配信:反天デモ 11月8日、国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動は、「天皇も跡継ぎもいらない 11・8『立皇嗣の礼』反対緊急行動」を行った。

 「天皇代替わり」の最後の儀式である「立皇嗣の礼」は、秋篠宮が「皇嗣」となったことを宣言する「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」、天皇にお礼を述べる「朝見の儀」、賓客を招いた祝宴「宮中饗宴(きょうえん)の儀」(都合2回)などを行う。4月19日に行われる予定だったが、新型コロナウイルスによる「緊急事態宣言」体制の下で延期されていた。規模を縮小しながらも新たな天皇制を国内外にアピールし、民衆統合装置の任務を担おうと宣言する場でもある。天皇制の延命を許さず、その反動性と差別を暴き出し、決意新たに天皇制解体に向けてスクラムを強化していこう。

 原宿・神宮橋で前段集会が行われ、主催者あいさつを天野恵一さん(反天皇制運動連絡会)が行った。

 「『立皇嗣の礼』は、天皇が主催で秋篠宮夫婦が宮中三殿に上がり、皇室儀礼に参加できる資格を持つことを確認する儀式だ。皇室神道により序列を確認する。このような儀式は、当然批判していかなければならないが、反天皇制運動の状況は厳しい。衆議院・参議院で立皇嗣の礼への祝意を表す賀詞決議している。東京都の賀詞も出ている。議会内で天皇制反対派が全然いなくなってしまった構造が続いている。共産党を中心とする護憲派は、天皇制の宗教性、政治性の拡大につながるような動きに対してブレーキをかける論理を持っていた。ところが反対する動きが一切なくなってしまい、むしろ向こう側に取り込まれてしまっているような構造になっている」。

 「天皇代替わりをめぐる一連の儀式が宗教性、公的行為、政治的動きなどについて合憲であることを定着させるために行ってきた。そもそも天皇が発議して法律を変えさせることが起きたにもかかわらず、護憲学者ですらそのことに対する批判が全然できないという状況になっている。戦後の護憲憲法学そのものの全体の崩壊を確認せざるをえないような事態だ。議会内の反対派を封じ込めた上で天皇制を再定義する。つまり、戦後、自民党がねらってきたことだ。さらに九条についても同じだ。自衛隊合憲論のうえで九条の条文防衛の運動、護憲運動では天皇について論議しないまま代替わりを通過させてしまった。われわれのような原則的な天皇制反対派に対して、メディアも含めて存在していないというような形で対処してきている。こういう状況であればあるほど本日の行動は大切だ」と強調した。

 続いて反戦・反天皇制労働者ネットワーク、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)、オリンピック災害おことわり連絡会から連帯アピール。最後に実行委から「天皇も跡継ぎもいらない 11・8『立皇嗣の礼』反対緊急行動アピール」(別掲)が読み上げられた。

 集会後、渋谷に向けてデモに移り、「立皇嗣の礼に反対!いますぐやめろ!私たちは天皇儀礼を祝わないぞ!」のシュプレヒコールを響かせた。

(Y)




【声明】天皇も跡継ぎもいらない  11・8「立皇嗣の礼」反対緊急行動アピール

 10月9日、政府は、延期していた「立皇嗣の礼」を11月8日に開催する旨閣議決定した。さらに閣議では、祝意を表すため、当日各府省で「日の丸」を掲揚するほか、地方自治体や学校、会社などに掲揚への協力を求めることも決めた。また、衆参両院は、「立皇嗣の礼」に祝賀の意思を表す「賀詞」を、本会議において決議した。

 「立皇嗣の礼」は、秋篠宮が「皇嗣」となったことを宣言する「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」、天皇にお礼を述べる「朝見の儀」、賓客を招いた祝宴「宮中饗宴(きょうえん)の儀」(都合2回)などからなる儀式で、それぞれ皇居宮殿・松の間で、「国の儀式」として行われることになっていた。今年の4月19日に行われる予定になっていたが、新型コロナウイルスによる「緊急事態宣言」体制の下で延期され、「収束状況を踏まえてあらためて日程を決める」としていたものだ。しかし、コロナ状況の「収束」など一向に見通せていないにも関わらず、饗宴の儀を中止し、宣明の儀の参加者も350人から50人に減らすなどして儀式を断行しようとしているのだ。

 この儀式は一連の「天皇代替わり」の最後の儀式として位置づけられることから、2016年の明仁の「退位意向表明」から始まった天皇主導の「Xデー」に区切りを付け、天皇・上皇・皇嗣からなる「新しい時代」の天皇制の開始を告げるためのものである。すなわち、明仁が退位し、徳仁が新天皇に即位し、文仁が次の天皇となることを宣言するということで、天皇制という制度は、これからもこうして永続していくのだということを、多額の税金を投入して確認し宣伝するのだ。それは当然、女性宮家容認、旧皇族の復活など、天皇主義者の間でも割れている今後の天皇制のあり方に関する議論(「皇室典範」見直し)とも連続するだろう。

 そもそも「立皇嗣の礼」なるものは、何かと言えば「伝統」を重んじるという天皇家にとっても、前例のない儀式である。それは「立太子の礼」に準ずるものしてなされようとしているが、「立太子の礼」もまた現行の皇室典範にすら規定のない、全く不要であり違憲の儀式であることを確認しておかなければならない。

 近代天皇制においては新天皇の即位後に、次の皇太子に対する儀礼である「立太子の礼」がこれまで4回行われてきた。戦前には立太子にまつわる詳細を定めた立儲令というものがあったが、これに基づいて儀式を行ったのは昭和天皇だけであり、同令も1947年に廃止されている。

 そして多くの天皇制の儀式がそうであるように、この儀式も皇室祭祀と結びついたものである。「立皇嗣宣明の儀」の後で天皇から受け取る壺切御剣(つぼきりのぎょけん)は、「皇嗣」の「護り刀」であり、これを受けて初めて「皇嗣」は、「天神地祇」や「皇祖神」などを祀った宮中三殿の殿上に昇ること(昇殿)ができるようになる。これが彼らにとって重要なのは、11月23日に宮中で行われる新嘗祭などの神事に、天皇と「皇嗣」がともに神に奉仕することが必要だからだ。政府は、それらは天皇の「私事」の世界であると言い張るが、新嘗祭には三権の長や閣僚も参列しており、国家が天皇教に関わる、明確な政教分離違反の儀式である。

 私たちは、延期になった4月19日にも、皇居の見える東京駅丸の内口の広場において、「『立皇嗣の礼』は延期じゃなくて中止だ! 身分差別と格差を温存し拡大する天皇制は廃止だ! あらゆる人びとへの生活と命の保障を!」と訴えた。そして、天皇出席の「全国戦没者追悼式」に反対するデモに取り組んだ私たち反天皇制運動の実行委は、本日、「立皇嗣の礼」に反対する反天皇制デモに出発する。天皇も跡継ぎもいらない。コロナ禍における違憲の「立皇嗣の礼」の強行に、われわれは強く抗議する。

2020年11月8日

国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動