1125★11.25緊急アピール行動
☆香港政府は学生市民の声を聞いてください

 11月25日午後7時から、九段下にある香港経済貿易代表部に対して、「香港政府は学生市民の声を聞いてください」緊急アピール行動が主催:#Fight for Hong Kong @ TOKYO 2019で行われ、20人を超える仲間たちが参加した。前日の24日の区議会選挙で、民主派が八割を超す議席を占め、圧勝を受けての香港民主運動に対する連帯行動としても取り組まれた。

 最初に、司会者が6月以降の逃亡犯引き渡し条例反対から起こった運動の経過を紹介し、この条例を撤回させ、警察のすさまじい弾圧の責任の追及や逮捕者の釈放、行政長官の民主的な選挙など五大要求を突きつけて闘い抜いていることを報告した。香港政府に態度を改めることを求めた。



 次に区議会選挙について、仲間が詳しく報告した。

 「11月25日は6月9日の百万人デモから170日目にあたる。5000人が逮捕され、暴動罪で1000人が起訴された。今日四時から当選した50人の民主派の議員の呼びかけで理工大の近くの公園で『警察は包囲を解除し、立てこもる学生が無事に出てこられるようにせよ』と集会が行われている。410万人の選挙名簿の七割を超える人が投票した。四五二の議席のうち八割が民主派によって占められた。前回の選挙(2016年)では体制派が七割をとっていた。18ある選挙区ですべての区で圧勝した。白色テロにあい一カ月入院した人が「理工大生を救え」と呼びかけた。その人も当選した。また、雨傘運動の中文大のリーダーだった人も当選した」。

 「民主派が当選した区議会だが、法律を作ることが出来ず、地域の住民サービスのみに権限が限定されている。これは英国から返還される前も返還後も変わっていない。弾圧法の撤回や警察の弾圧を制限する法律を制定することはできない。だから、普通選挙を求めている。香港政府のバックには中国共産党がある。香港の運動派民主主義運動の最前線に立っている。香港の運動の進展は日本の運動の力にもなるだろう」。



 参加した若者が香港警察の弾圧について報告した。

 「今まで香港について知らなかったがUチューブなどを見て勉強した。すさまじい催涙ガスの水平撃ちがあった。大学を占拠している学生に対して、親が駆けつけ支援していた。何人も死者が出ている。学生は遺書を書いて闘っている。硬直した警察の暴力を許さない。情報を共有すること、香港の闘いを精一杯支援していきたい。日本の民主主義を変えなければならない。東アジアを変えていく、私たちもその主体だ」。

 香港で不当逮捕され、帰国した井田光さん(東京農大生)が「デモ隊の近くに居たというだけで、何もしないのに逮捕された。帰国した自分も闘わなければならないと思い参加した。抗議行動をしている人が銃で撃たれる。そんな国でいいのか。暴力はやめてくれ。学生たちは市民のために闘ってくれている。これからも連帯したい」と本名を名乗り発言した。

 昨年12月12日に靖国神社で、日本の侵略戦争の責任を問う抗議行動をした香港の二人が逮捕・起訴され、裁判で有罪になった。この支援運動を行った仲間が経過を報告した。そして、山谷で活動している仲間も連帯のアピールを行った。

最後に、申し入れ書を読み上げ、今後も連帯活動を続けていくことを確認した。



(M)

 
申し入れ書

 6月9日の103万人デモから170日目の今日、私たちは6月から続く香港の事態に憂慮し、民主主義を求める香港の人々を日本から応援するために、ここに集まりました。

 「香港の明日はもっと良くなる」といわれた香港返還から22年が経った今、誰
も当時のこの政府スローガンを真に受ける人はいなくなりました。

 むしろ逆に、民主主義や自由が「もっと悪くなる」と考える学生や市民らが、
今回の逃亡犯条例反対の運動に立ち上がり、法案撤回後も残り四つの要求を実現するために、いまも運動を続けています。

 香港政府と警察は、法案が撤回された9月4日までと同じ方法、つまり暴力的措置によって運動の鎮静化を図ろうとしています。それが徒労に終わるであろうことは、警察の包囲にも屈することなく果敢に抵抗を続けた中文大学や理工大の学生市民らの動きや、昨日の区議会選挙の結果を見ても明らかでしょう。香港政府には、民主化を求める人々の声に向き合ってほしいと思います。

 未来の香港を担う10代の若者をはじめ、千人近くもの市民が「暴動罪」で逮捕、起訴されています。数千名の青年が警察の暴力に怯むことなく最前線で民主化を求めています。催涙ガス漂う街頭では幾万もの市民が最前線の青年たちを支えています。そして香港のあらゆるところで百万の市民が民主主義を求めて声を上げています。

 この香港市民の声は必ずや中国国内にもこだまするでしょう。そしてこのこだまは何十倍、何百倍もの勢いで東アジアと世界に響き渡るでしょう。

 普通選挙権に象徴される民主主義は世界中の長いたたかいのなかで実現されて
きました。しかし世界、そして日本にも多くの不平等が存在しています。

 いま私たちは改めて香港の人々から、自分たちの未来は自分たちで決めるとい
う権利は人から与えられるのではなく、ましてや人に奪われるのでもなく、多くの人々との協力によって、実現しなければならないということ教えられています。

 自由と平等、そして平和をもとめる民主主義に国境はありません。わたしたち
は香港の人々の掲げる五大要求に象徴される理念を、日本をふくむすべての場所で要求しつづけます。

 香港政府は、民主化を求める香港市民の声に向き合ってください。残り四つの要求の実現し、覆面禁止法を撤回し、緊急状況規則条例を廃止してください。

2019年11月25日 
香港経済貿易代表部前アクション参加者一同