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政治情勢

【ベネズエラ】現地の指導的社会主義活動家へのインタビュー

Marea-Socialista

ベネズエラ

現地の指導的社会主義活動家へのインタビュー

主権、ベネズエラ民衆の尊厳、民主主義への国際的支援求める

 米国とその同盟諸政権は、先月国会議長のフアン・グアイドが選挙で選ばれたニコラス・マドゥロ大統領を否定する形で自らをこの国の大統領だと宣言した後、ベネズエラ政府に対する圧力を高め続けている。ベネズエラの革命家、ゴンザロ・ゴメスは社会主義組織のマレア・ソシアリスタの指導的メンバーであり、独立左翼のウェブサイト、aporrea.orgの共同創設者だ。以下は、米国のsocialistsworker.orgのエヴァ・マリアによるゴメスへのインタビュー。

【前記ウェブサイト編集者とインタビュアーによる注記】

 このインタビューは一月二七日に行われた。マレア・ソシアリスタは、ボリバール革命を通して達成された諸成果を支えて、終始一貫米帝国主義に反対し、その上で、ウーゴ・チャベスと現大統領のニコラス・マドゥロ両者の、国内資本と外国資本のビジネス利益に対する譲歩、官僚主義的諸傾向、さらに反民主的な諸方策を批判してきた。

ゴメスは二月五日、「憲法防衛市民プラットホーム」の代表者として、米国が支援する反政権派指導者、フアン・グアイドとの会談に参加した。このプラットホームは、米国の介入に反対し、民衆の国民投票(コンスルタ・ポプラー)を提案している左翼の諸個人によって組織されている。

われわれは、このプラットホームの目標、および彼ら自身の観点が知られるようにするために先の会談の公表を利用する、という彼らの期待を理解する。しかしながらわれわれは、この会談に懸念をもっている、と述べざるを得ないと感じている。つまり、欧州の帝国主義諸政権から、ブラジルとアルゼンチンの反動的な国家首脳から、またトランプ政権それ自身から直接的支援を受けている指導者であるグアイドとの会談は、介入への道を清めるために仕組まれたメディアも当事者である情報戦争の中では、ベネズエラ右翼に、自らを「あらゆる側と会話している」と描く余地を与える危険を犯している、という懸念だ。

誰もグアイドを選んでいない

――一月二三日、国会議長のフアン・グアイドが自らベネズエラの代理大統領と宣言し、すぐさま米国、リマ・グループメンバー諸国、また多くの諸国によって承認されました。しかし世界のほとんどにおいて、われわれがグアイドという名前を聞いたのはこれが初めてのことでした。彼は何者であり、ベネズエラ政治での彼の役割はこれまでどういうものだったのですか?

 グアイドは、右翼野党の人民の意志党(VP)議員だった。この党の党首は、現在投獄されている指導者であるレオポルド・ロペスだ。

グアイドは、議会内最大政党間での権力分かち合いという合意の一部として、国会議長に指名されたにすぎなかった。彼は、二〇一七年の反政権派による街頭決起に参加した。しかしそれを別にすれば、彼の党の指導的な公的人物としてすら、彼には大きな名声は何もなかった。

最高裁法廷は二〇一五年、票を買ったとして選挙不正の容疑をかけられたアマゾン州議会メンバーの議席剥奪を議会が拒否した時、議会の権威を認めない、と宣言した。

これは、議会での新たな右翼多数を阻止するために、支配政党であるPSUV(ベネズエラ統一社会党)によって行われたことだった。しかしその後PSUVは自ら議会を放棄し、憲法制定会議を――一九九九年にウーゴ・チャベスの下で施行された憲法と民主主義両者を基準とした時、大いに疑問のある条件で――推し進めた。

グアイドが一人の人物として現れたのは、この権威を認めないと宣告された、野党が率いる国会からだった。彼は大統領を自称した時、マドゥロが勝利した選挙に正統性はなく、彼は簒奪者だ、と告知した。彼は現時点では、その後新たな選挙を行うと想定される「移行政府」形成のための「暫定」という形で、大統領職を引き受けている、と言明した。

しかしながら、議会が彼を大統領と宣言したわけではなかった。ベネズエラ民衆による選出を経たわけでもなく、あるいは国会による選択すらなく、グアイドが自ら大統領と宣言したのは、一月二三日に行われた巨大な反マドゥロデモの後にすぎなかったのだ。

クーデターの特性を帯びた事態

――それでは本当のベネズエラ大統領とは誰なのですか? 一月二三日とその後のできごとはクーデターなのですか?

 ベネズエラ大統領は二〇一八年五月に選出された。それがニコラス・マドゥロだ。

この選挙は、いくつかの政党が禁止され、国家資金の利用がPSUVに有利、という厳しい諸制約下で行われた。しかしマレア・ソシアリスタは、われわれは諸々の批判をもっていたが、この選挙への参加を訴えた。有権者は自分の選択権を放棄してはならない、と考えたからだ。保守派野党は棄権を求めた。そして棄権率は五〇%強に達した。

われわれは、投票したとはいえ、マドゥロ政権は正統性を失っている、と確信している。その反労働者政策、恐るべき腐敗、外国の大国にわれわれの資源を引き渡す略奪的な資源開発主義、その憲法無視の諸決定、さらに彼らの統治手法となった抑圧的権威主義が理由だ。

政権は、高度に問題のある諸条件の下で選出され、憲法に対する全一連の深刻な侵犯によって、正統性を主張するいかなる資格も失っている。労働者階級の圧倒的多数は、マドゥロと彼の政府に対する拒絶を示してきた――この拒絶をはっきり表す大衆的な行動が数多くあった――。

グアイドはマドゥロ政権拒否の立場を明らかにし、議会の提案や政策を推し進めるためにこの不満を利用した。

その後彼は一月二三日に全国デモを呼びかけ、それへの反応の強さとマドゥロに対する巨大な怒りを確かめた上で、大統領を自称する好機を掴んだ。彼は、このデモの前で「大統領」としての就任宣誓を行った。再度言うが、この行為に対するいかなる合憲性もなしに、だ。

いわゆるリマ・グループとして組織されたいくつかのラテンアメリカ右翼政権と歩を並べて、トランプ政権がこの背後に現れた。並立政府の宣言に次いで、それを力で押しつけようとの、米国による介入という脅迫が動き出した。

それゆえ、マドゥロ政権には正統性がなく、この政権はボリバール革命をこれまで破壊し続けてきたわが民衆に対する抑圧者である、とわれわれが見なしているとしても、ベネズエラの本当の政府はマドゥロの政権なのだ。マドゥロは、米国に支援された自称大統領ではない。彼の置き換えは、その主権を行使し、受け入れることができ憲法にかなった諸条件の下で票を投じる、そうしたベネズエラ民衆によってはじめて可能なのだ。

それゆえ今起きている最中のことには、ベネズエラの軍部が遂行したわけではないとしても、しかしそれに代えて、ラテンアメリカのもっとも右翼的な諸政権やEUと連携した、米帝国主義からの制裁と脅迫を通した、進行中のクーデターという特性がいくつかある。これらの諸政権は、米州機構や国連といった諸機関から支持を得てすらいない。

米国の介入は、諸々の制裁、ベネズエラ海外資産の押収、特定商品の封鎖、「人道援助」の戦略的利用といった形態をとってきたが、同時にまた、政治的、経済的圧力が成果を生まない場合として、軍事的エスカレーションへの準備という形もあった。

われわれは、トランプと米政府が帝国主義的、植民地主義的、また資本家としての利害に駆り立てられている、ということを承知している。だからわれわれは次のスローガンを繰り返す。つまり「民衆はもはやマドゥロを欲しないが、しかしグアイドを選んだ者も誰一人いない」と。われわれは外国の介入に反対し、民衆により民主的に成し遂げられる解決を追求する。

選出はされたが正統性を失った大統領と、選出もされず正統性もないもう一人の間のこの対立において、われわれは対話が行われることを求めているが、それは民衆主権のための対話だ。欲するものは何か、それを人々に聞こうではないか。

われわれは、マレア・ソシアリスタおよび「憲法防衛市民プラットホーム」を代表して、憲法七一条の条件の下における、諮問的国民投票の実施を提案してきた。ちなみにこの条項は、「国民的重要性をもつ事項」を投票に付すことができる、と規定している。

その国民投票は、マドゥロ政権と野党の国会間の合意の下で、あるいは有権者の一〇%から支持を集めることにより実施が可能になるだろう。われわれは、何であれわれわれに対し閉じられた扉の背後で決定されることを欲しないがゆえに、この国民投票を実現させようと、他の政治諸組織や民衆運動と連携して今活動を続けている。

人々に彼らの運命を決めさせよう。政府が正統性を再獲得することが望みかどうか、人々の諮問に任せよう。総選挙にこれらの問題の決定を委ねよう。しかしわれわれは、他の政府や帝国主義勢力が彼らの意志を押しつけることを、あるいは民主主義の立場に立つふりをしつつも、民主主義を顧みず勝手にふるまっているベネズエラ国内の政治的エリートたちも受け入れない。

労働者は自らを自立させ始めた


――一月二三日の大規模な諸々のデモと以前の局面におけるマドゥロ反対行動の間にある違いは何ですか? 関係する異なった諸要素について詳しく話せますか?

 二〇一八年という年は、労働者とコミュニティの諸々の抗議、そしてますます注目に値する形で現れた労組の抵抗を特徴とした。これらの闘争は、ハイパーインフレーションと政府の反労働者的諸政策によって破壊された賃金の防衛に集中した。政府が諸手当の引き下げによって掘り崩し始めた労働協約の防衛、あるいは労働者の抗議行動に対する抑圧への反対などだ。

さらに労働者階級のコミュニティも物不足、水、天然ガス、電力、公共交通のような公共サービスの不足、また医療サービスや薬品の不足に抗議して、数を次々に膨らませて街頭に出てきた。

昨年のこれらの抗議行動と以前の年月におけるそれとの主な違いは、以前のものが野党の政治的諸要求に結びつき、またそれらによって駆り立てられ、そしてそれらが主に性格としては中間階級であった、ということだ。これらの二〇一七年の抗議行動は、大規模な決起として始まったが、街頭の暴力的衝突というエピソードで終わった。そしてそれは、徹底的な弾圧で応じた政府によって粉砕された。

今年の抗議行動はバリオス(大都市周辺の、貧しい民衆層が住む街区:訳者)で噴出した基本的必需品の問題を中心に始まった。次いでそれは諸々の青空総会へと、そして一月二三日のデモへと繋げられた。そしてそのデモでグアイドが、デモ参加者の多くにとっては驚きとなったが、自ら大統領と宣言したのだった。

労働者の諸闘争は、階級的展望から、しかしその連携内部での多様性と多元性に基づいて、諸闘争を推進し、それを一体化しようと挑んでいる活動家や労組指導者による新しいベネズエラ労働者組織を軸に、自らを表現し始めていた。

ある者たちは野党に結びついているが、他は「どちらにも立たず」、さらに他の者は、PSUV労組官僚が政府の一器官に成り果てる中で発展してきたチャベス派内異論派潮流から来ている。ちなみに先のPSUV労組官僚はこの国における主な経営者だ。

最大の労組であるボリバアリアン社会主義労組センターは今日、反労働者諸政策の持ち出しを助ける、政府機構のいわば腕になっている。彼らは、PSUV政府と軍部による労働者の権利破壊に反対する労働者階級の反抗管理を助ける目的で、諸々の抗議行動をくじくか、それらの政策を正当化するかしているのだ。

グアイドを伴った現在の情勢は、労組運動のこの新しい高揚を危険にさらしている。その情勢は底辺からの闘争から生まれた。しかし戦闘が今後必要とすることは、できれば吸収しその後その行動力を切り落としたいと思っている両極から、運動の自立性を保つことだ。

「裏庭」支配奪回への乗り出し


――この政治的危機の展開に影響力を及ぼしている米国とその同盟国をどう見ていますか?

 多くのベネズエラ人は、幾分の素朴さと共感をもって、マドゥロに反対する「支援」を期待している。それがもたらす恐るべき危険は言うまでもなく、この支援に込められた、主権とこの国の独立に対する意味のすべてを、彼らが今理解しているわけではないからだ。住民のもう一つの部分は、米国の介入について猛烈に怒りを覚え、民族主義的感情に導かれている。

マドゥロに批判的な政府に反対しているボリバリアンと革命的な部分は、その立場を維持してきた。しかし彼らは否応なく、帝国主義の介入に対決する闘争を最優先としなければならない。介入というこの脅威はマドゥロ政権に便宜を与え、この右翼政権に反対する民衆の自律的諸闘争の発展を妨げている。

――トランプ、ボルソナロやドゥケが代表するラテンアメリカ右翼、そしてベネズエラ反政府派間の連携をあなたはどう見ていますか?

 トランプの場合これは、米国が影響力を失ったラテンアメリカの諸々の部分を再植民地化する好機になっている。一方これはトランプの子分の諸政権にとって、それら自身の民衆に対する略奪によって提供される米国のためのご馳走から、そのおこぼれを食べる好機だ。

米国は、マドゥロ派官僚の反動的な性格にもかかわらず、その起源がチャベスが率いた革命にあることを大目には見ないだろう。また彼らは、ベネズエラほどに重要な国でこの国家を直接統治しようと、チャベスが伝統的なブルジョアジーを権力から取り除く過程をどのように組織したか、をも大目に見ることはできない。

この地域におけるいくつかの右翼政権は、米国との間に歴史的な、またビジネス上の結びつきを維持している。ワシントンは、この近隣の政府に対する中国やロシアのような途上中の帝国主義がもつ利害の影響力に腹を立てている。このような形でわれわれは、米国がその「裏庭」に諸々の条件を押しつけ、それを支配し、彼らが望む世界的な力関係を維持しようと乗り出しているのを見ているのだ。

民主的で合憲的な解決を求める


――この危機に対する交渉による解決を求めてウルグアイ、メキシコ、バチカンが進めている提案について、あなたはどう考えますか?

 内戦や侵略の可能性という危険を前にした時、それが政治エリート間の密室的な合意を助長しない限りにおいて、またそれが民衆の彼ら自身の政府――民主的な政治生活と人権と並んで、医療の諸制度を復活させ、食糧供給の準備と医療を再建することを目的にする政府――を選ぶ権利を尊重する限りにおいて、この提案には建設的な側面が諸々ある。

――今後の二、三週に起きることをあなたはどう予想していますか? この時期においてあなたは、ベネズエラの社会主義者の任務についてどう考えていますか?

 予想は極めて困難だ。トランプと米政府が今、彼らに都合のよい諸条件を作り上げようと指揮棒を振り回しているからだ。彼らがその指揮棒でほしい成果を得られないならば、彼らは、彼らの敵を直接破壊することに頼るかもしれない。そしてその敵はこの場合、マドゥロだけではなくこの国全体でもあるのだ。われわれは今、交渉を通じて戦争を回避すること、それによりさらに大きくすらなる苦難から逃れること、に期待をかけている。われわれは、民衆が彼らの道筋を再設定できる、そうした民主的で憲法にかなった解決を求める。

自律的で自己組織的、かつ意識的なやり方で自らの利益を守る、労働者と労働者階級コミュニティからの強力な参加と決起がなければ、どのようなものも民衆を利することにはならないだろう。人々は、より大きな福利をもたらす事業における彼ら自身の権力と支配的影響力の獲得をめざさなければならない。

――米国内左翼の大きな部分は、原則として米国の介入に反対――まさに正しくも――している。しかしそれは、マドゥロ政権に対しては無批判的な立場を取っている。あなたの望みとしては、世界の左翼にどう発言してもらい、ベネズエラ民衆との連帯確立のためどう行動してもらいたいですか?

 米国とその同盟諸国がベネズエラに敵対して遂行中のことを前にすれば、国際的な連帯が必要不可欠だ。左翼、進歩派、労働者、知識人、それらの組織からの介入主義諸政策に反対する連帯が特に重要になる。これらのグループは、人々が結局は受けることになる介入の高い犠牲を、また北米の民衆自身も背負う高い犠牲をも分かっている。

われわれはベネズエラ人に対するトランプの介入への強力な反対を求める。またそれは同時に、米国内の好戦的タカ派が強いる抑圧に反対し民主主義を求める闘いをも助けるだろう、と確信している。

われわれは、米帝国主義と正統性のない政府の押しつけに反対する、そして憲法にかなった手段と自由な選挙を通して自身の国の未来を決定するベネズエラ民衆の民主的諸権利を求める、国際的キャンペーンを必要としている。この連帯は、「人道的懸念」のような口実に隠れた介入を大目に見てはならない。

しかしこの反介入キャンペーンは、あるがままのマドゥロ政権に対するいかなる支持も意味してはならない。それはその民衆に対する抑圧者であるからだ。

介入への反対は、主権と諸々の自由に基づいてベネズエラ民衆が自ら決定を行うためのものでなければならない――まがいものの「社会主義」を名目に、ボリバール革命を裏切り、それを解体している政府をさらに打ち固めることを助けるためではなく――。

マドゥロの下で、一団の官僚集団が「ルンペンブルジョアジー」に成り果て、われわれの主権を多国籍企業と外国の諸大国に引き渡し、われわれの環境を破壊し、経営者からなるエリートを富ませるために、公共の諸資源とあらゆるものを略奪し、労働者を搾取することで権力の座で安楽にくつろぐまでにいたった。

米国の介入への反対は、専制的な政権と略奪的なカーストに支持を与える点まで拡張されてはならない。われわれが求めている支援は、民主主義、主権、そしてベネズエラ民衆の尊厳に対するものなのだ。(二〇一九年二月六日)

▼ゴンザロ・ゴメスは、マレア・ソシアリスタの全国調整機関メンバー。
▼エヴァ・マリアはsosialistsworker.org記者。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年二月号) 


報告:天皇在位30年式典に反対しよう!銀座デモ

2.24銀座デモ 2月24日、終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)は、「天皇在位30年式典に反対しよう!派兵=戦争・格差・災害・原発・差別 悪夢の30年!」銀座デモを行い、150人が参加した。

 銀座デモのターゲットは、東京・隼町の国立劇場で午後二時から開かれる「天皇陛下ご在位30年記念式典」だ。権力は、デモの集合場所であるニュー新橋ビルと新橋駅周辺に大量の公安政治警察と機動隊を配備し、厳戒態勢を敷いてきた。断固とした反天皇闘争に対して露骨な威圧をもって対応してきた。仲間たちは、ビル内にも潜入しようとする権力の嫌がらせと挑発を許さず毅然として入場し、前段集会を開始した。
 
 主催者から開催あいさつが行われ、「今日の式典は、国民を代表して内堀雅雄福島県知事が天皇への感謝の言葉を行う。天皇作詞・皇后作曲の歌を沖縄出身の歌手、三浦大知が歌う。福島と沖縄という『平成』の二大矛盾を天皇制の中に解消していこうするものだ。なんとか共産党は、式典には参加しないということだ。下からの突き上げもあるのかもしれない。NHKとテレビ朝日が生中継する。総務省は、小中学校、大学、役所などに日の丸を掲揚しろと通達を出した。まさに国民こぞって『お祝い』するという意図だ。私たちは、こんなものを決して祝え
ないし、祝ない。30年は、とんでもない時代だったんだと逆に突きつけていくデモにしていこう」と強調した。

 福島から駆けつけた仲間は、「天皇制こそ福島の原発事故と被ばくを覆い隠す見えざる暴力だ。その暴力の下手人が内堀雅雄福島県知事だ。人間として許し難いことだ。今、復興を進めるか否か、被ばくの現実を認めるか否かの分断が起きている。被ばくの現実を認める奴らこそが福島差別を広げていると圧力をかけられている。『偉い人』が安全と言っているのだから、これ以上危険だと言わないでくださいと圧力をかけている。このような図式のおおもとが天皇制だ。沖縄も同じだ。天皇制をひっくり返そう」と訴えた。

 部落解放同盟東京都連合会国立支部は、「戦争の歴史を風化させることはできない。次の世代に伝えていかなければならない。二〇〇〇年頃から『日の丸』反対闘争をやってきた。右翼もたくさんきた。この間、『平成最後の……』という言い方でなにもなかったかのように評価する人たちが多い。差別の元凶は、天皇制だ。今こそ天皇制はいらないの声を大きくしていこう」と発言した。

 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは、「今日は県民投票の投開票日だ。県知事選では玉城知事には39万以上の投票があった。それを上回る投票が行われるだろう。しかし、安倍首相と菅官房長官は、『結果について全く関係ない。土砂投入を続ける』と言い放っている。明仁天皇は、一一回も訪沖している。沖縄を国民国家に統合することが一番の目的だ。昨年は、与那国島を訪問している。与那国島の人々は、国境とかの意識はなく、隣人と親しくしてきた。だが安倍政権は、自衛隊の南西諸島配備再編政策のもとに自衛隊を進駐させた。天皇訪問時、自衛隊が堵列を組んで迎えた。天皇は、自衛隊の役割を確認するために訪問したのだ。これが天皇制の役割だ。明日、官邸前で県民投票の声を聞けと抗議行動を行う」とアピールした。

 再稼働阻止全国ネットワークは、「 天皇制がすり込まれている日常がある。友人の中には、『いい人だもの天皇、美智子様は』と言う人たちがいる。こういう状況が蔓延している。脱原発ツアーバスでは、参加した人たちが一言ずつ喋る時、ある人は『こんな原発がひどいなんて、もう天皇様に訴えるしかないんじゃないですか』と発言した。大熊町を訪問した時も、ある荒れた家の中の仏壇の上に歴代の天皇・皇后の写真が並んでいた。「あーあ」という想いを今でも忘れられない。天皇制を崩していくことは大変なことだと思いますが、声なき人々、私たちが繋ぎ合って、諦めることはなくやっていこう」と強調した。

 集会終了後、デモに移り、機動隊により不当な規制を許さず、式典会場に向けて「天皇在位30年式典反対!式典を中止しろ!無駄な税金を使うな!勝手に祝うな!」のシュプレヒコールを繰り返した。

(Y)



【ヨーロッパ】高校生を中心に気候ストライキ運動が広がる

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子どもたちが気候のためにストライキ!

ダニエル・タヌロ

若者の危機感は大げさではない

 今年に入り特に欧州各国で、気候変動への真剣な行動を求める高校生のデモが続いている。気候変動がもたらす破壊的結果に対する危機感が若者の間に高まっていることが示されている。この状況を前に、ベルギーのタヌロ同志が、環境の課題と社会的課題を一体として闘うことの不可欠さと緊急性を、あらためて呼びかけている。内容からは、特に立ち上がった若者への訴えを意識していることがうかがえる。(「かけはし」編集部)

 世界中で、多くの若者たちが自然発生的に、気候のための出発を始めようとしている。一月一七日ブリュッセルでは、一五歳のスウェーデンの高校生、グレタ・トゥンベリによりCOP24に合わせて行われた格調高いアピールに応えて、一万二〇〇〇人以上の人々がストライキとデモを行った。彼らは一週間後三万五〇〇〇人以上になり、運動は継続している。 「わたしたちの世界が明日破壊されるのであれば、学校に行く利点とは何なのか?」、先の若者たちはこう問いかけている。それは常識そのものだ! これらの若者たちは誇張しているわけではない。情勢は実際深刻だ。平均気温は一八〇〇年以後で一度Cしか上昇していない。しかし結果はすでに懸念を呼んでいる。つまり、熱波、寒波、より厳しい干ばつ、溶けつつある氷河と氷冠、より暴力的になったサイクロン、巨大な山火事……と。

 上昇が二度Cで、影響は破局的になるだろう。われわれはその点から、地球温暖化の雪だるま効果(坂を転がる雪玉が自動的にひたすら大きくなることにたとえられた加速的昂進の作用:訳者)を経験する危険を犯す。地球は、「乾燥した衛星」になるだろう、そして気温は、極めて急速に四度Cも上昇する可能性があるだろう。全地域が居住不可能になると思われ、何億人もの人びとが気候難民になるだろう。そして生物多様性は崩壊し、海面はやがては三メートルから四メートル上昇するだろう。それはもはや惨害というようなものではなく、激変となるだろう!

 パリのCOP21で決定された地球温暖化の閾値、一・五度Cを確実に超えないようにするために、あらゆることが行われなければならない。それが不可避の結論だ。しかし諸政府は、これを行おうとはしていない。諸政府の「気候計画」を基礎とした場合として、専門家たちは、二・七度Cから三・七度Cの温暖化を予想している……。それは最低の場合だ。ドナルド・トランプやブラジルのファシスト、ボルソナロのように、ますます多くの指導者が真実否認に引きつけられているからだ!

 欧州では、ベルギー政府がもっとも偽善的な政府の一つだ。実際この政府は昨年一二月二日、気候に関する七万五〇〇〇人のデモ行進に祝意を表したが、翌日になると、EUの気候に関する二つの指令を支持することを拒絶したのだ。これらの偽善者はまさに恥知らずだ! しかし人々は、まがいものの約束と開き直りにうんざりしている。一月二七日のブリュッセルには、もっと多くのデモ参加者がいた。

暮らしと地球を資本が破壊


 科学者たちは二五年以上警報を鳴らし続けてきた。排出はなぜ増え続けているのか? 諸政府はなぜ(ほとんど)何もしないのか? 彼らが資本主義に奉仕しているからであり、資本主義のただ一つの目的が利潤であるからであり、利潤は成長を必要とし、この成長は歴史的に化石燃料エネルギー(石油、石炭、天然ガス)に基づいているからだ。

 再生可能エネルギーはどうか? それらも環境のためではなく、利潤のために生産されている。われわれがより少なく生産し、より多くを分かち合うならば、人間の真の必要を満たす上では、それで十分となるだろう。

 しかし多国籍企業は彼らが確保している埋蔵化石燃料と設備の放棄を拒否し、銀行はそれらの埋蔵と設備に投資された彼らの資本の放棄を拒絶している。そしてあらゆる部門の経営者が心中に抱える考えは一つしかない。つまり、むしろもっと多くを生産し、彼らの競争相手よりも多くの利潤を上げる目的で、さらに多くの労働者と自然を搾取する、ということだ。

 われわれは、あらゆること、われわれの仕事、賃金、社会保障、公共サービス、生活水準にとっては成長が条件だ、と告げられている。こうしてわれわれの暮らしは、われわれの搾取と自然の搾取次第になっている。現実には、この生産力主義のシステムがわれわれの暮らしと自然両者を破壊しているのだ。

われわれは今、奈落の縁にいる


 今日われわれは、崩壊の瀬戸際にある。地球温暖化一・五度Cを超えない可能性が半々になるためには、世界全体のCO2純排出が、二〇二〇年から二〇三〇年の間で五八%減らなければならない。それらはその後、二〇五〇年までにゼロにならなければならない。そしてその後、地球がCO2を排出以上に確実に吸収するようにすることが必要になるだろう。

 そうでなければ、用済みに成り果てた地球に自らを任せるか、大気中から炭素を人工的に取り除く技術(「マイナス排出テクノロジー」)の利用、あるいは太陽放射の一部を宇宙空間へ戻す技術(「ジオエンジニアリング」)の利用か、が必要になるだろう。

 しかし警告がある。つまり、こうした魔法使いの弟子的技術が機能する保証はまったくないのだ。それは、地球の上での、そこに住む生き物を使った、直接の実物大規模の実験を経ることが必須となるだろう……。

 いわば死を招く危険を前に、自己保存本能は一〇〇〇倍も正統化される。高校生にはそれゆえに、ストライキに打って出る権利が一〇〇〇倍もあるのだ。ぼうっと傍観しないようにしよう。それがどこから来ようが、親トランプ右翼や権益回復のもくろみからの攻撃に立ち向かい彼らを支援しよう。そして彼らの模範に続こう!

社会と環境の闘争一体化を


 地球温暖化の主な犠牲者は、諸政権や雇用主から変わることなく攻撃を受けている者たち、つまり労働者、小農民、子どもたち、女性、年金生活者、病人……そして移民だ!

 金持ち連中は自らに、それが億万長者のために用意された人工島上での暮らしを意味しているとしても、自分たちはいつであれ何とかやっていけるだろう、と言い聞かせている。彼らの特権を救い出し、われわれの社会と民主的達成成果を破壊するために、彼らはますます、レイシストであり、性差別主義者であり、気候変動否定派である極右に引きつけられている。したがって、社会的課題と環境の課題が同じ民主的な大闘争の両面だということは明確だ。

 この戦闘は始まったばかりにすぎない。そこには労働の世界が現れなければならない。黄色のベストから若者まで、今こそ闘争と要求を結集する時だ。今日われわれの子どもたちは、この地球上に彼らが存在する権利を、また彼らの子どもたちが存在する権利を守るために、ストライキを行い、そして街頭にいる。われわれ大人はどうなのか? われわれは何をするのか? われわれは彼らを支援しなければならない。それはわれわれの義務であり責任だ。

 あらゆる手段で決起しよう。われわれもストライキに決起しよう。自宅にとどまるストライキではなく、能動的なストライキに、それこそ、あらゆる不公正、あらゆる破壊、社会的なまた環境上双方の現在の窮状に終止符を打つ方法、それらを徹底的に討論するためのストライキに、だ。

エコ社会主義の緊急計画を


気候の惨害を回避することはまだ可能だろうか? 必要な努力は巨大だ。それは、民主主義と公正の中で社会的課題と環境上の課題を組み合わせることで、はじめて成功できる。一つのエコ社会主義的移行が基本だ。これは緊急計画を必要とする。以下に一〇項目の提案を示したい。

1.不必要かつ危険な製造品(武器を始めに)、および不必要な商品輸送の廃止、製品品質を最高度に高め、計画的な陳腐化と闘うこと。

2.あらゆる建物を断熱化し刷新する(住民の超過費用負担ゼロで)公的企業の創出。

3.自家用車の使用を思いとどまらせる公共交通に対する大規模な投資。航空移動を合理的に見直すこと。

4.化石燃料を地中にとどめること。再生可能エネルギーを一〇〇%基礎にする(核エネルギーのない!)経済への急速な移行を組織するために、エネルギーと金融部門を収用し社会化すること。

5.富の再配分、課税における平等性、および世界化された所得に関する課税の累進性の回復。公的部門、教育、医療・介護への資金再充当。

6.クライメートジャスティスの尊重。全員のための持続可能な発展に必要な技術と財源の、南への移転。

7.アグリビジネスの放棄。可能な限り多くの炭素を土中に隔離するために必要なことを行う、環境調和的な農業の推進。

8.賃金を下げることなく、全員の間で必要な仕事を分かち合うこと。廃止されるべき部門の労働者を、新たな活動に転換すること(所得の維持と社会的成果と一体的に)。

9.市場からの取り出し。つまり、無料の教育、交通、医療だ。基本的必要に対応する水と電力の無料消費。この水準を超える消費に対しては急激な累進的価格設定。

10.「思いやり」、透明性かつ説明責任の文化の発展。民衆とエコシステムに対するケア活動の強化と社会化。全員に対する投票権容認。被選出代表に対するリコールを含む、市民と民衆の統制と主導性に関わる諸権利の容認。


 これはユートピアだろうか? 一九四〇年から同四四年まで、米政府は緊急計画を実施した。軍事生産はGDPの四%から四〇%まで上昇するにいたった。そしてあらゆる種類の制約が課された。ナチスを打ち破り、米国の多国籍企業の世界的優位性を確保するために行われたことは、社会的公正に基づき気候を救い出すためにも行うことが可能だ。それは政治的意志の問題だ。それを迫ることはわれわれにかかっている。

▼筆者は実績を積んだ農学者かつエコ社会主義の活動家であり、「ラ・ゴーシュ」(第四インターナショナルベルギー支部、LCR/SAPの月刊機関誌)記者。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年二月号)  


報告:天皇『代替わり』に反対する 2.11反「紀元節」行動

配信:紀元節 2月11日、「天皇『代替わり』に反対する 2.11反「紀元節」行動」(実行委)の集会が在日本韓国YMCAで行われ、130人が参加した。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環として改憲攻撃と天皇制国民統合の強化をねらっている。すでに開始している天皇「代替わり」キャンペーンに抗して、全国の反天皇制運動を取り組む仲間たちによって「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)」を昨年11月に起ち上げた。

 ネットは、「2019年11月に予定されている大嘗祭まで、1年間の期間限定の活動を通じて、明仁退位・徳仁即位の全過程に抗議し、マスコミや行政などを通じて拡散される奉祝賛美キャンペーンや、巨額の税金を投入して行われる種々の代替わり儀式に反対していきます」とアピールし、様々な対抗アクションを果敢に取り組んでいる。2月24日〈日〉に「『天皇在位三〇年記念式典』反対銀座デモ」(13時/ニュー新橋ビル地下2F・ニュー新ホール集合)を行う。

 集会は、実行委から「集会基調」(①「紀元節」と右派をめぐる状況②天皇
「代替わり」儀式との闘い③戦争する国と「平和」天皇④「代替わり」諸儀式と天皇行事反対の行動へ!)が提起された。

 とりわけ「新たに一つ増えた、今年の天皇『四大行事』」(①6月2日、「第70回全国植樹祭あいち2019」②9月7日~8日、「第39回豊かな海づくり大会あきた大会」③9月15日~11月30日、「第三四回国民文化祭にいがた2019」「第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会」④9月28日~10月8日、「第74回国民体育大会 いきいき茨城ゆめ国体2019」、10月12日、「第一九回全国障害者スポーツ大会 いきいき茨城ゆめ大会2019)に対して「現地における反対運動への協力・連帯を!」と呼びかけた。

 菱木政晴さん(靖国合祀イヤですアジアネットワーク、即位・大嘗祭訴訟呼びかけ人)は、「近現代の親鸞理解と宗教としての天皇制 ―『紀元節』に想う真宗門徒のつぶやき―」をテーマに講演した。

 菱木さんは、「中曽根(1985年)・小泉(2001~2005年)・安倍(2013年)首相靖国参拝違憲国賠訴訟」について報告し、「国の機関の行為に対しては住民訴訟ができないため、国家賠償(損害賠償)請求訴訟として闘われた。このことが、『侵略戦争の加害行為を担わされた兵士と遺族はどのような被害を被ったか』という問いを生んだ。一人の人間としては、殺し殺されることに利用されたこと(人を単に手段として扱うこと=平和的生存権侵害)だが、信教の自由の人権に即して(限定して)考えるならば、『(古来の自然崇拝を基盤とする神道ではない新宗教としての『国家神道』、すなわち)天壌無窮の神勅と八紘一宇の詔勅を柱とするカルト宗教の宣伝の材料として利用された』」と批判した。

 さらに「国家神道、すなわち、宗教としての天皇制の拒否」、「真宗門戸にとっての反靖国・反国家神道」「極楽の人数と護国の英霊」などのテーマをクローズアップし掘り下げながら検証した。

 連帯発言が「2019・3・1独立運動100周年キャンペーン」、「3・2神奈川集会とデモ」、「辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会」などから行われた。

 デモに移り、神田町一帯にわたって「建国記念の日反対!」「紀元節を認めな
いぞ!」「天皇制はいらない!」のシュプレヒコールを響かせた。

(Y)

 

読書案内: 「自衛隊の南西シフト━戦慄の対中国・日米共同作戦の実態」 小西誠 著

自衛隊の南西シフト_「自衛隊の南西シフト━戦慄の対中国・日米共同作戦の実態」
 
小西誠著 社会批評社 1800円+税


 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環として新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」(中期防)〈2018・12〉を決定した。防衛大綱は、「前大綱に基づく統合機動防衛力の方向性を深化させつつ、宇宙・サイバー・電磁波を含むすべての領域における能力を有機的に融合し、平時から有事までのあらゆる段階における柔軟かつ戦略的な活動の常時継続的な実施」にむけて「多次元統合防衛力」を構築していくことを強調している。つまり、米国から「F35B」戦闘機の購入、護衛艦「いずも」型2隻を「空母」に改装、対電子戦などを明記した軍拡宣言である。

 とりわけ対中国シフトについて「弾道ミサイル等の飛来」攻撃を煽りながら、南西諸島の常時持続的な防護の一環として「島嶼部を含む我が国への攻撃に対しては、必要な部隊を迅速に機動・展開させ、海上優勢・航空優勢を確保しつつ、
侵攻部隊の接近・上陸を阻止する。海上優勢・航空優勢の確保が困難な状況になった場合でも、侵攻部隊の脅威圏の外から、その接近・上陸を阻止する。万が一占拠された場合には、あらゆる措置を講じて奪回する」(防衛大綱)などと米軍の下請けで実戦能力が不十分にもかわらず、あいかわらずの決意主義だ。もちろん自民党国防族、軍事産業の利権拡大とセットのコマーシャルであることは言うまでもない。

 こんな軍事のもてあそび姿勢を前面に出しながら、すでに戦略的な南西諸島の島嶼防衛段階から出撃基地および要塞化を着手してきた。宮古島レーダーサイト配備(2009年)、奄美大島駐屯地造成工事開始(2016年6月)、与那国島に与那国沿岸監視隊開設(2016年3月)などを突破口に、ついに宮古島駐屯地建設強行(2017年10月)、石垣島に陸上自衛隊の駐屯地を建設し、地対空、地対艦両ミサイル部隊、警備部隊などを配備(500~600人)する。沖縄本島にも陸自の地対艦ミサイル配備する方針だ。

 本書は、南西諸島の要塞化―島嶼防衛戦=東シナ海戦争の全貌と安倍政権の野望を徹底批判している。著者である小西は、元反戦自衛官(航空自衛隊生徒隊第10期生)と長年の軍事ジャーナリストの経験を土台にして与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島、沖縄本島で急ピッチで進む自衛隊強化の現地取材(2016夏~2017)や基地建設反対派住民との交流、防衛省諸文書の狙いの解明など多岐にわたるアプローチを試みながらまとめあげた。

 小西は、自衛隊の「島嶼防衛戦」について、米の軍事戦略の転換に注目する。

小西分析はこうだ。

 「米トランプ政権は、「国家安全保障戦略」(2017年12月)、「国家防衛戦略」(2017年1月)を明らかにし、「『対テロ戦の終了』を宣言するとともに、中国を米国の覇権に挑戦する最大の脅威とみなし、そして、中国とロシアとの『長期的な戦略的競争』に備える体制に転換するという方針を打ち出した」。つまり、「新しい中国・ロシア脅威論、対中抑止戦略が発動され、『新冷戦』の始まりと言っていいだろう」と浮き彫りにした。この米新軍事戦略下のうえで安倍政権の「インド太平洋戦略」が設計され、対中抑止戦略を米と共同して、その先兵を担うことなのである。

 そもそも「島嶼防衛戦」について自衛隊が初めて策定したのは、陸自教範「野外令」の改定(2000年1月)であり、「上陸作戦」も定められた。小西はこの時期の情勢に着目しながら、「1989~91年のソ連・東欧の崩壊」によって「ソ連脅威論」による日米の対ソ抑止戦略は終わったにもかかわらず、米国は米ソ冷戦体制に代わる軍事力の維持のために「地域紛争対処論」(1991年湾岸戦争)、朝鮮危機(1993年~94年)、台湾海峡危機(1996年)に踏み込んでいった。この延長に日米安保共同宣言(1996年)、日米防衛協力のための指針改定(1997年)から新ガイドライン、中国封じ込め政策を軸にした日米安保再編に向かう。このプロセスの中で米軍が中東作戦に比重を置き、その東アジア手薄状態を自衛隊を動員しながら「島嶼防衛戦」の位置づけが重視されていくことになった。

 連動して防衛省・自衛隊は、は、「統合幕僚監部『日米の[動的防衛協力]』について」(2012年)を策定した。「対中防衛」を軸にした南西シフト態勢を初めて明記する。小西は 「第8章 沖縄本島への水陸機動団一個連隊の配備 在沖米軍基地の全てが自衛隊基地に」という衝撃的なタイトルだが、この統合幕僚監部文書の重要性を強調して言う。

 「『島嶼奪還』の日本型海兵隊という新たな沖縄本島に配備するという、とんでもない計画が、この統合幕僚監部文書には明記されているのだ」「在沖海兵隊の司令部、戦闘部隊のほとんどは、グアムなどへの移駐が決定しているが、この米海兵隊の穴埋めを狙っているのが、水陸機動団なのだ」。

 「したがって、現在、埋め立て工事が進む辺野古新基地もまた、この自衛隊部隊の拠点基地となることは明らかだ。政府が南西シフト態勢作りと合わせて、辺野古新基地造りを急ぐのも、このような自衛隊基地の確保が最大の目的である」。

 さらに小西は、読者に問いかけながら、「自衛隊制服組は『島嶼防衛戦』を海
洋限定戦として位置づけているが、いずれ『西太平洋戦争』への拡大は不可避だ。……日米中の衝突は、金融危機を含む世界経済への深刻な打撃を与えることは不可避である」と指摘し、過小評価する防衛省・自衛隊の軍事戦略の根本欠陥を突きつけている。
 
 南西諸島への自衛隊基地配備は自動的に進行しなかった。米の軍事戦略の転換に基づく南西諸島への自衛隊配備からミサイル配備決定の遅れに現れたように「悲惨な戦を体験した沖縄━先島諸島」などの抵抗は当然であった。このことを「防衛省・自衛隊」自身が、厳しく認識していた。(小西)。

 そこで防衛省・自衛隊は基地建設推進のための手法として、「地元の基地建設の誘致・要望」を「推進根拠」にしたのだ。与那国島、奄美大島、石垣島では「賛成派づくりと誘致」工作を強化していった。

 本書では「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」、「戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネット」などの住民の反対運動を紹介している。小西は、現地での交流も深め、基地建設レポートを全国配信している。さらに奄美で講演会(2017年11月)を行い、「自衛隊の島しょ防衛戦は戦闘が最優先。全島防衛は事実上不可能と考えているからこそ、離島の奪還作戦を行っている。中国を仮想敵国とする冷戦時代の焼き直しだ」(奄美新聞)と批判した。

 さらに「軍拡競争の抑止を目的に①あらゆる武装・軍備の撤去②敵対行為の排除③軍事支援の禁止などを推し進め、アジア太平洋地域の諸国で実施した『無防備地帯』の実現を呼びかけた」(同紙)。

 なお小西は、本書の冒頭から繰り返し、自衛隊の「島嶼防衛戦」の実態と危険性、住民無視のあり方を取り上げないマスメディアを批判している。それだけではない。「従来、このような日本の軍拡や平和問題で発言してきた知識人らも、驚くべきほどの沈黙を守っている」状況に怒っている。最後にあらためて「反対している住民たちを孤立させてはならない。戦慄する実態を全国に知らせ、反対運動をともに取り組もう」と訴えている。

(Y)


■3.22アジア連帯講座:反自衛隊連続講座②
「自衛隊の南西シフト 戦慄の対中国・日米共同作戦の実態」
報告:小西 誠さん
(軍事ジャーナリスト)

日時:3月22日(金)/午後6時30分
会場:文京区民センター3C会議室(地下鉄春日駅)
        資料代:500円
主催:アジア連帯講座




【フランス 「黄色いベスト」デモ】極右がNPAの隊列を襲撃



われわれは怖じ気づかない

フランス反資本主義新党(NPA)


 以下の声明は、黄色のベストパリデモでNPAの隊列が、「ル・ズアーヴェス(アルジェリア歩兵隊兵士)」を自称する極右集団から襲撃されたことを受けて、1月26日NPAから出された。このデモは、連続的な11回目の週末デモであり、したがって「アクト11」と呼ばれた。

 1月26日、パリでの黄色のベスト「アクト11」の中で、NPAの隊列が約50人の極右集団から2回襲撃を受けた。組織された超暴力的なファシストグループの「ル・ズアーヴェス」(この襲撃への責任を誇って認めた)は、意識的にわが隊列を標的にし、同志数人に傷を負わせた。

 この集団は黄色のベスト運動とは何の関係もない。われわれは、この数週間いかなる問題も引き起こすことなく、黄色のベストの人々と並んで行進を続けてきた。この土曜日の襲撃の間そこにいた黄色のベスト諸グループはこの襲撃に衝撃を受けた。そして何人かのデモ参加者は、このファッショを撃退しようとわれわれと肩を並べて介入した。

 われわれは怖じ気づかない! NPAは、決意をもって、マクロン反対の、またその反社会的諸政策反対の運動を建設し続ける。そして、次の土曜日の「黄色のベスト第12回行動」に当たる次回デモにも登場するだろう。

 黄色のベストデモにおける極右の存在は、この運動にとっては毒である。われわれに向けられた攻撃は、デモの破壊を、その弱体化を、そしてもちろん権力の利益となることを狙いとしていた。

 われわれは早々に、これらの小グループによる行為への対応を共に考えるために、その結果としてそれらが社会的諸決起への襲撃を思いとどまるように、社会的左翼と政治的左翼の諸組織と、さらに黄色のベスト諸グループと接触するつもりだ。

2019年1月26日、モンルー

(「インターナショナルビューポイント」2019年1月号)


【第四インターナショナル声明】ベネズエラ情勢 帝国主義者のクーデター策動反対!

zW4qmyamH6.jpgベネズエラ


帝国主義者のクーデター策動反対!

主権に基づく民主的危機解決を!

2019年1月24日

第四インターナショナルビューロー


 第四インターナショナルは、米国副大統領のマイク・ペンスにより(ラテンアメリカで信用を失っているトランプに代わって)冷笑的に組織化され、求められた、ベネズエラでの最新版クーデター策動、および帝国主義的介入に反対する自らの立場をはっきり宣言する。この策動に対する号砲は、簒奪者になると見られるフアン・グアイドが、彼には誰も票を投じていないにもかかわらず自ら「大統領」と宣言することを始まりとする一つの戦略の展開に向けて、一月二二日夜に流されたビデオ映像の中で鳴らされた。

そしてこれには、自称新政権を「認め」ようと殺到する、ラテンアメリカと世界中の一連のネオコン、右翼、そしてネオファシスト大統領と政府が続いた。米州機構と「リマ宣言」(マドゥロを選出した昨年の大統領選挙を正統性がないと断定:訳者)署名国もまた、グアイドの正統性のない大統領職を認め、ベネズエラに封鎖を課し、それによって軍事介入の口実として機能すると思われる対応を挑発する試みに力を貸すことによって、すぐさまこの帝国主義的諸計画に同調した。

われわれは、民族的主権の基本的諸規範を侵犯する、このクーデター策動と帝国主義的介入を糾弾するキャンペーンを全力を挙げて支持する。われわれは、このクーデターに反対するもっとも幅広く、民衆的で統一された国際主義的かつ民主的な決起を呼びかける。それが意味することは、われわれにはマドゥロ政権とそれが実施した制度との間にさまざまな意見の違いがあり、またそれらには批判が多々あるとしても、帝国主義者によるクーデターを介した解決などわれわれは考えない、ということだ。自らの未来の選択は、ベネズエラ民衆の自由で、独立した、民主的な決定に委ねるべきだ。

ベネズエラの否定できない政治的、社会的、経済的諸問題の解決は、「民主主義と人権」を守るという彼らの主張では完全に信用を失っている帝国主義者によるあらゆる介入のない形で、民主的な方法ではじめて可能になる。

確かに、民衆の重要な諸層は、この国の非常に深刻な経済情勢に、また政府が抱える諸困難や諸矛盾、また誤った諸決定に憤激を覚え、クーデターを支持して街頭に繰り出している。しかし悲劇だが、民族の寡頭支配層、また国際的な反動的でネオファシストですらある帝国主義諸勢力の指揮下に自らを置くことによっては、彼らは、ベネズエラにおける経済的、社会的情勢、また人権状況をいかなる意味でもよくする道には向かえない……、ということだ。

現時点であらゆることは、このクーデターを遂行中の者たちが内戦の押しつけ、あるいは外国の諸大国による直接介入を試みつつある、ということを示している。そしてそれらのことは、この国の問題を悪化させるにすぎず、アメリカ大陸と世界中での右翼と極右による政治的攻勢の深刻化に導くだけだろう。

軍事紛争は、この地域にとって破局的となり、この国の原油資源に対する大手国際寡占資本による支配を求める新たな聖地奪回に扉を開くだろう。米国によるイラク占領が引き起こした破局は、クーデターに参加する者たちがその方向を変えることができない場合、ベネズエラおよびこの地域全体で起こり得ることに関し一定の予感を与えるのだ。

われわれはあらゆる革命的、進歩的、民主的諸勢力に、この帝国主義者の最新版介入に対決して決起するよう訴える。そして、投票箱を通して表現された多数派の意思を尊重しつつ、軍事介入の脅威なしに、また経済的サボタージュから解放されて、自らの政治的、社会的、経済的諸問題を民主的かつ平和的に解決する点で、ベネズエラ民衆の主権を擁護するよう訴える。

ベネズエラのクーデター反対!

ベネズエラの危機に対する反帝国主義的で、独立した解決を!

(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年一月号) 


【フランス】「黄色いベスト」とは何者か?NPAメンバーの論評

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「黄色のベスト」決起:怒りの明白な階級性


レオン・クレミュー

運動は野火のように広がった

ほぼ一カ月、フランスで前例のない運動が発展してきた。

 今年一一月一七日、道路ジャンクションと拘束道路料金所の少なくとも二五〇〇カ所の封鎖が、警察によればジレ・ジョーヌ(「黄色のベスト」――自動車に積み込むことが義務になっている、よく目立つ安全着衣をまとった抗議行動参加者、以下GJ)少なくとも三〇万人を巻き込んで、全地域で伝えられた。次の週も、小都市や地方の地域で多くの封鎖が続いた。一一月二四日の土曜日には、多くの行動が起きた。パリのシャンゼリゼでの少なくとも八〇〇〇人を含めて、いくつもの地域で確認された一六〇〇ヵ所の封鎖を伴う、一〇万人以上の参加者がいた(注)。

どのような運動の種類か?


 この運動は、何らかの政党や労組が始めたものではなかった。それは、TICPE(エネルギー製品に対する国内消費税)を通して二〇一九年一月一日に予定された、燃料に対する炭素税のさらなる引き上げの拒絶を軸に、完全にソーシャルネットワークを起点に構築された。その引き上げは、ディーゼル油一リットルあたり六・五セント、SP95(欧州で一般に使用されている無鉛燃料:訳者)一リットルあたり二・九セントになる。

 すでに二〇一八年までに、ディーゼル油への課税は七・六セント引き上げられていた。ディーゼル油一リットル価格一・四五ユーロに関し、国家は現在、税としてそのおよそ六〇%、八五・四セントを受け取っている。そして政府は、二〇二〇年と二〇二一年、毎年さらに六・五セントこれを引き上げようと計画している。これは、欧州では英国とイタリアに次いで最高のディーゼル油課税率だ。

 しかしフランスでは他の欧州諸国とは異なり、ディーゼル油使用が圧倒的に過半数を超え、燃料消費では八〇%を占める。そしてディーゼル油価格は、昨年を通じて二三%も上昇していたのだ。

 これらの税率引き上げ反対のオンライン請願は、この国の先頭を行く日刊紙「ル・パリジャン」の記事を引用すれば、一〇月半ばで数十万の署名を集め、一一月はじめには一〇〇万以上に達した。そこから、数百のフェースブックグループが全土で立ち上がり、課税反対のビデオがインターネット上で何百万回も視聴された(そこには、極右グループ、「立ち上がれフランス」の地方代表者が作成したものも含まれている)。

 そして一人のトラックドライバーが一一月一七日にパリの環状道路の封鎖を呼びかけた。その時から一一月一七日が、その行動に向け二つのGJインターネットユーザーが立ち上げたサイトに列挙された、道路とロータリーを封鎖する地方の数千というイニシアチブにとっては、あらゆるグループが選んだ日付けとなった。主な日刊ニュースメディア(特にBEM・TV)がこの話を取り上げ、この現象を増幅させた。

 単なる請願署名運動を出発点に、運動は野火のように広がった。

 この運動は政府と、しかし労組や政治指導部とも衝突している! 勤労大衆における拡大、特に職場での幅広い共感、住民の巨大な支持(一一月二四日前夜には七〇%の支持)、これらと、道路運送経営者と極右の支配を早とちり的に非難して左翼の諸々の界隈でつくり出された戯画化との間には、際立つ対照があった。しかしながら、道路運送の経営者団体はすべて、この封鎖を厳しく非難し、それらを一掃するよう政府に懇願した。

 一方極右に関する限り、「立ち上がれフランス」運動の指導者であるニコラ・デユポン・エニャンがメディア上で彼の黄色のベストを見せびらかしつつ、一〇月半ば以後呼びかけに熱を込めるようになっていたことは本当だ。同様に、マリーヌ・ルペンの国民連合(旧国民戦線:訳者)も封鎖を否認しながらも、その支持を明らかにした。

 しかしGJの組織者ほとんどは、このはた迷惑な支持とは距離をとりたい、とはっきり示してきた。共和党と社会党は慎重に、運動への共感を表した。他方、「不屈のフランス」の指導者、たとえばジャンーリュク・メランションやフランソワ・ルファンは、NPAのオリヴィエ・ブザンスノー同様、何回かのテレビ討論の場で運動への支持を明らかにしたが、あらゆる主要労組は、CFDTやFOだけではなくCGTやソリデール(連帯労組連合)も、デモ支持を拒否し、極右と道路運送経営者の操作を強調した。

 真実は、GJは勤労大衆内部の底深い運動を映し出している、ということにある。一七〇〇万人の人々が、すなわち経済的に活動している者の三分の二が毎日、彼らが住む町の外に働きに出ている。これら三分の二のうち八〇%は自家用車を利用している。それゆえ、大パリ圏と特に諸々の地域では、燃料費への懸念は民衆的懸念になる(パリ圏ですら、仕事に向かうために公共交通を利用する被雇用者は二人に一人でしかない)。したがって、補足的な課税の問題は被雇用者の圧倒的多数に関わっているのだ!

 被雇用者、特にその家族は、都市中心部からはるかに離れて暮らすことを強いられている(都市再開発の動きの中で特に大都市での家賃高騰が激しくなっている:訳者)。そして不安定性が職場からの距離という問題を際立たせている。パリ圏では、仕事に行くために車を利用する被雇用者の五〇%は、ほとんど多くの場合周辺部に住むことを、あるいは交代制など不規則に働くことを強いられている。

 自動車交通の、特にディーゼル油の費用はこの間爆発的に上がってきたが、それは、公式インフレ率水準が賃金を引き上げない口実として利用されてきたという背景の中でのことだった。GJは、購買力、賃金、年金に関する明らかな階級的性格に基づいて、民衆的憤激に求心性を与えたのだ。

 しかしこの憤激はまた、政府への不信に、そして金持ちや資本家に渡された数多くの贈り物とは対照的な購買力や年金への攻撃の蓄積、が生み出した広く行き渡った怒りに、触媒作用も与えている。この不信はまた、すべてが歴代の政権政党として国を管理してきたことで、この社会情勢に責任がある諸政党に向けられたものでもある。マクロンは、選挙に勝利することに向けこの不信から利益を受けた(彼は、右も左もないとのキャンペーンを展開した:訳者)。しかし今それはブーメラン効果として返ってきている。

 政府の課税改革――ISF(資産税)廃止、資本所得に対する均等税率――を通して、最富裕層一%は二〇一九年に、彼らの所得が六%高まることを見ることになるだろう。最富裕層〇・四%は、彼らの購買力が二万八三〇〇ユーロ上昇し、最富裕層〇・一%は同八万六二九〇ユーロ上昇することを見るだろう。その一方最低所得層二〇%は、物価が高まり続けている中で、社会福祉手当増額がないまま、所得の下落、住宅手当改革(減額:訳注)、年金減額を見ることになるだろう。

不人気の中で深まる政府危機

 マクロンは住民の極めて大きな部分から、金持ちの、非常な富裕層の大統領と見られている。最富裕階級に向けた先のような贈り物に続いた、最低賃金層の被雇用者に打撃を与える今回の燃料税引き上げは、コップの水をあふれさせる最後の一滴として受け止められたのだ。

その上マクロン政権は、その階級的政策と向けられた不信を通して、この夏以後一つの加速化した危機に入り込んでいた。ベナラ事件はこの夏のスキャンダルだった。マクロンの個人的警護役だったアレクサンドラ・ベナラは、昨年のメーデーで参加者に暴行を加えたことで有罪判決を受けた。そしてそれは、個人的必要に国家サービスを利用する大統領の行為を白日の下にさらし、大統領選を前にしたフィヨンスキャンダル(共和党の元首相で同党の大統領候補だったフランソワ・フィヨンは、親族を公職に就いた形にして公金を私的に流用していたことが暴露された:訳者)を違った形で思い出させたのだ。

このベナラスキャンダルの後には、マクロンの環境問題担当として前線に立っていた、ニコラ・ユロ(環境相)の辞任が続いた。それは、環境公約に対する数多くの拒否を受けたものだった。その余波の中で、内相であり、大統領の早くからの支持者だったコロンもまた、秋のはじめに辞任した。これらの連続的な内部的危機は、この政権の加速化する腐食、およびその政治的かつ社会的基盤の弱さを証明している。

あらゆる世論調査はマクロンに、就任同時期における、フランソワ・オランド以下の人気レベルを突きつけている。

共感呼ぶ「黄色のベスト」の要求


ソーシャルネットワーク上、あるいは封鎖行動におけるGJのあらゆるメッセージは、燃料税の撤回を求めているが、そこにはそれを超えて、生計費に対する怒り、資産税の復活の要求……、そしてしばしば純粋にかつ単純にマクロン辞任という要求がある。

政権は、その燃料税を正当化するために、また民衆の支持を得ようと、地球温暖化と闘う必要、同時に温室効果ガスと微小粒子の排出と闘う必要に特に言及している。政府報道官のベンジャミン・グリボーは、「タバコを吸いディーゼル車を運転する者たち」を非難することで、環境主義の左翼から支持を得ようと挑んだ。しかし、環境派有権者の中でさえ、増税が好ましい反響に出合うことはなかった。そしてこの政権の人を侮蔑した傲慢さが、感銘を与える邪魔になった。

こうしたことの基本的理由は、その前任者同様この政権の全政策が、目下の環境的要請を無視している、ということだ。つまり、自動車とディーゼルを散々優遇しておきながら、地方と大都市周辺部では公共交通を発展させるためには何もなされていないのだ。その中で労働者階級は、彼らの職場と都市中心部からさらに大きくなってすらいる距離を通勤しなければならない。移動のやり方や乗り物を今後も変更することができない人々により多くの負荷をかけることには、政府の傲慢さという点で耐えがたいものがある!

政府はSNCF(仏国鉄)への攻撃によって、一万一〇〇〇㎞以上の路線廃止をもくろんでいる。そして鉄道貨物輸送は道路輸送の利益のために大きな犠牲を払わされてきた。同時に、トタル(旧フランス石油、二〇一四年には売上高世界四位だった石油メジャー:訳者)はあらゆる納税を免除され、石油探査継続に何の制約も受けていない。加えて、二〇一九年財政法に関する論争は、燃料税からの五億ユーロ以上が、環境的移行にではなく、二〇一九年予算の不足を補充するために、資産税廃止を埋め合わせるために役立てられる、ということを明らかにしてしまったのだ。

数週間の間政府とメディアは運動を、気候変動に意識の低い、教育のない人々の「ジャックリーの乱」(一三五八年の農民反乱、ジャックは当時の貴族による農民に対する蔑称に由来すると言われている:訳者)とみなし、「周辺部フランス」の、「忘れられた地域」の運動と、恩着せがましい軽蔑を込めてその信用を引き下げようとしてきた。

Revolution組織された労働者運動の対応

 労働者運動とその諸組織がこの「黄色のベスト」運動を始めたわけではなかった。これは、多くの地域と労働者グループに対するその影響力の喪失を映し出している。それはまた、ATTACとコペルニクス協会の指導者たちがル・モンド紙のコラムで語っているように、近年における諸々の社会運動が喫した敗北の積み重ねの結果でもある。封鎖を立ち上げる、また直接行動をやり切る用意の良さは、デモの伝統的形態の拒否でもあるが、それだけではなく、戦闘的社会層が近年遂行してきた封鎖行動のいわば継続でもある。

その上で、労組諸指導部が行った政策、また今回のような民衆的運動を中継する弱さが問題になる。この政策では、極右の策動、あるいはGJにはらまれた「ノンポリ的」性格が口実に挙げられた。

しかし、ATTACとコペルニクス協会の指導者たちが上記のコラムで語るように、「この公然とした反抗に、また極右による道具化にも、反税主義の危険にも、われわれは、不在の者を相手に議論をふっかけるような政治をやったり、デモ参加者に責任を被せたりするやり方で、一戦を交えるつもりはない。逆に取り組むべき問題は、その内部で重みをもち、運動を従わせたがっている極右や雇用主勢力と対決してこの運動内部で文化的かつ政治的戦闘に勝利する、そうした諸手段をわれわれ自身に与えることだ」。

多くの労組組織と活動家は、GJの諸行動に支持を与えることにも、その行動への参加を呼びかけることにも躊躇しなかった。実際これがこの夏、賃上げを求め、民衆階級に打撃を与える間接税に反対し、累進所得税を求める、ある種産業レベルでの政綱を進めたいくつかの統一的支部アピールに基づいた、特にCGT金属、Sud工業、FO運輸についての事実だった。多くの場合これらの呼びかけは、燃料税をはっきり拒絶し、その中で、トタルに打撃を加え、道路輸送に対抗する公共交通および鉄道貨物輸送を発展させる、本物の環境政策の必要を強調している。

活動家のネットワークの中では、また報道の中でさえ、すべての報告は、この運動の民衆的実態を証拠で示している。それは基本的に、個人契約の労働者や小企業主と並んで被雇用者、退職者から、低所得のため全力を挙げた政府の攻撃に苦しんでいるすべての者から構成されているのだ。

封鎖に参加し、あるいはリーフレットの配布まで行ったNPAの活動家たちもまた、十分な歓迎、および何よりも、資産税の復活と最富裕層に対する税の贈り物の取り止めを要求することに対する全面的な一致を確かめている。

運動に賭けられているものとは


したがってこの運動には、その結果がどうなろうとも、政治的に賭けられた大きなものがある。鍵になることは、運動を民主的な構造にし、体制との全体的衝突を通じて、共通の闘争を行いたいと思っている労働者運動の諸組織との合流を作り上げることだ。

政府は黄色のベストの中に、「正常な」政治生活と社会生活に戻るまでの、単なる括弧付きの不穏を見たいと願っている。あらゆるメディアは一一月一七日の後、衝突や封鎖で負傷した人々、運転者に衝突されて死亡した一人のGJについて重々しく思案した。彼らはまた、封鎖の際行われた容認できないがまったく周辺的でしかないレイシスト的、ホモセクシャル排撃的行為にも光を当て、運動全体の信用を落とそうとした。

政府は、社会運動に対してよりも慎重だとはいえ、このところの日々の封鎖には、特に二四日のシャンゼリゼのデモには厳しい弾圧を加えた。街頭デモにはほとんど、まして衝突にはなおさら慣れていない多くのGJは、そうした暴力に衝撃を受けた。しかしこの運動は、新たな封鎖を始める彼らの決意と意志を隠していない。

政府は、衝突のイメージと年末のお祭り騒ぎの接近が運動の縮小に導くだろう、と期待している。労働者運動が万が一同じように考えるとすれば、それは大きな間違いを犯すことになるだろう。周辺的だとはいえ、極右はこの運動を待ち伏せ的に掴み取ろうと待機中なのだ。そして、反資本主義的見方がこの運動に展望を与えるものとして浮かび上がることは決してないだろう、との期待をもっている。

反資本主義派は、民衆的怒りと社会的憤激が、この金持ちの政府に向けられるだけではなく、解放のベルトである反資本主義的攻勢への準備となってほしいとも願っている。そうであれば、二〇一三年のイタリアにおける「フォルコニ(干し草フォーク)運動」のエピソード(訳注)は、そしてGJにはそれとの類似点がいくつかある以上、特に反資本主義派には警報とならなければならない。

(二〇一八年一一月二七日)


▼筆者は反資本主義新党(フランスNPA)およびソリデール労組連合の活動家であり、第四インターナショナルのビューローメンバーでもある。

(注)同日にはフランス全土で女性への暴力に反対するデモも行われた。警察はパリでの行進を一万二〇〇〇人と、主催者は同三万人と評価した。(「インターナショナルビューポイント」二〇一八年一一月号)

(訳注)イタリアでは二〇一三年九月以後、シチリアの農民から始まった増税反対の交通封鎖行動が、鉄道や道路の封鎖として各地に広がった。この運動に対しては、人気コメディアンで五つ星運動の創始者であるベッベ・グリロがいち早く支持を表明、警官にも合流を呼びかけた。筆者は、既成政党の急速な権威喪失と五つ星運動の急成長、というその後の展開に導いた背景の一つとして銘記を求めている。
    


報告:終わりにしよう天皇制 11・25大集会&デモ

配信:11.25 11月25日、「終わりにしよう天皇制 11・25大集会&デモ」が千駄ヶ谷区民会館で行われ、170人が参加した。主催は、終わりにしよう天皇制!「代替わり」反対ネットワーク(おわんねっと)/呼びかけ:靖国・天皇制問題情報センター、反天皇制運動連絡会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、天皇制いらないデモ実行委員会)。

 「おわてんねっと」は、2019年を通した「代替わり」キャンペーン、天皇賛美行事である2・11「紀元節」、4月30日の明仁退位、5月1日の「新天皇即位」、8月15日「靖国」、11月の「大嘗祭」などに対して抗議・反対行動を行う。すでに前段の闘いを開始しているが、この日の集会は「おわてんねっと」の立ち上げだ。全国の反天皇制運動を取り組む仲間たち、連帯する仲間たちに向けて「『おわりにしよう天皇制』は、自由と平和、平等と民主主義を求める私たちの合言葉です。天皇制の名のもとに殺され、屈辱を強いられた無数の人々、天皇制テロルに倒れた人々と共にある言葉です。無理に無理を重ねなければ存続しえない彼らは決して盤石ではありません。『代替わり』という天皇制最大の動揺期に、ともに声を上げる同志を募ります」と呼びかけている。

 ぜひ「おわてんねっと」の呼びかけに賛同し、共に闘っていこう。
(E-mail
owaten@han.ten-no.net Web:http://han.ten-no.net/)

 集会は、コント『忘れられないあの娘』から始まった。秋篠宮家長女の眞子(そっくりの女性)と友人の携帯の会話を通して恋愛問題、皇室の葛藤、綱引きなどをユーモラスたっぷりに演じながら天皇制の歪んだ現実を解剖しきった。ラストシーンは「眞子ちゃんいいかげんにしなよ」と叱りつけるところからだ。会場の溢れんばかりの大笑いは「代替わり」攻撃に抗していくための「号砲」だ。
 
 栗原康さん(アナキズム研究)は、「みんな天皇制がキライ」をテーマに講演。

 冒頭、三月沖縄旅行時、天皇訪沖を「祝 歓迎」集会と遭遇し、「日の丸」旗を掲げ「天皇陛下万歳」を繰り返す親天皇派勢力1500人を直視したことを通して、天皇制権力を実感したことを紹介。

 とりわけ「明仁、美智子の『平和イメージ』によって、戦争責任が問われず、来てくれてありがとうとなってしまう怖さを感じた。天皇は私たちのことはわかってくれる、というところにからめとられてしまうのではないか。ところがタクシーに乗車したが、運転手は『あいつらのせいで交通規制となり仕事にならない。商売あがったりだ。ちくしょー天皇カネ返せ』と言い出した。ここに一つの可能性があるなと感じた。こういう身近な感覚から天皇制はキライだということは大事だ」と述べた。

 栗原さんは、①「大正時代」の天皇制批判として金子文子、大杉栄(奴隷根性
論)のイデオロギーを集約的に整理②「大正時代」の天皇制批判として金子文子、朴烈の裁判闘争の意見陳述などを紹介しながら「爆弾の想像力」「みずから『不逞』にひらきなおる(働かずにどんどん食い倒す論)」の主張を解き明した。

 これらの主張は、現在でも繋がるところがあり、「憲法の第一条は天皇条項だ。天皇制は権力のひずみが生じるたびにおもてに現れる。天皇制はいまよりもよい『統治』があると思わせる危険性がある。だから知識人の一部は、天皇制に引きつけられる。天皇制民主主義と称してからめとられている。主人と奴隷の敷居そのものをふっとばす『爆弾の想像力』を持つことは、今でも通じる。沖縄のタクシーの運転手の『ちくしょー天皇カネ返せ』がそのことを示しているだろう」と述べ、今後の方向性を提起した。

 野戦之月有志の芝居が行われた。芝居は、腐り切った社会を告発し、自力・自立しながら圧政と闘いスクラムを打ち固めながら人間的豊かさを明らかにしていった。
 
 「3分で反対!天皇制」では、島袋陽子さん(東京琉球館)、いちむらみさこさん(反五輪の会)、池田弓子さん(女たちの戦争と平和資料館)、島田雅美さん(天皇問題を考える市民ネットワーク)、桜井大子さん(即位・大嘗祭違憲訴訟の会)が天皇制と安倍政権批判などをアピール。

 元号いらない署名運動の報告と提出行動の呼びかけ(12月5日(水)13時、衆議院第一議員会館前~内閣府に署名提出)、「おわてんねっと」への賛同呼びかけが行われた。

 最後におっちゃんズによる「天皇制はいらないよ」「元号やめよう」が歌われ、
参加者全体で合唱し、デモに向けた意志一致を行った。

 デモに移り、渋谷一帯にわたって「天皇制はいらない!『代替わり』で祝わないぞ!税金の無駄遣いをするな!皇居を解放だ!皇室は解散せよ!」などのシュプレヒコールを響かせた。


(Y)


辺野古新基地NO=沖縄の民意踏みにじる工事再開許さない!11・3官邸前大行動

11.3官邸前行動に450人

辺野古埋め立て工事再開に怒り




「本土」からの土砂搬出NO

11月3日午前11時半から首相官邸前で、「辺野古新基地NO=沖縄の民意踏
みにじる工事再開許さない!11.3官邸前大行動」が辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会の主催で行われ、450人が参加した。

10月31日、国交相は「沖縄県の埋立て承認撤回」を無効にする執行停止を認
め、11月1日から政府は辺野古埋め立てにむけた工事を再開した。これに抗議する官邸前行動が行われた。

青木初子さんが「工事再開、土砂投入を許さない。絶対にあきらめない。声を上
げ続ける」と主催者あいさつをした。埋めるな連・首都圏が「辺野古を埋め立てる土砂の60%が沖縄県外から運ばれる。これはわれわれの問題だ、阻止していかなければならない。土砂搬出反対署名11万7千筆を内閣府に提出したが、新たに衆参議長あての署名を開始する。ぜひ協力してほしい」と訴えた。

連結した闘いで辺野古断念へ!

次に沖縄と東京北部を結ぶ実行委、そして花輪伸一さんが「環境保全対策をしな
ければならないのにしていない。埋め立て地には断層が二つあり、軟らかい地盤である。設計変更が必要であり、県知事が承認しなければ工事は進められない」と国が今後基地建設を進めるにあたっての困難を指摘した。

大城悟さん(沖縄平和センター事務局長)が沖縄から電話でアピールした。「キャンプ・シュワブ前で1000人で座り込みを行った。工事が再開され、資材搬入が行われている。決してあきらめない。引き続き必ず基地を止める。埋め立ての土砂を運び出す本部塩川港の護岸の一部が台風で壊れた。国の方があせっている。沖縄は強い絆で結ばれている。負けてはならない。がんばっていこう」。

最後に行動提起。11月5日午後6時半から、防衛省申し入れ行動。11月24
日午後2時、新宿アルタ前集合、新宿デモ。11月20日大成建設、11月27日五洋建設へ埋め立て工事やめろの申し入れ行動、警視庁機動隊の沖縄派遣への住民訴訟裁判などを提起した。

 (M)



報告 止めよう!改憲発議-この憲法で未来をつくる11.3国会前大行動

3国会11月3日、安倍9条改憲NO!全国市民アクションと戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、「止めよう!改憲発議-この憲法で未来をつくる11・3国会前大行動-」を国会正門前などで行い、18000人が参加した。この日は、日本国憲法が公布されてから七二年目だ。安倍政権打倒と改憲発議絶対阻止を合言葉に、全国各地でも集会や行動が取り組まれている。
 
 集会は、司会の菱山南帆子さんによる「沖縄県知事選で玉城デニーさんが当選し、三九万票を超える沖縄辺野古新基地ノーの声が示されたにもかかわらず工事を再開した日本政府に対して断固糾弾の声をあげていこう。安倍政権は来年通常国会での改憲発議強行をねらっている。阻止に向けて全力で闘おう」の呼びかけから始まった。国会に向けて「安倍晋三の改憲反対!改憲発議絶対止めよう!」のコールの包囲。
 
 主催者あいさつが福山真劫さん(総がかり行動実行委の共同代表)から行われ、「一〇月二四日から臨時国会が始まった。安倍の悪巧み、悪行が野党の追及によって次々と明らかになっている。憲法を破壊しながら戦争する国、軍事大国へと暴走を続けている。トランプの言いなりで軍事予算を拡大し、そのうえで消費税を上げる、いいかげんにしろ。技能実習生の権利を侵害したまま出入国管理法の改正をめざしている。貧困と格差をアベノミクスは作り出した。だが安倍政権は、レームダック状態から崩壊が始まっている。市民と野党の共闘で九条改悪阻止、辺野古新基地建設強行を許さない闘いを広げていこう。安倍政権打倒に向けた体勢を強化していこう」と訴えた。
 
 立憲野党の又市征治参院議員(社民党党首)、小池晃参院議員(日本共産党書記局長)、有田芳生参院議員(立憲民主党)、小宮山泰子衆院議員(国民民主党)から安倍政権の憲法九条改悪に向けた改憲発議阻止、野党共闘を強化し政権打倒に向けた決意をアピール。
 
 連帯発言に移り、「オール沖縄会議」共同代表の高里鈴代さんは、「今日、沖縄では辺野古集会が行われている。徹底して抵抗していく決意をあらためてしている。四年前から野党と市民共闘ができており、翁長知事から玉城デニー知事を誕生させた。安倍政権の圧力をはねのけた。だが沖縄では憲法違反の行為が繰り返されている。内実をしっかり守らせることを実現させたい。憲法改悪を許さない闘いは、辺野古基地建設に向けた埋め立てをさせないことと結びついている。力を合わせて頑張ろう」と訴えた。
 
 川崎哲さん(ピースボート共同代表)は、冒頭、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞(一七年)とそのメダルを紹介しながら「核兵器廃絶と憲法九条を通じた不戦の誓いは二つの世界大戦の教訓であり、それが戦後の平和を作ってきた」と強調した。

 また、「今行われている国連総会で核兵器禁止条約の署名・批准を広めようと
いう決議案に対して日本は昨日、反対投票をした。政府は、核抑止力が国の安全保障に不可欠だと言う。それは平和のためには核兵器が必要だということだ。自衛のためなら核兵器保有は憲法に抵触しないと平気で言っている。広島、長崎、沖縄の苦しみのうえでそんなことを認めることができるか。憲法改悪ではなく一日も早く核兵器禁止条約に署名し、批准するための議論を行え」と批判した。
 
 さらに清水雅彦さん(日本体育大学教授)、小森陽一さん(東京大学教授)、久保田竜子さん(カナダ九条の会、ブリテッシュコロンビア大学教授)、濱田すみれさん(二四条変えさせないキャンペーン)が発言した。

 高田健さん(総がかり行動実行委の共同代表)から行動提起が行われ、①憲法
改悪発議を絶対許さない②沖縄辺野古新基地建設を許さない③北東アジアの平和を朝鮮、韓国の民衆とともに実現していく闘いを柱にして、様々な課題にも取り組んでいこうと提起。最後に、参加者全体で来年の参院選で安倍政権を倒し、東アジア民衆、沖縄の仲間に連帯していくことを誓った。

(Y)


中央卸売市場の豊洲移転反対!

tukijiIMG_2753築地で「お買物ツアー」開催

築地市場営業権組合が抵抗の意思

働く人々の命に関わる問題だ


築地市場は廃止されていない

10月6日築地での営業が停止し、10月11日に都の中央卸売市場が豊洲で
開場とされた。しかし、問題続出だ。宮原洋志さん(築地市場営業権組合)は言う。「すでに豊洲市場ではフォークリフトが築地市場の時のように自由に使えない、駐車場が足りないなどの不満が仲卸業者から出ています。さらに心配なのが、豊洲市場が働く人の『命』に関わる問題を抱えていることです。地盤がゆるく、地震で液状化がきる可能性がある。そうなれば地下の汚染土壌が噴き出し、有害ガスが発生するかもしれない。施設内も完全密閉型で、湿度が高くカビが発生しやすい。食中毒が起これば人の命に関わります。そういった不安は、現在でもまったく払拭されていません」(AERA.com)。

10月10日に、東京・都庁記者クラブで、築地市場移転に反対する築地市場営業権組合から、築地市場の閉場・解体事業について—営業権存続—の説明が行われた。同組合は豊洲への移転の認可は「必要に応じ施設の改善を図ることができる中央卸売市場」から築地市場が外れただけで、廃止はされていないと主張。豊洲市場開場以降も築地市場の場内で仲卸業者六店舗が営業を続けることを発表した。築地市場で営業権を持つ約500人のうち約一150人が同組合に参加し、営業権の放棄を拒否しているという。「営業権は憲法29条で守られている財産権の一部で、都が勝手に権利を失効させることはできない」と同組合は主張している。同組合の宮原洋志さんらは、「市場内を見学しながら築地の歴史を学び、買い物もする。一般客の参加」も呼びかけた。10月11日午前8時からは支援者らが「場内お買い物ツアー」を開催し100人が参加した。同様に一二日も開催された。
 
「築地には心があるんだよ」

 10月13日午前8時半に、私は「場内お買い物ツアー」に参加するために、築地市場正門に到着した。すると、「築地市場は豊洲市場に移転するため、10月10日をもって閉場した。引っ越しを目的とする旧築地市場の場内事業者以外は入場できない」と看板が出され、都の職員がガードして入場を拒否している。支援者ら数十人が集まり、「なぜ、一昨日、昨日は入れたのに入れないのか。根拠を示せ。中で営業している店がある。買い物に来たのだ。入れろ」と詰め寄るが、「営業はしていない。閉場している」の一点張り。支援者が「政府の中央卸市場の整備計画で、『必要に応じて施設の改善ができる』の中に、築地が入っていたが、それをはずしただけだ。築地は廃止されたわけではなく存続している」と入ることのできる根拠を示したのに、都の役人は自らの根拠を示そうともしなかった。

中に仲卸の人がいることが入る条件なので、中の業者と確認をとり、正門前に来てもらった。「買い物と片付けの手伝い」ということで、市場の中に入った。東京ドームの何倍もある広さというだけありとても広い。しかし、ほとんどのお店が閉まり、発砲スチロールがあちこちに残り廃墟のようだった。ネズミ捕りがあちこちに仕掛けられていた。そんな中で、明かりが灯されている「明藤」さんのお店で、干物や乾物の買い物をして、片付けをした。都の役人はビデオを回し、「豊洲市場で営業許可を得ている店が豊洲市場外で営業すると豊洲市場での営業許可の取り消しを含む処分の対象となる」と、脅しをかけてきた。こうした妨害もものともせず、仲卸業者に連帯する買い物ツアーで、用意した物はすべて完売となった。「都民の台所であり、都民の土地に都民が入ってなぜ悪い。入る権利がある」という声も聞かれた。

「築地は小さな家族経営で成り立
ってきた。築地には心があるんだよ」という仲卸の女将さんの言葉がずしりと響いた。この後、築地市場場外市場に行ってみた。外国人観光客などがいっぱいつめかけ、美味しそうに「寿司」を食べていた。ここには築地が残っていた。

1tsukijiIMG_2755潮待ち茶屋も廃止された!

仲卸で買い付けた品物を、潮待ち茶屋に運び、そこで氷を入れたりして、トラ
ックでお店に運ぶシステムが潮待ち茶屋。発祥は江戸時代で、船で運んでいたのでこの名前が残ったようだ。仲卸業者などが資金を出し合い、300人が働いていた。ところが、豊洲ではそうした場所を作らず、駐車場でやっているという。潮待ち茶屋では真水と塩水を使い、ハエや蚊の発生をふせぎ食中毒の管理もしていた。豊洲移転により、この300人の仕事がなくなってしまったという。さらに、築地移転問題は、約5700億円もかけた整備費用のうち、3600億円を市場会計の借金に当てるという。これをどうするのか。年間100億円の字予想が140億円に拡大するということもどうするのか。都は赤字解消について「効率的に市場を運営する」としているが具体策は不明確だ。業者らには、使用料が上がるのではないかと懸念が消えない。

そして、築地の跡地はとりあえず、東京オリンピック・パラリンピックの駐車場・輸送拠点とするとしているが、その後どうなるのか。銀座に一番近い一等地は、巨大開発の目玉として、さまざまな利権屋がねらっている。今、築地を守ろうと立ち上がっている人々と連帯し、寄り添っていかなければならない。築地を都民・民衆のための憩いの場との要求を掲げ、築地市場の再誘致にもつながる可能性もひめて、民衆運動が監視していかなければならない。 
           

(M)
 
 
 築地市場の移転差し止め訴訟原告団よ

 
築地市場の移転の差し止めの仮処分を求めた訴訟は、10月4日、東京地方裁判所から「申立をいずれも棄却する」という決定が出されました。私たちの訴えは不当にも認められなかったということです。私たち原告団は、宇都宮健児先生ほかの弁護団の先生と相談の上、直ちに「決定」に異議の申し立て(抗告)をいたしました。諦めずに「納得がいかない!!」の旗は立てていこうと思っております。今後もよろしくのご支援をお願いいたします。

(2018年10月5日)

報告 「築地市場、まだあと100年」9.29築地移転反対パレード

IMG_2728 九月二九日午前一一時から、波除神社前宣伝・スピーチから始まり、正午に築地市場正門に集まり、築地市場〜新橋〜虎ノ門〜農林水産省〜日比谷公園へと、一時間半かけて「築地を守れ、豊洲移転反対」と訴え三〇〇人が降りしきる雨の中パレードした。

 呼びかけたのは「築地女将さん会」。以下、呼びかけより。

 今回のパレードは「築地市場、まだあと100年」、「世界のブランド、日本の宝・築地市場を守れ!!」、「問題山積の移転事業は再度延期し、オリンピック後にゆっくり解決を」、です。

 この趣旨をご理解いただいたうえで、「小池百合子は説明責任を果たせ」「オリンピックより食の安全」「食の安全・安心を守ろう」「中小・零細小売店を守ろう」「築地市場は解体工事反対」「土壌汚染地への移転反対」「世界のブランド築地を守ろう」「町の商店街を守ろう」「1%のための豊洲市場反対、99%のための築地を守ろう」「日本の農業・漁業を守ろう」……そして「築地市場を守り、平和と民主主義を守ろう!」「農林水産業の破壊は戦争への道!」など、それぞれの“思い”をお持ちより下さって結構です。

 東京都は一〇月一一日に、築地市場を豊洲に移転すると発表している。豊洲市場の汚染水問題の未解決や築地市場営業権組合や水産仲卸の従業員で個人加盟の東京中央市場労働組合などとの合意がない中での強行移転だ。

 波除神社前で、山口タイさんなど築地女将さん会、中澤誠さん(東京中央市場
労働組合委員長)、吉良よし子さん(参議院議員、共産党)、宇都宮健児さん(弁護士)、ターレを運転している労組委員長が次々に移転反対を訴えた。

 築地女将さん会は「築地をつぶして、タワーマンションにしてほしくない。活
気ある築地を守っていきたい。もう少しがんばる」と語った。

 中澤さんは「七月三一日、小池知事が安全宣言した。知事が根拠としているの
は専門家会議の安全だと言う発表だ。三人の委員のうち、平田さんのみが出て記者会見した。安全だと思っているのは知事と平田さんのみだ。豊洲が安全だと言うなら、買い取って住んでほしい。移転によって仲卸や小売店がつぶれるという被害者が出る。最終的には地方の生産者にしわ寄せがいく。それは日本の形が変わることだ。築地は今ある。まだ築地市場を守ることができる」と訴えた。

 吉良さんは「一〇月六日に築地市場は閉鎖される。絶対に認められない。築地を守ろう。どうしてつぶす必要があるか。東京ガスの跡地の豊洲には化学物質が染み込んでいる。六月には基準値を一七〇倍も超えるベンゼンが見つかっている。シアンや水銀も検出されている。食の安全も脅かされている。一一センチの地盤沈下、地下水の噴出も明らかになっている。都民をだましている。命の問題だ。あきらめない」と話した。

 宇都宮さんは「都の安全宣言を受けて、農水大臣は九月一〇日に豊洲移転を認
可した。しかし、都の追加対策工事によっても、百倍のベンゼンが検出され、地下水を海抜一・八メートルに抑えなければいけないのに、九月二六日の都の発表では、三三地点の内二一カ所でこれを超えている。一六カ所では二メートルになっている。対策工事は完全に失敗だった。築地移転を中止するように、東京地裁に仮処分申請した。九月二〇日、二七日に審理が行われたが裁判所は仲卸や女将さん会などの話をよく聞いてくれた。一〇月七日以前、来週中にも決定が出るだろう。この裁判は原発再稼働問題をめぐると同じように重要だ。辺野古新基地建設反対と同じように、運動をあきらめなければ最後は勝つ。築地を守れということは日本の農水産業、消費者を守る闘いでもある」と語った。

 ターレを運転している労組委員長は「二〇年前にあこがれて築地市場で働き始
めた。築地は使いやすくなされた場所だ。合理的にできた市場だ。文化として築きあげてきた。それを豊洲の東京ガスの跡地を買い、六〇〇〇億円かけて、新しい市場を建設した。この費用を七〇年間かけて返済しなければならない。こんな話があるか。都はいったん考え直したが結局元通りの移転だ。築地でまっとうしたい」と話した。

 かむろてつさんらのテンポのよいラップ調のコール「築地ええじゃないか」で大いに盛り上がり、その後築地市場正門に集まり、パレードに出発した。途中の文科省前では「オリンピックより命のほうが大事!」「築地市場移転反対」のプラカードを掲げてパフォーマンスも行った。

 この問題を理解するために資料として、「農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期するよう求める要請書」と「豊洲新市場への移転差し止め請求について」を掲載する。

(M)



資料

農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期するよう求める要請書

二〇一八年九月五日

東京都知事小池百合子 殿
築地市場営業権組合 共同代表 村木智義、宮原洋志、山口タイ
築地・女将さん会会長 山口タイ
 
 
 本年八月一日、貴職は私たちの職場である築地市場の移転について、農林水産大臣に「中央卸売市場の位置及び面責の変更」に係る「認可の申請」を行い、これを公表されました。また築地市場では、連日のように『築地市場閉場』などの説明会が行われております。しかしながら築地市場の現場は、そのような状況ではございません。それどころか東京都からは最低限の説明もなく、公開質問状に対する回答もなく、にも関わらず強引な移転スケジュールの押し付けには多くの関係者が憤っているところです。このようなやり方は、到底受け入れることはできません。

まず第一に、土壌汚染の問題です。当初は「東京ガスの操業由来の土壌汚染は全て除去」とされていた土壌汚染対策は我々の指摘してきた通り、結局は失敗して今もモニタリングでは環境基準の一七〇倍のベンゼンが検出されています。AP1・8mで管理される予定だった地下水位も目標を達せず、地下水管理システムも失敗しております。専門家会議は新たに2・4mという目標値を設定せざるを得ない有り様です。この状態で一体何が『安全宣言』なのでしょうか。現状は「生鮮食料品等の卸売の中核拠点として適切な場所」とは到底言える状況ではない、というのが現実なのではないでしょうか。

 また、今築地市場で衝撃が走っているのは駐車場などの使用料です。これまで
私達は施設使用料の詳細について明らかにするように再三に渡り求めてまいりましたが、今回の「認可の申請」により隠蔽されてきた駐車場料金などが公表される事となりました。

 そうした中で、都内に四店舗展開しているある寿司店は軽車両二台で月間二万数千円の茶屋銭を支払っているという事ですが、これが豊洲市場では一〇万円を超えるという試算に驚き、私達営業権組合に連絡をしてきました。

 また別の運送業者の方は、現在築地市場では毎月約七〇万円の茶屋銭を支払っ
ているという事ですが、使用する車両台数は全く同じであるにも関わらず豊洲市場では月に二〇〇万円を超える請求を受けていると伺いました。現在の支払額の約三倍以上という金額ですから、事業を継続出来なくなる可能性がある極めて深刻な数字です。

 そして、同様の訴えが続々と私たち築地市場営業権組合に寄せられています。
そしてその多くが納得していません。

 駐車場の不足についても深刻です。日刊食料新聞によれば、東京都は八月二九日に江東区議会特別委員会に「五街区千客用地に駐車場整備・来年末までに四五〇台増設」を説明したということですが、これは「認可申請」の時点で、必要な「規模」を有していなかったという事になります。と同時に、来年末までの間は一体どうするのかという問題なのです。同日同紙には「臨海部BRT 整備スケジュールを改定」という記事もあるように、交通アクセスについても行き当たりばったりの行政が行われています。これについても「認可の申請」などという状況ではありません。多くの市場関係者・労働者が、豊洲市場までの“あし”を確保できないでいます。

 また、ここであらためて指摘いたしますが、この移転計画が営業権の侵害であ
るということです。これについては、既に内容証明を送付しましたが、築地市場の関係者の大多数はこの移転計画については合意したものではありません。したがって貴職が、どうしてもこの移転計画を進めようとするならば、移転に係る費用を東京都が負担するのは当然であります。にも関わらず、平成三〇年八月二〇日付「築地市場閉場に伴う市場施設の造作等の取り扱いについて(通知)」によれば築地市場の閉場に際して仲卸業務の許可を任意に取り消せるかの如く書かれていますが、東京都中央卸売市場条例第二八条には仲卸業務の許可を取り消す場合の要件が定められており、同条に抵触していない業者の「使用資格」を消滅させるには、当然営業権に対する補償が必要となります。そして補償のないままこの移転計画を進める事は営業権に対する重大な侵害であり明白な違法行為です。

 以上、ごく掻い摘んだ問題を挙げましたが、それ以外にも問題は山積しております。つきましては、以下の通り要請するとともに、今週中に回答することを求めるものです。

「豊洲新市場への移転差し止め請求」のご報告

 本日、9月19日、東京地方裁判所に「豊洲新市場移転差し止め請求」の訴状提出と記者会見を行って参りましたので、報告させていただきます。記者会見では、弁護団長の宇都宮健児元日弁連会長から訴状の詳しい紹介と説明が行われました。

訴状の概要(まとめ)

1.豊洲市場への移転が強行されようとしている。

2.本件訴訟及び申し立ての当事者56名が原告又は申立人

3.豊洲市場の土壌汚染は解決されておらず、食の安全・安心は確保されていないこと。

4.多くの仲卸業者が豊洲市場への移転の中止・凍結を求めていること。

5.原告(申立人)仲卸業者らの人格権に基づく豊洲市場への移転の差し止め請

 その後、当会の山口会長を皮切りに、女将さんたちから豊洲移転の不当性について切々とした訴えが続きました。こちらには山口会長が読み上げた文書を掲載させていただきます。

1.本日はお集まりいただきありがとうございます。先ほど、築地市場の移転「差し止め」を提訴してまいりました。

 なぜ、このタイミングで提訴なのか?ですが、そもそも築地市場の移転は、関
係者が望んだものではありません。そして今もって、多くの関係者が全く納得しておりません。そのことを皆さんの目に触れるように「旗を立てよう!!」ということです。

 築地市場の移転計画は、全部が嘘と偽りでした。『盛り土』も嘘でした。『地下水管理システム』も嘘でした。『東京ガス創業由来の汚染物質は全て除去』も嘘でした。『効果的な物流』も嘘でした。『コールドチェーン』も嘘でした。『賑わいの創出』も嘘でした。全てが嘘なのです。これで移転計画が中止にならなければおかしいと思います。

2.築地女将さん会より以下の通り、「築地市場の移転」の撤回を求めるデモを呼びかけたいと思います。

 「築地市場にお世話になった」という方は多いのではないでしょうか。今回はそういう全ての方に、来ていただきたいと思います。そう結集を呼びかけます。

 築地市場は、本日まだ築地の地にあります。

 そして、今回のデモの合い言葉は「築地市場・まだあと100年!!」です。


報告:ネットを悪用した『ヘイト攻撃』を考える10.3シンポジウム

配信:ヘイト 10月3日、参議院議員会館で「ネットを悪用した『ヘイト攻撃』を考える10・3シンポジウム」が菊池進さん(全日建)、松本耕三さん(全港湾)、鈴木剛さん(全国ユニオン)、嶋崎量さん(神奈川総合法律事務所)の呼びかけで行われた。

 安倍政権と自民党の差別・排外主義を背景にして、この間、レイシスト集団やネット右翼などが労働組合、辺野古新基地反対運動、差別反対運動に参加する仲間たちに対してネットやSNSなどを通して誹謗中傷、大量の嫌がらせメール攻撃を繰り返している。連動して警察権力は、正当な組合活動を違法行為だとして事件をデッチ上げ、不当な事務所家宅捜索、公安政治警察による弾圧に向けた監視強化などの対応も増えている。主催者は、レイシスト集団、ネット右翼、警察権力らによる攻撃を許さず、被害実態を共有し、反撃していくためのスクラムを
構築していく踏み出しとしてシンポジウムを行った。
 
 小谷野毅さん(全日建書記長)は、「関西生コン業界でつづく組合弾圧とネット右翼」というテーマで提起。

 「レイシストは、組合の運賃引き上げ、大阪広域生コン協組の民主化を求めるストライキ闘争に対して『ゆすり、たかり、組織犯罪』などとデマ宣伝を繰り返していた。ネットでデマ・嫌がらせを繰り返し、組合を暴力的な集団と印象づけることだった。また、自分たちの行動をすぐさま動画にし、ブログに同じ動画を繰り返し載せる。レイシストの嫌がらせは、明らかに関西生コンに敵対する大阪広域協のデマゴギーの先兵、露払いの役割を担っている」。

 「警察権力(奈良、滋賀、京都、大阪府県警)は、大阪広域協、レイシスト集団の敵対と一体となって正当な組合活動、ストライキなどに対して強要未遂、威力業務妨害事件としてデッチ上げ、3月から九月にかけて不当な家宅捜索、20人の組合員を不当逮捕した。いずれも逮捕の要件がなく、根こそぎ逮捕することによって組合を潰すことを目的にしている。不当弾圧後、業界、レイシスト、メディア、一部労組などによってデマキャンペーンが行われている。なかには生コン工場にまで押しかけ『連帯と手を切れ、脱退しろ』などと叫び、嫌がらせを行っている。このような不当弾圧を許さず、敵対勢力の攻撃を跳ね返していく」。

 鈴木剛さん(全国ユニオン会長)は、「労組批判本と差別排外主義者による攻撃と刑事弾圧の予兆」について報告。

 「青林堂(在特会等などの『ヘイト本』の出版社)から中村基秀さん(営業部長)が不当解雇され、2014年12月に東京管理職ユニオンに加入し、組合支部を結成して東京地裁に提訴し、『不当労働行為につき無効』と判断され、15年10月に復職。しかし、会社は不当な支配介入、ハラスメントが続き、損害賠償を求める裁判、東京都労働委員会への救済申し立てを行い、争議中だ」。

 「青林堂は、16年9月に『中小企業がユニオンに潰される日』というデマ本を出版したり、SNSでユニオンに対して誹謗中傷を配信する。『労働組合を装った企業恐喝集団であり、背後には反日左翼がいる』などとキャンペーンを行っている。さらに九月には差別排外主義者の瀬戸弘之らが街宣車で乗りつけ、ユニオン攻撃を行っている。公安警察も取り巻いて見ており、ユニオン運動に対する刑事弾圧の予兆を感じさせる。ユニオンは、攻撃に後退することなく、断固として闘い、青林堂闘争に勝利することを宣言する」。

 佐々木亮さん(東京弁護士会)は、「ネット右翼(190人)らによって『違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の確信的犯罪行為である』という懲戒理由で弁護士会の理事などに懲戒請求が行われた。その後も本人も含めて集団懲戒請求メールが続き合計で1000人を上回った。懲戒請求を煽ったのは、ネット右翼のブログだった。被害にあった弁護士とともにツイッター上で請求をした960人に対し損害賠償を求めて裁判を起こす記者会見(5月16日)を行った。また、青林堂闘争の原告側の代理人弁護士をしているが、集団懲戒請求メールは青林堂事件も関係していることは間違いない。攻撃に屈することなく、断固反撃していきたい」と発言。

 さらにレイシスト集団、ネット右翼らの動向、性格、嫌がらせ手法などの実態を分析し、いかに撃退していくのかなどについて和田悠さん(立教大学准教授)、香山リカさん(精神科医)、三宅雪子さん(元衆議院議員)、安田浩一さん(ジャーナリスト)、藤本泰成さん(平和フォーラム)が問題提起した。

 最後に、共に連帯し、情報を共有化し、レイシスト集団やネット右翼を許さない対抗運動を作っていくことを確認した。

(Y)


報告:戦争法からまる3年、安倍9条改憲NO!沖縄・辺野古新基地建設阻止!9.19日比谷野音集会

配信:日比谷5 9月19日、『戦争法からまる3年、安倍9条改憲NO!沖縄・辺野古新基地建設阻止!9・19日比谷野音集会』(共催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、基地の県内移設に反対する県民会議、「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会)が行われ、日比谷野音周辺も含めて4800人が参加した。

 この日は、安倍政権がグローバル派兵国家建設の一環である戦争法(安全保障関連法)強行制定(2015年9月19日)から3年目だ。改憲を掲げながら違憲である集団的自衛権の行使が可能であると閣議決定(2014年7月1日)し、「専守防衛」を投げ捨て戦争国家作りへと突進していった。同時に特定秘密保護法(13年)を皮切りに盗聴法を含む刑訴法改悪(16年)、共謀罪(17年)を制定し、国内治安弾圧体制の構築も押し進めた。

 戦争法制定以降、中国と北朝鮮の軍事的脅威を煽り、米軍と共に闘える軍隊として自衛隊を対中国、対北朝鮮シフトに再編してきた。直近でも中国の軍事挑発に対して海上自衛隊は、南シナ海で潜水艦とヘリコプター搭載型護衛艦の対潜水艦戦の訓練(9月13日)を強行し、今後も継続し実戦強化を進めていくつもりだ。

 また、南スーダン派兵部隊への「駆け付け警護」任務を付与した派兵、海自の
護衛艦による「米艦防護」などの共同軍事作戦の領域を広げてきた。さらにこの間、戦争法の「国際連携平和安全活動」としてエジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視をする多国籍軍・監視団(MFO)に陸上自衛隊隊員の派兵を策動していることが明らかとなっている。自衛隊のグローバル派兵の拡大と実積作りとして狙っていることは間違いない。

 安倍政権の軍拡政策の現れは19年度軍事費概算予算において六年連続で増額し、
5兆3000億円超も計上したことだ。とりわけ米軍と一体である「弾道ミサイル防衛」能力の強化を主張して陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の本体2基を導入するために2352億円も盛り込んだ。この間の地震・台風による被災者・地域復興に対する支援費の増額が求められているにもかかわらず軍事費増額の姿勢は変わっていない。改憲・グローバル派兵と軍拡の安倍政権を打ち倒していこう。

 集会は、「戦争法は絶対廃止! 辺野古新基地建設反対! 沖縄知事選かならず勝利! 翁長知事の遺志を継ごう! 改憲発議必ず止めよう! 北東アジアに平和と共生!」のコールで始まった。

 高田健さん(総がかり実)が主催者あいさつを行い、「戦争法強行制定され、廃止を決意してから3年がたった。その後、戦争状態の南スーダンに派遣した。しかも、日報問題のようにウソをついて派遣した。今、戦争法によってシナイ半島の多国籍軍に自衛隊を派遣しようとしている。絶対戦争法は廃止しなければならない。沖縄県知事選で玉城デニー候補は、辺野古新基地に反対し、アジアの平和のために、沖縄の民衆の未来のために闘っている。玉城候補と連帯し、知事選に勝利しよう」と訴えた。

 さらに「朝鮮半島で南北首脳会談が進んでいる。南北首脳は、平和のために重
要な合意をした。この合意を板門店宣言と合わせて協力し、支援したい。妨害する安倍内閣を許さない。アジアの平和と非核地帯化をやりとげよう。3000万署名を押し進め、安倍九条改憲に反対していこう。次の参院選で勝利し、改憲発議を止めよう」と強調した。

 立憲野党の発言に移り、大串博志衆議院議員(無所属の会)、小宮山泰子衆議院議員(国民民主党)、小池晃参議院議員(共産党)、福山哲郎参議院議員(立憲民主党)、吉川元衆議院議員(社民党)が沖縄知事選・玉城候補の勝利、戦争法の廃止と自衛隊軍拡反対、安倍政権打倒の決意表明を行った。

 連帯スピーチが次の三人から行われた。

 上野千鶴子さん(安保法制に反対する学者の会)は、戦争法制定によって民主主義が死んだ日の3周忌として喪服で参加し、「安倍内閣は憲法違反の『ゾンビ復活内閣』だ。沖縄をいじめぬき、翁長さんは戦死だ。野党は四分五裂している場合じゃない。私は絶望はしていない。民主主義は繰り返し不死鳥のようによみがえる。皆さんがいるからです」と発言。

 青木初子さん(「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会)は、「今、知事選では熾烈な闘いが行われている。沖縄は平和憲法の埒外に置かれてきた。辺野古新基地阻止を通して平和憲法の空洞化を取り戻し、平和な日本の未来を築かなければならない。沖縄を踏みにじって平和はありえない」と訴え、「翁長知事の遺志を引き継ぐぞ!沖縄知事選に勝利するぞ!辺野古新基地を必ず止めるぞ!」のシュプレヒコールを参加者全体で行った。

 山城博治さん(沖縄から)は、「戦争法を絶対に廃止する。憲法改悪の上程をかならず阻止する。沖縄の闘いにかならず勝利する。沖縄知事選の闘いはあと10日だ。知事選は、翁長雄志知事の無念を晴らす、その遺志を受け継ぐ闘いだ。負けたら沖縄の恥だ。政府の交付金というエサにしがみつき、目の前のニンジンにぶら下がるように走り回る連中に翁長さんの死を冒涜させることはできない」と力強く訴え、「選挙後、10月1日には工事強行があるかもしれない。10月1日に辺野古に大結集し、工事を阻止しよう」と呼びかけた。

 最後に福山真劫さん(総がかり実)が行動提起(①沖縄知事選応援②三〇〇〇万人署名③一〇・一九、一一・三国会行動)をした。

 デモに移り、銀座一帯に渡って「戦争法廃止!安倍政権打倒!」のシュプレヒ
コールを響かせた。

(Y)


報告 : いのちをつなぎ くらしを守れ フクシマと共に 9.17さようなら原発全国集会

IMG_2705 九月一七日一二時半から、東京・代々木公園B地区野外ステージで「いのちをつなぎ くらしを守れ フクシマと共に 9・17さようなら原発全国集会」が主催:「さようなら原発」一千万署名市民の会、協力:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会で開かれ、八〇〇〇人が参加した。

 木内みどりさんの司会で集会は始められた。最初の一時間はゼロノミックスと
うじきつよしのコンサートが行われた。鎌田慧さん(ルポライター)と澤地久枝さん(作家)が主催者あいさつを行った。

 鎌田さんは「原発いやの声は広がっている。原発推進派はカネもうけのために再稼働している。これを許さないためには政権を代えるしかない。東海原発再稼働するかどうかが問題になっている。青森県の下北・大間原発、再処理場は核センターとしてやられている。原発は絶対に認められない」とあいさつした。澤地さんは「自民党の総裁選では足をひっぱったり、おどしをかけている。こんなひどい政治があるか。フクシマを切り捨てているばかりか、原発を輸出しようとしている。私たちは原発稼働を許さない。被害者といっしょになって闘う。沖縄で
も勝ちましょう。NO!原発」と発言した。

 フクシマから、村田弘さん(福島原発訴訟かながわ原告団)と佐藤和良さん
(福島原発刑事裁判支援団)が報告した。

 村田さんは「原発関連自殺者が今年でも三人、通算一〇二人にのぼる。事故はおわっていないのだ。三週間前、内堀福島県知事は帰還困難区域の避難者への住宅提供を再来年の三月で打ち切ると発表した。二万数千人の住宅が奪われる。家がなかったらどう生きていけというのか。二〇二〇年のオリンピックで、もう福島は終わったと言いたいのだろう。三〇近い集団訴訟で、七つの判決が出て、その内の四つの裁判で東電と政府の責任を認めた。静かに怒るのではなく、赤鬼になっても立ち上がる。むしろ旗、座り込み、署名などあらゆる行動を起こす」と語った。

 佐藤さんは「二五回の公判の中で、東電の津波は想定外であり、法的責任はな
いという主張がいかにでたらめか分かってきた。二〇〇六年に耐震審査があり、二〇〇七年、吉田所長が部として計画を立てて地震対策をするとなった。二〇〇八年六月の東電の常務会で決めたにもかかわらず、七月三一日にそれを中止した。それは津波対策に四年と数百億円の費用がかかること、当時、新潟地震の影響で柏崎原発が停まっていたことがあり、福島原発が停まったら経営が成り立たないと、経営を優先させたからだ。九月五日に、この内容の証拠が採用された。これでほぼ有罪が決まった。一〇万余人が避難している民事裁判にも大きな影響が出るだろう。一〇月に被告人尋問が行われ、年内に論告求刑、来年には一審判決が予想される。裁判の支援を」と訴えた。

 東海第二原発再稼働について、大石光伸さん(東海第二原発訴訟原告団)が
「一一月末に、四〇年ルールを骨抜きにし、二〇年の延長を決め再稼働を目論んでいる。東海原発は首都圏の人口三〇〇〇万から五〇〇〇万人から一一〇キロの地点にある。東海原発を運営する日本原電は国策民営会社だが、資産の一四一億円の内、八〇億円を差し押さえられている。そのため、再稼働に必要な一七四〇億円を東電が肩代わりするとしている。こんなことを許してはいけない」と発言した。

 原発ゼロ法案について、吉原毅さん(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)が
「原発はコンクリートで出来ているので、普通の民間戸建て住宅よりも地震に弱いことを示し、原発を止めよう」と話した。

与儀睦美さん(辺野古の海を土砂で
埋めるな!首都圏連絡会)が首都圏における集会などの取り組みの報告をし、知事選で玉城デ二―さんの勝利に向けて支援を訴えた。

福山真劫さん(戦争させな
い・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)が、①憲法改悪の発議を阻止すること②沖縄県知事選勝利で、辺野古新基地建設を阻止すること③東アジアで、非核・平和の確立を、と訴えた。

 最後に落合恵子さん(作家)が安倍政治を批判し、原発、沖縄そして自衛隊と問題点をあげ、命以外に大事なものはない、政権に命と人生を左右させない」と閉会のあいさつをした。その後、渋谷コースと原宿コースに分かれてデモ行進を行った。

(M)


読書案内『日本会議の野望』俵義文 著

日本会議の野望読書案内『日本会議の野望』
極右組織が目論む「この国のかたち」
日本会議の政治戦略を検証する

俵 義文 著/花伝社刊 1200円+税


 日本会議は、安倍政権を生み出し、支えぬく天皇主義反革命勢力の一つだ。与党政権の大臣は、「20人中15人(75%)が安倍と麻生が特別顧問の日本会議国会議員懇談会の政治家である。そして、安倍が会長の神道政治連盟国会議員懇談会の大臣は19人(95%)であり、安倍晋三を総理・総裁にすることを最大の目的にしている安倍が会長の議連・創生『日本』の大臣は10人(50%)」(本書)が所属している。この実態からでも、ほぼ日本会議によって制圧中であると言える。

 俵は、子どもと教科書全国ネット21代表委員であり、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会に参加し国会包囲などにいつも参加している活動家だ。長年の教育・教科書問題を取り組むなか、政権に対する日本会議の暗躍をチェックし、その調査から日本会議が目的意識的に全国展開し、とりわけ地方議員の送りだしなども含めた地方自治体への浸透工作の常習犯であり、その到達点として中央政治の制圧を狙っていることを早くから暴露してきた。

 森友学園の国有地格安払い下げ事件が日本会議絡みであることが発覚するや、マスコミ等ではあまり取り上げられてこなかった日本会議がクローズアップされ、しかも森友学園の理事長籠池 泰典が日本会議大阪府本部運営委員であり、天皇主義教育を実践していたこなどが次々と明らかとなる。

安倍政権支える実働部隊として

 すでに本屋の店頭には、2016年の『日本会議の研究』(菅野完)を皮切りに『日本会議の正体』(青木理)、『日本会議 戦前回帰への情念』(山﨑雅弘)など日本会議批判関連書が積み上げられていた。俵は、先行して日本会議批判を取り組み、その集約として『日本会議の全貌―知られざる巨大組織の実態』(花伝社)を発刊していた(2016年6月)。既刊書では日本会議の前身、結成、人脈、活動実態などを浮き彫りにしているので、本書の紹介では省くが、セットで学習すれば日本会議と安倍政権、自民党が一体であることがわかるだろう。

 ところが俵は、あえて本書を発刊しなければならなかった理由として、各地の講演会のたびに「(安倍政権が)これだけ悪政をつづけ、支持率が下がってもなぜ安倍政権はつぶれないのか」と参加者から質問されることを紹介している。

 俵は、「衆参で自公の与党が3分の2以上の議席をもち、数の力による政治を続けていることが一番大きな理由である。そのこととも関係して、安倍政権を支える右翼的な議員連盟(その所属議員)と日本会議の役割が大きい。日本会議は『安倍首相でなければ憲法改正はできない』と主張して、改憲という『悲願』を共有する安倍政権を民間において支えている」と答えている。つまり、安倍政権打倒の闘いは民間反革命=日本会議との攻防であることを再確認するために本書を発刊しなければならなかったのである。

 この闘いは、「安倍政権打倒」の気分やムードなども大事だが政治的武装ぬきに闘争力は持続しないことも再認識しなければならないということだ。先の質問のように、この間の安倍政権の支持率下げから上げ傾向などによって一喜一憂し、落胆したりなどの波があることも確かだ。そのことを自覚的に乗り越えていくための一つの糧として本書(第4章/日本会議9つの野望、第5章/日本会議の教育政策、第6章/日本会議と森友・加計学園問題)を土台にして日本会議批判を押し進めていこう。

国民投票での過半数射程に

 日本会議は、1997年5月に結成し、47都道府県に県本部・252支部、役員は約3500人、会員が約4万人。現在、憲法改正に向けた国民投票運動のイニシアチブ装置として構築している真最中だ。

 日本会議のフロント組織である「美しい日本の憲法をつくる国民の会」
(2014年10月設立/共同代表・櫻井よしこ、田久保忠衛、三好達)は、「憲法改正1000万賛同署名」を取り組み、18年2月に1000万人を達成し、「憲法に自衛隊明記と緊急事態条項新設を求める決議」を採択している。

 日本会議との攻防にとって、あえて「国民の会」の「平成30年度の国民運動方針」を示しておくのも無駄ではないだろう。

「方針」では成果として

①1000万賛同者
拡大運動(1001万8221名)、②地方議会決議(36都府県〈76%〉)、③国会議員署名(376名〈18年2月28日現在〉)を確認。そのうえで賛同署名達成を踏まえ全国で幅広い啓発運動を推進―①憲法改正行事②憲法改正研修会③自衛隊DVD上映・普及活動④インターネット「改憲チャンネル」、動画配信⑤女性や青年を対象とした啓発活動を柱にしながら、その推進者として全国289の小選挙区に「国民投票連絡会議」を設立し、来るべき国民投票における過半数の賛成投票を目指すことを確認している。

 国民投票法は、継続審議の扱いとなっているが、自民党は制限なしの膨大な資
金力で宣伝を繰り広げていけることをねらっている。これは日本会議と国民の会の意向を代弁し、すでに先取り的に国民の会が「草の根」で進めていることだ。民主主義を否定する与党の国民投票法制定を許してはならない。

その組織実態と政治的力は

 さらに組織実態を明確化するために俵資料にもとづいて、以下を列挙しておく。

 日本会議国会議員懇談会に所属する国会議員が290人(約九割が自民党)、自民党内「日本会議議連」メンバーが衆参議員417人(衆参議員717人の約4割、自民党衆参議員417人の約6割)、日本会議地方議員連盟に所属する議員が1800人。

 日本女性の会(2001年9月結成/39都道府県に四六支部)は、現在、憲法改悪国
民投票運動に向けて「女性による憲法おしゃべりカフェ」を開催し、各世代へのアプローチを切り開いている。

 日本会議経済人同志会(2004年4月結成)は、100社が加盟し、日本会議の政策を支持し、各種キャンペーンを担っている。

 自民党の憲法改正推進本部は、46人の役員がいるが、日本会議連に所属が33人(71・7%)、神道議連が40人(87・0%)、靖国議連が35人(76・1%)、「創生」日本が13人でダブッているとは明らかだ。なお自民党議員でどの議連にも所属していないのが2人(平将明〈衆/東京四区〉、福田達夫〈衆/群馬四区〉)しかいない。

 俵は言う。「こうした右翼組織と右翼議連が日常的・継続的に連携して政治や教育などの課題に取り組み、政策をつくり実現するという図式」を調査活動の到達点として立証し、このような日本会議と「日本会議連」は、今までの右翼運動を「大きく転換した」と結論づけている。要するに、「両者の連携によって、日本の政治や社会、教育に重大な影響を及ぼしてきた。『影響を及ぼす』というよりも、日本会議の政策・要求が『日本会議連』の活動によって、実現したり、政府の政策を断念させたりしてきた」と規定する。

 公明党は、安倍政権・自民党が日本会議に制圧されている政治構造を前提にしているのであり、その土俵の上で利権を餌にして支持層を維持し、反動的な役割を展開することによって防衛されているにすぎない。

 俵は明記していないが、あえて言えば安倍・日本会議政権とレッテルを貼っても言い過ぎではないのである。改憲阻止闘争は、このような政治構造の分析、日本会議の動向と支える人脈の言論、安倍政権応援団の産経新聞と読売新聞の主張と日本会議メンバーの登場分析などを明確化させ、運動として共有化していくことは重要だ。要するに、改憲突撃隊としての日本会議の組織と行動確認の追跡、その蓄積活動と連動して政治・政策の掌握と危険予想の提示が求められている。

その強さと弱点をえぐり出す

 なお日本会議の役割について過大・過小評価に陥ることのないように構える注意は必要だ。そのうえでの私見だが安倍首相と日本会議は、森友学園と籠池を立ち上がりの時点からバックアップし、天皇主義教育の先取りとして実現させようとしていた。だが、国有地格安事件の発覚を契機にして、森友学園問題がマスコミでクローズアップされ、天皇主義教育に対して批判が集中してしまった。同時に総がかり行動の国会包囲、全国的な反安倍政権の高まりに直面した安倍首相と日本会議は、速攻で籠池切り捨てへと進んだ。反発した籠池一家のパフォーマンスはワイドショーネタとしてさらに大きく広がる始末だった。

 このプロセス、つまり安倍政権と日本会議の共謀のうえで籠池切捨てへと乗り移った。この速攻性に脆弱性が現れている。日本会議は、以前から児童・小中生を天皇行事に動員してきた。ところが今回の事態ではあわてふためき動揺を深めた。御都合主義と防衛主義的な立ち振る舞いによって、いかにこの組織が瓦解へと向かうかのポイントを自己暴露したのである。 

(Y)


報告:なぜ元号はいらないのか? 7・21集会

配信:元号反対 7月21日、反天皇制運動連絡会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、天皇制いらないデモ実行委員会、靖国・天皇制問題情報センターの呼びかけで「なぜ元号はいらないのか? 7・21集会」が文京区民センターで行われた。参加者は97人。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設に向けて憲法改悪をめざし、2019「天皇代替わり」と「明治150年」を結びつけ天皇制賛美キャンペーンを行っている。その一環として来春に新元号を発表して天皇制民衆統合の強化へと加速化している。

 しかし、この実態は、安倍政権と右派勢力などによる手前勝手な妥協の産物で
しかない。「新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議」(議長=古谷一之・内閣官房副長官補/5・17)は、当初、生活の混乱を生じさせないため準備期間を長くとるために今夏あたりの公表としていた。だが右派などから「新元号の発表によって天皇陛下と新たに即位する皇太子さまという『二重権威』が生じる」などの圧力もあって首相官邸は「(新元号の)早すぎる発表は天皇陛下に失礼。ギリギリの時期でいい」と判断した。また、旧元号から新元号へのシステム改修が間に合わない場合は、一定期間は「平成」の利用も認めることになった。

 なお新元号システム改修特需によってIT大企業には巨額なカネが舞い込むことになった。例えば、佐賀県では新元号対応のシステム改修費約1億3200万円も計上している(佐賀新聞5・18)。一つの県でこれだけの費用を使うのだから、中央―全国でどれだけの費用がかかるのか。とんでもない無駄遣いだ。

 このように新元号への移行だけでも大迷惑な事態なのに、あくまでも天皇制強
化に向けた新元号の押し付けを貫徹しようとドタバタを繰り返している。すでにNHK世論調査(17年)では「西暦よりも元号をつかう」(28%)、「元号よりも西暦をつかう」(63%)という結果で明らかなように民衆生活にとっては元号使用は不便な存在でしかない。その一方で各所、学校で元号が慣例化し、公共機関と関係を持つケースでは元号使用を強制される。天皇制強化に向けた大迷惑な元号を廃止し、西暦で統一すればいいのだ。

 元号はいらない署名運動は、「新元号制定に反対する署名」運動で5000筆を越
える署名を集約している。運動の広がりを受け、1万筆をめざすことになった(最終集約18年11月15日)。各地区・現場で署名運動を押し進めていこう。

 集会は、井上森さんから主催者あいさつからはじまり、「2月から『新元号制定に反対する署名』運動を開始した。新元号の発表がどんどん遅れて19年4月となった。署名は5000筆を越え、1万筆をめざすことになった。11月に集約するが、継続して署名運動を広げていこう」と呼びかけた。

 坂元ひろ子さん(中国思想史・一橋大名誉教授)は、「中国の革命経験から考えるアジアの共和国」をテーマに講演した。

 冒頭、坂元さんは、「天皇制は、差別抑圧強制の根源であり、習慣化・身体化されている。『日の丸』強要、皇室への敬語・『お言葉』の強要、年号使用の強制〈政府機関・国立大学、民間企業、集合住宅管理組合等〉で明らかだ」と指摘した。また、最近の反右派を含む象徴天皇『翼賛』傾向(とりわけ退位問題以降)、批判忌避空気の現れとして、内田樹の『天皇主義者宣言』、柄谷行人の『憲法の無意識』、白井聡の『国体論 菊と星条旗』を取り上げ批判した。

 「アジアの共和国」に関して①対中国「起源」コンプレックス~漢字文化(漢
字ことば権威)②中国の「天」観念と共和「革命」について史実に基づいて検証し、「中国の君主専政政体はヨーロッパの場合に比して、中国は広大な地で独裁するだけに統治の網の目が粗らかった」と指摘。

 さらに中国同盟会(1905)の『民報』、人類館事件(1903)、亜洲和親会
(1907)から第一次世界大戦と中国、満州事変(1931)と国共内戦などの歴史的評価をしながら「中国の漢字文化そのものに革命思想はあったが地大人多による『共和』かつ『民主』の困難性もあった。日本は、中国の漢字文化にコンプレックスを持ち、真似をしながら天皇制を万世一系などとデッチ上げた。北朝鮮、韓国、中国、沖縄を直視できないことと繋がっている」と批判した。

 「反天皇市民1700ネットワーク」、「大分の島田雅美さん」からの連帯メッセージが紹介。

 中川信明さん(靖国・天皇制問題情報センター/練馬教育問題交流会)は、「今度こそ、元号とサヨウナラするために~元号反対運動の実践と展望」について次のように報告した。

 「元号反対運動の3つのピークがあった。1979年の元号法制化反対運動。1989~
1995年の〈昭和から平成〉やめよう!元号運動を行い、東日本と関西で署名運動を展開した。2017年、元号いらない署名運動の取組みだ。次の一手に向けてどうするか。年号に関して①広報物の年月日記載めぐって②国・自治体・民間企業などの手続き書類をめぐって③国・自治体などが個人に発行するものをめぐって―の3つのステージがある。これらの攻防を共有化し、次への可能性を探っていく必要がある。元号反対!改元拒否の世論形成のための署名運動を取組みながら具体化していこう」。

 大沢ゆたかさん(元立川市議)は、「元号改訂に関する2018年立川市予算委員会での質疑から」について報告し、「『元号、西暦の併記を考えている自治体』を調査した。23区26市のうち西暦のみが1市(町田市)、元号のみが2市(清瀬市、稲城市)、元号と西暦併記が5区市、併記検討中が10区市、検討していないが21区市、その他が10区市だった。東京都は必要に応じて元号・西暦併記だ。さらに『平成元号を使用しているシステム数 元号改定に伴う作業とシステム変更とその経費』についても調査し、巨額なカネが使われることがわかった。自治体に対して西暦を書かせろと要求していくことが必要だ。元号費用について決算時でどれだけ使ったのかをチェックし、公表していくことも必要だ。天皇のためにムダなカネを使うことはない」と訴えた。

 連帯アピールが茨城・戦時下の現在を考える講座、「オリンピック災害」おことわり連絡会、アジア資料センター、あいち代替わり・植樹祭を考える会(仮)から行われ、最後に主催者から今後の署名運動の提起があった。


(Y)

報告 : 報告:2020東京オリンピックいらない! まだ間に合う、返上しよう!7.22原宿 アピール&渋谷デモ

配信:オリンピック「金権五輪」の実態をあばく

 7月22日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、午後四時から東京・原宿駅前の神宮橋で「2020東京オリンピックいらない! まだ間に合う、返上しよう!原宿アピール&渋谷デモ」を行った。酷暑の中で100人のアピール集会とデモが行われ、多くの人々の注目を集めた。

 最初の発言者はスポーツジャーナリストの谷口源太郎さん。谷口さんはオリンピックが「マネーファースト」の拝金主義に貫かれていることを厳しく批判した。

「オリンピックでは一兆円を超す興行収入があり、NBC(米国の放送資本)な
どは放送権料として2000憶円も支払っている。放送権料や企業からの収入で多くの贈収賄逮捕者が生まれ、懲役年数を合わせると50年になる」と金権五輪の実態を暴露した。

 1925年生まれで、1932年のロスアンゼルス五輪をラジオで聴いた記憶があるという元教員の北村小夜さんは「オリンピックの弊害は道徳教育・愛国心教育の強化にも示されている」と語り「こんなオリンピックはいらない。返上しよう」と訴えた。「反五輪の会」メンバーで障がい者学校の教員である仲間は、「スポーツの本質は『排除』でもある。五輪教材には都合の悪いことは何も書かれていない。オリ・パラ教育に反対し転校を強要されたり、授業を外されたりする教員も出ている」と語った。

「人権」「復興」にだまされるな

 元大学教員の鵜飼哲さんは、オリンピックが国策教育と深い関係にあることを指摘し、1952年の「主権回復」とヘルシンキ五輪、1964年の東京五輪開会式での昭和天皇裕仁の開会宣言の例を挙げた。そして天皇代替わりと連動した2020年東京五輪が1963年のベルリン五輪=ナチス五輪との相似性を持つものとなる危険な構造を提起した。

 武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)の杉原浩司さんは、「オリンピック
が呼び込む軍事体制」をもテーマにした「川崎でイスラエル軍事エキスポを考えるシンポ」(8月3日)を紹介した。

反五輪の会の首藤久美子さんは「オリンピックが儲かるということで、皆さんの
生活が良くなるのか」と注意を喚起し、「明治公園、宮下公園からの野宿者の排除、都営住宅の解体と住民追い出し」を厳しく批判した。次に宮城県気仙沼市の木村さんは、福島原発事故災害が終わっていない現状の中で、「復興」を口実に東京五輪が使われていることを厳しく批判した。

 東京にオリンピックはいらないネットの渥美さんは「小池東京都知事は、オリ
ンピックで『人権尊重』と言っているがまやかしだ。引っ越し代を一銭も支払わず強行した都営霞ヶ丘住宅の取り壊しは地域コミュニティーの破壊だ。オリンピックこそ人権破壊のかたまりだ」と糾弾。さらにパレスチナ連帯運動に取り組んでいる八鍬さんは、イスラエルにとってはオリンピックこそ「サイバー攻撃」を口実にした「人権破壊のショーケース」となっていると批判し、大榎さんは福島原発事故の放射線被害を隠蔽したまま行われる「復興五輪」の内実を指摘した。

 集会後、原宿から渋谷へ多くの人びとでにぎわう街中を「オリンピックはいら
ない」と訴えた。  

(K)


報告 : 土砂で辺野古に運ぶな!本土からの特定外来生物 8月土砂投入ストップ!7.25首都圏集会

IMG_2565 七月二五日午後六時半から、東京・全水道会館で「土砂で辺野古に運ぶな!本土からの特定外来生物 8月土砂投入ストップ!首都圏集会」が主催:辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会/辺野古土砂搬出反対!首都圏グループ、共催:辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会、協賛:「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委で開催され、二〇〇人を超える人々が集まった。

 首都圏グループの岩槻武行さんが「土砂投入が決められ、翁長知事がこれを拒否するという緊迫した状況にある。二〇一二年土砂搬出問題について話し合い、防衛省や環境省に申し入れを行い、二〇一四年からは署名運動を始めて広がっている。首都圏でも埋めるな連ができた。何としても土砂投入を止めよう」と主催者あいさつをした。

県は最大の切り札を行使する

 次に、全国から参加した土砂連の仲間が報告した。

 沖縄から、北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会・土砂全協顧問)が緊迫する情勢について話した。

 「知事がいつ承認取り消しを発表するかにかかっている。防衛省は土砂・石材を大量に運び、工事の強行の構えを見せている。現状にしぼって報告する。八月一七日以降から土砂を投入する。辺野古側の②―1工区から始める。七月一九日に外周護岸がつなげられた。一週間県庁前座り込みと翁長知事になり初めて知事室前座り込みを行った。七月一九日、副知事と市民側一〇人が会った。副知事は『七月中の埋め立て承認撤回を表明し、防衛省への聴聞の手続きを始めること』を明言した。聴聞には一カ月かかる。県は最大の切り札行使へ向かう。①八月一七日に間に合うのか、②国の対抗策は? 国は効力の執行停止を求めて、国と県で新たな裁判が始まる。しかし工事は行われるだろう」。

 「最大の争点は軟弱地盤の問題だ。大規模な地盤埋め立てが必要となり、設計変更が必要だ。そうなれば知事の承認が必要となる。知事選が決定的な意味を持ってくる。大型のケーソンを置けない。この問題についてデーターが不存在であるとして非開示にしてきた。それに対して裁判を起こして闘っている」。

 「八月一一日、オール沖縄として県民大会、八月六日~一〇日、八月一六日~一八日を集中大行動としている。ゲート前は苦しい状況が続いている。一人でも多く人が結集して欲しい」。

有害外来生物を運び込むな

 報告②。大津幸夫さん(自然と文化を守る奄美会議・土砂全協共同代表)。

「辺野古に土砂を運ぶために、採石場で石を削り、岩ズリを山積みにして搬出の準備をしている。那覇第二滑走路の建設のための埋め立て工事で石材を搬入した。採石場や港湾などで特定外来生物ハイイロゴケグモが発見された。石材を洗浄して搬出した」。

 「辺野古埋め立ての土砂を水で洗ったらなくなってしまう。大量の土砂を高熱処理、塩水処理の方法は非常に困難だ。鹿児島県に対して、ハイイロゴケグモの侵入する奄美大島から土砂(岩ズリ)の沖縄県への搬出に対して、沖縄県や県議会から、協力要請があったら全面協力してほしい、と七月二〇日までに回答するように申し入れた。県は国がやることと逃げた。各県で反対集会をやろう」。

 報告③。八記久美子さん(北九州連絡協議会)。「門司地域には、五つの採石場に、全体の三五%に当たる七四〇万㎥の岩ズリのストックがある。辺野古土砂北九州は三年前に三二団体で結成し、故郷の土を戦争に使わせないために、様々な活動を行っている。門司では外来生物のオオキンケイギク・セアカゴケグモ・ヒアリが見つかっている。万が一土砂が搬出されるようになった場合、全量検査は絶対の条件だ」。

 「沖縄の基地を知ってもらうために、『辺野古シネマ』と銘打った映画上映会を行ってきた。そして八月五日には稲嶺進さんの講演会を開く。昨年の冬に、福岡県や北九州市と交渉を行った。『要請があれば知らん顔はできない』という言葉をもらった。『辺野古土砂北九州』と『山口のこえ』で合同の『福岡山口土砂会議』を開き、議員と市民が学習会や情報交換を行っている」。

 「福岡で進む米軍の基地化。自衛隊築城基地の緊急整備は普天間基地返還の条件の一つで、いま滑走路を三〇〇m沖合に延長する問題が起きている。芦屋基地でも滑走路の延長が言われている。福岡空港ではヘリ拠点機能を移設し二〇一九年度末完成予定。基地建設にも反対していく」。

全国から土砂を搬出させない!

 報告④。安陪悦子さん(辺野古土砂搬出反対全国協議会共同代表)が全国協の運動を紹介した。

 辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会の歩み。二〇一五年奄美市で、七団体で全国協が発足。署名運動を開始。沖縄県で土砂条例可決。二〇一六年、加盟団体。

香川県:小豆島環境と健康を考える会、故郷の土で辺野古に基地をつくらせない
香川県連絡会、山口県:「辺野古に土砂を送らせない」山口の声、福岡県:「辺野古埋め立て土砂搬出反対」北九州連絡協議会、門司の環境を考える会、熊本県:辺野古土砂搬出反対熊本県連絡会、長崎県:五島列島自然と文化の会、鹿児島県:南大隅を愛する会、自然と文化を守る奄美会議、沖縄県:本部島ぐるみ会議・島ぐるみ会議名護、三重県:辺野古に土砂を送らせない三重県民の会(ケーソン)他六団体と二協力団体。二〇一八年三月防衛省交渉。署名提出計一一万七三一〇筆。

 各地の対県交渉。各県から前向きな答弁引き出す。


 鹿児島県:二〇一六年、一七年、一八年七月一一日、要望・要請活動。

 熊本県:県から書面回答で「沖縄県からの要請が出ていない段階では対応等を
お示しすることはできません。要請があれば国と協議し対応を検討することとし
たい」。
 長崎県:二〇一七年三月、県交渉で、一般論と断りつつ「沖縄の土砂条例に基づいて協力要請があった場合に、長崎県としては沖縄の条例の範囲内でこれに協力する体制をとる」「各県ごとに、生物多様性地域戦略を推進する立場から、これは自らの責務であることを確認する作業が必要」。

 福岡県:二〇一七年一二月、北九州市環境保全課長「沖縄県から(外来種対策
の協力)要請があれば検討します」。

 山口県:「二〇一七年一〇月、議会環境福祉委員会で県環境政策課長が「具体
的な要請がない」と断りながらも、議員の重ねての要請に「一般的に出来ることと出来ないことはあるが、出来ることには真摯に対応する」。

 香川県:「二〇一八年二月定例議会で、浜田知事答弁があり「沖縄県の条例に
基づく立ち入り調査は、基本的には同県が実施するものであるが具体的な協力要請があった場合には、その内容を確認した上で所管する法令等に基づき対応したい」。

 土砂全協は五月二九日、沖縄県副知事への要請、七月二日県議会与党会派へ

「土砂条例の改正―届け出制を許可改正に、罰則規定を設けるなどの申し入れをした。県外土砂搬出に反対する署名活動を展開する。国会での野党会派とりわけ立憲民主党への働きかけを強める。

 報告⑤。中村さん(辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会)が「首都圏で大成建設抗議、MXテレビ問題、警視庁機動隊の高江への派遣違法訴訟などを行ってきた。六月に二七団体で埋めるな連を結成した。八月一一日には県民集会に呼応して池袋デモ、知事承認撤回表明後に官邸前での抗議行動を予定している」と報告した。

全国自治体も前向きな対応

 全国港湾労働組合連合会・糸谷欽一郎委員長が「沖縄港湾が辺野古新基地反対の声を上げ、門司港湾が岩ズリ・土砂搬出・搬入を決めた。全体として沖縄に岩ズリを持っていくことはけしからんとなった。なぜ日本に米軍基地を存続させる必要があるのか。フィリピンではスービック、クラーク米軍基地を返還させた。フィリピンでできたことが日本でできないはずはない。米軍基地はいらない」とアピールした。「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委の木村辰彦さんが発言し、辺野古基金共同代表の菅原文子さん(メッセージ代読)がアピール。

 湯浅一郎さん(土砂全協顧問)がまとめと行動の提起を行った。当面の行動として、八月から新たな署名活動を展開する。そして、防衛省、環境省に対して、外来生物防除対策を示せと迫る。富田英司さん(首都圏グループ)が集会決議を読み上げ、松本宣崇さん(土砂全協事務局長)が閉会のあいさつを行い、熱気につつまれた集会を終えた。

          (M)



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