配信:ヤスクニ (1) 8月8日、平和の灯を! ヤスクニの闇へ キャンドル行動実行委員会は、在日本韓国YMCAで「2020 コロナ、オリンピックとヤスクニ」をテーマに集会を行った。

 実行委は、当時の小泉首相の靖国参拝強行(2006年8月15日)を許さず、東アジア四地域(日本、沖縄、台湾、韓国)の市民による靖国神社反対共同行動の積み上げのもとに 「①靖国神社の歴史認識が、再び戦争のできる国へと右旋回する日本の現状と直結している。 ②韓国・台湾・沖縄・日本の遺族に断りもなく合祀していることは許さない。 ③首相の靖国参拝は憲法が定めた政教分離原則に違反する。 これらの点を「ヤスクニの闇」として切り結ぶ共同行動」と確認し、毎年八月に集会と靖国神社への抗議デモを取り組んできた。今年で15回目となる。

 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のなかで安倍政権は、「非常事態」・「緊急事態」を宣言し、東京オリンピック七月開催を断念したが来年7月の開催に固執し、国威発揚と改憲を目論んでいる。実行委は、このような「挙国一致」体制や「惨事便乗型改憲」に異議を申し立て、その背景にあるヤスクニ思想を暴き出していった。今年は、コロナ感染拡大を予防するため、パネリスト、台湾と韓国の仲間たちなどはオンライン参加、会場参加者は事前予約、キャンドルデモは中止にした。

 今村嗣夫さん(実行委共同代表)から主催者あいさつが行われ、「(新型コロナ)によって治療に当たった医師や看護師の子どもが保育園への通園自粛を求められ、私的取締りを強行する『自粛警察』など、巷にひろがるコロナ差別を放置するなら、さらなるマイノリティの人権侵害を招き、『緊急事態条項』の必要性が強調され、一億一心をめざす『9条改正』の動きに連なることを見抜かなければならない」と訴えた。

 パネルディスカッションは、5人のパネリストから「コロナ、オリンピックとヤスクニ」をテーマに問題提起が行われた。

 高橋哲哉さん(東京大学大学院教授)は、「コロナ感染拡大に対して当初、安倍政権は危機感を持っていなかった。オリンピックが延期となったとたん小池都知事は、都知事選キャンペーンの前段としてメディアに連日登場し、コロナ危機を叫びはじめた。2人とも人命よりも政治的思惑を優先した。『戦後』七五年、安倍政権の『植民地支配』問題を抹消していく傾向を強めている。まさにヤスクニ思想とつながるところだ。これらを批判していく人々をいかに増やしていくかが問われている」と強調した。

 米須清真さん(新しい提案実行委員会メンバー/沖縄の基地問題を考える小金井の会代表)は、小金井市議会で意見書「辺野古新基地建設の中止と普天間基地代替施設について国民的議論を深め、民主主義および憲法に基づき公正に解決することを求める」(2018年12月6日)を採択したことを報告し、「辺野古新基地は決定プロセスにおける差別であり、憲法14条(法の下の平等)違反などしている。普天間基地の代替施設については、民主主義の原則および憲法に基づき公正な決着が求められている」と述べた。

 武藤類子さん(福島原発告訴団団長)は、「原子力緊急事態宣言下の『復興オリンピック』の現実」というテーマで次のように問題提起した。

 「原発事故からもうすぐ10年を迎える。2月29日と3月1日に、原発事故被害者団
体連絡会と脱原発福島ネットワークの共催で『福島はオリンピックどごでねぇ』というアクションを行った。3月24日にようやくオリンピックは延期となったが、このオリンピック騒ぎがコロナの深刻さを覆い隠してしまった。コロナ感染拡大は感染者への差別など原発事故の時ととてもよく似ている」。

 「原発事故の誠実な賠償もせず、事故の後始末もできないまま、何がオリンピックなのだという怒りが湧きます。来年のオリンピックはどうなるのでしょうか。やはり高い線量の中を中学生などが聖火ランナーとして走るのでしょうか。福島県民としてささやかでも出来うることをこれからも頑張ろうと思います」。

 金東椿さん(韓国・聖公会大学教授)は、「日帝植民地統治と朝鮮戦争」をテーマに①1945年8・15以後における米軍政の現状と政策②南韓の支配体制と植民地遺産③朝鮮戦争期の虐殺について提起し、「米国の冷戦戦略、それ自体がすでに冷戦体制の構築過程での血腥い虐殺に備えていた」と批判した。

 呉栄元さん(台湾・労働党代表)は、「台湾における『白色テロル』と日本植民地支配」というテーマから「五〇年代の白色テロル」の実態、犠牲者、歴史的背景などを報告した。

 さらに、「米国のポンペオ国務長官が中国を敵視する『新冷戦』演説を行い、世界の人々を不安に陥れている。米国内の新型コロナの流行と深刻化する国内経済の恐慌、人種間の階級間の矛盾を深めている国内危機を、戦争を求めて地域紛争の危機を煽ることで脱しようとするものだ。東アジアと世界の平和を守り、『新冷戦』の危機に反対しなければならない」と訴えた。

 韓国、台湾の遺族は、ヤスクニ合祀反対をアピールし、「ノー!アベ ノー!ヤスクニ」のシュプレヒコールを響かせた。

 日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表の梁澄子さんは、「韓国の保守・右翼勢力は、日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)と前理事長で与党「共に民主党」国会議員のユン・ミヒャンの『不正会計疑惑』について激しいバッシングを行っている。元慰安婦のイ・ヨンスさんに『お金を渡していない』というキャンペーンを行っているが、イ・ヨンスさんは後に『お金は貰っている』と述べている。メディアは数々の虚構をまき散らした。イ・ヨンスさんの訴えは、闘いが報われない思い、いらだちだ。日本政府こそ、被害者をこのような状況にまで追い詰めた責任がある。共に闘っていこう」とアピール。

 李政美さんのコンサートに続いて最後は、参加者全体で会場でペンライトを振りながら「朝露」を歌った。

(Y)