虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

政治情勢

報告:11.15香港に自由を! 連帯デモ

配信:香港デモ 11月15日、新宿アルタ前広場で「香港に自由を! 連帯デモ」が行われた。呼 びかけ団体は、ApFS労働組合、ATTAC Japan(首都圏)、ジグザグ 会、LACC(反資本主義左翼講座)、NO―VOX Japan。

 中国共産党第19期中央委員会第四回総会(4中総会/10・31)で香港に対して 「特別行政区が国家の安全を守るための法律制度と執行メカニズム」(①「一国 二制度」の堅持と改善②中国政府による香港行政長官や主要高官の任免制度③全 人代常務委による香港基本法の解釈制度の改善)構築とともに「特別行政区の法 執行力強化」を確認しながら、「中国の歴史と中華文化」「国家意識と愛国精神」 教育の強化を押し進めていくことも意志一致している。

 四中総会後、中国の習近平国家主席は香港特別行政区の林鄭月娥行政長官と会 談し、香港の治安回復を命じた。以降、香港政府は、民衆の五大要求〈(1) 「逃亡犯条例改正案の撤回は、撤回を勝ち取ったが、(2)デモの「暴動」認定 の取り消し(3)警察の暴力に関する独立調査委員会の設置(4)拘束したデモ 参加者の釈放(5)普通選挙の実現〉を無視し続け、重弾圧体制を広範に敷き、先 取り的にマスク着用を禁止する「覆面禁止法」制定(10・4)を皮切りにデモ参加 者に対する無差別大量逮捕、警告発砲をせず「銃殺」を前提にした実弾発砲を繰 り返している。

 さらに中国の習近平国家主席は、わざわざブラジルの新興5カ国首脳会議(11・ 14)で「香港行政長官が率いる香港政府の法に照らした施政や、香港警察の厳正 な法執行、香港司法機関の法に照らした暴力犯罪分子の処罰を引き続き固く支持 する」と表明し、香港民衆との全面対決を見据えていくことを国際的に宣言した のである。

 緊迫した現地情勢に連動して、実行委は、「香港は、今や『真の民主主義と自 由』を求める闘いの最前線に立っています。香港の民衆と共に立ち上がろう!」 と呼びかけ、本日のデモをスタートに連帯行動を積み上げていくことを訴えてい る。

 実行委の開催あいさつが京極紀子さんから行われ、「昨日、大嘗祭という天皇 儀式を27億円かけて行われた。200人の仲間とともに東京駅前広場から皇居に向け て抗議行動を行った。性差別・身分差別の天皇制がある日本は、本当に民主主義 国家なのか。世界は民主主義のために闘っている人々がいる。香港の人々は、命 をかけて民主化のために闘っている。自分たちのことは自分たちで決めるという 自己決定のために闘っている。「逃亡犯条例改正」案に端を発して春から民衆の 闘いが高揚し、100万人、200万人がデモに参加している。九月に「逃亡犯条例改 正」撤回を勝ち取ったが、五大要求を実現するために闘っている。しかし、警察 の暴力によって亡くなった仲間、多くの負傷者、大学突入破壊などの暴挙を繰り 返している。2回ほど香港を訪問してきたが、すごく心配だ。香港の民衆は、中国 の介入を見据えながら闘っているが、だからこそ国際的な連帯行動が重要だ」と 強調した。

 稲垣豊さん(ATTAC Japan(首都圏)は、香港民衆と警察との攻防局 面、情勢などを報告し、「11月11日~12日、香港中文大学にいるデモ参加者を検 挙するために警察が突入を試みたが、民衆は約10時間以上も抵抗しつづけた。警 察の無差別テロによって負傷者が60人以上となっている。警察の暴力のエスカレー トを国際的な包囲で少しでも止めさせていくことが緊急に求められている」と発 言。  さらに民主化運動内の状況について触れ、「香港の街頭では親中国派やヤクザ と闘う民衆の衝突が起きている。それだけではなく、残念ながら運動内部におい ても暴力によって相手の言論を封じ込める事態も発生している。運動が過激にな ればなるほど運動内部の民主主義が非常に重要になってきている。ある友人は、 運動内民主主義、香港の民主主義、中国の民主化を一体的に求めて闘っている。 香港のゼネストが呼びかけてられている。親中国派の組合が多いなかで困難な闘 いが続いている。運動の内部状況も含めてリアルな報告と連帯を勝ち取るために 12月に香港の仲間が訪日する。ぜひ多くの仲間が参加され、今後、香港と日本の 連帯運動の発展に向けて共に考え、行動していくことを呼びかけたい」とアピー ルした。

 NO―VOX Japanは、「香港に自由を!連帯行動」の呼びかけを行った。  前段集会終了後、デモに移り、「香港に自由を! 香港民衆の五大要求支持!  覆面禁止法撤回! 実現しよう民主主義」などのシュプレヒコールを繰り返し、 新宿一帯にわたって香港民主化をアピールした。最後に香港の仲間によるシュプ レヒコールが行われ、本日の行動を終えた。

(Y)  

報告:11.14 大嘗祭に抗議するナイトイベント『大嘗祭反対!@トーキョーステー ション』

配信:大嘗祭① 11月14日、終わりにしよう天皇制!「代替わり」反対ネットワーク(おわてんネット)は、午後六時半から東京駅前丸の内駅前広場で「大嘗祭に抗議するナイ
トイベント『大嘗祭反対!@トーキョーステーション』」を行い、 200人近くが参加した。

 天皇「代替わり」関連の2019年度予算は、144億円だ。その内訳は、「即位の礼」
(10・22)の中心儀式「即位礼正殿の儀」などに36億円、台風被災に配慮してなどと延期したが強行したパレード「祝賀御列の儀」(11・10)で使うオープンカーに8000万円など使い放題だ。そして「大嘗祭」には27億1900万円で、儀式に使う大嘗宮の建設・解体はゼネコン各社が行う。安倍政権は、天皇家と連携プレーのうえで大嘗祭を国事行為ではなく皇室行事として実施するが、「重要な皇位継承儀式として公的性格がある」として手前勝手に決めつけ国費を支出した。

 すでに安倍政権と天皇家の水面下における綱引きの現れとして、わざわざ秋篠宮が誕生日記者会見(2018・11・30)で天皇制を強化していく観点から「大嘗祭については、これは皇室の行事として行われるものですし、ある意味の宗教色が強いものになります。私はその宗教色が強いものについて、それを国費で賄うことが適当かどうか」などと批判せざるをえない状況に入っていた。

 天皇制の暴力性の一環として多くのマスメディアは、女性差別・身分差別・神道儀式の天皇教儀式である大嘗祭に対して一切批判せず、疑問、揶揄させえもせず、賛美を繰り返した。その中でも憲法違反(政教分離)が明白な大嘗祭強行に対して産経新聞は、あえて「天皇と国民 つなぐ祭祀」(11・15)と強調し、日本会議の百地章を登場させて「大嘗祭への違憲論 解決済み」と押し出さなければならないという不安定性を自己暴露するほどだ。百地は、大嘗祭違憲裁判の判例をあげながら大嘗祭は「皇位継承のため不可欠な伝統儀式」だから特定宗教への援助ではなく公金支出も許されるなどと弱々しく整合性がない論理で居直るしかないのだ。だから百地は秋篠宮発言に触れることができず、日本会議による天皇家に対するアプローチを前提にして暴論を展開しているにすぎない。

 天皇制強化に向けた綱引きは、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」(2017・6)付帯決議の「女性宮家の創設等」の検討も含めて新たな局面に入りつつある。皇位継承議論の関連で天皇主義の自民党議員を中心に「日本の尊厳と国益を護る会」が「男系男子維持のため旧宮家の男子を現皇室の養子にしろ」(10・23)などと言い出している。当面は、徳仁および天皇家、宮内庁、安倍政権との共謀関係を維持したうえで「即位後朝見の儀」(5・1)、「即位札正殿の儀」(10・22)における「お言葉」で示したように改憲を前提にした新たな天皇像をデッチ上げていくためにたち振る舞っていかざるをえない。

 天皇制強化派の矛盾・問題点を暴き出し、広範な反天皇制戦線を広げていこう。憲法違反(政教分離)の大嘗祭強行に対してキリスト教関係者は、「即位諸儀式は神道儀式。国事行為、公的行為とすることは国民主権、政教分離、憲法尊重の義務に違反する」(11・12)と抗議している。安倍政権のグローバル派兵国家建設に向けた憲法九条改悪の野望と連動した天皇制強化を許さず、安倍政権打倒、天皇制解体運動を押し進めていこう。

皇居に向けて次々と抗議アピール

 午後6時半、広場から約900mさきの皇居では天皇教儀式の「大嘗祭」が行われいる。仲間たちは、大量の公安政治警察と機動隊の包囲と妨害に抗して皇居に向けて「天皇ヤメロ 即位反対」、「大嘗“茶番”祭」「終わりにしよう天皇制!」の横断幕、「インチキ大嘗祭」「税金かえせ」などのプラカードを断固として掲げた。

 抗議行動は、井上森さん(おわてんネット)の開催あいさつから始まり、「大
嘗祭に使われるカネは、27億円だと言われている。台風被害で多くの被災者が出ている。100人以上の人が亡くなっている。被災者、復興のためにカネを使わず、天皇の『代替わり』のために儀式、パレードを行ってきたことに天皇制の本質がある。今、天皇制反対があってはならないものになってしまっている。しかし、天皇制に反対する私たちは、ここにいる。全国にもたくさんの仲間がいる。天皇制によって殺され、奪われ、弾圧されたたくさんの天皇制反対のアジアの人々がいる」とアピール。

 参加者全体で皇居に向けて「大嘗祭反対! インチキ儀式やめろ! 税金返せ! 政教分離守れ! 終わりにしよう天皇制!」のシュプレヒコールを突きつけた。

 次々と発言が続く。

 大分の「天皇問題を考える市民ネットワーク」は、「今日は天皇制に反対する大分、福岡の仲間たちが要請行動を行っている。前代替わりの時から裁判も含めて天皇制反対闘争を行ってきた。大嘗祭で天皇教の教組になったつもりの天皇はいらない。湯水のようにカネを使ういっぽうで、私たちはわずかな年金でどうやって食べていけるのか。おかしいことはおかしいと言い続けていこう」と発言。

 「おっちんズ」の「天皇制はいらないよ」の大合唱は、皇居にも響いていった。

 東京の仲間は、「集会に対して警察は囲み、写真を撮っている。これが天皇制
の暴力だ。以前は天皇制容認だったが、歴史を学ぶことによって反天皇制の立場になった。アジアの民の呪いの声を受け止め、私たちの手で天皇制を葬り去らなければならない」と訴えた。

 静岡の仲間は、「今年は反天皇集会を6回、3回のデモを行った。大嘗祭反対集
会を11月10日に行った。裕仁下血の時は、自粛が強制された。天皇制を考える集会に対して静岡県は会場不使用にした。高裁では、『市民の表現の自由は守られるべきだ』という確定の判決を勝ち取っている。粘り強く天皇制に反対していこう」と発言。

 さらに2020オリンピック災害おことわり連絡会、フェミニストグループ「紅一点」、女性と天皇制研究会、即位大嘗祭違憲訴訟などからアピールが行われた。

 最後に再度、「天皇制はいらないよ」の大合唱を行い、反天皇シュプレヒコールが東京駅前と皇居にわたって響いた。

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報告 : 11月3日、首相官邸前で南西諸島自衛隊配備反対アクション

DSC_027011月3日、琉球弧自衛隊配備反対アクションは、通算20回目になるアクションを首相官邸前で行った。参加者は100人を超えた。


この日本国憲法公布の日である11月3日に行動を行ったのは、「南西諸島における自衛隊配備は改憲成就前に海外で戦争ができる国の物理面での完成になるから」という趣旨が司会から説明され、この問題意識は参加者からも繰り返し、述べられていた。

また、司会の植松青児さんからは「10月にとうとう宮古島保良地区での弾薬庫基地の工事が着工されてしまったが、地権問題は解決してもいないし、地主と裁判になっている。しかし、自衛隊の問題は日本と日本人の問題だ。だから、官邸前で行動をやる。工事はまだ止められる」とあいさつ。


宮古島出身の下地さんは「保良地区で工事が始まって、現地では阻止行動が展開されている。まさに辺野古のような状況だが、あまり『内地』では報道されない。しかし、現地では基地建設が進行している千代田地区の住民が保良に支援に行くなど、連帯のつながりが強まっている。また、保良の土地をめぐる裁判で、新たに地主が『先祖の土地を戦争には使わせない』として、裁判闘争を決意している。この言葉を『内地』の運動で響かせてほしい。宮古にない官邸・国会がここにある。この場所の闘いをもっと大きくしましょう」と訴えた。

参加者へのマイクリレーでは、「安倍はやはりペルシャ湾と紅海沿岸への自衛隊派兵を決意したようだ。絶対に止めよう。今までの海外派兵はすべて資源と権益確保のためのものだった。イランに対しても同様だろう。侵略戦争を繰り返させないためにも、南西諸島に基地を作られてはならないし、改憲を阻止しなくてはならない」の声や「与那国島で最初に自衛隊新基地が作られてしまったことに、声をあげなかった責任を痛感している。あそこからなし崩し的に島々に基地がどんどん作られている。4年前、戦争法反対でこの場所に集まった数万の人々は、真に改憲と戦争を止めるためにこの問題でも立ち上がってほしい」などのアピールが続いた。

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報告:10.31「香港人反抗! デモとお粥と催涙弾」報告会/ATTAC Japan(首都圏)

10.31香港 10月31日、ATTAC Japan(首都圏)は、新宿・カフェ・ラバンデリアで「香港人反抗! デモとお粥と催涙弾」報告会が行われた。

 香港民衆は、容疑者送還条例の改悪(容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例)に対して6月から大規模なデモを連続的に展開し(6・9は103万人)、7月には香港に拡大していった。すでに逮捕者が9月下旬までに1556人以上にもおよんでいる。そんな中でも民衆は、5大要求〈(1)「逃亡犯条例改正案の撤回は、撤回を勝ち取ったが、(2)デモの「暴動」認定の取り消し(3)警察の暴力に関する独立調査委員会の設置(4)拘束したデモ参加者の釈放(5)普通選挙の実現〉を掲げ、断固として闘い抜いている。

 逆に、反対運動の拡大にともなって中国政府は反対運動の鎮圧指示を香港特別行政区政府に強め、機動隊を先兵に殺人的な暴力弾圧をエスカレートさせている。それだけではない。暴力団ヤクザを動員しながら機動隊の弾圧を強化していくありさまだ。あげくのはてにデモ参加者のマスク着用を禁止する「覆面禁止法」を制定〈10・4〉し、無差別大量逮捕を強行している。

 また、中国共産党第19期中央委員会第4回総会(10・31)では、香港の反対運動をターゲットにしたコミュニケを出し「国家の安全を守る法律制度と執行メカニズムを確立する」「一国二制度を堅持し、香港基本法に基づいて管轄統治を厳格に実行する」と強調し、香港政府の弾圧を支援、強化していくことを確認している。民衆は、中国政府・香港政府と対峙しつつ、反撃陣形を再構築しつつある。緊迫した現地と情勢に注目し、日本における香港民衆連帯・支援の取り組みが求められている。

 京極紀子さん(ATTAC Japan(首都圏)、稲垣豊さん(同)は、7月1日の香港返還記念日のデモ、9月15日の民間人権陣戦の呼びかけたデモに参加した。現地での様々なデモ、仲間たちとの交流、立法会包囲、機動隊の暴力に抗する民衆などの写真と動画を上映しながら報告した。報告会では交流を深めるためにマスター手作りの『お粥』が提供された。

 開催あいさつが京極さんから行われ、「6月9日に103万人、16日が200万人プラス1人(亡くなった仲間も含めて)のデモが行われ、以降も大規模なデモが続いている。香港の人口が800万人だから4人に1人がデモに参加している。政権が倒れてもおかしくはないが、バックに中国政府がいるため倒れていない。行政長官は、デモの収束をねらって条例撤回を明言せざるをえなかったが、覆面禁止法を制定し、機動隊の暴力も激しくなっている。民衆は五大要求の実現に向けて闘っている。中学生、高校生も起ち上がっている。私たちは、反グローバリズム、オリンピック反対などの取り組みとともにインターナショナルな出来事にもつながっていきたいと考えている」と述べた。

 稲垣さんは、①容疑者送還条例改悪の解説と批判②五大要求の積極性③11月24日に行われる香港の区議会議員選挙(地方選挙)と政府の妨害実態などを浮き彫りにした。そのうえで「中国政府は、中国の中に香港情勢を伝えられないように妨害している。正しい情報が伝わることを恐れている。香港の実態について各方面に発信し、連帯の輪をひろげていきたい」と強調した。

 香港の仲間は、「政府は、逮捕者を増やせば収まると考えている。街中で買い物に出ているだけで逮捕されるケースもあるほどだ。昨日も団地に入り込み、デモから逃げた人を逮捕するために不法侵入した。その住民に対しても逮捕するぞと脅かし、手を上げさせていた。当初のデモに対する弾圧と比べると、すさまじい形で弾圧されている。日常的になっている。デモが始まる前、黒Tシャツを呼び止め、カバンにマスクとか持っているだけで逮捕する。警察は、デモ参加者の格好をしてデモ隊列に潜り込み、突然、参加者を逮捕したり、挑発行為を行っている。香港の地下鉄は、警察、機動隊の移動のために優先的に使われている。地下鉄にデモ参加者がいると襲撃も行う。行方不明者も出ている。状況は大変厳しい」と報告した。

 マカオの仲間は、「マカオは、ポルトガルから1999年に中国に返還された。ほとんどの人は中国政府を応援している。だから民主運動を行うのは、大変だ。僕みたいに中国政府を批判し、香港のデモ応援する人は少ない。だが香港が勝ったら大きな変化を作るだろう。正しいことをやつている香港の人々を応援していきたい」と述べた。

 最後に京極さんは、「1997年に香港が返還され、一国二制度で50年間は建前上、今までのままだということになった。だが22年たったが自由選挙になっておらず、だんだん中国に支配される危機感を感じている。香港の人たちは、今、声をあげないとだめだという覚悟を持っている。11月に区議会選挙があり、中国派と対抗して民主派が多数立候補する。見せしめ的に立候補を認められない人もいる。政府は暴力団のテロなども使って恐怖支配を策動している。支援・連帯の呼びかけに応えていこう」とまとめた。

 さらに行動提起①香港連帯スタンディング/11月3日(日)16時~17時、JR御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口 ②「香港に自由を!連帯行動」/11月15日(金)、午後七時、新宿駅東口アルタ前広場―が行われた。
          
(Y)

報告:東京戒厳令を打ち破れ!10.22 即位式反対デモ 3人の不当逮捕糾弾!

10.22反天デモ 10月22日、終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)は、ニュー新橋ビル地下ニュー新ホールで「東京戒厳令を打ち破れ!10.22 即位式反対デモ」の前段集会を行った。さらに午後1時から行われている天皇の即位宣言ショー、国事行為と称して違憲(政教分離原則違反)が明白である「即位札正殿の儀」を演じている皇居に向けた抗議デモを500人以上の参加者で断固として貫徹した。

 国家権力は、天皇即位式反対を掲げる反天皇制デモに対する報復として3人の仲間を不当逮捕した(10月25日、1人奪還)。この暴挙を糾弾し、仲間たちの即時奪還を勝ち取り、反天皇制運動の包囲によって権力犯罪を暴き、追及していく。救援会声明

 安倍政権は、「即位式」に対して約26000人の警察を動員して首都戒厳体制を敷いた。なぜならば約50カ国の外国要人を招き、国内はもちろん国際的な政治ショーとしてメディアをフル動員させて演出し、なんとしてでも天皇即位総賛美の「即位式」を作り上げねばならなかった。

 ところが、公然と「即位礼も大嘗祭も憲法違反だ!天皇即位式に反対しよう!」を掲げる「おわてんねっと」デモの登場によって、その目論見は崩れ、その報復として最初から不当なデモ規制・弾圧態勢を敷き、「封じ込め」を策動してきた。デモの左右に機動隊を配置するサンドイッチ規制、デモの先頭と後尾に対する不必要な介入などを繰り返してきた。

 通常のデモよりも、速攻でデモ参加者を逮捕する態勢を作ってきた公安政治警察も大量配置してきた。つまり、デモに対する不必要な暴力的挑発を行い、デモ破壊を強行してきたのである。「おわてんねっと」のデモ、反天皇制運動に対する圧殺を跳ね返し、国家権力に不当逮捕・弾圧を強行した責任をとらせる。

 天皇即位関連儀式は、総額166億円をかけて11月14日の皇位継承儀式「大嘗祭」など来年4月まで行われる。パレード「祝賀御列の儀」は、「台風19号の甚大な被害を考慮」して11月10日に延期した。なぜ「甚大な被害を考慮」するならば一連の即位儀式に支出するカネ全額を被災地・住民にまわさないのだ。改憲を射程にした安倍政権と天皇制の維持・強化をねらう天皇一家にとってそんなことは絶対できない。その共謀共犯関係を居直り的に押し出したのが「即位札正殿の儀」での天皇徳仁の「お言葉」であり、安倍首相の「寿詞」だ。

 天皇徳仁の「お言葉」では、従来通り、明仁元天皇が天皇制と裕仁の戦争犯罪を棚上げにし、アジア・太平洋などの民衆に謝罪することもなく、欺瞞的な「平和主義」天皇像をつくりあげてきた手法を踏襲していくことを表明した。さらに、5月1日の「即位後朝見の儀」の「お言葉」と同様に、「日本国憲法」の「日本国」を使わず、「憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と述べ、あえて自らの任務を再確認しているようにみせている。ところが明仁前天皇は、これまで「お言葉」において「日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす」と述べてきたが、徳仁はこの部分は踏襲していないのだ。

 安倍首相の「寿詞」では、「日本国憲法にのっとり、象徴としての責務を果た
される」と述べ、徳仁とバランスをとろうとしていている。つまり、明らかに2人は、現行の「日本国憲法を守り」と述べず、徳仁が改憲を前提にした憲法に「のっとり」という意味を込めて述べることを、示し合わせて使ったのである。安倍と首相官邸、天皇一家と宮内庁の下準備を周到に行ったうえで、かつそのような共謀共犯関係を隠すこともなく、改憲を射程にした連携プレーを演じたのである。

 「即位式」は、安倍政権のグローバル派兵国家建設に向けた憲法九条改悪の貫
徹と天皇制を強化するために位置づけられ、連動して2020東京五輪キャンペーン、差別・排外主義を貫くナショナリズムを煽りながら民衆統合の強化のためのイベントであることをあらためて示したのである。

 集会は、京極紀子さん(おわてんねっと)の司会あいさつではじまり、『おわてんねっとは、天皇代替わり』に対して、この一年間、全力で闘っていこうと結成した。首都圏の仲間たちを中心に粘り強く積み上げてきた。4月30日〜5月1日の即位式に対しては、反天ウィークとして5日間の連続行動を取り組んだ。5月1日は、ここから銀座デモを500人で行った。今日の闘いは、反天皇闘争の後半戦の始まりだ。午前中から天皇制の神道儀式が国事行事として強行している。本日は、大阪、静岡など全国各地で闘われている。私たちも全力で今日、闘いぬこう。パレードが延期になったが、ならば儀式を全部やめてしまえ!」と発言した。

 死さん(おわてんねっとツイッター仲間)は、「天皇制がどれだけの人の尊厳を踏みにじっているのか。反天皇制を掲げると『いやなら日本から出ていけ』と言われる。天皇制は廃絶しかなく、日本こそ出ていけと言いたい。天皇制はぬぐいきれない侵略の血にまみれている。息苦しさをたどれば天皇制、家父長制、資本主義、侵略主義にたどりつく。日本こそ私から出ていけ。『日の丸』は掲げない、燃やす!天皇制廃絶」とアピール。

 斉藤たまみさん(日本キリスト教団神奈川教区社会委員会ヤスクニ・天皇制問
題小委員会/バスストップ から基地ストップの会)は、「キャンプ座間基地反対の取り組みとともに反天皇制の取り組みを行っている。私はクリスチャンだが、宗教が国家と結びつくことはおことわりだ。武力ではなく話し合いで解決していくことを願っています。基地や軍備にお金をかけるのではなく、基地を一つ一つなくしていくことだ。天皇制を終わりにしましょう」と発言。

 続いて、反天皇制・即位式反対の決意表明が五郎丸さん(武蔵野市などで活
動)、アナルコ・フェミニズムぐるーぷ・紅一点、大山千恵子さん、「表現の不自由展・その後」の再開をもとめる愛知県民の会、大分の「天皇問題を考える市民ネットワーク」から行われた。

 最後に、「おっちんズ」の反天皇制の唄を参加者全体で合唱し、銀座デモに向
かった。

(Y)



報告:10.1 香港の民衆と連帯し闘おう 新宿駅頭でアピール行動

配信:香港新宿②暴力で民主主義はつぶせない

 10月1日、中国の「建国記念日」にあたる「国慶節」のこの日、香港では中国・香港政府に反対する大規模な市民デモが行われた。「反送中」(法律に違反したとされる市民を逮捕して、強制的に中国に連行することを可能にする弾圧法撤回を求める運動)がメインテーマだ。香港の警察はデモに対して実弾を発射し、18歳の高校生が重傷を負った。なんとか一命を取りとめたとはいえ、こうした暴力的弾圧のエスカレートにわれわれは強く抗議する。

 この日、東京・新宿では香港の自由と民主化を求め、中国・香港の両政府によ
る暴力的弾圧に抗するアピール集会が、呼びかけられた。題して「Stand with Hong Kong @TOKYO 1001」。この間、7月と9月の二回にわたり香港でのデモに参加してきた仲間も呼びかけた。

 午後七時からのアピール行動には、40人が参加。香港から東京に来ている若者たちのグループも参加し、広東語で連帯を訴えた。

 集会では最後に、労働組合活動家による連名の連帯アピールを松元ちえさん
(新聞通信合同ユニオン)が読み上げた。

 香港では、警察の弾圧がエスカレートしている。民主主義と自由のために連帯
を広げよう!    

(K)


アピール
連帯よ永遠に 香港の市民とともに立つ


 私たちは日本における草の根の労働運動活動家のネットワークです。香港で歴史を紡ぐ行動に深く動かされ、この声明を、香港の労働組合やワーカーセンター、市民団体、また労働組合に関りがなくても声をあげている仲間のみなさんに送ります。そして、声を上げたことで解雇された香港の仲間と深く連帯し、解雇した企業に対して強く抗議します。

 私たちは自由意志に基づいて考え行動する権利があること、そしてそれは決し
て侵害されてはならない権利だということを、いまこそともに再確認するときです。声をあげる自由は基本的人権だということを考えるときです。私たちは一人ひとり生まれながらにして、大切にされ尊重される権利があり、力があります。香港の仲間の行動に突き動かされ、今あらためてそのことを思い返し、再確認しようではありませんか。

 職場でもコミュニティーでもそれぞれの国でも、世界中どこにいても、つなが
ることで私たちは強くなるのです。

 香港の仲間たちが解雇され、暴力を受けたり、表現や言論の自由を奪われているのを見て、悲しみに暮れると同時に怒りに震えます。暴力による解決はありません。私たちは、支配よりも連帯を選び、あらゆる暴力を否定します。

 私たちは離れていますが、国境により分断されることはありません。私たちは
ひとつです。労働者と社会の連帯は永遠に。

2019年9月

アジア・ワーカーズ・ソリダリティ・フォーエバー

報告 9.28-10.4 宮古島弾薬庫建設に反対して2週連続アクション

EGCPVPrU4AEYNeT(画像は琉球弧自衛隊配備反対アクションのツイッターから)

今年4月に陸上自衛隊基地が千代田地区で開設されたばかりの宮古島に、さらに平安名岬にほど近い保良(ぼら)地区で、ミサイル弾薬庫を主目的とする基地の着工が、急ピッチで進められようとしている。

政府・防衛省は、保良地区の旧鉱山地権者との交渉もまとまっていない現段階において、既成事実つくりのために早ければこの10月早旬にも、基地建設工事に着手しようとしている。

19-10-04-repo01そのアリバイのために、防衛省は10月3日に城辺保良の公民館で「説明会」の開催を強行。しかし、住民の多くは参加を拒否し、政府側の説明車より少ない12人の参加に留まった。さらに、公民館前では、宮古島住民たちが結集して、力強い集会が勝ち取られたことが報道されている。

また、このかんの宮古島下地島空港における海自機の使用(「屋良覚書」で軍事的な使用はしないと取り決めた空港)、あるいは奄美大島における日米共同訓練「オリエント・シールド19」とそれにともなう軍用機の空港使用や市街地封鎖の日常化、また住民投票を求める市民の声を無視し続けて強行されている石垣島での基地建設など、日本政府の南西諸島における軍事的で先制的な諸々の動きにも抗議するために、琉球弧自衛隊配備反対アクションが9月28日と10月4日に「2週連続アクション」に取り組んだ。

9月28日は、首相官邸前での行動。司会の植松さんからは「自衛隊配備の問題は日本政府のしていることであり、その政府を許してしまっている私たちの問題だ。現地に任せるようなことではだめだ。4年前の戦争法に反対するような結集で闘わなければならないテーマのはず。改憲を止めるためにも、今後も頑張りましょう」とあいさつ。

主に埼玉で自衛隊配備問題の街頭宣伝に継続的に取り組んでいる「島々スタンディング」の仲間たちは、歌を交えて「自然を壊さないで、島の平和を壊さないで」とアピールした。

宮古島出身の仲間は「弾薬庫建設は、自民党支持層からも憂慮の声を聞く。しかも、地下型ではなく地上型にしようという計画などだから、当然というほかない。10月にお台場でPAC3を持ち出しての訓練をやるとのことだが、宮古島や南西諸島各地ではすでに日常化しつつある。南西諸島の軍事化も『本土』の軍事化にも反対していくことが問われていると思う」と訴えた。


参加者からは「沖縄で、またも自衛官による性暴力事件が引き起こされた。数年前に自衛隊が来たら必ず性暴力事件が引き起こされると言った市議が猛烈なバッシングにさらされたが、まったくその通りになっている。誰も責任を取らない。いま、世界中で気候温暖化を止める若者の闘いが広がっている。海、ジャングル、マングローブ、サンゴを守るのは、温暖化を止める闘いの核心の一つだ。与那国島での自衛隊基地建設は赤土を流出させて、サンゴの海を大規模に破壊した。奄美大島でも。辺野古と同様に、自衛隊新基地反対の闘いは、海と地球を守る闘いとしても、もう一度位置付けたい」と声を上げた。

10月4日は、国会正門前での行動。

主催からは「私たちは、7月にホルムズ海峡派兵反対の集会を行った。この9月に「有志軍構想」をけん引したボルトン国務長官がトランプから罷免されて危機が遠のくかと思ったら何者かによるサウジ油田への攻撃があり、まったく予断を許さない状況だ。すでに、アフリカへの派兵のための自衛隊軍用機は沖縄島から飛び立っている。安倍政権は改憲成就前に海外で戦争をできる体制の完成をもくろんでいて、そのために南西諸島を踏みにじっている。自衛隊の新基地が完成して改憲が成就すれば、米軍が沖縄からアジア・中東に展開したように、今度は自衛隊が南西諸島からジブチ基地をもステップにして、海外でグローバルに展開する軍隊になろうとしている。日本を再び軍事大国にさせない、侵略国家にさせない、そのために南西諸島自衛隊配備に反対していこう」と訴えた。

2回の行動で、のべ35人の結集。次回は11月3日16時から首相官邸前で行われる予定だ。

(F)

報告:9.20 グローバル気候マーチ 私たちの未来を奪うな

配信:気候マーチ 9月23日から始まる国連気候行動サミットを前に、9月20日、全世界で地球温暖化を止める「グローバル気候マーチ」の取り組みが行われた。スウェーデンの高校生グレタさんが「地球温暖化」の危機を訴えて開始したこの行動は、全世界に波及した。今年も全世界で約400万人が参加する、文字通り「グローバル環境アクション」となった。「グローバル・ストライキ」というスローガンは、文字通り環境危機に対する直接行動を示すものだ。

 日本でも26都市で5000人が参加したと報じられている。

 この日の夕方、東京・渋谷の国連大学前には約2800人が集まり、温暖化の危機を止める意思を明らかにした。高校生など若い人たちの姿が目立ち、外国人の参加者が半数近い、フレッシュでジェンダーバランスの取れたユニークな行動となった。

 全労協系の各労組も、宣伝カーの手配などで協力していた。若者たち、女性た
ちの発言と、行動への参加は、新しい社会的・政治的アクションへの可能性をはっきりと示すものとなっている。

 日本では諸外国に比べて地球温暖化への関心が低いと報じられている。確かにそうだろう。しかし、この日の行動を契機に、温暖化STOP!の意識が広がることを期待したい。 

(K)

報告:みんなで議論する! 東京パラリンピック! ただし、アンチ(9月8日)

東京パラリンピック 9月8日、2020オリンピック災害おことわり連絡会は、アカデミー茗台学習室で「みんなで議論する! 東京パラリンピック! ただし、アンチ」を行った。

 連絡会は、パラリンピック開催(2020年8月25日~9月6日)1年前にあたって様々な角度からパラリンピックを検証するためのステップとして企画した。論点としては、例えば、「競技であるかぎり差別の助長につながらないか」「競い合わないスポーツはありうるのか」などを設定した。

 すでに連絡会は、そのためのアプローチとして「反東京オリンピック ガイド」の「14 パラリンピックと優生思想」で「『障害者』スポーツの多くは、障害の程度や種類によって細かくクラス分けされています。秒単位で勝敗を争う世界の発想は、障害の軽重によって、能力の高低によって人々を序列化するのが前提です。人々はそれぞれの『障害』の軽重、能力の高低に沿って『分をわきまえる』ことが当然のように求められるようになります。これはナチスドイツが国策として『障害者』を抹殺した優生思想の発想となんら変わるところはありません」と批判。

 また、「『障害者』たちは、パラリンピックとは関係ないところで、自然発生的にスポーツを含む様々なことを工夫しながら楽しんできました。また、共生共学の空間の中では、『障害』のある子ども、ない子どもが知恵を出し合いながら色々なことを一緒に行ってきました。パラリンピックと『障害者』スポーツの称揚は、スポーツ以外のことを行っている人々の姿を不可視化し、共に生きている人たちの存在を後景化していきます」と強調している。

 そのうえで学習会の呼びかけでは「『健常』という『国民の責務』を果たさな
い、つまり戦争に行けないという『非国民』の範疇から脱出するための装置の一つとしてパラリンピックがあるのではという議論、皇室による観戦と慰労、オリパラ道徳教育、感動の共生、高額な義肢器具、オリパラの一体化など、パラリンピックが記録やメダルをともなう国威発揚に政治利用されていないかといった問題についても、みんなで議論したいと思います」と呼びかけた。

 問題提起を北村小夜さん(障害児を普通学校へ全国連絡会)、岡崎勝さん(自由すぽーつ研究所)が行った。

 北村さんは、「分けるな(パラリンピックは障害者差別を助長する)と言う立
場から」というテーマ。

 資料として「『障スポ』と歩む皇室」(朝日/18・10・12)、「東京パラリンピック 22競技540種目」、「障害区分(障害の種類・程度)」、「2018全国障害者スポーツ大会出場選手申込」などを材料にしながパラリンピックが抱える「差別・選別」などの問題性を浮き彫りにした。

 とりわけ北村さんは、「しばしばパラリンピックについて発言してきたのは、障害者や家族が生きて行くための要求をしていく中でしばしば恩恵に甘んじなければならない場面を見てきたからです。それは深い所で天皇制につながっています。皇族たちは障害児・者に対しては『憐み』を惜しみません。それがパラリンピックには露骨に表われます。感動、慈愛と同じ路線上に在る健常者は、頑張る障害者に感動し、できない障害者を憐れみます」と問いかけ、健常者と障害者の関係と差別のあり方、天皇制統合装置の反動性を暴いた。

 さらに、「『パラリンピック』が正式名称になり『もう一つのオリンピック』という考えが定着してきた。こうして大会ごとに整ってきたように見えるが、よく見ると障害者の振り分けの基準が整ってきたということである。制度が整い優れた能力の先主が現れればできないことを弁えざるを得ない障害者が明らかになる。それを無視するのが競争の理である。排除が進み、人々の心のバリアフリーも障害者の能力を過小評価するか過大評価するかに二極化されかねない」ことを明らかにした。

 岡崎さんのテーマは、「パラリンピックっていいものなの? スポーツにとっての『障害』を考える」。(この日、台風15号の影響で会場参加ではなく電話での報告となった)。

 冒頭、「教員という仕事で、障害を持った子どもたちと長い間付き合ってきたけれど、体育やスポーツの授業や指導の場面で、彼らと向き合うときは、体育やスポーツとは何か?という本質的な問いなしですまされなかった。オリンピック批判はスポーツ批判や社会批判として成立しなければならないけれど、パラリンピックも同様なのだと思う。『障害者スポーツ』について少し考えてみたい」と述べ、次のような問題提起を行った。

 「パラリンピックのスポーツとは、人間を障害者と健常者にカテゴリー化することと同一視することである。さらに掘り下げれば、①競争原理と排除の原理の中に感動を求めている ②費用対効果、宣伝効果によってスポーツの社会モデルを構築していく。資本の論理。 ③スポーツの意義を障害を持つ人にも強制していく。教育の論理。④「障害者への理解」を「障害者の『克服』を志向する」こととセットにする。勤勉効率。 ⑤障害「用」スポーツの囲い込みと分断。肢体と知的。障害の微細な分類。 ⑥「健康な障害者」イメージの固定化と暗黙の強制と動員。総動員体制などの問題が存在している―などと分析する視点をあげることができる」と述べた。

 さらに「オリンピックとパラリンピックの同一性と『協力』」、「障害者スポーツを見るまなざし」について取り上げ、「いずれも格差序列を前提としており、権力行為そのものだ。『健常』とは何かとして問われている」と訴えた。

 討論では、「運動会そのもののあり方、必要性があるのか」、「れいわ新選組
の積極性と今後の課題」、「障害者による『健常者社会』の告発、諸要求実現、あらゆる場でアプローチしていく踏みこみの必要性」などの論点などが様々な経験談の紹介も含めて提起され、明日に向けたリアルな論議が行われた。これからの1年間、パラリンピックに対する問題提起を継続して行っていくことを参加者全体で確認した。

(Y) 

報告:アジア連帯講座 8.9公開講座 参院選・統一地方選の結果をどう見るか? ~大阪からの視点~

配信:寺本講座講師:寺本 勉さん (どないする大阪の未来ネット 〈 どないネット〉運営委員)

 8月9日、アジア連帯講座は、寺本 勉さん (どないする大阪の未来ネット 〈どないネット〉運営委員)を講師に招き、「参院選・統一地方選の結果をどう見るか? ~大阪からの視点~」をテーマに文京区民センターで公開講座を行った。

 大阪で活動される寺本さんは、「どないネット」の活動を通して、「大阪都構想」、地下鉄・水道など の民営化、夢洲へのカジノ(IR)・万博誘致などに反対する運動にとりくみ、情報交流・共有のネットワー クを広げてきた。この間の経験から大阪府知事・市長選挙、参院選の結果分析を通して大阪および日本の政
治動向を浮き彫りにした。

 とりわけ参院選挙について2012~2019の国政選挙の得票数の推移を分析し、戦後二番目に低い投票率(48・8%)について寺本さんは、「安倍政権は低い投票率の中で、政権を維持していることがわかる。『無関心の組織化』『政治的諦めの組織化』ともいうべき政治戦略だ。その中でも18~19歳の投票率は31.33%と低かった。森友・加計問題に典型的な徹底した責任回避、ごまかし、まともな論議をしない、臭い物に蓋をする(原発で顕著)など、政治不信をかきたてる姿勢(意図的と思える)の結果だ」と述べた。また、「共産党・公明党・社民党の緩やかな衰退」傾向なども明らかにした。

 そのうえで①左右のポピュリズム政党の台頭 ②維新とはどういう政治勢力か?なぜ大阪で強いのか? ③グローバルな視点でローカルな問題を考える―について提起した(①~③報告要旨別掲)。

 最後に寺本さんは、「新しい局面の可能性を現実化させるにはグローバルな視点が重要だ。そして、オルタナティブな社会とはどういうものか、そこに至る道筋とは何かについての議論を積み重ね、民衆の共同実践を目的意識的に形にしていく努力が求められている」と強調した。

(Y)


寺本さん①~③報告要旨

 ①左右のポピュリズム政党の台頭

 「れいわ新選組」の特徴は、①徹底的に反緊縮政策②多様性を実際に体現した候補者選び③SNSを活用した。街頭から支持を拡大させ、連動して草の根カンパで四億円を集めた。それは米のサンダース旋風を想起するような状態だった。

 朝日新聞出口調査では5%が比例区の投票先に「れいわ」を挙げた。無党派層に
限ると、10%がれいわ(公明、国民、共産、社民を上回る)だった。無党派層の自民と公明への支持は前回の参院選から大きく変わらず、ほかの野党支持層の流入があったとみられる。

 つまり、今回は、新たな層を投票行動に引き入れたというよりは、従来の立憲
民主・共産・社民の支持層からの流出が主だった。

 NHKから国民を守る党(N国党)は、表向きは「NHKスクランブル放送の実現」というワン・イシュー政党であり、立花代表のワンマン政党とも言える。本人は、右翼的主張を一切表に出さない。

 政治性格においても、例えば候補者41人中、九条改憲賛成19人、反対6人、無回答16人(毎日新聞の候補者アンケートによる)で統一性がない。だが、統一地方選立候補者には、極右レイシストが相当数入り込み、何人かは当選している。

 真鍋博さんは、「N国『躍進』の背景にあるものは何か」と問いながら、次の
ように問題提起している。

 「『NHK』という事業体そのものの改革の是非というよりは、NHKは分かりやすい〝的(まと)〟にされているに過ぎない。『NHK』に象徴される『巨大な既得権益』への反発であり、自分たちのお金を強制的に吸い上げる一方で、自分たちの生き死にに対しては一切関心を示さない、目には見えない力に対する拒絶のサインである」。

 「もしこれらの階層に潜在している怨嗟(えんさ)を上手く手当てすることができなければ、『N国党』でなくとも別の新興勢力のようなものが、数百万人は存在するであろう『怨嗟の票田』を得て急伸するだけである。想定外の事態へと突き進むポテンシャルがあることに、果たしてどれだけの人々が気付いているだろうか」と政治性格をまとめている。今後も注意し、監視していかなければならない。

 ②維新とはどういう政治勢力か?なぜ大阪で強いのか?

 日本維新の会は、右派ポピュリスト政党のはしり的存在だと言える。大阪では、10年以上にわたって、実際の行政の経験を積み、持続的な支持を得ている。しっかりした支持者名簿を持ってドブ板的選挙を展開し、きっちりした票割りを行っている。しかも参院選では、地域政党(名古屋の減税日本、北海道の新党大地、東京の「あたらしい党」など)との連携で全国展開を図った。基本的には「大阪のような改革=身を切る改革を全国で」という立場だ。

 2012年総選挙から2019年参院選での維新の比例区得票数の推移、知事・市長選の得票数の推移(略)を通して、橋下徹と維新登場の背景が見えてくる。それは大阪における「オール与党」体制という閉塞した政治状況への反発だ。つまり、東京一極集中による大阪経済の地盤沈下への不安を根拠にした一点突破型のリーダーシップへの期待へと流れていった。維新は、橋下知事(当時)によって仕掛けられた大阪自民党の大分裂によって生まれた。

 一連の維新圧勝をもたらしたのは大阪の社会的状況がある。それは①深刻な格
差と貧困②府下一斉テスト(チャレンジテスト)による内申書評価の「修正」などによる教育差別・分断の強化③公務員労働者への攻撃を集中。大阪を新自由主義の実験場とするためには不可欠だった。

 しかも維新のコアな支持層は、大阪の住民の深刻な分断状況の中で、いわゆる「勝ち組」(と思っている人々)が維新・都構想を支持した。30代から50代にかけての男性で、一定の所得がある階層だと言われている。自分たちの税金が、公務員や「負け組」のために使われることへの嫌悪感がある。そのことを2019ダブル選挙のスローガン「大阪の成長を止めるな!」に現われている。

 吉富有治さん(フェイスブック「ヨシトミの毎日、ときどき隔日の随感」から)は、次のように分析している。

 「維新は『改革』を訴えるから新しいタイプの革新政党のように見えますが、わたしの考えは違います。公立高校の廃止や統廃合、文化事業への突き放した態度を見ると公明党の福祉重視か共産党のような左派とも似ていない。それどころか、万博やIR・カジノの誘致といった公共事業型の景気対策を推し進めるあたりは自民党の体質に近いのです。維新とはつまり、自民党が変異した『ネオ自民党』ではないかと思うのです」。

 「大阪で維新に人気があるのも改革政党だからというより、安倍政権や国政自民党に人気があるのに通じるものがあるのでしょう。安倍政権のめざす新自由主義的『改革』の露払いの役割を持っており、その意味では、安倍政権の「突撃隊」的な性格を持っている」。

 ③グローバルな視点でローカルな問題を考える

 ウォルデン・ベロさん(フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス元代表)は、ヨーロッパにおける右派ポピュリズム政治勢力台頭の背景(2017年2月講演より)について次のように分析している。

 「ヨーロッパの極右政党は、階層格差の拡大にともなってグローバリズム批判を展開するようになった。イアン・ブルーマが『右翼は新しい左翼である』と指摘したように、社会主義勢力が放棄した政策を極右が横領した形になっている。たとえば、フランス国民戦線は、当初アルジェリアからの引き揚げ者を支持基盤として、ルペン父はウルトラ自由主義を信奉していた。しかし、娘のマリーヌ・ルペンは、反資本主義、反グローバリズムを掲げ、保護主義による国民経済擁護、ユーロ離脱、社会保障制度再建という国家社会主義路線をとっている。しかし、彼女の言う社会保障制度再建は、福祉排外主義であり、福祉共同体からの外国人の排除を意味する」。

 ここでのポイントは、「オルタ・グローバリゼーション運動は極右に主張を横領された」と結論づけていることだ。

 それでは日本におけるヨーロッパ型の極右政党が台頭する可能性はあるのか。例えば、入管法改悪による「移民労働者」の急増を一つの契機にして高まるかもしれない。そもそも安倍政権は、極右ポピュリズム的性格を持つ形になっていると言ってもいいだろう。バーチャルな「改革」への幻想を自己の基盤とする点では、ヨーロッパと共通するところがある。

 一方、2011年以降、左派ポピュリズムも台頭してきた。それはギリシャのシリザ、スペインのポデモス、アメリカのサンダース、イギリスのコービン、フランスの「不服従のフランス」(メランション)などだ。

 実践的には、広場占拠を軸とする社会運動の拡大、ヨーロッパにおける若い世代を中心にした社会運動の継続などがあげられる。具体的には、ドイツの反ヘイト運動、フランスの「黄色いベスト」運動、各地での「森を守る」闘い、高校生を軸にした「フライデー・フォー・フューチャー」運動、イギリスの「絶滅への反逆」運動などをあげることができる。

 しかし、ヨーロッパの左派ポピュリズムは、すでにその限界を示しつつあるのではないか? 例えば、①2017シリザによるトロイカ(EU、欧州中央銀行、国際通貨基金)への屈服②スペイン・ポデモスの内部対立と「混乱」 ③連続する社会運動と左派ポピュリズム政党との断絶―などを上げることができる。

 今後の課題として、れいわ新選組とN国党の台頭から何を読み取るのか、読み取れるのかという問題についてともに継続して分析していこう。

 れいわ新選組は日本における左派ポピュリズムの可能性を示すのか? れいわ新選組「現象」は、新しい局面を予兆させるものが確かに存在している。山本太郎さんの街頭演説への結集とヨーロッパの「広場占拠」とは違うと思うがどうだろうか。人々の感覚を「山本太郎」という個人に集中させたもので、運動化されていないまま、「漂流」する可能性をも含んでいる。ある意味、より危機的なのかもしれない。「左」右のポピュリズムが合流してしまう可能性もあるのではないか。

 先に述べた N国党に投票した人々の感覚は、フランスの「黄色いベスト運動」の参加者に近いと思われるが、どうだろうか?

 N国党に現われた民衆の意識は、ヨーロッパの極右レイシスト政党に流れてい
った傾向と共通点はあるのかなどを追跡調査していかなければならない。いずれにしても状況としては、遅ればせながらヨーロッパに近づきつつあるのではないか。

報告:8.10 「平和の灯を!ヤスクニの闇へ 」キャンドル行動

配信:ヤスクニ 8月10日、「平和の灯を!ヤスクニの闇へ 」キャンドル行動実行委員会は、水道橋の在日本韓国YMCAで「2019 今、ヤスクニと植民地責任 なぜ加害者が被害者ヅラできるのか」をテーマにしたシンポジウム集会を行い、ヤスクニ抗議のキャンドル行動も含めて400人以上が参加した。

 開会のあいさつが今村嗣夫さん(共同代表)から行われ、「アジアの証言集会」(1978年4月)での台湾出身戦死者の遺族によるヤスクニ合祀取消しの取り組みを紹介しながら、「キャンドル行動は、毎年1回一四年間続けている。転換する朝鮮半島、東アジア情勢の下で、日本と周辺諸国との関係再構築の方向性を探っていかねばならない。ヤスクニ『合祀』拒否しているアジアの遺族のさまざまな苦悩を想起して、今日もまたキャンドル行動をつづけましょう」と発言した。

シンポジウムに移り、以下の4人のパネリストから問題提起が行われた。

 高橋哲哉さん(東京大学教授)は、「植民地主義をやめるという課題」というテーマから①〈私たち〉の現在地②安倍政権と植民地主義③日韓関係の現在について提起した。

 さらに徴用工裁判大法院判決を取り上げ、「1965年の日韓請求権協定は、日本側は一切の植民地支配を認めずに結んだ。そのことを「完全かつ最終的に請求権問題が解決された」と言っているのが安倍政権だ。判決は、不法な植民地支配の下で反人道的な行為として行われ、それに対する慰謝料として請求されているのだから正当であると判断した」と述べた。

 また、「日本政府は、「国と国との協定によっては、個人請求権は解消しない被害ことを日本政府は広島の被爆者の米国に対する請求とか、シベリア抑留の被害者のソ連に対する請求とかで関連して述べてきた。外務省の条約局長も日韓条約請求権協定についても個人請求権は解消されていないと答弁している」ことなどを明らかにし、安倍政権の不当性を批判した。

 竹内康人さん(歴史研究者・強制動員真相究明ネットワーク)も「植民地支配と強制動員」というテーマから韓国・徴用工裁判大法院判決の意義について、①戦争被害者個人の企業に対する賠償請求権を認め、強制動員企業の法的責任を目地 ②日韓請求権協定では強制動員の損害賠償は未解決 ③戦争被害者の尊厳を回復、市民の正義を実現したことを強調した。

 そのうえで「強制動員に関わり、その歴史を継承する日本企業は、その事実を認知し、日韓政府とともに解決に向けて共同の作業を行うべきだ。被害者賠償に応じ、和解をすすめるべきだ」と提起した。

 渡辺美奈さん(女たちの戦争と平和資料館館長)は、「植民地支配と『慰安婦』」を取り上げ、「戦地の慰安所に連れていかれた植民地の女性たち」や「植民地朝鮮内で日本軍の『慰安婦』にされた女性たち」を浮き彫りにし、①戦争責任と植民地責任②戦時性暴力と植民地支配下の性暴力③植民地公娼制度と日本軍の慰安所の連続性を批判した。

 金世恩さん(日本製鉄強制動員訴訟原告代理人・弁護士)は、「植民地支配を裁いた大法院判決」の現状について報告し、「強制動員は、日本政府の朝鮮半島に対する不法的な植民地支配及び侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為である。判決は、解決できなかった問題を深く調べ、今でもこれをきちんと解決する機会とするべきである」と訴えた。

 続いて、韓国人遺族証言、台湾の合祀反対を取り組む仲間のビデオメッセージ、日韓若者アピールのダンス。

 特別アピールが日本軍「慰安婦」問題解決全国行動、即位・大嘗祭違憲訴訟の会、「韓国は『敵』なのか」声明の会の内田雅敏さん(共同代表)から行われた。

 さらにトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」で「平和の少女像」を出品した彫刻家・キムソギョンさんが登壇し、展示中止などについて批判した。

 コンサートに移り、ジンタらムータ、ソン・ビョンフィさん、ハン・チュンウンさんが熱演した。
 最後に徐勝さん(共同代表)が閉会あいさつした。

 集会終了後、ヤスクニ抗議のキャンドル行動に移り、神田一帯にわたってシュプレヒコールを響かせた。

(Y)


報告:天皇に平和を語る資格なし 国家による『慰霊・追悼』反対!8・15行動

8.15 8月15日、終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)は、「天皇に平和を語る資格なし ―国家による『慰霊・追悼』反対!8・15行動―」が行われた。

 すでに日本武道館では、全国戦没者追悼式が行われている。新天皇・徳仁が即位後初めて式に参加する。国家による慰霊と追悼が強調される儀式に抗議してきた反天皇勢力は、この日も式に向かって抗議の意志をたたきつけた。

 そもそも戦没者追悼式は、安倍政権のグローバル派兵国家建設に向けた憲法九条改悪を貫徹するために天皇代替わりと2020東京五輪キャンペーン、差別・排外主義を貫くナショナリズムを煽りながら民衆統合の強化と連動したイベントだ。

 天皇徳仁は、安倍政権との連携プレーを常に前提にした「おことば」において前天皇明仁が使ってきた「深い反省とともに」を「深い反省の上に立って」と言い換えたうえで、「再び戦争の惨禍が繰り返されぬこと」などと述べた。明らかにアジア・太平洋などの民衆に謝罪することもなく、欺瞞的な「平和主義」天皇像を踏襲し、新たな天皇像に向けて立ち振る舞った。

 つまり、日米安保体制下、米軍の派兵作戦に参戦してきた自衛隊の「実績」を覆い隠す任務を担ってきた天皇制装置の役割、これからも天皇制の植民地支配の犯罪、戦争・戦後責任からの逃亡について居直り続けていくことの宣言でもある。天皇ナルヒトの反動的役割をメディアは一斉に讃え、挙国一致を演出しぬいた。
 
 安倍晋三首相にいたっては、「式辞」において「アジア諸国への加害と反省には七年連続で触れなかった」(朝日8・16)と揶揄されるほどに日本の植民地支配と侵略戦争犯罪を無視した。それだけではない。安倍は、「先の大戦では……広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などで、無残にも犠牲となられた方々」(首相官邸)と初めて触れたが、広島・長崎が要求する核兵器禁止条約への署名、沖縄民衆が要求する辺野古新基地建設反対について一言も取り扱うこともしなかった。まさに居直りそのものだ。

 安倍は、中国、韓国などの反靖国抗議を抑えるために靖国神社に玉串料の奉納と閣僚に参拝を行わせなかった。このジグザグに対して靖国神社境内での「戦没者追悼中央国民集会」(英霊にこたえる会、日本会議主催)は、「天皇陛下のご拝実現に向け、首相や閣僚の参拝の定着を求める」(産経)などと抗議のボルテージを上げ、櫻井よしこは「国家の基盤である憲法をきちんと改正していこう」
(同)と叫ぶしかなかった。

 天皇代替わりと2020東京五輪キャンペーンの真っ只中、安倍政権と天皇制、右派勢力の共犯関係を暴きだし、反天皇闘争を強化していこう。

 集会は、松井隆志さん(大学教員・『季刊ピープルズ・プラン』編集委員)による「〈戦後〉批判 戦争責任問題との関連で」というテーマの講演から始まった。

 松井さんは、①「戦後」への攻撃②問題含みの「戦後」③天皇制の存置によって「戦後」に何がもたらされたか④象徴天皇制の能力と欺瞞性を高めた「平成流」などについて分析。

 そのうえで「新天皇・徳仁は、解釈改憲を前提とした『合憲』路線だ。即位時に『常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり』という発言に現れている。今後、女性天皇、政教分離、歴史認識問題が浮上せざるをえない。本来であれば戦争批判であるべきだった『戦後』に居場所はなかった天皇制を継承する以上、その欺瞞をなくすことはできない」と批判した。
 
 参加団体のつくば・戦時下の現在を考える会、4・23天皇の出迎え・見送りに子どもたちの動員に抗議する八王子市民有志(根津 公子さん)、12・12靖国神社抗議見せしめ弾圧を許さない会、「2020オリンピック災害」おことわり連絡会、即位大嘗祭違憲訴訟の会、自衛隊・米軍参加の東京都・多摩市総合防災訓練に反対する実行委員会からアピールが行われた。

 さらに、おわてんねっとから「声明 あいちトリエンナーレ『表現の不自由点・その後』への天皇制弾圧に抗議し、反天皇制の闘いへの参加を訴える」が読み上げられた。

 最後に集会宣言を確認し、おっちんズの「天皇制はいらないよ」「天皇に平和を語る資格なし」の唄を参加者全体で合唱した。

 デモに移り、九段下交差点から靖国神社に向けて「全国戦没者追悼式反対!靖国神社は戦争神社!即位の礼も大嘗祭もいらないぞ!」のシュプレヒコールを繰り返した。途中、スコールのような豪雨になってしまったが、参加者は最後まで力強くデモを貫徹した。なおデモ参加者は、320人を超えた。

(Y)

報告:7.23 オリンピック・ムーブメントvsオルタ・グローバリゼーション・ムーブメント

配信:アタック 7月23日、ATTAC Japan(首都圏)は、文京シビックセンターで2020東京オリンピック・パラリンピック開催一年前にあたって「オリンピック・ムーブメント sv オルタ・グローバリゼーション・ムーブメント」をテーマに二人のフランスからのゲストを迎えて反オリンピックの問題提起を受けた。

 フレデリック・ヴィアルさんは、attacフランス(1999年)に参加し、様々な社会運動を取り組み、「2024パリオリンピック反対の会」を創設(2017年)し、会長を担っている。発言要旨別掲。

 ダニエル・シモネさんは、「2024パリオリンピック反対の会」のメンバーであり、またパリ市議で来年のパリ市長選挙に「オリンピック反対」を公約にして立候補予定だ。

 ダニエル・シモネさんは、「オリンピックは大都市の金融化を加速化させる。例えば、交通インフラの整備も人の移動のためではなく土地の価格を上げるために行われている。また、企業がオリンピック開催中の一五日間のためにいかに利益を上げられるかを追求し、色々なプロジェクトを推し進めるための言い訳に使われる。こんなオリンピックを中止させるために住民投票を行えと要求している。

開催地となる市民と手を結ぶことは重要だ」と強調した。通訳は、稲葉奈々子さん(上智大学教授)。

 2人の提起を受けて、質疑応答を行い、今後のオリンピック反対運動に向けた方向性を深めていった。
(Y)
 
 フレデリック・ヴィアルさんの問題提起

 オリンピックに反対する理由を上げる。
 パリ市長のイダルゴは、候補者だった時は、反五輪を掲げていた。ところが当選した後、反五輪をやめてしまった。私は、これに対して憤りを感じて反五輪運動に参加した。オリンピックは、旧体制のままで壁にぶちあたっているにもかかわらず、生き延びようとしている。そもそも公的オカネを私的な目的に流用していることが第1の反対すべきところだ。

 どこでも同じだがオリンピック予算にしても真剣に作られておらず、信用できない内容だ。東京オリンピックは、予定していた予算よりも爆発的に増えている。そのようなあり方がフランスにも影響を及ぼしている。

 最初はそんなにカネはかからないと言って始めるのだが、次々と新たな予算が追加されていく。例えば、セキュリティー、建設、交通やインフラなどにオカネが増えていく。すでにパリの場合では二倍に増え、最終的に六倍になるだろうと言われている。

 当初の予算から超過した予算にならなかったオリンピックはない。東京オリンピックもそうだし、1984年のロスアンゼルスオリンピックも予算は倍となった。

 フランスも同様だが、なぜこのようなことになってしまうのか。オリンピックを組織しているIOC(国際オリンピック委員会)自体が自分たち自身が利益を得る側にいるからだ。オカネは公的なものだから自分たちが支払うわけではないから増えていく。

 とりわけフランスの場合は、オリンピックのために特別の法律を作り、予算が超過したら公的資金から支払うことが可能だという内容だ。だから企業は、一円も払わなくてもいいし、様々な利益を得ることができる。公的資金とは市民のオカネだ。

 第2の問題は、IOCが国際的なブラックホールになっている組織ということだ。

 IOCの本部はスイスのローザンヌにあり、スイスの法律によって守られている。銀行口座の秘密によって一度も会計報告書を出したことがない。外部からの調査を行おうとしても、それができない。

 IOCは、様々な知的所有権を持っており、例えば、映像・写真などの著作権を持ち多額な利益を独占している。

 第3は、オリンピックによってエコロジー、すなわち環境が犠牲となっている問題だ。

 東京と同じようにフランスはオリンピック候補の時、いかに綺麗でエコロジーにかなっているかのプレゼンテーションを行った。しかし、すべて嘘だらけだ。

 例えば、300万人の人々が参加しても電気自動車、自転車、徒歩だから環境汚染
はないと言っている。しかし、人々は飛行機で来るし、パリ以外のところへと大量に移動するわけだから環境汚染されないというのは嘘だ。

 さらに炭素を排出したら、他方で木を植えればいいという議論がある。だが、それをいつどこで誰がやるのかを決められないままで流れている。

 水の汚染は、パリでも同じだ。推進派は、オリンピックのおかけでセーヌ川が綺麗になり、環境にいいと言う。だが、そのためには工事が必要であり、実際には一部分を科学的に綺麗に見えるようにするだけだ。

 第4は、オリンピックによって隠ぺいしていく圧力が強まっていく問題だ。東京の場合は、原子力の問題が隠ぺいされた。すでに福島原発問題はなくなり、それを信じさせるためにオリンピックが利用されている。非常に深刻な事態だ。

 フランスは、交通機関を発展させるグランドパリ計画がある。パリは小さな都市で、集中して人々が住んでおり、周りに大きな郊外が広がっている。この計画についてオリンピックを口実にしてやろとうとしており、なんら議論もしていない。

 このプロジェクトによってパリに人口がさらに集中する。2024年のオリンピックまでに完成させようとしている。民主主義的な議論をさせないことを正当化ている。

 例えば、農業が行われていた肥沃な土地をコンクリートで固めて、地下鉄を作り、ショッピングセンターを作る計画もある。これらも議論せずにオリンピックのために正当化されている。

 さらにオリンピックによって、貧しい人たちが住んでいるサンドニという都市の人々が追い出されようとしている。生き場所がなくった人々に対して推進派は、自分たちでなんとかしろと言うのです。オリンピックによる都市建設計画は、規模も大きくなり、同時に、貧しい人々が追い出されていく。この流れによってパリは、人々が住まない場所となり、周辺に人口が集中することになる。遠くに追いやられてしまう人々は、働くために交通機関を使って、時間をかけることになる。これはエコロジーの観点から、人間的観点から正しいことではない。

 第5の理由は、オリンピックの唾棄すべきイデオロギー的な問題だ。スポーツをスペクタルに見せようというイデオロギーは、競争の原理に基づいており、多くのオカネを使って行う。フランスには、もっと深刻な社会問題があるにもかかわらずだ。

 例えば、フランスでは「黄色いベスト」運動が行われているが、多くの人たちが排除されていることを意味している。経済システムからの排除、政治システムからの排除、つまり民主主義的ではない社会を意味している。

 公共の病院で救急で運ばれて亡くなった人がいました。財政難でまともな診察ができずに亡くなったのです。このような財政的な問題があるにもかかわらず、政府はたった15日のスポーツのスペクタルのためにたくさんのオカネを使おうとしている。

 要するに公共サービスのために払うオカネがない、高齢者のために払うオカネがない、教育のために払うオカネがない、しかしスポーツのスペクタルのためのオカネはあるということだ。これは深刻な民主主義の危機だ。

 私たちアタックが反対運動をするのは、民主主義のために闘い、公共財のために闘い、社会的に緊急性が高い課題のために闘っている。推進勢力は古い世界とシステムは失敗しているのがわかっているにもかかわらず、オリンピックを利用して維持・持続させようとしている。

 私たちが東京に来たのは、2日後に各国のオリンピック反対運動のメンバーとの会合があり、もはや失敗しているオリンピックだと示すことができるからだ。

 来年、地方議会選挙が行われる。この選挙に対してオリンピックの問題を提起するいい機会だと思っている。オリンピックに反対している勢力は、1つは緑の党、もう一つは「不屈のフランス党」。一緒に来たダニエル・シモネさんは、「不屈のフランス党」に所属している。選挙を通してオリンピックについて公的議論を行う。
 

報告:7.24 1年前でもやっぱり返上!オリンピック大炎上新宿デモ

配信:オリンピックデモ 7月24日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、新宿アルタ前で「一年前でもやっぱり返上!オリンピック大炎上新宿デモ」が行われ、フランスやアメリカなどからの仲間も駆けつけ230人以上が参加した。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、天皇ナルヒトを東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の名誉総裁に就かせた。就任期間は、オリンピック開催1年前の7月24日からパラリンピック閉幕日(2020年9月6日)までだ。

安倍政権は、天皇「代替わり」賛美キャンペーンとオリンピック・
パラリンピックキャンペーンを一体化させ、憲法九条改悪を射程にナショナリズムと差別・排外主義を連動させながら日本国家への民衆統合を強化させていく装置としてでっち上げた。

 このプロセスをいなおり的に示したのが、7月24日のオリ・パラ交通規制テストと称して30カ所以上の首都高速道路入り口を閉鎖し、意図的に国道246号や国道17号などの主要幹線で渋滞発生を作り出した。表向きは、オリ・パラ交通規制テストなどと強調しているが、その政治的本質は安倍政権のグローバル派兵国家建設の一環として位置づけ、民衆の生活破壊を前提にした五輪組織委、警察庁、自衛隊、民間警備の共謀による治安弾圧演習だ。すでに組織委は警視庁と初の合同訓練(18年9月28日)を皮切りに繰り返している。「自衛隊に警備協力要請、五輪組織委がテロ対策」(東京新聞/19年1月18日)と宣伝させ、反テロキャンペーンとセットで東京五輪を強行していくことを押し出している。

 安倍政権の一連の着手の階級的獲得目標は、反天皇闘争勢力と反オリ・パラ勢力を「国賊」として排除しぬき、民衆に対する人権侵害・無駄なカネ使い・環境破壊・治安弾圧のやりたい放題を推進していく国家建設にある。このようなオリ・パラを利用した政治的意図、カネ儲けのための利権コネクションの野望を暴露しぬき、闘う世界民衆とともにオリ・パラ推進の日本帝国主義勢力を厳しく批判し、今日から1年間、「オリンピック返上」を合言葉に果敢に反撃していこう。

 午後6時、アルタ前では、吹き荒れるオリ・パラキャンペーンと真っ向と対峙し、力強い反撃の狼煙が次々と発せられる。

 集会司会の桜井大子さん(連絡会)は、「マスコミはオリ・パラ1年前だと騒いでいるが、私たちは『もうオリンピックはいらない』の声を上げるために集まった。反対の理由は一杯ある。オリンピック会場を作るために、たくさんの公園、森、自然が壊され、そこで生きている人たちが追い出されている。世界的にもオリンピック反対の声は上がっているし、今日の行動にも海外の仲間たちが参加している。『反東京オリンピックガイド』を通して、皆さんに訴えていく」と発言。

 宮崎俊郎さん(連絡会)は、「今日のように真夏の炎上下でオリンピックをやるのはとんでもない。海外の仲間たちは、福島に行き、いかに復興していないかを確認した。安倍首相の福島原発の『アンダーコントロール』という嘘メッセージによって東京オリンピックが招致されたが、来日したフランスやアメリカの仲間は、私たちにとって大切なことを隠蔽することがオリンピックの本質である」と批判した。

 さらに「6月27日にJOC(日本オリンピック委員会)に対して、巨額な賄賂によってオリンピック招致したことについて答えろと質問した。一切答えないどころか、対応に出てきた職員の名前さえも言わない。まさに日本の隠蔽体質を現している。これからでも東京五輪は返上できる。今日海外のアクティビストが集まったように、『オリンピックはいらない』の声を日本、世界に広げていくことができる」とアピール。

 フレデリック・ヴィアルさん(2024年パリ五輪反対の会)は、「フランスでは2024年にオリンピックが行われることになっているが、私たちの闘いは、あなたたちと同じ問題で闘っている。オリンピックがあるところに汚職があり、資本の利益が優先されている。だからこそオリンピック反対の闘いは世界的になっている」と発言。

 ダニエル・シモネさん(パリ市会議員/2024年パリ五輪反対の会)は、「日本にとって福島の被災者支援、地域復興を優先すべきであり、オリンピックによる民間企業の利益を優先すべきではない。ロスアンゼルスでは六万人の住宅がない人たちのための援助を優先すべきであり、2028年ロスアンジェゼルスオリンピックではない。さらに気候変動と環境破壊を止めることが優先されなければならない。連帯して闘っていこう」と発言。

 2028年ロスアンジェルオリンピック反対運動を取り組む仲間は、今日の集会に18人で参加している。シェッドさんは、「オリンピックは、私たちのコミュニティーに合わないと訴えたい。安倍晋三とエリック(ロスアンジェルス市長)によって私たちの生活を資本と金持ちに売り渡すことをお断りだ。貧しい人々を追い出し、ホテルを建設することもお断りだ。警察が軍隊のように貧しい人々を追い出すこともお断りだ。どこでもオリンピックはお断りだ」と迫力あるアピール。

 ジュールズ・ボイコフさん(米パシフィック大教授/元プロサッカー選手でスペイン・バルセロナ五輪〈1992年〉代表メンバーとして参加)は、「オリンピックは皆さんの人生を破壊する。カネを奪い上げ、金持ちの懐に入れる。民主主義と共に死んでいく。福島から避難した人たちは4万人以上がシェルターで暮らしている。この現実をオリンピックによって隠されてしまっている。安倍晋三は嘘ばかりついている。皆さんと共に声を上げ、民主主義を取り戻そう」と訴えた。

 釜ヶ崎の労働者は、「労働者は、仕事を求めてセンターに来るのだが、建替を理由にして3月に閉鎖されることになった。私たちは、抗議して占拠したが、警察と大阪府の役人ら500人で来て私たちを追い出した。今でもセンター周辺でテント、野宿、座り込みを続けている」と抗議した。

 2018年韓国・ピョンチャン冬季オリンピック反対を取り組んだ仲間は、「オリンピックは、自然を破壊し、人を追い出し、税金を乱用した。ピョンチャンで行ったことを東京オリンピックで繰り返さないことを願うし、そのために頑張りたい」と力強くメッセージした。

 最後に反五輪の会の首藤久美子さんが集約発言。参加者全体で「ノーノーオリンピック! ノーノーIOC! ノーノーJOC」! ノーノー東京オリンピック!」とシュプレヒコール。

 デモは新宿駅周辺から歌舞伎町のコースへと進み、街中の人々に『オリンピック反対!』を訴えた。

(Y)


報告:7.21 シンポジウム 祝賀資本主義とオリンピック

配信:祝賀資本主義 2020年の東京五輪まであと1年。7月20日から27日にかけて、「開催1年前!? 反五輪国際イベント」と銘打って多彩なイベントが繰り広げられた。

 7月21日、東京の早稲田大学では「シンポジウム 祝賀資本主義とオリンピック」が行われた。この日のシンポジウムは7月20日から27日までの1週間にわたって繰り広げられた、「開催1年前」反五輪国際イベントの一環として開催されたもの。会場には150人が参加し、ほぼ満席となった。

 司会の鵜飼哲さん(一橋大教員)は、「福島原発事故からまる2年の2013年9月に決定された東京五輪は、安倍首相の『原発事故の影響はアンダー・コントロール』という大嘘で決定されたが、オリンピック問題の多面性とその問題点を考える上で、今日の講演者であるジュールズ・ボイコフさんの著書が大きな示唆を与えてくれた」と紹介。

 「ロンドン(2012年)や、リオデジャネイロ(2016年)での抗議運動の拡大を経て、オリンピックへの「学問的批判」が大きく前進したことを継承し、2020年東京五輪批判の運動を本格的にスタートさせていく行動が始まった」と、鵜飼さんは訴えた。

 この日のメインのスピーカーであるジュールズ・ボイコフさんは、かつてはアメリカの五輪サッカーチームの代表選手で、現在は大学教授としてオリンピック批判の研究や運動を行っている「異色の経歴」の持ち主だ。

 「祝賀資本主義とオリンピック」と題して講演したボイコフさんは、「①オリンピックの歴史、②「祝賀資本主義」の意味、③21世紀におけるオリンピック招致の傾向と祝賀資本主義との関係、④世界中で起きている、オリンピックの負の側面を明らかにする政治運動と人権アドボカシー活動」の四点にわたって、詳細に説明した。

 第1の問題は「コストの上昇」だ。バンクーバーで開催された2010年冬季五輪の費用は、当初見積もりの10憶ドルから100憶ドル以上に跳ね上がった。ロンドンで2012年に開催されたロンドン五輪では当初予算の38憶ドルが180憶ドル以上になった。実際には380憶ドルだと言われる。2014年のソチ冬季五輪では当初予算の120憶ドルが、過去の冬季五輪費用すべてを合わせたよりも多額の510憶ドルへと膨れ上がった。そして巨額の費用をかけて建設されたスタジアムの多くは、その後使われることなく廃墟と化したところも多い。

 さらにボイコフさんが訴えたのは「公共空間の軍事化」である。その多くは「テロ対策」を理由として警備体制・武装のレベルアップ、監視カメラの大量の導入、ドローンの投入などが進められ、五輪が終わった後でも、それは日常化された体制となる。

 そしてまた、「普通の働く人々の追い出し」だ。とりわけ「貧しい国々」(グローバル・サウス)では「鉄拳を用いた強制立ち退き」が強行され、「豊かな国々」(グローバル・ノース)では「より『洗練』(ジェントリフィケーション)された形態での同様なことが行われている、という違いはあるが。

 またボイコフさんは2022年の冬季五輪開催地である中国での人権侵害、新疆自治区のウイグル人への抑圧の強化についても注意を喚起した。

 こうしたことは「開発途上国」の問題だけでなく、2028年の五輪開催予定地である米国のロサンゼルスでも見られることだ。10万人に上るとされるホームレスを抱えるロサンゼルスでは、深刻な人道危機が広がっている、とボイコフさんは指摘する。

 最後にボイコフさんは、「スポーツは異なる手段で行われる政治」にほかならないこと、「オリンピックは1%の特権的エリートたちによって動かされている機械」であると強調するとともに、「ヘゲモニーは永遠には続かない」という社会理論家のスチュワート・ホールの言葉を引用し、「ますます多くの人びとがオリンピックの『矛盾をはらんだ複雑性』に立ち向かっている」と自信をもって語りかけた。

 ボイコフさんの講演の後、成城大教員の山本敦久さんが報告。

 山本さんは「ボイコフさんンの講演を受けて、祝賀資本主義の文脈で考える」としてナオミ・クラインの言う「惨事便乗型資本主義」と「祝賀資本主義」の相互関係について語り、トーチが走る道筋を「セレブレーション(祝賀)街道」と名付けるなど、「復興の祝賀」としての東京五輪ではなく、トーチが走る道筋を「セレブレーション(祝賀)街道」と名付ける「五輪開催」それ自体が甚大な「社会的災害」だと批判した。

 続いて「反五輪の会」のいちむらみさこさんが報告。いちむらさんは2018年2月の韓国ピョンチャンの反対運動に連帯した活動、そして五輪開催に伴う野宿者追い出し、都営霞が丘アパートの取り壊しなどに抗議する闘いなどについて報告した。

 「平成代替わり」、そして「東京五輪」を貫く「祝賀資本主義」のあり方を具体的に批判していく運動を、「改憲プログラム」への批判とも連動させながら作り出すことに挑戦しよう。

(K)

【パンフレット紹介】反東京オリンピック ガイドBOOK

配信:反オリンピックガイドブックパンフレット紹介
2020東京五輪に反対する18の理由
反東京オリンピック ガイドBOOK

「オリンピック災害」おことわり連絡会編
頒価500円


 2020年東京オリンピックまで、あと1年。すでに「オリンピック災害おことわり連絡会」(おことわり連絡会)が結成され、活発な活動が展開されている。

「おことわり連絡会」の活動の特徴は、オリンピック開催を口実にした野宿者排除や、福島原発災害を忘れさせようとする「復興宣伝」に反対する行動的キャンペーン、そして国際的な反オリンピック運動から学び、連携しようとする意識的活動を貫いている点だ。

 「オリンピック」という国家的・国際的プロジェクトは、ストレートに資本主義システムの現実的な機能という問題を、私たちに突き付ける。

 その「おことわり連絡会」から「2020年東京五輪反対する18の理由」と銘打った「反東京オリンピック ガイドBOOK」が刊行された。1部500円の「お手頃」価格で、なぜ「2020年東京五輪に反対するのか」を一八の項目に分けて説明してくれる。一項目が二ページでまとめられている。

①「どんどん膨れ上がる五輪開催の費用」
②「都市計画の変更なしにスタジアム建設はできなかった」
③「巨大イベントは利権の巣」
④「オリンピック招致で多額のワイロ」
⑤「ボランティア搾取の闇」
⑥「……野宿者・生活者が排除される」
⑦「オリンピックのための『テロ対策』」
⑧「『復興五輪』は棄民政策」
⑨「アジアの森林を破壊するオリンピック」
⑩「五輪建設現場の現実」
⑪「動員される子どもたち」
⑫「天皇・日の丸・君が代」
⑬「聖火リレーってなんだ?」
⑭「パラリンピックと優性思想」
⑮「女性アスリートとオリンピック」
⑯「クーベルタンとオリンピズム」
⑰「戦争とオリンピックはつきものだ」
⑱「世界各都市で反オリンピック運動」


 そう。この40ページのパンフは、読みやすい上に、充実した内容満載であり、私たちが「二〇二〇年東京五輪」の国家主義と差別と排除のありかたに異議をつらぬく上で、必要・不可欠な視点を提供している。

 最近の、各種パンフレットの中でも、その良く練り上げられた完成度において出色の出来だと思う。私としては、「近代五輪の父」と言われるクーベルタンの女性差別主義、軍事主義の言説の露骨さに、あらためて驚きを感じた。

 ぜひ、このパンフレットを読んでください。おすすめです。

(K)

報告:7.15 徹底検証!ナルヒト天皇制

ナルヒト天皇 7月15日、終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)は、文京区民センターで「徹底検証!ナルヒト天皇制」をテーマに「おわてんねっと」の4人から問題提起が行われた。

 井上森さんは、「ナルヒトの半生」についてスライドを使いながら、「Ⅰ、『東宮家のナルちゃん』(1960年~72年)」、「Ⅱ、『浩宮』の時代(1972年~1986年)」、「Ⅲ、雅子との結婚(1985年~2001年)」、「Ⅳ、愛子誕生~『人格否定発言』~バッシングから天皇へ(2001年から現在)」と時間的プロセスを追跡して、ナルヒトの「虚像と実像」を暴き出していった。

 とりわけ「人格否定発言」以降のマスコミ・世論の分岐、保守言論人による批判、インターネットでの批判などについて着目し、「現在の天皇制がいかに今後生き延びていくか。ネットなどの新たな発言が続いていることも含めた総合的な批判・分析・脆弱性を浮き彫りにしていくことが問われているだろう」と集約した。

 天野恵一さんは、「『代替わり』奉祝ファシズム報道の分析」をテーマに次のように切り込んだ。 
①  1990年1月、本島長崎市長に対する右翼襲撃に抗して開始した「タブーなき言論の自由を!」運動経験の成果と継承の共有化の確認。

 ②わだつみ会の「天皇と日本国家と指導者の戦争・戦後責任を屈することなく問い続ける決意」の声明の現在的意義。
 

②  1989年2月24日の「大喪の礼」反対・抗議闘争を闘った団体一覧を紹介し、「自粛強要」の天皇制攻撃に抗する闘う民衆のうねりを作り出したバネを検証し、現在の天皇賛美状況を突く回路の模索へ。

 ④「天皇ファミリーの『平和で心優しい』人柄賛美情報こそが最大・最強の戦後〈愛国心教育〉の〈擦り込み〉であり続けたし、あるというあたりまえの恐ろしい事実」の打破の試み。

 桜井大子さんは、「皇位継承問題」の現在に絞り込んで批判した。

 「権力・皇族にとって、そもそも皇位継承問題とは、天皇家の存続、維持、万世一系思想として突きつけられている。だから各政党は、基本的に皇位安定継承、女系議論に及び腰だ。共産党、社民党は、『女性・女系天皇を容認すべきだ』との立場だ。いずれも天皇制に統合される土俵にある。このプロセスの中にわれわれが存在しており、対抗していく方向性を打ち出していくことが問われている」。

 「あらためて天皇制の近現代史への分析と批判、象徴天皇制を続けるのか否か、という批判の強化が必要だ。さらに『愛子さまを天皇に』といった(性差別主義反対をアピール)『ゴヨウツツジの会』的な言論に揺らぐ層へのアプローチも必要な局面に入っているのではないか」と今後の方向性論議について示した。

 小倉利丸さんは、「ナルヒトと“水”(グローバリズムの観点から)」というテーマで「ナルヒトの研究テーマの『水運』、水問題を手がかりに、象徴天皇制と文化・学術の問題を考える」と設定し、ナルヒト講演をまとめた『水運史から世界の水へ』(NHK出版)や「第7回世界水フォーラム」のビデオメッセージなどを取り上げながら次のように批判した。

 「東日本大震災の『水害問題』を取り上げていながら山林から海にかけて広範囲に広がった放射能による水汚染(冷却水も含む)には一切の言及がない」。

 「労働の問題として、とりわけ戦前の植民地や日本国内のダム建設で徴用され、強制労働させられた多くの朝鮮人、中国人の労働者の問題がある。ここにも天皇制と語られないことの政がひそんでいる」。

 そのうえで①ナルヒトの水の民営化問題への関与の危険性②学術・学会・文化の権威づけのための天皇制の役割③天皇制の持つイデオロギー効果について掘り下げた。今後、「象徴天皇制の政治的な関与」の傾斜と政権による政治利用の相互連動はありえるから、これらと対決する反天皇制運動が求められると強調した。

 4人の問題提起を受けて、質疑応答を行い、提起者からあらためて今後の実践的課題と理論的掘り下げについてまとめた。

(Y)

報告:6.28 G20大阪NO!集会とデモ

_20190703_2046496月28日、29日の両日、インテックス大阪で主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催された。

 全国から三万人の警官を動員し、市内のいたるところに警察車両が配置され高速道路は閉鎖、駅のごみ箱もすべて封鎖または撤去という異様な雰囲気と、「大阪で世界最大の政治イベントが開催され、日本政府がリーダーシップを発揮する」という執拗な宣伝の中である種の「高揚感」さえ煽られている状況の中、同二八日にサミット会場の対岸に近い天保山公園で午後一時から「G20大阪NO!」デモの前段集会が開催された。海外からの参加者や全国各地からの参加者を含む約200人(主催者発表)が参加した。

 司会の「梅田解放区」の園良太さんの開会宣言と、歌とコールの練習に続いて、実行委員会呼びかけ人の一人である斎藤日出治さん(大阪産業大元教授)の基調的な発言。斎藤さんは「世界の貿易・投資・GDPのいずれも80%以上を占めるG20の経済成長は、私たちの生活とはまったく無縁だ。すべてはグローバル資本の利益のためだ。今やグローバルなリスクが拡大し、地球温暖化をはじめとした矛盾になんら対応できてはいない。私たちは国家のあり方を変える必要がある。グローバル資本の競争力を高めるための政策が、リスクを引き起こしており、G20の首脳会議はこうした問題に何ら対応できない。私たちの暮らしのために世界を変えよう」と訴えた。

 齋藤さんはさらに「ファシズムと二つの世界大戦は資本主義の行き詰まりを示すものだった。資本主義は歴史的使命を失ってしまった。私たちこそが世界を変えよう」とアピールし、大きな拍手を受けた。

 次に、韓国から参加を予定していたアジア共同行動の活動家と「平和オモニの会」のメンバー7人が空港で入国を拒否され、参加できなかったことが報告され、メッセージと実行委員会の抗議声明が読み上げられた。

 海外からの参加者のアピールは、同25・26日に大阪市内で開催されたG20市民
サミットと開催期間中の会場内での提言活動のために来日したインドネシア環境フォーラムのサウンさん。「気候変動対策への支援がきちんと行われていない。日本政府はインドネシアで石炭火力発電所を建設しようとしているが、それは気候危機を引き起こす可能性がある。地元では漁民が生計の手段を失い、農民の土地が奪われようとしている。工事の現場では三五人もの子供たちが死ぬ大事故も発生した。私たちはG20が石炭産業への融資をやめるよう申し入れたい」と語った。

 連帯挨拶としてFoE(地球の友)Japanの深草亜悠美さんが、インドネシアでの石炭火力発電の持つ危険性を指摘し「気候変動への責任のない人たちが大きな被害を被っている。クライメート・ジャスティスは人権を重視したつながりだ」と呼びかけた。深草さんたちは27日にも神戸や大阪で人目を引くアクションを起こし、世界で広がっている若者たちの気候アクションに呼応した日本での動きを印象付けた。
 
 全日建連帯労組からは「不当な弾圧で権利を制限し、身動きできなくさせる弾圧が続いている。この間も新たな弾圧があり、子どもの保育園のために就労証明を雇い主に求めたことが強要にあたるという無茶苦茶な罪状で仲間が逮捕されている。連帯労組にかけられている弾圧をはね返し、無罪を勝ち取る」という力強いアピールがあった。

 米軍Xバンドレーダー基地反対京都連絡会からは「トランプが使う自動車を積んだ乗用車を積んだ軍用機が着いた」という情報が紹介された。

 最後のリレートークで、実行委員会参加団体や飛び入りの参加者の3分間アピー
ル。

香港からG20への支援要請活動のために来日した若者たちの一団がリレートークの最後に登壇し、習近平への抗議をこめ「反送中」(中国政府に身柄を引き渡すな)のプラカードを掲げて闘いの決意を表明した。

三時からのデモは天保山公園からサミット会場の対岸の中央突堤へ向かって進み、元気なシュプレヒコールとドラムで注目を浴びた。終了後、中央突堤でサミット会場を睨みながら抗議の声を上げた。香港からの参加者の一人が海に飛び込むパフォーマンスで香港の闘いへの注目を訴えた。

          (K)

報告 : 6.13 香港の自由と民主主義を守る緊急行動

香港13元山仁士郎さんらが呼びかけ

香港と沖縄の共通した闘い

東アジアの民主化を共に


六月一三日午後五時半から、九段下にある香港特別行政区政府香港経済貿易代表部の前で、香港の自由と民主主義を守る緊急行動がSNSで呼びかけられ、三〇
〇人を超える人たちが集まった。呼びかけたのは元山仁士郎さんや杉原浩司さんら。

「容疑者引き渡し条例は香港の一国二制度を壊し、香港の自治が脅かされる
ものだ。そして外国人にも適用される。警察の暴力的弾圧も強まっている。東アジアの自由のために連帯する」と発言者と呼びかけ人から趣旨が話された。

プラカードを掲げた参加者が増えていく。参加した人たちが次々と思いを語った。

「何かしなければいけない。民主主義的抗議をしているのに、暴力的な弾圧はしないでほしい」。

香港生まれ。「返還される前に生まれた。こういう事態を恐れていた。民主主義が壊されてしまう。日本もそうなってしまう。なぜ声を挙げないのか。返還から二二年、世界の平和が崩される。自分たちの問題だ」。

沖縄人。「中国が香港に圧力をかける。これは沖縄と日本の関係と同じだ。反対
しているのに辺野古の基地が作られている。黙っていられない」。

香港人。「香港が好きだ。海、人々が好きだ。美しい香港であるように。日本と
香港、友好であるように立ち上がるべきだ。他人ごとではない。平和な世界を歩んでいくように願っている」。

香港人。「父は上海の人。天安門事件を思い出し落ち込んでいる。中国は好きだが中国政府は批判はしなければならない。ヘイトクライムにならないようにしなければならない。今日の香港は明日の日本だ。権力の横暴には東アジアの民衆の力で立ち向かおう」。

日本人。「中国の労働運動を支援している。一九八九年天安門で労働者も立ち上がった。その後弾圧され、香港に亡命してきた。香港は中国の民主化を支援する重要な位置にある。こうした香港の運動をつぶすような条例改正を許してはならない」。

杉原浩司さん。「日本政府と米国は天安門事件弾圧に対して、動かなかった。今回も日本政府は態度表明していない。われわれの自由・人権も脅かされる。私たちの連帯行動が香港の人たちを勇気づけ、条例案を止めることにもつながる。東アジアの民主化をいっしょに進めていこう」。

SNSで呼びかけた林田さんは「無抵抗の若者が思想・自由を守ろうと闘っている。黙って見ていることはできない。法律の問題だけでなく、自由に考え行動することへの弾圧だ。それに対する連帯。言論の自由を守れ、国家の暴力に反対する。『言うことを利かせる番だ。おれたちが』」。

最後に授業の関係で遅れてかけつけた元山仁士郎さんが「なぜ、香港の人たちをサポートするのか、それは沖縄を大切に思っているからだ。人々が声を挙げても届かない。国が弾圧してくる。香港と沖縄が共通している。香港を応援することを大事にしたい」と語った。

「香港頑張れ」のコールを繰り返した。そして、引き続き午後九時から渋谷ハチ公前で同様の集会を開くことを明らかにした。午後九時からの集会には二〇〇〇人が集まり、香港の運動との連帯を固めた。

 (M)



報告 : 6月12日、明治大学で周庭さん(香港浸会大学生、香港衆志常務委員、雨傘学生運動リーダー)が講演

香港12中国政府「やりたい放題」許すな
攻防の現段階と私たちにできること


六月一二日午後五時一〇分から、明治大学駿河台校舎リバティタワー1012教室で、周庭さん(香港浸会大学生、香港衆志常務委員、雨傘学生運動リーダー)が講演「香港における犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする条例改正案をめぐる攻防」を行った。中国法特別講義として、授業の一部をさいて行われた。六月六日、香港の議会で、この条例案が審議されるのに反対する一〇三万人もの抗議デモが行われたばかりでもあり、日本のマスコミ各社が報道カメラを持ち込んだ。また、香港からの留学生も多数参加し、教室は満席になり入りきれない人もたくさんいた。

鮮明な見解公表日本政府に望む

BBCの反対デモ映像が映し出された後、周さんが講演した。(以下講演要旨)

六月一二日に改正条例案が提出の予定だった。不当に拘束され、中国本土に送還される。これに反対し、一〇三万人が抗議した。一九九七年香港が中国に返還されて以後最大の規模だ。一国二制度によって、中国法は適用されないとされていたがすでに中国法が適用され始めている。

私は二二歳で、二〇一四年の雨傘運動に参加した。二〇一八年の立法会選挙に立候補しようとしたがその権利が取り消された。

香港は夜景が綺麗で食べ物がおいしいと見られているが、政治問題がたくさんある。逃亡犯条例改正案は、中国に引き渡される非常に危ないものだ。香港人だけでなく、外国人も影響を受ける。六月中に立法会で議決される可能性がある。本会議を予定しているが、議会前の占拠によって開催されていない。議会は半分だけが直接選挙され、残りは間接選挙で北京派の議員の方が多い。

中国本土は公平・透明性・人権・自由がない。司法が独立していない。中国共産党の道具として利用されている。三権分立がない。法治社会でもなく、恣意的拘束や逮捕、拷問が行われている。国家転覆罪もある。不可解な形で、障害を負わされたり、死んでしまった人もいる。活動家や弁護士、記者なども標的にされている。国家安全罪があるが、他の罪で引き渡される可能性もある。中国当局は罪をでっち上げることもやっている。

政治的誘拐が合法化されている。身の安全が保障されなくなる。香港の良さがなくなる。二〇一三年に、香港で中国批判の本を売っていた人が中国に誘拐された。このように中国当局のやりたい放題になる。香港は香港でなくなる。

四月二八日、一三万人のデモ、六月九日、一〇三万人の抗議デモが行われた。こ
れに対してカナダ・イギリス政府は条例に反対する共同声明を発表した。アメリカ政府と商工会議所が批判し、EUは反対の申し入れをした。

私が東京にいるのは、日本の現状を変えたいからだ。日本は香港との経済的つな
がりが大きい。日本政府は意見を言っていない。六月五日、衆院外務委員会で河野外務相は改正案について、「一国二制度があるから、声を出すべきではない」と発言した。一国二制度が一国一制度になりそうだ。改正案に対して、はっきりした意見を持ってほしい。

六月二七日を採決の予定にしている。自発的な商店の休業・ストライキや授業ボイコットが起きている。レストランに入って、IDカードをチェックしている。今日休業した店舗は一〇〇〇以上。警察が職権を濫用して、立法会のある駅で身体検査をしている。銃で撃ったという話もある。ペッパースプレイ、催涙ガスなど暴力のレベルが上がっている。どうなるか分からない。もっと注目してほしい。

民主化に関心を 日本も同じでは


講演の後、質疑応答が行われた。

——今後どうなるか。

予測することは難しい。六月九日のデモは三〇万人と予想されていたが一〇〇万人を超えた。想像できない。ストライキも起きている。雨傘運動や反愛国教育運動の時はリーダーがいた。今回は自発的な行動だ。自分の家を守りたいという責任感が強い。大学生は夏休み中、中高生が授業ボイコットした。これを見ても今回の広がりを示している。

—— 一九八九年六月天安門広場に一〇〇万人が集まり、民主化を求めた。しかし六・四悲劇が起きた。

今の香港の事態はあぶない状況になっている。戒厳令の可能性もあり、解放軍の虐殺もありうるか。

若い人はなぜと思っている。変わってしまうことに対する危機感。中国法が適用される所には住みたくない。日本政府は明確な態度を示していない。声を上げていかなければならない。

——運動のきっかけは?


責任感だと思う。一番好きなのは香港だ。好きな場所を守りたい。香港は一九九〇年代に難民を受け入れてきた。今は政治難民をつくっている。香港は自由社会だ。自由を壊しているのは中国共産党政権だ。希望を持っていたから闘ってきたし、これからも持ちたい。

——手助けすることはあるか。日本に望むことは。


民主化に関心を持ってもらいたい。香港の経験から自分が生きる社会に関心を持つことは重要だ。主権者としての意見を持つこと。日本も同じ問題がある。

——目指している政治の在り方は。

普通選挙を求めた。しかしこれがすべてではない。民主的制度がない。有権者は限られている。住宅や教育問題に声がないとダメだ。民主主義とは自らの未来は香港人が決める。生活は民衆が決める。

在日香港人留学生などがプラカードを用意していたが、学内でのパフォーマンスは禁止ということで、外に出てプラカードを掲げるパフォーマンスを行った。

 

(M)


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