配信:チカッド 8月30日、横浜でTICADを考える会は、桜木町駅前広場で「アフリカの資源・環境・未来を奪うTICADにNO! TICAD7に反対するアピールとデモ」を行った。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環としてアフリカへの経済侵略と軍事的影響の拡大に向けて横浜の第7回アフリカ開発会議(TICAD/8月28日〜30日)でたち振る舞った。TICADは、国連とともに日本のイニシアチブで積み上げてきた。アフリカ各国(五四カ国)の政権首脳を経済援助と称して買収し、日本資本と共同で権益を広げてきた。

 TICAD7のテーマとして「アフリカの躍進を!ひと、技術、イノベーションで」を掲げたが今回の横浜宣言は、中国によるアフリカへの覇権からの劣勢を意識して対中国シフトに貫かれた内容となっている。その一つが中国の海洋進出に抗して「自由で開かれたインド太平洋」構想を押し出し、日本帝国主義の利益と手前勝手な立場から「海洋安全保障における協力促進と国際法の原則に沿った、ルールに基づく海洋秩序」などと言い出しているにすぎない。

 つまり、中国の軍事力の影響拡大に対して日本は、日米安保のグローバル戦争を前提にした軍事作戦の展開のレベルアップを策動しながら米軍とともにその一端を担っていくことを目的にしており、それを中東・アフリカへと広げていくのが本音だ。軍事的緊張と挑発を射程に入れた帝国主義的野望を許してはならない。

 さらに宣言は、経済的分野についても中国による借金漬けを前提とした過剰融資の手法を批判する。だが、政策目標として「経済構造転換の促進と改善が必要」「質の高いインフラは、持続可能な経済、社会、開発効果の最大化に寄与する」「アフリカ開発における民間の役割を認識」と強調し、欧米帝国主義の経済侵略政策に連動しながら諸分野に渡って収奪と搾取を行っていくことを宣言した。

 安倍首相は、わざわざ「この三年間で日本からアフリカへの民間投資が約二兆一千億円に達した」と自慢し、「この勢いが日々新たに塗り替えられるよう、全力を尽くす、日本企業のアフリカへの投資を助けるため、あらん限りの策を講じる」と居直った。

 横浜宣言は、アフリカに対する人権・環境破壊を加速化させることは明白だ。アフリカ民衆とともに連帯運動を強化し、中国も含めた帝国主義諸国の野望を打ち砕いていこう。

 アピール行動は司会の中森圭子さんのあいさつから始まり、「私たちはTICADに反対する声をあげていこうということで集まりました。TICADは、アフリカの人々のためになるからやると言ってますが、本当にそうでしょうか。アフリカでは戦争が続き、民族同士の争いが絶えません。先進国が資源をどのように使うかという目的のために襲いかかるようにねらっている。アフリカ民衆の生存を脅かすような日本政府の政策に対して反対していくことだ」と訴えた。

 リレートークに入り、TICAD7に反対するアピールが行われた。

 大友深雪さんは、アパルトヘイト時代から南アフリカの教育支援に関わってきた観点から「どんな地域でさえ武器、原発、軍隊、有害物質の所有・持込みを許さず、水・種子の民営化を阻止。住民の立ち退き、土地破壊をまねく大規模開発と農業ビジネス、巨大プロジェクトへの投資をやめさせよう。債務は取り消し、不当蓄財解体、汚職根絶だ。住民による資源の再配分、協働の助け合いが必要だ」と強調した。

 さらに会の小倉利丸さん、茨城国体を問う「戦時下の現在を考える講座」、信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会、木元茂夫さん(すべての基地にNO!をファイト神奈川)、宮崎俊郎さん(「2020オリンピック災害」おことわり連絡会) が発言。

 アピール終了後、桜木町駅前から横浜赤レンガ倉庫に向けてデモに移った。「TICAD7反対!アフリカ民衆の人権破壊を許さない!」とシュプレヒコールを響かせた。

(Y)