12.2集会 12月2日、「一般社団法人 三里塚大地共有運動の会 設立報告集会」が文京区民センターで行われ、84人が参加した。主催は、一般社団法人三里塚大地共有運動の会、共催が三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)、三里塚空港に反対する連絡会。

 政府・国土交通省—成田国際空港会社は、グローバル派兵国家建設の一環として2030年度までの第三滑走路建設、夜間発着拡大、B滑走路再延伸など成田空港機能強化計画を決定し、空港拡大を進めている。反対同盟と支援は、横堀鉄塔と案山子亭、木の根ペンション、横堀研修センター、東峰と木の根の一坪共有地などの闘争拠点を守り抜いてきた。

 新たな反撃の闘いとして1966年8月から開始した一坪共有地運動の成果を継承し、
発展させるために反対同盟、三里塚大地共有委員会の呼びかけによって一般社団法人三里塚大地共有運動の会を10月に設立した。

 全国の仲間たちに向けて加瀬勉さん(三里塚大地共有委員会)は、「一坪土地
共有化運動は三里塚空港建設に反対する農民と全国の支援する人々との運命共同体の団結形態を創り出し三里塚闘争の発展に大きく貢献してきた。国家権力と空港資本は一坪共有地は承諾がなくても金銭買収できるとの最高裁裁判例を盾に共有地の強奪を行ってきた。三里塚反対同盟はこの無謀な攻撃に抗して一坪共有地法人設立の方針を決断した」とアピール。

 さらに柳川秀夫さんは、「(政府・空港会社による土地強奪にむけた)強制手段は放棄したのではなく、裁判所が強制収奪を行う新手を行使してきました。滑走路の増設や未買収の東峰部落等の計画を変えることなく続いており、共有地の役割は続いています。さらに今日に至っては空港拡張にも見られるように飽くなき発展の追求は深刻な人類の生存を脅かす状況に至っており、共有地の存在は本来の役目以上に広義なものになってしいます」と強調している。

 三里塚大地共有運動の会の「三里塚闘争に連帯し、三里塚大地共有運動を継承
し発展させる」(社団法人定款の目的)取り組みへの協力を行っていこう。詳細は、事務局へ(03-3372-9408)。

 集会は山口幸夫さん(三里塚大地共有運動の会代表理事)の主催者あいさつから始まり、「佐多稲子さん(作家)の一坪共有地を私の連れ合いが引き継いだ。身近に共有者がいますので私も協力していくと決めた。三里塚闘争の意義がきちんと問い直される時代だ。制度疲労が著しく進んでいる。民衆の闘いの原点を問い、もう一回考え直していく必要がある。会の主体は、会員の皆さんです。よろしくお願いします」と発言。

 加瀬勉さんは、力強く次のように訴えた。

 「三里塚闘争はわが闘争、三里塚の農民とわれわれは運命共同体である、と闘争の思想を発展させて闘ってきた。運命共同体として多くの同志が三里塚に命を捧げ厳しい弾圧の中、戦いを50年にわたって堅持してきた。土地は農民の命、土地なくしては農民の存在は無い。大地に命を土地に刻んで農民は生きてきた。その農民の土地を一坪共有地に、今度は法人化することになった。法人化全国運動は単なる空港建設の阻止の戦術ではない。法人化運動を発展させて新たなる三里塚闘争との農民との運命共同体の関係を創造しなければならない。法人化全国運動を発展させ、中で自己変革し、自己を生まれ変わらせ新しい人民像を創造できるように努力しなければならない。10年1日の如く金太郎飴ではしょうがない」。

 「法人化の運動の出陣式。今日はお祝いの日であります。前田の爺さん(前田
俊彦・「三里塚闘争連帯労農合宿所」の代表/1993年没)にどぶろくを作ってもらって国税庁長官を招待して乾杯するところであるが前田さんが死んでしまったので残念ながらそれはできません。三里塚闘争に命を捧げたわが同志たち、管制塔戦士をはじめ厳しい弾圧に堪えて闘争の意思を貫いた同志たちに哀悼と敬意を表してインターナショナルを歌うところですが、斉藤茂吉の『赤光』から『あかあかと一本の道とほりたり塊きはるわが命なりけり』を吟じて私からのお祝いといたします。頑張ろう」。

 柳川秀夫さん(芝山連合空港反対同盟代表世話人)は、「政府・空港会社は第三滑走路建設計画など、あいかわらず巨大開発を続けている。空港建設を阻む一坪共有地は、皆さんの思いが集積している。53年におよぶ一坪共有地運動は、共有地の相続の発生等、共有地の分散を考慮しなければならないことが多くある。その解決策として社団法人化を進めることになった。一坪共有地の木の根ペンション、加瀬さん所有地の横堀案山子を守り抜き、反撃の態勢を整えていきたい」と発言。

 事務局から「設立報告・登記変更説明」「代表理事に山口幸夫、理事に渡邊充春、大森武徳、監事に島田清作が就任している」ことなどを報告。今後の事務手続き等の説明が行われた。
 

 大森武徳さん(法人理事)は、木の根ペンションを中心にしたコンサート、イベント活動の動画を上映しながら共に広げていこうと呼びかけた。

 島田清作さん(監事)は、伊達判決を生かす会の代表であり、砂川闘争や裁判
闘争の取り組みを報告した。

 さらに「80年代前半、共有運動を取り組む立川のメンバーが次から次へとある集団に襲われた。一人は通勤途上で鉄パイプで襲われ、頭蓋骨骨折、足の骨折など重傷だった。なんとか一命はとりとめた。私の家にも何人も来て、『反対同盟に敵対する一坪運動から撤退しろ』などと夜中まで執拗に迫られた。立川反戦市民連合の仲間が命の危険にさらされるなかで迷ったが、重傷の仲間が『これからも一坪運動を続ける』と言ったので、私は今も一坪共有者として頑張っています。勝利するまで命をかけて、みんなで頑張りましょう」と発言。

 山崎宏さん(横堀地区/労活評現闘)は、第三滑走路建設をめぐる空港会社の策動、飛行制限緩和などを通した環境破壊に対する空港周辺住民の抗議などを報告し、2019年1月13日の反対同盟旗開き、東峰現地行動への参加を呼びかけた。

 連帯発言が加藤宜子さん(沖縄意見広告運動・東京事務局スタッフ)、根本博さん(泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会)、平田誠剛さん(元管制塔被告団)、大道寺毅さん(羽田空港を監視する会)、斎藤春光さん(福島原発告訴団)から行われた。

 最後に参加者全体で里塚大地共有運動の会の拡大を誓い合った。

(Y)