8月25日、アフリカから学び考える横浜の会は、かながわ県民センターで村田はるせさん(アフリカ文学研究)を招き、「アフリカでの資源収奪と私たちの『豊かさ』―ルワンダとコンゴ民主共和国を中心に―」をテーマに「おはなし」が行われた。

 8月28日~30日、横浜で第七回アフリカ開発会議(TICAD)が行われる。この国際会議は、一九九三年以降、日本政府がアフリカへの経済侵略を強化していくために主導し、国連、国連開発計画、アフリカ連合委員会、世界銀行と共同で開催してきた。安倍政権は、この会議に対して「横浜宣言」において「民間企業の発展、デジタル変革、若者・女性の起業」を掲げ、「投資環境整備」「最後の市場アフリカ」として日本資本の侵略を促進させていくステップとして位置づけている。

 その本音を隠すこともなく「TICAD7の主要テーマの一つは、投資の促進とビジネスの活性化です」と強調するほどだ。例えば、国際協力銀行は再生エネルギーや廃棄物処理の普及促進として4000億円融資するが、当然、日本資本の利権を前提にして計画している。国際協力機構もアフリカ開発銀行と共同でインフラ開発に3000億円超の円借款融資によって借金漬けを通した権益を広げていくねらいだ。

 軍事的にも、モザンビークPKO派兵(1993年)を皮切りに自衛隊医療部隊、空輸部隊を派兵してきた。11年7月にはジブチ共和国の国際空港内に海賊対策などと称して自衛隊基地を設置し、ここを拠点に軍事展開をしている。

 憲法九条改悪を先取りした派兵強行を既成事実の積み上げによって強行突破してきた。とりわけ中国による「一帯一路」構想と連動させたアフリカに対する大型インフラ投資と借金漬けによる権益拡大、軍事的影響力の拡大に対して横浜宣言で「ルールに基づく自由で開かれた海洋秩序」を明記し、対中国シフトの一環として構築していくことをねらっている。

 このようなTICADに対して横浜の会は、「サハラ以南アフリカの多くの国は、独立したあとも独裁的な統治や、資源収奪をねらう先進国の政治的・経済的介入に苦しめられてきました。日本から遠くはなれたアフリカでの紛争は、わたしたちの豊かな生活と無縁ではなく、むしろ深くかかわっています」という立場と視点からアフリカが抱える課題を探った。

 村田さんは、最初に「コンゴ東部での資源収奪」についてクローズアップし、歴史経過を踏まえ「1998年からの10年間、暴力、病気、飢えなどによるコンゴ東部の死者数は540万人にのぼっている。人権侵害の多くは、資源の採掘現場で起きている。コンゴ軍や武装勢力が資源の搾取のために一般市民を奴隷労働者扱いしている。資源を売った資金で武器を買い、兵力が増すことによって資源地域への支配をますます強化している」と述べた。

 次に「ルワンダのジェノサイド」を取り上げ、①前史―ベルギーの植民地支配、ツチ族優遇政策②内戦(1990年~)③ジェノサイド(1994年4月~7月)などについて整理し、武装勢力の支配と住民抑圧がつづいていることを批判した。

 そのうえで「紛争を終らせるためには、ガバナンス改善、治安改革、法の統治
の浸透が必要だ。コンゴ人による取り組みを支援するべきだ。それはコンゴの市民社会による活動、議会による規制の取り組みだ」などを強調した。また、「紛争資源問題や性的暴行ばかりを取り上げる過度に単純化された『語り』が、意図せざる問題を引き起こしたり、他の重要な問題を覆い隠したりしている」という研究者たちの指摘を紹介した。

 村田さんは、「外から見れば『民族対立』に見えるが、本質的には権力者間の
争いであり、利益を守るために民衆をだまし、対立を煽る操作などを繰り返してきたのが実態だ。だがルワンダ民衆は、権力者たちの正体を見抜き、新たなステップに向かおうとしている。私たちはアフリカ民衆の訴えを誠実に聞き、生活や生き様などに対して具体的に寄り添う姿勢が重要だ」と訴えた。

 木元茂夫さん(「自衛隊は何をしているのか」編集委員会)は、「アフリカ大陸と自衛隊 海賊対処部隊派遣の10年」について報告した。

 最後に、主催者から8月30日の「TICAD7に反対するアピールデモ」(午後6時半、横浜・桜木町駅前広場)への参加を呼びかけられた。

(Y)