虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

政治情勢

中国:改良はすでに死す、革命まさに立つべし

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中国共産党の第20回代表者大会が1022日に閉幕し、翌日の23日には習近平を中心とする新指導部が披露された。ほとんどが習近平に近い人事で、怒りや落胆の声があちらこちらから聞こえてきたが、その日、香港の友人らが主宰するウェブサイト「無國界社運Borderless Movement」に発表された文章(原文)は、中共の自浄作用という幻想をきっぱりと拒否し、社会全体の激しい闘いを通じた大転換という展望を提起している。タイトルは、後漢末期に起こった壮大な農民反乱である「黄巾の乱」が掲げたスローガン「蒼天はすでに死す 黄天まさに立つべし」から。(H)

 

 

改良はすでに死す、革命まさに立つべし


楚三

 

中国共産党の自浄作用への希望は以前からあった。鄧小平一派による「改革開放」はこれまでも崇拝の対象となり、89年民主化運動では趙紫陽ら開明派指導者による巻き返しに期待を寄せ、リベラル派知識人はいわゆる「胡温新政」(胡錦濤と温家宝の新政策)に幻想を抱き、習近平政権の当初における「反腐敗」闘争は各階層から賞賛され、李克強はこの20回大会でトップに就任して政策転換を図るだろうという噂が広く信じられてきた

 

しかし、中共の新しい指導部が明らかになると、習近平一味が全面的に権力を掌握し、この国のさらなる暗部への堕落を阻止できる勢力が中共内部から登場することはあり得ないことがハッキリとした。つまりは、そういった幻想を完全に捨て去るときがきたということである。

 

もちろんそのような期待を嘲笑する必要はない。それは宗教の誕生と同じように、巨大な敵と対峙した人類が救世主の降臨を期待することは、ある種とうぜんの反応でもあるからだ。

 

中共内部には確かに改良に尽力する人物がいるのかもしれない。だが民主主義を欠いたシステムのなかでは、最も悪辣な手法と弱肉強食のルールに長けたマキャベリストだけが最後の勝者となる。しかも彼らはこのシステムを一世代ごとに悪化させてきた。その結果、改良はますます困難となり、それに挑戦しようとする者はますます減り、最終的にはほぼ皆無となる。今日われわれが迎えたのは、体制内から救世主は現れず、中共に改良の可能性がなくなったという歴史的岐路である。

 

しかし統治下にある人々が、このようなシステムが完全に終わってしまったという結論を、おのずと導き出すことはない。現状に満足する習近平一味のファナティックな信奉者と異論派の救世主に期待する人々以外に、さらにこの現実を受動的に受け入れる多くの人々がいる。政治への無関心からかもしれないし、支配機構を突き動かすことができないとあきらめていのかもしれない。人々の意識はバラバラであり、ここにあげた3つのタイプはあくまでおおざっぱな分類である。しかし、彭載舟(※)のように、革命を真剣な選択肢の一つとして考える人間は、いまだごく少数にとどまっている。だが人々の意識は常に変化するのであり、しかも変化の速度も一定ではなく、決定的な歴史の瞬間にはいつも集団的で巨大な変化をもたらす


)彭載舟は、大会直前の北京で掲げられた横断幕に書かれた反政府スローガンの発案者と言われる。

 

楽観的な点でいえば、習近平一味は国家経営に関しては無能で、ファナティックな信奉者が今後も持続して増加することは難しいということである。宮廷内の権力闘争や民衆に対する弾圧には長けていたとしても、日々その困難さを増している経済状況(失業率、財政赤字、成長率の停滞、投資引き上げ、対外投資の失敗など)、帝国主義の国際競争において有利な地位を勝ち得ない(西側の技術封鎖を突破できず、軍事的にも台湾を圧倒できず、頼りになる盟友もなく、国際的イメージもガタ落ち)、無数のファナティックな信奉者らに実質的な利益を実感させることもできていない(社会保障の縮小、実質賃金の低下、対外投資からの利益にあずかっていない)。過去十年の経験が示しているのは、高級幹部あるいは最重要の暴力装置構成員(軍や警察)でなければ、忠実な信奉者による苦労はそれほど報われるものではないということである。これまで以上に多くの時間、精力、子宮(人口減少への対策として党国家に奉仕するために子どもを3人産むことを奨励している)、忖度、治安維持、政治学習と引き換えに得られるものは、十年前とたいして変わらない世間並みの生活とかつて以上に厳しい昇進の道だけにすぎない。曖昧模糊とした「偉大な事業」という口約束も、かれらをそれほど長く引きとどめて犠牲を強いることは難しいだろう。

 

逆に楽観的になれない点で言えば、かつて救世主に期待をかけたかどうかにかかわらず、いま異論派に最も多くみられる選択肢が中国からの逃亡、つまりいわゆる「潤」(ルゥン)である(これは「潤」の漢字の発音を表す「run」[=中国語で「ルン」と読む]と英語のrunをかけたもので、中国からの逃亡を意味する:編集者)。習近平の徒党どもは大富豪の逃亡は許さないかもしれないが、多くの資本家と中産階級にとってはまだ移民は容易である(全ての財産を海外に持っていけるかどうかは別問題だが)。しかしこれらの階層の中国人は往々にして惰弱で利己的である。長年にわたり海外で中国共産党に反対する政治運動への参加や支援を見ればそれが分かる。このような人々が国内に留まっていたとしても、それが革命の主体になると考えることは難しい。その下の階層はどうかといえば、仕事や留学で海外にいく道筋は狭まってはいるが、都市部の青年(とくに大学生やホワイトカラー)にはまだまだチャンスはある。この階層の個人においては、「潤」は最適解であるが、親のコネや財産でなく自分の努力で「潤」が可能な青年たちは、往々にして中国共産党のことをよく理解しており、海外ではもっとも活発な反中国のアクティヴィストになっている。この若者たちは海外において中国共産党を打倒するための力を発揮するであろうが、しかし革命の決定的な一撃は、やはり壁の内側から発生するものでなければならない。

 

今日までに、中国共産党が代表するのは、官僚階級、紅い貴族、そしてその両者のためにマネーロンダリングにいそしむ資本家ら全体の利益であった。そして今日からは、党内には習近平一味の一ファミリー独裁だけが残り、ほかの系列は誠心誠意こころから党のために働くことはなくなるだろう。もちろん習一派も簡単には他の派閥に隙を見せることはない。習一派の武将たちによるこの間の「業績」をみれば、中国の内政と外交が今よりも悪化することが予測できる。現状を受動的に受け入れてきた人々のなかには、すでに「寝そべり」や「放棄」といった風潮が横行してはいるが、状況がよりいっそう悪化した時にはどのような反応をおこすだろうか。多くの場合、民衆が革命に向かう理由は、革命宣伝によってではなく、飢え、失業、巨額の借金で、すべてを失い、自由も奪われ、権利を損なわれ、尊厳を奪われ、戦争に敗北し、約束が破られることがきっかけになってきた。

 

壁の内側の多数の民衆は中国共産党支配の終焉を願ってはいるが、それは必ず革命がおこるということを意味するものではない。恐怖、弾圧、戦争、矛盾の転化、あるいはいくらかの突発的事件の発生が、蓄積されつつある革命情勢を破綻に追いやることも可能である。歴史上の革命もまた偶発的なきっかけで始まったことが多い。それが成功するかどうかは、その機会を逃すことなくつかみ取ることができるかどうかにかかっている。武昌蜂起(辛亥革命)や1917年のロシア2月革命、近年においてはアラブのジャスミン革命などがあげられる。つまり、我々は(破滅への)「総加速師」(※)が鎮座することで「その時が必ず来る」といって傍観して待ち続けていてはならないのである。


(※)「総加速師」とは習近平のあだ名。破滅の道へ加速するという意味が込められている。鄧小平が改革開放の「総設計師」と称されたことに由来する。

 

漆黒の闇が一番深いこのとき、革命の暁の光がどこから射すのかは分からないが、革命家は今できることを精いっぱいやるだけである。工夫した方法で革命の必要性と可能性を宣伝し、アトム化・個人化に陥らないために志を同じくする仲間と結びつく。健康を維持し、敵よりも長く生き延びる。社会の最も抑圧された人々──女性、少数民族、底辺労働者、貧困者など──これらの人々は往々にして最初に抵抗に立ち上がる人々でもある。先人の経験、教訓、戦術、組織化の方法を学ぶ……。

 

當然,還有很重要的一件事是培養自己的勇氣,這樣當千萬人開始行動之時,我們才不會退縮。

 

そしてもう一つ重要なことがある。それは、大衆が行動を始めたときに我々自身が委縮することのないように、自らの勇気を養うことである。

 

2022.10.23


【コロナ緊急事態宣言延長】検査体制の強化と医療の充実を!宣言延長は補償とセットだ

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 1都3県に出されていた緊急事態宣言が2週間延長された。1月7日に発令されて以
降、2度目の延長である。1月7日の発令に際して私たちは、「緊急事態宣言の実態は「夜の宴会禁止令」でしかない。秋以降、過半数が感染経路不明になっている。またクラスターが発生しているのは病院、介護施設、家庭内である。すでに新型コロナウイルスの感染は市中に広がってしまっており、飲食店だけを、しかも夜間だけ営業制限してしても効果は極めて限定される。」と指摘し、「今回の緊急事態宣言は労働者の暮らしを破壊する副作用ばかりが大きく、感染を抑え込む効果が出ない可能性が大きい。」と厳しく批判した。

 その後の事態はまさに指摘通りの展開となった。抜本
的な対策の変更がないままの2週間の延長は、まさに「労働者の暮らしを破壊する副作用ばかりが大きく、感染を抑え込む効果が出ない可能性が大きい」。今回の再延長に際して国は具体的な解除の要件を明らかにすることをしなかった。これは今後も感染が蔓延し続けることを前提にして、感染状況が改善していなくてもオリンピック等の日程に合わせて宣言を解除できる布石を打っているとしか考えられない。

具体性を欠く7項目の提言

 政府諮問委員会の尾身会長は7項目の対策を提言した。7項目の柱は検査・医療体制の強化とされている。しかしその7項目の対策は具体策にかける。「感染リスクの高い集団・場所への検査」、「高齢者施設の感染対策」を掲げ、「変異ウイルス用の検査体制強化」、「保健所の調査の強化」をあげている。政府は今月中に全国3万か所の高齢者施設で検査を実施するとしている。感染リスクの高い集団への検査は定期的に繰り返し行っていかなければならない。また無症状者も含めて1都3県で1日1万件の検査を実施するとしている。しかしその具体的体制は全く明らかになっていないし、1都3県で1万件は少なすぎる。

 1都3県で宣言が延長された理由の一つが医療供給体制のひっ迫である。そのため「再拡大に備えた医療提供体制の強化」が掲げられている。しかし実際の政府の姿勢は真逆である。疲弊した医療機関の減収を補填すべきだという国会での共産党の田村議員の質問に対して田村厚労大臣は「減収補てんをどういう意味で言われているのかわからない」と答弁している。2週間で医療提供体制の強化などは行えないことは明らかだが、田村厚労大臣の答弁に明らかなように政府は医療供給体制の強化に取り組むつもりは全くない。

 医療供給体制を強化するためには、短期的には離職を防ぐための労働条件の改善、長期的には医療従事者の養成数の増員を行う必要がある。しかし、この間政府が進めているのは、労働者派遣法施行令の改悪による看護師の日雇い派遣の解禁であり、医学部の定員削減による医師数削減である。そもそも日本が欧米諸国よりはるかに少ない感染者数で医療崩壊に至ったのは医師・看護師数が足りずICUのベッド数が不足していたからである。人口8,000万人のドイツには8,000人の集中治療医がいるが、日本は1,800人でしかない。感染症専門医も日本には3,000~4,000人が必要と学会が試算しているが、現実には1,560人でしかない。さらに高齢者施設と医療の療養環境問題がある。日本は多床室中心だが、少ない人数のワーカーが多床室で多くの利用者を担当する体制が、高齢者・医療施設でのクラスターの原因になってきた。多床室から原則個室への切り替えを行うべきである。

今すぐの検査体制の充実・医療労働者の待遇改善を

 このように政府の示した7項目は「やってる感の演出」でしかない。しかし一方で緊急事態宣言の副作用は確実に広がっている。減収になった労働者を直接支援する制度がないためシフトワーカーを中心に多くの労働者がなんら支援を受けられないでいる。減収になった労働者を直接支援する制度の整備が早急に必要である。生活困窮に陥った労働者が生活を再建するために利用できる制度は少ない。権利としての生活保護を定着させる必要がある。感染を抑え込む具体策と補償を欠く緊急事態宣言の再延長はさらに生活に困窮する労働者を増加させるだけである。政府に抜本的な感染対策の変更と生活支援を求めていかなければならない。

 また今月下旬からオリンピックの聖火リレーが開始される。リレーの開催と感染の抑制は両立しないことは明らかで、批判を恐れた芸能人の辞退が相次いでいる。もはやオリンピックの開催は不可能である。感染を拡大させ税金を浪費するだけのオリンピックは即刻中止するべきである。

 検査体制が拡充されれば、感染抑制と社会生活の両立は可能である。多くのキャンパスが閉鎖され学生が学ぶ権利を奪われているが、全学生・職員に定期的にPCR検査を行えば感染抑制を確保しながら授業を行うことが可能であることがわかっている。尾身会長が認めたようにワクチン頼みでは年内に感染症を抑え込むことは不可能である。

 病院・福祉施設の労働者、社会インフラを支える労働者などを中心に定期的な
PCR検査を国負担で実施すること。医療従事者の労働条件を改善し退職に歯止めをかけること、減収になった医療機関の赤字を補てんすること、コロナ患者を受け入れてきた公立病院の削減を中止すること。保健所、地方衛生研究所の人員体制を強化することが必要である。検査・医療体制の抜本的充実を春闘の、そしてメーデーの共通したスローガンにしよう。(矢野薫)

報告 2月17日、ミャンマー大使館前でクーデター抗議行動

217-1 2月20日、ミャンマー第2と都市マンダレーで治安部隊がデモ隊に発砲し、2人が死亡し大勢の負傷者がでた。これで3人目の死者だ。

 軍事政権は裁判所の令状なしに逮捕したり、夜間禁止令に違反したとして、友人宅に泊まっただけで逮捕するなど、弾圧が強化されている。

 アウンサンスーチーは違法に無線機を輸入したということで逮捕された。勾留期間は2月15日とされたが17日に延長され、別の容疑でも勾留が続けられるとも伝えられた。

 市民たちの非暴力抵抗闘争は2月17日に全土で数百万人にものぼっている。

 2月17日午後3時から在日ミャンマー大使館前(京浜急行北品川駅下車)で、在日ミャンマー人が「アウンサンスーチーさんの釈放や軍事クーデターを批判する」行動を行った。大使館前は日中にもかかわらず、若者たち数百人が集まった。スーチーさんの写真を掲げ、指3本を高く突き上げ抗議の意志を示した。

 ミャンマー(ヤンゴン)にいるデモ参加者から、SNSで次のようなメッセージが寄せられている。

 「軍事政権になると何かあっても拘束されるし、刑務所に入れられます。彼らには法律なんてない! 毎日鍋叩くのも違反、ロウソク付けるのも違反、何かを書いたり発信したりするのも違反、デモに参加するのも違反、海外に情報流すのも違反、赤の旗を家に出して見せるのも違反、お医者さんがCDMに参加するのも違反、大衆の前にスピーチするのも違反です。指3本サインするのも違反です」。

 「だから、何かの反抗行為はすべて違反です。今選挙委員会のメンバーたちを拘束するだけじゃなくて、選挙を管理する先生すべて拘束しようとしているから逃げています。今日夕方からお医者さんや学生リーダーたちも次々と拘束されています」。

 「どこに連行され、何をされるかいつ釈放してくれるか分からない。連絡もできない! 2007年に行方不明になって殺害された人は大勢います。デモのリーダーたち、若者たちも次々と拘束されています。夜中に連行しに来ます」。

 「ソーシャルメディアに投稿するぐらいはちっぽけな行為です。私たちはいつ
つかまってもおかしくないし、別に何も感じません」。

 「ただ、自分たちだけじゃなく家族たちまで拘束されたり、海外行く時行けな
くなったり、財産取られたりするからそれだけ気を使っています。私たち道にデモしている若者たちはそれを理解した上に、自分たちの未来のために頑張っています」。(略)

 軍事政権は弾圧を強めているが、それに抵抗する人びとの闘いはより深く広がり、国際的にも軍事政権は孤立を深めている。国際的連帯で軍事政権を退陣に追い込もう。

(M)

報告 2.12 対オリ・パラ組織委員会抗議行動

212-1森辞任で幕引きならず

晴海で抗議のアピール

 森喜朗・オリパラ組織委員会会長の女性差別発言に対する抗議の声を受けて2月12日に急遽開かれた組織委員会の理事会と評議員会の合同懇談会で、森喜朗は辞任を表明した。当初、日本サッカー協会相談役で選手村の村長に就任している川淵三郎氏に「禅譲」しようとしたが、差別発言の本人が次期会長を指名するなどあり得ないという批判が高まり、結局は次期会長選考委員会の設置とジェンダー平等検討プロジェクトチームの設置などが発表された。選考委員長は組織委員会の名誉会長の御手洗富士夫キヤノン会長が就任。他の選考委員は非公開だという。

御手洗は06年の第一次安倍内閣から10年の民主党政権までのあいだ経団連会長を
務めた人物。当時問題になっていたキヤノンをはじめ大手メーカーの偽装請負は法律が悪いからだと国の諮問会議の場で発言して製造派遣の期間を3年に延長したり、法人税率の10%引き下げなどを提唱したことでもわかるように、セクシズムとキャピタリズムの祝賀資本主義の象徴であるオリパラの最後を飾るにはふさわしい人物と言える。

 合同懇談会が開かれた組織委員会のオフィスが入る晴海のトリトンスクエアでは、東京2020の中止とオリンピック・パラリンピックの廃止を求めるスタンディングが行われた。緊急の呼びかけにもかかわらず30人以上が集まった。行動を呼びかけたのは「五輪災害おことわり連絡会」。野宿者排除に抗議して何度も組織委員会に抗議してきた反五輪の会は「森辞任で幕引きなんて許さない! 性差別者たちのための砦 オリンピック・パラリンピックを廃止せよ!」の声明を発表、森の女性差別発言に抗議する声明を出したふぇみん婦人民主クラブの会員や武器取引反対ネットワーク(NAJAT)のメンバーなどが、森の辞任で幕引きを図ろうとする組織委員会の対応や、コロナ禍の中での五輪強行の愚を批判し、根深い差別と競争主義にまみれたオリパラは止めるべきだと次々に発言をした。2月20日には日本オリンピック委員会(JOC)への抗議スタンディングも呼びかけられた。

人びとの怒りは収まらない

 森発言に対する女性たちの怒りは本物だ。男社会のヒエラルキーが貫徹された競技スポーツに君臨するミソジニスト(女性嫌悪主義者)の本音が、コロナに追い詰められた組織委員会のトップから噴き出した。森は懇談会後の記者会見でも「私自身は女性を蔑視するとかなんとか、そういう気持ちは毛頭ありませんし、これまでもオリンピック・パラリンピック、いわゆる障害のある人、ない人、みんな同じだよということですべて同じように扱って、議論してまいりました」と弁明している。だがみんな同じなわけがないのだ。抑圧され、差別された人々は、「そういう気持ちは毛頭ありません」などとうそぶかれればうそぶかれるほど、その深層の意図を鋭く感じ取る。しかも森の発言は、その瞬間にその場にいた記者が「これはアウトですよね」と同僚に語っているほどの内容だ。

一旦は「問題
は解決した」というコメントを出したIOCからもついには「完全に不適切」と言われる始末。自らの利益と権威のためにはすぐに翻意するIOCならではの対応だ。最後まで自らの差別発言とパワハラに頬かむりをして、周囲の無理解の所為にしつづけた森喜朗は、首相時代から20年が経った今でも全く変わっていなかったのだ。それはまた苦難と闘争の20年を歩んできた女性たちの歴史でもある。

 東京オリパラの即時中止を発表し、東京オリパラにおける数多の問題を検証する開かれた委員会を設置せよ。森喜朗はじめ公人らの女性差別発言の再発防止、可能な限りのクオーターを実現しよう。コロナと貧困対策、そして原発被災者と原発廃止と気候変動対策にすべてのリソースを集中せよ。

 被災地の悲しみ、女性たちの怒り、コロナとたたかう人々の叫びが祝賀資本主義の饗宴の前に立ちはだかっている。ポスト・コロナとポストTOKYO2020の混沌たる状況をともに最前線で切り拓こう。        

(H)

2.14在日ベラルーシ人が呼びかけ「ルカシェンコの退陣を!」デモ

ベラルーシ政治犯釈放と公正選挙求め民族旗掲げて繁華街を行進

 春のような暖かな空気に包まれて、人通りが多くなっている有楽町と銀座の街頭に「ルカシェンコ退陣」「政治犯の釈放」「公正な選挙を行え」と、日本語とベラルーシ語のコールが響いた。ベラルーシの人たちと日本人が半々の約20人ほどの小さなデモなのだが、新型コロナで緊急事態宣言期間中のデモということもあって、人々の注目を集めた。

 しかし人々の注目を集めた一方で、「何のデモなのかよくわからない」という課題も残したようだ。ベラルーシの人たちは、ルカシェンコが作った赤と緑の「国旗」を認めていないので白と赤の「民族旗」を身にまとう。横断幕もなく、辛うじて掲げられたプラカードのなかに、日本語と英語で「ベラルーシ」と書かれているものがあったのが救いとなったようだ。

民衆連帯への一歩踏み出す

 ベラルーシでは昨年の8月から、大統領選挙の不正に抗議する巨大な平和的な
デモが行われてきた。実際に当選したのは、野党候補のスベトラーナ・チハノフスカヤだったのだが、ルカシェンコはデモを徹底的に弾圧して、チハノフスカヤを隣国のリトアニアに避難させて、1994年からずっと大統領職に居座っている。野党の幹部も全員が刑務所か強制亡命させられている。弾圧によって逮捕された人々の数は約3万人で、少なくとも10人が警察によって殺害されている。

 ルカシェンコを支援しているのはロシアのプーチンである。ルカシェンコはプー
チン政権の経済的・軍事的な後ろ盾なしには持ちこたえることはできなかっただろう。そしてそのロシアでも、反プーチンデモが頻発し大衆化してきている。そして弾圧も強まっている。ロシアとベラルーシの現政権が一体となって、大衆的で平和的なデモに襲いかかっているのである。

 この日のデモは、ささやかなものであったとしても、民衆への弾圧に反対する
声を上げて、ベラルーシと日本の国際主義的な民衆連帯のための貴重な一歩となったはずである。

(R)

 

2月14日、在日ミャンマー人がクーデター抗議デモ

214-2日本政府は軍事政権と関係を断て

5千人が大結集し、要請行動へ



 2月14日正午に、在日ミャンマー人たちが、東京代々木公園のNHK側の通路に集まり、軍事政権に抗議するデモを行った。原宿駅から集会所に向けて若い青年たちが続々と列をなした。

 ミャンマーでは、連日、軍政権に抗議する非暴力の抵抗デモやストライキが、首都や最大都市ヤンゴンなど全国に拡大している。治安に当たる警察官も、デモ隊に合流する人が出ていると伝えられている。軍事政権に対する民衆の抵抗が日に日に強まっている。

多彩な衣装を身にまとって

 2月1日の軍事クーデター以降、国連大学や外務省、在日ミャンマー大使館前と場所を変えて3千人を超える人々が参加してきたが、今回はそれを超える人々が集まった。スーチー派NLDが多数なんだろうが、少数民族の衣装をまとった人たちもたくさん参加していた。

 スーチーさんの写真、軍政権トップの写真にバツ印をつけた写真、スーチー派NLDや少数民族の旗をなびかせた。

 各人が持ち寄ったプラカードには、「クーデターを起こしたミャンマー軍事政権を日本政府は認めないでください!」「2020総選挙の結果に基づいて国会を開けるよう日本政府はミャンマー軍部に圧力をかけてください!」と書かれたものがあった。

 コロナ感染もあり、出発前の集会の形式もなく、デモ中のシュプレヒコールもなかった。国連大学を通り、表参道・代々木公園に帰るデモで、街を行く人たちにアピールした。

 400社を超える日本企業がミャンマーに進出しているという。ミャンマーと日本の関係は強いものがある。ミャンマーの人たちは軍事政権とつながりのある日本企業の撤退を要求している。日本政府は軍事クーデターを強く非難し、軍事政権に具体的な圧力をかけていない。われわれ民衆の側はミャンマーの人たちと連帯し、日本政府に軍事政権と関係を断てという要求をつきつけなければならない。 

(M)

【コロナ禍情勢】社会の分断と自死者の増は政治の責任だ - 運動で政府を動かし命を守ろう

_20210124_160235 新型コロナに感染し自宅療養をしていた女性が自死した。「女性は夫と幼い娘の3人暮らしで「娘にうつしてしまったのではないか」と思い悩んでいた」と報道されている。これ以上の背景はわからないが、新型コロナの感染が子どもへのいじめや差別、また自分が感染させたかもしれない人への健康や暮らしへの影響を考えた時に絶望的な気持ちになってしまったのだろうか。新型コロナへの感染は、感染者に疾患そのものの苦痛だけではなく、社会的差別、経済的困難など様々な重荷を背負わされる。その重荷は理不尽なことに、感染前から脆弱な社会的基盤しか持たない人々に最も過酷にのしかかる。


 小池都知事は今回の事態を受けて「心のケアも必要だと強く感じた」と語った。心のケアは確かに必要だ。しかし心のケアが効果を発揮するためには医療と経済的支援がしっかりなされなければならない。感染者が抱える孤独や不安は、医療へアクセスできないこと、療養による経済問題がその原因になっていることは容易に想像できる。医療へのアクセスと経済的支援が都民に届いていたのか検証する責任がある。それを抜きの「心のケアの必要性」は、タレントのコメントと同じである。


 現在、東京都は都立・公社3病院をコロナ専門病院に転用することを決めている。現在都立は8病院だが、そもそも都立病院は16病院あった。石原都政は、それを8病院まで削減した。全国でも、総務省の策定した07年から新旧公立病院改革ガイドラインで、公立病院が経済性だけで評価され統廃合がなされてきた。その結果、公立病院の病床数は08年から18年までの10年間で、21,052床も削減されている。今回の病床ひっ迫は医療費削減のための病床削減を行ってきた歴代政権による人災である。


政府は22日に罰則を盛り込んだ感染症などの「改悪」法案を閣議決定した。このような罰則の導入は、現場を混乱させ、検査忌避者を生み出し、感染者を犯罪者扱いする傾向を醸成し社会の分断と孤立を深め、今回のような自死者を更に生み出すだけである。


 コロナの自宅療養者数は全国で3万5千人を超え、緊急事態宣言が出ている11都道府県で昨年4月以降に18人が自宅療養中に亡くなっている。このうち15人が昨年12月以降である。3万5千人を超す人々が、入院したくてもできずに不安を抱えて暮らしている時に「入院拒否者に懲役」を科すような閣議決定を許してはいけない。

 

 昨年の自死が750人増となった。減少傾向を続けていた自死者が昨年を上回ったのは09年以来11年ぶり。男性の自死者は11年連続で減少しているので、今回の増加は女性の自死者が増えたことが原因である。健康長寿医療センターの研究チームは「第2波では女性は37%の増加で男性の5倍、20歳未満の子どもでは49%上昇した。」と発表した。まさに10代の増加が目立ったのが昨年の特徴だ。小中高生の自殺者は過去最高の440人となっている。

 コロナ禍はサービス分野で働く労働者に大きな打撃を与えた。ろくな補償もないまま強制された自粛営業は、シフト減による減収などにより暮らしを直撃した。それにもかかわらず、労働者の減った収入を直接補填する政策はない。今すぐに直接に減収分を補填する制度が必要だが、それまでのつなぎとして、一定収入に届いていない労働者に権利としての生活保護を申請することをすすめるキャンペーンを国の責任で行うべきだ。自家用車を所有している等の制限を取り払い、一定以下の収入しかない労働者に対して一律に給付しないと自死者は増え続けてしまうだろう。また今やライフラインとなった携帯電話の使用を停止されないように、減収になった労働者の携帯電話料金を減免する制度が必要である。今日、携帯電話が止められてしまうことは、社会から切断されてしまうことに等しく支援を求めることもできない。


中高生の自死者が過去最高になったのは、昨年行われた学校の一斉休校が影響していることは間違いない。思いつきで行われた一斉休校は、休校が中高生や家庭へ与える打撃をケアする術をもたなかった。さらに休校以降拡大したオンライン授業では、生徒の家庭の経済力により大きな格差が生じてしまう。また一律の授業料・給食費・通学費の免除、奨学金の支給などが必要である。

 補償なき自粛と、一斉休校という政府の誤った政策が今回の自死者増の原因である。11年ぶりに自死者が増えた昨年は、出生数が過去最低の85万人割れとなった年でもある。これはコロナ禍の日本社会が女性と青年世代に絶望を強制する社会であることをあらためて明らかにした。

 これ以上の自死者を出さないために、医療への支援と労働者の生活を支える政策が今すぐ必要である。不要不急のオリンピック・軍事費への支出をやめさせ、暮らしと医療を最優先で守る予算への変更を実現するために、野党は統一した予算の組み換え案を提出するべきである。そのためには運動による野党への圧力が不可欠である。

(矢野薫)

 

罰則で社会に分断を持ち込む政府の感染症法「改正」に反対する

_20210116_213402 政府は新型コロナウイルス感染症を巡る法改正で罰則を導入しようとしている。感染症対策は、あくまでも理解と協力のもと行わななければならない。理解と協力を得る努力を抜きにこれを強権で行えば、感染者を犯罪者のように扱うことになる。現在のように何の補償もないまま入院・宿泊療養を強制していけば、何らかの理由で入院・宿泊療養に応じられない人は検査を避けるようになり、結果的に感染を封じ込むことが逆に難しくなるだろう。

 また政府は、コロナ病床の受け入れを拒んだ医療機関名を公表することを盛り込んでいる。民間医療機関の多くがコロナ患者の受け入れに消極的なのは、コロナ患者を受け入れていなくとも受診者の減少で減収になっており、コロナ患者を受け入れるための人的・物的投資ができなくなっているからである。

東京では都立・公社病院を事実上のコロナ専門病院とすることで病床を確保しようとしている。一時的にコロナ専門病院となる都立広尾病院は、東京の島しょ医療、三次救急を担う病院である。広尾の場合、島しょ医療や三次救急の受け入れ機能を落とさないように地域でどのように再分担していくのか丁寧な計画が必要になる。

民間病院がコロナ患者を受け入れるためには一般医療を制限せざるを得ない。その時に今まで診療していた患者の受信先を見つけられなければコロナ患者を受け入れることはできない。このような事前の調整抜きに社会的制裁をまず加えれば、地域ごとの病院の連携は破壊されてしまう。

 日本医学会連合も14日緊急声明を出し「措置に伴って発⽣する社会的不利益に対して、本⼈の就労機会の保障、所得保障や医療介護サービス、その家族への育児介護サービスの無償提供などの⼗分な補償を⾏うこと。」が重要であり「刑事罰や罰則を伴わせる条項を設けないこと。」を求めている。

 政府の政策に決定的に足りていないのは、十分な補償とPCR検査数、患者家族、そして医療従事者への差別を防止する法的措置である。コロナ感染を理由に解雇された、コロナ病床で働く看護師の子どもが保育園で登園を拒否されるなどと言うことがないようにしなくてはいけない。

このような差別が広がったのは、政府がPCR検査数拡大を怠り医療へのアクセスを制限し、科学的根拠をもたない場当たり的な対応を繰り返した結果である。そのためコロナウイルス感染症は、ある人には死をもたらす感染経路不明な恐るべき病気となり、またある人には、罹患しても症状も出ないたいしたことのない病気になってしまった。

 政府は過去にも、ハンセン病患者を犯罪者として取り締まり取り返しのつかない人権侵害を引き起こした。医学会連合の声明も「かつて結核・ハンセン病では患者・感染者の強制収容が法的になされ、蔓延防⽌の名⽬のもと、科学的根拠が乏しいにもかかわらず、著しい⼈権侵害が⾏われてきました。上記のように現⾏の感染症法は、この歴史的反省のうえに成⽴した経緯があることを深く認識する必要があります。」と指摘している。

#罰則でコロナは封じ込められない
#自粛と補償はセット

を拡散させよう。罰則導入反対の世論を高め感染症法などの改悪を阻止しよう。 

(矢野薫)

【第二次緊急事態宣言】労働者・市民の命を奪う二つの危機

koike 自公政権は感染を抑え込むことはできない

命の危機が迫っている。原因は二つある。一つは感染爆発による医療崩壊。そしてもう一つは感染拡大と緊急事態宣言による経済活動の収縮。危機を回避するためには、医療に対するテコ入れと迅速で手厚い補償が急務である。しかし、そのような政策は全く出てはこない。出てくるのは、看護大学に学ぶ院生を医療医現場に派遣要請するとか、営業時間短縮に応じない店舗名を公表する、入院に応じない感染者に対して罰則を科すなど実効性がなく社会の亀裂をより深めるようなものばかりである。

パンクした保健所、崩壊する医療

 静かに医療崩壊が始まっている。東京では10日現在、感染が判明しながら入院・ホテル療養を待っている人が6930人にも上っている。感染の急拡大に伴い、療養先を調整する保健所がパンクしてしまったこと、ホテル・病床の確保が追い付かないことが原因だ。新型コロナウイルス感染症は発症後10日ほどで急激に悪化することがある。自宅で療養していた感染者が急激な症状悪化で救急要請を行うケースも多発している。

このままでは、医療につながることなく、また入院できても治療が間に合わず命を落とす人が多数出るだろう。政府は入院を拒否した人に罰則を科すことを検討しているが、入院したくてもできない人が巷にあふれているのが現実である。入院・療養先の確保に全力を尽くすのがまず政府のやるべきことである。

感染の急拡大は一般医療へも影響を及ぼしている。東京では、すでにコロナ患者受け入れのために緊急手術以外を制限する、心筋梗塞や脳血管疾患の急患を受け入れられない事態が発生している。5日に発表された日本脳卒中学会の声明によると、12月14日の段階で「何らかの診療制限がかかっている施設が 18.3%であり、13 施設は救急応需を 停止せざるを得ない状態でした。今回は関西地区で影響が大きい状況です。」と深刻な状況を報告している。12月の調査のために、医療崩壊に至った大阪の影響が強く出ているが、1月現在、全国が同様の状態になっていることは想像に難くない。

大阪がいち早く医療崩壊に至ったのは維新府政が、府立病院の地方独立行政法人化などで地域医療を、保健所の統廃合を強行し公衆衛生の基盤をそれぞれ破壊してきたからに他ならない。

昨年12月、自宅や屋外で亡くなり警察が対応した事案のうち新型コロナウイルスの感染が確認された死者が全国で56人いたことが発表された。いわば医療につながることができず命を落としたわけで、医療だけでなく保健所や福祉事務所など地域住民へのケアシステムの総合的な破たん度を知ることができる。

その数は東京36人、大阪が25人だが、人口当たりの死者数は大阪の方が多い。同じく昨年12月の新型コロナウイルスによる死者数は東京138人に対し大阪259人、それぞれ12月の感染者は19,245人と9,726人である。単純な比較はできないが大阪のコロナの死亡率は東京の4倍である。パフォーマンスで感染を防ぐことはできない。維新の失政の責任は厳しく追及されなければならない。

医療崩壊に対して今からどのような対策を取ることができるのだろうか。建物や医療機器は何とかなるかもしれないが、そこで働く医療従事者はすぐに養成することなどはできない。しかし現場では看護師の退職に歯止めがかからない。

医療崩壊した大阪でもコロナ専門病院となった十三病院などで退職者が相次いだ。だからこそ退職に歯止めがかかるように待遇を大幅に改善する必要がある。国は新型コロナウイルス感染症受け入れ病院に対して診療報酬の加算を行っている。

しかしこれは、病院の収入を増やすものであり労働者の処遇を改善するものではない。コロナ対応にかかわらずすべての医療労働者の賃金を直接上げることが必要である。しかし、実際には真逆の事態となっている。コロナ対応などにより多くの医療機関が減収になり医療従事者の労働条件を切り下げざるを得ない状況に追い込まれている。

国は新型コロナウイルス感染症患者に対応する労働者に一日当たり4,000円の手当を支給していたが、地方自治体では3,000円に切り下げられ、民間医療機関に至っては支払われてさえいない。家族への感染を心配しながら働く医師や看護師の冬のボーナスを削減しているのを政府は傍観しているのだから、医療崩壊を後押ししているのと同じである。

 「医療崩壊をくい止めるために医療労働者の処遇改善を」が、すべての労働組合の政府への統一した要求にならなければならない。

実効性のない緊急事態宣言

 7日に発令された緊急事態宣言の実態は「夜の宴会禁止令」でしかない。秋以降、過半数が感染経路不明になっている。またクラスターが発生しているのは病院、介護施設、家庭内である。すでに新型コロナウイルスの感染は市中に広がってしまっており、飲食店だけを、しかも夜間だけ営業制限してしても効果は極めて限定される。しかし飲食店には多くの労働者が雇用されており、飲食店に食材やおしぼり等を卸している企業などすそ野は広い。

したがって今回の緊急事態宣言は労働者の暮らしを破壊する副作用ばかりが大きく、感染を抑え込む効果が出ない可能性が大きい。新型コロナウイルスに対する特効薬がない現在。感染を抑え込むには人の動きを止めるしか手段はない。十分な補償とセットである程度人の動きを止めないと、菅が言うように1か月程度では到底感染拡大は押さえられないだろう。

 このように政府の対策が的外れなものになるのは、クラスター対策に偏向して大規模なPCR検査を行ってこなかったからである。感染がどのように広がってきたのかをクラスター分析で明らかにしようとしてきた。この方法は感染がゆっくりと拡大していく結核に対して行われてきたもので、急速に拡大していく新型コロナウイルスには無効だった。神奈川では、すでに家族以外の濃厚接触者の追跡を中止している。大規模PCR検査の実施を政府に求めていかなければならない。

 年末年始に労働組合や支援団体によって取り組まれた生活相談活動によって、貧困の広がりが明らかになった。数百円の所持金しかない状態でようやく支援団体にたどり着いたケースなどが多数報告されている。現在の不十分な補償と中途半端な時短要請時短要請では貧困に突き落とされ生存権を奪われ自殺や餓死する労働者が多数発生してしまう。

例えば夜のシフトが無くなり減収になった労働者等、個人へ直接的な援助が可能になる制度の構築が求められている。しかしまずは、政府が労働していても収入が生活保護基準を下回った場合、生活保護を申請する権利があることを大々的にキャンペーンすることが必要である。自民党が繰り返してきた生活保護バッシングが社会に生活保護を忌避する空気をつくりだし、コロナ禍の今、人命を奪うような事態に陥っている。

 そして新たな失業者を生み出さないためにも、労働組合の反失業闘争、雇用の補償と最低賃金の引上げが必要である。また反貧困闘争として消費税減税、財源確保のための富裕層への課税強化が必要である。そしてオリンピックを直ちに中止し、オリンピック関連の予算を医療に回すことを要求しよう。同時に軍事費の削減を要求しよう。

 深刻な貧困の広がりを前にしてベーシックインカム論が注目を集めている。ベーシックインカムは月に7万円ほどの給付で、医療や福祉に対する政府の責任を免除する制度である。コロナ禍が明らかにしたのは、この資本主義社会では命を守る医療も商品であり、労働者は自らの労働力を商品として売ることができなければ、医療をはじめ自らの生存に必要な一切を手に入れることができないということだ。

感染爆発はこの社会の医療・福祉という資本主義社会において最も脆弱な部分に深いダメージを与えた。社会を分断することで統治してきた自公政権には新型コロナウイルス感染症を抑え込むことはできないだろう。社会的連帯による労働者の組織された自粛と生活保障、医療・公共サービスの充実こそが感染を抑え込むことができる。その運動は資本主義の廃絶を目指す運動の、再びの第一歩となるだろう。

(矢野薫)

アメリカ:盗まれた選挙?(デイビッド・フィンケル/ソリダリティ全国委員会)


20210106dc

by デイビッド・フィンケル(ソリダリティ全国委員会)
2021年1月8日
  

2021年1月7日-11月の選挙結果を覆そうとする敗北した大統領の主張やドナルド・トランプによって扇動された「反乱」未遂に直面して、「アメリカの民主的な憲法制度の強さと回復力」について、今後数週間で多くのことが語られることになるだろう。バイデン/ハリス選挙人団の勝利を正式に議会で批准することをめぐる混乱は、1月20日の大統領就任式では繰り返されないと予測するのが妥当なところだろう。

 

ここで起こる可能性がある

 

現実はもっと複雑で、バラ色ではない。そうした神聖なる「制度」は実際には反民主主義的な改ざんに対して非常に脆弱である。というのは、一つには制度がそもそも民主的であるようには設計されていなかったからだ。トランプの「盗まれた選挙」というゲームは多くの理由で崩壊したが、異なった、しかし完全に考えうる状況の下では、もっと脅威をもたらすものになっていたかもしれないのだ。

いくつかのもっとも重要な事実を見てみよう。



1.アメリカの民主主義はこんなものなのだが、黒人有権者が大挙して選挙で投票したこと-そして、激戦州ではラテン系や先住民の有権者が投票したこと-によって救われた。そうした人々の投票が否定できないほどの大差をつけ、トランプを打ち倒したのである。とりわけジョージア州のようなところでは、これは選挙区を都合よく改変した右翼的な州議会がおこなってきた組織的な有権者弾圧策を克服した長年の草の根の組織化への賛辞である。こうした英雄的な努力は、悲惨な新自由主義に主導された民主党にはもったいないと言いたいところだが、それがアメリカの政治に歴史的な変化をもたらしたことは間違いない。



2.
この長期的な闘いは決して終わってはいない。共和党員がトランプの沈没船から離脱する-その多くがトランプのもっとも悪名高い後援者だった-とき、共和党はトランプ氏の「遺産」をめぐって、さらには中道新自由主義のバイデン政権と共存・協力するか、それともバラク・オバマの当選以来追求してきた遵法的妨害行為を継続するかをめぐって分裂することになるだろう。共和党を、とりわけ州レベルで団結させているものは、有権者への弾圧である。これは、アメリカ合衆国の有権者に占める白人の割合が高齢化して減少する中で、共和党が政権を維持する唯一の方法だからである。

これはただの脅しではない。夜に入って[催涙ガスの]煙が消えたあと、選挙結果を支持すると主張している共和党議員の演説に注目してみると、「州が選挙を運営する権利に介入できる」のは連邦議会ではないと述べていた。その演説者の一人がランド・ポール上院議員で、ジョージア州での決選投票の前に、より多くの人々に投票するよう働きかければ、「選挙結果を変えてしまう可能性がある」という見解を述べていた。冗談じゃない!


実際に必要とされているのは強力な連邦選挙権法であり、州議会や州政府が-ディープサウスだけでなく-有権者名簿の粛清を行い、登録を妨害し、コロナウイルス危機の只中で11月の選挙の投票率を歴史的に大きくするのを助ける期日前投票や郵送投票を制限し、あからさまに黒人コミュニティのための投票所を減らし、人種差別的なゲリマンダー[自党に有利になるような選挙区割り]をおこなっている州にきっちりと介入することである。バイデン/ハリス政権が投票する権利のために、口先だけではなく闘うかどうかは、非常に大きな問題になるだろう(この先には、選挙人団なる「神聖な機関」を排除するという大きな憲法上の問題がある。それが全国的な一般投票を無力化し、僅差で争われている州での悪質ないたずらを可能にしているからである)


3.政治家とメディアは、昨日起こったことを「反乱」と表現している。これは反乱の名を汚すナンセンスなものである。


連邦議会議事堂への攻撃は、計画的で潜在的に殺人的な暴徒の行動として、確かに非常に深刻であり、来るかもしれない右翼テロの不吉な脅威である。警察の残虐行為に対するブラックライブズマターの多くの抗議行動への残忍な対応と、昨日の侵入者が建物内で逮捕されたとしても、みたところほとんどいなかったという事実との対比を誰も見逃すことはできない。(その後の逮捕は、その日の出来事のあと出された外出禁止令違反のためだった)

トランプは、盗まれた「地滑り」的勝利についての嘘を繰り返す水曜日朝の集会で、集会参加者と一緒にいることを示しながら、「連邦議会議事堂への行進」を群衆に呼びかけた。もちろん、彼はその後、テレビ画面が壁一杯にあるホワイトハウスの地下室に引きこもった。1月6日にワシントンへの結集を呼びかけたとき、トランプはその日は「ワイルド」なものになるだろうと言っていた。これらがウイルスの超拡散イベントであるという事実を除けば、それは確かに暴徒の扇動だった。

しかし、「反乱」とは、権力を掌握しようとする試みを意味するのか? それには、政府機関への半自然発生的な攻撃以上のものが必要である。左翼から見れば、抑圧的な政権に対する反乱には、ゼネストを実行できる、そして軍事機構の分裂を強制することができる大規模な大衆運動が必要である。右翼から見れば、クーデターは補助的に暴徒の暴力を使うかもしれないが、実際の行動は、路上での戦車、標的を絞った一斉摘発や逮捕、反体制派に対する組織的なテロである。昨日の首都ワシントンにはそのようなものは全くなかった。これは、白人至上主義極右および選挙が「盗まれた」と考える現実から遊離したイデオロギー世界に暮らす多数のトランプ支持者からもたらされる現実の脅威を過小評価しているわけではない。


4.トランプ/共和党による「盗まれた選挙」キャンペーンの脅威は、「誠実な政権移行を支援するプロジェクト」[ジョージタウン大学教授のローザ・ブルックスなどが参画した超党派組織]とその創立者たちによって事前に理解され、広く議論されていたが、これは冗談ではなかった。それが崩壊したでたらめなやり方で、われわれを欺くことはできない。

もし、11月の選挙結果がもっと接戦だったら、トランプ一味の選挙後の動きがより効果的に組織され、調整されていたら、法的手段が辛うじて生きているに過ぎないルディ・ジュリアーニの手に渡らなかったら、州判事および連邦判事のうち数人でもトランプ自身と同じくらい腐敗していたとしたら-そしておそらくミシガン、ペンシルバニア、ウィスコンシンの州知事が2018年以降も共和党の手中にあったら、アメリカ合衆国は、二世紀以上にわたってそのエリートたちにとてもよく仕えてきた憲法制度に対する実存的な脅威に本当に直面していたかもしれない。

アメリカ民主主義のいまにも壊れそうな状態は、政府や企業のコンピュータシステムがロシアのハッキングに対して脆弱であることが判明したのと同じように、内部からの破壊に対して脆弱なのである。もう一つの「盗まれた選挙」のシナリオが極端にまで推し進められれば、今ではなくその道筋のどこかで、ひょっとすると国を分裂させる可能性がある。そう、それは、ここで起こる可能性があることなのだ。



5.昨日の暴力的失敗は、トランプ大統領に残されていたものを粉々にしてしまった。そして、おそらく(確信は持てないが)トランプ自身と彼の犯罪的家族の将来の政治的な展望をも破壊してしまった。ラッシュ・リンボー[保守派の代表的なラジオ・パーソナリティーで、トランプの支持者だった]は(17日のラジオ放送で)「もしワシントンで生活したいなら、いまやトランプを非難しなければならない」とそのことを実に正確に示した。このような突然の共和党への転向の偽善を理解するのに、リンボーのファンになる必要はない。


ついに、企業を支配している階級の中心的グループが声を上げ始めた。たとえば、ツイッターやフェイスブックがトランプのカルト信者へのアクセスを停止し、全米製造業協会が修正第25条で彼を排除するよう求め、ゴールドマン・サックスのデビッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)やジェイミー・ディモンなど、トランプの政策によって許しがたいほど金持ちになった金融業界のリーダーたちがトランプに反旗を翻したのだ。トランプはこうした人たちにはもはや用なしなのである。

2024年にトランプが立候補すれば、永久に共和党を破壊してしまうかもしれない。たとえ今はトランプなしに進まなければならないとしても、それはトランプ主義と呼ばれるものの終わりを意味するものではない。


この点では、1月3日に『Jacobin』に掲載されたサミュエル・ファーバーの分析「トランプ主義は持続するだろう」が非常にお勧めである。昨日のトランプの自爆前に書いているにもかかわらず、ファーバーは重要なポイントを指摘している。「トランプ主義を理解するためのもっとも有用な方法は、おそらく経済的衰退と認識された道徳の崩壊という客観的条件に対する右翼の反応として理解することである」。

この文脈では、「認識された道徳の崩壊」は、あまりにも多くの白人男性が与所与のものとして考えてきた地位や特権がいまや挑戦の対象となっていることへの右翼の怒りを軸として起きているものだ。これは、ここではできないほどのより深い議論を必要とするが、アメリカ社会の一つの現実の核心に迫るもので、とりわけ社会主義的左翼のわれわれが直面している中心的な問題に達している。労働者階級の相当部分が、特に白人労働者の間では、権威主義的で右翼的なレイシスト的政治に勧誘されている。

そうした人々の忠誠心がトランプへの帰依から新たな指導者へと移せるかどうかは、依然として見守っていくべきである。しかし、それは、労働者階級の「トランプ主義」が、勝ちとって維持されるべき真剣な改革を獲得しようとする闘争の大きな障害として残り続けることに比べれば、二義的なものに過ぎない。


なぜ、どのようにしてそれが起こったのかを理解するためには、われわれの状況の二番目の現実を理解する必要がある。つまり、バイデンと狭い意味での民主党が支配する議会を待ち受けている危機の客観的な巨大さである。新型コロナウイルスの大惨事、医療システムの崩壊、ワクチン導入の混乱。何千万もの労働者や中産階級の家族が直面している立ち退き、永久的な失業、破産、借金と医療費による破滅。どうしようもないほど水面下にある州政府や地方自治体。そして、トランプ大統領の四年間によってさらに悪化した、そのことすべてを覆い尽くす、絶え間ない気候変動と環境災害。

その状況は、絶対的に巨大な政策を必要としている。つまり、大規模な景気刺激・救済策、予防接種を実現するための医療資源とおそらくは軍事資源の動員、化石燃料産業からの「急速な」移行、真のグリーン・ニューディールとメディケア・フォー・オール[国民皆保険制度]、でたらめな営利目的の移民収容所の即時閉鎖などである。民主党が与えられた権力をどう使うかを考え、共和党側は「超党派」になるのか、「妨害主義者」になるのかを考えているときに、両党内の「穏健」勢力を称賛した人々は何を期待するのだろうか?


左翼と社会運動にとっては、それだからこそ重要なことは、活動的で、動員を維持しながら、わずかばかりのパン粉のためにではなく、必要とするもののために闘うことである。トランプの自壊を祝うことは確かに正常なことだが、バイデンと左翼との蜜月関係は絶対にそうではない。

2021年1月8日


『インターナショナル・ビューポイント』2021年1月8日


原文 
GrandTheft Election?

報告 12.20 香港連帯緊急アクション・スタンディング

1220政治弾圧に抗議し、香港・中国の民主化運動を支援しよう

民主主義と人権は国境を越えて


人権・民主主義を確立しよう!

 12月20日午後2時から、新宿駅東口アルタ前広場で「民主主義と人権は国境を越えて~香港での政治弾圧に抗議し、香港・中国の民主化運動を支援しよう 香港連帯緊急アクション・スタンディング」がFight for Hong Kong 香港連帯緊急アクションの呼びかけで行われた。

 司会の京極紀子さんが「国家安全法によってジョシュア・ウォン(黄之鋒)、
アグネス・チョウ(周庭)らを初めとして懲役刑が下されるなど、厳しい弾圧が行われている。国際社会から大きな批判が起きている。日本で抗議し、闘いに連帯していきたい」と述べた。

 次に、稲垣豊さんが香港での弾圧状況(別掲載の行動呼びかけ文を参照)を報
告し、12月10日国際人権デーに中国国内で、人権弁護士やその家族が公安警察によって自宅軟禁に置かれる弾圧を受けている事例をあげて、香港での弾圧が中国国内の抑圧とつながっていることを理解し、東アジア規模での民主主義・人権の確立の必要性を訴えた。

思い思いの連帯アピールが続く

 続いて、参加した人たちからのアピールが行われた。

◦「彼らが間違っているわけではない。全人類への圧迫と同じだ。今日のような行動を通じて香港の人たちを勇気づけたい」。


◦「2018年12月南京大虐殺の前日に、香港人2人が靖国神社で抗議行動を1分
間やっただけで10カ月勾留され、10カ月と8カ月の懲役刑を言い渡され、国外追放された。今裁判は最高裁に上告され争われている。香港人への日本国内での弾圧にも抗議する」。

◦「今の香港弾圧は他人ごとではなく共通点が多い。オリンピックが平和の祭典だ
とされるのに抗議しただけで、家宅捜索されたり、ヘイト反対デモで警官に携帯電話を払われたりした。香港では反対派への攻撃として性暴力が行使された。日本では草津町の前町議の新井さんがレイプ告発したのに対して、逆に失職させられる攻撃にあっている。『日の丸』を掲げる人が香港連帯なんておかしい(日本が戦争で香港をじゅうりんした)。民主主義・人権・弾圧抗議に国境はない」。

 行動のまとめとして稲垣さんが「立法会選挙はコロナ感染で1年延長された。70議席のうち、民主派は22議席だったが4人がはく奪され、2人残して他全員が辞任した。来年の選挙は厳しいものになるだろう。『われわれは必ず戻ってくる』というスローガンを2014年12月に掲げた。そして昨年の運動が起きた。必ずもう一度戻ってくるだろう。連帯行動を続けたい」と述べた。  

(M)

 
 12.20行動よびかけより
 
 12月2日、ジョシュア・ウォン(黄之鋒)、アグネス・チョウ(周庭)、アイバン・ラム(林朗彦)の3人が昨年6月21日の香港警察本部包囲行動を扇動したとして、それぞれ13カ月半、10カ月、7カ月の禁固刑の判決を受け収監されました。実際にはけが人や被害など全くでなかった事件にもかかわらず、予想された通りの厳しい量刑となりました。運動全体に対する恫喝とあわせて、来年9月に予定されている立法会選挙への立候補を妨害する判決とも言えます。

 この判決は国際的にも注目されており、欧米諸国の政府も批判的コメントを発
する中、国連人権理事会から多くの勧告を受け続ける「人権後進国」の日本政府はほぼ沈黙を保っています。コロナ対策や人命よりもビジネス、基地建設、オリンピックを優先する人権軽視の姿勢がここでも貫徹されています。

 香港現地で声をあげづらくなっていますが、民主主義と人権に国境はありませ
ん。日本から抗議と連帯の声を上げたいと思います。ぜひご参加ください。

弾圧の厳しさ増す香港の状況 

 今年6月末に制定された香港国家安全維持法によって、香港の人権状況はさらに厳しさを増しています。12月3日には許智峯・元香港議員が滞在先のデンマークで亡命を宣言しました。彼は11月に中国全人代が4人の民主派議員の資格はく奪を決定したことに抗議して議員辞職した19人の民主派議員の一人で、「違法」集会への参加や議会での国歌法案審議の議事妨害など9つの容疑で起訴されていました。同日、米政府の制裁法制定のために資金援助した国家安全法違反の容疑で8月10日に逮捕され保釈中だったメディア王のジミー・ライ(黎智英)も別件の詐欺罪で検挙され、国家安全法を専門に審理する裁判官が保釈を認めず拘置所に収監されました。

民間人権陣線や元議員らにも弾圧

12月8日には、警察の許可がでなかった毎年恒例の7・1デモを無許可で行った容疑で民主人権陣線の副代表のフィーゴ(陳皓桓)、元立法委員の胡志偉、朱凱廸、梁國雄が逮捕。また11月に行われた中文大学の卒業式の際に昨年11月の中文籠城戦を模したパフォーマンスが国家安全維持法違反の疑いがあると大学当局が通報し12月7日に区議会議員2人を含む8人が検挙されているなど、民主派や本土派への弾圧が広がっています。

中国本土に連行され100日以上も接見禁止に

 昨年来の抗議行動で今年10月31日までに1万16人が逮捕、2210人が起訴されていますが、6月末から施行された国家安全維持法では、海外勢力との結託、国家分裂煽動などの容疑で海外指名手配6人を含む延べ44人が逮捕や起訴されています。また台湾への密航を企てたとして8月23日に香港領海上で拘束された16~33歳の12人の香港人は、中国・深圳に送還され、深圳の拘置所に勾留され弁護士や家族とも接見できない状態が100日以上も続いています。

強まる国家主義に抗して

 香港ではコロナ禍によって集会やデモが禁止されるだけでなく、SNSやメディアでの発言を含め声が上げづらくなっている状況です。東アジアや世界で、香港や中国の民主化と人権尊重を求めるための国際的な取り組みは今後ますます重要になります。というのもジョシュア・ウォンさんやアグネス・チョウさんらが社会運動にかかわったのは2010年に中国政府の意向を忖度した香港政府が進めようとした道徳国民教育の教科化に反対したことがきっかけでしたし、デンマークで亡命を発表した許智峯元議員の容疑は国歌法案反対での議事妨害でした。

日本の社会運動が香港・中国の民主化運動に連帯しなければならないたくさんの理由

◦日本でも戦後民主主義に対する反動として同じような国家主義的教育が進められており、それに対して長年「日の丸・君が代」や天皇制に反対する運動が続けられていますが、そういった運動こそ、国家主義に反対するアジアの若い運動とつながる歴史的回路をもっているといえるでしょう。

沖縄辺野古の米軍基地建設に反対する運動、自衛隊による西南諸島の再軍備化や武器輸出に反対する運動は、国家安全や軍事的衝突の危機を煽り中国・香港政府が人権や民主化運動を委縮させる動きを逆に促進させている日米政府の策略にくさびを打ち込む役割を果たすはずです。

◦人権侵害の移民難民政策を続ける日本の政策を変えようとする社会運動は、香港
や中国はじめ世界からの政治難民の受け入れにも大きく門戸を開くことにつながるでしょう。

◦菅政権によるデジタル庁やマイナンバー推進に反対する運動は、日本以上のデジタル監視社会である中国の人権侵害に苦しむ人々につながる回路を十分に持っているはずです。

◦民主的な職場や社会のために奮闘する日本の労働運動は、昨年来の抗議行動に試みられたゼネストの失敗を契機に誕生した香港の新しい労働組合運動や中国の労働者支援を続ける民主派労組とつながる労働者の国際連帯を実践することができるでしょう。

◦日本や世界の#MeToo運動は、権力だけでなく運動内部におけるマッチョイムズや性差別に苦しむ香港の友人たちとのシスターフッドを築くことができます。

◦日本の民族差別とたたかう人々や運動は、香港や中国国内において「抑圧民族」の民族差別に苦しむ人々とつながる優しさにあふれているはずです。

国境こえる民主主義と人権の実現にむけて

 このように日本における様々な人権侵害や差別とたたかう社会運動が、今後、長期にわたって厳しい状況を余儀なくされるかもしれない香港・中国の民主化運動に連帯すること、そして日本において政治的にも経済的にもより民主的で平等な社会をつくることこそ、香港、中国をはじめとする東アジアの民主化にとっての最大の貢献となるでしょう。それは台湾の経験からも明らかです。国境を超える人権侵害に対抗するには、国境こえる民主主義と人権の実現にむけて奮闘するしかないのです。ぜひご参加ください。

報告:今こそ中止だ!東京五輪 11・13集会

配信:反オリンピック集会 11月13日夜、東京の文京区民センターで「今こそ中止だ!東京五輪 11・13集会」が開催された。主催は「オリンピックおことわリンク」と反五輪の会。

 コロナウィルスの蔓延で2020年東京五輪は中止になったものの、安倍前首相が福島原発事故の影響を「アンダーコントロール」という見え透いた虚言で否定し、五輪を「復興」イベントの踏み台にしようとしていることは変わりがない。

 2021年の「東京五輪強行」は、安倍後継の菅政権にとっても、自らの政権運営プログラムにとってもきわめて重要な位置を占めている。「2021年東京五輪」という国家主義・環境破壊に染めぬかれた祭典は、日本の支配階級・大企業にとってなんとしても「成功させなければならない」国際的イベントなのである。

 司会の中森さんが「欧州でも米国でも、そして日本でもコロナ被害が新たな広がりを見せているさなかの11月15日、IOCのバッハ会長が来日し来年の東京五輪開催に向けて菅首相、小池知事らと打ち合わせを進めていくことを呼びかけた。

 集会では宮崎俊郎さん(オリンピック災害おことわリンク)が「東京五輪 即時中止に向けて」と問題提起。世界的にコロナ感染が収まるどころか激化し、日本でも新たな波が広がっている中で公安畑出身の杉田内閣官房副長官が中心となって一連の緻密な予防・治安対策を進めようとしていることを紹介した。

 鵜飼哲さん(おことわリンク)は、福島原発事故との関連抜きに東京オリンピックを語れないことを強調。原発事故を踏み台にして企画され、オリンピックのために福島原発事故が利用されたことを強調。「コンパクト五輪」と言いながら電力を大量消費するメガイベントにしかなりえない欺瞞性を明らかにした。鵜飼さんは「五輪の中止を求め、返上しよう。巨大な国策ショーケースとしての『復興五輪』を批判しよう」と訴えた。この「復興五輪」賛歌は福島出身の古関裕而がNHKの朝ドラの主人公となったこととも関連している。

 次に都庁職病院支部書記長で看護師の大利英昭さんが発言。「予算も人もオリパラのために割り当てられる中で、10月29日に大利さんの職場である駒込病院で院内感染が発生し同じ部屋の患者、看護師に感染した」ことを報告。そのため八五人の職員が自宅待機となった」と報告した。個室であれば患者から患者への感染は防げるが、日本の病院は大部屋中心であり、さらに介護の現場でもクラスターが発生し続けている、と明らかにした。

 「オリパラにカネを使うのではなく命の危機を回避するために使うべきだ。脆弱な日本の医療の改善こそ必要だ」と大利さんは強調した。

 さらにスポーツジャーナリストの谷口源太郎さんからのメッセージが代読された。福島の地元ジャーナリスト(元福島民放記者)の藍原寛子さんは、被災地である福島県内の聖火リレーコースの今を映像で紹介した。オリンピックのために被災地の「安全」が意識的に宣伝され、被災地での聖火リレーなど「原発事故からの復興」と「東京五輪の成功」を結び付けるキャンペーンが行われてきた。それがいかに欺瞞に満ち、実際とかけ離れたものであるかを、藍原さんは指摘した。藍原さんはまたNHKの朝ドラの主人公となった福島出身の作曲家古関裕而の「軍歌の覇王」としての実像をも明らかにした。

(K)

 

報告:天皇も跡継ぎもいらない 11・8『立皇嗣の礼』反対緊急行動

配信:反天デモ 11月8日、国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動は、「天皇も跡継ぎもいらない 11・8『立皇嗣の礼』反対緊急行動」を行った。

 「天皇代替わり」の最後の儀式である「立皇嗣の礼」は、秋篠宮が「皇嗣」となったことを宣言する「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」、天皇にお礼を述べる「朝見の儀」、賓客を招いた祝宴「宮中饗宴(きょうえん)の儀」(都合2回)などを行う。4月19日に行われる予定だったが、新型コロナウイルスによる「緊急事態宣言」体制の下で延期されていた。規模を縮小しながらも新たな天皇制を国内外にアピールし、民衆統合装置の任務を担おうと宣言する場でもある。天皇制の延命を許さず、その反動性と差別を暴き出し、決意新たに天皇制解体に向けてスクラムを強化していこう。

 原宿・神宮橋で前段集会が行われ、主催者あいさつを天野恵一さん(反天皇制運動連絡会)が行った。

 「『立皇嗣の礼』は、天皇が主催で秋篠宮夫婦が宮中三殿に上がり、皇室儀礼に参加できる資格を持つことを確認する儀式だ。皇室神道により序列を確認する。このような儀式は、当然批判していかなければならないが、反天皇制運動の状況は厳しい。衆議院・参議院で立皇嗣の礼への祝意を表す賀詞決議している。東京都の賀詞も出ている。議会内で天皇制反対派が全然いなくなってしまった構造が続いている。共産党を中心とする護憲派は、天皇制の宗教性、政治性の拡大につながるような動きに対してブレーキをかける論理を持っていた。ところが反対する動きが一切なくなってしまい、むしろ向こう側に取り込まれてしまっているような構造になっている」。

 「天皇代替わりをめぐる一連の儀式が宗教性、公的行為、政治的動きなどについて合憲であることを定着させるために行ってきた。そもそも天皇が発議して法律を変えさせることが起きたにもかかわらず、護憲学者ですらそのことに対する批判が全然できないという状況になっている。戦後の護憲憲法学そのものの全体の崩壊を確認せざるをえないような事態だ。議会内の反対派を封じ込めた上で天皇制を再定義する。つまり、戦後、自民党がねらってきたことだ。さらに九条についても同じだ。自衛隊合憲論のうえで九条の条文防衛の運動、護憲運動では天皇について論議しないまま代替わりを通過させてしまった。われわれのような原則的な天皇制反対派に対して、メディアも含めて存在していないというような形で対処してきている。こういう状況であればあるほど本日の行動は大切だ」と強調した。

 続いて反戦・反天皇制労働者ネットワーク、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)、オリンピック災害おことわり連絡会から連帯アピール。最後に実行委から「天皇も跡継ぎもいらない 11・8『立皇嗣の礼』反対緊急行動アピール」(別掲)が読み上げられた。

 集会後、渋谷に向けてデモに移り、「立皇嗣の礼に反対!いますぐやめろ!私たちは天皇儀礼を祝わないぞ!」のシュプレヒコールを響かせた。

(Y)




【声明】天皇も跡継ぎもいらない  11・8「立皇嗣の礼」反対緊急行動アピール

 10月9日、政府は、延期していた「立皇嗣の礼」を11月8日に開催する旨閣議決定した。さらに閣議では、祝意を表すため、当日各府省で「日の丸」を掲揚するほか、地方自治体や学校、会社などに掲揚への協力を求めることも決めた。また、衆参両院は、「立皇嗣の礼」に祝賀の意思を表す「賀詞」を、本会議において決議した。

 「立皇嗣の礼」は、秋篠宮が「皇嗣」となったことを宣言する「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」、天皇にお礼を述べる「朝見の儀」、賓客を招いた祝宴「宮中饗宴(きょうえん)の儀」(都合2回)などからなる儀式で、それぞれ皇居宮殿・松の間で、「国の儀式」として行われることになっていた。今年の4月19日に行われる予定になっていたが、新型コロナウイルスによる「緊急事態宣言」体制の下で延期され、「収束状況を踏まえてあらためて日程を決める」としていたものだ。しかし、コロナ状況の「収束」など一向に見通せていないにも関わらず、饗宴の儀を中止し、宣明の儀の参加者も350人から50人に減らすなどして儀式を断行しようとしているのだ。

 この儀式は一連の「天皇代替わり」の最後の儀式として位置づけられることから、2016年の明仁の「退位意向表明」から始まった天皇主導の「Xデー」に区切りを付け、天皇・上皇・皇嗣からなる「新しい時代」の天皇制の開始を告げるためのものである。すなわち、明仁が退位し、徳仁が新天皇に即位し、文仁が次の天皇となることを宣言するということで、天皇制という制度は、これからもこうして永続していくのだということを、多額の税金を投入して確認し宣伝するのだ。それは当然、女性宮家容認、旧皇族の復活など、天皇主義者の間でも割れている今後の天皇制のあり方に関する議論(「皇室典範」見直し)とも連続するだろう。

 そもそも「立皇嗣の礼」なるものは、何かと言えば「伝統」を重んじるという天皇家にとっても、前例のない儀式である。それは「立太子の礼」に準ずるものしてなされようとしているが、「立太子の礼」もまた現行の皇室典範にすら規定のない、全く不要であり違憲の儀式であることを確認しておかなければならない。

 近代天皇制においては新天皇の即位後に、次の皇太子に対する儀礼である「立太子の礼」がこれまで4回行われてきた。戦前には立太子にまつわる詳細を定めた立儲令というものがあったが、これに基づいて儀式を行ったのは昭和天皇だけであり、同令も1947年に廃止されている。

 そして多くの天皇制の儀式がそうであるように、この儀式も皇室祭祀と結びついたものである。「立皇嗣宣明の儀」の後で天皇から受け取る壺切御剣(つぼきりのぎょけん)は、「皇嗣」の「護り刀」であり、これを受けて初めて「皇嗣」は、「天神地祇」や「皇祖神」などを祀った宮中三殿の殿上に昇ること(昇殿)ができるようになる。これが彼らにとって重要なのは、11月23日に宮中で行われる新嘗祭などの神事に、天皇と「皇嗣」がともに神に奉仕することが必要だからだ。政府は、それらは天皇の「私事」の世界であると言い張るが、新嘗祭には三権の長や閣僚も参列しており、国家が天皇教に関わる、明確な政教分離違反の儀式である。

 私たちは、延期になった4月19日にも、皇居の見える東京駅丸の内口の広場において、「『立皇嗣の礼』は延期じゃなくて中止だ! 身分差別と格差を温存し拡大する天皇制は廃止だ! あらゆる人びとへの生活と命の保障を!」と訴えた。そして、天皇出席の「全国戦没者追悼式」に反対するデモに取り組んだ私たち反天皇制運動の実行委は、本日、「立皇嗣の礼」に反対する反天皇制デモに出発する。天皇も跡継ぎもいらない。コロナ禍における違憲の「立皇嗣の礼」の強行に、われわれは強く抗議する。

2020年11月8日

国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動

報告 10・26臨時国会開会日行動

1026いのちをまもれ!敵基地攻撃能力保有反対!
学術会議の任命拒否撤回!改憲反対!

共謀罪廃止!総選挙勝利!
10・26臨時国会開会日行動


 一〇月二六日正午から、衆議院第二議員会館前で「いのちをまもれ!敵基地攻撃能力保有反対!学術会議の任命拒否撤回!改憲反対!共謀罪廃止!総選挙勝利! 10・26臨時国会開会日行動」が主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、共謀罪NO!実行委員会、安倍9条改憲NO!全国市民アクションで行われ、四〇〇人が参加した。

 戦争する国づくりストップ!憲法を守り、いかす共同センターの岸本さんが「国会を開いてこなかった自公政権の責任を追及したい。この間、学術会議再任拒否問題があり、コロナ対策が不充分で、倒産・失業が広がっていて、年を越せない人が大勢出ている。福島汚染水、辺野古基地建設、敵基地攻撃能力の保持と重大な問題が目白押しだ。命を大事にする政策転換を。総選挙で菅政権を終わらせよう」と開会のあいさつをした。



 参加した政党の代表が次々に檄を飛ばした。

 伊波洋一さん(沖縄の風、参院)は「日本が米国の盾になる射程三〇〇キロのミサイルを持ち込んでの演習をわが国土でやっている。フィリピンはこうした演習を拒否した。日米共同演習を年間六〇回もやっている。日米安保は完全に変質している。辺野古への米軍基地、先島への自衛隊基地建設をやめさせ、平和を守ろう」と発言した。

 福島みずほさん(社民党、参院)は「菅首相の所信表明演説は何のビジョンも
なかった。自助・共助・公助そして絆と言っているが、自殺者とりわけ女性が増えている。自助を先に持ってくるなら政治はいらない。外交安全保障問題で、イージス・アショアの代替に敵基地攻撃能力の保有を打ち出している。これは憲法違反で絶対に認められない。ウイルスに打ち勝った証として、来年夏のオリンピック・パラリンピックの実現をとも言う。それならPCR検査をきちんとやれと言いたい。一日も早い退陣を」と語った。

 田村智子さん(共産党、参院)は「核兵器禁止条約が発効し、効力を持つことになり、おどしも、持つことも禁止される。廃絶のプロセスも求めている。日本政府は批准し、核保有国に廃絶を求めるべきだ。日本学術会議問題は、言論・表現の自由の問題でもある。コロナ対策の補正予算七兆三千億円が残っている。失業・事業所がつぶれているのに、なぜ政治は解決できないのか。次の政権の構想ができるようにがんばっていこう」と述べた。

 近藤昭一さん(立憲民主党、衆院)が「最近、石垣島、辺野古に行って現地の人と交流してきた。『なぜ、ミサイル基地を作るのか、敵基地攻撃能力を持つのか』と言われた。平和主義でいくと決意した。敵基地攻撃能力を持つことは憲法違反である」と述べて、臨時国会でも政府を追及する決意を述べた。



 次に、共謀罪との闘いを弁護士の海渡雄一さんが「衆院では継続審議になっているが、参院でも共謀罪廃止法案を出してほしい。刑事事件とされたことはないが、あらがう市民・学者を黙らせる。表現の自由を奪うものだ。デジタル法案を出そうとしている。要注意だ。省庁の壁を壊すと言っているが、壁で個人のプライバシーが守られてきた。デジタル庁ができれば自由に調べられるようになる。監視社会になってしまう」と警告を発した。

 改憲問題対策法律家6団体連絡会の大江弁護士が学術会議任命拒否問題について、その危険性を指摘した。ふじさわ・9条の会の島田さんが毎日スタンディングをして学術会議問題を訴えていることを報告した。武器取引反対ネットワークの杉原さんが、午後三時から公明党へ「長距離ミサイル購入・開発に反対しよう」と訴える行動を提起した。

 最後に高田健さんが、11月1日大阪都構想住民投票日、11月3日国会正門前行動、11月15日柏崎市長選(元社民党参院議員の近藤正道さんが立候補)、11月19日国会前行動などを提起した。

(M)

報告:7.23〜24「中止一択! 東京五輪」集会・デモ

配信:オリンピック3 (1) 7月23日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、日本キリスト教会館で「中止一択! 東京五輪」集会が行われた。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、新型コロナウイルス感染の世界的拡大によって東京五輪・パラリンピックが延期に追い込まれ、現在進行形であるにもかかわらず、オリンピック・マフィアと連なる利権集団の延命をかけて2021年7月23日に東京五輪開会式および競技を強行しようとしている。安倍首相にいたっては、「人類がウイルスに打ち勝った証として完全な形で開催する決意だ」などとコロナ危機の収束の根拠をなんら示すこともできず開催強行を叫ぶだけだ。

 コロナ危機に対する医療や生活などの財政支援の増額が求められている。だがこの事態をあざ笑うかのように招致時の総経費が約7300億円と見積もっていたが、3兆円を超える額に達し、無駄金の垂れ流し状態だ。関連施設の維持費だけでも巨額な支出となっている。あらためてこのような人権・環境破壊、無駄カネを膨らませる東京五輪は延期でなく中止を!オリンピックは廃止しろ!の訴えを強めていかなければならない。連絡会は、来年の東京五輪開会式予定日の1年前、新たな反五輪運動のステップをめざし集会を設定した。

 司会の鵜飼哲さん(連絡会)は、集会開催にあたって「連絡会として二年続けて東京五輪・パラリンピック開会式1年前に抗議する集会を持たざるをえなかった。『どこからどうみてもこのオリンピックはおかしい』ということを一致点にしてメディアなどすべてがオフィシャルパートナーとなっているなか、反対運動を積み上げてきた。当初は『復興五輪』と言われ、その姿は安倍首相が強調するように『改憲五輪』へと作り上げようとしている。この状況を許さず、東京五輪中止を訴えていこう」と述べた。

 発言として武田砂鉄さん(ライター)が「今、ニッポンにはこの夢の力が必要ではない」をテーマに問題提起した。

 「一月の安倍首相の施政演説は、オリンピックから改憲へと主張した。2013年
五輪招致スローガンは、『今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ』った。3.11から2年後だ。肌触りがいい言葉、貧相な言葉がこの間、飛び交ってきた。最近では安倍首相は、なぜか1年後に『コロナに打ち勝つ』などと繰り返している。『夢の力が必要だ』と言い出したころから論拠がないことを言い続けてきた。ついに『心を一つに全員団結』などと言いだした。あいまいな言葉、スケールが大きい言葉でからめとろうとしている」。

 「多くの被災地の人々は、『復興五輪』などに批判的だ。『オリンピックどころじゃない』と怒っている。かつて東京招致委員会の竹田恒和理事長は、福島原発から流れ出る汚染水についての質問が海外記者から集中した。そこで竹田がなんと答えたかといえば、『福島と東京は250キロ離れている』である。東京は安全だと言った。当初から福島切り捨てであり、『復興五輪』は欺瞞的なものだった」。

 「小池百合子都知事は、五輪延期が決まってから、連日、コロナ感染拡大に対してメディアに登場してきた。それ以前は、オリンピックをやるつもりでいた。メディアは、アスリートの思いを取り上げて五輪を応援しようとしている。小池都知事当選によってオリンピックに対する支持があったとも言っている。ビッグパーティーのたびにいずれも論拠がなく、気持とか、夢とかのまやかしで押し進めようとしている。厳しく見ていかなければならない」。

 志葉玲さん(ジャーナリスト)は、「東京オリンピックで悪化、難民の迫害」について次のように報告。

 「警察庁・法務省・厚生労働省は、『不法就労等外国人対策の推進』(2018・4・26)を確認し、政府は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて『世界一安全な国 日本』を作り上げるとして難民迫害、人権侵害を強化してきた。収容施設に『収容』されている難民その他の外国人に対する入管職員による虐待やセクハラが多発している。入管行政の劣悪な状態は深刻だ」。

 「日本の入管行政は難民への排斥そのものだ。しかもオリンピックに名を借りて人権侵害を繰り返している。日本はオリンピック憲章に反し、開催国としてあるまじき暴挙であり、開催資格はない。IOCの日本での難民差別・迫害を見て見ぬふりは許されない」。

 ジュールズ・ボイコフさん(ジャーナリスト、元五輪選手)のビデオメッセージが上映され、オリンピックの実態、北京冬季五輪などを批判した。

 続いて韓国・ピョンチャン冬季五輪(2018)に反対してきた仲間をはじめフランス・パリ五輪(2024)、ロサンゼルスオリンピック(2028)反対運動の取り組み報告のビデオメッセージ。

 さらに東京五輪・マラソン札幌に反対する仲間のビデオ、「原発いらない福島の女たち」の 黒田節子さんのアピール。谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)、江沢正雄さん(長野五輪反対運動)、大阪の仲間からのメッセージ紹介。オリンピック終息宣言展、オリンピック阻止委員会からのアピールが行われた。

 最後に「中止一択!東京五輪」集会宣言が提起され、「私たちは一刻も早く東京五輪の中止決定を求める。しかし、コロナ状況によって東京五輪が中止になることだけを願っているのではない。様々な『オリンピック災害』をもたらす近代五輪は『廃止』にすべきであり、今後の北京・パリ・LAと予定されている五輪も『中止』しかない。コロナ状況で顕在化した五輪の醜悪さを世界に発信して、世界『反五輪運動』と連帯してオリンピック・パラリンピックを廃止に追い込もう!」と確認し、参加者全体で「東京五輪は中止だ中止! オリンピック・パラリンピックは廃止だ!廃止!」のコールを上げた。

 7月24日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、午後5時、日本オリンピックミュージアム(JOC)前に集合し、JOC に「東京五輪の即時中止を求める申入書」の申し入れ行動を行った。

 その後、デモに移り、東京五輪反対のシュプレヒコールを響かせた。(Y)

報告 7.1 香港と中国、日本と世界の変革のためのスタンディング

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民主と人権に国境はない 
香港と中国、日本と世界の変革のためのスタンディング
中国による「国家安全維持法」施行、弾圧に反対する


 七月一日午後七時から、九段下の香港経済貿易代表部前で、Fight for HongKong 2020(連絡先attac首都圏)の呼びかけで、中国政府が「国家安全維持法」を作り、香港の民主化運動を抑え込むための新たな弾圧法を香港返還の日に合わせて施行したことに抗議する行動が行われた。雨の降る中、三〇人近くの人々が集まった。

 京極紀子さんが司会を務めた。京極さんは「香港で昨年民主化運動をつぶそうと『逃亡犯送還条例』がつくられようとしたが、大きな反対運動が起きた。昨年四月からデモが起き、六月には百万人のデモになり、街中がデモで溢れた。立法会への突入も起きた。私も香港のデモに参加し、香港の運動に連帯するために『Fight for Hong Kong 2020』をつくった」と昨年のデモを振り返り、さらに「秋には区議会選挙があり、民主派が圧倒的に勝利した。今回の国家安全法は、香港人抜きに中国の法律で弾圧をしようとするもので、許しがたいものだ。周庭さんらは香港デモシストを脱退するなど絶望の声も伝わってくるけれど決して香港の闘いは終わらない。これからも連帯する」と発言した。

 次に、稲垣豊さんが次のように発言した。

 「中国の全人代で、国家安全維持法が可決され、公布・施行された。香港政府は記念式典を開催した。しかし、香港の若者たちは朝から団体でのデモが禁止されたので、個人として抗議の意志を表明する行動を行い、引かない姿勢を示した」。

 「国家安全維持法では犯罪として、国家の分裂、政権の転覆、テロ活動、国家の安全を危険にさらすための外国勢力との結託の四種類を規定している。四種類すべてにおいて、最高で終身刑が科される。中国で作った法律を香港に適用するものだ。この法律の制定に香港人は一切かかわっていない。海外から批判が起きている。監視社会になる。昨年来の闘争で八千人以上が逮捕されている。香港独立派は政党を解散し、海外に移転した。学生は命あるかぎり闘うことを表明した(別掲載)」。

 「香港返還時に約束された『一国二制度』を五〇年間維持する中国政府の立場に反しているから問題だという意見が一般的だ。しかし、一九九〇年四月に制定された香港基本法はイギリスの植民地時代のものを維持している。香港の人々の意見をまったく無視したものだ。中国は資本主義グローバル化の中にあり、香港も新自由主義だ。つまり、両方とも資本主義を維持している」。

 「私たちは自由を求める香港の人々、巨大な監視社会と化した中国の民主化をもとめる中国の人々の側に立つとともに、LGBTQ+や外国人への差別、ブラックライブズマターといった各国・各地での人権問題に取り組み、コロナ恐慌や気候変動といったグローバル資本主義を変革しようとする日本と世界の変革をもとめる人々とともに立つ。民主主義と人権に国境はない。主権は国家ではなく民衆にある。抑圧に抵抗するすべての人々とともに」。

 続いて、名波ナミさんが最初に行動を監視する私服刑事など警察官に対して批判した。そして「国家は何から身を守ろうとしているのか。私たちのような人から身を守ろうとしている。国家こそが危険な存在だ。ブラックライブズマターの運動は警察の暴力に抵抗しているが、香港の運動を取り入れている。例えば催涙弾を防ぐために雨傘を使っている。周庭さんは日本によく来ていたが国外への渡航禁止にされている。渋谷署はトルコ人男性に嫌がらせの職質をし暴力を振るった。国家はつながる人々を抑圧している。人々が国境を越えて連帯することが重要だ」と発言した。

 武器輸出に反対する運動を行っている杉原浩司さんは「今回の中国の国家安全維持法は世界人権宣言にことごとく違反している。日本政府は一応抗議しているが、中国とは強いパイプを築いている。香港で使われている弾圧用の催涙ガス弾やゴム弾は最初イギリス製だったが中国製が使われている。世界ではイスラエルで作られている。武器輸出の規制をすべきだ。日本でやれることはもっとある」と話した。

 続いて、参加者から「独立の旗を掲げただけで、国家安全法で逮捕された。改めて許せない」と抗議の声を挙げた。最後に、陳怡(チェン・イー)、區龍宇(アウ・ロンユー)およびBORDERLESS MOVEMENT一同から寄せられた「闘いの炎は消えず 次の炎はさらに激しく」というメッセージが読み上げられた(別掲載)。七月一日、香港では若者たちが国家安全維持法に抗議し、三七〇人近くが逮捕され、独立の旗を持っていただけで、国家安全維持法違反で五人が逮捕された。香港の自由・民主主義を守るために、日本での連帯行動を強めよう。(M)


【資料】



闘いの炎は消えず 次の炎はさらに激しく
7・1 メッセージ


 香港で去年から始まり現在も激しく燃え上がっている逃亡犯送還条例反対運動は、長年のあいだ政治と社会に蓄積されてきた問題が表面化したものです。返還後、香港人が求め続けてきた行政長官と立法議会の普通選挙を実現するという意志は、二〇一四年の雨傘運動によってさらに確固たるものになりました。雨傘運動は失敗したという意見もかなりありましたが、二〇一九年の運動は、社会の覚醒が運動の蓄積の過程であり、それはそう簡単には失われるものではないということを明らかにしました。

 逃亡犯条例反対運動は、デモ参加者の大量逮捕、司法が敵対勢力への政治的道具と化し、そして国家安全法の到来という経過を経てきました。一部のデモ参加者のなかには疲労感も出始めていますが、みなさん、雨傘運動以降のことを思いだせば、それほど悲観的になる必要もとおもいます。大規模な行動は減ってしまいましたが、初心を忘れずに運動を継続すれば、いずれの日にかまた民衆の力が爆発するでしょう。二〇一九年以前は香港で一〇〇万人を超えるようなデモはありませんでした。いったん火の付いた闘いの炎は消し去ることはできません。そして次の炎はさらに激しく燃えあがるでしょう。

 暴政をまえに、冷静に落ち着くことこそが、いつの時代でも必要です。今回の運動では、初めて街頭に出たという政治的経験の少ない香港人がたくさんいました。闘いから学び共に成長する道は長く険しいでしょう。この運動は香港人の激しい闘争心や断固たる意志を示しました。同時に多くの欠点もみられました。昨年の運動がはじまったときには、「みんなで一緒に乗り越えよう」というスローガンで団結力と包容力をしめしました。そこには中国からの新移民や中国国内の仲間も含まれていたからです。

 しかし武漢発の新型コロナの感染拡大を契機として、一部の右翼が新移民や中国国内の仲間を排除する雰囲気を扇動し、世界的な感染拡大のなかで広がる嫌中意識を利用して、中国政権に圧力をかけようとする動きがありました。それによって一部の新移民や中国国内の仲間たちは運動圏から排除されることになりました。

 私たちはそのことを大変残念に思っています。「みんな一緒に」というスローガンの背後に隠されたイデオロギーによる引き回しは、いまこの時にこそ直視しなければならない問題になっています。

 アメリカのブラックライブズマター(黒人の命は大事だ)運動についても、香港の右翼はまたしても「敵の敵は味方だ」(中共の敵のトランプは味方で、それを攻撃するブラックライブズマターは間違っている)という単純な二分法によって、香港人がブラックライブズマターに連帯する道を閉ざそうとしたことを、私たちは残念に思います。

 右翼がイニシアチブをとるこの社会運動のなかで、左翼の声は非常に弱いものです。しかし私たちは世界各地で抑圧される民衆の側に立つというスタンスを堅持します。この一年のあいだ、たとえばロヒンギャ難民たちのように、世界各地で悲惨な状況に置かれた人々にくらべ、香港に対する国際社会の関心はきわめて大きなものでした。

 わたしたちは自分たち受けた過分な恩恵と同じように、私たち自身も、世界各地で被害を受ける民衆に関心と共感を持ち、支援することを忘れてはなりません。私たちが盟友とするのは民衆であり、どこかの国の政府ではありません。

 いま香港やアメリカでは、香港デモとブラックライブズマター運動をつなげようとする人々にレッテルを貼り、中傷しようとする動きがありますが、私たち「無國界社運BORDERLESS MOVEMENT」(ボーダレス・ムーブメント)は正しい取り組みを放棄することなく、人々に対して、恐れたり落胆したりせず、一時の感情に流されないよう呼びかけていきます。

 理性を維持し、共感を抱くこと、これこそ香港人が今後も世界からの支援を獲得するために必要なことであり、遠い将来の勝利への道です。

 最後になりましたが、日本の友人たちによる支援に感謝します。たとえば沖縄の米軍基地に対する闘いのように、日本でも同じように国際的な関心が必要になるテーマを香港にも伝えていきたいと思います。残念なことに私たちの力は微力であまりお役に立てませんが、努力したいと思います。日本と世界の友人たちが私たちとともにあることに感謝します。

陳怡(チェン・イー)、區龍宇(アウ・ロンユー)およびBORDERLESS MOVEMENT一

無國界社運BORDERLESS MOVEMENT?https://borderless-hk.com/


◆7・1宣言:香港11大学の学生団体の共同宣言

 主権移譲以来、香港人は毎年7月1日にはデモを行い政権に意志を表明してきた。2003年に民衆の怒りが爆発したときには50万人以上が街頭で「基本法23条反対」のデモに参加し、六四天安門事件の虐殺以降では最大規模の社会運動になった。それ以降、香港人は毎年民間人権陣線が主催する7・1デモに参加してきた。この7・1デモは香港人の民主化闘争の象徴となった。

 去年の送還条例反対運動においてプロテスターは7月1日に「別の重要な意義」を付与した。2019年7月1日、プロテスターは午後一時半から立法会のガラスを叩きはじめ、夜9時にはシャッターを持ち上げて、香港開闢以来はじめて立法会を占拠し、壁に「平和的デモが無意味だということはオマエらから教えられた」というグラフティを書きなぐった。り、持つ日となった。今年は国家安全法という矢をつがえる日となった。香港人はすでに「私たちの後ろには無数の仲間の犠牲があり、目の前にあるのは民主を実現する唯一のチャンスである。私たちは生死を香港とともにするしかない」という覚悟に目覚めている。

 『香港民族論』共著者の一人、梁継平はマスクを外して、毅然と宣言を読み上げた。「ぼくらは勝たなければならない。いっしょに勝ち続けなければならない。ぼくら香港人はもうこれ以上負けるわけにはいかない。ぼくら香港人はもう負けるわけにはいかない」。勝利はわれわれの香港を取り戻すため、負けは香港人の命の終わりを意味する。われわれは逃げることも、臆病になることも、妥協もできない。これは我々と全体主義との最後の一戦だ。

 過去一年、香港人は世界中の予想を超えて、全体主義に対して団結してきた。
一年のあいだ全体主義の弾圧は強まることはあっても弱まることはなく、いままた国家安全法という矢がつがえられた。香港人は腐敗甚だしく、人間性を完全に失った政権に敗れ斃れることに甘んじるのだろうか。中共政権はとっくに一国二制度という嘘っぱちを投げ捨て、香港を蚕食しようとする狼の野心を露わにしている。香港人は覚醒した。この暴政がわずかでも生存空間を残す余地があるなど考えるのは妄想である。われわれの背後には香港のために犠牲となった無数の仲間たちがいる。目の前には民主を実現する唯一のチャンスがある。われわれは生死を香港とともにする。

7月1日、命ある限り徹底抗戦を。

香港大學學生會
香港理工大學學生會
香港公開大學學生會
香港恒生大學學生會
香港中文大學學生會臨時行政委員會
香港城市大學學生會
香港樹仁大學學生會
嶺南大學學生會
香港教育大學學生會
香港浸會大學學生會臨時行政委員會
香港科技大學學生會

【東京都知事選2020】小池知事は宇都宮けんじさんの質問状に誠実に答えよ

Eb2BnV6VAAES9jO 7月3日、宇都宮さんが出した公開質問状に対して小池都知事がFAXで宇都宮さんに回答を送付した。

2日に続き陽性者が100人を超えて都のコロナ対策に疑いがもたれて
いる時に出された公開質問状なのであるから、本来ならばFAXで宇都宮さんに回答してすませていいような問題ではない。

小池都知事は、情報公開が都政改革の一丁目一
番地と言ってきたのであるから、公開質問状が出されたこと自体を広く都民に知らせなければいけないはずであり、公開質問状に対する回答を合わせて都民に公表するべきである。

コロナ対策は都民の命の問題である。命の問題に関する政策に疑義がもた
れているのだから、積極的に応答するのが現職としての責務である。

 小池都知事の回答に対する宇都宮さんの会見が先ほど行われ、宇都宮さんのコメントも公開された。小池都知事の回答は極めて不誠なものでしかない。あと1日、小池都知事の嘘と宇都宮さんの誠実さを象徴する公開質問状を広げよう。
http://utsunomiyakenji.com/4301)

【#宇都宮さんを東京都知事に】宇都宮けんじ候補による小池都知事への公開質問状

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感染拡大が続く7月1日、宇都宮さんが緊急記者会見を行い小池都知事に対して8点からなる公開質問状を出した。
http://utsunomiyakenji.com/4190)

8点の質問はコロナ対策における小池都政の欺瞞を鋭く突いている。宇都宮さんが公開質問状を出したことを全力で拡散しよう。小池都知事が宇都宮さんの公開質問状に回答せざるを得ない状況をつくりだそう。まだ3日もある。

#小池都知事は宇都宮さんの公開質問状に回答を SNS等で拡散させよう!

全文(リンク先にはさらに詳細な資料等が提示されています。参照ください)

公開質問状内容

東京都のコロナ感染症(Covid-19)に対応する政策について、次の通り質問します。

小池都知事は27日に実施された都知事選挙候補者のチューズライフプロジェクトの討論会において、「都のコロナ対策はうまくいっているか」という問に、唯一「〇」の札を上げられました。しかし、私は、あなたが進めてきた東京都のコロナ感染症対策には、多々疑問があると考えています。そこで、以下の通り、具体的に質問いたします。

この質問は、現在行われている東京都知事選挙における都民の選択にあたっての重大な情報ですので、この質問に対する回答は7月3日午後3時までに、ファックスで下記あてにファックスで回答くださるように求めます。

宇都宮けんじ事務所 (電話 03-6380-1537)
新宿区四谷三丁目5-5 山本ビル5階
FAX 03-6380-1538
連絡担当 海渡雄一/岡田光司

質問1

相談件数と検査数の推移を示すグラフを見てください。これを見ると、3月24日のオリンピックの延期が決定される前の段階で、帰国者・接触者相談センターへの相談件数が激増している(これは保健所に電話がつながった件数であり、実際には電話が繋がらなかったものも少なくないとされています)。にもかかわらず、この時期には検査は全く増えていませんでした。

厚労省は3月6日に「新型コロナ・ウィルスの患者数が大幅に増えたときに備えた 医療提供体制等の検討について」を発していましたが、その後も全く検査数が増えませんでした。ところが、オリンピック延期決定後に、極めて不十分ではありますが、検査件数がある程度増え始めています。

あなたは、オリンピック開催の支障となるため、感染者数を低く抑えるために、検査件数を押さえていたのではありませんか。そうでないなら、どうしてこのような推移となったのか、合理的な理由を示していただきたいと思います。

質問2

あなたは、6月11日に「いずれも目安を下回った」として、東京アラートを解除されました。しかし、我々が入手した資料(別紙)によると、6月11日の、感染症法に基づく「発生届」数は少なくとも36人であり、東京都が発表した同日の陽性者数22人とは大きく乖離しています。その他の日も、都の発表数と「発生届」数には乖離が見られ、「直近1週間の平均感染者数」を「発生届」数で計算すると22人となります。目安の20人を超えることとなり、東京アラートの解除基準が満たされていなかった可能性が濃厚となります。

東京都福祉保健局健康安全部感染症対策課は、「発生届けの確認作業に時間がかかり、実際の発生届と都の発表にタイムラグがあるため」と説明していますが、これでは、設定されていた基準自体の科学的根拠が問われることになります。感染症対策は、あくまで科学的根拠に基づいて行われるべきです。

あなたは、東京アラート解除の翌12日に都知事選への出馬を表明されました。政治的思惑から、恣意的な対応を行ったとすれば重大です。結局のところ、東京アラートの発令とその解除は、あなたの都知事選出馬のための政治的都合を優先し、恣意的に判断されたものではありませんか。明確にご説明ください。

質問3

あなたはこれまで都議会でも「必要な検査が行われている」と答弁してきましたが、保健所に検査を申し込んだ医療機関からは、「中等症以上の肺炎のある患者か濃厚接触者・海外渡航歴がある人以外は検査できない」と保健所から断られるケースが報告されており、板橋区議会での担当課長の答弁でも、「検査に関しては制限せざるを得なかった」と答弁しています。

事実として、4月11日に世田谷区の社員寮で亡くなっているとことを発見された男性は、4月3日から保健所に電話をかけ続け、6日後にようやくかかりつけ医からの依頼でPCR検査を受けられたが、検査の結果待ちの段階で治療を受けることなく孤独死し、死の2日後に陽性と判明しました。

日本医師会も、医師が必要と判断していたにもかかわらず、検査につながらなかった「不適切事例」が全国で少なくとも290例あったと発表しています(2020年3月18日)。その中には東京の事例も36例含まれています。

あなたは、このような実態を把握されていますか。それでも「必要な検査が行われてきた」という認識は変わりませんか。

質問4

厚労省が、各都道府県に対して、「PCR検査体制」について点検し回答するように各都道府県に求める事務連絡(6月2日付)が発せられています。その回答の締め切りは6月19日でした。しかし、7月1日段階でも、その回答は未提出です。すでに各区市町村に対し点検と報告を依頼し、回答を得ていると伺っています。にもかかわらず、締切を10日以上過ぎても回答しない理由は何ですか。ご説明ください。また、直ちに回答を行い、これを公表してください。

質問5

6月11日に東京アラートが解除されて以降、検査陽性者数の増加傾向が続いており、東京アラート発令中よりも多くなっています。しかし、これに対して、東京都は何ら有効な対策をとっていません。

PCR検査数は全く増えず、多くても2000件程度にとどまっています。休日には200件から300件程度しか検査されていません。このような検査状況で、十分な対策が取られているとされる根拠を示していただきたいと思います。

質問6

あなたは、昨日新型コロナ・ウイルスの「次の波」への警戒を呼びかけるための新たな「指標」とされるものを公表されました。しかし、アラート解除時よりも状況が悪化しているにもかかわらず、何ら数値的な指標を示すこともなく、医療提供体制の状況を重視し、具体的な数値基準は設けず、専門家らによる分析などを踏まえ、「緊急事態宣言下での最大値」などと比較して、必要に応じて警戒を呼びかけていくとされました。

これまでは、あなたは、曲がりなりにも、新規陽性患者数が週平均で20名を超える、感染経路の不明が半分以上などの数値基準を示していましたが、現状はこの基準を上回っています。にもかかわらず、何も対策を取らないことの言い訳に、数値的指標そのものを撤廃したものと言わざるを得ません。このようなやり方で、都として科学的根拠に基づく対策がどうしてとれるのかを説明してください。

質問7

歴代都政が保健所の統廃合と人員削減をすすめてきたことに加え、小池知事は2018年、多摩地域にある5つの都保健所の医師定員を1人ずつ、合計5人減らしました。(多摩地域で、医師定員25%削減、都保健所全体では2割削減)。

小池知事と東京都は、一連の保健所統廃合、人員削減について「機能強化をはかった」「正しかった」と述べていますが、自らがおこなった保健所医師削減も含めて、正しい措置であったとお考えですか。今後、保健所およびその人員を増やす必要があると考えますが、あなたのお考えをお聞かせください。

質問8

あなたは、3月23日に、コロナ感染症について記者会見を開き「新たな対応方針」を公表し、この日、「事態の推移によりロックダウンの可能性がある」と発言しました。この日はオリンピックの延期が公表される前日でした。

この方針の中で、あなたは、都の目指す医療体制として、重篤・重症当面100床、中等症床当面300床などと説明しましたが、この方針は病院経営本部や福祉保健局などの新型コロナ対策を所管する部局とのどのようなやり取りの下に発せられたのかを説明してください。

我々の入手した情報公開請求に対する非開示決定通知書によると、このようなやり取りのわかる病院経営本部の記録はないとされています。どのような会合がもたれ、あなたはどのような指示をしたのかを都民に説明してください。

また、あなたは3月23日の時点で、翌日にオリンピックが延期されることを知っていたのではないですか。

報告:6.21香港に自由を!連帯行動

配信:香港 (2) 6月21日、新宿アルタ前で「香港に自由を!連帯行動」が(呼びかけ:APFS労働組合、ジグザグ会、LACC(反資本主義左翼講座)、No―VOX Japan)行われた。

 6月18日、中国の全国人民代表大会常務委員会は、香港民衆の民主主義を求める闘いを圧殺するための「香港国家安全維持法」の審議を開始した。法は、①中国が香港に国家安全維持公署を設置。香港行政長官を主席とする国家安全維持委員会を設置し、顧問は中国政府が派遣する。②香港行政長官は、若干名の裁判官を選び、国家安全に関わる犯罪の審理を担わせる。③国家分裂罪、国家政権転覆罪、テロ活動罪、外国勢力と結託し国家安全を害する罪を設け、刑罰を定める―というものを柱にしている。

 1997年に香港が中国に返還されて以降の「一国二制度」を投げ出し、中国政府の香港直接支配を力によって支配するものだ。昨年の逃亡犯条例改正案反対、香港民衆による自由と民主主義を掲げた大規模な運動の広がりの直撃を受けた中国政府は、5月の全国人民代表大会で「香港が国家安全を守るための法律制度と執行メカニズムの確立に関する決定」を採択し、その具体化が「香港国家安全維持法」案だ。中国共産党の習金平政権は、早期成立に向けて加速化させている。

 香港政府は、新型コロナウイルス対策に便乗して9人以上の集会を禁止する措置を強行してきた。だが民衆は、集会禁止に抗して5月24日の数千人の反対デモを皮切りに警察の催涙ガスや放水車などの暴行を許さず連続的な反対集会を取り組んでいる。六・四天安門事件追悼集会は、6月5日、ヴィクトリア公園で行われ、数万人が集まり「光復香港・時代革命(香港を解放せよ・革命の時代だ)」、「結束一党専政(一党政治を終わらせよう)」などのスローガンを掲げた。

 さらに労働組合と連合組織、中高生の団体は、香港国家安全維持法」反対のた
めのストライキ・授業ボイコットの組織化に入っている。また、民主派は、昨年の区議選の多数派獲得の成果を踏まえ、9月の立法会選挙への取り組みも開始している。

 「香港国家安全維持法」を撤回しろ! 中国共産党と香港政府による香港民衆の闘いに対する弾圧を許さず、連帯していこう。

 前段集会開催にあたって実行委は、「6月18日、中国の全国人民代表大会常務委員会で香港国家安全維持法案の審議に入った。今月中にも成立させようとしている。この法案は、中国政府を批判する言論の自由を圧殺し、政府に逆らう者は、『アメリカの手先、売国奴』と見なして強権的に服従を迫るものだ。かつての日本の戦前の治安維持法に等しい法律だ。国家への反乱、反逆、反政府や反体制活動を禁じ、自由を求める香港の人々の声を沈黙させようとしている。昨年の百万、二百万規模のデモで逃亡犯条例を撤回させ、今や一年以上におよぶ香港の自由を求めるデモが中国共産党一党独裁体制に対する深刻な打撃になっていることの証だ。香港の自由が脅威にさらされていることに対して黙って見ていることはできない。共に連帯の声を起こしていこう」と訴えた。

 APFS労働組合は、「アジアの人々が参加している組合です。香港の留学生も参加してました。香港出身の仲間たちが、今、どんな気持でいるか、どんなに危機感を持っているかなどを思うと本当に辛い。自由とは闘いとるもの、闘いとった自由はまもりぬかなければいけない。今、香港の人達は、そういう気持で闘っているのだと思う。自由を求める香港の人達と連帯して頑張っていきたい」と発言。

 要請するなら補償しろ!デモ実行委は、「1年前、中国新疆ウイグル自治区カシュガル地区を訪問した。警察によるウイグル族への弾圧を直に見た。教育もすべて中国語に変えさせた。住宅地も破壊し、観光地化しようとしている。香港の仲間が『昨日の新疆は、明日の香港だ』というスローガンを掲げていた。中国政府の香港弾圧を許してはならない。安倍政権は、中国政府の弾圧に黙認している」。

 「私たちのデモは、渋谷、高円寺、秋葉原で行い、安倍政権に対して(新型コロナウイルス感染症拡大下で)『自粛要請するなら、緊急事態宣言を出すならお金を出せ! 新しい生活様式を押しつけるな』と訴えてきた。税金の無駄使いをするなら困窮者に食料を配るのが先だ。そんな当たり前のことができない政府は私たちの手で変えるべきだ。圧政に対してNOを言っていこう」と強調した。

 さらに発言は、差別・排外主義に反対する連絡会、羽田新ルート反対!八潮個人共闘連絡会、市川市民、ジグザグ会から発言が行われた。

 新宿駅周辺デモに移り、「香港への国家安全法を撤回しろ! 中国政府は、香
港の自治を奪うな! 香港政府は、弾圧をやめろ!」などのシュプレヒコールを響かせた。

(Y)

 
 

宇都宮けんじさんを都知事に!新自由主義と決別し命をを最優先する都政への転換を

Eaw1ItsU8AA2H3q(画像は「宇都宮けんじ広報」ツイッターから)

都内での感染が続いている。

徹底したPCR検査が行われていないのでどの程度感染が拡大しているかわからない中で、さらに都のコロナ対策は場当たり的なものになっている。6月20日の会見で小池都知事は「マスクオフde休憩を」と言い出した。温暖化により今年も猛暑が襲うことは確実である。炎天下マスクを着用することは命の危険がある。6月9日にはマスクをつけて歩行訓練をしていた自衛隊員が死亡したことが報道されている。

「東京アラート」が解除されたが、その後も新規感染者数は警報を出す基準である「1日20人未満」を超え続け、その後小池都知事は「東京アラート」の基準を緩和することを発表した。感染の広がりにより基準を超えたら基準を変えてしまう。これはそもそも基準が科学的な根拠に基づいていなかったこと、今後も自らの政策に不都合なデーターが出てきたら基準を変えて感染の広がりをなかったことにするということである。このような都知事の下で2波が襲えば、感染ばかりでなく補償なき自粛により多くの犠牲が生み出される可能性がある。このような意味でも、今回の都知事選は、都民の生存権がかかった選挙だ。

 6月17日、日本記者クラブで立候補予定者5人の共同記者会見が行われた。当初、出席しないと言われていた小池都知事も出席した。

しかし、質問に直接答えることなくはぐらかすばかりの態度はひどいものだった。宇都宮さんから、オリンピックにこだわりコロナに対する初動が遅れたのではないかと質問されると、「その指摘は当たらない」となんの根拠も示さず開き直った。さらにカジノ誘致について問われると「メリット・デメリットを研究していく」と答えをはぐらかせた。

しかし小池都知事は、「東京都ほど長年にわたってIRを研究しているところはない。」として「稼ぐ東京」を掲げてきた。「東京大改革2.0」の「稼ぐ東京」は、地場産業の復興なのではなくカジノのことだ。18年に都の委託を受けてIRについての調査報告をまとめた監査法人トーマツは、19年には都立病院の地方独立行政法人化の報告書もまとめている。このような報告書をまとめるのに1億円近い税金が使われている。

また記者から第2波への備えを質問され「自助・共助・公助」と答えたことに対して、重点は順番のとおりかと再質問されると「バランスは今後進み方次第」とはぐらかした。まさに小池都政の4年間を象徴するものだった。温暖化が進行しておりスーパー台風のような災害への備えが待ったなしに問われている。災害への備えの重点は、コロナであっても台風であっても、まずは公助である。

小池都知事は3密の避難所を開設するつもりのようだ。これに対して宇都宮さんの公約にはこうある。「災害時避難について、避難所・避難施設の確保、災害弱者・帰宅困難者・女性・高齢者に配慮した避難施設整備に取り組みます。」

6月15日(月)れいわ新鮮組代表の山本太郎代表が都知事選への立候補を表明した。

その公約の多くは山本候補が立候補会見で述べたように、宇都宮さんの公約と重なる部分が多い。コロナ失業・ロスジェネ対策として都の職員を3000人増員、全都民への10万円の給付などの訴えに心うごかされた人も多いだろう。これらの公約に対して「ばらまき」との批判が出ている。コロナ禍での失業の広がり、暮らしの破たんは、まだその全貌が明らかになっていない。そのような中で、反貧困運動の現場に関わってきた山本候補の実感から生み出された政策なのだろう。

山本候補が立候補会見で述べたように宇都宮さんとの一番の違いは財政である。公約では数回に分けて起債を行い、総額15兆円を確保するとしている。都がこの間、政策調整基金の95%近くを取り崩したことを指摘して、「貯金がないのであれば(略)都が独自に財源を確保する以外に、都民を守れません。(略)都として、地方債を積極的に発行します。」と主張する。この点に山本候補が掲げた公約の良く言えば粗削りな点が象徴されている。

税収で自らの政策が実現できないと判断した場合、まず行うのは予算の組み換えである。「東京オリンピック・パラリンピックの中止」を公約の一番に掲げているが、オリ・パラや不要不急な道路建設の中止など政策の見直しと予算の組み換えが書き込まれていない。おそらく都の予算を吟味して批判する時間的・人的余裕がなかったのだろう。

先ほど指摘した監査法人トーマツの都立病院地方独立行政法人化の調査費は、都立病院の充実や都民医療の充実のために使われるべきだった。おそらくIRの調査費用も億単位の税金が使われていたはずである。このような都民の利益に反し大企業を利するだけの税金の使われ方は、綿密に調査すれば無数にあるはずだ。

また「さっさと10万円」給付よりも、権利としての生活保護を定着させるように区に厳正な指導を行い増加した生活保護費を都が補填する、国民健康保険料の値下げなど都民の生活を底上げするために「さっさと」できることは沢山ある。予算の見直しでは財源が確保できそうにないから起債というのはかなり乱暴な議論である。

「超健全団体の東京都債なら多くの金融機関が欲しがる」と言っているが、債権はそれを引き受けるメガバンクなどを富ませるだけだということも指摘しておかなければならない。

 山本候補と宇都宮さんの支持者は重なっている。そのため、宇都宮さんへの支持を拡大していくためには山本候補の公約の問題点を押さえておくことが大切になる。しかし最も重要なのは、小池都政への徹底的な批判である。

 2波に備えるには、都立・公社病院の地方独立行政法人化を中止し、コロナ対応のために倒産の危機に瀕している医療機関を救済し、統廃合され機能低下した保健所を拡充すること。自粛により生活破たんに追い込まれた人々の生活保障を徹底することである。

 大企業優遇・開発・イベント優先の政治から、一人一人の生存権を保障する都政への転換を実現するために。宇都宮さんの政策を地域に職場に学園にくまなく広げよう。

(6月20日 矢野薫)

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