10.31香港 10月31日、ATTAC Japan(首都圏)は、新宿・カフェ・ラバンデリアで「香港人反抗! デモとお粥と催涙弾」報告会が行われた。

 香港民衆は、容疑者送還条例の改悪(容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例)に対して6月から大規模なデモを連続的に展開し(6・9は103万人)、7月には香港に拡大していった。すでに逮捕者が9月下旬までに1556人以上にもおよんでいる。そんな中でも民衆は、5大要求〈(1)「逃亡犯条例改正案の撤回は、撤回を勝ち取ったが、(2)デモの「暴動」認定の取り消し(3)警察の暴力に関する独立調査委員会の設置(4)拘束したデモ参加者の釈放(5)普通選挙の実現〉を掲げ、断固として闘い抜いている。

 逆に、反対運動の拡大にともなって中国政府は反対運動の鎮圧指示を香港特別行政区政府に強め、機動隊を先兵に殺人的な暴力弾圧をエスカレートさせている。それだけではない。暴力団ヤクザを動員しながら機動隊の弾圧を強化していくありさまだ。あげくのはてにデモ参加者のマスク着用を禁止する「覆面禁止法」を制定〈10・4〉し、無差別大量逮捕を強行している。

 また、中国共産党第19期中央委員会第4回総会(10・31)では、香港の反対運動をターゲットにしたコミュニケを出し「国家の安全を守る法律制度と執行メカニズムを確立する」「一国二制度を堅持し、香港基本法に基づいて管轄統治を厳格に実行する」と強調し、香港政府の弾圧を支援、強化していくことを確認している。民衆は、中国政府・香港政府と対峙しつつ、反撃陣形を再構築しつつある。緊迫した現地と情勢に注目し、日本における香港民衆連帯・支援の取り組みが求められている。

 京極紀子さん(ATTAC Japan(首都圏)、稲垣豊さん(同)は、7月1日の香港返還記念日のデモ、9月15日の民間人権陣戦の呼びかけたデモに参加した。現地での様々なデモ、仲間たちとの交流、立法会包囲、機動隊の暴力に抗する民衆などの写真と動画を上映しながら報告した。報告会では交流を深めるためにマスター手作りの『お粥』が提供された。

 開催あいさつが京極さんから行われ、「6月9日に103万人、16日が200万人プラス1人(亡くなった仲間も含めて)のデモが行われ、以降も大規模なデモが続いている。香港の人口が800万人だから4人に1人がデモに参加している。政権が倒れてもおかしくはないが、バックに中国政府がいるため倒れていない。行政長官は、デモの収束をねらって条例撤回を明言せざるをえなかったが、覆面禁止法を制定し、機動隊の暴力も激しくなっている。民衆は五大要求の実現に向けて闘っている。中学生、高校生も起ち上がっている。私たちは、反グローバリズム、オリンピック反対などの取り組みとともにインターナショナルな出来事にもつながっていきたいと考えている」と述べた。

 稲垣さんは、①容疑者送還条例改悪の解説と批判②五大要求の積極性③11月24日に行われる香港の区議会議員選挙(地方選挙)と政府の妨害実態などを浮き彫りにした。そのうえで「中国政府は、中国の中に香港情勢を伝えられないように妨害している。正しい情報が伝わることを恐れている。香港の実態について各方面に発信し、連帯の輪をひろげていきたい」と強調した。

 香港の仲間は、「政府は、逮捕者を増やせば収まると考えている。街中で買い物に出ているだけで逮捕されるケースもあるほどだ。昨日も団地に入り込み、デモから逃げた人を逮捕するために不法侵入した。その住民に対しても逮捕するぞと脅かし、手を上げさせていた。当初のデモに対する弾圧と比べると、すさまじい形で弾圧されている。日常的になっている。デモが始まる前、黒Tシャツを呼び止め、カバンにマスクとか持っているだけで逮捕する。警察は、デモ参加者の格好をしてデモ隊列に潜り込み、突然、参加者を逮捕したり、挑発行為を行っている。香港の地下鉄は、警察、機動隊の移動のために優先的に使われている。地下鉄にデモ参加者がいると襲撃も行う。行方不明者も出ている。状況は大変厳しい」と報告した。

 マカオの仲間は、「マカオは、ポルトガルから1999年に中国に返還された。ほとんどの人は中国政府を応援している。だから民主運動を行うのは、大変だ。僕みたいに中国政府を批判し、香港のデモ応援する人は少ない。だが香港が勝ったら大きな変化を作るだろう。正しいことをやつている香港の人々を応援していきたい」と述べた。

 最後に京極さんは、「1997年に香港が返還され、一国二制度で50年間は建前上、今までのままだということになった。だが22年たったが自由選挙になっておらず、だんだん中国に支配される危機感を感じている。香港の人たちは、今、声をあげないとだめだという覚悟を持っている。11月に区議会選挙があり、中国派と対抗して民主派が多数立候補する。見せしめ的に立候補を認められない人もいる。政府は暴力団のテロなども使って恐怖支配を策動している。支援・連帯の呼びかけに応えていこう」とまとめた。

 さらに行動提起①香港連帯スタンディング/11月3日(日)16時~17時、JR御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口 ②「香港に自由を!連帯行動」/11月15日(金)、午後七時、新宿駅東口アルタ前広場―が行われた。
          
(Y)