徴としての行為」をあらためて押し付けていくことも表明した。

続いて、23日の「天皇誕生日」にターゲットを定め、「確信犯」として「8月には、天皇としてのみずからの歩みを振り返り、この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました。多くの人々が耳を傾け、おのおのの立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」などと再度の違憲発言を行った。つまり、「内閣とも相談」してきたことを押し出すことによって憲法3条の「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ」の枠内にあると言いたいのだ。

 だが安倍首相は、「生前退位表明」直後に「さまざまな報道があることは承知している。 事柄の性格上、コメントすることは差し控えたい」と述べ、あわてて対応に走った。明仁天皇が「内閣とも相談」してきたと言うならば、その後の安倍政権のドタバタはなんなのか。事実経過がまったく明らかにされず、メディアもなんら追及しないという構造にある。さらに天皇明仁が2018年をメドに新天皇に「譲位」したいと表明しているため、安倍政権は「有識者会議」(天皇の公務負担軽減等に関する有識者会議)を設置し、明仁天皇一代限りの「生前退位」を認める「特例法」によって集約しようとしている。

 主催者は明仁天皇の「生前退位」表明をバネとする天皇「代替わり」状況、天皇制強化にむけた「再定義」を許さない取り組みに向けてシンポジウムを行った。

 以下の三人から問題提起が行われた。

 浅野健一さん(同志社大大学院教授)のテーマは「天皇『代替わり』状況とキシャクラブメディア」。

 「7月13日、NHKの『スクープ』で始まった天皇の『代替わり』の大報道は、戦後一貫して権力とメディアが天皇賛美・天皇制維持報道の延長線上にあることを示した。キシャクラブメディア(治安維持法下で設置され日本しかない記者クラブ制度)は、天皇明仁の『お気持ち』表明自体の違憲性を問うことはない。明仁らの『慈愛』を強調し、平和天皇のイメージを振りまき続けている」。

 「8月8日のビデオメッセージは、最初から明仁とNHKの合作だったのではないか。明仁自陣と天皇側近が組んで、宮内庁記者会のNHK記者を利用して、『お気持ち』を公共の電波に乗せて、政府と国会に法改定を促した。NHKの報道が午後七時のトップという、他メディアが十分に後追いできる時間帯だったことも忘れてはならない」と批判した。

 米沢薫さんは、「象徴天皇制と政教分離」というテーマ。

 「そもそも象徴とは、つくれない、廃棄できない、コントロールできない、置換できない機能があり、不可視のものを『可視化』し、排除と帰属の作用を果たしていく。例えば、現在のヨーロッパのイスラムをめぐる『宗教』論争の中で『イスラムのベール』、キリストの『磔刑像』問題がある。象徴の暴力性としてベールを身に着けることや磔刑像に対する異論を排除する作用へと現れている。天皇制という象徴によって、天皇制に対する国民の無関心が天皇制を廃絶しようとする力に対して強く反発したり、無関心のまま天皇制を維持することを強力に求めることに現れている。これは新たなファシズムであり、『日本国家帰属意識』だ」と指摘した。

 「田川建三は、『負の宗教性というイデオロギー状況と象徴天皇制』(叢論日本天皇制/柘植書房)で『負の宗教性』的な天皇支持を明らかにし、桑原重夫が『天皇制と宗教批判』で共同性の喪失、個に解体していく孤立感を、それを埋めるものとして天皇制の宗教性を利用した『国家』共同性の強化、国民統合していく装置であると分析している。天皇制のこのような役割を見据えて天皇制反対の取り組みを意識的に行っていく必要がある」と呼びかけた。

 天野恵一さん(反天皇制運動連絡会)のテーマは、「安倍改憲と<生前退位>問題」。

 「安倍政権が明仁天皇一代限りの「生前退位」を認める「特例法」でまとめようとしていることに対して明仁がどのように誕生日記者会見をするか『怯えている』という報道を週刊新潮が行った。安倍政権の「生前退位」反対と天皇ガンバレという構造がマスメディアにある。明仁は、『生前退位』について『内閣と相談しながら』と言っているが、NHKに報道させることまでは相談していなかった。明仁は違憲行為であることを自覚しながらやっている。安倍は報復人事として宮内庁長官人事異動、手引きした職員を首切った。マスメディア上ではこういう対立構造がある」と述べた。

 しかし、「明仁は、自民党の改憲草案天皇条項(第1条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく)を先取りして立ち振る舞っている。明仁と安倍の本質的対立があるわけではない。反天皇制運動は、国事行為に入っていない天皇の公務、象徴的行為と闘ってきた。そもそも国民主権だから天皇がどうなろうと関係ないはずだ。だがマスメディアが天皇賛美し続ける現状があり、これを突破するための奮闘が求められている」と訴えた。

 質疑応答後、参加者全体で2017年の反天皇制運動に向けてスクラムを強化していくことを誓いあった。

(Y)
 
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