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青年戦線 第191号(2017.8.7)ができました。

YF191表紙青年戦線 第191号(2017.8.7)ができました。

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■青年戦線第191号 2017.8.7 誌面案内

共謀罪法制定糾弾!改憲と一体の警察国家を許さない 1P

自由人権協会が反共謀罪で集会 7P

アジア連帯講座報告─
トランプ政権と安倍政権 18P

天皇「生前退位」問題をめぐって 24P 

「労働問題を語り合う」交流会座談会 30P

ミンダナオでの軍による活動家虐殺に抗議/RPM―M(革命的労働者党ミンダ
ナオ)/RPA(人民革命軍)声明/第4インターナショナル声明 39P

4.21~23辺野古ツアー 43P

山谷・野宿者運動 46P

反オリンピック 50P

三里塚闘争 51P

青年戦線 第190号(2016.12.26)ができました。

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■青年戦線第190号 2016.12.26 誌面案内

JCYアピール 1P

11.5アジア連帯講座:トロツキーの永久革命論 講師:酒井与七さん 4P

11.19アジア連帯講座:徹底批判!自民党改憲草案 講師:清水雅彦さん 34P

読書案内:『憲法を変えて「戦争のボタン」を押しますか』 清水雅彦 著 45P

加瀬勉さんが怒りの抗議:抗議文 47P

映画案内:『三里塚のイカロス』 56P

映画案内:『チリの闘い』 59P


★日本共産青年同盟(JCY)アピール グローバルな地殻変動に抗して闘う陣形を構築していこう

米国の反差別・排外主義の闘いに連帯を

 アメリカ大統領へのトランプ就任を前にして、自国民保護を全面に押し出す政策への転換か、新自由主義の加速か、予断を許さない情勢が、アメリカを軸にして進行しているといえる。強くいえることは、こういった指導者が生まれるたびに、そして例えばイギリスのEU離脱を決めた国民投票の時のようなキャンペーンが広がるたびに、移民層、難民状態を余儀なくされた人々をはじめ、差別されきたマイノリティーを後景に追いやっているという事実が速度を増して積み重ねられてゆくということだ。すでにトランプ政権の発足を許さないという意思表示はアメリカ国内で始まっている。何より個人の生存を脅かすデマに対して明らかな行動をもって警鐘を鳴らさない限りは、大小のトランプがひたすら生まれ続け、全世界のヘイトスピーカーは様々な形で連携しつづけるのだ。

安倍政権の自衛隊南スーダン派兵糾弾!

 日本においてはどうなのか。橋下に続き小池のようなヘイトスピーカーは地方自治体における改革パフォーマンスの技巧によって、選挙を勝ち抜いているが、自治体の労働組合等を弾圧し、やがてあからさまに民衆の生活条件を切り崩す存在であることは間違いない。

 そして、国政課題に視点を移せば、成立強行1年の「安保関連法」(戦争法)によって駆けつけ警護「任務」を付与された自衛隊の部隊が、事実上内戦状態に陥った南スーダンへ向けて、「平和維持」を口実に出動してしまった。新しい戦死者が生まれ、「英霊」をまつりあげることによって本格的な軍隊の殺りく機能を構築しようとするもくろみが走りだしたのだ。

 一方で株価、為替相場、内閣支持率といった数値の上がり下がりに一喜一憂する安倍政権のさまは、新自由主義推進の忠実なしもべと呼ぶにふさわしく、とても公共の指導者を名乗るに値しないという理解は広まり続けている。私たちは、特定の利権層が戦争状態の可動域を広め、軍隊・警察といった暴力装置の強化をもてこにして、新自由主義に従属する労働者をどこまでも屈服させる悪循環を阻止していくだろう。

 ともすればヘイトスピーチにくみしがちな労働者層にも粘り強く宣伝し、今なおヘイトスピーチの矢面で呻吟する在日朝鮮半島人、沖縄の人々、アイヌの人々、外国人労働者、あるいは女性を含む性的マイノリティーとの連帯を実現することだけが、無数に増殖しようとするプチトランプを駆逐する唯一の方法である。

ギャンブル国家化に向けた野望

 事態は切迫しているが、国会の状態は喜劇的でさえある。12月の国会で超短時間審議で成立が図られているカジノ推進法は、委員会で質問内容に事欠いて議員が般若心経の話をし始めるという体たらくに現れるとおり、自民・公明連立政権の慢心、民進党、維新の会の政権補完勢力化を絶望的に際立たせている。

 500万人に及ぶともいわれるギャンブル依存症者の問題は、サラ金債務、悪質な強盗犯罪の問題と相まって個人の問題ととらえられがちであるが、作家・精神科医の尋木蓬生著の「ギャンブル依存国家・日本」にある通り、実際は推進する国家の問題でしかない。日本におけるギャンブル用電子的ゲーム(パチンコ・スロット)機の設置台数は450万台でアメリカの88万台を引き離し世界一だ。1台当たりの人口28人も、セントマーチン、マカオといったカジノ設置国に伍して世界3位である。

 ただパチンコ業界利権の所管官庁である警察幹部は「パチンコはギャンブルではなく遊技」とうそぶくわけだが、国際的には日本がギャンブル大国であることは隠しようもない。安倍晋三たちの、それこそギャンブルともいえる安直な政権運営が、格差広がる労働者の反撃にもかかわらず継続している。その理由を考えるうえでもカジノ誘致によるギャンブル国家化への取り組みは重要な課題である。

沖縄差別を許さない!辺野古新基地・高江ヘリパッド建設やめろ

 安倍政権の安易さは、対米追随の一辺倒を生み出し、その表れとして沖縄本島北部における暴力的差別的な米軍基地機能のための工事強行の形で極まった。

 辺野古沖での工事強行を一時的に取りやめた日本政府は、7月参院選で島尻環境相に伊波洋一元宜野湾市長が島尻愛子環境相を破って当選した翌日、今度は高江でのヘリパッド建設工事を強行してきた。本土各県から500人に及ぶ機動隊が連日阻止の仲間をごぼう抜きし、自衛隊はヘリで資材を搬送するなどなりふり構わなかった。9月の福岡高裁ではこのために異動してきたような若い裁判長によって、沖縄県の辺野古埋め立て取り消しの違法性が判決として出された。だがその理由の空虚さが改めて沖縄に対する認識の薄さ、劣悪さを見せつけたに過ぎない。琉球処分以来繰り返された露骨な差別構造が沖縄に未曽有の被害をもたらした地上戦の記憶を修正する勢いで持ち込まれているのだ。大阪府警機動隊員による「土人」発言が発覚してなお、大阪府知事、沖縄担当大臣が警察官の言動を擁護するのは、その最たるものだろう。

 多くの仲間が辺野古で資材搬入阻止行動を貫き、高江で基地敷地内の工事現場に肉薄して身体接触がわずかにあったことなどを口実に、非常に深刻な不当刑事弾圧が進行している。普天間オスプレイ搬入阻止なども含め一貫して現場で山城さんはついに起訴され、病の身でいまだに拘留されている。こうしたことは米軍新基地に反対する運動体の意識を分断した面もあるだろうが、今も沖縄には現地と全国の仲間が結集して、危険で反人民的なヘリパッド建設に抵抗の意思を表し続けている。「オール沖縄」の象徴的存在でもあった翁長知事は高江のヘリパッド工事を容認せざるを得ない状態に陥っていることも確かだろう。ただ国家がこのように振るう暴力に大義はない。最後は人民の抵抗の意思が勝つことは明らかだ。

韓国民衆の反パク打倒闘争の前進

 韓国ではパク・クネ大統領の弾劾手続きが可決され、民衆は毎週大統領府の前に繰り出して、腐敗と保身にきゅうきゅうとする大統領に対し、退陣要求を突き付けている。しかしこれは韓国の政治制度の不安定性、財閥経営者など富裕層への怒り、特定個人の突出した腐敗ということもあるだろう。しかしそれだけで巨大な民衆のうねりが誕生するわけではない。パク・クネが組合しめつけの一環として鉄道民営化を図り、教員組合への弾圧を強化しながら国定教科書制定を目指してきたような、反動政策への怒りということが根底にあるのは明らかである。日本でも、大統領不在の政治空白と「北朝鮮」からの攻撃などを心配して見せる前に、韓国の民衆と連帯する具体性が求められている。中国などを含めた東アジアで必要とされるのは民衆の連帯であって、宮古・八重山に多額の自衛隊配備予算を計上して無用の軍事的緊張を高めることではない。中国軍の上陸を想定した配備などは、尖閣諸島などの領土ナショナリズムをあおることでしか、富裕層、官僚にくみする勢力の士気を維持できないことを表している。

ロシア10月革命100周年 国際主義が問われている

 戦争情勢を考えるうえで、憲法9条改悪をにらんだ国会情勢が常に焦点となってきたが、別の観点で憲法の内実をよりなしくずしにするのではないかという動きもあった。

 それは天皇アキヒトが8月に表明した「生前退位」(譲位)の「お気持ち」メッセージである。このメッセージをめぐって、右派の中でも皇室典範の改正の是非、アキヒトが推進してきた国内外訪問行事等「公務」の是非をめぐって分裂している状況でもある。ただ、私たちが強調するのは、天皇家の「お仕事」が天皇家存続以外に目的を持つとすれば、行き着くところは国家と結びついた資本企業の擁護だけである、ということだ。

 アキヒトと皇后ミチコの振る舞いは一見リベラルな装いにもみちているが、天皇家の慰問、儀礼全般に広がる「お仕事」がどう憲法に違反(反民衆的)しているかは点検の必要がある。そして性差別的な世襲制度のはてに、戦争行為の旗頭として再び天皇家が前面に出る可能性を考えたとき、一層天皇制廃止の主張を強めるしかないといえる。こういった主張を規制しようとして警察権力は、右翼ならず者の暴力と結託して挑発行動を繰り返している。

 「大きな政府」による社会保障から福祉カット民営化が一層進み、新自由主義政策がむき出しの攻勢を強めている。労働者に占める非正規の割合が40パーセントを超えるところに達している。アジアだけでなくヨーロッパ、南米などで新自由主義にノーを突きつける運動は、継続されている。問題は、全世界で深まりつつある労働者・市民による地殻変動を、日本において実感として共有できていないところにある。

 日本では特に、社会主義の展望が大衆運動の場では明らかに欠落している。安倍政権と官僚たちの反動性を指摘する行動の重要さもさることながら、ロシア10月革命100周年を数える2017年、人民が各々あぶくのような存在から結びついて巨大な海として少数の資本家層、富裕層を包囲していけるのかが問われている。

          (海田 昇)

映画『三里塚のイカロス』の製作支援を

CeaA-UaUAAA44T0若者はなぜ農民のために
命がけで闘ったのか



第二章『三里塚のイカロス』は
人生をかけて闘ったあなたの物語です。

映画製作費の支援を、
9月20日まで、クラウドファンディングで募集中

https://motion-gallery.net/projects/sanrizuka02




■2017年劇場公開予定

 国家権力と闘った三里塚の農民たちの生きざまを描いたドキュメンタリー映画『三里塚に生きる』に続く、第二章『三里塚のイカロス』の制作が進行中だ。今度は農民の闘いを助けた若者たちが主人公である。

 2015年から始った撮影はほぼ終了し、音楽録音も行い、現在編集中で、2017年に劇場公開予定だ。制作資金が不足しており、製作者の代島治彦監督が、完成までの諸経費300万円の支援を求めている。

 8月11日、制作支援のためのイベントが都内で行われた。前作『三里塚に生きる』の無料上映に続いて、『三里塚のイカロス』ダイジェスト版が10分ほど上映された。上映後は、安保法制に反対する国会前の闘争を取材したジャーナリストと映画監督、代島監督の3人によるトークショーが行われた。

■ダイジェスト版を見てきた

 ダイジェスト版では、登場人物の名前や場所の説明はない。私の知る範囲で、少しだけ加えて紹介する。
 錆びつき蔓が絡まる鉄骨。そこに轟音とともにジェット機の腹が視界に飛び込んでくる。ジェット機は頭上を通過し、滑走路に消えて行く。航路直下の岩山記念館(要塞)の屋上から見える風景だ。開港を拒んでいた大鉄塔は倒されたが、その跡に建てられた要塞は、今も空港の前に立つ。

 前作で、大木よねの隣で、襲いかかろうとする機動隊に対して、稲を持ちながら激しく抗議する若者がいた。今はすっかり頭も薄くなった加瀬勉さんだ。加瀬さんは、全学連が1967年三里塚の支援にやってきた経過を、当時と同じように、力強い話し方で説明する。

 場面は変わり、ガラス戸が無くなり、荒れ果てた建物の前で、二人の男性が、一人は車いすに座り、支援に来た当時を振り返り、食料も不足しカエルを捕まえ食べた思い出を語りだす。「インター現闘団」と書かれた大きな古いトタン板の大看板。そう、ここは朝倉公民館、朝倉団結小屋があった場所だ。文字の一部は消えかけてい
るものの、「大地を人民の手に」「一坪再共有運動貫徹」の文字が読める。

 二人の話題は、反対同盟分裂後のテロ襲撃にうつる。「襲撃の前には、電話線が切断されるから、電話線が切れたらブザーが鳴る装置を電電公社の労働者が作り、メンバーの家にとりつけた」とテロを警戒しながら暮らした様子を語る。「ある日、ドンドンと玄関をたたく人がいた。開けてみたら『吉田さん大丈夫ですか』と警察だ
った」と笑いながら話す。そして、襲撃に反撃しようと思わなかったのかとの問いかけに、「よく耐えたよな」「耐えなきゃ大変なことになっていた」と真面目に答えた。

 一方、初老のしっかりした服装の男性は、党派の現地責任者であったが「自分に相談なしに(テロ襲撃は)決行された」と話す。

 このほかに、援農先で知り合った現地の青年と結婚した女性。なれそめを聞かれて、恥ずかしそうに、笑顔で思い出を話す。

 三里塚50年のつどいで、「網走番外地」を歌って会場を驚かせた「ミスターX」こと中川憲一さんは、横堀の農道でパトロール中の機動隊員に声をかけられる。「オレは、40年前あの管制塔を占拠した犯人だ。今、撮影中だから・・」「オレの話を聞くか」と切り返すと、機動隊員は「勤務中ですから」と面倒くさそうに引き下っがてしまう。

 わずか10分のダイジェストだが、これだけでも十分興味が沸いた。「過激派」とレッテルを張られ、政府や警察は常に農民と引き離そうとした若者たち。その本当の姿と、闘争のあまり語られない部分にも焦点をあてている。

 なお、車いすの男性は、強制代執行を迎え撃つためのトンネル(塹壕)掘りで落盤事故にあい、半身不随となったのであり、テロ襲撃の被害者ではない。

今の若者がどうみているのか

 トークショーでは、2015年国会前闘争に集まった人々を取材した二人が、昨年の闘争と三里塚闘争について語った。

 一人は、路上で声を上げ国会前を群衆で埋め尽くした学生団体『SEALDs』を、結成から半年間カメラで追った映画『わたしの自由について~SEALDs2015~』の西原孝至監督。

 三里塚闘争を直接は知らない32歳の西原さんは、映画を勉強しているときに小川伸介監督の三里塚シーリズを見て、「ドキュメンタリーはすごい」と思うと同時に三里塚闘争に「あこがれがあった」そうだ。前作については「一生を掛けて闘っている人にはげまされた」と感想を述べた。

 もう一人は、国会前を支えたもう一つの層、中高年を「シニア左翼」と名付けた『シニア左翼とは何か』の著者で教育ジャーナリスの小林哲夫さん。小林さんは、かつて政治の季節を闘った人々に期待を込めて、「70~80年代大変なことを、どうか墓場まで持って行かないでほしい」と、一番しんどい時期の話を残し、今の運動につなげるようにと訴えた。

 代島監督は最後に、「自慢できない話にしていきたい」と締めくくった。

■過激派の温床のイメージ

 前作が公開されたとき、開港阻止闘争を闘った我々の同志から批判の声が上がった。一つは、「3・26が描かれていない」であり、もう一つは、上映時に販売されたパンフレットに「1984年1月 新左翼党派による武装闘争、党派間の内ゲバがはじまる」との記述を見つけ、「あれは一方的な襲撃であり、内ゲバではない、テロだ」という批判だ。

 今作『イカロス』では、この二つの批判に答える内容が描かれている。代島監督は、「政治の季節」の先輩たちに強いあこがれをもっていた。だが、内ゲバがはじまり殺人まで起きると、その熱は冷め、ハシゴをはずされた感覚だけが残り、ハシゴを登ったら、きっとそこは地獄だったかもしれないと感じていたそうだ。前作公開後のある日、管制塔占拠し出所直後に自死した原勲さんを追悼する元被告たちの花見に参加した。横堀鉄塔の下で酒を酌み交わしているとき、三里塚で闘った先輩たちの天国と地獄を映画にしたいという、強い衝動が走ったと述べている。

 闘争を続けた者には苦しかった時期、遠くにいた者には近寄り難い「過激派の温床」というイメージ。実際にそこに生きた人々の声を引き出すのが今作『イカロス』だ。農民を助けた若者は、自由に飛び回る羽をもちながらも、太陽に近づき過ぎて墜落したイカロスだったのだろうか。代島監督は、英雄物語を作るのではなく、それを否定し、よいことも悪いことも含めて伝えたいようだ。

■製作費支援を

 三里塚闘争過程で、命を落とした者、逮捕投獄された人、また心身に傷を負った人は少なくない。多くの人が語りたくないと思っている。にも関わらず、カメラの前に立ち、あえて語った9人に敬意を表したい。また、多くの元若者に断られながらも、三里塚闘争50年の全体像を明らかにしようと努力している代島監督に期待した
い。

 映画への支援は、9月20日まで、銀行振込、口座振込のほか、インターネット上でも行える。クラウドファンディングでは支援額に応じた特典も用意されている。
https://motion-gallery.net/projects/sanrizuka02

青年戦線 第189号(2016.8.1)ができました。

配信:青年戦線189表紙1・表紙4青年戦線 第189号(2016.8.1)ができました。

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■青年戦線第189号 2016.8.1 誌面案内

アピール 「投票」だけではない 政治行動と連帯を! 1P

G7伊勢志摩サミット反対 5P

G7伊勢志摩サミット反対学習会&集会(愛知) 9P

アジア連帯講座:公開講座/マイナンバー運用開始1カ月前にして 白石孝さん(共通番号いらないネット) 13P

5.29「マイナンバー」半年を検証する集会 19P

アジア連帯講座:公開講座/TPPをマクロとミクロの視点から批判する  21P
 大野和興さん(「TPPに反対する人々の運動」世話人)

闘争報告 28P
山谷越年・越冬闘争/日雇全協総決起集会/琉球弧自衛隊配備反対アクション/反「紀元節」行動/防衛省抗議行動/核と被ばくをなくす世界社会フォーラム/脱原発オール荒川アクション/安倍政権下の日米安保体制と天皇制を問う4.28―29連続行動/被ばく労働者春闘集会/れじすたんす大行動/練馬駐屯地撤去デモ/三里塚 横堀現闘本部裁判 高裁不当判決弾劾/東峰現地デモ

6.19沖縄県民大会に参加して 50P

「性と法律」を読む 53P

角田由紀子弁護士講演(再録/アジア連帯講座) 58P

S・Mの映画鑑賞日記 59P

青年戦線 第188号ができました。

配信用:青年戦線188号表紙青年戦線 第188号ができました。

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編集発行
日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会

■青年戦線第188号 2015.12.28 誌面案内

反資本主義―過渡的闘争から搾取なき社会変革に向けて  1p

憲法と戦争法 4p

アジア連帯講座―イスラム原理主義とは何か  14p

『香港雨傘運動』出版記念講演  18p

闘争報告―山谷夏祭り/平和の灯を!ヤスクニの闇へ2015/戦後レジームの70年
を問う7―8月行動/横堀現闘本部撤去不当判決を糾弾する/狭山・再審勝利めざ
す荒川集会/原子力空母ロナルド・レーガン横須賀配備抗議集会/ストップ!マ
イナンバー10月通知 集会&デモ/10.8総がかり行動集会/辺野古現地の攻防に
参加して/マイナンバー制度の廃止を求める集会   28~46p

「ルポ・過労社会」を読んで  47p

「最貧困女子」で考えたこと  53p

映画紹介  56p

投稿  57p

第四インターナショナル青年キャンプ&FI青年キャンプ声明


第四インターナショナルベルギー支部(LCR-SAP)作成キャンプ宣伝ビデオ



第四インターナショナル青年キャンプ
ベルギーでの第32回国際青年キャンプは大成功

ニール・ミシェルス


 第四インターナショナルの第32回国際青年キャンプは、7月26日から8月1日までベルギーで行われた。FIベルギー支部のSAP―LCRが、今年の青年キャンプ組織化を主導した。キャンプは、欧州と世界から来た革命派の間での一週間の政治的交流にとっては快適な立地である、リーエン高原自然公園で開催された。参加者は、ベルギー、ブラジル、デンマーク、フランス、ドイツ、英国、ギリシャ、イタリア、メキシコ、スペイン、スイス、米国、西サハラからやって来た。キャンプのあらゆる政治的企画は自らプログラムを設定した若い参加者によって自己組織化された。われわれは、各代表団内部で作成され、キャンプの政治的共同作業部の最終会議で共有された総括から、もっとも注目すべきハイライトからなる外観を示そうと努めた。


 このキャンプの第1のハイライトは、エコロジーの諸闘争とエコ社会主義の政治構想に対する必要性に関し行われた作業に関係している。エコロジーに当てられた二日目のテーマ日の中で、SAP―LCR指導部メンバーであり、「グリーン資本主義:それはなぜ機能しないか」という著作の筆者であるベルギー人のダニエル・タヌロが、「エコロジー的緊急性に立ち向かう社会と綱領と戦略にとっての構想は何か」に関する冒頭報告をもって、エコロジーに関するキャンプの作業の口火を切った。COP21に関する作業グループは、この週の残りの期間、この年末のパリで予定されているCOP21をめぐる気候に関する諸行動を強化し急進化するための共同した働きかけを築き上げることを目標に会議を行った。このキャンプの活動は、決起に向けた代表団からの共同アピールに結実した。


 ギリシャの政治情勢に関する戦略的な諸論争は、今回のプログラムの良質な課程を構成する第2の大成功と見なすことができる。FIギリシャ支部、そして急進左翼連合のアンタルシアの構成組織であるOKDE―スパルタコスの青年代表団は、ギリシャ情勢に関する論争を始めるために青年キャンプに参加した。

 ギリシャ支部が擁護した立場は、欧州とギリシャの資本主義と決裂し社会主義への道を開く、そうした綱領を備えた革命派の自立的連合が必要という立場だった。しかしながらこの政治方向は、参加者すべてを説き伏せるものではなかった。この参加者たちは、多くの場合、自分自身の国で、デンマークの赤緑連合ないしはスペインのポデモスのような、「改良主義者」との共同戦線という幅広い政治的構想の一部を構成している。

 批判的な発言から提出された最重要な課題は、国民投票における六二%の「ノー」支持者を一つの政治的オルタナティブに向け組織する必要性という課題だった。つまり、IMF並びにEU諸機構との間で緊縮メモランダムに署名したばかりの、シリザ指導部による緊縮政策への転換に対するオルタナティブへの組織化だ。

 参加した代表団は、チプラス政権の右への移行が急進左翼に対する抑圧と一体的に進んでいるということを大きな懸念をもって認め、有罪を宣告された7月15日の反メモランダムの闘士たちに対する連帯宣言を採択した。

 今キャンプの第3のハイライトは、LGBTQ諸闘争に関するテーマ日の終わりにあった。力強いいくつかの発言を伴った熱気ある集会の後、LGBTQパーティーが始まった。既に国際青年キャンプの伝統であるが、このパーティーは、LGBTQの諸個人と異性愛志向以外の新しい経験に対し偏見のないすべての参加者に、自由に表現できる一つの空間を提供することを目標としている。寛容かつ自由な環境は、ほとんどの政党の場と全体としての社会の日常生活における、支配的な異性愛を正常とする基準と同性愛嫌悪とは対照をなしている。性的解放なしにはいかなる革命もない!

 第4に、「諸々の代表団間会合」は大きな成功だった。それらは、様々な国から来た代表団に、闘争における諸経験を交換するすばらしい機会を提供した。代表団間の報告と討論のいくつかの主題は、スペインにおけるポデモスの進展、英国左翼内部の地震(社会主義労働者党の崩壊、統一左翼の創出、スコットランド民族党の成長、そしてジェレミー・コルビンの立候補に基づく労働党内部での左翼指導部に向けたキャンペーン)、ギリシャにおける第三次緊縮メモランダムに反対する闘争、リヨン―トリノ間のHST鉄道やミラノでの世界博覧会のような社会には役に立たないイタリアの大規模インフラ計画に反対する闘争、右翼政府と対決する労働組合の行動計画と一体となったベルギーにおけるストライキ運動、その他だった。

 欧州外の代表団の存在がその価値を高く認められるのは、国際主義的集会や、数多くのワークショップ、またキャンプの週を通じた非公式接触に加えて、まさに先のような「代表団間会合」のゆえだ。

 今キャンプは、天然資源の収奪を目的としてモロッコに占領された――国連安全保障理事会におけるフランスの支持の下に――地域である西サハラからの代表団を迎えることができた。同志たちは、西サハラの民族的かつ反植民地主義の開放のために闘っているポリサリオ戦線では左翼部分を構成している。エジプト代表団の参加もまた計画されていた。しかし、抑圧的な欧州の国境政策が彼らのビザ取得を妨げた。

 318人の参加者による今年の青年キャンプの飛び抜けて国際主義的な力学は、スペインで開かれる来年の第33回第四インターナショナル国際青年キャンプに続くだろう。そのキャンプは、ポデモスを共同して創設し、その中で幅広い政治構想内部での反資本主義左翼に対するもっとも重要な指示標識となった組織、アンティカピタリスタスによって組織されるだろう。スペインの今年の代表団が示した政治的熱気――そして創造的な空気!――が、忙しいが同時に活気あるキャンプ組織化に置き換わる道を見つけ出すことができるならば、来年の国際青年キャンプは、見逃してはならない合流機会となり、第四インターナショナルの青年組織にとっては一つの優先企画となるだろう!


▼筆者は、SAP―LCR指導的青年活動家。(「インターナショナルビューポイント」2015年8月号)


●FI青年キャンプ声明●
ギリシャの有罪宣告を受けた7月15日の闘士たちへの連帯


 【この声明は、ベルギーのリーレン高原での第四インターナショナルと連帯する第32回青年キャンプ閉幕集会(8月1日)で、ベルギー、英国、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、スペイン、スイスから参加した同志たち、またブラジル、メキシコ、米国のゲストたちによって採択された】

 メモランダムの議会通過に反対してギリシャ議会前で7月15日に行われたデモの中で、数人の人びとが逮捕された。裁判では、逮捕された者のうち七人は無罪とされたものの、残り3人は、最大期限の執行猶予付きで、そしてそれは3年だが、平均15ヵ月の禁固刑を宣告された。

 有罪を宣告された3人の戦士たち、中でも第四インターナショナルメンバーであるミケ・ゴウドウマスは、政府の政策に反対したがゆえにこの処罰を受けている。はっきりしていることは、この国家が特に労働者階級の部分に罰を与えることを選択した、ということだ。この部分は、最悪の諸条件の下でも、緊縮に敢然と挑もうとしているのだ。この責めを受けている3人はすべて不安定職の労働者であり、そのうちの1人は移民労働者だ。

 シリザ―ANEL(独立ギリシャ人)政権の新たな緊縮諸方策に対する大衆的な反対を前にして、弾圧が意味するものは、この運動に対する、またメモランダムに公然と反対している左翼諸部分に対する最後の武器ということだ。

 資本主義の危機を労働者階級の問題にしようと試みつつある者たちに対決する戦闘に、わが同志たちを単独のまま残すつもりなどないことをはっきりさせることは、われわれの義務だ。われわれは、ギリシャ政府、EU、IMFの政策に対決して彼らと歩を並べて闘う決意を固めている。

 われわれは、有罪を宣告された彼らと連帯して立ち上がるよう、彼らの即時解放を要求するよう、弾圧反対の立場をとるよう、すべての組織、労組、政治勢力――シリザ内の諸勢力と人びとを含んで――に訴える。来る数週間、われわれはわれわれの各国で、あらゆる社会運動組織に接触し、犠牲にされた反緊縮活動家に対する赦免要求統一請願キャンペーン発足に際してわれわれに合流するようそれらに訴えるだろう。われわれはこの請願を、可能な限り数多くの政治運動、労組運動、そして文化人に向け広げるだろう。われわれはこれらの請願をギリシャ大使館に届け、その前でのデモを組織するつもりだ。

 ギリシャの労働者は、チプラス/EU協定に反対する闘いにおいて、国民投票を通して広範に表現されたように、また彼らに押しつけられようとしている緊縮諸計画に反対する闘いにおいて、国際的な連帯を必要としている。これこそが、われわれがあらゆるところで人びとの動員に挑戦し、ギリシャ人には返済すべきものなどまったくないということを確証するキャンペーンを築き上げ、この債務の帳消しを要求しようと挑戦する理由だ。

 われわれは、国際連帯というわが武器をもって、この罪名の執行に反対する決起、またわが同志たちの一人に対するあり得る国外追放に反対する決起を継続するだろう。

 われわれを黙らせようとするやつらの努力は、ただわれわれをより強くするだけだろう!

(「インターナショナルビューポイント」2015年8月号)

青年戦線 第187号(2015.7.1)ができました。

青年戦線187表紙
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■青年戦線第187号 2015.7.1 誌面案内
沖縄民衆の辺野古新基地反対闘争に連帯し、安倍政権の戦争・生活破壊攻撃をは
ね返そう 1P

闘争報告―1.12日雇全協反失業総決起集会/2.5PARCが人質事件を問う緊急シンポジウム/2.11反「紀元節」行動/3.11東電前アクション!が首相官邸と東電に抗議/3.14 2015原発のない福島を!県民集会  4P

3.15福島原発事故4年―現状を「知る」フィールドワーク  16p

2.22「三里塚に生きる」自主上映会  20p

介護保険制度、社会保障を考える  35p

ネット社会と嫌韓感情の分析  40p

研究ノート「排外主義克服のための朝鮮史」  47p

読書案内「イスラム国」をどうみるか  50p

映画紹介 シャトーブリアンからの手紙  54p

映画紹介 ジミー、野を駆ける伝説  56p

報告:2.22「映画『三里塚に生きる』自主上映会

三里塚に生きる 2月22日、日本キリスト教会館(東京・早稲田)で「映画『三里塚に生きる』(監督・撮影:大津幸四郎、監督・編集:代島治彦)」自主上映会(実行委員会)が行なわれ、会場いっぱいとなる80人が参加した。


上映実行委員会は、代島治彦監督の「配給宣伝・劇場公開をご支援ください」との要請に応え、自主上映と三里塚闘争について語り合う場を東京で創ろうということでできればいいなという思いを込めて2014年12月に、上映実行委員会が作られた。呼びかけ人は、今も三里塚闘争の支援を続けている繁山達郎さん(研究所テオリア)、芝崎眞吾さん(連帯社)、辻和夫さん(横堀団結小屋維持会/田んぼくらぶ)、和多田粂夫さん(元管制塔被告)、中川憲一さん(元管制塔被告)、平田誠剛さんの6人。賛同人は41人だった。


上映時間2時間20分。登場しているのは13人。柳川秀夫さん(元青年行動隊リーダー)、故・三ノ宮文男さん(元青年行動隊リーダー)、小泉英政さん(三里塚に定住した支援者)、島寛征さん(元反対同盟事務局次長)、三ノ宮静枝さん(元婦人行動隊)、椿たかさん(元婦人行動隊)、故・大木よねさん(元婦人行動隊)、萩原勇一さん(元親同盟)、堀越昭平さん(元親同盟)、石毛博道さん(元青年行動隊)、秋葉清春さん(元青年行動隊)、山崎宏さん(団結小屋の住人)、北井一夫(写真家)さんなどだ。登場した皆さんは、三里塚の今と「思い」をそれぞれ語り続けた。参加者は、登場するそれぞれの「重い語り」を受け止め、自分史を検証しながら引き込まれていった。参加者のアンケートにも「素晴らしいドキュメンタリーだ」「生きるとは何かを考えさせられた」「三里塚の人々の思いがよくわかった」等々に現れている。

 

映画を制作したのは、2人の監督。撮影を担当したのは大津幸四郎監督。編集やインタビューや編集を担当したのが代島治彦監督。上映後の代島監督講演会の冒頭、司会の辻さんがからあいさつと「監督・撮影の大津幸四郎さんが14年11月28日に肺がんで逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします」と報告した。

 

代島監督の講演に移った。現地に詳しい方々が集まるだけに、「当日どんな意見が出るか、戦々恐々としています」と、事前に語っていた代島監督だが、「会場から笑い声があり、ここで笑うのかと、映画館とは違う体験ができた。」と、会場の熱気が伝わったことを述べた。「昔のことは喋りたくねえ」という人々の前で苦労したが三里塚闘争の真実を伝えたかったことを語った。(講演要旨別掲)。

 

現地から駆けつけた石井紀子さん(成田市川上)は、「この映画を観るのは3回目だ。観るたびに新たな発見があり、三里塚の人々の気持がわかってくる。私は一九七五年に東峰部落に入った。三里塚ワンパックを立ち上げて東峰の人たちと一緒にやってきた。空港会社は、小泉英政さんが43年目にしてようやく大木よねさんの土地に対する強制収用の補償問題を空港会社と小泉英政さんと話し合いを始めるわれるという有様だ。映画で小泉さんの思いが語られていてよかった。東峰は、北原派、旧熱田派、旧小川派の関係者がいる。あまり多くを語らない、生きていることが闘いだという感じだ。映画を作ると聞いて、何人が喋ってくれるのかと思ったほどだ。いまだから語りたい農民の気持を撮れていた。終わりがない三里塚だといえる」と発言した。

 

呼びかけ人あいさつが芝崎眞吾さん(連帯社)から行なわれ、かつて現地援農の取り組みのことを紹介しながら決意を表明した。

 

会場から感想や質問があり、交流の最後に、山崎宏さん(労活評現闘)が、最新のから現地報告と丹波山「共有者の家」撤去への抗議行動への参加を呼びかけた。策動を許すな! 2・28現地緊急抗議行動に結集を! 三里塚空港に反対する連絡会」が呼びかけられた。

 

最後に質疑応答などが行なわれ交流を深めていった。

(Y)


 

代島監督 代島監督の講演から
「見えにくくなっていた三里塚闘争、百姓の闘いは、基地や原発の問題ともつながっている」


今日は三里塚闘争に関係している方が多いということで画面に対して反応が一番あった上映会になった。ここで笑うのかのシーンがいくつもあって今でとは違う体験ができた。

 

この映画は、大津幸四郎さんに誘われる形で2012年8月、三里塚に踏み入れた。最初は大津さんの思いだった。1968年の「三里塚の夏」に写っている人たちが、DVD化されるのを契機に今どうしているのだろうかということを一人一人会って話してみたいということだった。島さんも柳川さんも温かくは迎えてくれたが、「昔のことは喋りたくねえ」「今、生きることで抵抗している。それでいいじゃないか」ということだった。また、「シンポジウム・円卓会議が終わって、それぞれが自由に生きている。今の三里塚を撮れるのか」と言われたりもした。

 

ドキュメンタリーを作る仲間たちは、東日本大震災があり、被災地を撮りに行ったり、福島原発事故など現在進行形のテーマに入っていた。私は、自分の八〇年代、九〇年代の生き方の反省もあって三里塚に入った。

 

この映画は、単純に闘争を描くということではなくて、日本の戦後の長い時間の動き、人間ってなんだろうという思いが三里塚の人々と話すなかで深く考えることができた。

 

映画には登場していないが、早くから石井紀子さんとはお話していた。逆に柳川さんは農作業、講演などの喋りだけでインタビューはできませんでした。柳川さんは、そういう方なんですね。生き方です。

 

山崎さんは、一番最初に登場しています。撮った順じゃないです。ある上映会で山崎さんが三里塚に生きる一人に入るのか入らないのかという質問があったが、僕は「入る」と言いました。三里塚で生きていると感じたからです。初対面なのに色々と質問をした。山崎さんは緊張感を持って答えたくれた。

 

大津さんが亡くなる前に気にしていたのが、三ノ宮静枝さんだった。周辺の人たちは静枝さんに文男さんのことを聞く人はいなかった。私たちは何回か静枝さんに伺うなかで文男さんの話ができた。静枝さんにとっては、文夫さんのことは過去の話ではない。今も生きている。

 

一人一人の体験、悩み、苦しみ、うしろめたさ、悲しいことなどの心話を持ち、溜め込みながら人生の心話になっていくんだなと思う。だからこの映画は、一人一人の心話です。

 

三里塚は、円卓・シンポジウムを反対同盟の側から働きかけ、国と話し合いによって謝らせて闘争を解決したと言う人がいたが、実感としてそう思えなかった。共生という道を選択するが、真実が見えなくなってきた。

 

この映画の中で三ノ宮文男さんの遺書と大木よねさんの戦闘宣言が朗読される。開港後、北原派と熱田派が分裂し、内ゲバなど色々あったなかで三里塚の真実が見えにくくなっている。多くの人々は、三里塚のイメージが新左翼、過激な暴力という印象が残ってしまった。

 

若い人たちの中で三里塚って、農民の闘いだったんだと言う者がいた。だからこそ見えなくなっている百姓の闘いである三里塚を撮りたかった。基地や原発の問題とつながっている。
(要約・編集部) 

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青年戦線 第186号ができました。

青年戦線186表紙青年戦線 第186号ができました。

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■青年戦線第186号 2014.12.29 誌面案内
打ち倒そう安倍政権 ストップ戦争国家!
アピール 1頁

衆院選挙と若者 分析メモの一つとして 4頁

闘争報告 7~20頁
8.6ヒロシマ被爆69周年/8.9平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動/8.15反「靖国」行動/8.30東京都総合防災訓練反対/9.1日印原子力協定のための首脳会談反対!/9.23さようなら原発全国大集会/9.27「平和に生きる権利」のためのデモ/10.14~15辺野古現地阻止行動に参加して/10.15朝日バッシングとジャーナリズムの危機/11.3「持たざる者」の国際連帯行動

2020東京オリンピック・パラリンピックを問う 21頁

現代から古典へ マルクス経済学を学ぶ 31頁

「資本主義の終焉と歴史の危機 水野和夫」批判 43頁

映画案内「三里塚に生きる」 47頁

2.22「三里塚に生きる」上映実行委員会の賛同人になってください 50頁

12.14三里塚―東峰現地行動 52頁
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映画『三里塚に生きる』を観て

j_top_c 11月22日、渋谷ユーロスペースで「三里塚に生きる」の上映がスタートした。12月19日まで「不屈のロードショー」が行われる。「三里塚の今」を考えるためにぜひ観てほしい。


監督の思い

初日舞台あいさつが行われた。

 


代島治彦監督は「ご来場ありがとうございます。共同監督の大津幸四郎は、体調崩しており、ぜひ駆けつけたいといっていたが来れませんでした」と報告した。

 

大津監督の思いは、こうだ。「ともかく出来てしまったからには、農民たちの闘いは敗北したと括られるだろう。しかし、農民たちはこの地でヒコーキの発着を横目で眺めながら、農業を続けている。生きてつづけています。農民たちの生活も、心の裡も複雑に揺れ動いている、でしよう。私たちはカメラを彼らの脇にそっと置いて、彼らの独白を静謐な映像にしてみました」(『三里塚に生きる』採録シナリオ)。

 


代島監督は、「この国を相手に命をかけて闘った三里塚の人びとは『生きるかなしみ』の世界を生き続けてきました。人間は愚かで、無力なものだということを胸に刻みながら。だからこそ、いま彼らが語る真実は『人間は自らの無力さに気づかなければ、ほんとうの意味で人生を肯定的に生きることはできない』ということを教えてくれるのです」(同シナリオ)という観点からフィルム編集をやりきった。映画は二人のフィルターを通しつつも、次々と三里塚の人々の過去・現在・未来を浮き彫りにしていった。

 


「大木よね 戦闘宣言」を映画で朗読した吉行和子さん(俳優)は、「大木よねは、戦闘宣言でわかるようにすさまじい女性だった。だから監督に『戦闘宣言を読んでくれないか』と依頼されて『やるっきゃない』とOKした。三里塚に参加したわけではないが、映像は一人一人の生き方を伝え、色々と強烈に考えさせる。なにをやってもだめだという雰囲気の中で、だめでも反対していくエネルギー、忘れてはいけないものを感じさせる。今もそれは続いている。会場に若い人たちが参加しているが、さらに若い人たちに観てほしい映画だ」と訴えた。

 


映画に出演した北井一夫さん(闘争を記録した写真家)は、「大津さんは、45年間、心に残る三里塚があった。その思いを映像化した。大津さんの小川プロ時代の白黒映像もすごかったが、『三里塚に生きる』のカラー映像はみずみずしい新鮮さを感じる。三里塚とはなんだったのか突きつける説得力がある映画だ」と強調した。

 


柳川秀夫さんの思い


映画内容を詳細に記述することはできないが、「主な登場人物」をあえて以下のように明記しておく(パンフレット)。三里塚に心を寄せる人々であればこの映画の全体像をぼんやりと見えてくるのではないか。

 


登場しているのは柳川秀夫(元青年行動隊リーダー)、故・三ノ宮文男(元青年行動隊リーダー)、小泉英政(三里塚に定住した支援者)、島寛征(元反対同盟事務局次長)、三ノ宮静枝(元婦人行動隊)、椿たか(元婦人行動隊)、大木よね(元婦人行動隊)、萩原勇一(元親同盟)、堀越昭平(元親同盟)、石毛博道(元青年行動隊)、秋葉清春(元青年行動隊)、山崎宏(団結小屋の住人)、北井一夫などだ。

 


なお観客に配布された「サンリヅカニイキル? U(アンダー)三〇世代の感想座談会」は、1980年代以降に生まれた7人がおおいに語っている。その中味、
なかなか興味深いものだ。

 

映画は、三ノ宮文男さんの自死と柳川さんの三里塚に生きる=「闘う根拠」、
大木よねさんと小泉英政さんの三里塚に生きる「闘う根拠」、そして山崎宏さんの「闘う根拠」を観る側に迫ることに成功している。

 


印象的だったのは代島監督が柳川さんに対して、「なぜ闘いをやめないで闘い続けるのか」という問いに対して、「三ノ宮が死んでるのが一番でけえけど」、(三ノ宮遺書が)「『ここでずっと生き続けろ』っていう風に言っているからな」、「生きられる環境を(作れ)ってことだんべからなぁ、三ノ宮が言っていることはよ。そういうことをちゃんとやれっていうことだ」と語るシーンはズッシリと迫ってくる場面だ。あらためて柳川さんの思いがわかるような瞬間だった。

小泉英政さんの思い

冒頭、成田空港の轟音とともに全体像が映し出されるが、すぐに空港会社によって破壊された横堀団結小屋(労活評)が登場。さらに山崎さんへのインタビュー、横堀大鉄塔の上から山崎さんが空港を断固としてにらみつけるシーンを押し出してくる。このワンシーンの後に「三里塚に生きる」のタイトルが観客に飛び込んでくるのだ。

 

ラストコーナーでも「空港誘導路と隣接する『よねの畑』」シーンでは小泉さんが黙々と農作業しているシーンだ。小泉さんは、「普通のおばあちゃんが最後まで国に抵抗するという、そういう気持ちに惚れた訳で。引き継ごうと思うのは、そういう気持ちですよね」と語る。小泉さんの思いは、初日先着二〇人に三里塚・小泉循環農場の里芋プレゼントに現れているのかなと感じながらゲットした。

 

(Y)

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映画案内『三里塚に生きる』


よいよ11月22日から
東京・渋谷ユーロスペースでロードショー

長編ドキュメンタリー映画「三里塚に生きる」



 カメラが最初に訪ねるのは、「大地共有委員会2」の大看板が立つ横堀の団結小屋。団結小屋住人・山崎宏さんは、なぜ、空港に反対し続けるのか?との問いに、「何も変わっていない。問題は解決していない」と答えます。カメラは、その言葉を確かめるかのように、かつて激しく闘った人々を訪ねます。

 
 後半では、飛び交うジェット機を背景にしながら、反対同盟代表世話人・柳川秀夫さんが、もくもくと農作業を続ける姿や、東峰の畑で大木よねさんの思いを語る小泉英政さんが印象的です。
 

 映画のチラシやパンフレットに記載はありませんが、大地共有委員会2代表の加瀬勉さんの若きの姿も登場します。大木よねさんの住まいが強制代執行で奪われるその日、よねさんとともに脱穀作業をつづけ、大勢の機動隊に向かって激しく抗議しています。
 

 そのほか、アジア連帯講座が参加したデモや集会、旗開きの映像も登場しています。
 

 公共の名のもとに行われた暴力的な空港建設の理不尽さをうかびあがらせ、そこで生きている人々の姿、人生を記録した映画です。
 
 三里塚闘争に関わった人は見逃せない映画です。
 
 

 映画案内『三里塚に生きる』

監督・撮影:大津幸四郎、監督・編集:代島治彦

忘れられた人々の、忘れられない物語

国家権力を恐れなかった人びと


 農民たちに何の相談もなく一方的に新空港建設を決めた閣議決定から半世紀を迎えようとしている。現代の日本では、三里塚闘争は終わったものと、意図的に忘れ去られようとしている。大震災のあと、多くのカメラは被災地にむかった。しかし、二人の監督は、あえて三里塚に行き、国の暴力と正面から闘った農民、いまも闘い続ける農民に向き合う。強制的な弾圧に屈せず、どのように闘ったのか、いかに悩み、いかに傷つき、いかに苦しんだのか。

 人びとが静かに語る言葉が、この国の体質を浮き彫りにする長編ドキュメンタリーである。国家権力が何をしたのか、国家と闘うには何が必要なのかを伝え、そして人間は何のために生きるのかを考えさせる映画だ。日本ドキュメンタリー界で長いキャリアを持つキャメラマン大津幸四郎と、年下の映像作家代島治彦、二人の共同監督による作品。大津は、一九六八年、小川プロの三里塚作品、第一作目「日本解放戦線・三里塚の夏」を撮ったキャメラマンだ。

三里塚に向かったきっかけは、大津が「三里塚の夏」のDVDブックを製作したことにある。(「小川プロダクション『三里塚の夏』を観る」鈴木一誌編著、2012年太田出版)。一九六六年、佐藤栄作内閣は農村地帯である成田市三里塚および芝山町に空港建設を一方的に決める。農民たちは空港反対同盟を結成し、反対運動に立ち上がるが、政府・空港公団は機動隊を投入し、強制的に反対運動をつぶそうとする。国家の暴力にどう対抗するのか。三里塚闘争が転換点をむかえた六八年、小川紳介監督が率いる小川プロダクションは、抵抗する農民の姿を、農民の側に加担して描いた映画「日本解放戦線・三里塚の夏」を世に送り出した。


農民や青年たちは、「武装」しようと話し合い、反対同盟の幹部にも迫る。完全武装の機動隊と対峙した女性たちは、激しく声をぶつける。「お前たちの母親は、人を殺すためにお前を産んだのか」。最初はとまどいながら、しかし、国家権力と闘うことを覚悟し、どうどうと振る舞うように変わっていく。

このいきいきと闘った人々はどうしているか? 元気でいるだろうか? というつぶやきが、四五年ぶりに会いに行くきっかけだったそうだ。ところが、三里塚は、ジェット機が頻繁に離着陸を繰り返す騒音の中にある。小川プロの映画にもなった辺田部落を訪ねるが、かつての場所に農家は一軒も残っていない。

今もつづく三里塚闘争


農民が命をかけて抵抗し、全国から学生や青年が集まり三里塚闘争は大きな抵抗闘争となった。一九七八年、計画では三本だった滑走路が一本だけで、空港は「部分開港」する。八三年反対同盟は大地の共有運動を巡って分裂する。九〇年代、隅谷調査団が国と農民との調停にたち、シンポジウム・円卓会議を経て、九四年、国は「強制的な用地収用は二度と行わない」「地域住民との合意のうえで進めていく」と謝罪し、事業認定を取り下げた。また、農民の多くも謝罪を受け入れ、反対闘争から退場していった。

だが謝罪とはうらはらに、国は空港拡張をあきらめず、農家の軒先まで工事をすすめた。二〇〇二年サッカーワールドカップ開催を口実に、二本目の滑走路を供用開始し、農家の頭上四〇メートルをジェット機が通過する運用を始めた。また、共有地や農地などについても、空港会社(かつての空港公団)は裁判に訴え、所有者の意志を無視して強奪し、いまもなお同じ手段で強奪しようとしている。空港はいまだ未完成であり、闘争は今も続いている。

「浦島太郎」状態の中から始めて

 大津監督は、「浦島太郎」状態だった。記憶にある場所に家や目指す人もいない。ようやく訪ねあてた人も、長い年月でさまざまな苦悩があったのだろう、口は重く、簡単にはカメラの前では話さない。しかし、ベテランのドキュメンタリーキャメラマンであり、四五年前には「映画班」のヘルメットを被り、三里塚で撮影中に公務執行妨害で逮捕された大津だからだろう、ある人は懐かしい写真を手に、また別の人は開拓の思い出からカメラの前で静かに語りだす。

大津監督が開けた「玉手箱」の煙は、さまざまな言葉でちりばめられている。闘っていた時には、明かさなかった気持ちや、外からは窺うことができない苦労。複雑な心境。私にも、それぞれが輝いて聞こえた。

だが、映画は、一つの方向に導こうとはしない。ナレーションはなく、人々の独白と、かつての映像で構成されている。代島監督は「万華鏡のように、ちょっと位置をずらすだけで見える構図が一変する」と試写会で語っていた。どう見えるかは、観客にゆだねられている。

二人の死者が残した言葉


二時間二〇分と長いこの映画のクライマックスは、二人の死者の言葉だろう。

七一年、二度にわたって土地の強制収用が行われる。闘争は激しさを増し、機動隊員三人が死亡するまでになる。二二歳の三ノ宮文男は「国家権力ていうものは恐ろしいな。生きようとする百姓の生をとりあげ、たたきつぶすのだからな」との遺書を残して第二次第強制代執行の直後に自死する。その強制代執行では、大木よねの住宅と田畑も対象となった。大木よねは「戦闘宣言」を自宅の前に掲げた。

「遺書」を俳優の井浦新が、「戦闘宣言」を吉行和子が朗読する。二人の残した言葉は、あとに続く人々を生きさせている。今も闘い続ける柳川秀夫は、飛び交うジェット機の近くで、もくもくと農作業を続ける。出荷の作業をしながら、(あの遺書は)「生き続けろといっている」と答える。そして闘い続ける理由を問われると「悩んで、闘って、傷ついたことも、多くの仲間が死んだことも、空港ができたことで忘れられていくわけだっぺ。それは絶対に許せねえんだよ」と述べる。

支援者から大木よねの養子となり、三里塚に定住し農業を続ける小泉英政は、東峰の畑で空港を背にしながら、「最後まで国に抵抗することに惚れた」「それを引き継ごうと思う」と、代執行を一人で引き受けた大木よねばあちゃんについて静かに語る。

過去と現在を行きかいつつ


大津は「三里塚の夏」以降、小川プロを離れ、水俣シリーズなどを撮影する。

小川プロは七四年まで三里塚にとどまり、七本の三里塚映画を製作し、未公開のものも含め三里塚闘争に関する映像を多く残している。そうした過去の映像や、今回三年がかりで撮影した現在の映像が、自在に行き来し、国家権力に抵抗した農民の「長い時間」=人生を映像化している。

国家的事業、公共事業とされた成田空港建設。農民の暮らしは無視され、国家が一方的に決定し、押し付けてきた。闘争のなかで、目覚め、成長していく人びと。その一方で傷ついたことも。大震災や原発事故を経験し、国家や公共の名のもとに行われる政策の理不尽さを知り、どう生きるべきかを考える人には一つの指針となる映画でもあるでしょう。

この映画は、今年一一月二二日から一二月一九日まで東京・渋谷「ユーロスペース」で公開され、順次全国で上映される。前売り券を販売中。

日本での公開に先立ち、一〇月台湾国際ドキュメンタリー映画祭に招待されオー
プニングで上映され、好評だったとのこと。(敬称略)

青年戦線 第185号ができました

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■青年戦線第185号 2014.7.21誌面案内


●「集団的自衛権」行使容認閣議決定糾弾!  佐藤 隆/1P
●闘争報告/6~18P
1.13日雇全協反失業総決起集会/2.11反「紀元節」行動/2.15「日の丸・君が代」の強制をはね返す神奈川集会/2.22沖縄の空にオスプレイはいらない!/3.8原発のない福島を!県民大集会/フクシマを忘れない!さようなら原発3.15脱原発集会/4.8「集団的自衛権」行使反対集会/4.23日米首脳会談抗議/4.26神奈川の会リレートーク/4.29反「昭和の日」行動/5.6野宿者・失業者・持たざる者のメーデー/6.12戦争をさせない1000人委員会/6.15安倍のつくる未来はいらない!人々


●三里塚闘争/19P
1.13反対同盟旗開き/5.14横堀現闘本部撤去裁判/6.1三里塚-横堀現地行動 

 

●試論-田母神俊雄に投票した20~30代の分析 澤田泰司/27P

 

●中国はどこへ行く 永井清隆/31P

 

●北朝鮮はどこへ行く 荒沢 峻/41P

 

●読書案内「腐る経済」/49P

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時は来ぬいざ復讐へ ―― 映画「罪の手ざわり」

『罪の手ざわり』 
原題:『天注定』(天のさだめ)
監督・脚本 ジャ・ジャンクー(賈樟柯)、2013年、129分
ル・シネマ-Bunkamura(渋谷)で上映中


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民営化された炭鉱の腐敗に憤り経営者や村の幹部を銃殺する労働者、大海(ダーハイ)。出稼ぎに行くと偽って各地で強盗殺人で稼いだカネを故郷の妻子に仕送りする周(ジョウ)。サウナ店でサービスを強要する客を殺してしまう小玉(シャオユー)。出稼ぎ先の工場からナイトクラブに転職し、そこで働く女性との恋に破れて戻った工場で絶望の淵に陥る小輝(シャオホイ)。この四つのストーリーが少しずつ絡みながらもそれぞれ独立した物語は、それぞれ実際にあった事件をもとにしたストーリーだそうだ。


正直なところ、この映画の宣伝を見たとき「またかよ」と思った。描かれているのは労働者階級と彼ら彼女らをとりまくリアルな世界であり、テーマは改革開放による格差拡大が生み出す社会問題である。しかし、それを「犯罪」や「バイオレンス」とからませて描く手法は、あまりにステロタイプであり、ここで描かれる階級、性別、社会問題の本質を、ショッキングなバイオレンスシーンで表現することに、どれほどの意味合いがあるのか、と疑問を感じたからだ。


何年か前、日本で公開された賈樟柯の「四川のうた」を見たときの記憶がよみがえった。「四川のうた」は四川省成都の国有企業ではたらく労働者たちの落日を描いたセミ・ドキュメンタリー。改革開放のなかで淘汰されていく国有企業労働者の悲哀を描いたものだが、大いに不満が残った。(こちら参照→ http://urx.nu/9Tlh )


案の定、この「罪のてざわり」でも、最初の物語は、炭鉱の民営化とそこから生み出される利益は経営者や村の有力者らだけで山分けされるという背景、そしてそこで働く労働者や村民らの立ち振る舞いやせりふなどのディティールはかなり実際に近く描かれているにもかかわらず、復讐のバイオレンスシーンは、なにか「とってつけた」ような芝居がかったもののように思われた。バイオレンスシーンは目を背けたくなるようなリアルな映像にもかかわらず、だ。復讐を遂げた大海が最後にニヤッと笑うシーンも「必要か?」という感じのする演出。


そのようなバイオレンスが、改革開放によってもたらされた格差社会の中国やそこで苦しむ労働者階級とは無縁だ、というわけでは決してない。争議や経済事件に絡む暴力事件はむしろ多いほうだろう。それは経済事件の背景にある政治的支配構造の強力な抑圧体制ゆえでもある。


しかし、銃で何人も撃ち殺したり、怒りに任せて侮辱した客を殺傷するといった手段でなくとも、現代中国において庶民が抱える苦しみやそれを取り巻く暴力的背景を描き出すことは可能だったのではないか。とくに民営化による格差拡大に憤る労働者を描くには、銃や刃物をもちいた凄惨な暴力シーンではなく、ストライキや争議、そしれそれに対する当局や黒社会による暴力的な対応によって描き出すことが可能だったのでは?(たとえばケン・ローチのように)などという不満が、最初の物語からつきまとった。


映画の冒頭で、製作会社のひとつとして「オフィス北野」が銀幕に映し出されたときに「あれ?」という不安を感じたのだが、まさかその不安が的中するとは、などと思いつつ映画は進んでいった。


映画のパンフレットに収録されている監督インタビューを上映間の待ち時間に読んだのだが、そこでも「武侠映画」ファンの監督の思いが随所にちりばめられているとあった。どうりでバイオレンスシーンがやや中国の伝統劇っぽいつくりなわけだが、それもなんだか安っぽく見えてしまうのだ。


最初の大海の物語では、村の一角で上演されている民間地方劇のシーンがある。演目は水滸伝。無実の罪を着せられて復讐に燃える林冲が吼える一幕だ。政府高官の不正義を糾弾する林冲の台詞やお囃子がバックに流れるなか、大海は大虎の描かれた包みで猟銃を隠して復讐に赴く。水滸伝の武松の復讐劇を彷彿とさせるのだが、それもなんだか安っぽく見えてしまう。


極めつけは、客から「お前なんかカネで何とでもなるんだぞ、この売女」と侮辱された小玉が武侠映画よろしくナイフで客(威張り散らした小官僚)を刺殺するシーンだ。それまで演じられてきた小玉をとりまくリアルで切ない生き様には感情移入するほどの巧みな描き方だったにもかかわらず、クライマックスの殺傷シーンは突如、中国の武侠ドラマよろしく小玉がカッと見得を切る。ちょっとお遊びにもほどがあるのでは? それまでのシリアスかつ現実的な描きかたがすべて台無しになってしまうじゃないか・・・と思わずにいられなかった。


そして四つの物語がおわり、映画は最後のシーンへ。おそらく罪を償ったのであろう、小玉が新たな人生を求めてたどり着いたのは、かつて大海が復讐を遂げた会社。小玉はその村の一角で上演されていた地方劇にばったり出くわす。

このとってつけたような伝統地方劇のシーンに「またかよ・・・」と、おもわずつぶやいた言葉は、それに続くラストシーンのなかで、落胆から驚嘆へと変化する。それまでの2時間ほどの時間のなかでなんどか訪れた落胆が、実はこの最後のシーンのために(少なくとも自分にとっては)見事に演出されたものだということがわかったのだ。


そのラストシーンの地方劇で上演されていた演目は「玉堂春」。殺人の冤罪を着せられた名妓、蘇三に対して裁きを突きつける県令(地方役人)の叫ぶ「自分の罪を認めないのか?認めないのか?」というセリフが、その劇を見つめる小玉のアップシーンに重なる。小玉の表情は硬い。あえていえば、地方劇の役人が叫ぶ「自分の罪を認めないのか?」という非難の声に対する強い反発をしめす表情。そして最後のカットは、その劇を鑑賞する村民らの無表情あるいは突き刺すようなまなざしの集合体で終わる。


地方劇の県令が発する非難の声、反発を含んだ神妙な面持ちでそれを聞く小玉、そして何かを問いかけるような村民たちの表情・・・。この最後の瞬間に、ハッと気がついた。これは改革開放がもたらした格差と不正義という階級戦争の犠牲者たちによる復讐劇へのオマージュ作品なのだ、と。最後のカットの村民らが体現するのは、中国人民全体の突き刺すまなざしであり、それらの突き刺すまなざしは、映画を見ている私たちに対して「本当に悪いのは小玉や大海だとなのか?」と厳しく問うているのである。


監督はパンフレットのなかで次のようにインタビューに答えている。「私は、この作品は現代中国についての武侠映画だと思っています。武侠映画は中国の観客にとって非常に人気のあるジャンルです。多くの武侠映画は政治的な批評を持ち合わせています。一つの基本的なテーマが何度も繰り返されます。過酷な社会環境の中、抑圧に立ち向かう個人の闘争、というテーマです。」


つまりは、この映画が丁寧かつ正確に描き出した現代中国の社会的背景のうえに描かれた武侠映画であると理解すれば、不釣合いなバイオレンスシーンや演出しすぎ感のある地方劇シーンなどの意味合いが変わってくるのである。


この映画は現代中国という「過酷な社会環境」を背景に撮られた「政治的な批評」なのである。最後のシーンの小玉の最後の表情は、劇中の地方劇に登場する、腐敗と権力にまみれた北宋末期の官僚体制を告発する水滸伝・林冲の表情とも重なる。復讐を遂げた大海が漏らす笑みの演出も、殺人後の小玉の武侠映画ばりの見得の切り方も、すべて納得がいくのである。


原題の「天注定」は「動かしがたい天のさだめ」という意味合いだが、それは小玉や大海らの悲惨な運命のことだけではなく、そのような境遇をつくり出している支配者たちは必ず悲惨な運命をたどるということを暗示しているかのようだ。革命歌「同志は倒れぬ」で歌われる「時は来ぬいざ復讐へ」という一節を髣髴とさせる現代中国における庶民の苦しみを、彼女たちが生きるリアルな風景のなかで表現した本作品を、ひとりでも多くの日本の友人たちに見てもらいたい。東京での上映はまもなく終了するようだ。

映画館へ急げ、「勝利の朝(あした)」を確信して。

(H)

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同志は倒れぬ



 正義に燃ゆる 闘いに
 おおしき君はたおれぬ
 血にけがれたる敵の手に
 君は闘いたおれぬ
 プロレタリアの旗のため
 プロレタリアの旗のため
 踏みにじられし民衆に
 命を君は捧げぬ


 冷たき石の 牢獄に
 生ける日君はとらわれ
 恐れず君は白刃の
 嵐をつきて進みぬ
 プロレタリアの旗のため
 プロレタリアの旗のため
 重き鎖を響かせて
 同志は今や去り行きぬ

3
 真黒き夜の 闇は明け
 勝利の朝(あした)今や来ぬ
 たおれし君のしかばねを
 我らは踏みて進みなん
 時は来ぬいざ復讐へ
 時は来ぬいざ復讐へ
 我が旗赤く空に燃え
 勝利の朝(あした)今や来ぬ


映画紹介『ワレサ 連帯の男』

映画紹介 監督:アンジェイ・ワイダ
「ワレサ 連帯の男」


1980年夏のポーランド・グダンスク・レーニン造船所労働者の闘いによって生まれた独立自治管理労働組合「連帯(ソルダルノスチ)」はまたたく間に、ポーランド全土に広がった。1981年12月、戒厳令がしかれる前まで、官僚的専制政府は連帯と交渉しなければ何も決められない「二重権力状態」になっていた。連帯労組の闘いは国際的にも多大な影響を与え、全世界に「連帯」労組がつくられたり、連帯を支援する組織がつくられた。日本でも「ポーランド月報」(ポーランド資料センター)の発行やポーランド連帯委員会がつくられた。連帯労組をひきいたレフ・ワレサ委員長が1981年に日本にやってきて、講演会を行った。それに参加して非常に感激したことを思い出す。アンジェイ・ワイダ監督が連帯労組・ワレサを主人公とした映画を制作し、上映されるということでぜひとも観なければならないと思った。


ワイダ監督は「大理石の男」「鉄の男」に引き続き、ポーランド労働者の闘いをワレサを通して映画化した。ワイダ監督は1980年のグダンスクの闘いでワレサと会い、それ以来、連帯と共にあり続けた。しかし、1990年ワレサが大統領選に立候補した時、ワレサに対抗して立候補したマゾヴィェツキを支援した。


連帯が分裂した。こうした政治路線の違いはあってもワイダにとって、連帯の闘い、そしてワレサの役割を記録にとどめておくべき重大なものであった。


映画はイタリアの著名な女性ジャーナリストによるワレサへのインタビューによって、1970年12月の食糧暴動事件から一1989年自由総選挙によって連帯が勝利するまでを描いている。ドキュメンタリー映画ではないのだが、当時の記録フィルムを交えながら映像が展開していくので、実にリアルで迫力のある映画に仕上がっていた。さらに、1980年代のロックミュージックがその効果を高めている。

 

ワレサは気高く、家族思いであるとともに、ユーモアがあり、弱くて傲慢でもある複雑な性格をもつ人物だ。そんなワレサを支えたのが妻のダヌクであり、ダヌクを通してワレサを描いている点が深みを与えている。


なぜ、労働者人民は自由を求め、官僚専制支配からの解放の闘いを行ったのか、その気持ちがよく分かる。1970年12月食糧暴動事件で、ワレサは逮捕された。子どもの出産があったので、スパイになるという誓約書にサインをして釈放される。これが後々まで尾を引く。1980年の闘いの時、当局は連帯のストをやめさせようとワレサにこの誓約書を持ち出してくる。当時の専制支配者たちの汚いやり方が浮き彫りにされる。

 

1981年戒厳令によっていったん連帯の闘いは押しとどめられるが、1983年、ワレサにノーベル平和賞が授与される。この時、ワレサは授賞式に出席するとポーランドに二度と帰れなくなると妻を代理出席させる。妻が帰国する時、税関で屈辱の全裸検査を強要される。ここにも官僚支配のいやらしさが象徴的に描かれている。

 

もうひとつ印象に残ったのはソ連の影である。ワレサが1981年戒厳令によって逮捕され、刑務所に移送される時、ソ連軍のヘリが上空を飛んでいた。ポーランドの公安局員がワレサに対して、「ソ連はワレサを消したいと思っている」と話す場面がある。そしてブレジネフの死によって、ワレサは釈放される。

 

1989年の自由選挙によって、連帯政権が成立し、1990年ワレサが大統領選に勝利した。しかし、この権力は「真の社会主義」をめざす労働者政権へと発展することはなかった。それはなぜか、ずっと問われてきた。1956年のハンガリー革命、1968年のプラハの春がソ連の軍事介入によって粉砕された歴史的重みの上にボーランド連帯の闘いはあった。ずっと、ソ連の介入を招かないように自制しながら闘いをつくりあげた。ゴルバショフの登場後、円卓会議を通じて官僚を追いつめ普通選挙を実現した。それは東欧・ソ連邦の崩壊を生み出す力となっていった。

 

1981年に掲げた「自主管理社会主義共和国」の夢はポーランド一国の労働者の闘いでは実現することはできなかった。西側の消費社会・自由が「真の社会主義」の実現よりも勝っていたということか。現在のポーランド連帯労組は六〇万人だという。なお、ポーランド連帯運動の軌跡をポーランド史のなかで位置づけた「ポーランド『連帯』消えた革命」(水谷驍著、柘植書房新社)の一読をぜひ薦めたい。東京・岩波ホールで5月30日まで上映中

 

(滝)

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『トークバック 沈黙を破る女たち』

『トークバック 沈黙を破る女たち』 坂上香 監督作品

ドキュメンタリー映画/2013年/日本/日本語字幕付/119分
東京・渋谷【シアター】イメージフォーラムにて4月25日まで上映



公式サイト


「talk backとは、言い返す、口答えするというネガティブな意味で使われることが多い。しかし、本映画では、沈黙を強いられてきた女性たちが『声を上げること』や、人々と『呼応しあう』というポジティブな意味で使っている。」


映画『トークバック 沈黙を破る女たち』のパンフレットにある説明だ。この映画は、サンフランシスコを拠点とするローデッサ・ジョーンズ率いるアマチュア劇団「メデア・プロジェクト:囚われの女たちの劇場」の新作「愛の道化師たちと踊る」の上演とその過程を描いたドキュメント。


この新作「愛の道化師たちと踊る」は、元受刑者とHIV陽性者らが、これまで明らかにしてこなかった自らの経歴や病歴をモチーフにしたパフォーマンス演劇。出演者のほとんどが女性である。ドラッグや犯罪、レイプやDVの被害など深刻な経歴の元受刑者もいれば、比較的恵まれた環境においてもHIVに感染した女性など、さまざまな経歴をもつ女性たちが作り上げるパフォーマンスは、記憶の奥深くに刻み込まれた魂の声であったり、加害者に対する怒りであったり、奴隷出身の祖母らへの尊敬の祈りであったり。それらをひとつの作品につくりあげ、尊厳と力を回復するローデッサらのシスターフッドに衝撃と感銘を受ける。


劇団名の「メデア」とはギリシャ悲劇の「王女メデア」からとられているという。夫への復讐のために自らの娘を殺害するメデアと、深刻な性暴力や虐待の循環の犠牲者となった女性受刑者らを重ねあわせ、更生プログラムの一環として行われる刑務所での演劇ワークショップから始まったプロジェクト。


「HIV女性プログラム」のディレクターであり、ゲイであることをカミングアウトしている医師エドワード・マティンガーが、このメデア・プロジェクトに着目し、コラボレーションを持ちかけたという。医学の進歩によりHIVで死ぬことはほとんどなくなったが、自らの担当したHIV陽性者が、HIVではなく深刻なノイローゼによる自殺や薬物依存による死、夫を含む他者による殺害で亡くなる女性たちを一人でも減らしたいという思いからだ。


劇場でのパフォーマンスには、身振り手振り、気迫のこもったセリフなど、観客に伝わる表現方法が必要だ。自らの過酷な経歴をさらけ出すことの困難さは、この舞台稽古のシーンに加え、出演者らへのインタビューなどによって重層的に描かれている。パフォーマンスやインタビューで語られる女性たちの被害の深刻さは、アメリカ的特長はあるだろうが(祖母が奴隷だった、エスニックグループ内の犯罪社会など)、おそらく日本や世界中の女性たちにも共通のものだろう。女性の体と心に刻まれた深い傷を、表現という方法を通して回復させる方法は、日本軍「慰安婦」とされた女性たちの絵画による表現を想起させる。


作品に登場する女性たちを取り巻く暴力という現実をあらためて認識させられたとともに、手法は異なるのかもしれないが、尊厳回復のひとつの手法としての「トークバック」は、今はなきラディカル・フェミニストのアンドレア・ドヴォーキンの『ドヴォーキン自伝』を読んだときの感覚を思い起こした。「わたしは、姉妹たちにどうしても触れたい。わたしに痛みを取り除く力があればいいのに」(『ドヴォーキン自伝』)。カサンドラ、デボラ、マルレネ、フィーフィー、アンジー、ソニア、メアリー、そしてローデッサら『トークバック』に登場する姉妹たちはドヴォーキンのこの願いが届いているように見える。だがさらに多くの姉妹たちが、いまもなお暴力と抑圧のなかで命と尊厳を踏みにじられている。


トークバックという手法は映像の中だけでなく、この映画作品を作り上げる過程においてもすばらしいシスターフッドを発揮したトークバック的手法がとられた。詳しくは劇場で販売されているパンフレットに掲載されている坂上香監督の解説をぜひ読んでほしい。


東京・渋谷の【シアター】イメージフォーラムで4月25日まで、モーニング(10時45分)、レイトショー(20時50分)で上映されている。ひとりでもおおくの姉妹兄弟に観てもらいたい。


2014年4月14日 (H)


青年戦線 第184号ができました

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青年戦線第184号 2013.12.23 誌面案内



●秘密保護法強行採決糾弾!



●10.26アジア連帯講座報告

解雇特区・無法企業野放し特区の狙い暴く  遠藤一郎さん



●闘争報告:11.2東電前アクション!集会/10.31狭山事件の再審を求める市民集会/10.27朝霞自衛隊観閲式抗議/9.24米大使館抗議!東電前アクション/9.25G・ワシントン横須賀母港化5周年抗議/9/28やってる場合か!スポーツ祭東京抗議/9.11経産省包囲 テントひろば/8.10平和の灯を!ヤスクニの闇へ/8.15反「靖国」行動/8.10~11山谷夏祭り/8.5麻生副総理にレッドカード



●TPP反対闘争新たなステージに向けて  早野 一 



●9.19TPPに反対する公開学習会

   

●在特会・京都朝鮮初級学校襲撃事件1審判決の意義



●9.23外国人差別にNО!デモ



●読書案内『ヘイト・クライム』



●読書案内『ヘイトスピーチとたたかう』



●9.7アジア連帯講座報告 マルクス[取扱説明書]



●学習ノート  マルクス[取扱説明書]

【読書案内】増補新版 ヘイト・クライム 憎悪犯罪が日本を壊す

jpg増補新版 ヘイト・クライム 憎悪犯罪が日本を壊す

前田 朗 (著)

三一書房/1470円


 10月7日、京都地裁民事(橋詰均裁判長)は、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)に対して原告の京都朝鮮学園に約1226万円の支払い、学校の半径200m以内での街宣禁止街宣差し止めを命じた。在特会のヘイト・クライム(憎悪犯罪=差別的動機による暴力や差別発言を伴った暴力)、ヘイトスピーチ(人種差別憎悪表現)への司法の初判断は、今後の反差別・排外主義の闘いを推し進めていくうえで重要な方向性を示している。

 橋詰判決を学習していくためにも前提となるヘイト・クライム、ヘイトスピーチに対する認識を深めておくべきであろう。

 この問題に焦点をあてているのが、本書(目次―増補新版 はしがき/旧版 はしがき/第1章 噴き出すヘイト・クライム ―― 京都朝鮮学校事件から見えてきたこと/第2 章 朝鮮人差別はいま ―― 9・17以後の硬直した日本/第3章 コリアン・ジェノサイドとは何か ―― よみがえる関東大震災朝鮮人虐殺/第4章 人種差別との闘い ―― 国際人権法の歩み/第5章 ヘイト・クライムの刑事規制 ―― 社会を壊さないために/第6章 人種差別禁止法をつくろう ―― 私は差別をしない、と言うのなら/第7章 ヘイト・スピーチ対策は国際的責務 ―― 人種差別撤廃委員会勧告を読む/旧版 あとがき/増補新版 あとがき/『増補新版ヘイト・クライム』の刊行に寄せて ―「日本人」というストーカー 辛淑玉)である。

 以下、前田の主張をまとめながら読み込んでいきたい。



ヘイト・クライム、ヘイトスピーチとは

 

 報道では、橋詰判決を「ヘイトスピーチで在特会に賠償・街宣禁止判決」「在特会のヘイトスピーチに対する判決」などの見出しで一斉に報じ、ヘイトスピーチを「憎悪表現」と説明していた。

 だが本書は、「ヘイトスピーチ」の解釈について批判的に指摘する。

 「ヘイト・スピーチと言うと、あたかも『スピーチ』であるかのような印象を与える。実際は、被害者の居住地域に大勢で押し掛けて、拡声器を用いて大音量で殺人や追放の宣伝・煽動を行っている。差別に基づく、暴力、脅迫、迫害が行われ、重大な人権侵害が起きている。事件の本質は暴力と迫害である。単なるスピーチではない」。

 これがヘイト・クライム、ヘイトスピーチと向き合うための核心的立場だ。在特会は、京都朝鮮学園に向けて2009年12月4日から3回にわたって「朝鮮人をたたき出せ」「北朝鮮のスパイ養成所」「朝鮮学校、こんなものはぶっ壊せ」「犯罪者に教育された子ども」「端のほう歩いとったらええんや」などと拡声器で脅迫する襲撃を強行したのだ。これが単なる「スピーチ」ではなく、まさに「暴力と迫害」そのものである。

 「英米法ではヘイト・クライム(憎悪犯罪)という言葉が使われてきた。差別的動機による暴力や、差別発言を伴った暴力をヘイト・クライムと呼ぶ。ヘイト・スピーチもその文脈で犯罪とされている。表現の自由の文脈ではなく、人道に対するヘイト・クライムと呼ぶ。ヘイト・スピーチもその文脈で犯罪とされている。表現の自由の文脈ではなく、人道に対する罪や戦争犯罪の文脈に密接につながる用語である」と定義する。

 さらに「用語」解説で「人種差別とヘイト・クライム」(人種差別禁止法とヘイト・クライム法)について「人種差別禁止法は、民事・行政・刑事など諸分野にまたがる法律である。個人や団体による人種差別の禁止、政府による人種差別の禁止、差別被害者の救済(被害保障、損害賠償、地位保全など)を包括する法律である。他方、ヘイト・クライム法は、人種差別のなかでも特に犯罪に焦点を当てた法である。人種差別撤廃条約第四条が求めているのも、ヘイト・クライム法は人種差別禁止法の一部を成す。ヘイト・スピーチもヘイト・クライムの一種である」とまとめている。

 つまり、在特会の襲撃は、ヘイト・クライムだからこそ橋詰判決は、人種差別撤廃条約の第四条「(a)人種的優越・憎悪観念の流布・煽動を犯罪とする(b)人種差別団体を規制すること」の観点から「示威活動で児童らを怖がらせ、通常の授業を困難にし、平穏な教育事業をする環境を損ない、名誉を毀損した」だけではなく「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図がある」として、「日本が加盟する人種差別撤廃条約が禁じた『人種差別』(人種や民族的出身などに基づく区別、排除)に該当する」と厳しく批判した。さらに、「街宣活動による物品の損壊など経済的な面だけでなく、業務の運営や社会的評価に対する悪影響など全般に及ぶ」と判断し、「差別行為に対する効果的な保護と救済措置となるような高額の損害評価が必要」だと判断したのである。

 しかし京都地裁は、同条約第四条「(c)国による人種差別助長・煽動を禁止」項目から日本政府が人種差別撤廃条約(a)、(b)を「処罰立法を検討しなければならないほどの人種差別煽動は日本に存在しない。憲法は表現の自由を保障している。表現行為の制約には、制約の必要性と合理性が求められる。優越的表現や憎悪の活動の行き過ぎは刑法の個別的な罰則で対処する。現行の法体系で十分な措置である」として留保し続けているところまで批判していない弱さを持っている。ましてや人種差別撤廃委員会が日本政府に人種差別禁止法を制定せよと勧告されているがまじめに立法措置に着手していない(2001年3月10日)ことを取り上げていない。

 だから前田は、「日本には差別を禁止する法律がまったくないため、人種差別撤廃委員会から、憲法第一四条の法の下の平等を実施する法律を制定するように勧告されている。性差別禁止法、人種・民族差別禁止法、障害者差別禁止法など、差別禁止法を制定する必要がある。そうすればマイノリティーの表現の自由の重要性が見えてくる。人格権と民主主義と言うが、それが重要なのはマイノリティにとってである。マジョリティの横暴を表現の自由とは呼ばない。民主主義が成熟した社会ではヘイト・スピーチの処罰は常識である」と批判するのだ。「欧州諸国ではヘイト・スピーチを処罰するのが当然であり、特別法ではなく基本的な刑法典に処罰規定が設けられている。殺人、傷害、放火などの刑法上の犯罪と同列である」と強調している。



人種差別禁止法と表現の自由



 前田は、この差別禁止法の制定と表現の自由の問題についても論じている。

 「憲法学は、一般に精神的自由の優越的地位を論じ、表現の自由については無条件絶対の保障がなされるべきだとする傾向があった。表現の自由をめぐる論議といえば、教科書検定問題、わいせつ表現規制、公安条例問題など、国家による規制からいかにして表現の自由を守るのかという観点での議論が圧倒的であった。そのこと自体は当然のことといえる」と総括した。

 そのうえで、「しかし、個人に対する名誉毀損罪や侮辱罪が刑法に規定されているのだから、人種差別表現の刑事規制がただちに表現の自由に反すると即断するのは疑問である」と指摘する。

 その前提として憲法認識について前田は、「日本国憲法第13条の個人の尊重や幸福追求権の規定は人格権の規定と理解されている。つまり、日本国憲法は人格権を明文で保障している。表現の自由(第21条)よりも人格権(第13条)が前に置かれている。表現の自由が人格権よりも優越的地位にあると言うことは、日本国憲法の解釈として妥当ではない。憲法第13条の人格権は、憲法第21条の表現の自由よりも優越するからである」と強調するのだ。

 また、人種差別撤廃委員会は日本政府に対して「人種的優越・憎悪に基づくあらゆる思想の流布の禁止は、意見・表現の自由の権利と両立する」「人種差別を犯罪とすること、人種差別行為に対して権限のある国内裁判所等を通じて効果的な保護と救済措置を利用する機会を確保すること」として、「人種差別と闘う姿勢を示すこと、そのために人種差別禁止法を制定することが勧告された」(2001年)ことを紹介し、その具体化を求めている。

 そのうえで再び前田は、「憲法論は、なお議論の余地はあるかもしれない。結果として『人種差別表現の自由』を唱える憲法学の見直しが必要である」と浮き彫りにしながら、「特に集団侮辱罪について、言論・表現を処罰することは常に憲法違反であるかのような特異な主張があるが、明らかな間違いである」と言う。そして憲法違反だと主張するならば、「憲法第13条及び第14条が日本国憲法の『人格』原理を成すというのに、人格権に基づくはずの『表現の自由』が他者の人格権の否定を含むと理解することは、憲法原理に反するのではないだろうか」と反論する。

 つまり、「刑法は侮辱罪や名誉毀損罪を定めている。個人の名誉、社会的評価等を保護する個人法益保護のための規定である。集団侮辱罪の提案は、一定の集団に対する侮辱も刑事規制しようという提案に過ぎない。したがって、立法事実が明確に提示され、犯罪成立要件の規定が少なくとも現行の侮辱罪の規定と同じ程度に明確にできていれば、処罰立法を作ることが憲法違反になることはありえない。集団侮辱罪の規定が犯罪規定として整備されているかどうか、明確かどうかが問題になる」とまとめ、「人格を破壊し、民主主義を根こそぎ台無しにしてしまうヘイト・スピーチを処罰することこそが求められる。表現の自由の保障とヘイト・スピーチの処罰は両立する。それゆえ、表現の自由を守るためにヘイト・スピーチを処罰するべきである」と結論づけている。



 「本音」はオリンピックのため



 橋詰判決後、安倍政権の菅義偉官房長官は、「(在特会の行為が)こうしたことがないように、関係機関において法令に基づいて適切に対応したい。政府として、関心を持っていきたい」と表明した。だがこれまでの在特会、天皇主義右翼のヘイト・クライムの放置を反省することもなく、東京五輪を国家的イベントとして成功させていくための事後対処のレベルでしかない。

 日本政府と東京都がオリンピック招致活動で立ち振る舞っていたころ、参院予算委員会(5月7日)で安倍首相は、在特会の新大久保デモなど「ヘイトスピーチ」の横行について問われ、「(オリンピック憲章では)人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれ、オリンピック・ムーブメントとは相容れない。一部の国や民族を排除しようという言動があるのは極めて残念。日本人が大切にしてきた寛容の精神でオリンピックの招致を目指していきたい」などと平然と言う始末だ。極右差別・排外主義者の正体をオリンピックのために隠したにすぎないのである。

 法的規制が必要だと言うならば人種差別撤廃条約(a)、(b)の留保をただちにやめ、人種差別禁止法を制定すべきなのだ。

          (Y)

青年戦線 第183号ができました

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青年戦線 第183号(2013.7.15/400円)誌面案内

第183号 2013.7.15

●アジア連帯講座 公開講座

4.20 原発立地・大熊町民の今  木幡ますみさんのお話を聞く

1.20 宮城・復興の名の下に何が起きているのか



●猪瀬都知事を批判する!/

●猪瀬提案は大企業優遇政策ばかりだ

●6.4生活保護法改悪反対!緊急行動



●報告:4.28沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが集会とデモ/4.29「昭和の日」反対デモ/5.1狭山事件の真相を探る現地集会&現地調査/横浜でTICADを考える6.1国際シンポジウム/6.9三里塚-東峰現地行動&横堀交流会/声明 一坪共有地裁判 最高裁の不当判決糾弾!



●安倍政権の教育破壊にNO!  



●秘密保全法制定を許すな    


●6.4天安門事件24周年

【パンフ案内】青年戦線 第182号ができました

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青年戦線 第182号(2012.12.24/400円)誌面案内 

●アジ連講座:労働者を襲う搾取・失業・被曝労働に抗して 

●「除染作業」の問題点は何か      

●ブックレット『原発事故と被曝労働』

●報告

7.16さようなら原発1000万人アクション/8.11 2012平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動/8.15反「靖国」行動/9.9沖縄県民大会と同時アクション/10.13反IMF・世銀行動/10.31東電前アクション!Jパワー抗議/11.16日印原子力協定反対!首相官邸前行動/11.17東京都総合防災訓練反対/11.28三里塚・横堀団結小屋破壊糾弾!/12.5竪川 野宿者排除糾弾 

●ブラック企業を斬る!  

●尖閣をめぐる領土主義に反対する    

●新たな情勢認識の上で釣魚台運動を考える

●中国共産党第18回全国代表大会

●読書案内『市民蜂起』

【パンフ紹介】青年戦線(YOUTH FRONT)第181号ができました。

YF181
青年戦線(YOUTH FRONT)第181号ができました。

  東京電力福島第一原発事故から1年を経過し、3月11日には郡山で県民大集会が行われた。脱原発運動の取り組みの中で諸課題が提起されている。巻頭で「脱原発運動の現状と今後の課題」というテーマでいわき市で活動している齋藤春光さん(いわき自由労組)の問題提起を掲載した。

■誌面案内■

脱原発運動の現状と今後の課題 問われていることは具体的だ/脱原発行動/映画紹介 「チャイナシンドローム」/新「日米同盟」NO!/野宿者排除との闘い/反天皇闘争/三里塚反対同盟旗開き 裁判報告/奨学金問題/4.7アジア連帯講座 ベンサイド「21世紀マルクス主義の模索」を読む

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400円(送料:1冊80円)
発行日 2012年5月30日


編集発行
日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会
東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付
電話 03-3372-9401
FAX 03-3372-9402

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脱原発運動の現状と今後の課題―問われていることは具体的だ―

 
報告:齋藤春光さん(いわき自由労組)

 東京電力福島第一原発事故から1年を経過し、3月11日には郡山で県民大集会が行われた。脱原発運動の取り組みの中で諸課題が提起されている。いわき市で活動している齋藤春光さんから論議を深化していくために問題提起してもらった。齋藤さんたちが福島県富岡町などを中心にした放射線量測定調査のビデオを放映してから報告が始まった。(編集委員会)

 原発城下町の「引き裂かれ」

 この4月、社民党の人達と一緒に富岡町に放射線量測定調査に入った。これまで月1回、福島の市民運動グループ=脱原発ネットは石丸小四郎さんと東京電力に対して交渉、申し入れを行ってきた。福島の反原発運動は、歴史的に言うと、脱原発派の市民と社民党が取り組んできた。かつての共産党の運動は東京電力に、「原発の安全運転」を求める運動だったが、今は「原発ゼロ」と言っている。反原発ではなかったわけだ。

 社民党の脱原発に関わって来た人たちは、地域で「冷や飯を食ってきた」。つまり、現地は原発城下町だからだ。原発で働く労働者がいて、下請け企業があり、関連企業が存在している。立地町で生活している住民はなんらかの形で原発と関係を持ち働いている。最もわかり易い形は下請け、孫請けとして原発で働くことであり、間接的には、東電の社員等を顧客としている人達だ。こういった中で立地町の原発推進勢力の主力は、東電だ。そして東電労組がある。社民党系労働組合は、労戦統一で連合と一緒になったから、民主党と仲良くやるという思惑だった。民主党の主な労組は電力総連だ。だから立地町の脱原発勢力は社民党にとって厄介者的の存在だった、と思う

 去年の9月、東京の脱原発集会へ行くバスに同乗した共産党の県会議員がバスの中で「共産党は脱原発だった。社民党は、プルサーマルの時に反対しなかった」と言った。確かに共産党は、「原発の安全運転」の立場から、プルサーマルには反対した。社民党は、プルサーマルに反対し平和フォーラムが主催する反対集会を行って来たが、県議会採決については退席しただけだった。連合の顔色をうかがっての対応だった。脱原発だが連合とは仲良くたいしてということだ。脱原発について民主党の顔色をうかがう態度は無くなったがこの思惑は変わっていない。
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