配信:郡山駅前・大河原さきさん 3月28日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、福島の仲間たちとともに「聖火リレーと五輪災害」トーク・リレー集会を行った。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、3月24日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大とともに各国、五輪選手などからの東京五輪・パラリンピックの延期要求に対して利権とカネの膨大な損失が必至なために抵抗していたが、ついに無駄な抵抗も崩れ七月から開催予定だった東京五輪・パラリンピックを一年程度延期し、遅くとも2021年夏までに開催すると発表した。

バッハ会長は、なんら科学
的根拠を示すこともなく延期した五輪大会を「前例のない危機を人類が克服した祝祭とする」などとオリンピックマフィアの意向を代弁する始末だ。安倍首相に
いたっては、「IOCによる延期の検討は、完全な形で大会を実施する方針に沿うものだ。東京大会の開催は、世界がコロナウイルスに打ち勝った証しになるとともに、日本の成功の証しになる」などと強調し、東京五輪の開催決定以降の関連経費が全体で3000億円以上の無駄ガネがかかることを前提にぶち上げた。

 かつて安倍は、福島原発事故後は「アンダーコンロールされている」と大嘘をついて日本に五輪招致を決めさせたが、その犯罪に続く、大嘘だ。すでに五輪総経費は3兆円を超えている。巨額な無駄カネを五輪に使うのではなくコロナウイルス対策のための医療システム、無償の検査・医療アクセスの充実、発症者・感染者などへの生活援助、コロナ感染拡大の被害による労働者休業補償、雇用・賃金手当などに支出すべきなのだ。

 東京五輪延期が決まったことに対して連絡会は、①五輪延期ではなく中止だ 
②延期によって膨大な人員とカネがこれまで以上に五輪に投じられることに反対 ③五輪延期による復興やコロナ対策へのしわ寄せを許さない ④2024パリ五輪、2028ロス五輪に反対する地元のグループとのスクラムを継続していくことなどを確認している。

 また、26日の福島復興キャンペーンの一環としてのJビレッジからの聖火リレーは中止となり、28日の午後5時過ぎに郡山駅西口駅前広場スタートから開成山公園自由広場にゴールも中止になった。そのため26日に予定していた「聖火リレーへのスタンディング・アピール」を28日に予定していた郡山駅前での行動に集中することになった。

 トーク・リレーのトップは宮崎俊郎さん(連絡会)から行われ、「コロナウィルス感染が拡大している東京の者が福島にコロナウィルスをばら撒く危険性もあるということで郡山に来ることについて議論してきた。しかし、皆さんに五輪は延期ではなく、中止だということをぜひ伝えたいという思いで来た。1940年に東京五輪を開こうとしていたが戦争で返上した。関東大震災からの復興としていた。1964年は、太平洋戦争からの復興として位置づけていた。2020東京五輪も福島原発と東北大震災からの復興として位置づけた。だが復興していない現実を隠すためにオリンピックを利用しているにすぎない。延期された五輪も『コロナウィルスに打ち勝った』などと、また嘘の位置づけでやろうとしている。こんなオリンピックはいらないことを強く訴えたい。そのために自家製のトーチを作って走ろうとしていた。五輪にカネを使うのではなく、福島の復興のために使えと言いたい」とアピール。

 大河原さきさん(ひだんれん/原発事故被害者団体連絡会事務局長)は、「『共同声明「福島はオリンピックどごでねぇ』(ひだんれん、脱原発福島ネットワーク)を出し、二月二九日に双葉郡楢葉町のJヴィレッジ周辺で、『福島はオリンピックどごでねぇ』アクションを行った。福島から県外に避難した人たち、県内に避難した人たちの損害賠償裁判を取り組む団体が入っている連絡会です。県は、避難者への住宅の無償提供を2017年に打ち切り、有償で国家公務員宿舎に住むことを認めていたが、それを認めず追い出しを行っている。3月25日に県は、四世帯に対して追い出すために裁判に提訴した。追い出しをやめろと抗議しています。ほとんどの人が非正規で就労し、コロナ状況による雇止め、収入減に追い込まれている。住んでいる人たちには、二倍の家賃を請求してきている。支払えない状況を無視し、五輪には無駄なカネを使っている。被害者、避難者への補償、救済が必要だ。オリンピックどこでねぇ。廃止を求めます」と訴えた。

 くわばらよもぎさん(連絡会)は、「東京五輪が延期となりましたが、私たちは五輪の中止と廃止の訴えはかわりません。都は週末の外出自粛を要請してるが、マスクも店頭になく、生活補償、休業補償など全くなされないままだ。『復興五輪』だと言うが、避難者支援の打ち切りなどをやっている。五輪のお金でもっと様々な支援ができたはずだ。毎月、東京駅前でスタンディングを行い、五輪の問題を訴えてきた」と発言。

 梅津俊也さん(郡山駅前アクション・ 原発いらない金曜日)による「民衆の唄」アピール。

 鵜飼哲さん(一橋大学教員)は、「東京五輪の延期のプロセスは非常に問題だ。延期を決めたとたんにコロナ感染人数が増えだした。多くの人がおかしいと思っている。支配者にとって都合が悪いときは、数字をいくらでも改ざん、隠されてきた。福島原発事故以降、このことを経験してきた。全く同じことがコロナウィルス問題でも起きている。オリンピックと結びついて世界的な感染症の拡大が繰り返されてきた。リオデジャネイロオリンピック(2016年)のときジカ熱の感染拡大が危惧されていたが、WHOが延期、中止の勧告しなかったことで批判されている。長野オリンピック(1998年)の時もインフルエンザの拡大があったにもかかわらず行った。七年前、福島原発事故被害を隠すために安倍首相は嘘をつき、今度はコロナウィルスに打ち勝ったことにして東京五輪をやろうとしている。こんなでたらめがあるか。現在のままコロナ感染が拡大していけば医療崩壊は必至だ。またしても人々に犠牲を強要しようとしている。本当に許せない」と糾弾した。

 黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)は、「五輪は延期になったが、中止だ、廃止だ。オリンピックは、福島の大惨事を隠すためにやるということが福島にいるとよくわかる。オリンピックに使うカネがあるなら、被災者のために使え。公営住宅に入れて、今度は出ろと言われている。被災者が訴えられているというとんでもないことが起きている。子どもたちの健康被害の問題もいいかげんな扱いだ。オリンピックをやっている場合じゃない」と強調した。

 谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)は、「オリンピックの延期はオリンピック憲章にない。まともにみせようということで2020東京をそのまま二一年に延長して使う。バッハIOC会長は、自ら破るデタラメぶりだ。IOCは、大会をやるごとに一兆円近くのカネが入ってくる。だから、それが入ってこなくなると困るので延期にした。全てカネが根源にある。安倍首相は、政治利用のためであることは明らかだ。マネーファースト、国家ファーストによって堕落してしまったオリンピックだ。あまりにも選手たちが可哀相だ。いいかげんにオリンピックを止めさせ、これからどのようにスポーツのあり方があるのかを追求していくきっかけにしていこう」と呼びかけた。

 最後に「原発いらないいのちが大事の歌」を合唱し、トーク・リレーを終えた。

「聖火リレーと五輪災害」集会

 引き続き、郡山市総合福祉センターで「聖火リレーと五輪災害」をテーマに集会を行った。

 鵜飼哲さんは、「『聖火』を人質に取った『復興』五輪」について取り上げ、①「聖火」はどのように日本に運ばれたか ②五輪/「聖火」/リレー ③「原発事故と新型コロナ―災害『克服』という名の災害について問題提起した。

 とりわけ、「2013年に7年後、被災地は『復興』していることにされたように、2020年に一年後、世界は新型コロナを『克服』していることにされた。安倍が意図せずしてバッハにこの理屈を受け入れさせられたのは五輪理念に元来『復興』の観念が含まれているためだ。つまり、五輪は単に利用されているのではなく権威主義国家の優生思想、棄民政策、能力主義と高い類縁性がある。64年の東京五輪準備でも死者が300人以上も出ている。今回の準備でもどれだけの犠牲者が出ているのか」などの問題点を浮き彫りにした。

 谷口源太郎さんは、「1月2日、国会で安倍首相が施政方針演説を行った。オリパラを乱発した。とくに『国民一丸となって』ということを強調していた。『復興』の象徴としてJビレッヂからスタートする聖火リレーだと言っていた。とくに『子どもたちの笑顔があふれている』と表現していた。Jビレッヂは、原発事故の工事拠点として使った場所だ。工事拠点をとっぱらい、『復興』の拠点にするために聖火リレーの出発点とした。東電は一切、除染していなかったことが環境団体によって明らかにされた。汚染物質がたくさんあるのに聖火リレーのスタート地点にし、子どもたちを動員しようとしていた」ことなどを厳しく批判した。

 へびいし郁子さん(郡山市議/「虹とみどりの会」)は、「メディアも東京五輪と聖火リレーの宣伝を繰り返し行っていた。福島の聖火ランナー(200数人)の写真を一人ひとり掲載するほどでオリンピック一色だ。郡山市長が外出自粛を要請していたが、先ほどの駅前アピールでのビラの受け取りはいつもよりよかった。連絡会のとりくみがあって、大変感激し、力強かった。オリンピックは、安倍首相の数々の悪政を隠すための政治利用だ。オリンピックは中止しかない。」と批判した。 また、郡山市議会に対して「新型コロナ感染症による社会・経済影響は深刻 医療・食・住居の保障を!」などの要求実現に向けて取り組んでいることを報告した。

 さらにトークは、黒田節子さん、中路良一さん(郡山教組)、桜井大子さん(連絡会)、稲垣絹代さん(沖縄)、中森圭子さん(神奈川)、くわばらよもぎさん、斉藤春光さん(いわき)から行われた。最後に主催者から今後の行動提起を受け、終了した。

(Y)