IMG_20181103_15542311月3日、永田町首相官邸前で15回目の琉球弧自衛隊配備反対アクションが開催された。

この日の行動は主に、政府・防衛省が石垣島での年度内着工を表明したことへの抗議、そして10月22日から約一か月かけて南西諸島各地で行われる実戦訓練「鎮西30」とジブチの自衛隊駐屯の恒久化を次期防衛大綱に盛り込む策略への抗議として貫徹された。

最初に全体でシュプレヒコールをあげたあと、主催の栗原学さんからアピール。

「10月初旬に種子島で日米共同の海兵隊訓練があり、そして今回の『鎮西30』と戦闘のできる自衛隊づくりのための訓練であり、『島しょ奪還』など批判をかわすための名目に過ぎない。要は世界のどこでも通用するための上陸強襲訓練であり、市街地制圧訓練だ。言わば侵略戦争の訓練と言わなければならない」

「また、このような訓練などを通じて、武装部隊の市民社会への浸透と日常化を図っているのが、昨今の自衛隊の特徴だ。大学の学園祭でブースを出すことをもくろみ、埼玉ではショッピングモールでイベントを開催しようとし、批判の声で中止に追い込まれている。また、北海道では小銃を持った部隊が公共施設に出入りするということも起きている。こういうこと一つ一つに、地域から抗議していくことが大事だ」と訴えた。

また、南西諸島の自衛隊配備とジブチ自衛隊基地の恒久化は一体のものであり、前線基地としての南西諸島と中東からアフリカに展開するステップ拠点としてジブチの基地が不可欠になっている、として「南西諸島とジブチを無視して憲法は守れない。憲法九条の理念の具体的実現のために、南西諸島とジブチとつながって闘っていこう」とあいさつを締めた。

宮古島の出身の下地さんから、宮古島の自衛隊基地建設の現状の報告。

「千代田-野原地区の工事は遅れに遅れているが、政府は年度内の駆け込み運用開始を狙っている。また、保良地区では海保の射撃訓練場とともに自衛隊弾薬庫の計画が進められている。これに対して、七又地区の住民が反対決議を上げた。しかし、どこも過疎が進んでいる地域で、やはりこういうところに基地を持ってこようとするのだろう。辺野古基地反対について『沖縄の民意が反対している』と言われるが、さらに少数の先島のさらに少数の過疎地での反対に『民意』なんて通用しない。石垣や宮古の首長は『民意が自衛隊配備に賛成してる』と言う。大事なのは少数意見の尊重であり、それが民主主義なのではないか。また『内地』の人が『沖縄の民意』に頼る運動のあり方は危ういのではないか。大事
なのは二度と侵略戦争をやらないという決意であって、そうした立ち位置で辺野古でも自衛隊配備でも反対してほしい」と問題提起した。

リレートークで参加者にマイクを回し、練馬で自衛隊基地反対を長年取り組んでいる池田五律さんからは、朝霞基地での観閲式反対の取り組みの報告とともに、12月15日の新防衛大綱に反対する「大軍拡反対」集会への参加がかけられた。

50人の参加者は、最後に「自衛隊基地建設をやめろ」「自衛隊はジブチから撤退しろ」「実戦訓練をやめろ」「東アジアの平和をともにつくろう」とシュプレヒコールをあげて、この日の取り組みは終了した。

(F)