配信:柳川秀夫 12月1日、一般社団法人三里塚大地共有運動の会は、「12・1 第2回総会記念集会」を文京シビックセンターで行い、56人が参加した。共催は三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)/三里塚空港に反対する連絡会。

 11月5日、国交省は成田空港基本計画を改定。成田国際空港会社は11月7日、国土交通省にB滑走路の3500メートルへの延伸、第3(C)滑走路(3500メートル)建設の2029年3月完成。発着時間を最終的に午前5時~翌午前0時半、年間発着枠を30万回から50万回に拡大する変更許可申請を行った。空港敷地面積は1500ヘクタールから2600ヘクタールへ大幅拡大する計画だ。国交省は12月24日のアリバイ的な「公聴会」を経て、1月にも変更許可を出そうとしている。

 一般社団法人三里塚大地共有運動の会は、安倍政権・空港会社・地元推進派が一体となった空港機能拡大、第3滑走路建設計画推進の暴挙を許さず、「三里塚闘争に連帯し,三里塚大地共有運動を継承し発展させることを目的」に、1966年からの三里塚一坪共有運動、 83年からの再共有化運動を受け継いで、2018年10月に設立された。空港用地内にある一坪共有地、木の根ペンション、横堀鉄塔と案山子亭の拠点強化をめざし、その一環として全国の共有者に法人への登記変更を呼びかけ、着手を開始している。設立一年を迎え、新たな闘いへの踏み出しに向けて総会と記念集会を行った。

 主催者あいさつが山口幸夫さん(代表理事)から行われ、午前中の一般社団法人三里塚大地共有運動の会の総会(事業報告・決算・予算等)が成立し、来年度に向けての意志一致、とりわけ一坪共有者の法人への登記変更の取り組み強化を確認したことを報告した。

 さらに、「気候変動、環境破壊が深刻だ。なんとか阻止するために若い世代から積極的な行動が突きつけられている。自然現象を軽視し、科学技術を優先してきた社会の欠陥の現われだ。三里塚大地共有運動は、大地を守り抜き、気候変動などと格闘し、前に進んでいくための重要な取り組みだ」と訴えた。

 加瀬勉さん(元三里塚大地共有委員会〈2〉代表)は、国と空港会社が一体となった三里塚空港の基本計画を改定」を糾弾した(発言要旨別掲)。

柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟)は、「香港の若者たちが真剣に闘っている。アメリカの若者たちから社会主義を希求する流れがあることが紹介されている。資本主義の大量生産・大量消費・大量廃棄システム、貧富の格差の拡大システムそのものが問題だ。もう一つの社会のあり方を作り出していかねばならない。三里塚闘争は、そういう観点から闘われてきたし、これからも第3滑走路建設などいまだに巨大開発を優先する流れと対決していこう」とアピールした。

 法人活動報告が三里塚大地共有運動の会・事務局から行われ、総会報告と来年度の事業計画などを提起した。さらに「安倍政権が所有者不明土地対策と称して相続登記義務化、不明土地の権利を国に帰属させ転売を可能にする不動産登記法改悪法案を準備している。改悪法によって一坪共有地に向かってくることは必至だ。警戒し、法人への登記変更を強化していこう」と呼びかけた。

 三里塚現地報告が山崎宏さん(横堀)から行われ、「国、空港会社、推進派は、一体となって夜間飛行制限の延長、第3滑走路建設を強行している。12月24日に公聴会を開催しようとしている。明らかに第三滑走路推進のためのアリバイ的なものでしかない。空港機能拡大に対する不安を感じている住民の存在を無視して、従来のように暴力的に行おうとしている。民主主義を否定する暴挙を許さない。公聴会に抗議していきたい」と強調した。

 大道寺毅さん(羽田空港を監視する会)は、「首都圏空港機能拡張は何を突きつけているか―羽田空港から考える」をテーマに講演した(講演要旨別掲)。

 連帯発言が沖縄在住のおかのまめさん(辺野古にカヌーを送る会)、福島から面川春光さん(福島原発刑事訴訟支援団)、泉州沖に空港を作らせない会の根本博さん、関西・三里塚闘争に連帯する会の山田謙さん、和多田粂夫さん(元管制塔被告団)から行われた。

 閉会あいさつが島田清作さん(監事)から行われ、「伊達判決を生かす会の取り組みを通して反戦・反基地の繋がりを広げてきた。成田、羽田も含めて全国のスクラムを作っていこう」と発言した。

 ■2020反対同盟旗開き
主催:三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)
日時:2020年1月12日(日)正午
 場所:横堀農業研修センター(千葉県山武郡芝山町香山新田131/0479―78―0100)
参加費:1000円

【会場への行き方】:京成東成田駅地上 11時00分集合 迎えの車待機
【09:13発  京成上野特急 →10:22着 成田→10:32発  京成成田 →乗り換え 京成本線(普通) [芝山千代田行き]→10:37着  東成田】

■1・12東峰現地行動
◦日時:2020年1月12日(日)午後3時
◦場所:旧東峰共同出荷場跡(千葉県成田市東峰65-1)/集会後、開拓道路に向け
てデモ

◦会場への行き方
2020反対同盟旗開き終了後(午後2時頃)→旧東峰共同出荷場に車移動 
②京成東成田駅地上 14時00分集合 迎えの車待機/12:34発  京成上野特急 →13:42着 成田→13:52発  京成成田 →乗り換え 京成本線(普通) [芝山千代田行き]→13:57着  東成田 

◦主催:三里塚空港に反対する連絡会
連絡先:千葉県山武郡芝山町香山新田90―5/電話:FAX0479―78―8101



配信:加瀬勉 ■加瀬勉さんの発言要旨

 11月5日、国土交通省は三里塚空港の基本計画を改定した。1000mの用地を拡大、2500mの滑走路を1000m延長する3500mの新滑走路のために4000戸の移転がその内容だ。11月7日、空港会社は航空法に基づいて国土交通省に拡大計画を申請した。11月20日、政府は2兆円の財政投融資を決定し、三里塚空港機能拡大に4000億円を投資する方針を明らかにした。

 われわれは、機能拡大計画に抗議し、断固として撤回を要求する。

 四者協、成田、芝山、多古、横芝の空港関連首長は交付金に群がるハイエナと化して機能拡大計画に賛成し、住民を空港拡大の生贄としている。

 われわれは、首長に財産権、居住権、健康で文化的生活を送る権利などの生存
権を委任してはいない。地方自治、住民自治の精神をかなぐり捨てた四者協に断固抗議する。

 空港問題が発生して以来、浦安、木更津、霞ケ浦、八街、富里、三里塚と転戦してきた私は、三里塚闘争の裁判で証人として立ってきた。

 政府の三里塚シンポでの謝罪、国交省の黒野の東峰住民に対する謝罪、千葉県
の大木よねさんの強制代執行に対する謝罪はしたが、それは強制代執行を放棄したものではないと主張している。これが権力の正体であり、本質である。

 天皇即位とパレード、大嘗祭、オリンピックを利用して国家主義が台頭してい
る。安倍内閣の憲法改正翼賛体制と三里塚空港反対闘争を通じて断固として闘おう。安倍内閣打倒である。

 世界には650万回の航空需要があり、アジアに一つの国際ハブ空港が彼らの野心だ。その競争に参入し勝つために全国の航空網を整備するといっている。彼らの野望の前にたちはだかり断固として闘い抜いてゆこうではないか。

 かつて千葉県館山の住民から一枚の葉書が加瀬完参議院議員のところにきた。
内容は空港建設計画敷地内にクロス形で共有地をつくれば建設は阻止できるというものであった。八街、富里でマンモス共有地運動になり、三里塚反対同盟がそれを引き継ぎ、堀越昭平、加瀬勉と続いてきて、法人化運動になってきた。全国支援団体中心の一坪共有地運動になった。

 その任務は意義深く重い。一坪共有地の土地は空港反対闘争に生涯をかけた木の根の小川源さん、小川明治さんの土地であつた。その意志を引き継いで一坪共有地運動を更に発展させよう。

 台風15号、19号の豪雨と続いて3回の災害に遭った。私に対する全国からの支援に感謝する。「老いて野に伏すも戦いの意思は千里にあり」頑張ろう。


配信:大道寺毅■大道寺毅さんの発言要旨

 羽田空港新運用案は、三里塚空港の運用拡張(第3滑走路新設を含め)と一体化された総体的増便構想であり、「首都圏空港機能強化技術検討小委員会(有識者会議)中間まとめ」(2014年6月)が出発点だ。

 羽田空港の国際線の増便を図るために離陸・着陸合計90回/時に拡大する。北風時は、6時~10時半、15時~19時に江東、江戸川方面に離陸する。合計で1日当たり65回~85回増だ。

 南風時は、15時~19時に都心上空超低空侵入(A、C滑走路への着陸)する。また、川崎・石油コンビナート方面への離陸(B滑走路から)も行い、合計で1日当たり30回~40回増をねらっている。

 そもそも羽田空港は、人口密集地に隣接した大空港だ。国交省は、都心との距離15㎞の利便性として宣伝するが、その実態は、安全、騒音、大気汚染等の広がりでしかない。

 かつて大田区、品川区、川崎市の激しい住民運動(大田区議会の空港撤去決議)があり、羽田空港計画を沖合に変更ざるをせえなかった。「海から入って海に出る」という約束までした。

 川崎市との約束では、コンビナート上空高度は3000ft以上確保するというものだった。大田区との協定でも、B滑走路から川崎側への離陸は原則ゼロとしている。これらは航空路誌(AIP)で詳細に規定されている。

 しかし、新運用案は、安全、騒音、大気汚染等の問題はもはや考慮の対象外で
あり、住民との約束はすべて反故にしてしまった。国交省は、明らかに安全、騒音、大気汚染のリスクを承知の上で飛行許可を強行する姿勢だ。

 新運用案を検討する有識者会議も、どうすれば便数を詰め込めるか、を検討しただけで安全、大気汚染については検討の痕跡すらない。問題になることが分かり切っていた横田空域との干渉問題すら検討していない

 安全を考える場合、最低限、万が一を想定した準備が必要だ。特に石油コンビナートとの関連事故に対しては、国交省は「危険はない、御巣鷹山事故以後本邦定期旅客機の死亡事故はない」の強弁一点張りだ。

 すでに2016年、2017年にエンジン爆発事故が起きている。1件はテイクオフリジェクト後滑走路上で火災となった。B滑走路川崎側離陸でリジェクトが遅れた場合大惨事は確実だった。

 さらに落下物の危険性についても、 当初は「ない」の一点張りだ。羽田空港着陸機の部品紛失件数は2018年だけでも40件弱も発生している。今後、落下発生の危険性は高まるはずだが、まともに検討した形跡がない。

 安全軽視の姿勢は、これだけではない。着陸降下角をICAO(国際民間航空機関)規定限度の3・5度一杯まで引き上げることを前提にしている(現行3・0度)。パイロットはリスクの高まりを指摘(たとえば尻餅事故)している。要するに、すべてが安全と住民生活へのしわ寄せでしかないことが明白だ。

 このような国交省の安全軽視の姿勢に対して自治体は、住民を守る責任の放棄を貫いている。国の専権事項を楯に逃げ回つている。 だが現在、都内では23区の内19区に、また川崎市と埼玉にも住民の運動が始まっており、各運動体間で緩やかに連携、情報交換と相互支援、共同での対国交省折衝などを実現している。

 国交省は、2020年3月29日実施と一方的に発表(8月8日)したが、住民の反発は高まるだけだった。二巡しか予定していなかった住民説明会も六巡目が必要になってきており、自治体、地元自治会(羽田)の明確な了解を未だ取り付けられずにいる。

 12月17日に「危険な増便・新飛行ルート撤回を求める総決起集会」(実行委員会/19時/大田区民ホール・アプリコ展示室)が行われる。住民の運動は粘り強く続く。共に闘おう。