虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

アクション

報告 「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する 2・11行動

配信:反紀元節 2月11日、「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する 2・11〜23 連続行動は、天皇制を賛美する「紀元節」に抗議する集会(日本キリスト教会館)とデモを行い、90人が参加した。

「安倍政治」の継承

 「建国記念の日」(紀元節)は、1967年、自民党政権が神武天皇の即位によって日本が「建国」されたという天皇神話を天皇制民衆統合強化に向けてデッチ上げた「祝日」だ。連動して神武から数えて「126代目」とされる徳仁の誕生日を祝う日(2月23日)を設定し、新たな天皇制を演出していこうとしている。

 コロナ禍において天皇制賛美行事が縮小・中止に追い込まれているが、天皇一族らはオンラインを駆使しながら菅政権や支配者たちの犯罪を覆い隠すための任務を担わんとたちふるまっている。日本会議、神社本庁など天皇主義右翼は「紀元節」の政府式典の復活、憲法九条改悪をねらいつつ安倍政治を継承して菅政権の強権化を加速させるために背後で動きまわっているが、ことごとく頓挫を繰り返してきた。このいらだちを産経新聞(2・11)は「『国民を守る日本』であれ」と叫び、「国家は国民を守るためにある。この基本的な認識が、現在の日本の政治には希薄なのではないか。」と恫喝し、代弁する始末だ。

民衆弾圧拡大を許さないぞ

 同系列の一つの傾向は、1月26日、自民党議員の「保守団結の会」(顧問・高市早苗)が「国旗損壊罪」を盛り込んだ刑法改正案を今国会に議員立法で提出をねらっていることにも示されている。高市は、(国旗損壊は)「国旗が象徴する国家の存立基盤を損なうばかりか、多くの国民が抱いている国旗への尊重の念も害する」などと「表現の自由」を侵害し、憲法違反を公言する。日本会議の自民党政調会長・下村博文は、会の申し入れを了解し、国会提出準備の着手に入った。

 2012年に廃案になった「国旗損壊罪」は、「日本を侮辱する目的で日の丸を損壊、除去、汚損した場合、2年以下の懲役または20万円以下の罰金を科すとする」と明記していた。「日の丸・君が代」を強制し、あげくのはてに「国旗損壊罪」で民衆弾圧を拡大していこうとする自民党、菅政権の策動を許してはならない。

元気いっぱいにデモ行進!

 集会は、3・1朝鮮独立運動102周年行動、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)、おことわリンク(オリンピック災害お断り連絡会)、即位の礼・大嘗祭等違憲差止請求訴訟・損害賠償請求訴訟から取り組み報告とアピールが行われた。

 最後に集会宣言(別掲)を採択し、デモに移った。

 デモは、高田馬場駅周辺一帯に渡って、「『建国の日』反対! 天皇制はいらない!『国旗損壊罪』の新設を許さないぞ!」のシュプレヒコールを響かせた。

 (Y)
                         
                          集会宣言
                         
     「新型コロナ」感染拡大によって追い込まれた菅政権は、「緊急事態宣言」の延長と同時に、「新型インフルエンザ等特別措置法」などの「改正」にあたって「違反者」への罰則や公表など、個人・私権に対する、人権侵害を伴う強権的な責任転嫁で取り繕おうとしている。こうした政策は、菅政権に対する人びとの怒りを増大させているが、他方でまた、これに便乗する「自粛警察」的な動向に対しても、「お墨付き」を与えるものとして機能するだろう。

 公共施設の貸し出し停止など、「緊急事態宣言」の名の下に、またしても表現
・言論の自由が制約されている。そのような日常の中で、私たちは今年の2・11反「紀元節」、2・23「天皇誕生日奉祝」反対の連続行動に取り組もうとしている。

 2019年に強行された明仁退位・徳仁即位儀式をはじめとする「天皇代替わ
り」は、2020年11月8日の「立皇嗣の礼」を経て一応の終結をみた。しかし、「新型コロナ」状況は、「代替わり」によって新たな「体制」を作りだそうとする天皇一族のパフォーマンスに対しても、大きな制約を課している。新年の一般参賀に続いて、天皇誕生日の一般参賀も中止になった。新年のビデオメッセージや、オンラインでの「行幸」などがなされてはいるものの、明仁・美智子のような「平成流」の、徳仁・雅子へのスムーズな移行は困難である。その意味では、象徴天皇制は、ある種の「停滞」を余儀なくされている。

 しかし、こうした時期においても、やはり天皇制の記念日は、日本国家に不可欠のものとして祝われ続けるのである。2・11「建国記念の日」—2・23「天皇誕生日」というふたつの記念日の近接は、このふたつの日を、我々の側から批判的に意味づける作業を不可避のものとする。「紀元節」は、神武天皇の即位をもって日本が「建国」されたとする天皇神話に基づく記念日である。それが歴史的事実ではないことは、誰しも認めることだろう。しかし、天皇として誕生日を祝われる徳仁は、「神武天皇から数えて126代目の天皇」であると、当然のように語られる。いうまでもなく、天皇誕生日は、かつては「天長節」として祝われ、「紀元節」とともに天皇の祭祀が行われる「四大節」の一つであった。その意味において、神権主義的な天皇と象徴天皇とは、矛盾なく接合されていくのだ。

 そのことのもつ意味は、もちろん「皇国史観」の単なる復活なのではなく、「文化・伝統」という回路から、天皇制イデオロギーを「国民」に内面化し、統合しようとするものである。そしてそれは、「文化・伝統」の場面にとどまらず、現在の象徴天皇が果たしている政治的な行為をも、正当なものとして「国民」に受け入れさせることになる。

 天皇の記念日は、天皇が「神聖」なものであるとみなす感性を再生産するものである。だからこそわれわれは、反天皇制運動の軸のひとつとして、このような記念日を拒否する闘争を続けていく。今年の2・11〜23連続行動に取り組むにあたり、このことを明確に宣言する。
 
   2021年2月11日

報告:三里塚 2021反対同盟旗開き

配信:旗開き 1月10日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)は、横堀農業研修センターで「三里塚 2021反対同盟旗開き」を行い、42人が参加した。

会場は、新型コロナウィルス感染対策のためセンター前の庭で行った。

 山崎宏さん(横堀地区/労活評現闘)の司会あいさつで始まり、「今、横堀地区は遺跡発掘調査が行われている。連日、重機によって表土を引きはがし、穴を掘っている。第3滑走路建設によってここも空港機能の拡大の一角としている。横堀鉄塔と案山子亭の土地は、100%反対派の土地だ。空港建設にとって障害となっているから悪知恵によって取り上げようと策動している。闘う拠点を全国の仲間とともに守りぬいていかなければならない」とアピールした。

 柳川秀夫さんは、「最近、お前の家に火をつけてやるという嫌がらせ電話があった。たぶん誰かに言われてかけてきたのだろう。空港機能拡張、第3滑走路建設に関連してセンター周辺の緑もなくなってきた。センターの土地は私と3人が共有者となっている。かつて山崎さんの団結小屋が裁判所によって撤去された。空港会社は、ここも同じように撤去に向けて裁判所に提訴してくることが予想される」と報告し、挑発に乗らず毅然と闘いを続けていくと表明した。

 さらに「世界的なコロナ禍においても、人間による開発、消費を求めてきたことが大きな問題だ。やはり文明の問題であり、新しい人間の社会を作っていかなければならない。未来に対して新しい仕事をやっていこう」と発言した。

 加瀬勉さん(多古町/元大地共有委員会〈Ⅱ〉代表)は、冒頭、「今、飛行機が3%しか飛んでいない。半分めでたくて、半分めでたくない。世界的なコロナ禍でわかるように人間と資本のごう慢さによつて地球を壊してしまった。いかに新しい仕組みを作っていくかという闘いを進めていこう」と強調した。

 そのうえで「オリンピックをやめろ! 選手村を病院にしろ! 国立競技場も病院だ。ガラガラの成田空港も病院にしろ! われわれは自分の命を守るために主張していくべきだ。4000億円もかけて飛行場を拡張しようとしているが、そんな無駄なことはやめてコロナ対策資金にまわすべきだ。沖縄の辺野古新基地建設もやめてコロナ対策、命を守るために使うべきだ。そのための行動に進めていこう。さらに無駄遣いが、国防費だ。イージス艦なんかいらいない。人間の命を守るためにカネを使え、と本気でやるべきだ。非常事態宣言は、人間の生存権にかかわる問題だ。コロナ翼賛体制を作ろうとしている。あらゆるカネを命を守るために使え」と訴えた。

 さらに「木の根の土地は、小川源さん、小川明治さんの遺産だ。空港闘争に生涯をかけた土地だ。二人から土地を譲るから最後まで空港闘争を頑張ってほしいと言われ、約束した。しかし、この20年間、小川源さん、小川明治さんの遺志を継いで空港闘争を最後まで頑張ろうと言った人は一人もいない。われわれは引き継いでいく義務があり、全国に広げていかなければならない。小川源さん、小川明治さんの遺志を継いでいく気がない人は、今後、木の根の立ち入りを禁止する」と力強く宣言した。

 山崎さんは、「加瀬さんの発言は、重く受け止める必要がある」と述べ、全体で確認した。

 関西三里塚闘争に連帯する会共同代表の渡邉充春さんからの連帯メッセージが紹介され、「関西三里塚闘争2021旗びらき」(1月31日)を開催することが報告された。

 鈴村多賀志さん(田んぼくらぶ)は、「田んぼくらぶの拠り所であった石井紀子さんが昨年亡くなり、以降、畑の整備・片付けなどを行ってきた。今日をスタートに新たな関わりを考えていきたい。『石井紀子さん追悼の集い実行委員会』の準備をしている」と報告。

 三里塚大地共有運動の会・事務局長の繁山達郎さんからこの間の活動報告と今
年の取り組み方針を提起した。

 続いて連帯アピールが日米安保終了通告の会、小山広明さん(元泉南市議)、連帯社、新時代社、オリンピック災害お断り連絡会の仲間から行われた。

 最後に「飛行制限緩和を許さない!第3滑走路建設反対!菅自公政権打倒!」を
打ち固め、がんばろう三唱を行った。

配信:東峰デモ 旗開き終了後、東峰地区旧東峰共同出荷場跡へ移動。

 三里塚空港に反対する連絡会主催の「1・10三里塚・東峰現地行動」が取り組まれた。

 前段集会では平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)が、「空港機能強化として、平行滑走路3500メートル化、第3滑走路の新設、夜間運用制限時間の4時間半への短縮などが図られている。このような経過は、円卓会議での『計画予定地および騒音下住民との合意を形成しながら進める』との最終合意からの逸脱だ」と批判した。

 さらに「三里塚歴史考証室(仮称)を起ち上げる。成田空港問題シンポジウム・同円卓会議の結論に照らした、円卓会議以降の成田空港の経過および現在進行している事態の検証を行っていく」と参加を呼びかけた。

 デモに移り、開拓道路からB滑走路に向けて「三里塚空港粉砕!第3滑走路建設
をやめろ!全国の反基地・反空港闘争と連帯して闘うぞ」とシュプレヒコールを響かせた。

 (Y)

報告 10・26臨時国会開会日行動

1026いのちをまもれ!敵基地攻撃能力保有反対!
学術会議の任命拒否撤回!改憲反対!

共謀罪廃止!総選挙勝利!
10・26臨時国会開会日行動


 一〇月二六日正午から、衆議院第二議員会館前で「いのちをまもれ!敵基地攻撃能力保有反対!学術会議の任命拒否撤回!改憲反対!共謀罪廃止!総選挙勝利! 10・26臨時国会開会日行動」が主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、共謀罪NO!実行委員会、安倍9条改憲NO!全国市民アクションで行われ、四〇〇人が参加した。

 戦争する国づくりストップ!憲法を守り、いかす共同センターの岸本さんが「国会を開いてこなかった自公政権の責任を追及したい。この間、学術会議再任拒否問題があり、コロナ対策が不充分で、倒産・失業が広がっていて、年を越せない人が大勢出ている。福島汚染水、辺野古基地建設、敵基地攻撃能力の保持と重大な問題が目白押しだ。命を大事にする政策転換を。総選挙で菅政権を終わらせよう」と開会のあいさつをした。



 参加した政党の代表が次々に檄を飛ばした。

 伊波洋一さん(沖縄の風、参院)は「日本が米国の盾になる射程三〇〇キロのミサイルを持ち込んでの演習をわが国土でやっている。フィリピンはこうした演習を拒否した。日米共同演習を年間六〇回もやっている。日米安保は完全に変質している。辺野古への米軍基地、先島への自衛隊基地建設をやめさせ、平和を守ろう」と発言した。

 福島みずほさん(社民党、参院)は「菅首相の所信表明演説は何のビジョンも
なかった。自助・共助・公助そして絆と言っているが、自殺者とりわけ女性が増えている。自助を先に持ってくるなら政治はいらない。外交安全保障問題で、イージス・アショアの代替に敵基地攻撃能力の保有を打ち出している。これは憲法違反で絶対に認められない。ウイルスに打ち勝った証として、来年夏のオリンピック・パラリンピックの実現をとも言う。それならPCR検査をきちんとやれと言いたい。一日も早い退陣を」と語った。

 田村智子さん(共産党、参院)は「核兵器禁止条約が発効し、効力を持つことになり、おどしも、持つことも禁止される。廃絶のプロセスも求めている。日本政府は批准し、核保有国に廃絶を求めるべきだ。日本学術会議問題は、言論・表現の自由の問題でもある。コロナ対策の補正予算七兆三千億円が残っている。失業・事業所がつぶれているのに、なぜ政治は解決できないのか。次の政権の構想ができるようにがんばっていこう」と述べた。

 近藤昭一さん(立憲民主党、衆院)が「最近、石垣島、辺野古に行って現地の人と交流してきた。『なぜ、ミサイル基地を作るのか、敵基地攻撃能力を持つのか』と言われた。平和主義でいくと決意した。敵基地攻撃能力を持つことは憲法違反である」と述べて、臨時国会でも政府を追及する決意を述べた。



 次に、共謀罪との闘いを弁護士の海渡雄一さんが「衆院では継続審議になっているが、参院でも共謀罪廃止法案を出してほしい。刑事事件とされたことはないが、あらがう市民・学者を黙らせる。表現の自由を奪うものだ。デジタル法案を出そうとしている。要注意だ。省庁の壁を壊すと言っているが、壁で個人のプライバシーが守られてきた。デジタル庁ができれば自由に調べられるようになる。監視社会になってしまう」と警告を発した。

 改憲問題対策法律家6団体連絡会の大江弁護士が学術会議任命拒否問題について、その危険性を指摘した。ふじさわ・9条の会の島田さんが毎日スタンディングをして学術会議問題を訴えていることを報告した。武器取引反対ネットワークの杉原さんが、午後三時から公明党へ「長距離ミサイル購入・開発に反対しよう」と訴える行動を提起した。

 最後に高田健さんが、11月1日大阪都構想住民投票日、11月3日国会正門前行動、11月15日柏崎市長選(元社民党参院議員の近藤正道さんが立候補)、11月19日国会前行動などを提起した。

(M)

報告:8.22 考えよう!防災訓練の問題性・危険性

配信:防災 8月22日、東京都総合防災訓練に反対する実行委員会は、滝野川西区民センターで11月22日の「北区・東京都防災総合訓練」強行に反対していく取り組みの一環として「考えよう!防災訓練の問題性・危険性」をテーマに集会を行った。

 実行委員会は、11月22日の北区中央公園野球場などで行われる救出救助訓練と称する治安訓練に反対し、その柱を以下のように確認している。

 ①防災訓練は、「武力攻撃災害」の観点から「国民保護訓練」として位置づける。発動根拠として「緊急事態」を権力者が都合良く判断し、「大規模災害」だけではなく「戦争・内乱」「大規模テロ」「騒擾」(大規模デモ、ストライキなど)にわたって対処していくことにある。つまり、緊急事態条項追加改憲の先取りであり、緊急事態対処訓練である。

 ②防災訓練には自衛隊が参加し、その任務として宣撫工作、リクルート活動の場として展開する。そもそも「災害派遣」も「治安維持活動」の一種として位置づけており、テロリスト掃討などの戦闘、デモ隊を弾圧する「治安維持」が本質任務としてある。

 大規模災害時に緊急事態を理由として軍事組織に秩序維持の活動を担わせることは、関東大震災時の戒厳令下における警察・軍隊・自警団が一体となった朝鮮人虐殺によってその危険性が示されている。再生を許してはならない。

 ③「新型コロナ災害」を契機に警察による威嚇などの「自粛」強制に呼応し
「自粛警察」が横行し、ヘイトグループの活動も活発化している。加害の歴史を否認し、米軍・自衛隊との連携を前提とした緊急事態条項追加改憲を先取りした国民保護に通じる防災訓練に住民や児童・生徒を動員することは人権の否定につながる。

 そのうえで防災訓練は、「新型コロナ災害」を踏まえ、来年開催予定の「東京オリンピック・パラリンピック2020」戒厳体制を見据え、緊急事態対処訓練として行おうとしている。実行委は、このような動向・性格全体と対峙し、支配者たちの野望を打ち砕いていくための反撃として取り組んでいく。ともにスクラムを広げていこう。

 実行委から開催あいさつが行われ、「差別・排外主義の動きが加速され、右翼らの関東大震災時の朝鮮人大虐殺は、デマだというキャンペーンを強めてきた。小池都知事も関東大震災時に虐殺された朝鮮人の追悼式への挨拶状を出すのをやめ、規制を強めている。都知事選での小池の圧勝、日本第一党の躍進、維新の暗躍など、徐々に右翼の浸透が広がっている。この流れの中で防災訓練の危険性、私たちの取り組みを探っていきたい」と発言した。

 愼蒼宇(シンチャンウ)さんは、「関東大震災時の朝鮮人虐殺 官民一体のヘイトの歴史的源流をたどる」というテーマで講演した。 「石原都知事(2000年)の『三国人』発言、『新型コロナ』も含めて緊急事態の中の差別主義の表出、暴力の連鎖が広がっている。自衛隊の出動は差別主義の表出、暴力の連鎖とは関係ないと見られているが、歴史的にみれば関東大震災時、日本軍隊は戒厳令下で率先して差別・排外主義の先頭に立った。事後処理の中で責任を自警団に押し付けた。官民一体による朝鮮人虐殺には歴史的背景がある。震災時、官民が一時的に興奮して虐殺を行ったのではなく、そこに至るまでの道のりがある」。

 「戦争というと『15年戦争』の枠組みでしか連続的にとらえてこなかった。日
本近代史の戦争の不在を問いただしていかなければならない。朝鮮総督府・軍・警察は、常に朝鮮人を騒擾予備軍として予防的支配を実施していた。民族運動の弾圧をした。植民地支配とは、戦時と平時が常に隣り合わせだった。日本の植民地支配の責任についての議論は低調だ。植民地犯罪と向き合っていくこと、戦後七五年たった現在も問われている。植民地犯罪の根幹にたくさんの軍事暴力があり、その中に関東大震災時の朝鮮人虐殺がある」。

 「朝鮮半島は、現在も南北に分断されたまま朝鮮戦争も終結していない。南北
分断を背景に日本は、アメリカの冷戦政策に乗る形で植民地責任の問題を根本的に解決しないまま、被害者と歴史認識の克服をおきざりにしてきた。現在の対朝鮮人ヘイトが100年前の官民の朝鮮人に対するものとほぼ同様の蔑視と偏見、憎悪が時代を越えて表出している。植民地主義は、いまだに官民にへばりついている。日本の罪と加害責任を明確にし、近現代の日朝関係に向き合っていくしかない。
だが、はてしなく遠く感じている」。

 問題提起が三人から行われた。

 片岡万里子さん(医療労働研究会)は、「新型コロナ災害下の命の選別とトリアージ」をテーマに「天皇制国家における医療の本質は、戦後も続く優性保護法体制のもとで、国家にとって有用か否かで選別し、排除することであり続けてきた。『コロナ』以前から医療は破綻状態であり、現場での日常的な選別・切り捨てで顕在化しないできた。すべての人に差別なく必要な検査・医療を無料化すべきだ。『臨時』ではなく、大幅増床、医療労働者の大幅増員が必要だ」と述べた。

 伏見忠さん(都教委包囲ネット)は、「生徒動員・一斉休校・そして今」を取り上げ、「学校は防災教育と称して動員に応じてしまう。実態は、防災ショーに取り込まれているのが実態だ。生徒管理を強化して宿泊防災訓練というプログラムまである。コロナ下でこの訓練もなくなった。北区の防災訓練に対して都立高校の動員は、今年にかぎってない。ただ来年以降、どうなるかわからない。この間、高校生を地域に動員していく傾向は強まっている。つまり、災害時に高校生を使うことにある。自衛隊も宿泊訓練の時、介入してきてリクルート活動をやっている。ただ防災訓練に異議ありと言う教員が少なくなっている。警戒は続けていかなければならない」と報告した。

 池田五律さん(有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委員会)は、「自衛隊の緊急事態と防災訓練」をテーマから①緊急事態対処と軍隊 ②戦後から1980年までの緊急事態をめぐる動き&災害派遣の法的根拠 ③ビッグレスキューへの道 ④東京都総合防災訓練と自衛隊統合防災訓練(2007) ⑤2019年の動向 ⑥新型コロナ災害下の動き―について報告した。

 最後に主催者から関東大震災朝鮮人虐殺追悼式をめぐる動き、東京都防災訓練の動向が報告され、参加を呼びかられた。

(Y)

報告:6.28東峰現地行動報告

配信:東峰デモ 6月28日、三里塚空港に反対する連絡会主催による「石井紀子さんと共に 三里塚『第3滑走路』反対! 夜間飛行時間延長を許さない! 安倍政権打倒! 反原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古新基地建設反対! 6・28東峰現地行動」が取り組まれ、42人が参加した。

前段集会の会場は、強雨のため平野靖識さん
(らっきょう工場)から東峰地区のらっきょう工場の一角を借りて行われた。

 第1部集会は、司会の山崎宏さん(労活評現闘/芝山町横堀地区)から開催あいさつから始まった。

 次に柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人/芝山町)のメッセージが読み上げられた。

 「今は六月下旬、梅雨の真っ最中である。三里塚空港は、新型コロナウィルスの流行のため旅客機の飛行が極端に減少し、4月12日からは平行滑走路が完全閉鎖されている。平行滑走路の飛行コース下は、静かである。

 こうしたことで飛行機が飛ばなくなるとはまったく予想もできなかった。しかし、第3滑走路の建設計画は日々着々と進められている。横堀・丹波山の空港会社用地では工事が連日行われ、滑走路予定地・騒音地区住民の移転工作も進められている。ただひたすら利潤を追求することだけを求めて空港を拡大することが、はたして正しいことなのかが根本から問われている。今回の新型コロナウィルスの流行はそのことを突きつけているのではないか」。

 続いて加瀬勉さん(元三里塚大地共有委員会〈Ⅱ〉/多古町)のメッセージ「石井紀子さん追悼する」が読み上げられた。

 (要旨)

「〈1〉三里塚闘争に生涯をかけてきた一人の同志をまた失った。紀
子さんの遺志を引き継ぐことは『言はやすく行うは難し』である。悲しみを力に変えて断乎進んでゆこうではないか。

 〈2〉小川明治副委員長が亡くなって天浪の墓地を掘り起こした。小川明治副委員長の棺は反対同盟が作った檜の特製のものであった。三里塚大山の火葬場の施設には入らなかった。市販の棺に明治副委員長の白骨死体を入れ替えて火葬した。空は騒音地獄、地上田畑を奪い、村を廃墟にし、自然を破壊し、コンクリートで埋め尽している。三里塚の天地に眠るところなどない。紀子さんの遺志を引き継ぐとゆうことは闘うわれわれの血と肉体の中に紀子さんが生きていることである。紀子さんと共に戦いつづけよう。……紀子さんをはじめ三里塚闘争に生涯をかけた同志が安らかに眠ることのできる三里塚の大地をつくりあげよう」。

 平野靖識さん(らっきょう工場)は、「コロナ騒ぎの中で外国人の訪日ができないでいる。この状態が5年も続くと言われている。空港会社は、23万回の離発着を言っているが、とても第3滑走路などは必要ない。空港機能の拡大も考えなおすべきだ。東峰地区にとって、4月12日以降、平行滑走路が閉鎖され、静かな日常を楽しむことになっている。生協を通した販売も増えた。しかし、コロナ第二波、三波がくることで仕事が続くだろうかという不安も抱えているが、奮闘している」と報告。

 さらに「紀子さんとは、いろんな局面で議論してきた。原則の人だった。シンポジウム、円卓会議に対して反対でした。東峰ワンパックと分かれて紀子パックを立ち上げたことなど紀子さんなりに原則を貫き通した。新年の反対同盟旗開きにおける紀子さんの豚汁は、野菜が一杯で大変おいしかった。食べることの重要性を常に訴えてきた人でもあった」と述べた。

 繁山達郎さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会事務局長)は、「東峰現地行動は、1999年時の暫定滑走路建設計画があったころから取り組んできた。集会には、毎回、石井紀子さんからのアピール、メッセージがあった。共に東峰を守るために闘いぬいてきたが、紀子さんの声が聞けないのは大変残念だ」と発言。

 また、「1983年から共有地の再共有化を取り組んだ。すでに30年以上経過しているが、共有地を守りぬき、政府の所有者不明土地対策法による土地取得の策動をはね返すために法人を結成した。共有地を法人に移転登記すれば、法人が管理していくことができる。すでに登記変更に着手し、昨年が20人、現在、30人が終了し、さらに増やしていきたい。ぜひ協力してください」と呼びかけた。

 第二部は、「石井紀子さん追悼」と運動報告。司会は辻和夫さん(田んぼくらぶ)。

 アピールは、高見圭司さん(スペース21)、渡邉充春さん(関西・三里塚闘争に連帯する会)、小山広明さん(元泉南市議)、根本博さん(泉州沖に空港を作らせない住民連絡会)、山田謙さん(東大阪三里塚闘争に連帯する会)、鈴村多賀志さん(田んぼくらぶ)、野島みかさん、片岡万里子さん(労活評)、山崎宏さん(労活評)、国富建治さん(新時代社)から行われ、紀子さんの思い出、運動報告などが語られた。

 集会後、デモに移り、開拓道路に到着。仲間たちは石井紀子さん追悼の黙祷を行い、「第3滑走路反対!三里塚空港粉砕!」のシュプレヒコールを空港に響かせた。

 デモ終了後、第3滑走路計画に対する現地調査に向かう。建設予定地のど真ん中の加茂地区では空港周辺地図を見ながら山崎さんの解説を受け、あらためて大地と自然破壊、空港公害に満ちた第3滑走路建設計画の実態を暴き出した。

 加茂地区から飛行騒音直下コースを確認しながら多古町に到着。加瀬さん宅に
向かう。加瀬さんは、サツマ芋とジャガイモを用意し、迎えてくれた。

 加瀬さんは言う。「コロナによって空港が止まり、空港会社が破産していく。
廃港をめざすわれわれにとっては喜ばしいことだ。グローバルな世界が壊れ、矛盾が深まっていく。新しい闘いは、命を守る運動、生活を守る運動などによって根底から問い直さなければならない。さらに旧日本軍731部隊の石井四郎中将は千代田出身だ。天皇制との対決も負けるわけにはいかない。天皇制と三里塚の関わりを切開し、人民の闘いを明らかにしていく」と決意を述べた。

 参加者は、加瀬さんの問題提起を受け止め、三里塚闘争と新たな闘いの方向性
への踏み込みに向けて誓い合った。

(Y)

 

報告:4.29反「昭和の日」デモ

配信:反「昭和の日」でも 4月29日、 反「昭和の日」実行委有志の呼びかけで千駄ヶ谷区民会館前から渋谷に向けてデモが行われ、85人が参加した。

 新型コロナウイルス感染症の拡大による安倍政権の緊急事態宣言によって公立会館が軒並に休館し、様々な集会などが中止に追い込まれている。実行委有志は、4・28「沖縄デー」集会、反「昭和の日」集会も会場の休館によって中止せざるをえなかったが、コロナ事態によってアピール行動が萎縮している状況下黙って天皇賛美の「祝日」を過ごすことはできないとして立ち上がった。

「今こそ問う
『安保・沖縄・天皇』4・28―29連続行動実行委員会」は、この局面に対して声明を出している(別掲)。

 そもそも4月28日は1952年にサンフランシスコ講和条約と日米安保条約が発効した日であり、4月29日は植民地支配責任・侵略戦争責任をとることなく死んだ天皇裕仁の誕生日を「昭和の日」(2007年制定)としてデッチ上げた「祝日」だ。安倍政権は、日米安保体制下、米軍との共同作戦のレベルアップをかけてグローバル派兵国家建設に向けて憲法九条改悪の野望を捨てていない。「代替わり」した徳仁天皇は、安倍政権との共謀によって戦争国家への加担へと歩みだしている。天皇行事の縮小等に追い込まれながらも、植民地支配責任・侵略戦争責任を棚上げし、平和ポーズのオブラートの役割を担っている。

 それだけではない。コロナ事態に便乗して、1月に自民党の伊吹文明元衆院議長は党会合で「緊急事態に個人の権限をどう制限するか。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいい」とぶち上げ、憲法改悪の条項に緊急事態条項を創設することを主張し出した。以降、安倍政権、日本会議などの右派勢力と右派メディアは、一斉に急事態条項も含めた憲法改悪キャンペーンを開始している。

 安倍政権と日本会議の宣伝紙である産経新聞(4・29)は、「【主張】昭和の日 先輩も懸命に戦い抜いた」というタイトルで「昭和の日を迎えた。新型コロナウイルスの緊急事態宣言の下である。…… ウイルスとの戦いは確かに戦争と共通しよう。……大切なのは日本人が団結することだ。昭和の先輩は一致団結して国難を乗り越えてきた。現代の日本人にもできないはずがない。」と強調するこ
とによって挙国一致を強要し、安倍政権と連動して「憲法改正の大きな実験台」として組み込んでいたのだ。

 天皇制を強化する一切の賛美日を許さず、天皇制廃絶に向けた取り組みを粘り強く押しすすめていこう。

 実行委有志は、デモにあたって、「①ゆったりと間隔をあけて歩きたいと考えています。②マスク(あるいはそれに代わるもの)必須。③外出を控えたいと考える方の判断は尊重し、可能な方の参加をお待ちしています。」を確認し、デモへの参加の呼びかけを行った。警察機動隊に対しては不当なデモ規制を許さず、「表現の自由」の権利を行使していくことを突きつけてきた。

 デモは、千駄ヶ谷区民会館前を出発し、「『昭和の日』反対!終わりにしよう天皇制!昭和天皇の戦争責任を忘れないぞ!」などのシュプレヒコールを渋谷一帯にわたって響かせた。国家権力は、この日も大量の公安政治警察、機動隊を配備し、デモのアピールに対しては警察広報車による大音量による嫌がらせを繰り返した。

 解散集会では、2020野宿者・失業者・日雇労働者メーデー実行委員会、日銀前メーデー、戦争・治安・改憲NO!総行動実行委員会から集会の呼びかけが行われた。

(Y)


【声明】

今こそ問う『安保・沖縄・天皇』4・28―29連続行動実行委員会共同行動


「立皇嗣の礼」は延期じゃなくて中止だ!  身分差別と格差を温存し拡大する天皇制は廃止だ!  あらゆる人びとへの生活と命の保障を!

 4月14日、政府は持ち回りの閣議で、19日に予定されていた「立皇嗣の礼」を延期することを決定した。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、収束状況を踏まえてあらためて日程を決めるという。

 天皇徳仁の弟である秋篠宮が、次の天皇となることを内外に宣言する儀式である「立皇嗣の礼」は、皇嗣となったことを宣言する「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」、天皇にお礼を述べる「朝見の儀」、賓客を招いた祝宴「宮中饗宴(きょうえん)の儀」(都合二回)からなる儀式で、それぞれ皇居宮殿・松の間で、国費を支出して「国の儀式」として行われることになっていた。それがこの間のコロナ状況を受け、縮小(饗宴の儀の中止、宣明の儀の参加者を350人から50人に減らすなど)して強行しようとしていたが、「緊急事態宣言」体制の下で、正式に延期が決まったわけである。

 「不要不急」ということでいえば、これほど不要な国家行事はない。そもそも、この儀式そのものが、明確な法的根拠に基づいたものではない。それだけではない。儀式に使われる税金が4000万円。それはまた、昨年1年間かけて166億円もの即位関連費用をつぎ込んで行われた、一連の天皇「代替わり」儀式とも連動している。明仁が退位し、徳仁が新天皇であることを宣言し、文仁が次の天皇となることを宣言する──天皇制という制度は、これからもこうして永続していくのだということを、多額の税金を投入して確認し宣伝する儀式である。たんに不要不急なのではなく、廃絶されるべき害悪である。

 秋篠宮が「皇嗣」となることによって、「お世話をする」ための職員はこれまでの20人余りから50人以上に増員され、その住居も約33億円かけて大規模改修される。延べ床面積も約1600平方メートルから5500平方メートルにまで拡張されるのだ。これとは別に、完成までの仮寓所の費用として、約9億8千万円が支出される。

 退位した「上皇」の住まいとなる赤坂御所の改修費にも7億円が計上されている。天皇とその一族のためには、特別に手厚い手当が、国によって惜しみなくなされているのだ。

 ひるがえって、コロナ状況に生きている大多数の人間の暮らしはどうか。保険・医療環境の新自由主義的破壊のなかで、劣悪な医療状況に甘んじることを強いられ、不安を抱きつつ検査すら受けられず、補償がほとんどないに等しい状況で、自己責任で「三密」を避け、自宅にとどまるよう「要請」される、「テレワーク」などできようもない人びとは、往復の通勤電車に揺られて首都圏を移動せざるをえない、リスクばかりが一方的に負わされる。

 24時間体制での、自分たちの健康管理がなされる医療が保証され、通勤電車に乗る必要もなく、家族や関係者とも、2メートルどころではない充分な距離をとれる居住環境と、NPOに多額の寄付ができるくらいの金銭的余裕がある生活、それが天皇一族だけのものであってよいはずがないではないか。少なくとも、不平等が是正されなければならないと思うのがあたりまえだ。天皇家は特別だからと思わされてしまうのが、身分差別社会に毒された感覚というものである。

 4月10日、徳仁は住まいの赤坂御所に政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバーを呼び、「ご進講」を受けた。徳仁は「私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら、この感染症を抑え込み、現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています」と述べ、さらに「国民が一丸となって乗り越えなければならないですね」と話したという。コロナウイルスという「国難」に対して、挙国一致で事に当たるべきだという安倍政権の方向を支持し、自ら「国民統合」の装置としての役割を果たすことが強く意識されている発言だ。

 いま、「立皇嗣の礼」だけでなく、天皇関連の儀式も次々と中止あるいは延期されている。それは、本当のところ、この社会において天皇が行わなければならない仕事など、何ひとつないことを明らかにしているとともに、天皇制という制度において、制度を肉体的に支える一族の「健康」が、天皇制の将来にストレートに直結しているという事実を明らかにしている。だから私たちは訴える。

 「立皇嗣の礼」は延期じゃなくて中止だ!
 身分差別と格差を温存し拡大する天皇制は廃止だ!
 あらゆる人びとへの生活と命の保障を!

  2020年4月19日

報告:2020反対同盟旗開き&1.12東峰現地行動

配信:旗開き 1月12日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)は、横堀農業研修センターで「2020反対同盟旗開き」を行い、50人が参加した。

 国交省は、2019年11月5日、成田空港の機能強化策を実施するための基本計画(第3(C)滑走路(3500m)新設、平行(B)滑走路(2500m)を北側に1000m延伸)を改定した。成田空港会社は、2020年東京五輪・パラリンピックでの旅客の増大を口実に飛行時間の1時間延長を打ち出し、冬ダイヤ(2019年10月)から強行している。

 国交省・空港会社・推進派が一体となって空港機能拡大の既成事実を積み上げたうえでアリバイ的に行ったのが公聴会(12月24日)だ。だが朝日新聞(19・12・25)が、「これ以上の騒音は我慢の限界を超えている。生活できない」、「『地元の理解を得る』と言いながら、騒音下住民の意向は無視されている」などの反対意見を紹介し、「反対意見も根強く」「騒音被害住民に懸念」の見出しをつけざるをえないのが実態だ。田村明比古空港会社社長は、年頭あいさつで住民の不安や反対意見を無視し、「激しい内外の空港間競争に勝ち抜く」ために「発着時間を1時間延長した運用を始めることができました。これもひとえに地域の皆さまのご理解ご協力あってのもの」と言うしまつだ。今年も金儲けのために住民無視、空港公害を広げていくと宣言した。

 反対同盟は、「第三滑走路建設反対」を掲げ、空港周辺住民、闘う農民とともに反撃していくことを旗開きで意志一致した。

 旗開きは、山崎宏さん(横堀地区)の司会で始まった。

 柳川秀夫さん(反対同盟代表世話人)は、「昨年は台風で大変だった。大量生産・大量消費によって、地球の許容量を超えてしまった結果だ。人間の生存の問題まできている。対処療法では乗り切れない。どういう社会を作っていくのかとして問われている。壊滅的な環境によって、すでに遅いと感じている。未来まで永続できる社会を目指していきたい。第3滑走路問題、空港機能の巨大化も同じものとして問われている。今年も頑張って闘っていこう」と発言した。

 石井紀子さん(川上地区)は、「台風被害に対して皆さんからお見舞いをもらい、ありがとうございました。台風によって畑に被害がでました。停電も長かった。ポンプが使えず、水も止まってしまった。高齢者にとっては命にかかわる問題だった。水を配ったり、みんなの力で乗り切った。温暖化のせいでもっと大きな台風もありえる。天災に身構える農業を考えていかなければならないと感じている。これまでビニールトンネルを使って栽培してきたが、気候の温暖化を少しでも止めるためにビニールを減らしていきたい」と述べた。

 平野靖識さん(らっきょう工場・東峰地区)は、「台風によって停電となり冷蔵庫が止まり、にんじんジュースの原料を廃棄せざるをえなかった。あらためて電気に頼りきっているなと感じた。顧客は、三里塚闘争に関わったお客さんも多くて出荷の遅延でも助けられた」と報告。

 さらに「成田空港シンポジウムで隅谷調査団の『成田空港は内陸空港だから控えめに使うべきだ』という最終書見を確認した。円卓会議では『今後の空港作りについて、当事者・騒音下住民との話し合いを行い、改廃も含めて行う』と約束したはずだ。現在の成田空港機能拡大は、それを破るものだ。住民の不安に対して答えるものとなっていない」。

 また、「空港会社は、天神峰地区の市東孝雄さんの土地を取り上げようとして裁判を行っている。会社は、旧地主から底地権を買い取ったことをひた隠してきた。市東さんは、土地が売られていたことを知らずに借地代を払い続けてきた。こんなでたらめがあるにもかかわらず最高裁は不当判決を出した。市東さんは、執行停止に向けて裁判闘争中だ。私は証人として裁判で証言した。成田空港シンポ・円卓会議の結論からしておかしいという観点から今後も発信していきたい」と報告した。

 加瀬勉さん(元三里塚大地共有委員会代表/多古町農民)は、冒頭、「第三次世界大戦勃発か。世界に衝撃が走った。アメリカはイランに対する戦争行為をやめよ。安倍内閣は自衛隊の中東派遣を中止せよ。軍事的に空港を利用することには反対する」と糾弾し、「三里塚空港は国家犯罪、権力犯罪の積み重ねによって建設されてきた。人権などすべてが侵害されてきた。安倍内閣は憲法九条件改正を生涯の政治目標としている。平和憲法を守る共同行動、統一戦線の先頭に立って活動しよう」と訴えた。

配信:東峰デモ さらに「国交省は空港機能拡大計画について公聴会を開催した。一つだけ大きな見落としをしている。われわれの闘いの主体の生長がこのままではないことである。内外の政治経済は緊迫の度合いを増している。この中でわれわれは鍛えられ大きく生長してゆくであろう。共に頑張ろう」と強調した。 

 発言は、高見圭司さん(スペース21)、関西三里塚闘争に連帯する会 、東大阪三里塚闘争に連帯する会、泉州沖に空港を作らせない住民連絡会、小山広明さん(元泉南市議)などから行われた。

 一般社団法人三里塚大地共有運動の会は、山口幸夫代表理事のメッセージ「空
港拡張計画は、もはや時代遅れだ」を紹介した(別掲)。

 旗開き終了後、三里塚空港に反対する連絡会の呼びかけで旧東峰共同出荷場跡
に移動し、開拓道路に向けてデモが行われた。

 開拓道路からB滑走路に向けて「飛行制限時間緩和を許さない! 第3滑走路反対! 騒音下住民と連帯して闘うぞ!」などのシュプレヒコールを響かせた。

(Y)

★山口幸夫さん(三里塚大地共有運動の会・代表理事)のメッセージ


空港拡張計画は、もはや時代遅れだ

去年千葉県を襲った台風と豪雨とは豊饒な農地に大打撃を与えたのみならず、千葉県の全域に、大停電を引き起こし、無数の住民が平安な暮らしを奪われた。言うまでもなく、三里塚の東京国際空港は機能停止に陥った。

それから4か月、未だ、多数の人たちが被災状態から抜け出せないでいる。東日本大震災からは9年たとうとしているが、東京電力福島第一原発の爆発と放射能放出によって汚染された大地、自然、生き物の回復の目処は立たない。数百年の歳月を待たねばなるまい。

これが、150年前に開国し、科学技術立国をめざして西欧先進国の仲間入りし、そして経済発展をし、高度に工業化を遂げたとされる現代日本の現実である。

1966年7月、ときの自民党政府が三里塚空港建設を閣議決定した。これに反対し、農民を守れ、農地と緑の沃野を守れ、の声が日本列島を覆った。しかし、国際化とエネルギーの確保とを錦の御旗として、住民・市民の意志を退け、政府は空港建設を強行した。

地球という閉じたシステムは無限の能力を持っているのではない。とくに、浄化システムには限りがある。いったん環境汚染が始まると、進行を抑えるのが極めて困難になる。このことはすでに1960〜70年代に、明らかになっていた。にもかかわらず、環境破壊は急速に進んだ。

もはや猶予は許されない。全世界的な気候危機、異常気象は年を追って激しくなってきた。経済活性化のためにもっと成長を、という時代ではないことに疑いはない。スウエーデンの16歳の高校生が、CO2を大量に排出する航空機に乗るのを拒否して、船で大陸へ渡った。言葉だけで実践をしない“大人たち”に、未来世代への責任を問い詰めた。

利便性とは時間短縮の謂である。エネルギーも環境悪化も顧みずに利便性を追求してはならない。短時間で世界を結ぶ航空機と空港は、ぎりぎりに、最低限に認めるべきものである。

世界の政情が安定性を失った。安倍政権に連なる政治家たちの放埓で無責任な行為と言動とを許してはならない。国家官僚は政権の忖度に汲々としている。彼らによって、法も制度も形骸化させられている。世直しが不可欠である。若い世代と連帯して、三里塚大地の共有運動を広げ、進めていこう。


(三里塚大地共有運動の会・代表理事、山口幸夫)        
 

報告:12.24第三滑走路建設に向けた公聴会抗議行動

配信:公聴会抗議行動三里塚空港に反対する連絡会報告

 12月24日、三里塚空港に反対する連絡会は、芝山文化センター(山武郡芝山町)前で「第三滑走路建設に向けた公聴会抗議行動」を行った。

 国、空港会社、推進派が一体となって夜間飛行制限の延長、第三滑走路建設、B滑走路延伸の強行をねらっている。公聴会は明らかに第三滑走路推進のためのアリバイ的なものでしかない。空港機能拡大に対する不安を感じている住民の存在を無視して、従来のように暴力的に行おうとしている。民主主義を否定する暴挙を許さず、公聴会に抗議した。
 
 連絡会は、午前九時過ぎ、センター入口前で「第3滑走路建設・飛行時間延長強行のための公聴会反対!」の横断幕を掲げた。仲間は、トランジスターメガホンを使って①アリバイ的な公聴会の意図②生活の破壊を許せない③利潤追求の為に住民の生活を破壊するのか④金と力で空港は建設されてきた⑤約束を反故にしてまたも強権行使⑥国や空港会社の言いなりにはならない―と批判した。

 公聴会は、午前10時に開始。国土交通省は、「この公聴会は、成田空港の施設と同空港で指定した延長進入表面などに変更が生じることから、航空法第43条第2項で準用する同法第39条第2項の規定に基づき、利害関係を有する方から意見を伺い、公正に行政処理を行う手続きの1つです。」などと言っている。自ら「手続きの1つ」と位置づけているように形式的に意見を聞くというものでしかない。

 公聴会では住民、関係事業者など38人が意見を述べ、約280人が傍聴した。朝日新聞(2019・12・25)によれば、反対意見が騒音地域の住民からあり、「これ以上の騒音は我慢の限界を超えている。生活できない」、「『地元の理解を得る』と言いながら、騒音下住民の意向は無視されている」と抗議する意見が続いた。

 国交省は、このような反対意見をどのように扱うのか、反対や疑問意見があれば計画を中止するのかなどについてなんら答えず、従来通りの不誠実な姿勢のままであり、強引に押し進めていくという居直りでしかない。

 公聴会強行糾弾!第3滑走路建設・飛行時間延長を中止しろ!

 

●公聴会参加者に向けて配布したビラ
 
第3滑走路建設・飛行時間延長強行のための公聴会反対!

 公聴会に参加される住民の皆さん。私たちは三里塚空港絶対反対を掲げて反対運動を闘ってきた三里塚農民と連帯してきた各地の労働者市民からなる団体、「三里塚空港に反対する連絡会」の者です。

 2002年のサッカー・ワールドカップ大会を口実に政府・空港公団が暫定滑走路(B滑走路)を建設しようとしたことに反対し、「暫定滑走路に反対する連絡会」を結成し、生活を破壊され、自分の土地から追い出される空港予定地用地内農民と共に反対運動を行ってきました。用地内農民はB滑走路が供用されている今も用地内で粘り強く闘い続けており、私たちも名称を変えて今も共に活動を行っています。

はじめに

 政府・国土交通省は2013年、空港機能の拡大を目指すとして2028年度までに第3滑走路を建設するという計画と、2020年東京五輪・パラリンピックでの旅客の増大を口実にして飛行時間の延長(現行午前6時から午後11時までを午前5時から翌日午前0時半まで)をセットで地元に提案してきました。これを受けて成田国際空港株式会社は併せて平行(B)滑走路を北側に1キロメートル延伸するという計画まで提示し、これを実現するために一方的に説明会を行ってきました。

  この計画により新たに約2000戸が騒音地域に指定され、約200戸が移転を余儀なくされることになります。
 
生活の破壊を許せない 

 この計画を推進するために国・千葉県・関係9自治体・空港会社からなる四者協議会が結成され、住民説明会が各地区で行われてきました。移転対象となる住民、新たに騒音地域となる住民、騒音がさらに増大する騒音地域住民からは厳しい批判の声が上がり、断固反対が次々と表明されました。

 空港開港以来騒音により身体的、精神的な影響を受けたり、航空機の落下物の恐怖におびえながら生活してきた飛行直下の住民にとってはさらなる被害の拡大は到底容認できるものではありません。

 また移転となれば生活の根底からの転換を強いられることになります。騒音地域の拡大によってそれまで平穏な生活を送って来た住民にとっては突然騒音下に置かれ落下物の恐怖におびえながら生活しなければならないことになります。航空機からの落下物は開港以降おびただしい数に上り、最近でも成田を含めて各地で航空機の一部が脱落する事故が相次いでいます。また昨年7月には成田市東峰で離陸寸前の米貨物機がオーバーランで大事故寸前になっていたことが明らかとなりました。 

利潤追求の為に住民の生活を破壊するのか

 住民説明会においてこの計画に対する批判、反対の声があがるのは当然のことです。空港会社は飛行制限時間を3時間短縮するという案から1時間短縮という見直し案を提示し住民に説明しました。

 しかし、住民はこれにも納得せず、なし崩し的にさらに短縮するのではないかと不信感を募らせています。関係自治体は住民の反対を無視し、交付金の増額・地域振興策と引き換えに空港会社の見直し案を受け入れ「早急に地域振興策を」と、前のめりになってきました。住民の生活を破壊してでも一部の利害関係者の利益を追及するという姿勢です。
 
金と力で空港は建設されてきた


 成田空港は最初から地元住民の意志を無視して作られてきました。政府と千葉県の一方的な思惑によって三里塚の地に決定され、住民にとっては全く寝耳に水のことでした。農民の生活の糧である農地を一方的に奪い追い出そうとしたのです。農民はからだを張ってこれに抵抗しました。政府・空港公団(当時)は警察機動隊の暴力を使って力でこれを押さえ込み、また札束を積んで農民を懐柔し、空港を建設していったのです。

 このようなやり方は最初から一貫して今日に至っています。現在の政府・空港会社のやり方は形こそ違いますが、本質は全く変わっていません。あたかも住民の意見を聞くというポーズを取りながら、政府が決めたことは何が何でも進めていくということです。説明会を各地で小まめに開いて「住民の意見、要望を聞いた。」というアリバイを作り。既成事実を積み重ねていくのが彼らのやり方です。
 
約束を反故にしてまたも強権行使 


 政府・空港公団(当時)は1991年から94年にかけて行われた「成田シンポジウムー円卓会議」の結果を受けて「強制的な手段によらず話し合いによる解決をはかる」と反対派農民と確約し、事業認定を取り下げ、強制代執行による土地の取上げはあきらめました。しかし、空港会社はそれ以降、民事裁判に提訴して裁判所の強制力を使って農民、地権者から土地を取り上げるという手段を取ってきました。

  公聴会は「利害関係者から意見を聞く場」とされていますが、計画を推進するための手続きに過ぎず、反対する住民の意見も聞いたというアリバイ作りに過ぎません。
 
国や空港会社の言いなりにはならない

  用地内には現在も成田市の東峰、天神峰、木の根地区に農民・住民が住んで生活しており、また芝山町の横堀地区にも反対派の土地があり、政府・空港会社の横暴と闘っています。住民が闘い続ける限り政府や空港会社の思い通りには行きません。それはこの間の三里塚の農民の闘いが示してきました。行政に期待し任せているだけでは最後は国や空港会社の思うままに進んでしまいます。

 地域と住民の健康、生活を守るため第三滑走路の建設に反対し、夜間飛行制限時間の短縮に反対しましょう。(2019年12月24日) 

報告 11.25香港連帯緊急アピール行動

1125★11.25緊急アピール行動
☆香港政府は学生市民の声を聞いてください

 11月25日午後7時から、九段下にある香港経済貿易代表部に対して、「香港政府は学生市民の声を聞いてください」緊急アピール行動が主催:#Fight for Hong Kong @ TOKYO 2019で行われ、20人を超える仲間たちが参加した。前日の24日の区議会選挙で、民主派が八割を超す議席を占め、圧勝を受けての香港民主運動に対する連帯行動としても取り組まれた。

 最初に、司会者が6月以降の逃亡犯引き渡し条例反対から起こった運動の経過を紹介し、この条例を撤回させ、警察のすさまじい弾圧の責任の追及や逮捕者の釈放、行政長官の民主的な選挙など五大要求を突きつけて闘い抜いていることを報告した。香港政府に態度を改めることを求めた。



 次に区議会選挙について、仲間が詳しく報告した。

 「11月25日は6月9日の百万人デモから170日目にあたる。5000人が逮捕され、暴動罪で1000人が起訴された。今日四時から当選した50人の民主派の議員の呼びかけで理工大の近くの公園で『警察は包囲を解除し、立てこもる学生が無事に出てこられるようにせよ』と集会が行われている。410万人の選挙名簿の七割を超える人が投票した。四五二の議席のうち八割が民主派によって占められた。前回の選挙(2016年)では体制派が七割をとっていた。18ある選挙区ですべての区で圧勝した。白色テロにあい一カ月入院した人が「理工大生を救え」と呼びかけた。その人も当選した。また、雨傘運動の中文大のリーダーだった人も当選した」。

 「民主派が当選した区議会だが、法律を作ることが出来ず、地域の住民サービスのみに権限が限定されている。これは英国から返還される前も返還後も変わっていない。弾圧法の撤回や警察の弾圧を制限する法律を制定することはできない。だから、普通選挙を求めている。香港政府のバックには中国共産党がある。香港の運動派民主主義運動の最前線に立っている。香港の運動の進展は日本の運動の力にもなるだろう」。



 参加した若者が香港警察の弾圧について報告した。

 「今まで香港について知らなかったがUチューブなどを見て勉強した。すさまじい催涙ガスの水平撃ちがあった。大学を占拠している学生に対して、親が駆けつけ支援していた。何人も死者が出ている。学生は遺書を書いて闘っている。硬直した警察の暴力を許さない。情報を共有すること、香港の闘いを精一杯支援していきたい。日本の民主主義を変えなければならない。東アジアを変えていく、私たちもその主体だ」。

 香港で不当逮捕され、帰国した井田光さん(東京農大生)が「デモ隊の近くに居たというだけで、何もしないのに逮捕された。帰国した自分も闘わなければならないと思い参加した。抗議行動をしている人が銃で撃たれる。そんな国でいいのか。暴力はやめてくれ。学生たちは市民のために闘ってくれている。これからも連帯したい」と本名を名乗り発言した。

 昨年12月12日に靖国神社で、日本の侵略戦争の責任を問う抗議行動をした香港の二人が逮捕・起訴され、裁判で有罪になった。この支援運動を行った仲間が経過を報告した。そして、山谷で活動している仲間も連帯のアピールを行った。

最後に、申し入れ書を読み上げ、今後も連帯活動を続けていくことを確認した。



(M)

 
申し入れ書

 6月9日の103万人デモから170日目の今日、私たちは6月から続く香港の事態に憂慮し、民主主義を求める香港の人々を日本から応援するために、ここに集まりました。

 「香港の明日はもっと良くなる」といわれた香港返還から22年が経った今、誰
も当時のこの政府スローガンを真に受ける人はいなくなりました。

 むしろ逆に、民主主義や自由が「もっと悪くなる」と考える学生や市民らが、
今回の逃亡犯条例反対の運動に立ち上がり、法案撤回後も残り四つの要求を実現するために、いまも運動を続けています。

 香港政府と警察は、法案が撤回された9月4日までと同じ方法、つまり暴力的措置によって運動の鎮静化を図ろうとしています。それが徒労に終わるであろうことは、警察の包囲にも屈することなく果敢に抵抗を続けた中文大学や理工大の学生市民らの動きや、昨日の区議会選挙の結果を見ても明らかでしょう。香港政府には、民主化を求める人々の声に向き合ってほしいと思います。

 未来の香港を担う10代の若者をはじめ、千人近くもの市民が「暴動罪」で逮捕、起訴されています。数千名の青年が警察の暴力に怯むことなく最前線で民主化を求めています。催涙ガス漂う街頭では幾万もの市民が最前線の青年たちを支えています。そして香港のあらゆるところで百万の市民が民主主義を求めて声を上げています。

 この香港市民の声は必ずや中国国内にもこだまするでしょう。そしてこのこだまは何十倍、何百倍もの勢いで東アジアと世界に響き渡るでしょう。

 普通選挙権に象徴される民主主義は世界中の長いたたかいのなかで実現されて
きました。しかし世界、そして日本にも多くの不平等が存在しています。

 いま私たちは改めて香港の人々から、自分たちの未来は自分たちで決めるとい
う権利は人から与えられるのではなく、ましてや人に奪われるのでもなく、多くの人々との協力によって、実現しなければならないということ教えられています。

 自由と平等、そして平和をもとめる民主主義に国境はありません。わたしたち
は香港の人々の掲げる五大要求に象徴される理念を、日本をふくむすべての場所で要求しつづけます。

 香港政府は、民主化を求める香港市民の声に向き合ってください。残り四つの要求の実現し、覆面禁止法を撤回し、緊急状況規則条例を廃止してください。

2019年11月25日 
香港経済貿易代表部前アクション参加者一同
 

報告:7.14東峰現地行動

配信:三里塚デモ写真 7月14日、三里塚空港に反対する連絡会は、東峰地区で「飛行制限時間緩和を許さない! 成田空港「第3滑走路」計画を撤回せよ! 反原発—再稼働やめろ!沖縄・辺野古新基地建設反対!」を掲げて「7・14 東峰現地行動」を行い、40人が参加した。

 成田国際空港会社は、人権破壊、安全軽視と空港公害のまき散らしでしかない第三滑走路を2020年代半ばまでに完成させ、さらに2020年東京五輪・パラリンピックによる便数増加に対応するために飛行時間(現行午前6時から午後11時まで)を1時間延長するという計画を打ち出した。だが、騒音被害を実際に受ける飛行ルート直下の芝山町・横芝光町住民はあくまで飛行時間の延長を認めることができないと反対している。住民は「空港騒音断固反対」「わたしたちの静かな生活環境をこわすな」などの看板を掲げ抗議している。

 しかし、空港会社は、住民の声を無視して、19年の冬ダイヤ(10月)から飛行時間延長を強行することを明らかにしている。四者協議会(国・千葉県・空港会社・周辺自治体/2月4日)も空港利権の拡大を優先し、住民に圧力をかける始末だ。参加者は空港会社の居直りを許さず、闘う三里塚農民・住民と連帯して空港内にある東峰地区開拓道路にむけてデモを行った。

 旧東峰共同出荷場跡で前段集会が行われた。

 山崎宏さん(労活評現闘/横堀地区)は、「空港会社は夜間飛行時間の1時間延長を10月から実施すると言っている。第三滑走路計画も押し進めている。騒音被害を受ける横芝光町住民は強く抗議している。空港会社の利益を優先したやり方に強く反対の声をあげていきたい」と訴えた。

 続いて石井紀子さんから寄せられたメセージが読み上げられた。

 石井さんは、「沖縄を思う成田の会」の主催で上映された「沖縄スパイ戦史」を観て「沖縄について知らなかったことが多すぎるのです。……もっとこういう埋もれている沖縄の歴史を掘り起こしていこうと思います」と述べ、「とにかくアベを止めたい、ひきずり落としたい。沖縄にこれ以上の罪を重ねないよう政治の流れを変えていかなければなりません。皆さん一緒に頑張りましょう」と訴えた。

  渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会)は、冒頭、「いつも三里塚に来ていた釜日労の山田将夫さんが1月に亡くなった。釜日労の仲間が山田さんの遺影を掲げてデモをする」と発言。また、一般社団法人三里塚大地共有運動の会の関西における取り組み、一坪共有者名簿を通した連絡の積み上げなどを報告した。

 さらに「反空港全国連絡会は、泉州沖に空港を作らせない住民連絡会、石垣島、静岡空港に反対する仲間、三里塚の仲間、羽田空港に反対する仲間たちともに活動している。関西新空港は、台風(18年9月)による連絡橋破壊の被害で安全を無視した運用が浮き彫りになった。今年から関西新空港、神戸空港、伊丹空港が一体的に運用されるが、安全無視の利益優先の姿勢は相変わらずだ。九月八日に関西新空港反対現地集会を行う。4月2日に伊丹空港にオスプレイが緊急着陸した。軍用航路の調査の目的の狙いがある。私たちは空港の軍事利用に対する抗議を行った。石垣島、宮古島に自衛隊ミサイル基地が建設された。南西諸島への自衛隊配備と空港建設の連動の危険性に注意しなければならない」と強調した。

 繁山達郎さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)は、会の活動報告、一坪共有地運動に敵対する所有者不明土地対策法に対する批判と今後の対策について発言した(「一坪共有地運動に敵対する表題部所有者不明土地の登記・管理適正化法に反対する」/連絡会声明・別掲)。

 デモに移り、開拓道路から空港滑走路に向けて「飛行制限時間緩和をやめろ!成田空港「第3滑走路」計画を撤回せよ!住民追い出しを許さない!三里塚空港粉砕!」のシュプレヒコールを響かせた。

 再び旧東峰共同出荷場跡で集会の後半を続けた。

 釜日労は、「山田さんはいろんなところで頑張ってくれたメンバーだった。今日は皆さんに報告するために参加しました」と発言。

 平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)は、「18年4月の火事後、皆さんに応援していただき新しい冷蔵庫を設置できた。若い新社長の下で頑張っています。社会的な信用力も高まった。近くの鉄パイプで囲まれた部分が東峰の一坪共有地だ。三里塚大地共有運動の会に登記を集めていない共有者が法人に登記を移していくのに協力していきたい」とアピール。

 続いて高見圭司さん(スペース21)、三里塚勝手連、田んぼくらぶから発言があった。

(Y)

 
 
一坪共有地運動に敵対する所有者不明土地の登記・管理適正化法に反対する

    三里塚空港に反対する連絡会


 安倍政権は「所有者不明土地対策」を口実に一坪共有地強奪の法整備を進めている。

 5月17日、所有者不明土地登記・管理適正化法(表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律)が成立した。この法律は所有者不明土地対策法の第2弾。「表題部所有者不明土地」の登記・管理の適正化を図る措置として、

(1)
登記官に所有者探索のための調査権限付与、探索結果を登記に反映。
(2)所有
者を特定できなかった「表題部所有者不明土地」について、裁判所の選任した管理者の管理を可能とする内容。「管理」には草木伐採、売却が含まれる。

 17年、安倍政権は成長戦略のひとつとして「所有者不明土地対策」を打ち出した。空き家問題や防災を口実にしているが、リニア建設など大型開発促進が真の狙いだ。18年3月に決定された2030年成田第3滑走路建設計画も無関係ではない。

 18年6月、法制化第一弾として、所有者不明土地特別措置法が成立。公共事業での所有者不明土地の収用における収用委員会の関与が廃止され、申請も決定も知事のみでできる制度に改悪された。

 今回の法制定によって、所有者不明土地は登記官が調査して所有者が分からない場合、代金を法務局に供託して、裁判所任命の管理者から買収できることになった。共有者の一部を特定できない共有地も所有者不明土地となる(法務省民事局ホームページから)。

 さらに来年には第3弾として、登記の義務化、土地所有権の放棄確認緩和などの法制化が計画されている。これが成立すれば、これまでの法律と合わせ、登記期限までに相続登記がされない共有地を、法務局に代金を供託するだけで強制買収できることになる。

 まさに一坪共有運動の圧殺を狙う悪法だ。

 1966年、三里塚闘争開始直後に始まった三里塚一坪共有運動は、83年からは再共有化が取り組まれ、五三年間闘いが続いてきた。昨年10月、加瀬勉さん・柳川秀夫さんの呼びかけで三里塚大地共有委員会を受け継ぎ、一般社団法人三里塚大地共有運動の会(山口幸夫代表理事)が設立された。全国の共有者に呼びかけ、共有地の管理・登記変更に取り組んでいる。

 共有運動に敵対する法制定に反対し、一坪共有地を守り抜こう。 

     2019年6月

フォト報告:7・1 55万人デモ~香港のことは香港人が決める!中国政府の統制下の香港NO!との圧倒的民意

「週刊かけはし」2019年7月15日号の、7月7日付の沖縄報告に掲載されている「7・1 55万人デモ
 香港のことは香港人が決める! 中国政府の統制下の香港NO!との圧倒的民意」の写真を掲載する。紙面に使われた写真は、そのごく一部にすぎない。(H)

①2019.7.1 香港の日刊紙「蘋果日報(アップルデイリー)」の紙面。一面に6.9の100万人デモ、6.16の200万人デモの写真と共に、「悪法未撤回、林鄭未退陣」の見出しがある。
01_20190701hk


②2019.7.1 香港の日刊紙「蘋果日報(アップルデイリー)」が出した特集版の中の6.9デモの写真。103万人の香港人が決起し、白服姿の良識ある人海だと伝えている。
02_20190701hk


③2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。デモを呼び掛ける横断幕。悪法の撤回と香港行政長官の林鄭退陣を求める。
03_20190701hk


④2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。前日はがされたが一晩で元通りになったステッカー類。その横に救対班のテント。
04_20190701hk


⑤2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。デモ行進の道路わきに設置された様々な団体のブース。
05_20190701hk


⑥2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。デモの先頭の宣伝カーとマイクで呼びかける青年。
06_20190701hk


⑦2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。道路はプラカードを手に行進する人々であふれかえった。
07_20190701hk


⑧2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。中央分離帯をはさんで両側の道路が皆行進コース。
08_20190701hk


⑨2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。「大専同志行動」というLGBTIQA+の学生団体の横断幕「すべての権力を人民へ」
09_20190701hk


⑩2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。女性が手にしていたプラカード。写真を撮らせてと言ったら顔を隠した。
10_20190701hk






報告 : 6月16日「年金返せ」デモ

年金1 六月一六日午後二時から、SNSで呼びかけられた「年金返せ」デモが東京・日比谷公園中幸門を出発して、銀座を通り京橋まで行われた。若者たちの参加が目立ち、二〇〇〇人を超えていたのではないか。

 ことの発端は、五月二二日に金融庁審議会で出された、少子高齢化や非正規雇用の増加で公的年金の支給が困難となり、将来的に国民に自助を求める報告書案にするというもの。この報告書に、「九五歳まで生きるとしたら公的年金のほかに夫婦で二〇〇〇万円が必要」と書かれていた。つまり、年金だけだと毎月五万ずつ赤字になるというのだ。そして、年金が何歳からどのくらい支給されるのか、きちんとした見通しもたっていないことだ。「百年安心の年金」が足元から揺らいでいる。

 年金支給の危機として捉えられたこの報告書を、麻生金融担当大臣は自分が諮問したにもかかわらず、受け取りを拒否し、この審議会報告書をなかったものとしてしまった。その後、この審議会の根拠となった数字は厚労省が出したものであることが分かった。夏の参議院選の争点となることを恐れた政府・自民党は打ち消しにやっきになっている。

 こうした真実を隠し、ウソで逃げ切ろうとする安倍政府へ怒りをぶつけるデモだった。デモのコールは「年金返せ、年金壊すな、生活できる年金を、暮らしを守る年金を、支給開始繰り下げ反対、二〇〇〇万円も貯められないぞ」というものだった。米軍から兵器を爆買いするのに、年金や社会保障費を切り下げる安倍政権を許さないぞ。

(M)


報告:3.8ウィメンズマーチ東京2019

配信:ウィメンズ 3月8日、ウィメンズマーチ東京2019は、国連大学前(渋谷)に450人が集合し、「差別や暴力のない誰もが生きやすい社会を目指して」ともに歩いた。この日は、国際女性デー。世界の仲間たちは、ジェンダー平等を求めるグローバルマーチに数百万人が参加する。ウィメンズマーチ東京もその一環として取り組まれた。

 マーチ出発前、主催者から今日の取り組みの意義、およびみんなで掲げる要求スローガンを以下のように提起した。

 ・憲法24条を含む憲法の改悪をやめること

 ・男女間の賃金格差を是正する措置をとること

 ・夫婦同姓強制および再婚禁止期間の撤廃を含む民法改正を行うこと

 ・優生保護法下における強制不妊手術について、国の責任を認め、被害者中心アプローチによる被害の回復を行うこと

 ・女性差別撤廃条約の選択議定書を批准すること

 ・「慰安婦」問題について被害者中心による解決を目指すこと

 ・朝鮮学校に対する「高校無償化」制度からの除外や補助金の停止等の差別的
な扱いを改めること

 ・現行の外国人技能実習制度を見直し、外国からの労働者も国内の労働者と同
じ保護・権利の下で働けるようにすること

 ・公人による性的少数者に対する差別発言を許さず、性的少数者の権利を確立
すること

 ・基地周辺における性暴力の現状を理解し、新たな基地建設を中止すること

 要求スローガンを全体で確認し、マーチへ。渋谷一帯に渡って「今日は国際女性デー わたしたちの声で社会を変えよう あなたの声で政治を変えよう」などのコールを響かせた。

 マーチ終了後、東京ウィメンズプラザでリレートーク。

 『週刊SPA!』の「ヤレる女子大学生RANKING」企画に抗議する「Voice Up Japan」、佐藤かおりさん(女性と人権全国ネットワーク共同代表)、林美子さん(メディアで働く女性ネットワーク代表世話人)、議会の男女同数を目指す元橋利恵さん、移住労働者と連携する全国ネットワーク(移住連)、レズビアンのためのスペース「れ組スタジオ・東京」、医学部入試における女性差別対策弁護団、YMCA、マイノリティー差別を取り組む堀あきこさん、柚木康子さん(均等待遇アクション21)が発言。

 女性差別、性的少数者抑圧社会について次々と告発、批判が続いた。

(Y)


報告 : 3.11を反原発と責任追及の日に!デモ

配信:反天3.11 3月11日、日比谷図書館文化館で「今こそ被害者・労働者と連帯し、加害者責任の追及、原発廃止を!3・11を反原発と責任追及の日に!」(3・11行動実行委)が行われた。

 福島第一原発事故から8年目を迎える3月11日、安倍政権は国立劇場で秋篠宮が出席して、「東日本大震災八周年追悼式」を行う。地震が発生した午後2時46分に一斉黙祷を強要し、官公庁、学校、企業など「弔旗掲揚、一斉黙祷」の指示を出している。このプロセスを通して天皇制民衆統合の強化とともに、原発事故を引き起こした国家責任・原発企業責任を後景化させ、被害者も加害者もともに「日本国家の再興」「経済復興」「原発推進」へとからめとるものだ。実行委は、「皇族出席の追悼式典」・一斉黙祷反対を掲げて集会とデモを行った。

 集会は基調報告から始まった。とりわけ「皇族出席の追悼式典」に対して「天皇明仁と安倍極右政権が共同してつくった『天皇退位のための皇室典範特例法』の最大の目的が、天皇の『象徴としての務め』を法的に謳いあげ天皇と国家のもとに人民の『統合』、つまり人心の収らん、階級対立の融和を図ることにあります。今回の『皇族出席の追悼式典』もまさにその目的がある。『上皇・天皇・皇嗣皇太子』体制のもとで、今後の日本の原子力政策と電力・独占資本を支える『国民』をつくるための天皇制への統合(奴隷状態)を強めるものです」と暴き出し、批判した。

 藤田康元さん(戦時下の現在を考える講座)は、「原発・国体・不安定労働~茨城の現場から~」をテーマに講演。

 冒頭、藤田さんは、「原発震災の始まりからまる八年。東電原発事故は収束していない。東京電力福島第一原子力発電からの新たな放射性物質の放出は続いている。汚染水は敷地内で増え続けていると同時に、敷地外の外洋への流出も続いている」と指摘した。

 そのうえで「廃炉計画が順調に進んでいない。私見では、燃料デブリを取り出して、原子炉を解体して、という廃炉作業を進めることが必要なのか、そもそも疑問だ。事故原因の究明と汚染水問題の解決(軽減)と被ばく労働の最小化を同時に追求する必要があるのではないか。あらゆるデータの公開と敷地内調査を受け入れるべきである」と問題提起した。

 さらに放射能汚染の実態を取り上げ、「政府や研究機関は、福島県の超高汚染地に関しては比較的詳しい調査を行ったが、他地域の調査は全く手薄だ。特に、福島県(会津地方を除く)以外のまともな土壌放射能汚染調査を実施していない」ことを批判し、市民による自主的な土壌汚染調査の取り組み(「みんなのデータサイト)を紹介した。

 今後の方向性として①東海第二原発再稼動阻止運動 ②茨城国体(今年九月)反対運動 ③5月1日、新天皇即位を祝わない「反奉祝メーデー」の取り組みについて報告した。

 連帯発言が「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク」、「オリンピック災害」おことわり連絡会などから行われた。

 日比谷公園霞門からデモに移り、「追悼式典」反対と天皇制解体に向けたシュプレヒコールを千代田区一帯にわたって響かせた。デモの途中、東京電力本店前で抗議の申し入れ行動も行った。

(Y)



報告:三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)旗開き&東峰現地行動

配信:19三里塚旗開き 1月13日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)は、横堀農業研修センターで「2019反対同盟旗開き」を行い、40人が参加した。

 政府・国土交通省—成田国際空港会社は、2030年度までに第三滑走路の建設と飛行時間の延長など空港公害と環境破壊を拡大する空港機能拡大計画を明らかにした。とりわけ2020年東京五輪・パラリンピックによる旅客の増大を口実に飛行時間を午前5時から翌日午前1時までに延長するという睡眠破壊を拡大する人権侵害そのものだ。

 成田国際空港会社の夏目誠社長は、1月4日の社内訓示で国・千葉県・関係9自治体・空港会社からなる四者協議会などの推進派を自作自演で動員しながら「第3滑走路建設など成田空港のさらなる機能強化について地域の思いをしっかりと胸に刻み、全力で取り組みたい。A滑走路の夜間飛行制限緩和もできるだけ早く実施したい」と居直った。飛行時間の延長に反対する空港周辺住民は、「空港騒音断固反対」「わたしたちの静かな生活環境をこわすな」などの看板(横芝町)を掲げているように、抗議や不安などを強く表明している。旗開きは、第3滑走路建設反対と飛行時間延長を許さない闘いに向けた意志一致の場となった。

 開催にあたって司会の山崎宏さん(横堀地区/労活評現闘)は、「現地は国と空港会社による第三滑走路建設に向けて様々な策動がある。夜間飛行時間の延長によって飛行ルート下の住民は強い反対を示している。推進派は、強引に合意がなされたなどと言い、既定事実としてあるかのように宣伝している。芝山、横芝光町では根強い反対の動きがある。こうした反対派と連帯し、拡張反対を貫いていきたい」と発言した。

 柳川秀夫さん(反対同盟代表世話人)は、「去年は、共有地の法人化ということで一般社団法人三里塚大地共有運動の会を立ち上げた。1966年から一坪共有地運動が始まり、空港建設を阻む実力闘争の一環として取り組んできた。空港の巨大化は、地球の温暖化と深く関わっている。最近の天候の変化が激しい。かなり毎年、危機的状況を繰り返している。発展というのが物を消費し、増やしていくという考え方だ。格安飛行機が飛び、外国から人々がたくさん来るというのが本当の発展なのか。金儲けのことしか考えていない。三里塚闘争を通して次の新しい世界を創り出していこう」と訴えた。

 石井紀子さん(川上地区)は、「安倍首相がテレビに出てくるたびに消したくなる。ほんとにあの人の暴走をとめないとだめだ。今日は食べることについて話したい。何を食べるかということは、自分がどのように生きていくのかの選択だ。生命と活動を維持するために食べる。野菜たちのたくましい生命力を見るたびにこの命をもらっていかなければならないと思う。ワンパック野菜が去年から子ども食堂のお手伝いをするようになった。家族が集まって食べることがなくなり、子どもたちがスナック菓子で食事をすませてしまうという話を聞いて驚いた。孤食が話題となり、子どもへと広がっている。子どもたちが育ち、礎となる。野菜が皆さんの力になるように日々働いています。真剣にいいものを食べてください。今年も頑張りましょう」と述べた。

 平野靖識さん(らっきょう工場・東峰地区)は、「去年4月4日、東峰地区の樋ケ守男さん宅、三里塚物産の冷蔵倉庫を焼失してしまい大変申し訳なかった。去年はいいこともありました。三里塚物産の代表を退いて大森武徳君が代表になった。これまでの闘いを引き継いでくれる人だ。大量生産・大量消費を見直していこうという地球的課題の実験村を取りくんでおり、木の根ペンションも使っている。一坪共有地の法人化によって態勢が強化され、長く闘っていくための戦略的対峙の状況にある。今年もよろしくお願いします」と発言。

配信:東峰現地行動 加瀬勉さん(元三里塚大地共有委員会代表)は、昨年末、市東孝雄さん(北原派反対同盟/天神峰)裁判の千葉地裁不当判決に触れ、「市東さんの土地の地主は空港会社に黙って売り渡していた。市東さんはちゃんと地代は払っていたにもかかわらず、裁判所はこれらの経過を無視して明け渡すのは当然だと判断した。さらに補償してるから生存権を脅かすものではなく、職権の乱用でもないとしている。シンポジウムの合意は、強制権の問題まで合意したわけではない。強制権は存在している。裁判所は、ことごとく空港会社の主張を追認し、市東さんの土地を収用することは当然だという主張だ」と糾弾した。

 さらに「国がシンポジウムで謝罪し、強制収用はしない、話し合いをするとい
う評価がある。市東裁判判決は、政府が一貫して強制収用の姿勢を崩していないことを示している。謝ることと、強制収用はまったく別の次元の話だ。混同してきたのが、われわれの反省点だ。三里塚の弾圧手法を今、沖縄で使っている。三里塚闘争と沖縄基地反対闘争は、運命共同体だ。革命的警戒心を持って緊張感を持って闘っていこう」と決意を表明した。

 発言は、清井礼司弁護士、高見圭司さん(スペース21)、日米安保終了を通告する会、、渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会 、関西三里塚相談会)一般社団法人三里塚大地共有運動の会、田んぼくらぶなどから行われた。最後に「団結ガンバロー」を行い、二〇一九年の闘いの団結を打ち固めた。

 旗開き終了後、三里塚空港に反対する連絡会の呼びかけで旧東峰共同出荷場跡に移動し、開拓道路に向けてデモが行われた。成田空港滑走路に向けて、「飛行制限時間緩和を許さない!成田空港「第3滑走路」計画を撤回せよ!」のシュプレヒコールを行った。

(Y)



報告 「築地市場、まだあと100年」9.29築地移転反対パレード

IMG_2728 九月二九日午前一一時から、波除神社前宣伝・スピーチから始まり、正午に築地市場正門に集まり、築地市場〜新橋〜虎ノ門〜農林水産省〜日比谷公園へと、一時間半かけて「築地を守れ、豊洲移転反対」と訴え三〇〇人が降りしきる雨の中パレードした。

 呼びかけたのは「築地女将さん会」。以下、呼びかけより。

 今回のパレードは「築地市場、まだあと100年」、「世界のブランド、日本の宝・築地市場を守れ!!」、「問題山積の移転事業は再度延期し、オリンピック後にゆっくり解決を」、です。

 この趣旨をご理解いただいたうえで、「小池百合子は説明責任を果たせ」「オリンピックより食の安全」「食の安全・安心を守ろう」「中小・零細小売店を守ろう」「築地市場は解体工事反対」「土壌汚染地への移転反対」「世界のブランド築地を守ろう」「町の商店街を守ろう」「1%のための豊洲市場反対、99%のための築地を守ろう」「日本の農業・漁業を守ろう」……そして「築地市場を守り、平和と民主主義を守ろう!」「農林水産業の破壊は戦争への道!」など、それぞれの“思い”をお持ちより下さって結構です。

 東京都は一〇月一一日に、築地市場を豊洲に移転すると発表している。豊洲市場の汚染水問題の未解決や築地市場営業権組合や水産仲卸の従業員で個人加盟の東京中央市場労働組合などとの合意がない中での強行移転だ。

 波除神社前で、山口タイさんなど築地女将さん会、中澤誠さん(東京中央市場
労働組合委員長)、吉良よし子さん(参議院議員、共産党)、宇都宮健児さん(弁護士)、ターレを運転している労組委員長が次々に移転反対を訴えた。

 築地女将さん会は「築地をつぶして、タワーマンションにしてほしくない。活
気ある築地を守っていきたい。もう少しがんばる」と語った。

 中澤さんは「七月三一日、小池知事が安全宣言した。知事が根拠としているの
は専門家会議の安全だと言う発表だ。三人の委員のうち、平田さんのみが出て記者会見した。安全だと思っているのは知事と平田さんのみだ。豊洲が安全だと言うなら、買い取って住んでほしい。移転によって仲卸や小売店がつぶれるという被害者が出る。最終的には地方の生産者にしわ寄せがいく。それは日本の形が変わることだ。築地は今ある。まだ築地市場を守ることができる」と訴えた。

 吉良さんは「一〇月六日に築地市場は閉鎖される。絶対に認められない。築地を守ろう。どうしてつぶす必要があるか。東京ガスの跡地の豊洲には化学物質が染み込んでいる。六月には基準値を一七〇倍も超えるベンゼンが見つかっている。シアンや水銀も検出されている。食の安全も脅かされている。一一センチの地盤沈下、地下水の噴出も明らかになっている。都民をだましている。命の問題だ。あきらめない」と話した。

 宇都宮さんは「都の安全宣言を受けて、農水大臣は九月一〇日に豊洲移転を認
可した。しかし、都の追加対策工事によっても、百倍のベンゼンが検出され、地下水を海抜一・八メートルに抑えなければいけないのに、九月二六日の都の発表では、三三地点の内二一カ所でこれを超えている。一六カ所では二メートルになっている。対策工事は完全に失敗だった。築地移転を中止するように、東京地裁に仮処分申請した。九月二〇日、二七日に審理が行われたが裁判所は仲卸や女将さん会などの話をよく聞いてくれた。一〇月七日以前、来週中にも決定が出るだろう。この裁判は原発再稼働問題をめぐると同じように重要だ。辺野古新基地建設反対と同じように、運動をあきらめなければ最後は勝つ。築地を守れということは日本の農水産業、消費者を守る闘いでもある」と語った。

 ターレを運転している労組委員長は「二〇年前にあこがれて築地市場で働き始
めた。築地は使いやすくなされた場所だ。合理的にできた市場だ。文化として築きあげてきた。それを豊洲の東京ガスの跡地を買い、六〇〇〇億円かけて、新しい市場を建設した。この費用を七〇年間かけて返済しなければならない。こんな話があるか。都はいったん考え直したが結局元通りの移転だ。築地でまっとうしたい」と話した。

 かむろてつさんらのテンポのよいラップ調のコール「築地ええじゃないか」で大いに盛り上がり、その後築地市場正門に集まり、パレードに出発した。途中の文科省前では「オリンピックより命のほうが大事!」「築地市場移転反対」のプラカードを掲げてパフォーマンスも行った。

 この問題を理解するために資料として、「農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期するよう求める要請書」と「豊洲新市場への移転差し止め請求について」を掲載する。

(M)



資料

農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期するよう求める要請書

二〇一八年九月五日

東京都知事小池百合子 殿
築地市場営業権組合 共同代表 村木智義、宮原洋志、山口タイ
築地・女将さん会会長 山口タイ
 
 
 本年八月一日、貴職は私たちの職場である築地市場の移転について、農林水産大臣に「中央卸売市場の位置及び面責の変更」に係る「認可の申請」を行い、これを公表されました。また築地市場では、連日のように『築地市場閉場』などの説明会が行われております。しかしながら築地市場の現場は、そのような状況ではございません。それどころか東京都からは最低限の説明もなく、公開質問状に対する回答もなく、にも関わらず強引な移転スケジュールの押し付けには多くの関係者が憤っているところです。このようなやり方は、到底受け入れることはできません。

まず第一に、土壌汚染の問題です。当初は「東京ガスの操業由来の土壌汚染は全て除去」とされていた土壌汚染対策は我々の指摘してきた通り、結局は失敗して今もモニタリングでは環境基準の一七〇倍のベンゼンが検出されています。AP1・8mで管理される予定だった地下水位も目標を達せず、地下水管理システムも失敗しております。専門家会議は新たに2・4mという目標値を設定せざるを得ない有り様です。この状態で一体何が『安全宣言』なのでしょうか。現状は「生鮮食料品等の卸売の中核拠点として適切な場所」とは到底言える状況ではない、というのが現実なのではないでしょうか。

 また、今築地市場で衝撃が走っているのは駐車場などの使用料です。これまで
私達は施設使用料の詳細について明らかにするように再三に渡り求めてまいりましたが、今回の「認可の申請」により隠蔽されてきた駐車場料金などが公表される事となりました。

 そうした中で、都内に四店舗展開しているある寿司店は軽車両二台で月間二万数千円の茶屋銭を支払っているという事ですが、これが豊洲市場では一〇万円を超えるという試算に驚き、私達営業権組合に連絡をしてきました。

 また別の運送業者の方は、現在築地市場では毎月約七〇万円の茶屋銭を支払っ
ているという事ですが、使用する車両台数は全く同じであるにも関わらず豊洲市場では月に二〇〇万円を超える請求を受けていると伺いました。現在の支払額の約三倍以上という金額ですから、事業を継続出来なくなる可能性がある極めて深刻な数字です。

 そして、同様の訴えが続々と私たち築地市場営業権組合に寄せられています。
そしてその多くが納得していません。

 駐車場の不足についても深刻です。日刊食料新聞によれば、東京都は八月二九日に江東区議会特別委員会に「五街区千客用地に駐車場整備・来年末までに四五〇台増設」を説明したということですが、これは「認可申請」の時点で、必要な「規模」を有していなかったという事になります。と同時に、来年末までの間は一体どうするのかという問題なのです。同日同紙には「臨海部BRT 整備スケジュールを改定」という記事もあるように、交通アクセスについても行き当たりばったりの行政が行われています。これについても「認可の申請」などという状況ではありません。多くの市場関係者・労働者が、豊洲市場までの“あし”を確保できないでいます。

 また、ここであらためて指摘いたしますが、この移転計画が営業権の侵害であ
るということです。これについては、既に内容証明を送付しましたが、築地市場の関係者の大多数はこの移転計画については合意したものではありません。したがって貴職が、どうしてもこの移転計画を進めようとするならば、移転に係る費用を東京都が負担するのは当然であります。にも関わらず、平成三〇年八月二〇日付「築地市場閉場に伴う市場施設の造作等の取り扱いについて(通知)」によれば築地市場の閉場に際して仲卸業務の許可を任意に取り消せるかの如く書かれていますが、東京都中央卸売市場条例第二八条には仲卸業務の許可を取り消す場合の要件が定められており、同条に抵触していない業者の「使用資格」を消滅させるには、当然営業権に対する補償が必要となります。そして補償のないままこの移転計画を進める事は営業権に対する重大な侵害であり明白な違法行為です。

 以上、ごく掻い摘んだ問題を挙げましたが、それ以外にも問題は山積しております。つきましては、以下の通り要請するとともに、今週中に回答することを求めるものです。

「豊洲新市場への移転差し止め請求」のご報告

 本日、9月19日、東京地方裁判所に「豊洲新市場移転差し止め請求」の訴状提出と記者会見を行って参りましたので、報告させていただきます。記者会見では、弁護団長の宇都宮健児元日弁連会長から訴状の詳しい紹介と説明が行われました。

訴状の概要(まとめ)

1.豊洲市場への移転が強行されようとしている。

2.本件訴訟及び申し立ての当事者56名が原告又は申立人

3.豊洲市場の土壌汚染は解決されておらず、食の安全・安心は確保されていないこと。

4.多くの仲卸業者が豊洲市場への移転の中止・凍結を求めていること。

5.原告(申立人)仲卸業者らの人格権に基づく豊洲市場への移転の差し止め請

 その後、当会の山口会長を皮切りに、女将さんたちから豊洲移転の不当性について切々とした訴えが続きました。こちらには山口会長が読み上げた文書を掲載させていただきます。

1.本日はお集まりいただきありがとうございます。先ほど、築地市場の移転「差し止め」を提訴してまいりました。

 なぜ、このタイミングで提訴なのか?ですが、そもそも築地市場の移転は、関
係者が望んだものではありません。そして今もって、多くの関係者が全く納得しておりません。そのことを皆さんの目に触れるように「旗を立てよう!!」ということです。

 築地市場の移転計画は、全部が嘘と偽りでした。『盛り土』も嘘でした。『地下水管理システム』も嘘でした。『東京ガス創業由来の汚染物質は全て除去』も嘘でした。『効果的な物流』も嘘でした。『コールドチェーン』も嘘でした。『賑わいの創出』も嘘でした。全てが嘘なのです。これで移転計画が中止にならなければおかしいと思います。

2.築地女将さん会より以下の通り、「築地市場の移転」の撤回を求めるデモを呼びかけたいと思います。

 「築地市場にお世話になった」という方は多いのではないでしょうか。今回はそういう全ての方に、来ていただきたいと思います。そう結集を呼びかけます。

 築地市場は、本日まだ築地の地にあります。

 そして、今回のデモの合い言葉は「築地市場・まだあと100年!!」です。


報告:7.8三里塚—東峰現地行動

8東峰1 7月8日、三里塚空港に反対する連絡会は、旧東峰共同出荷場跡に結集し、「飛行制限時間緩和を許さない! 成田空港「第三滑走路」計画を撤回せよ! 反原発—再稼働やめろ! 沖縄・辺野古の新基地建設反対! TPP反対!」を掲げ、東峰現地行動を行い、55人が参加した。

 安倍政権の憲法改悪・グローバル派兵国家建設と連動して、国と成田国際空港会社は、3月13日、千葉県と空港周辺九市町で四者協議会を開き、2020年東京五輪・パラリンピックでの旅客の増大を口実にした飛行時間の延長(現行午前6時〜午後11時までを午前5時から翌日午前1時まで)、平行(B)滑走路の北側延伸、2030年度までの第三滑走路建設を強行することで合意した。

 自治体など推進派は、住民の反対を無視し、交付金の増額・地域振興策と引き換えに空港会社の見直し案を受け入れ「早急に地域振興策を」と、前のめりになってきた。住民の生活を破壊してでも一部の利害関係者の利益を追い求めるという姿勢で一貫している。

 しかし、各地区説明会では、移転対象となる住民、新たに騒音地域となる住民、騒音がさらに増大する騒音地域住民からは厳しい批判の声が上がり、断固反対が次々と表明された。

 横芝光町の騒音被害を受ける住民は「騒音だけが増えてメリットは何もない」と反対を表明。芝山町の南部の住民も「なし崩し的に合意した」と四者協議会の合意を批判し、飛行時間の延長を中止することを森田県知事に求めた。成田市の空港予定地内に住む東峰地区住民も、住民を無視した一方的な決定を批判し、生活を破壊する空港機能強化に反対する声明を出している。

 空港会社の夏目誠社長は、「機能強化に向けて手続きを着実に進める。地権者の同意を頂くことが早急に必要になっている」と称して用地業務推進室を設置し、土地の取得などを担当する用地部の職員を増員(80人)に増やした。すでに用地買収同意書をばらまき用地買収に着手した。つまり、空港会社の「親切、丁寧に」のスローガンとは真逆の態度で居直り続け、住民の人権・環境破壊、過密運航等
空港公害の拡大に突き進んでいる。このような推進派のねらいを許さず、闘う農民、住民と連帯し、木の根ペンションとプール、横堀大鉄塔と案山子亭、横堀研修センターなどの闘争拠点を打ち固め、スクラムを強化していこう。

 集会は、山崎宏さん(労闘—労活評議会/横堀地区)のアピールから始まり、「説明会で石井紀子さんが空港会社になにをもって合意がなされたのかと問いただしたら、空港会社の担当者は答えられなかった。ここに象徴されるように住民の話を聞く姿勢はない。形式的に説明会を行い、自治体首長が合意したというものだ。一方的な計画の押し付け、あらゆる権力を使って圧力かけ、大金をばらまきながら押し進めるというやり方は空港建設当初から今回の事態まで本質的には何ら変わるものではない。私たちは空港会社など推進派を許さず、第3滑走路建設反対!東京五輪を利用した飛行時間制限緩和に反対していこう」と訴えた。

 石井紀子さん(川上地区)は、強風続きの天候を語りながら、「オウム真理教の7人が死刑執行された。国家による大量虐殺だ。大量虐殺を行ったから同じようなことをするのか」と批判した。

 さらに、「今日は敬愛するじいちゃん(石井武さん)の命日だ。じいちゃんの思い出を語りたい。私が嫁に来たころ、もっぱら反対同盟の全国行脚をやっていた。援農や来客も多かった。じいちゃんは色々と喋っていた。内容もおもしろかった。ばあちゃんは飯がないのになと嘆いていたときもあった。小泉政権の時、公開討論をやって、絶対に負けないぞと言っていた。実現はしませんでしたが、本気だった。どこに出ても誰にも負けない正義と主張があると自信を持っていた。晩年は病気との闘いで苦労していたが、最後は苦しくむこともなく逝った。じいちゃんは東峰の墓地に分骨し眠っています。息子の恒司さんは墓地を売ってしまった。本当にショックだったが、今も墓地にじいちゃんがここにいてくれることが一番の支えだ。皆さん、時間があったらお墓参りしてください。喜ぶと思います」と発言した。

 平野靖識さん(らっきょう工場・東峰地区)は、「4月4日東峰火災についてのご報告とおわび」の文書を配布し、経過を報告し、「樋ケさんの家も、三里塚物産の冷蔵庫も同地での再建は果たせませんでした。東峰六三番地の一坪共有運動に力を与えていたに違いないと思うとき、これらを共に失火により消滅させてしまった不始末の責任の重さを感じずにいられません。一坪共有者の皆さんと、日々三里塚闘争を闘われている皆さん、また三里塚闘争に心を寄せている皆さんに心より深くおわび申し上げます」と発言。

 さらに「三月に四者協が行われ合意したとぶち上げた。4月5日に、もう四者協で合意しちゃっていたのに東峰地区の説明会を行った。東峰の人たちは、岩沢という空港会社の共生部長が第一回目の説明会の時、『空港機能強化のご説明は、期限はない。繰り返し双方向、対話型の性格です』と言っていた。四月の説明会では、どういうことなのかと問いただした。ところが岩沢部長は参加しなかった。住民がコケにされている。闘いはこれからだ」と糾弾した。

 集会後、開拓道路に向けてデモに移った。B滑走路に向けて「第三滑走路建設をやめろ!飛行制限緩和を許さない!」のシュプレヒコールを行った。

 デモ終了後、第三滑走路計画の現地調査に入った。山崎さんのガイドで参加者
は、成田空港周辺地図を見ながら各ポイントをチェックしていった。明らかに計画の杜撰であること、住民無視の環境破壊に満ちていること、ゼネコンなど空港利権を膨らませる建設であることを確認した。

(Y)





報告 : 6.4防衛省申し入れ行動

IMG_2516 六月四日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会が呼びかけて、防衛省に対して月例の申し入れ行動を行った。

 最初に、辺野古へ行ってきた仲間が五月二七日、沖縄市で行われた辺野古土砂ストップ!沖縄集会の報告と「辺野古に基地が作られれば、米国防総省が決めている高さ制限に弾薬庫などがひっかかり、違反になるのに、それを無視して工事を進めようとしている」と埋め立てを批判した。

 次に三多摩の仲間が、米軍横田基地へのCV22オスプレイ配備に反対する訴えを行った。「今後本格的に横田配備が行われるが、それに対して、六月五日日比谷野外音楽堂での反対集会、六月一六日横田デモ、六月一七日平和運動センターのデモ、六月三〇日横田デモと様々な団体による集中した配備反対の六月行動が組まれている。ぜひ参加してほしい」。

 六月一〇日、国会包囲行動への参加アピールの後、沖縄から沖縄平和運動センターの大城悟事務局長が電話で訴えた。

 「辺野古埋め立て工事の違法性が明らかになってきている。国はひた隠しにし
てきたが、軟弱地盤、高さ制限問題など。一一月知事選をひかえ、全国の声を集めて行動を起こす。ねばり強く闘う。共にがんばろう」。

 辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会の仲間が、「六月九日に、大城博治さんを呼んで会の結成集会を行う。そして、六月二四日、新宿一周デモ、六月二八日土砂埋め立て会社の大成建設株主総会への抗議行動と首都圏で街頭宣伝・集会などを六月集中月間として取り組む」と報告し行動への参加を訴えた。この日、防衛省への申し入れを本郷文化フォーラムが行った。次回は七月二日(月曜日)午後六時半から、防衛省申し入れ行動を行う、参加を。

(M)

報告:天皇『代替わり』と安保・沖縄を考える4・28―29連続行動

29 4月28日、「天皇『代替わり』と安保・沖縄を考える4・28―29連続行動」(主催:実行委)の一環として「 明治150年:日本(ヤマト)による沖縄差別を問う―近代天皇制国家形成から日米安保体制のもとで」を掲げた集会が文京区民センターで行われ、106人が参加した。

 1952年4月28日、フランシスコ講和条約と日米安保条約の発効によって沖縄を「本土」から切り離し米軍による沖縄への軍事支配を承認し、米軍基地の過重な負担を押しつけた。沖縄では「屈辱の日」として抗議し続けている。

 安倍政権は天皇制賛美の「明治150年」キャンペーンを展開し、連動して天皇明仁・美智子は3月27日~29日に沖縄を訪問した。実行委は沖縄と日本(ヤマト)の関係、天皇制の役割について分析し、第一が日本と沖縄が生み出し続けている矛盾や「違和」を消去させ、日本の沖縄支配を正当化し、住民を政治的・文化的に「再統合」していくものであり、第二は遺族に「寄り添い」、「慰撫」するとされるふるまいを通して、天皇制国家の戦争・戦後責任を観念的に清算し消去してく装置であることを批判した。さらに「与那国への陸自配備、宮古島や石垣島、沖縄本島への配備計画など、軍事的な対中国シフトを強化している現政権の志向と、天皇の沖縄訪問とが、今回とりわけ露骨にリンクしていた」(集会宣言)ことを明らかにした。

 集会は、天野恵一さん(実行委)の問題提起から始まった。天野さんは、新崎盛暉さんの死去(3月31日)を通して、あらためて新崎さんが問い続けてきた課題について「日米安保体制の歴史と現在、そしてこれから」(PP研50号)、「戦後アメリカ―日本―沖縄 関係の原型」(運動〈経験〉37号)などを整理し、何を継承していくのかや今後の反天皇制運動の課題について掘り下げていった。

 湖南通さん(那覇市出身、日本近代法史研究)の「お話」。

 冒頭、辺野古新基地反対・キャンプシュワブゲート前500人6日間連続行動において座り込み闘争に対する機動隊の暴力によってけが人が続出しつつも、断固して闘いぬいたことを報告し、さらなる現地結集と連帯を呼びかけた。

 さらに「明治150年:日本(ヤマト)による沖縄差別を問う」をテーマに①幕藩体
制と天皇②明治政府による法的差別③国防の人柱とされる沖縄―日本本土の盾に④米軍統治時代から沖縄返還以降について提起した。

 その中で「沖縄における公用地等の暫定使用に関する法律」(1971年制定)、地方分権推進一括法(1999年)をとり上げ、「公用地法は、米軍に自分の土地を提供することを拒否する反戦地主の土地をも強制的に借り上げることを可能となり、沖縄だけに適用される。地方分権法は米軍に提供する土地を総理大臣の一存で取り上げができるようになった。これらの法を多数の国会議員によって制定された。このような議員を選んだ日本の有権者には、沖縄の基地を集中、固定化する差別立法を成立させた責任の一端がある」と批判した。

 連帯アピールが 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、沖縄の元海兵隊員による性暴力殺害から2年 基地・軍隊はいらない! 4・29集会、警視庁機動隊の沖縄への派遣は違法住民訴訟、優生手術に対する謝罪を求める会、安倍靖国参拝違憲訴訟の会、元号はいらない署名運動から行われた。

4・29反「昭和の日」デモ

 連続行動の二日目、4・29反「昭和の日」デモが行われ、100人が参加した。

 常盤公園で前段集会。前日の集会の報告および、天皇制の戦争貢任・植民地支配責任を問い、天皇裕仁の誕生日として賛美することを許さない反「昭和の日」デモの意義について意志一致した。さらに連続行動が来年の天皇「代替わり」に反対していく取り組みのステップとしてかちとられていることを確認した。

 参加諸団体のアピール後、デモに移り、機動隊の不当なデモ規制を許さず、銀座一帯にわたって「安倍政権の改憲を許さない!天皇制はいらない!天皇『代替わり』賛美をやめろ!『昭和の日』いらない!沖縄辺野古新基地建設反対!」などのシュプレヒコールを響かせた。

(Y)

【沖縄報告】2018年4月18~23日(辺野古500一日目)

沖縄報告2018年4月23日の本文は掲載され次第リンクを張ります。


2018.4.18キャンプ・シュワブゲート前座り込み。工事車両に「不法工事やめろ」とアピール

20180418_01

 

2018.4.18キャンプ・シュワブ第1ゲート。米軍車両に抗議。「人殺し工事やめて」「海兵隊は撤退を」

 20180418_02


2018.4.18キャンプ・シュワブゲート前座り込み。この日2回目の資材搬入・強制排除を前に、歌を歌い団結。

20180418_03
 

2018.4.18キャンプ・シュワブゲート前座り込みの向かいで、ひとり読経し新基地反対を訴える。

20180418_04
 

2018.4.21キャンプ・シュワブゲート前座り込みに150人。終日資材搬入はナシ。稲嶺進前市長も駆けつけ、「勝つまであきらめない」とアピール

20180421_01
 

2018.4.21キャンプ・シュワブゲート前座り込みに150人。終日資材搬入はナシ。生物学者の屋冨祖さんがヒメサンゴの骨格を手に埋立阻止を訴え。

20180421_02
 

2018.4.23ゲート前連続一週間500人行動。早朝から結集したたくさんの人が座り込み。県警はあえて排除に乗り出した。午前9時。

20180423_01
 

2018.4.23ゲート前連続一週間500人行動。座り込みの力を軽く見て排除に乗り出した警察機動隊。午前910分。

20180423_02
 

2018.4.23ゲート前連続一週間500人行動。午前11時。ゲート前の人海は、排除されても減らない。

20180423_03
 

2018.4.23ゲート前連続一週間500人行動。この日のゲート前行動に参加するためアメリカから駆けつけたVFPの人びと。

20180423_04
 

2018.4.23ゲート前連続一週間500人行動。警察の排除は相変わらず乱暴。人に対する節度がない。救護班が倒れた人を看護。12時。

20180423_05
 

2018.4.23ゲート前連続一週間500人行動。防衛局は無理やりダンプの進入をはかったが、ゲート前の人波に阻まれ立ち往生。午後1

20180423_06
 

記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ