虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

反天皇制-反ナショナリズム

報告:8.15反「靖国」デモ 『戦後レジーム』の70年を問う!7・8月行動

8.15反天デモ安倍談話の居なおりを許すな!

 8月15日、「『戦後レジーム』の70年を問う!7・8月行動」は、反靖国デモを行い、200人が参加した。

 安倍政権は、戦争法案を制定するために衆院に続いて参院でも強行採決をねらっている。グローバル派兵国家にむけての踏み込は、安倍晋三首相が14日に発表した「戦後70年談話」にみごとに現れている。

「村山談話」(戦後50年)、「小泉談話」(戦後60年)での「わが国は、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々にたいする多大の損害と苦痛を与えた」の文言を排除し、主語をぼやかし、一般的に「侵略」「植民地支配」「痛切な反省」「おわび」などの言葉をあてはめたにすぎない。あげくのはてに「日露戦争は、アジアからアフリカまで植民地支配の下にいる多くの人々を力づけました」と歴史の偽造を行い、この延長で「『平和への積極的な貢献』の旗を掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献します」などと強調し、米軍とともに対中国、北朝鮮シフトを強めながらグローバル派兵に参戦していくことを宣言したのだ。

 安倍談話とセットで右派国会議員たちは戦争施設である靖国神社賛美を次々と強行した。高市早苗総務相、山谷えり子国家公安委員長、有村治子女性活躍・少子化担当相、超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の衆参両院の国会議員67人が靖国神社に参拝した。安倍首相は自民党の萩生田光一総裁特別補佐を通じて「私費」による「玉串料」を靖国神社に奉納し、賛美を繰り返した。

 さらに英霊にこたえる会と日本会議は、安倍政権と連動して靖国神社で「第二九回戦歿者追悼中央国民集会」を行っている。寺島泰三(「英霊にこたえる会」会長)は、「安倍総理大臣は談話で未来志向に徹し、積極的平和主義の旗を掲げ、先の大戦を巡る歴史認識、外交問題に決着をつけた」と確認し、安倍政権を支え改憲・派兵国家建設の先兵として行動していくことを表明した。田久保忠衛(「日本会議」会長)も「子々孫々にまで謝罪する宿命を背負わせてはならないと述べたことは、大きく潮目を変えたものと断言できる」と持ち上げ、戦争国家化への転換であることを浮き彫りにした。

 右派国会議員、天皇主義右翼などが一体化した動きのうえで15日の政府主催「全国戦没者追悼式」でも安倍は、従来通り、アジア諸国に対する「加害責任」に触れなかった。天皇明仁は「おことば」で「さきの大戦に対する深い反省と共に、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い」と述べ、天皇制の戦争責任を回避し、象徴天皇制に民衆を統合していく任務を貫徹した。

 安倍談話を糾弾し、日本国家と天皇制の侵略戦争責任・植民地支配責任を追及し続け、天皇制解体にむけてスクラムを打ち固めていこう。

 デモに移る前の集会が、たんぽぽ舎で行われた。

 冒頭、主催者は安倍談話を厳しく糾弾し、靖国神社に向けた抗議デモを右翼らの妨害をはねのけて行っていこうと呼びかけた。

 続いて、戦時下の現在を考える講座から「敗戦70年 1日遅れの8・15 つくば集会+デモ 反戦・平和は生きているか?」のアピール、自衛隊・米軍参加の東京都・立川市総合防災訓練―9都県市防災訓練に反対する実行委員会が「防災訓練反対プレ集会(8・21)、9・1訓練当日監視・デモ」への呼びかけ、辺野古への基地建設を許さない実行委員会から辺野古現地攻防、政府と県との協議などの報告と連帯が訴えられた。

 最後に主催者から「反『靖国』行動 アピール」が読み上げられ(別掲)、参加者全体で確認した。その後、靖国神社に向けてデモに移った。炎天下に抗して「靖国・天皇制解体!戦争法案廃案!辺野古新基地作るな!」のシュプレヒコールを神保町・九段下一帯に響かせた。デモに対して天皇主義右翼の暴力妨害、在特会の挑発が繰り返されたが、整然とデモを最後まで貫徹した。

(Y)

2015・8・15反「靖国」行動 アピール

 敗戦70年の夏、私たちは今年も靖国神社に向うデモに出発する。

 1945年8月15日は戦争が終わった日ではない。ポツダム宣言受諾は8月14日であり、降伏文書への調印は9月2日だ。8月15日は天皇のラジオ放送がなされた日でしかない。これが「終戦記念日」とされるのは、昭和天皇のいわゆる「聖断」によって戦争が終わり、「国民の命が救われた」という歴史意識を、人々の間に刷り込むためにほかならない。

 しかし、昭和天皇こそ、アジアの2000万人以上の人々を殺し、日本軍軍人軍属230万人を含む310万人以上の死者を生み出したこの戦争の最高責任者だ。昭和天皇は、1945年2月、すでに敗戦は必至であったにもかかわらず、重臣による戦争終結の進言を「もう一度戦果を挙げてから」と言って拒否し、その後東京など各地の空襲、沖縄戦、広島・長崎への原爆投下を招いた。東京大空襲・沖縄・広島・長崎だけでも、その死者は48万6000人(行政機関発表の数字)にものぼる。民間人の死者の多くが、この時期に死んでいるのだ。最後まで天皇制国家の維持を最優先にして、戦争終結を引き伸ばし続け、国内外の命を奪い続けてきたのが昭和天皇である。戦後の日本国家が、こうした天皇の戦争責任の否認から始まっていることを、私たちは何度でも確認しよう。

 靖国神社は天皇のための神社であり続けている。それは、たんなる一宗教法人などではない。天皇の戦争のための死者を「英霊」として祀り、称え続けている戦争のための施設である。戦前は陸海軍によって祭事が執り行われ、戦後もたびたび天皇や首相が参拝し、厚生省から戦没者名簿の提供を受けるなどの便宜を得るなど、国家と深い結びつきを持ち続けてきた。そこに祭神として祭られている者の圧倒的多数は、アジアへの侵略戦争に狩り出され、加害者にされた結果、「殺し殺された」被害者である。そこには、植民地支配の結果日本軍人とされた、朝鮮人・台湾人の死者も含まれている。これらの被害者を「神」として祭り上げ、国のための死を賛美する道具とすることこそ、一貫したこの神社の役割である。

 昨日発表された安倍70年談話において、日本が引き起こした侵略戦争と、それにいたる植民地支配が、どのように語られるかが注目された。おそらく安倍が、それにふれないですませたかっただろう「村山談話」のキーワード――「侵略」「植民地支配」「痛切な反省」「お詫び」という言葉――は、文字のうえではすべて入った。そこには政治的な駆け引きがあったに違いない。だが出てきたそれは、日本がそれらの行為の主体であり責任の主体であることを回避ないし限りなくぼかし、日本の近代史に居直るロジックに満ちた代物である。「侵略」はたった1カ所、「事変」や「戦争」という言葉と並んで、国際紛争を解決する手段としては二度と用いてはならないという一般論として語られているだけだ。

「植民地支配」も、朝鮮や台湾の植民地支配にふれないばかりか、19世紀の国際社会においては一般的にあったことで、日本はむしろ植民地化の危機をはねのけて独立を守り抜いた、朝鮮半島支配をめぐる帝国主義間戦争にほかならない日露戦争における日本の勝利が、植民地支配にあった人々を力づけたとまで言うのだ。満州事変以後、日本が道を誤ったというが、それも世界恐慌や欧米諸国主導のブロック化によって強いられてそうなったというような口ぶりである。こういう手前勝手な歴史観にもとづいて「反省」や「謝罪」など決してできないが、事実、安倍は「反省」も「謝罪」もしていない。ただ、「我が国は繰り返し痛切な反省と心からのお詫びをしてきました」と述べているだけだ。

しかし問題は、これまで政治家たちがたんに言葉の上だけで「反省」や「お詫び」を語り、被害当事者たちへの日本国家による謝罪と補償を一貫して拒否し続けてきたことが批判されているということであり、そのことを忘れてはならない。さらに被害を受けた国々の「寛容」を謳い、「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」というのである。これは、すでにさんざん謝罪の意を示してきたのに、いつまで謝れというのかという、右派の論理をソフトに言い換えただけのことだ。

 「戦場の陰に、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいた」とか、「我が国が与えた」苦痛と一方で認めながら、「歴史とは実に取りかえしのつかない、苛烈なもの」「今なお言葉を失い、断腸の念を禁じえない」などと、まるで第三者的な視点で言ってのける態度は許しがたい。そして、「これほどまでの尊い犠牲の上に、現在の平和がある。これが、戦後日本の原点であります」という。

 しかし、こうした論理は、国家による死者の追悼においてはおなじみのものである。本日九段で行なわれた天皇出席の「全国戦没者追悼式」は、靖国のように過去の戦争を公然と賛美することはしないが、戦争の死者が「戦後日本の平和の礎」となったとすることにおいて、「国のための死」を価値づける儀式である。とりわけ、そこに「国民統合の象徴」とされる天皇が出席することによって、それはまさしく「国民的」な儀式となるのである。この「平和のための死」は、過去の戦争の死をそのように解釈してみせるだけではない。安倍政権によって強行的に成立させられようとしている戦争法案は、新たな戦争の新たな死者を生みださざるを得ない。このとき、その死は必ず「平和のための死」として賛美されるだろう。国のための死は尊いということを、毎年国民的に確認するこの国家による追悼儀式に、私たちは反対していく。

 なお、今年の全国戦没者追悼式における天皇の「お言葉」には、「さきの大戦に対する深い反省」「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」て戦後の平和が築かれたなどの文言が加えられた。これがおそらく、安倍談話のひどさと対比した天皇の平和主義として、様々な場で肯定的に語られることになるのだろう。しかし、そこで隠されているのは、その戦争を起こした天皇制国家の責任である。天皇の言葉ということで言えば、昭和天皇の「遺徳」を受け継ぐと言って天皇に即位した現天皇という立場を消去した、極めて欺瞞的なものである。

 日本国家がなすべきことは、内外に多くの被害を与えた戦争について反省し、戦闘参加者を含むすべての戦争の死者に謝罪し、賠償を行うことだ。だが、戦後日本国家が行ってきたことは、まったく逆である。日本国家が行いつづけてきたことは、国家による戦争が生みだした死者を「尊い犠牲者」として賛美することだ。しかもその死の顕彰は、かつての帝国の序列に従って差別化される。高級軍人の遺族ほど手厚い軍人恩給制度がある一方で、空襲による被害者に対しては「受認論」によってなんの補償もなされないままだ。朝鮮人兵士は軍人恩給からも排除され、「慰安婦」とされた女性や強制労働を強いられた朝鮮人などに対しては、排外主義的な攻撃対象にさえされる。

 戦後70年、侵略戦争責任・植民地支配責任を一貫してとらず、アメリカの戦争政策につき従ってきたのが戦後日本である。そしていま安倍政権は、「戦後レジームからの脱却」を掲げて、日米同盟の方向性は強化しながら、戦後に含まれていた「民主主義的価値」さえも一掃して、新自由主義と国家主義による戦争国家へと全面的に転換してきている。安倍談話も含めた、この政権の歴史認識総体が批判されなければならない。戦前・戦後の日本国家と天皇制の責任を問い、戦争法案の成立を阻止しよう。安倍政権の戦争政策と対決する闘いに合流し、戦争国家による死者の利用を許さないために、ともに抗議の声を上げよう!

 2015年8月15日

「戦後レジーム」の70年を問う7・8月行動実行委員会

報告:8.8平和の火を!ヤスクニの闇へキャンドル行動

①配信用ヤスクニキャンドル 8月8日、「平和の火を!ヤスクニの闇へキャンドル行動」が在日韓国YMCAで行われ、500人が参加した。

 ヤスクニ・キャンドル行動は、2006年から開始し、第10回目だ。今年のテーマは、「2015~積極的平和主義を支えるヤスクニ~コンサート&証言」。

 安倍政権は、米軍とともに自衛隊のグローバル派兵をめざす戦争法案をなにがなんでも制定するために衆院で強行採決した(7月16日)。参院に入っても政府・与党の不誠実な態度は変わらず、礒崎陽輔首相補佐官の「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要な措置かどうかを気にしないといけない」(7月26日/大分講演)などと暴言が飛び出し、中谷元・防衛相にいたっては(3日)「輸送」任務のため核兵器、化学兵器、毒ガス兵器の輸送も法律上は排除していない」と答えるほどだ。

 このような戦争法案に対して民衆は、国会包囲、全国各地で廃案にむけたうねりを拡大させている。キャンドル行動は、戦争法案廃案、「村山談話/河野談話」の否定を許さない取り組みとして行われた。

 集会は今村嗣夫さん(キャンドル行動実行委協同代表)の主催者あいさつで始まり、「権力を乱用し、この国の民主主義を破壊する政府に対して市民の知恵と力を合わせて、とことん抵抗したい。集団的自衛権の発動による戦没者は、靖国神社に合祀し、後に続く自衛官の士気を高めることになるからだ。『積極的平和主義』の欺瞞を暴きだし、戦争法案の廃案をめざそう」とアピールした。

高橋哲哉さん、半田滋さん提起

 シンポジウムは、以下の4人から問題提起が行われた。

 高橋哲哉さん(東京大学教授)は、「戦後70年と日本の課題 『日米同盟』とヤスクニをめぐって」という観点から提起した。

 「共同通信/戦後70年全国世論調査」データにもとづいて「護憲派の日本国民の大多数は、日米安保とセットで(日米同盟とセットで)憲法9条を支持している。護憲派のほとんどは、在日米軍と自衛隊の存在を肯定し、それが憲法9条と矛盾しないと考えている。だが、この日米安保体制は沖縄を犠牲にすることによってしか成り立たなかった『犠牲のシステム』だ」。

 「私は六月に『沖縄の米軍基地 [県外移設]を考える』(集英社新書)を出版し、在沖米軍基地は本来すべて本土に引き取るべきものではないかと提起した。現在、翁長雄志知事が政治的に体現している沖縄からの『県外移設』の要求に、『イエス』と応答することだ。『県外移設』から安保解消へ。東アジアに戦争のない平和の秩序を作っていくことが目標である」。

 半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)は、「安保法制を読み解く―安倍政権の狙い」というテーマから「安倍首相は、2016年参院選挙で与党3分の2議席を確保し、2017年、第1回目の憲法改定のための国民投票(環境権、緊急事態条項)を目ざし、2018年に第2回目の国民投票で憲法九条を改定しようと狙っている。憲法無視の安全保障法案は、派遣の国会承認は『原則事前』となっているが、派遣内容は特定秘密とされ、『事後』では意味不明になりかねない。法制化されれば、憲法改正なしに自衛隊は軍隊になるということだ」。

 「法制化後、想定される自衛隊の海外活動は、①米国が空爆を続けるイラク、シリアを対象にした後方支援から武力行使。②中国が埋めたて続ける南シナ海を対象にした自衛隊の能力を超える警戒監視活動。③核開発を進める北朝鮮を対象に、米国による寧辺空爆計画(1993年)と連動した軍事行動、などを上げることができる。これらの動向に注意し、監視していかなければならない」。

鄭旭湜さん、木戸衛一さん提起

 鄭旭湜さん(韓国・平和ネットワーク代表)のテーマは、「朝鮮半島平和体制の構築と日本」。
 「日本の平和憲法と朝鮮半島停戦体制」の分析をベースにして、「朝鮮半島停戦体制の不安が加重されれば、朝鮮半島の有事を備えるという理由に日本の平和憲法の無力化も加速化するだろう。つまり、日本平和憲法と朝鮮半島問題は拮抗関係にある。変えなければならないことは、朝鮮半島停戦体制であって、日本の平和憲法ではない。日本の平和憲法を守り、朝鮮半島平和体制を作っていくことが、この時代に私たちに与えられた歴史的な使命である」と強調した。

 木戸衛一さん(大阪大学准教授)は、「戦後70年―ドイツの歩みから何をくみとるか」を切り口にして、ドイツがNATOの一員としてユーゴ空爆に参加し(1999年3月)、アフガニスタン派兵(2001年11月)を行ったことを批判し、連邦軍の被害と加害性を分析した。

 そのうえで「70年前、日本人もドイツ人も、『もう戦争はこりごり』と不戦の誓いを立てたはずである。軍国主義・ナチズムの『過去』を克服することは、真正な想起と積極的な和解という歴史認識の次元にとどまらず、『力こそ正義』の世界観を拒否し、平和・人権・民主主義を志向するという今日性・普遍性を備えていなければならない。その意味で私たちは、今また力で世界を支配しようとする動きに抗し、公正な平和に向け、世代と国境を越えて連帯を追求する必要がある」と結論づけた。

靖国神社は軍事施設だ

 洪成潭さんの特別映像「東アジアのヤスクニズム」と上映に合わせて崔善愛さんピアノ演奏。

 「遺族証言」では李熙子さん(韓国)が「私にとっての解放70年」、張嘉琪さん(台湾)のメッセージ、吉田哲四郎さん(日本)が発言。

 特別報告が俵義文さん(子どもと教科書全国ネット21)、清水雅彦さん(戦争をさせない1000人委員会)、辻子実さん(安倍靖国参拝違憲訴訟'東京事務局)から行われた。

 コンサート(韓国:ソン・ビョンフィ、イ・ジョンヨル)後、閉会あいさつが徐勝さん(共同代表)から行われ、「軍事施設である靖国神社は、死を恐れずに天皇のために命を投げ出す軍人を作る。戦後、宗教法人と名前を変えたが、本質的なものは引き継いでいる。以前の靖国反対闘争は、政教分離の観点から行われていた。宗教法人として認めてしまうことだ。反ヤスクニの闘いは、被害者である韓国、台湾、沖縄、日本人も含めて、2年前の安倍靖国参拝を通して再び世界的に広がった」とまとめた。

 集会後、キャンドルデモに移り、神田一帯にわたって「ヤスクニノー!戦争反対!」のシュプレヒコールを響かせた。天皇主義街宣右翼、在特会の妨害行動と挑発があったが、整然とデモを貫徹した。

(Y)

報告:7.26『戦後レジーム』の70年を問う!7・8月行動

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7月26日、「『戦後レジーム』の70年を問う!7・8月行動」は、全水道会館で講演集会を行い、56人が参加した。

 講演集会は、敗戦後70年を検証し、8・15反「靖国」行動とセットで設定した。安倍政権は戦争国家に向けて戦争法案を衆院で強行採決し、参院でも強引な審議を行い制定をねらっている。安倍政権の暴走を許さず、同時に天皇制国家の植民地支配・戦争責任と象徴天皇制の戦後責任を追求し、国家による「戦没者」の慰霊・追悼を批判していく取り組みだ。

 集会は主催者の基調報告から始まり、「1985年の中曽根首相による靖国公式参拝に抗議してから、毎年抗議デモを行い30年。ここ10年は、街宣右翼、在特会などによる暴力的攻撃が激しくなってきた。今年も8・15反『靖国』行動を取り組む。戦後国家そのものが象徴天皇制として作られた問題を解き明かし、平和主義・人権などを右から潰すことをねらう安倍の『戦後レジーム』を攻撃を跳ね返していこう。かつて村山首相は、村山談話を発表した記者会見で『天皇に戦争責任はない』と発言した。天皇の戦争責任を問わないまま引き継いでいることを示した。この現実と格闘し反天皇制、安倍を打ち倒そう」と呼びかけた。


米国の世界戦略と象徴天皇制国家


 田中利幸さん(「8・6ヒロシマ平和のつどい2015」代表)は、「米国の世界戦略と象徴天皇制国家」というテーマで講演した。

 田中さんは、「敗戦七〇周年を迎えるにあたって~戦争責任の本質問題を考える」という切り口から①明仁の「慰霊の旅」②裕仁の戦争責任③裕仁の戦後責任と天皇制について批判した。 

 そのうえで「安倍政権打倒の必要性」について、次のように強調した。

 「原爆と大量の焼夷爆弾を使った無差別大量殺戮という由々しい『人道に対する罪』を犯した国家責任が問われることがなかった米国は、戦後も、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争などで繰り返し無差別爆撃を続け、世界各地で多くの市民を殺傷してきた。にもかかわらず、その犯罪性が追求されることがなく、したがってなんらの国家責任も問われないままこの70年を米国はおくってきた。そのような正義に反する戦争をするたびに、いつも『正義の戦争』であると主張してきた無責任国家である米国の支配に完全に従属し、独立国でありながら米国の植民地のごとく自立性と自律性を失った政策を70年間も続け、国民への真の責任を回避してきた日本政府の無責任さにも大きな原因がある。同時にまた、そのような状況に『断乎抵抗できる個々人の自立と、それを支えかつ自己批判をも可能にする普遍的原理の内なる確立』をしてこなかった我々市民自身の責任も、ここで再確認する必要がある」。

 「戦後70年を経たいま、安倍政権を打倒し、日本を本当の意味で人道的、平和的な社会にするような方向にその進むべき進路を矯正するためには、もう一度、戦後の様々な問題の発生源である『終戦の詔勅』を厳しく再検討・批判し、いろいろな局面での日米両国の国家責任を厳しく問い直すことが、必要不可欠であると私は信じる。つまり、『過去の克服』を国民的レベルで成功させない限り、安倍政権打倒は困難であり、日本社会の破滅を避けることも非常に難しいと私は考える」。

 「そのために、今年の『8・6ヒロシマ平和へのつどい2015』では、8月4日から6日の3日間にかけて『検証:被爆・敗戦70年―日米戦争責任と安倍談話を問う―』という集会を開くことにした。みなさんからの強い支援と協力をえて、この集会をぜひとも成功させ、安倍政権打倒の運動に少しでも貢献できれば幸いである」。

 連帯アピールが、「2015 平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動」、つくばの「戦時下の現在を考える講座」、安倍靖国参拝違憲訴訟の会から行われた。


8.15反「靖国」行動へ


 最後に主催者から「8.15反靖国デモ」(8月15日/15:00集合/16:00デモ出発/事前打ち合わせ会場:スペースたんぽぽ(水道橋駅5分・たんぽぽ舎4F)/主催:「戦後レジーム」の70年を問う!7・8月行動)への参加が呼びかけられた。
(Y)

報告:教科書ではじまる『戦争する国』STOP! 5.25みんなのつどい

教科書 5月25日、安倍教育政策NO・平和と人権の教育を!ネットワーク、子どもと教科書全国ネット21の呼びかけによる「教科書ではじまる『戦争する国』STOP! 5.25みんなのつどい」(主催:教科書集会実)が文京シビックセンターで行われ、180人が参加した。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環として新自由主義・愛国心を軸にした教育再生路線を押し進めている。とりわけ教科書に対しては、領土教育、慰安婦、戦後補償問題などをターゲットにして政府の統一見解を加筆するよう強要してきた。

文部科学省は、4月に2016年度から使われる中学校用の教科書検定結果を公表したが、例えば、社会科の検定を申請した教科書一八冊すべてが尖閣諸島と竹島について取り上げて「日本固有の領土」と記述し、周辺諸国の主張を一切無視した。下村博文・文科相は「これまで光と影のうち影の部分が多かった。政府見解を載せることで、よりバランスがとれる」と居直った。

 それだけではない。天皇制・侵略戦争を賛美する育鵬社、自由社の教科書(歴史・公民)の採択にむけた右派の策動が強まっている。日本教育再生機構が作った教育再生首長会議に参加している首長が教科書採択に介入して育鵬社教科書を採択させようとしている。また、自民党、日本会議、日本女性の会、幸福実現党などが反動教科書採択運動を展開している。安倍政権による不当な教科書介入を許さず、育鵬社、自由社の教科書採択阻止にむけた取り組みの強化が求められている。集会は、5月以降の各地区運動に向けた意志一致として行われた。

育鵬社、自由社の教科書採択阻止

 野平晋作さん(ピースボート共同代表)が開会あいさつを行い、「安倍政権は戦争法案を国会に提出し、なにがなんでも成立させようとしている。この流れとセットで教育・教科書に介入し、反動的な教科書を採択させようとしている。この動きをストップさせよう」と訴えた。

 寺川徹さん(出版労連副委員長)は、「育鵬社教科書の問題点と教科書をめぐる情勢」というテーマで報告し、中学校検定(社会科)の特徴について提起した。

 「教科書を国家統制するために政府、自民党の圧力が出版社にあり、結局、出版社が自主規制してしまう。そのうえで検定・採択段階での規制によって政府が求める教科書ができあがってしまうシステムだ。検定審査要項・学習指導要領解説の改悪が行われ、次々と検定基準が改悪された。戦後補償問題では『国家間での賠償問題は解決済み』という政府の立場を追加させた。慰安婦記述では『軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような資料は発見されていない』という政府の立場を追加させた。関東大震災で軍や警察・自警団によって数千人の朝鮮人が虐殺されたという記述に対して『数千人』は通説的な数字ではないことを追
加させた」。

 「原発記述、沖縄戦記述など、総じて安倍政権・文科省の意向を出版社側が過度に反応している。全体的に戦争加害の記述なども後退した」。

 さらに育鵬社教科書に対して「歴史教科書は、天皇中心の国家観の育成、戦争を美化し,肯定的に受け止める歴史認識の育成にねらいがある。公民教科書は、憲法改正のためのパンフレットとも言える。立憲主義を否定し、国民をしばる憲法観の醸成だ。つまり、もの言わぬ国民・労働者の育成にある」と批判した。

 田代美江子さん(埼玉大学教授)は、「『戦争する国』づくりに対抗できる教育をつくる―安倍『教育再生』政策の意図を見抜く力を若者に―」というテーマで基調講演し、①「戦争する国」づくりのために否定される権利として教育②育鵬社の教科書にみる人権・権利の否定③若者の歴史認識と現状認識と未来認識などについて紹介し、問題提起した。

 リレートークが行われ、公正な採択を求める大田区民の会、横浜教科書採択連絡会、子どもたちに「戦争を肯定する教科書」を渡さない品川区民の会、武蔵村山子どもの教育と文化を育てる会、江東区中学校教科書の採択を考える会、東京教科書採択連絡会から報告と今後の取り組みについての発言があった。

 最後に「まとめと行動提起」が俵義文さん(子どもと教科書全国ネット21)から行われ、「育鵬社、自由社教科書をどの子どもにも渡さないために」①教育委員会への取り組み②地域の住民に広げていく取り組み③安倍政権の諸政策に反対する様々な運動と手をつなぎ、広範な大運動をめざす―ことを提起した。参加者全体で確認し、スクラムを強化した。(Y)

報告:4.28―29敗戦70年:沖縄・安保・天皇制を問う連続行動

IMG_1052 4月28日~29日、敗戦70年:象徴天皇制の70年を撃つ/4・29反「昭和の日」行動と反安保実行委員会の共催で「敗戦70年:沖縄・安保・天皇制を問う連続行動」が取り組まれた。

 主催者は、4月28日(沖縄デー)と29日(「昭和の日」=ヒロヒトの誕生日)の連続行動を

①近代天皇制国家の出発点をなす「琉球処分」、沖縄差別・収奪政策、「皇民化」政策から沖縄戦、米軍支配と「本土」からの切り捨て、「復帰」による再統合と安保前線基地化のうえで辺野古基地建設反対住民に対する暴力の強行がある

②天皇制国家の侵略・植民地支配・戦争といった負の歴史を総括して歩み出すべきサンフランシスコ講和条約発効の日(4月28日)が、しかし、「切り詰めた」補償と戦争責任の曖昧化、日本列島の米軍基地化の継続、そしてその一環として沖縄の「切り捨て」の日となってしまった

③こうした「誤った戦後のスタート」を直視し、あるべき「負の歴史の総括」を求めていくことを確認して取り組んだ。

高里鈴代さんの講演

 28日は、千駄ヶ谷区民会館で「占領・『復帰』そして現在(いま) 沖縄基地問題からみた戦後70年」というテーマで高里鈴代さん(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会)の講演が行われ、七五人が参加した。

 高里さんは、冒頭、「2013年4月28日、政府として主権回復の日の式典を行った。しかし沖縄では、『屈辱の日』であり、抗議デモを行った。沖縄の辺野古基地反対を無視して日米会談で再確認してしまった。どのような立場から戦後70年を振り返るのか」と問いかけた。

IMG_1048 そのうえで「沖縄戦の特徴」について「実態は、軍命による集団自決、スパイ容疑で住民虐殺、強制移住によるマラリヤ禍、疎開船・対馬丸が撃沈され多くの児童と住民が犠牲となった。14歳から17歳の男子は鉄血勤皇隊へ、女子は従軍看護婦になった。

沖縄全域に軍隊慰安所が一四五ケ所設置され、韓国・朝鮮、台湾そして沖縄の女性たちが軍隊慰安婦にされた。軍は銃剣で脅し、民家を慰安所に強制接収した。当時の泉守紀知事は、『ここは満州や南方ではない。少なくとも皇土の一部である』として慰安所設置を拒否したが、更迭された。このように天皇制護持の『捨石戦』であった」と批判した。

 さらに①サンフランシスコ講和条約の締結と発効や人権を侵害する米軍基地の存在を厳しく批判し、とりわけ「戦後70年間にわたり駐留米軍構成員による、特に女性、少女へ向かう暴力、人権侵害が続いた。そもそも紛争地に直結する派兵基地の全機能は、兵士の事件、事故、女性への暴力と人権侵害に深く繋がっている。沖縄差別の実態を考えるには、①日本による植民地主義・同化政策など歴史的な背景②沖縄戦③米軍の異常な集中などの分析が重要だ」と強調した。

 連帯アピールが沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委員会、日韓民衆連帯全国ネットワーク、福島原発事故緊急会議から行われた。

大成建設への抗議

 4月29日は、4・29反「昭和の日」デモ(柏木公園<西新宿>)が行われ、100人が参加した。
 前段集会では、反安保実、自由と生存のメーデー・2015、反五輪の会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会から報告と決意表明が行われた。

 デモは、昭和天皇裕仁の誕生日を賛美するための「昭和の日」の抗議とともに、デモコース途中にある新宿センタービル内の辺野古新基地建設工事を請け負う大成建設本社への抗議も同時に行われた。

 新宿一帯にわたって「天皇制賛美の『昭和の日』反対!天皇制解体!辺野古新吉建設を許さない!大成建設は工事をやめろ!」のシュプレヒコールを響かせた。

(Y)
 

4.28-29「安保・沖縄・天皇制」を問う連続行動

4月28日(沖縄デー)と29日(「昭和の日」=ヒロヒトの誕生日)の連続行動のご案内です。
現在の辺野古新基地建設をめぐるヤマト政府の姿勢は、講和条約の発効の日(沖縄切り捨ての日)から連続しています。

敗戦後70年の今年、沖縄の基地問題(=ヤマト政府の沖縄差別問題)を歴史的に振り返り、今現在の問題を考えます。

ぜひご参加下さい。


●転送・拡散歓迎!!
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4/28沖縄デー集会
占領・「復帰」そして現在(いま)
沖縄基地問題からみた戦後70年


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[講 師] 高里鈴代さん
     (基地・軍隊を許さない行動する女たちの会)
[日 時] 4月28日(火)18:00開場/18:30開始
[会 場] 千駄ヶ谷区民会館 1F会議室(JR原宿駅6分)
     http://www.j-theravada.net/tizu-sendagaya.html
[資料代] 500円
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4/29 反「昭和の日」デモ
敗戦70年:象徴天皇制の70年を撃つ
4・29反「昭和の日」行動
[日 時] 4月29日(水・休)13:00集合/14:00テ?モ出発
[集合場所] 柏木公園(西新宿)

http://chizuz.com/map/map95457.html

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■現在、沖縄・辺野古で繰り広げられている海上保安庁職員や県警機動隊による基地建設反対住民に対するひどい暴力の数々。

 その背景には、近代天皇制国家の出発点をなす「琉球処分」、沖縄差別・収奪政策、「皇民化」政策から沖縄戦、米軍支配と「本土」からの切り捨て、「復帰」による再統合と安保前線基地化といった歴史がある。

■天皇制国家の侵略・植民地支配・戦争といった負の歴史を総括して歩み出すべき講和条約発効の日(4月28日)が、しかし、「切り詰めた」補償と戦争責任の曖昧化、日本列島の米軍基地化の継続、そしてその一環として沖縄の「切り捨て」の日となってしまった。

■こうした「誤った戦後のスタート」を直視し、あるべき「負の歴史の総括」を求めて、今年も4・28「沖縄デー」と4・29の「昭和の日」を、「安保・沖縄・天皇制」を問う連続行動として取り組む。

[共催]
●敗戦70年:象徴天皇制の70年を撃つ 4.29反「昭和の日」行動
【呼びかけ団体】アジア連帯講座/研究所テオリア/立川自衛隊監視テント村/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君か?代」強制反対の意思表示の 会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動評議会●反安保実行委員会

【案内】天皇のパラオ「慰霊」の旅⇒責任隠蔽儀礼を許すな!4.12集会

天皇のパラオ「慰霊」の旅⇒責任隠蔽儀礼を許すな!
4.12集会――殺し殺されるということ


[日 時] 2015年4月12日(日) 14:15開場
[会 場] 韓国YMCA 302会議室(JR水道橋駅6分/地下鉄神保町駅7分)
[資料代] 500円
[講 師] 彦坂諦さん(文学者/近著『文学をとおして戦争と人間を考える』)

■今年4月8~9日、天皇・皇后はパラオ共和国を公式訪問し、太平洋戦争の激戦地となったペリリュー島を訪れる。多くの日本兵・米兵が戦争で殺しあった島だ。


■その目的は戦争で死んだ日本(皇軍)兵士の「慰霊」。そこでは、誰が起こした何のための戦争であったかは問われることはない。また、1万人を超える兵士の具体的な死に様が思い起こされることもない。逆に、天皇制の戦争責任と個々の兵士の具体的な死の実相を隠蔽するための「慰霊」なのだ。


■敗戦から70年。天皇による「慰霊」という政治が隠そうとする戦争責任と戦場における殺戮と死の実態を、兵士の視点から考える――そういう集会にしたい。


ぜひご参加を!


[共催]
●敗戦70年:象徴天皇制の70年を撃つ 4.29反「昭和の日」行動
 連絡先 090ー3438ー0263
【呼びかけ団体】アジア連帯講座/研究所テオリア/立川自衛隊監視テント村/
反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇
制問題情報センター/連帯社/労働運動活動評議会
●反安保実行委員会 連絡先 03ー3254ー5460

報告:敗戦70年と象徴天皇制の70年を撃つ 2・11反「紀元節」行動

2.11デモ 2月11日、「敗戦70年と象徴天皇制の70年を撃つ 2・11反「紀元節」行動」が千駄ヶ谷区民会館で行われ、130人が参加した。


安倍政権は、「イスラム国」による「人質殺害事件」を政治利用し、「対テロ」戦争への参戦、対中国シフトを強めながらグローバル派兵国家建設に突き進もうとしている。安倍首相は、ナショナリズムを煽っていくために戦前の「紀元節」(初代神武天皇の即位)を「祝日」としてデッチ上げた「建国記念の日」を位置づけ、昨年に続けてメッセージを発した。

 

天皇制と日本帝国主義の戦争責任を居直り、「先人たちは勇気と希望をもって新しい時代を切り開いてきた。……平和と繁栄を次の世代に引き継ぐ。10年先、50年先、100年先をも見据えた改革に果断に取り組む」と強調し憲法改悪にむけた「ロードマップ」を準備しているほどだ。応援団の産経新聞にいたっては、「中国の領海侵入などで日本の主権が脅かされているばかりか、国際的なテロ組織によって国民の命が危険にさらされてもいる」「紀元節制定時に倣って今こそ、国を挙げ『日本人自身が日本を衛る』覚悟を決めなければならない」(2・11)と叫んでいる。

 

これらと連動して右派勢力は、明治神宮会館で「日本の建国を祝う会」(神社本庁、日本会議など1000人参加)を行い「憲法改正に向けた動きを加速してゆく」「賛同者の輪を拡大する国民運動を大いに推進する」ことを決議した。日本会議は、その推進役として各地で「建国奉祝」行事を組織化し、「政府主催の式典」の実現をめざしている。

 

このような安倍政権と右派勢力の野望を許さず、天皇制解体と反「紀元節」を掲げて集会とデモが取り組まれた。

集会は、実行委から集会基調①安倍政権と敗戦70年②日米安保の強化、戦争国家化と沖縄の反基地闘争③安倍政権と天皇制について―を提起し、「敗戦70年をめぐる言論状況のなかで、いわゆる『安倍談話』をめぐってもすでにあらわれているように、植民地支配と戦争の責任、歴史認識が鋭く問われる年となる。戦後象徴天皇制の総括とも連動して、次なる『Xデー』に向けた平成天皇制の『総仕上げ』のキャンペーンともなるはずだ」と述べ、反天皇制運動を闘っていこうと訴えた。

 

森正孝さんから(映画「侵略」上映委員会)「安倍極右政権の歴史改ざん主義と中国脅威論」というテーマで講演が行われた。

 

森さんは、「戦後70年の二つの核心的課題」について「①歴史修正主義による歴史改ざん問題〈村山談話の全面否定による安倍談話の発出/軍隊慰安婦と南京大虐殺の否定〉」と「②積極平和主義の名による積極的武力主義〈集団的自衛権行使するための18本の戦争法を成立させる/辺野古新基地建設をめぐる攻防〉を取り上げ、「ニューヨークタイムス」の「歴史修正主義やナショナリズムの推進勢力と軍事力強化を求める勢力が重複一体となっている。中国との対立関係が強調され、軍事力強化が日本国民に説得力を持っており、東アジアの緊張の原因となっている」(社説)を紹介しながら批判した。

 

そのうえで「戦争の記憶をどう継承するのか」「当事者世代が消えてもなお戦争の記憶をどうつなげていけるのか」と問い、「映像・ミュージアムの充実、戦跡ツアー、アジアの被害者聞き取りなどを通した戦争の記憶の社会的共有化、戦争体験の歴史体験化、教育現場における歴史教育を充実化させていかなければならない。戦争美化・帝国日本の美化が強まっているなか、史実を繰り返し伝える努力がますます重要な取り組みになってきている」と強調した。

 

さらに「安倍首相の右翼人脈、何をやってもOKという状況に入っている。民間右翼は、『憲法改正を実現する1000万人署名』(美しい憲法をつくる国民の会)など草の根右翼運動と対決する取り組みが求められている」が、とりわけ「中国脅威論」(尖閣諸島〈釣魚諸島〉問題/軍事力強大化/南シナ海領有権問題/米国と中国の関係)のウソを暴き出し、歴史的に批判していくことが必要だ」と指摘した。

 

連帯アピールとして、「2015・3・1独立運動96周年集会実行委員会」、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、福島原発事故緊急会議、警察の人権侵害を許さない会などから行われた。

不当逮捕糾弾!

集会終了後、渋谷に向けてデモに移った。天皇主義右翼は、事前に参加団体に対して天皇制批判をやめろなどという「脅迫状」や「いやがらせ電話」をかけ、反天皇制運動の破壊を試みてきた。この日もデモ破壊をねらって突入を行ってきた。挑発に乗らず、毅然とデモを展開しぬいた。

 

ところが警察権力は、デモ出発時から過剰警備、盗撮を強行し続けた。「右翼警備」を口実にしながら参加者に対して不当な挑発を繰り返し、不当弾圧の「チャンス」をねらっていたことは間違いない。デモに平行して歩道にいた「不当逮捕」を任務とする赤ヤッケを着た私服警察部隊が、突然、仲間たちに襲いかかってきたのだ。部隊の突入に続いて機動隊が介入し、デモ破壊を行いながら、そのどさくさで一人の仲間を不当逮捕し、原宿警察署に連行した。その「素早さ」は、事前に計画されていたのではないかと思わせるほどだ。右翼を先兵にしながら警察権力の闘争破壊、仲間の不当逮捕を許さない。

 

デモは解散地点の神宮通公園で集約。原宿警察署に不当勾留されている仲間への激励行動が取り組まれた。原宿署の二次弾圧策動をはねかえし、「不当逮捕糾弾!仲間をすぐかえせ!」を繰り返した。ただちに救援会の準備に入り、奪還の取り組みを開始している。仲間の早期奪還のための支援・連帯を行っていこう。

 

(Y)

*被弾圧者は12日に奪還された。

 

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【案内】敗戦70年と象徴天皇制の70年を撃つ 2・11反「紀元節」行動

敗戦70年と象徴天皇制の70年を撃つ 2・11反「紀元節」行動

▼講師 森正孝(映画「侵略」上映委員会)
◯安倍極右政権の歴史改ざん主義と中国脅威論

▼日時 2015年2月11日(水)
13時15分開場 *集会後デモ

▼場所 千駄ヶ谷区民会館2F
JR原宿駅/地下鉄北参道駅下車

▼ 12月の衆院選で「勝利」した安倍政権は、どのような無茶も「国民の信任」のもとで強行できると思い上がっているようだ。もはや法も人権も民主主義もない、傍若無人に戦争をする国づくりに突き進む姿しかみえない。

▼ 侵略戦争と植民地支配の歴史。戦前より一貫して利用し尽くすだけの支配的関係を強いてきた沖縄の基地問題。原爆被害をまんまと原発推進にすり替えた詐欺の政治。歴史に頬被りを決め、戦争を「平和」と言いくるめてきた日本政府は、米国との密約を重ねることで無反省・無責任な「敗戦処理」と「戦後復興」を果たした。

▼ その結果とも言える差別・排外主義、偏狭なナショナリズムに社会は席巻され、あらたな棄民政策による貧富の格差は拡大するばかり。憲法破壊と戦争国家のゴールがそこに見えている。

▼ そして天皇一族は、戦後的価値が一掃される中で不安定に陥る社会をまとめるべく、すべての矛盾を覆い隠す役割に、今年も忙しく動くことだろう。すでに3.11の東日本大震災追悼式や4月のパラオ慰霊訪問などが予定されている。

▼ 敗戦から70年の今年、放置され形を変えながら残り続けた問題の一つひとつをたぐり寄せ、現在の問題と繋げながら、日本社会と安倍政権にあらためて突き返していきたい。

▼ 敗戦70年最初の反天皇制行動、2.11反紀元節の集会とデモへ! 

敗戦70年と象徴天皇制の70年を撃つ 2・11反「紀元節」行動
http://2015211.blogspot.jp/

【呼びかけ団体】アジア連帯講座/研究所テオリア/立川自衛隊監視テント村/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会

【フランス】「シャルリー・エブド」への恐るべき攻撃への「国民的団結」は罠だ

1月11日にパリでは、オランド政権が呼びかけた大規模な「テロ」反対デモが行われたが、NPAはその呼びかけを拒否し、以下の声明を発した。

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左から欧州委員会のジャンクロード委員長、イスラエルのネタニヤフ首相、サルコジ前仏大統領、
マリのイブラヒム・ケイタ大統領、オランド仏大統領、ドイツのメルケル首相、パレスチナのアッバス議長



「シャルリー・エブド」への恐るべき攻撃への
「国民的団結」は罠だ

民主主義と連帯のためにレイシズムに反対する団結を


2015年1月11日

NPA(反資本主義新党)



 フランシスコ・オランドの社会党、ニコラ・サルコジのUMP(国民運動連合)、そしてフランスの政党の圧倒的多数や、政府の多くの高官たちがならんで一月一一日にパリで行われる「国民的統一」のデモにNPAは参加しない。

 重火器を携えた襲撃で、「シャルリー・エブド」のパリ事務所で一二人が殺されたことは、同情、憤慨、怒り、嫌悪の感情を全国的に引き起こした。このテロリストによる攻撃は全く受け入れられないことである。職員や漫画家たちの殺害は、われわれすべてに向けた犯罪であり、民主主義と表現の自由に対する犯罪である。われわれはこの血の惨劇の犠牲者に全面的な連帯をささげる。

こうした犯罪に関わった者たちは、テロを望んだのであり、意識的に恐怖を挑発したのである。かれらは極度の緊張に満ちた状況を作り出し、衝突とその過激化を引き起こそうとした。そこには、レイシズムとイスラム憎悪の高まりに直面するという大きな危険が存在する。われわれはすでに、モスクや住民への攻撃といった反ムスリム活動を見ている。われわれは、一切の妥協なくこうした事態に抗しなければならない。われわれは以前にも増して、あらゆる形での共同体に烙印を押し付ける行為や、いかなる形態の差別にも反対して闘わなければならない。われわれはまた、治安部隊により大きな権力を与えたり、市民的自由を制限することも拒否しなければならない。

オランドは国民的団結を訴えている。彼の社会党とサルコジのUMPは、国民的団結のデモを組織しており、オランドは一月九日に国民戦線と会い、そのデモに国民戦線が参加するよう招き入れたのである。こうしたやり方でかれらは、われわれが生きている政治的環境の質的低下と有害な雰囲気への自らの責任を覆い隠そうとしているのだ。かれらはそうでないように装いながら、外国人嫌いでレイシスト的な空気、外国人や自分とは違った人びとへの恐怖をはぐくんでいるのだ。それは憎悪の地盤の育成なのである。かれらは、勤労民衆を分断し、勤労民衆をかれらの政策に従属させ、また勤労民衆を自分たちが反対していると主張している文明破壊を引き起こすかれらの社会秩序に従属させることを望んでいるのだ。シニシズムの縮図はマリーヌ・ルペンである。彼女のおもな活動とは移民と外国人をターゲットにしたゼノフォビア(外国人嫌悪)の煽りたてである。

絶望とバーバリズム

 この殺害の暴力は、どこからもたらされたのだろうか。それは、労働者階級の資産で生活している多くの若者たちにとってきわめてよくある社会的・モラル的暴力の核心において作り出されたものである。それはレイシズム、ゼノフォビア、差別と、失業と搾取の暴力である。この文明破壊的暴力は、右派と左派の財政支出をめぐる社会的戦争が生み出した「モンスター・チャイルド」(恐るべき子どもたち)なのである。その頂点においてかれらがイラク、アフガニスタン、リビア、アフリカ、シリアに対して行った戦争がある。さらに数十年にわたるパレスチナ人民に対する戦争がある。

これらは、そのただ一つの目的が多国籍企業の支配とかれらの略奪の権利を維持しつつ、もっとも反動的な原理主義者を力づける戦争なのである。この文明破壊的な暴力は、もう一つの異なった形での文明破壊的暴力を創造する。「シャルリー・エブド」に対する犯罪がその劇的な表現となった社会的解体に対する回答は、それを可能にした政治に対してわれわれが闘うことぬきには、存在しないのだ。

労働者と諸民族の連帯

われわれの「シャルリー・エブド」への連帯、そしてこの憎悪に満ちたテロリスト犯罪の犠牲者――その何人かはわれわれの闘争にしばしば参加していた――への連帯は、諸民族や個々の男女を相互に敵対させるすべての反動的愚行、そしてすべての後ろ向きの偏見に対して闘うことである。民主主義と表現の自由は、民衆や人命の尊厳と同様に不可分のものである。

われわれが職場、家庭、大学で、反動派や政府から完全に独立した形で、民主主義と自由を生きたものにするために、討論し、会合し、デモを行うのはそのためである。


都教委と自衛隊が一体となった「防災教育」を利用した高校生リクルートを許さ

BsK-YOXCMAASjHn 東京都教育委員会は、安倍政権のグローバル派兵大国建設と連動して、先取り的に愛国心教育と新自由主義教育を押し進め、その一環として「東京都教育ビジョン(三次)」で「防災教育と自衛隊と連携」することを掲げ、「防災教育推進校」を設定してきた。

 


すでに「防災教育推進校」の田無工業高校は、陸上自衛隊朝霞自衛隊基地での宿泊防災訓練(2013年7月26日~28日)、続いて夢の島の東京スポーツ文化館での防災訓練(2学年の127人参加/28人不参加)を強行した(14年2月3日~5日)。参
加した自衛隊員が12人、都教委が16人が参加し、すべての経費(施設使用料等131万1820円、一般需用費105万900円など)を都教委が負担している。

 

さらに大島高校も11月26日~28日にかけて横須賀の自衛隊武山駐屯地での宿泊訓練を強行し、2年生33人が参加した。表向きは都教委高校教育指導課が自衛隊連携訓練校を募集し(4月18日)、大塚健一大島高校校長が応募したような形にしている。

 

だが大島高校の事前に年間行事予定に組み込んでいなかったことから明らかなように都教委が昨年10の台風26号による大島町土石流災害と自衛隊訓練を強引に結びつけて強要したのである。しかも「教育活動としての防災訓練」と言っていながら非公開だった。なぜならば訓練内容が大島高校職員会議資料「防災教育実施要項」によれば「整列と行進等」「起床・点呼」「自衛隊員が実行している規則(ルール)に従って団体行動」などで、まさに「基本教練」の軍事訓練そのものだからだ。

 

また、九鬼東一一等陸佐(防衛大学校教授)による講話も行っている。自衛隊は、防災訓練を「広報活動」という募集活動として位置づけている。つまり田無工業高校と同様に自衛隊入隊のための宣伝ショーを繰り広げたのである。

 


これは災害予測と連絡体制の強化、防災設備の補強、大島町消防本部―消防団―地域住民とともに防災陣形を担っていく姿勢がない。戦争のための軍事行動の自衛隊訓練に高校生を参加させることを前提にしているからだ。



「赤紙がきた」

「軍隊と教育」の結合強化はこれだけではない。7月1日、安倍政権が集団的自衛権行使容認を閣議決定した日に「自衛官募集」の案内DMが全国の高校3年生の自宅宛に送付していた。高校生たちの間では、一斉に「徴兵制みたいだ」「赤紙がきた」というメールが飛び交った。当然、どうやって住所を知っているのだという疑問が噴き出した。

 

この「謎」について東京新聞(10月6日)は、「防衛省が自衛官募集DMを郵送するため、住民基本台帳に記載されている適齢者の名前、生年月日、性別、住所の四情報の提供を求めたのに対し、全国の1742市町村・特別区(3月末現在)のうち、約71%に当たる1219市町村・特別区が積極的に情報提供していた」関係を築き上げてきたことを明らかにしている。

 

報道に対して自衛隊は、「毎年、高卒予定者への求人広報活動解禁日から『自衛官募集』のDMを送っており、「ことしは、閣議決定と募集広報の解禁日がたまたま重なった」と居直った。

 

しかも「住民基本台帳の一部写しの閲覧は適法」であり、「自衛官および自衛官候補生の募集」が自衛隊法九七条(都道府県知事および市町村の長がその事務の一部を行うこととしている)に基づいて行っているから「合法」だと正当化した。つまり自衛隊は、高校生、学生をターゲットにした自衛隊員へのリクルートのために個人情報大量取得のやりたい放題とともに監視・管理を強化していくことも狙っているのだ。

 

抗議運動の後退によって長年、自衛隊は学校掲示板に募集ポスターを掲示し、大学祭時にキャンパスや防災訓練のたびに宣伝ブースの設置を任務として行ってきた。例えば、自衛隊神奈川地方協力本部のサイトでは「総合的な学習の時間~職場体験学習~」として「神奈川県内の小・中・高校のカリキュラムとして実施されている『総合的な学習の時間』(職場体験学習)の県内の駐屯地(基地)受入支援を行っています」と募集活動も行っているほどだ。このような宣伝・「職場体験学習」と称したリクルート活動の拡大に反対していく取り組みが急務だ。


防災教育の実態を暴く

大島高校の自衛隊防災訓練に対して11月11日に「大島高校の自衛隊での訓練に反対する緊急集会」(実行委員会)が行われた。都教委包囲・首都圏ネットワーク、「ふぇみん婦人民主クラブ」、「自衛隊をウオッチする市民の会」などが公開質問状、抗議の申し入れを行っている。

 

bk-4886837727 また、ブックレット「高校生をリクルートする自衛隊・自衛隊の手法を取り入れる教育行政」(同時代社発行・800円)が緊急出版されている。

 


本書は、「1 高校生に届く自衛隊からの手紙――自衛隊は「平和を、仕事にする」職業か?/2 「防災訓練」の名のもとに、教育現場に入りこむ自衛隊/3 自衛隊駐屯地で行われた高校生の「防災訓練」/ドキュメント 東京都立田無工業高校生の朝霞駐屯地での三日間/4 都立田無工業高校二回目の自衛隊との宿泊防災訓練 夢の島・BumBの宿泊防災訓練レポート/5 沸き上がる自衛隊の宿泊防災訓練への抗議・反対運動の取り組み 自衛隊をウォッチする市民の会/都教委包囲首都圏ネットワーク/ふぇみん婦人民主クラブ/6 都立大島高校の宿泊防災訓練/7 銃剣道による自衛隊への子どもたちの取り込みは許されない!/8 東京都総合防災訓練とこれへの児童・生徒の参加」について取り上げ、「軍隊と教育」の結びつきの現段階を批判している。この流れを阻止するために必読書である。

 

都教委は、安倍政権と「国家安全保障戦略(NSS)」(13年12月17日)が求める「我が国と郷土を愛する心を養う」活動として防災教育推進校を指定し、高校生を国防訓練に動員していくために自衛隊リクルーターの任務を強化しつつある。安倍政権による集団的自衛権の行使容認によって、「軍隊と教育」の結合、定着の拡大化をねらっている。都教委と自衛隊が一体となった高校生の軍隊動員を許してはならない。
(Y)

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中教審の「道徳の教科化」答申批判―安倍政権の教育再生実行会議路線を許さない

img_1 文科省の諮問機関である中央教育審議会(安西祐一郎会長)は、10月21日、安倍政権のグローバル派兵国家建設の一環である新自由主義教育政策と愛国心教育の徹底に向けた教育再生実行会議路線の具体化である、小中学校の「道徳の時間」の教科化強行にむけて「道徳に係る教育課程の改善等について」を答申した。

 

中教審の「道徳の教科化」答申に至る経過はこうだ。

 

安倍首相は、第一次安倍政権(2007年)時に道徳の教科化を策動したが中教審、文科省官僚の抵抗によって頓挫したことを踏まえ、人事配置から着手した。

 

下村博文文科相、副大臣に藤井基之、丹羽秀樹、政務官に赤池誠章、山本ともひろなどの天皇主義右翼、日本会議に加盟する自民党議員を文科省の役職につかせた。

 

それに先行して安倍の極右思想と国家主義を実現していく演出装置である教育再生実行会議にも佃和夫(原発・兵器産業の三菱重工業会長)、加戸守行(「新しい歴史教科書をつくる会」、前愛媛県知事)、河野達信(「日の丸・君が代」教育推進の全日本教職員連盟委員長)、曽野綾子(歴史偽造・右翼作家)、八木秀次(日本教育再生機構)など札つきの右翼を配置していた。

 

再生会議は、「いじめの問題等への対応について」(第一次提言)(13年2月26日)で「改正された教育基本法の理念が十分に実現して」いないと称して「道徳の教科化」が必要だと強調した。それは「心のノート」を使った「規範意識」「道徳」の押し付け、学習指導要領で事例を列挙し、成績をつけるというものだった。委員の加戸は「戦前の修身教育を思い出させるなどと批判はあるが、今はそんな時代ではない。文科省にはできない道徳の教科化を、政治主導で方向づけできる」と居直っていたほどだ。

 

 

道徳教科化のねらい

 

 

 

この教育再生実行会議路線を踏襲する形で文科省は、「道徳教育の充実に関する懇談会」を設置した。最終的な報告書案(一三・一二・二)も「規範意識」「道徳」の押しつけの姿勢を維持して①小中学校の「道徳の時間」の教科への格上げ②評価は数値ではなく記述式③教材は検定教科書④授業は学級担任が受け持つ⑤「道徳教育推進リーダー教師」を指定することを提言した。要するに「我が国と郷土を愛する」という「愛国心条項」盛り込んだ改悪教育基本法の理念を押しつけ、強要していくために道徳の教科化を実現していくことにある。

 

すでに文部科学省は、道徳教育用教材「心のノート」を全面改訂し、「私たちの道徳」を完成させ、四月からばらまいている。

 

小学校五、六年の「私たちの道徳」は、 「4みんなとつながって⑴法やきまりを守って ⑵公正、公平な態度で ⑶自分の役割を自覚して ⑷公共のために役立つことを ⑸家族の幸せを求めて ⑹より良い校風を求めて ⑺郷土や国を愛する心を ⑻世界の人々とつながって」、同様に中学の「私たちの道徳」でも「4社会に生きる一員として ⑴法やきまりを守り社会で共に生きる ⑵つながりをもち住みよい社会に ⑶正義を重んじ公正・公平な社会を ⑷役割と責任を自覚し集団生活の向上を ⑸勤労や奉仕を通して社会に貢献する ⑹家族の一員としての自覚を ⑺学校や仲間に誇りをもつ  ⑻ふるさとの発展のために ⑼国を愛し、伝統の継承と文化の創造を ⑽日本人の自覚をもち世界に貢献する」という項目を立てて愛国心と国家主義を巧妙に注入しようとねらっている。

 

安倍は、「教育基本法を改正し、教育の目標に伝統文化の尊重や愛国心や郷土心も書いたが、検定基準では改正基本法の精神が生かされていない」(一三年四月一〇日)とどう喝しながら、中国や韓国などのアジア諸国に配慮するよう求める「近隣諸国条項」の撤廃を主張してきた。

 

文科省は、道徳の教科化によって検定教科書として改悪教基法下の道徳教科書を作り上げていく魂胆だ。しかも安倍政権が求めるグローバル資本主義と戦争国家を担う人材育成にむけた現代版「修身科」と国定教科書の再現である。

 

 

 

国家に忠実な人間育成

 

 

 

中教審答申は、基本的に自民党「教育再生実行本部」、安倍政権の「教育再生実行会議」、文科省の「道徳教育の充実に関する懇談会」の提言を集約したものでしかない。

 

答申の「1 道徳教育の改善の方向性」の「(1)道徳教育の使命」において「道徳教育は、人が一生を通じて追求すべき人格形成の根幹に関わるものであり、同時に、民主的な国家・社会の持続的発展を根底で支えるものでもある」と規定し、国家建設を担うための規範意識の形成として位置づけるのだ。

 

ここを基準とし、前提にしているから小学生、中学生に対する道徳教育は、「社会を構成する主体である一人一人が、高い倫理観をもち、人としての生き方や社会の在り方について、多様な価値観の存在を認識しつつ、自ら感じ、考え、他者と対話し協働しながら、よりよい方向を目指す資質・能力を備えることがこれまで以上に重要であり、こうした資質・能力の育成に向け、道徳教育は、大きな役割を果たす必要がある」などと高圧的な姿勢で露骨な国家建設にとって有効な価値観、倫理観をでっち上げ押し付け、国家に忠実な人間育成を推し進めるものになっている。どのような社会なのかという分析も総括もなく、グローバル資本主義と新自由主義による競争主義、弱肉強食、格差拡大と貧困化の社会を批判していく回路の重要性に触れることもない。

 

しかも「特別の教科 道徳」(仮称)として新たに位置付けているが道徳の教科化の根拠が薄弱なままだ。強引に「学校教育の中核として位置付けられるべきもの」と押し出し、「道徳教育の要である道徳の時間において、その特質を生かした授業が行われていない場合があることや、発達の段階が上がるにつれ、授業に対する児童生徒の受け止めがよくない状況にあること、学校や教員によって指導の格差が大きいことなど多くの課題が指摘されており、全体としては、いまだ不十分な状況にある。こうした実態も真摯に受け止めつつ、早急に改善に取り組む必要がある」から「道徳の教科化」が必要だと恫喝するだけだ。

 

結局は、安倍政権がめざすグローバル派兵国家構築にむけて「学校における道徳教育全体の充実を図ることは、教育基本法に定める『人格の完成』や『平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質』の育成など教育の根本的な理念の実現にとっても極めて大きな意義をもつものと考える」と結論づけるのだ(答申「2 道徳に係る教育課程の改善方策」)。

 

 

 

教育と軍隊

 

 

 

あげくのはてに答申は、わざわざ「なお、道徳教育をめぐっては、児童生徒に特定の価値観を押し付けようとするものではないかなどの批判が一部にある」と触れざるをえないほど社会的批判を気にしているポーズをとりながら、「しかしながら、道徳教育の本来の使命に鑑みれば、特定の価値観を押し付けたり、主体性をもたず言われるままに行動するよう指導したりすることは、道徳教育が目指す方向の対極にあるものと言わなければならない」と答申の基本性格と矛盾、整合性がないことを表面化する欠陥を露呈している。

 

「道徳の視点の順序」において「3 主として自然や崇高なものとの関わりに関すること」と「4 主として集団や社会との関わりに関すること」を取り上げ、天皇制と「日の丸・君が代」教育を射程にしたイデオロギー注入を指摘している。

 

「3 その他改善が求められる事項」では、「道徳教育は、人の一生涯にわたる人格形成に関わる課題であって、就学前の幼児期、高等学校、特別支援学校などにおける道徳教育についても、一貫した理念に基づき、改善を図っていく必要がある」と明記し、「幼稚園や高等学校における道徳教育の充実に関しては、学習指導要領の総則に関わる部分を除き、主に次期全面改訂に際し、本格的に検討を行うべき事柄である」と強調している。

 

とりわけ高等学校を対象にした道徳教科化導入策動は、「道徳教育推進教師のリーダー役として助言等を行う『道徳教育推進リーダー教師』(仮称)の設置の促進や、道徳教育を専門に担当する指導主事の配置、道徳教育に優れた経験を有する退職教員や民間人材の活用など、教員の指導力向上を推進するためのスタッフの充実も必要である」と合わせて提示していることに注意しなければならない。

 

この提起は、すでに愛国心教育と新自由主義教育を先取りしてきた東京都教育委員会の取り組みを先行事例として組み込んでいく危険性がある。

 

都教委は、「東京都教育ビジョン(三次)」で「防災教育と自衛隊と連携」する「防災教育推進校」、「道徳教育先行実施校」、「規範意識向上先行実施校」を設置した。さらに「道徳授業地区公開講座」を行い、八月に都内全公立小・中学校の道徳教育推進教師を対象にした養成講座を行った。「東京都道徳教育教材集」をベースにしながら都教委に忠実な教師作りを強化してきた。

 

「ボランティア活動での活用事例」には「東京消防庁の防災訓練の写真」を見せ、「防災訓練」も地域にとって大切な活動である」と取り上げている。この位置づけのもとに生徒たちを防災訓練に動員している。

 

すでに「防災教育推進校」の田無工業高校では陸上自衛隊朝霞自衛隊基地での宿泊防災訓練(2013年7月26日~28日)、自衛隊リクルーターが指導する夢の島防災訓練を強行した(14年2月3日~5日)。社会的批判が強まるなか、11月26日~28日にも大島高校の自衛隊武山駐屯地での宿泊訓練を再度強行しようとしている。高校生を国防訓練に動員し、自衛隊入隊を応援する始末だ。都教委のように道徳授業、軍隊の一体化に結びつく危険性を厳しく批判しなければならない。

 

安倍政権が「国家安全保障戦略(NSS)」の基本方針(13年12月17日)で「我が国と郷土を愛する心を養う」を明記したことと連動した動きだ。NSSは、「国家安全保障を身近な問題として捉え、その重要性や複雑性を深く認識することが不可欠」だとして位置づけていることに現れている。

 

「特別の教科 道徳」は、「日の丸・君が代」強制に続く国家による思想統制であり、戦前の戦争動員のための皇民化教育の「修身科」の復活と言える。安倍政権・自民党・日本会議など右翼勢力の悲願であった「道徳の時間」教科化に反対していこう。

 

(Y

 

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報告:安倍戦争国家の『追悼』を許さない!8・15反『靖国』行動 集会とデモ

15写真 8月15日、「安倍戦争国家の『追悼』を許さない!8・15反『靖国』行動 集会とデモ」(主催:実行委)が全水道会館で行われ、250人が参加した。

 

安倍政権は、「集団的自衛権の行使」を合憲と解釈し直す閣議決定(7・1)を強行し、グローバル派兵国家建設に向けて突き進んでいる。特定秘密保護法制定と司法改悪(盗聴法、司法取引、取調べ可視化制限など)の着手。沖縄辺野古・高江への新基地建設への強行突破、米軍オスプレイの全国展開と同時に自衛隊のオスプレイ導入など目白押しだ。

 

さらに安倍首相は、今回の8・15靖国参拝について中国、韓国、米国などの批判をかわすために玉串料奉納にとどめつつも居直りでしかない。そのことは政府主催の「全国戦没者追悼式」で歴代首相が表明していたアジア諸国に対する「加害責任」「不戦の誓い」に触れなかったことに現れている。天皇明仁の「おことば」も同様のレベルだ。

 


閣僚から新藤義孝総務相、古屋圭司国家公安委員長、稲田朋美行政改革担当相が靖国参拝し、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の衆参議員84人が集団参拝した(自民68人/次世代の党7人/日本維新の会6人/無所属1人)。英霊にこたえる会と日本会議は、靖国神社で集会を行い、昨年末の安倍首相靖国参拝を評価し、「憲法改正の早期実現をめざして国民運動を一層力強く展開する」と確認している。

 

実行委は、このような安倍政権と右翼潮流が連動しながら侵略戦争を美化し、戦争の死者を顕彰する靖国神社のグローバル派兵国家建設への組み込みを許さず、「靖国と天皇制解体」「安倍政権打倒」を掲げ、靖国神社に向けて集会とデモを行った。


問題提起が北村小夜さん(元教員)、天野恵一さん(実行委)から行われた。

 

北村さんは、「戦争は教室から始まる」と言い続けてきた観点から安倍政権の「戦争ができる国」作り、2020東京オリンピックを批判した。
「(東京五輪)招致は安倍首相のウソで決定した。2019年のラクビーW杯を前提に神宮外苑地区の再開発が市民の犠牲の上に強引に進められようとしているし、国威をかけた日の丸掲揚を目指す動きも活発になってきている。仮想敵国=敵愾心の育成、軍備拡充。国威高揚のためのオリンピック。天皇・皇室利用とすべて1932年頃とほぼ同じ戦前にあることがよくわかり、異を唱えるものが非国民にされていく過程である」と解き明かした。

 

そのうえで教科書改悪と領土ナショナリズムの注入強化の実態を確認し、「歴史をゆがめ戦争を肯定する記述はすべての教科にわたっている」と指摘し、反撃に向けた取組みの強化を訴えた。


天野さんは、「天皇制の現在」を批判する以下の視座などをアプローチした。
①山田昭次著(全国戦没者追悼式批判)の「対国家忠誠心の再興を目指す政府主催の全国戦没者追悼式の成立と展開」を紹介しながら、天皇制批判の弱さを指摘した。

 

②池田浩士さんの「天皇制の現在」(1986年7月)を紹介。池田さんの長谷川三千子批判を紹介し、「天皇制というのは、関係の問題ですから、天皇制があって、天皇が単に一人で一方的に支配しているわけではなくて、支配される我々の側の存在を不可分にしている」と明らかにし、天皇制の「ソフト」機能の危険性を過小評価してはならないと強調した。

 

さらに「原子力基本法」改悪、「自民党改憲草案」批判しながら核武装をも射程に入れた戦争国家づくり(改憲策動)と闘っていこうと強調した。

 


各団体から連帯アピールが行われ、最後に「集会宣言」が読み上げられ、参加者全体で靖国神社にむけて「真夏の太陽よりも熱く抵抗の声をあげ行動する」ことを確認した。


警察と右翼が一体となった闘争破壊を許さない



デモは、力強く「靖国解体!戦争反対!天皇制解体!」のシュプレヒコールをくり返し、靖国神社前の九段下交差点で抗議の拳を高く掲げた。デモ隊列は右翼の挑発を許さず毅然と対応し、最後まで行動を貫徹した

 

なお街宣右翼、在特会などは、「反天連カウンター」などと称してデモ妨害挑発を強行してきた。とくに白山通り神保町三丁目付近の路地に「白Tシャツ」(胸に「清和」とマーク)の20人が待機していたが、この集団がデモ後方をつきまとい、デモ隊後方と並列になった時点でプラカードを持った仲間を襲撃した。

 

「白Tシャツ 清和」は、隊列前方、横断幕破壊なども強行してきた。明らかに事前に襲撃を計画していたことは間違いない。警察は、この暴行集団犯人をただなだめるだけで放置した。警察と右翼が一体となった闘争破壊を許さない。

 

(Y)

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報告:8.9平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動

ヤスクニキャンドル 8月9日、「平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動実行委員会は、在日本韓国YMCAで「靖国参拝は『平和の維持』に必要か!?━世界からみるヤスクニ」を行い、集会とデモ合わせて500人が参加した。

 

キャンドル行動は、2006年8月、明治公園で開催してから九年目を迎えた。昨年12月26日、安倍晋三首相は靖国神社を参拝し、本年7月1日に日本を「戦争する国」に向けて「集団的自衛権」行使の内閣決議を強行した。キャンドル行動は、①安倍首相の言う「不戦の誓い」「平和の維持」のための靖国参拝を韓国、沖縄、台湾、ドイツ、アメリカがどう見ているかを明らかにし、その欺瞞と虚妄を確認する②戦死者に対する真の「不戦の誓い」とは何か、「平和の維持」に不可欠の行動とは何か━などをテーマにして論議を深めていった。


シンポジウム「ドイツ・アメリカからみるヤスクニ」

開催あいさつが李錫兌さん(靖国反対共同行動韓国委員会共同代表・弁護士)から行われ、「(安倍政権の「集団的自衛権」行使容認)これはアメリカ、中国、ロシアの間に新冷戦といって、政治、経済、軍事的葛藤が激しくなっていきつつあり、また、南北分断によって軍事的緊張が消えていない朝鮮半島など、東アジアの不安定な状況を考えてみる際、実に憂慮される事態の変化だと思われます。私たちはヤスクニの闇が、さらに深くなる可能性があることを体感せざるを得ません。市民のひとりとして、戦争に反対する行進を止めてはいけません」と訴えた。

 

シンポジウムは、「ドイツ・アメリカからみるヤスクニ」をテーマにして4人のパネリストから問題提起が行われた。

 


山田昭次さん(立教大学名誉教授)/テーマ「軍事大国化への道と戦没者顕彰」

 

山田さんは、①全国戦没者追悼式の開催とその問題点②中曽根康弘首相の靖国神社公式参拝③小泉純一郎首相の靖国神社公式参拝の意図を批判した。


そのうえで「安倍は2013年8月15日の全国戦没者追悼式の式辞で、細川首相の全国戦没者追悼式の式辞以来必ず言及されたアジアに対する日本の侵略や植民地支配への反省の言葉が全くなかった。これは偶然ではない。アジアに対する日本の侵略や植民地支配の歴史を否認することを行ってきた人物だ。アジア太平洋戦争日本人戦死者を殉国者として顕彰し、『軍備の根底たる愛国心』の高揚を図っているのだ。平和に対する危機を乗り越えなければならない」と強調した。

 


パウル・シュナイスさん(牧師)/テーマ「2013年安倍首相の靖国神社参拝━ハイデルベルクからの視点」

 

バウルさんは、①私自身の靖国問題との出会い②安倍首相の靖国参拝に対するドイツ社会(特にメディア)の反応③1945年以降ドイツにおける戦死者追悼④21世紀ドイツにおける国外派兵戦死者の追悼について報告した。

 

「戦死者なき世界を目指して」の観点から「敵側の軍拡を促す代わりに、戦争を望まず、いかなる紛争も忍耐・敬意・率直さで解決したいという用意を示す。たしかに骨が折れるでしょうが、最終的にはいかなる戦争準備・武力行使よりも成功する」ことを示した。

 

内田雅敏さん(弁護士)/テーマ「戦没者追悼と靖国神社」

 

内田さんは、冒頭、「靖国問題解決の第一歩は国立追悼施設の建設にある」と提起し、「1952年、官民挙げて全日本無名戦没者合葬墓建設会が発足した。軍人軍属だけでなく、戦没者のすべてを対象とし、宗教各派の垣根を越え、外国の使節も迎えることのできる『国立追悼施設』が目指されていた。この構想が実現されていれば今日のような『靖国問題』は生じなかったと思われる」「(2001年12月「追悼・平和祈念のための記念碑等建設のあり方を考える懇談会の報告書が)顕彰でなく、追悼することによって、非業、無念の死を強いられた死者たちの声を傾けようとするものであって共感できる」と述べた。

 

あらためて「今からでも遅くない、すべての戦没者を追悼する無宗教の国立追悼施設を設けるべきである。戦没者に対してひたすら追悼し、再び戦没者を出すことをしないという誓いがなされなければならない」とまとめた。

 

ダグラス・ラミスさん(沖縄国際大学教員)/テーマ「『同盟国』アメリカからヤスクニを見る」は、「日本の保守派の軍国主義時代のロマン(靖国イズム)とその米国に対する卑屈な従属との矛盾、米政府の靖国イズムに対する同時の支持と批判、という矛盾をどう考えればいいだろうか」と問いかけた。

 

「米政府は、日本の再軍備を求め、その軍事力を米国の世界戦略に組み込もうとしている。しかし、日本の保守派の文化の中、『再軍備』イコール『靖国イズム』の復活だ。『靖国イズム』には、米国の体制は飲めないところがある。国と国の間で、ちょうどいいバランスがとりにくい。この大きな矛盾に基づいた同盟はもろい」ことを解き明かした。

 

質問コーナーでは、会場から内田さんに対して「追悼施設がなぜ『国立』なのか」という質問が出た。

 

続いて徐勝さん(キャンドル行動共同代表)は、(内田意見に対して)「国立追悼施設は、国家によって犠牲にされた者を回収する。アジアの犠牲者に対しては、どうするのだ。死んだ者の魂を慰めるのは、国がやる必要はない」と批判した。


ヤスクニNO!

「証言」コーナーでは、韓国・太平洋戦争被害者補償推進協議会、日本・神奈川平和遺族会の発言、台湾のチワス・アリさん( チワス・アリさん(台湾・靖国アジア訴訟原告団長)のメッセージが紹介された。

 

「アピール」では安倍靖国参拝違憲訴訟、ノー!ハプサ(合祀)第二次訴訟、戦争をさせない1000人委員会、8・14日本軍「慰安婦」メモリアルデーが発言した。

 

「コンサート」では村山二郎さんが篠笛演奏、韓国からソン・ビョンフィ、ムン・ジンオ、キム・ガヨンさんが熱唱した。

 


最後に今村嗣夫さん(共同代表)が閉会あいさつを行った。

 

集会終了後、靖国神社にむけたキャンドルデモが行われた。神保町付近では40台以上の右翼宣伝カーが違法駐車と都条例違反の拡声器騒音、在特会のいやがらせを行ってきた。警察権力は、いずれもなだめるだけで放置状態だ。

 

デモは、このような挑発に乗らず「ノーヤスクニ!戦争反対」のコールを繰り返し、解散地点で来年も取り組むことを確認した。(Y)

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【報告】アジア連帯講座:「公開講座 2020東京オリンピック・パラリンピックを問う」

谷口講座写真 7月26日、アジア連帯講座は、文京シビックセンターで「公開講座 2020東京オリンピック・パラリンピックを問う」を行った。

 


第32回夏季オリンピック(2020年)の東京招致が昨年九月に決まり、ビッグビジネスチャンスだとして大喜びで安倍政権、スポーツマフィア、財界、ゼネコンなどが一斉に動き出している。7月24日で2020年東京五輪開幕まで六年となったことでメディア各紙が論評しているが、東京五輪応援団でさえも「東京五輪まで6年 膨張費用、どう圧縮、過少見積もり裏目」(毎日新聞)、「『世界一』への道険しく 費用、継承、環境、交通……準備遅れ」(産経新聞)と言わざるをえないほどいいかげんな状況を反映するものとなっている。

 


講座は、商業主義とナショナリズムにひた走るオリンピックを厳しく批判してきた谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)を講師に迎えて、「2020東京オリンピック・パラリンピック」の問題点を明らかにし、今後の反対運動の方向性を模索した(講演要旨別)。

 


なお講座の冒頭では、ビデオ『検証!オリンピック―華やかな舞台の裏で』(PARC制作)を上映。

 


ビデオは、新国立競技場計画の問題点を指摘する。さらに野宿者排除の危険性を訴える向井健さん(山谷労働者福祉会館活動委)、新国立競技場建設に伴って立ち退きを迫られている甚野公平さん(都営霞ヶ丘アパート)、葛西臨海公園のカヌー競技場建設計画に反対する飯田陣也さん(日本野鳥の会)、佐藤和良さん(いわき市議)の話とともにが「オリンピックそのものが原発事故の隠蔽、被害者の圧殺だ」と糾弾するシーンが続き、東京オリンピックの問題点を解き明かしている。今後のオリンピック反対運動のスタートとしてビデオは有効な「武器」となるだろう。(Y)


■谷口源太郎さんの問題提起

今日は、とても暑いですね。2020年7月も今以上に暑いのではないか。その中でオリンピックをやる。アスリートだから全力をつくすわけだ。適当に暑さを避けてなどでは成り立たない。ストレートに健康に害がでる。JOC(日本オリンピック委員会)は、暑さに対する対策どうするかと慌てている。

 

今ごろになって「季節を変えたらどうか」などと言う部分も出ているが、IOC(国際オリンピック委員会)は「そんなのできない」と言っている。アメリカ・ヨーロッパのプロスポーツは、リーグのスケジュールは決まっている。だからそれをだぶらすことはできない。季節はここしかない。どこかに移せばいいという単純な話でない。莫大なオカネがかかるプロスポーツが優先だ。国際的なスポーツの構造そのものが、オリンピックを暑い季節にやらざるをえないと規定している。


堕落したオリンピック招致

1964年の東京オリンピックについて、どれだけのメディアがオリンピックが抱える国内外の問題をジャーナリストの批判精神を持って捉えたか。反対運動がほとんどなかったこともあるが、現実的に東京都民の生活は、下水道の整備の問題も含めて日常生活のためのインフラがオリンピックのために随分遅れた。予算が全部オリンピックに配分されたからだ。民生費はなかった。道路、首都高も含めて首都としての近代化にむけてオリンピックを招致した。コンクリート化、新幹線なども含めて、東京の一極集中化の基礎を作った。

 

その影で都民は、どういうことだったのかということを指摘したのは、オリンピックの後だった。その一人が美濃部都知事だった。後付けの批判だったが、東京オリンピックのおかげで、どれだけ東京都民のインフラ整備が遅れたかを明確に指摘した。

 

それが現在では1964年に対してはノスタルジアだ。あの感動、夢、様々な面で素晴らしかったと表現し、2020年オリンピックを語っている。しかし、そうではなくていろんな問題を抱えていることを提起し、議論の手がかりにしてほしいというのがビデオ制作の目的だった。

 


ビデオでも出てきたが、福島の人たちがオリンピックを強烈に批判している。結局、2020年東京オリンピック招致そのものが、ウソだらけ、欺瞞だらけだ。こんなに劣化し、堕落したオリンピック招致は、歴史上ない。メディアはほとんど取り上げない。

 


ブエノスアイレスでのIOC総会で安倍首相のプレゼンテーションが、かなり招致の決め手の一つになったとメディアは評価している。安倍首相が、福島第一原発の汚染水問題をめぐり、「完全にブロックされている」、「コントロール下にある」と発言した。

 

ところが色々と取材してみると、当初、安倍のプレゼン原稿の中には「完全にブロックされている」「コントロール下にある」という文章はなかった。ある東京を支持するIOC委員がいて、次のようなことをJOCに言った。

 


「イギリスのBBCが前々から福島原発の汚染水漏れ等含めて厳しい報道をし続けていた。BBCは、チェルノブイリの経験もあって福島の放射線漏れ、汚染水問題に対して徹底した取材態勢を敷いた。もしこのままだとだめだ。首相クラスが明確に説明をしないと、東京は落ちる。BCCは、総会で厳しい質問もする」。

 

それでJOCは、まずい!となって、首相官邸にすぐに作文を送り、「アンダーコントロール」についてきちっと言えと提言した。このことがG7のサンクトペテルブルクからブエノスアイレスに向かう飛行機搭乗中の安倍首相に届き、作文に加筆することになった。安倍は作文されたままをそのまま読んだだけだ。だからいかにいいかげんなプレゼンだったかということだ。

 


BBCの激しい追及は、現地でもあって、総会の数日前に行われた各立候補地の記者会見で竹田恆和JOC会長、日本体協の張富士夫会長に向かって汚染水問題を問いただした。シドロモドロになってしまった。最終的には安倍首相がプレゼンで説明すると丸投げした。さらに福島は東京から250キロ離れているから東京はまったく安心だと言ってしまった。

 

この発言に対してもBBCは、反論した。あの竹田の発言は、完全に福島を切り捨てるものではないか、そういうことでいいのかと批判した。

 


このように日本の招致活動の最後のところで、こんなデタラメが作られた。しかもこれはIOCとの合作だ。IOCは、日本に勝たせるためには福島原発事故に対する明確な説明を求めた。IOCと結託して東京が選ばれた。


森喜朗独裁体制の暴走


2016年、オリンピックの東京招致に落選した。石原都知事は、プライドが高い男だったから、そうとうなショックだった。二度と立候補しないという思いだった。

 


それを引っ張り出したのは森喜朗だった。実は、ある企みをもって石原を都知事に立候補させて、再度、2020年オリンピックに立候補させた。ほんとうの企みは、二〇一九年のラクビーワールドカップの日本開催だった。森は、日本ラグビー協会の会長であり、2019年の日本でのラグビーワールドカップに立候補し、選ばれた。

 

ここには森の一つの国家戦略がある。スポーツ立国ということを文教族の麻生太郎と森が組んで、スポーツを国家戦略として位置づけてラグビー、オリンピック招致を進めていた。国際的なイベントを国内でやることが、いろんなメリットを生み出すという発想だ。単に大会で選手たちが活躍して、メダルをたくさん取るということだけではなく、国策としてやる。ラグビーは人気がないが、ワールドカップを招致してしまった。ラグビー国際連盟の規約の中にワールドカップの準決勝、決勝は八万人規模を収容できるスタジアムが必要だという内規がある。森は、規定に反しては、まずいと思った。

 

つまり、国立競技場を壊すのは、オリンピックのためではなく、ラグビーワールドカップの準決勝、決勝を行うために、現在の国立競技場を建て替えるということだ。ところが世間はラグビーのワールドカップのために、そんなスタジアムなんて必要だと思わない。森は、オリンピックを招致し、そのメインスタジアムとして使うという口実を考えた。森の策謀は、石原慎太郎に再度立候補させ、国立競技場を8万人の規模に向けて建て替えることだった。すべて森が仕組んだたくらみだった。石原は、それを知っていたから途中で投げ出してしまう。さらに森は、国立競技場のみならず2020年東京オリンピック組織委員会を取り仕切ることもねらっていた。

 

大会の組織委員長として、できれば政治家以外を会長にすべきだというアドバイスがIOCからJOCに届いた。当初、JOCは財界人から出そうとしていた。全部断られたという形にして、森が引き受けようとなった。森周辺が財界人に根回しして、立候補しないように画策していた。森は、どうしてもやりたかった。新聞では森が押し出されたという評価だが、実はそうではなかった。

 


その後、森は、中枢会議を5人ぐらいでまとめ、指令を出していった。IOCは、調整会議に、かならずJOC関係者、スポーツ関係者を入れないとまずいよとアドバイスした。とくに副会長クラスは、スポーツ関連者を選出してくれと言った。竹田は、水野正人(元ミズノ代表取締役会長)が事務総長に決まっていたが、IOCのクレームがあった。水野は、IOCスタッフの制服のオフィシャル・サプライアーだ。スポンサーの会長が出るのはまずいということでボツとなった。

 


2020年に向けて水野は、会長も降りた。今度はIOCが水野を№2に入れろと言ってきた。竹田は、森に水野を入れてくださいと頼んだ。それは一言で切り捨てられた。「だめだ。あんな道具屋」と言った。

 

人事についてもIOCの意向を受けて、JOCがなんとかしようと思ったことが全部覆された。そして、現在の組織委員会ができた。35人の理事。顧問が170人も組織するわけだ。この中に巧妙に被災地三県の知事も入れている。

 


森は、人事をオールジャパン体制と、ことあるごとに強調した。秋元康の名前を最初に出し、テレビ、メディアでクローズアップされているタレントも含めて簡単に入れた。多くの人を動員する形をとりながら、実際に動かしていくのは、森を中心とした部分でしかない。

 


もう一つ見落としてはいけないのは、組織委員会のトップクラスにJOCの理事でもあるが、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会事務総長の河野一郎がいる。日本スポーツ振興センター、サッカーくじの胴元だ。ここの理事長だ。森が後ろ盾になっている。河野は、日本ラグビー協会の医事委員だったのを森が会長に引き上げて、JOCの理事にも入れた。

 

要するに日本スポーツ振興センターが2020年に向けて一番注目すべき組織になってきた。サッカーくじのBIGという商品がある。ヨーロッパのリーグまでサッカーくじに取り入れていいということで、間違いなく売り上げがのびるはずだ。1000億円も確実に売れる。総売上の五%以内であれば国立競技場の新建設などの建設費用にあてることができると法的に改正してしまった。日本スポーツ振興センターが取り仕切っていくということだ。


スポーツ庁の役割


2020年に向けて日本スポーツ振興センターを組織改革して、新しい独立行政法人にしようという狙いがある。2015年4月、新しくスポーツ政策を統括するスポーツ庁を作る。ほぼ文科省の外局として置くことは間違いない。このスポーツ庁が国策として日本のスポーツ政策を、国家プロジェクトとしてコンセプトし政策を作り上げていく。それを実際に実践していく、組織として日本スポーツ振興センターを改組して、新しい独立行政法人として執行機関の役割を与える。競技団体と繋がって政策を具体的に展開する。

 

ところがこの流れから追い出されている組織がJOC(日本オリンピック委員会)だ。この中心が国会の超党派のスポーツ議員連盟(麻生太郎会長)だ。JOCは、スポーツ振興センターがトトカルチョ、サッカーくじで集めた金を各競技団体に分配している。しかし、一連の各競技団体の不正経理、体罰、暴力事件が広がっていった。スポーツ議員連盟は、JOCは競技団体に対して統括していく倫理観もないし、力もないからまかせられないという判断の下で、JOCではなくて新しい行政法人にまかせれば、そこにオカネもきちっと扱えるということでスポーツ振興センターを新しく改組したほうがすっきりするという考え方だ。

 


今、JOCは猛烈に反発をしているが、権限が弱いから喧嘩にならない。かろうじて麻生太郎が「JOCがやってきた選手強化の責任を全部取り上げて、新しい行政法人に移せというのは乱暴だ」と言っている。だから今もう一度スポーツ議連の中で権限の問題を再検討している。いずれにしても来年の四月まではスポーツ庁ができると同時に、新しい行政法人のことも出てくる。JOC、竹田会長体制の弱体が進行し、森体制による新しい利権構造を生み出す国家的な選手強化の体制を作り上げようとしている。金メダル獲得総数を第3位という目標を掲げだした。


オリンピックの犯罪性


ビデオで佐藤和良いわき市議が言っていたが、オリンピックは原発そのものを隠す。震災・被災地の深刻さを隠してしまう。現地からも厳しい批判が上がっている。この7月21日~22日、福島に行ってきた。被災地の市町村議会議員を中心に全国からも議員が集まった。150人ぐらい集まって、シンポジウムを行った。翌日、バス3台で広野町、楢葉町、富岡町に行ってきた。オリンピックどころじゃない。現地に行くとよくわかる。

 

実は復興オリンピックという用語自身も、最初、3・11のこともあるので、オリンピック招致に復興をアピールすると安易に考えていた。

 


ところがヨーロッパは、この震災については非常に不安視している、福島原発事故、東京の復興がなんでわれわれと関係があるのかというクールな見方もある。これはアピールできないだろうということで下げちゃう。むしろ復興というのは内向きの言葉にしてしまう。復興オリンピックをほとんど一時使わなくなってしまう。それが東京に決定した後に、再度、復興が浮上してくる。森が言うオールジャパン体制は、言い換えればファシズム体制だ。なにも文句を言わせない。みんなのものだと言いながら、全体主義的に押し進めちゃう。

 

メディアも取り込まれている。朝日、毎日にしろ現場の記者たちに、そうとうプレッシャーがかかっている。オリンピック批判記事は、極力書くなと。ある記者仲間では、オリンピックに批判的な見方を持っている記者が、その記事を書いたところストップがかかり、社長室に呼ばれたということが話題になっている。社長室で「もう二度とこんな記事を書くな」「オリンピックは、われわれの商売なんだ。それに対して批判してどうするんだ」などと恫喝している。とにかく編集局は、具体的にオリンピック批判記事を書くなと言われないけど、ここまでいいかなという自己規制を要求する雰囲気が、間違いなくある。これは日々強まっている。こんな状態だから今後隠されていくものが多くなっていく。とくに被災地の問題は、これからどんどん隠蔽されていく。

 


森が被災地に回って御用聞きしたと言っているが、だいたい考えていることは、被災地の聖火リレー、宮城スタジアムでサッカーの予選を行うということだ。許しがたいことに福島のJビレッジ、今、東電の安全センターということで前線基地だが、それを2019年に全部とっぱらって綺麗にして、オリンピック用の合宿地にするというのだ。そういう要望が出ている。こんなことで復興なんて言えたもんじゃない。

 

最近でも選手たちが被災地に行って交流をしている。だけど福島は誰も行かない。被曝するのがいやだからだ。選手たちは「被曝するところは行けない」とズケズケと言っていた。

 


このようにスポーツ界が被災地に対してやろうとする底の浅さがある。マラソンの高橋尚子が行って話題となったが、ギャラが200万円だ。自分の内部から被災地の人たちに手助けできることはなにかと自ら行っているとみんなは思っているわけだ。それが200万円のギャラで行っていた。

 

テレビに出るスター選手が来れば、大喜びはするが、それだけの話だ。子どもたちには、自由放題に遊べるグラウンドもない。そんな中で簡単に復興なんて、スポーツ界が寄与するなんて、これまでやってきたことは恥ずかしいものだ。

 

ところがメディアは、復興オリンピックとまた使っている。現地はオリンピックどころじゃない。それだけではなくオリンピックを口実にして、スポーツに関わる人権侵害が進んでいる。例えば、被災地は被曝しているので、放射能の線量もまだ低くなっていない部分もある。学校の授業だけができるということで学校だけ新築している。子どもたちは、いわきからバスに乗って学校に行って、遊ばないでそのまま帰ってくる。つまり、学校もできましたよ、生徒もちゃんと帰っていますよ、授業もしていますよ、こういうことを表面的に見せる。復興が着々と進んでいますよということを、なんとしてでも安倍たちは、アピールしたいわけだ。無理矢理、帰還者を作ろうとしている。

 


佐藤和良さんもはっきり言うが、「東日本大震災、原発被害は、どんどん忘れさせていこう。復興は進んでいることだけを強調して、震災を忘れるようにする意図がありありだ」。だからやることが、ものすごく強引になってきている。子どもたちは、強制的に避難しているところからスクールバスで送り込まれている。これは子どもたちの人間性も含めて、生命の尊厳も含めて、完全に無視だ。

 


Jビレッジだって、一九年に綺麗に元に戻してオリンピックのためのキャンプ地に使わせるというのも、前線基地を早くほっぽり出して、形だけのオリンピック用の施設に戻す。ほんとに汚染が、除染ができるわけないじゃないかと地元の人たちは言っている。

 


このように人間の命とか、人間性とかを復興という名のもとに、いろんなものを計画に押し込んで、それを押し進めていくなかで、どんどん壊されている。現地に行くと、許せない形で、いろんなことが出てきている。


パラリンピックの問題性


今年の4月から障がい者のスポーツの管轄は、文科省に統一された。ただし身体障がい者のスポーツ全体の福祉的なリハビリなどは、厚労省の管轄だ。

 

パラリンピックは、日本語名だ。世界では、ストーク・マンデビルムーブメントと言ってきた。もともと身体障がい者のためのスポーツは、イギリスのストーク・マンデビル病院で戦傷者、とくに脊髄マヒで車いすの生活をしている戦傷者を対象にした治療として行われた。その病院のグッドマン先生がリハビリ用にスポーツを取り込んだ。1948年7月18日、第14回ロンドンオリンピックの開会式に合わせて、病院で16人の車いすの障がい者が参加して、アーチェリーの大会をやった。これがスタートだ。その後、いろんな競技へと広がっていった。

 

ただあくまでも原点は、障がい者の身体的精神的社会的なリハビリテーションの機会を与える媒介の一つとしてスポーツを用いて、障がい者が社会に関わることだった。これこそが元々の障がい者スポーツのストーク・マンデビルのムーブメントだ。いろんなマヒ、切断、視覚障害、脳性マヒなどの障がいのいろんな分野、それぞれの分野にあった競技、スポーツを決めていった。

 

しかし日本の場合、こういう思想的な障がい者スポーツの理念とかが非常に弱い。要するにパラリンピックでも頑張って、成果を上げて、それが国威発揚につながると考えている。パラリンピックのトップは、そういう考え方だ。だからいい成績を上げて、より注目されて、これもまた勝利至上主義になっている。ストーク・マンデビルムーブメントとは根本的に違う。成果主義と勝利至上主義に突っ走っている。

 

そのためにはオカネが必要だ。だから厚労省ではなくて、文科省にくっつけてオリンピックと同じように強化費が分配される、これが最大の狙いだ。この4月に一緒になったことで、初めて国庫補助から障がい者スポーツ強化費用として文科省からオカネが配分される。

 

私は、これが本当に障がい者スポーツにとって、発展に結びつくかというと大きな危惧を抱いている。目指している方向が違うんじゃないか。日本は、2020年オリンピックのメダル獲得数を世界3位として目標を掲げたが、障がい者競技でも10位以内などと目標を設定して成果を上げろと言い出している。

 

そうするとある限られた人たちが勝つために、相当なトレーニングをすることになる。障がい者スポーツとは、われわれの日常生活圏の中でどれほどの環境にあるでしょうか。バリアフリーは徹底しているでしょうか。学校も含めて地域の公共スポーツ施設も障害者用に、きちっと指導者も含めて引き受けられる、自由に参加できる環境にあるでしょうか。ほんとに貧困ですよ。普通の人だって地域の公共スポーツ施設に関わろうとしても、十分に関われない。施設は少ないし、指導者も少ない。誰にとってもスポーツというのは、誰でもスポーツをする権利がある。

 

しかしこれから先、2020年に向けておそろしいぐらいに国家的にメダル獲得のための、エリートスポーツ強化のための様々なことが強行される。

 

それで弾き出された日常生活圏での障がい者も含めた人たちが、スポーツ活動を通して人間性、尊厳というものを実現していく方向が完全に阻害されていく。東京オリンピックとは、成果主義、勝利至上主義で、メダル獲得に向けて強行していく。エリート選手中心を取り囲む組織、関わる人間たちのイデオロギーをなんとかして批判し、拒否し、崩していくことをしないといけない。そうじゃない
とスポーツの本来のあり方というものが、これを機会に徹底的に壊されていく。

 

(講演要旨、文責編集部)

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【案内】安倍戦争国家の「追悼」を許さない!8.15反「靖国」行動 集会とデモ

安倍戦争国家の「追悼」を許さない!
8.15反「靖国」行動 集会とデモ


●日時
2014年8月15日(金)
13時15分開場
集会後デモへ!

●場所
全水道会館4F (JRほか 水道橋駅2分)
http://www.mizujoho.com/front/bin/ptlist.phtml?Category=9177

●発言
北村小夜(元教員)・天野恵一(実行委)

▼7月1日、安倍政権は「集団的自衛権の行使」を合憲と解釈し直す閣議決定をし、本格的な戦争国家となることを宣言した。憲法も国会も無視したこの暴挙は、瀕死の状態にある「平和憲法」に最終的な一撃を加えた。安倍政権は、昨年12月に強行した安倍靖国参拝で侵略戦争と植民地支配の歴史を肯定し、今回の解釈改憲閣議決定で近い将来の戦争をも承認したのだ。そして、同時に進行していることは秘密法や沖縄辺野古・高江への新基地建設といった、具体的な戦争準備である。

▼このような状況下、また8月15日がやってくる。この日は、1945年、当時の天皇裕仁が連合軍に降伏したことをラジオで告げた日だが、後日「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とされた。しかし、このような国家が遂行する「全国戦没者追悼式」や靖国参拝が「平和」にもとづくわけがない。安倍の言う「平和」が戦争でしかないことを、私たちは声を大にして訴えていきたい。

▼基地建設反対の声も、戦争反対、「靖国」反対の声も、暴力的に押し込められる。一方で天皇一族は自らの歴史的責任を棚上げにして、戦争の犯罪性・暴力性をあたかも相殺できるかのごとく「慰霊・追悼」を繰り返す。このように一体化した暴力と欺瞞の一切合切を批判し抜き、この政治状況に立ち向かうための論理と行動をつくり出していこう。

 8.15の集会とデモへの参加を! ともに!

安倍戦争国家の「追悼」 を許さない! 反「靖国」行動実行員会 
http://2014815.blogspot.jp/

【呼びかけ団体】
アジア連帯講座/研究所テオリア/立川自衛隊監視テント村/反天皇制運動連絡
会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国解体企画/靖国・天皇制
問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会

【案内】8.9 平和の灯を! ヤスクニの闇へ 2014キャンドル行動

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平和の灯を! ヤスクニの闇へ 2014キャンドル行動
靖国参拝は「平和の維持」に必要か?!
―世界からみるヤスクニ


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●日時
2014年8月9日(土)
13:30~18:30(開場13:00)
19:00~キャンドル・デモ


●場所
在日本韓国YMCA
スペースYホール(地下)
国際ホール(9F)


●シンポジウム
ドイツ・アメリカから見るヤスクニ

パネリスト
報告1「旧枢軸国」ドイツからヤスクニを見る
 報告者 パウル・シュナイス(牧師)


報告2「同盟国」アメリカからヤスクニを見る
 報告者 ダグラス・ラミス(沖縄国際大学教員)


報告3戦没者追悼と靖国神社
 報告者 内田雅敏(弁護士)


報告4軍事大国化への道と戦没者顕彰
 報告者 山田昭次(立教大学名誉教授)


●コンサート
ソン・ビョンフィ、ムン・ジンオ(韓国民衆音楽家)、他


●遺族証言
各国、各地域から

●アピール
各現場から


●お問合わせ
主 催|平和の灯を! ヤスクニの闇へ キャンドル行動実行委員会
連絡先|E-mail:peacecandle2006@yahoo.co.jp
TEL 03-3355-2841
FAX 03-3351-9256(四谷総合法律事務所)


●2014キャンドル行動 呼びかけ文

昨年12月26日、安倍首相は現職総理としては2006年以来7年ぶりに靖国神社を参拝しました。安倍首相は中国、韓国から非難・反発を招くことを承知で、なおかつ同盟国たる米国の懸念表明、制止をも振り切って靖国参拝を強行したのです。「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して、哀悼の誠を捧げる」ため、「二度と戦争の惨禍によって人々が苦しむことのない時代をつくるとの誓い、決意をお伝えする」(談話)ためであり、非難される覚えはないと安倍首相は言います。

しかし、安倍首相の参拝目的については、「産経」主張(2013年12月27日付)が明け透けに語っています「首相がその靖国神社に参拝することは、国を守る観点からも必要不可欠な行為」「指導者の責務を果たす首相の参拝は自衛官にとっても強い心の支えになるはず」。靖国参拝は、集団的自衛権行使容認→自衛隊の海外派兵・戦闘参加→“戦死者”発生→「英霊化」を見越したものであることは疑いありません。

安倍首相の「積極的平和主義」が武力行使をためらわない「平和主義」であるように、靖国参拝の下の「不戦の誓い」は戦死者顕彰と一体です。そして、安倍首相は「村山談話」見直しを公言し、「侵略の定義は定まっていない」と述べ、靖国神社に祀られているA級戦犯を戦犯とは認めず、戦後教育は「マインド・コントロールであった」と言って憚りません。筋金入りの歴史修正主義者、日本を「戦争する国」に変えようとする“軍国主義者”の靖国参拝に世界が懸念を表明し、警戒しています。

今年のキャンドル行動は、安倍首相の言う「不戦の誓い」「平和の維持」のための靖国参拝を韓国、沖縄、台湾のみならず、ドイツ、アメリカがどう見ているかを明らかにし、その欺瞞と虚妄を確認する場にしていきます。併せて、戦死者に対する真の「不戦の誓い」とは何か、「平和の維持」に不可欠の行動とは何かを確認していきます。ご参加のほどお願いいたします。


(共同代表)今村嗣夫、内田雅敏、大口昭彦、金城実、菅原龍憲、鈴木伶子、辻子実、徐 勝、野平晋作、服部良一、高金素梅、飛魚雲豹音楽工団、李錫兌、李熙子


●シンポジウムパネリスト プロフィール
パウル・シュナイス
1933年中国湖南省長沙市生まれ。58年より東京、茨城県で宣教活動。66年からドイツ東亜伝道会事務局長。75年東京に赴任。84~98年、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州で牧師職。92~2011年ドイツ東亜伝道会会長。


ダグラス・ラミス
1936年生まれ。アメリカ合衆国の政治学者、評論家。専門は政治学。日本在住。1960年、海兵隊員として沖縄県に駐留。1980年津田塾大学教授。2000年退職後は沖縄へ移住。執筆や講演活動を行なっている。


山田昭次
1930年生まれ。日本史学者、立教大学名誉教授。95年に定年退任、近代日本におけるアジア侵略を追及している。新著に『全国戦没者追悼式批判 軍事大国化への布石と遺族の苦悩』(影書房 2014)がある。


内田雅敏
1945年敗戦の年生まれ。弁護士として、花岡事件、西松事件、自衛隊イラク派兵違憲裁判、立川防衛庁宿舎イラク反戦ビラ入れ事件などに取り組む。新著に『想像力と複眼的思考』(スペース伽耶 2014)がある。


●賛同金のお願い
何口でも結構です。団体については、可能であれば5口以上の賛同をお願いいたします。
賛同金:1口1000円

振込先:(郵便振替口座)
00140-3-446364
口座名義:ヤスクニキャンドル行動 内田雅敏


●HP http://peace-candle.net/

7.8大阪高裁判決 京都朝鮮第一初級学校襲撃事件について

20100811132935bb1人種差別禁止法、ヘイト・クライム法を制定せよ

大阪高裁(森宏司裁判長)は、7月8日、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)による京都朝鮮第一初級学校襲撃事件に対する民事訴訟の控訴審で一審判決(2013年10月7日)を支持し、再び在特会に対して約1226万円の支払いと学校の半径200m以内での街宣禁止街宣差し止めを命じた。在特会側の控訴を棄却した。

 


在特会のヘイト・クライム(憎悪犯罪=差別的動機による暴力や差別発言を伴った暴力)とヘイト・スピーチ(人種差別憎悪表現)を断罪した一審判決に続く、大きな勝利だ。安倍政権のグローバル派兵国家建設と連動したナショナリズム、差別排外主義潮流に対する新たな打撃を与えたことは間違いない。

 

事件の経過はこうだ。在特会は、ヘイト・クライムとヘイト・スピーチ全国運動の一環として2009年12月4日から3回にわたって、京都朝鮮第一初級学校が隣接する公園を同校が教育を受ける権利の観点から慣例として使用してきたにもかかわらず、京都市の許可を得ないまま運動場として使っているなどとデッチ上げ、同校の校門前で、「朝鮮人をたたき出せ」「北朝鮮のスパイ養成所」「朝鮮学校、こんなものはぶっ壊せ」「犯罪者に教育された子ども」「端のほう歩いとったらええんや」などと拡声器で脅迫する襲撃と教育活動への妨害を行った。この暴挙の映像をインターネット上で公開した。在特会のメンバーは、威力業務妨害罪などに問われ、有罪判決が確定している(2011年4月)。

 

在特会は、民事訴訟一審判決を不服として控訴し、「街宣は朝鮮学校側が公園を無許可で占有していた特定の集団への優遇措置を批判する正当な政治的表現活動であり、公益性があった。差別目的ではなく、懲罰的な高額賠償も許されない」などと居直り、反論していた。

 

一審判決は、在特会のヘイト・クライム、ヘイト・スピーチに対して「示威活動で児童らを怖がらせ、通常の授業を困難にし、平穏な教育事業をする環境を損ない、名誉を毀損した」だけではなく「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図がある」として、「日本が加盟する人種差別撤廃条約が禁じた『人種差別』(人種や民族的出身などに基づく区別、排除)に該当する」と違法性を認定した。また、「街宣活動による物品の損壊など経済的な面だけでなく、業務の運営や社会的評価に対する悪影響など全般に及ぶ」と指摘し、「差別行為に対する効果的な保護と救済措置となるような高額の損害評価が必要」だと判断した。


二審判決は、基本的にこの立場を踏襲しつつ、原告の朝鮮学校の意義と重要性の主張に対して「朝鮮人学校を設置・運営して在日朝鮮人の民族教育を行っていたこと、……民族教育を軸に据えた学校教育を実施する場として社会的評価が形成されている」と認めた。

 

さらに「(在特会の)活動により、学校法人としての存在意義、適格性等の人格的利益について社会から受ける客観的評価を低下させられたこと、学校の教職員等の関係者が受けた心労や負担も大きかったこと、……学校における教育義務を妨害され、学校の教育環境が損なわれただけではなく、我が国で在日朝鮮人の民族教育を行う社会環境も損なわれたことなどを指摘することができる」と踏み込んだ評価を行っている。

 

そのうえで判決は在特会を断罪するために「朝鮮ヤクザ」「日本からたたき出せ」「ぶっ壊せ」「端のほう歩いとったらええんや」「キムチ臭いで」「約束というのはね、人間同士がするもんなんですよ。人間と朝鮮人では約束は成立しません」「日本から叩き出せ」「解体しろ」「不逞な朝鮮人を日本から叩き出せ」「保健所で処分しろ、犬の方が賢い」「卑劣、凶悪」「ゴキブリ、ウジ虫、朝鮮半島へ帰れ」などのヘイト・クライムとヘイト・スピーチを列挙した。つまり、差別に基づく、暴力、脅迫、迫害が行われ、重大な人権侵害であると指摘しているのである。

 

判決は言う。「これらは在日朝鮮人を嫌悪・蔑視するものであって、その内容は下品かつ低俗というほかはない。しかも、その態様は、多人数で、多数の児童らが在校する日中に、いきなり押しかけて拡声器を用いて怒号して威嚇し、街宣車と拡声器を使用して声高に叫んで気勢を挙げ、広範囲の場所にいる不特定多数の者らに聴取させたというものである」と批判し、「強い違法性が認められる」とした。

 

インターネット動画配信についても、「不特定多数の者による閲覧可能な状態に置いたことは、その映像を広く拡散させて被害を増大させたというだけでなく、映像の流布先で保存されることによって今後も被害が再生産されることを可能としている」「その全体を通じ、在日朝鮮人及びその子弟を教育対象とする被控訴人に対する社会的な偏見や差別意識を助長し増幅させる悪質な行為であることは明らかである」と糾弾している。

 

最後に「人種差別という不条理な行為によって被った精神的被害の程度は多大であったと認められ、被控訴人は、それら在校生たちの苦痛の緩和のために多くの努力を払わなければならない」、(在特会の)「活動は、教育業務を妨害し、学校法人としての名誉を著しく損なうものであって、憲法13条にいう『公共の福祉』に反しており、表現の自由の濫用であって、法的保護に値しないといわざるを得ない」と結論づけた。


このように一審、二審判決は、人種差別撤廃条約の第4条「(a)人種的優越・憎悪観念の流布・煽動を犯罪とする(b)人種差別団体を規制すること」の観点から「示威活動で児童らを怖がらせ、通常の授業を困難にし、平穏な教育事業をする環境を損ない、名誉を毀損した」だけではなく「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図がある」として、「日本が加盟する人種差別撤廃条約が禁じた『人種差別』(人種や民族的出身などに基づく区別、排除)に該当する」と厳しく批判したのである。さらに、「街宣活動による物品の損壊など経済的な面だけでなく、業務の運営や社会的評価に対する悪影響など全般に及ぶ」と判断し、「差別行為に対する効果的な保護と救済措置となるような高額の損害評価が必要」だと判断したのだ。

 

もはや安倍政権は、人種差別撤廃条約(a)、(b)を留保し続けることは許されない。すでに人種差別撤廃委員会が日本政府に人種差別禁止法を制定せよと勧告されている(2001年3月10日)。京都朝鮮第一初級学校襲撃事件判決は、日本政府の「処罰立法を検討しなければならないほどの人種差別煽動は日本に存在しない。憲法は表現の自由を保障している。表現行為の制約には、制約の必要性と合理性が求められる。優越的表現や憎悪の活動の行き過ぎは刑法の個別的な罰則で対処する。現行の法体系で十分な措置である」などとくり返し、逃げ続けることを批判していることは明白だ。

 

一審判決直後、菅義偉官房長官が「(在特会の行為が)こうしたことがないように、関係機関において法令に基づいて適切に対応したい。政府として、関心を持っていきたい」など表明していたが、いまだに人種差別撤廃条約(a)、(b)の留保の撤回と承認、人種差別禁止法制定にむけて着手していないのが現状だ。安倍政権がナショナリズムと差別排外主義を煽り立てを強めているのと比例してサボタージュしているのが真相だ。

 

人種差別禁止法(民事・行政・刑事など諸分野にまたがる法律。個人や団体による人種差別の禁止、政府による人種差別の禁止、差別被害者の救済〈被害補償、損害賠償、地位保全など〉を包括する法律)、ヘイト・クライム法(人種差別のなかでも特に犯罪に焦点を当てた法)を制定せよ。

(Y)

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【案内】7・21安倍戦争国家の「追悼」を許さない!討論集会(東京・笹塚)

7・21安倍戦争国家の「追悼」を許さない!討論集会(東京・笹塚)

▼日時
2014年7月21日(月・休) 13時15分開場

▼場所
笹塚区民会館 (京王新線「笹塚駅」徒歩8分)

▼問題提起
日本戦没学生記念会(わだつみ会)(高橋武智)
日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会(荒井克浩)
靖国解体企画(村上らっぱ)
反「靖国」行動実行委(北野誉)  

日本政府はサンフランシスコ講和条約発効直後の1952年5月2日、第1回「全国戦没者追悼式」を開催し、1963年以降、8月15日を定例日とした。8月15日とは、1945年のこの日、植民地主義・侵略戦争の最高責任者であった昭和天皇裕仁がポツダム宣言受諾をラジオで公表した日でしかない。1982年、政府はこの日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」と閣議決定・意味づけし、マスコミも毎年この前後に「戦争と平和」をテーマに報道を繰り返す。だが、靖国神社およびその界隈には、「平和」とはほど遠い空気が充満している。

 今年もその8月15日がやってくる。戦争をするための法整備に明け暮れる国家が、「戦没者」を追悼することの意味を、再度問いたださなくてはならない。

 例年8.15には、複数のグループ・団体が反戦や平和を訴える行動をそれぞれに続けてきた。ここ10年以上、「靖国神社」が大きな焦点ともなっている。その行動をつくり出し、参加してきた人々に集まっていただき、8.15を捉え返し、「靖国神社」批判をどのように出していくのか、意見を出し共有しあう場をつくっていきたい。そして、その議論の成果を8.15行動へと繋げていきたい。

 戦争へ戦争へと突き進む安倍政権下の8.15行動をつくり出すための討論集会です。続く8.15行動ともども、参加を呼びかけます。歴史に連なるこの問題への取り組みにぜひご参加を!

「全国戦没者追悼式」:以下、すべて閣議決定による
1952年5月2日    第1回「全国戦没者追悼式」を、新宿御苑にて開催
1959年3月28日   第2回を千鳥ヶ淵戦没者墓苑にて開催
1963年8月15日   第3回を日比谷公会堂にて開催
1964年8月15日   第4回を靖国神社にて開催
1965年8月15日   第5回を日本武道館にて開催
*以降は、8月15日に武道館にて開催が続く

安倍戦争国家の「追悼」 を許さない! 反「靖国」行動実行委員会
【呼びかけ団体】
アジア連帯講座/研究所テオリア/立川自衛隊監視テント村/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国解体企画/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会

報告:天皇の沖縄訪問反対!沖縄戦・『対馬丸』事件の責任を問う 6・26集会

26反天皇 6月26日、8・15反「靖国」行動(準備会)は、「天皇の沖縄訪問反対!沖縄戦・『対馬丸』事件の責任を問う 6・26集会」を行った。

 


天皇・皇后は、6月26~27日、学童疎開船「対馬丸」が米潜水艦に撃沈されてから70年、対馬丸記念館開館10周年記念に視察と慰霊と称して沖縄を訪問する。そもそも沖縄戦は、「国体護持(天皇制護持)」のため米軍の「本土」上陸を遅らせるために住民を巻き込んだ「捨石作戦」だった。

 

その一環として日本軍は、住民、学童の疎開を強要したが、それは日本軍の食糧確保と戦闘のじゃまだというのが理由だった。戦後、日本政府は対馬丸犠牲者(乗客約1800人〈学童800人〉中、約1500人〈学童741人〉死亡)が軍の命令であったことから「戦闘参加者」として「慰霊・顕彰」し、靖国神社に合祀した。「戦傷病者戦没者遺族等援護法」も適用した。

 

実行委は、天皇訪沖に対して「慰霊よりも謝罪を」アピールを出し、皇位継承した明仁天皇が沖縄戦を強要した昭和(裕仁)天皇の戦争責任、沖縄人民の土地を米軍基地に提供した責任などについて謝罪することを要求した。さらに天皇訪沖が安倍政権の「集団的自衛権」行使の強行にみられるように日米同盟の強化と東アジア戦争体制に向けた流れを促進し、その一環である辺野古新基地建設など米軍・自衛隊基地建設を加速させ、反基地闘争への敵対と反ヤマト(日本)意識の解体にあることを批判している。

 

集会は、天皇の沖縄訪問反対の論理を深めるために石原昌家さん(沖縄国際大学名誉教授)を迎え、「学童疎開船対馬丸と靖国神社『合祀』」をテーマにして問題提起した(別掲)。

 

最後に主催者から集会アピール、天皇来沖反対!アクションからのメッセージの紹介。討論集会「安倍戦争国家の『追悼』を許さない! 八・15反『靖国』行動に向けて」(7月21日(月・休)/13時15分会場/笹塚区民会館〈京王新線「笹塚駅」徒歩8分〉)の参加を呼びかけた。(Y)



石原昌家さんの講演要旨/「学童疎開船対馬丸と靖国神社『合祀』」



サイパン島に展開していた日本軍第三一軍が陥落後、日本政府は、一九四四年七月七日、海が戦場化している軍事情報を隠して台湾、九州へ南西諸島から一〇万人の住民の疎開計画を促進した。国策による学童疎開は、学童疎開引率教師たちも、住民が安全に保護されるものと信じ込み、学童疎開の推進役を担った。

 

一九四四年八月二二日、対馬丸撃沈。日本軍は、生存者、遺族に対して「軍事機密の漏洩防止」のために箝口令・口止めを強要した。すでに軍は、「軍官民共生共死の一体化」という県民指導方針を立て「軍事機密漏洩防止」を強化していた。「防諜に厳に注意すべし」という全軍への訓示をくり返し、兵士はもとより住民に対しても「敵に投降するものは銃殺する」という達しを出し、それを実行した。軍人同様に軍事機密を知る住民は、軍人同様に死ぬことを前提にしていた。

 

「軍官民共生共死の一体化」とは、極秘に県民を共死するように仕向けていったのである。戦闘前は、軍民一体で陣地を構築しながら、住民は軍事機密を熟知しているという認識だ。戦闘中になると住民を壕から追い出し、軍事機密の保護のために住民をスパイ視し、虐殺、死に追い込んでいった。

 

ところが戦後日本政府は、日本軍の「機密保持」のために住民「自ら命を絶つような形」に仕向けられ、軍に命を絶たされた住民の死を、「住民自らが命を絶った」と、「集団自決(殉国死)」という表現を用いて沖縄戦の真実をねつ造していったのである。

 


「軍人恩給法」が日本の軍国主義の温床になっているという理由で連合軍に停止され、それに代わって制定されたのが「戦傷病者戦没者遺族等援護法」だ。日本政府は、「援護法」を沖縄に適用拡大することによって、旧日本軍と自らの戦争責任を国民・住民に転嫁した。

 

「対馬丸遭難学童遺族会」は、政府に対して①対馬丸遭難学童に対して戦闘参加犠牲者に準ずる処遇をしていただきたい②対馬丸の船体を引き上げ遺骨を故郷の山に葬らせていただきたい③靖国神社に合祀していただきたいと求めていった。一九六二年に遺族への見舞金支給。学童死没者を一九六六年に靖国神社へ合祀。一九七二年に対馬丸学童死没者全員に勲八等勲記勲章が授与される。

 

「援護法」の適用を受けようとする住民は、「軍の命令」により「集団自決(殉国死)」した、と書かざるを得ないのである。いわば「国と雇用類似の関係」が生じる「軍命令」と「集団自決(殉国死)」という「軍事行動」によって「戦闘参加者」の身分を取得するのは、セットになっているのである。

 


要するに死に追い込まれた住民が、「準軍属」としていわば「軍人扱い」され、その遺族は年金というおカネを支給する「援護法」の適用を受けることによって、政府にまんまと、絡めとられてしまっている。そのことにまだ「気づかない」か「判断停止しているのが、沖縄の現状である。

 

「沖縄靖国神社合祀取消訴訟」(二〇〇八年三月提訴)は、沖縄戦の真実をねつ造する法律として機能している「援護法」が直接、裁判の争点になっていった。沖縄住民に対する旧日本軍の犯罪行為と政府の戦争責任が問われることになった。日本政府による沖縄戦のねつ造のプロセスが明るみになっていく。

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