7月21日、反天皇制運動連絡会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、天皇制いらないデモ実行委員会、靖国・天皇制問題情報センターの呼びかけで「なぜ元号はいらないのか? 7・21集会」が文京区民センターで行われた。参加者は97人。
安倍政権は、グローバル派兵国家建設に向けて憲法改悪をめざし、2019「天皇代替わり」と「明治150年」を結びつけ天皇制賛美キャンペーンを行っている。その一環として来春に新元号を発表して天皇制民衆統合の強化へと加速化している。
しかし、この実態は、安倍政権と右派勢力などによる手前勝手な妥協の産物でしかない。「新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議」(議長=古谷一之・内閣官房副長官補/5・17)は、当初、生活の混乱を生じさせないため準備期間を長くとるために今夏あたりの公表としていた。だが右派などから「新元号の発表によって天皇陛下と新たに即位する皇太子さまという『二重権威』が生じる」などの圧力もあって首相官邸は「(新元号の)早すぎる発表は天皇陛下に失礼。ギリギリの時期でいい」と判断した。また、旧元号から新元号へのシステム改修が間に合わない場合は、一定期間は「平成」の利用も認めることになった。
なお新元号システム改修特需によってIT大企業には巨額なカネが舞い込むことになった。例えば、佐賀県では新元号対応のシステム改修費約1億3200万円も計上している(佐賀新聞5・18)。一つの県でこれだけの費用を使うのだから、中央―全国でどれだけの費用がかかるのか。とんでもない無駄遣いだ。
このように新元号への移行だけでも大迷惑な事態なのに、あくまでも天皇制強化に向けた新元号の押し付けを貫徹しようとドタバタを繰り返している。すでにNHK世論調査(17年)では「西暦よりも元号をつかう」(28%)、「元号よりも西暦をつかう」(63%)という結果で明らかなように民衆生活にとっては元号使用は不便な存在でしかない。その一方で各所、学校で元号が慣例化し、公共機関と関係を持つケースでは元号使用を強制される。天皇制強化に向けた大迷惑な元号を廃止し、西暦で統一すればいいのだ。
元号はいらない署名運動は、「新元号制定に反対する署名」運動で5000筆を越える署名を集約している。運動の広がりを受け、1万筆をめざすことになった(最終集約18年11月15日)。各地区・現場で署名運動を押し進めていこう。
集会は、井上森さんから主催者あいさつからはじまり、「2月から『新元号制定に反対する署名』運動を開始した。新元号の発表がどんどん遅れて19年4月となった。署名は5000筆を越え、1万筆をめざすことになった。11月に集約するが、継続して署名運動を広げていこう」と呼びかけた。
坂元ひろ子さん(中国思想史・一橋大名誉教授)は、「中国の革命経験から考えるアジアの共和国」をテーマに講演した。
冒頭、坂元さんは、「天皇制は、差別抑圧強制の根源であり、習慣化・身体化されている。『日の丸』強要、皇室への敬語・『お言葉』の強要、年号使用の強制〈政府機関・国立大学、民間企業、集合住宅管理組合等〉で明らかだ」と指摘した。また、最近の反右派を含む象徴天皇『翼賛』傾向(とりわけ退位問題以降)、批判忌避空気の現れとして、内田樹の『天皇主義者宣言』、柄谷行人の『憲法の無意識』、白井聡の『国体論 菊と星条旗』を取り上げ批判した。
「アジアの共和国」に関して①対中国「起源」コンプレックス~漢字文化(漢字ことば権威)②中国の「天」観念と共和「革命」について史実に基づいて検証し、「中国の君主専政政体はヨーロッパの場合に比して、中国は広大な地で独裁するだけに統治の網の目が粗らかった」と指摘。
さらに中国同盟会(1905)の『民報』、人類館事件(1903)、亜洲和親会(1907)から第一次世界大戦と中国、満州事変(1931)と国共内戦などの歴史的評価をしながら「中国の漢字文化そのものに革命思想はあったが地大人多による『共和』かつ『民主』の困難性もあった。日本は、中国の漢字文化にコンプレックスを持ち、真似をしながら天皇制を万世一系などとデッチ上げた。北朝鮮、韓国、中国、沖縄を直視できないことと繋がっている」と批判した。
「反天皇市民1700ネットワーク」、「大分の島田雅美さん」からの連帯メッセージが紹介。
中川信明さん(靖国・天皇制問題情報センター/練馬教育問題交流会)は、「今度こそ、元号とサヨウナラするために~元号反対運動の実践と展望」について次のように報告した。
「元号反対運動の3つのピークがあった。1979年の元号法制化反対運動。1989~1995年の〈昭和から平成〉やめよう!元号運動を行い、東日本と関西で署名運動を展開した。2017年、元号いらない署名運動の取組みだ。次の一手に向けてどうするか。年号に関して①広報物の年月日記載めぐって②国・自治体・民間企業などの手続き書類をめぐって③国・自治体などが個人に発行するものをめぐって―の3つのステージがある。これらの攻防を共有化し、次への可能性を探っていく必要がある。元号反対!改元拒否の世論形成のための署名運動を取組みながら具体化していこう」。
大沢ゆたかさん(元立川市議)は、「元号改訂に関する2018年立川市予算委員会での質疑から」について報告し、「『元号、西暦の併記を考えている自治体』を調査した。23区26市のうち西暦のみが1市(町田市)、元号のみが2市(清瀬市、稲城市)、元号と西暦併記が5区市、併記検討中が10区市、検討していないが21区市、その他が10区市だった。東京都は必要に応じて元号・西暦併記だ。さらに『平成元号を使用しているシステム数 元号改定に伴う作業とシステム変更とその経費』についても調査し、巨額なカネが使われることがわかった。自治体に対して西暦を書かせろと要求していくことが必要だ。元号費用について決算時でどれだけ使ったのかをチェックし、公表していくことも必要だ。天皇のためにムダなカネを使うことはない」と訴えた。
連帯アピールが茨城・戦時下の現在を考える講座、「オリンピック災害」おことわり連絡会、アジア資料センター、あいち代替わり・植樹祭を考える会(仮)から行われ、最後に主催者から今後の署名運動の提起があった。
(Y)
安倍政権は、グローバル派兵国家建設に向けて憲法改悪をめざし、2019「天皇代替わり」と「明治150年」を結びつけ天皇制賛美キャンペーンを行っている。その一環として来春に新元号を発表して天皇制民衆統合の強化へと加速化している。
しかし、この実態は、安倍政権と右派勢力などによる手前勝手な妥協の産物でしかない。「新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議」(議長=古谷一之・内閣官房副長官補/5・17)は、当初、生活の混乱を生じさせないため準備期間を長くとるために今夏あたりの公表としていた。だが右派などから「新元号の発表によって天皇陛下と新たに即位する皇太子さまという『二重権威』が生じる」などの圧力もあって首相官邸は「(新元号の)早すぎる発表は天皇陛下に失礼。ギリギリの時期でいい」と判断した。また、旧元号から新元号へのシステム改修が間に合わない場合は、一定期間は「平成」の利用も認めることになった。
なお新元号システム改修特需によってIT大企業には巨額なカネが舞い込むことになった。例えば、佐賀県では新元号対応のシステム改修費約1億3200万円も計上している(佐賀新聞5・18)。一つの県でこれだけの費用を使うのだから、中央―全国でどれだけの費用がかかるのか。とんでもない無駄遣いだ。
このように新元号への移行だけでも大迷惑な事態なのに、あくまでも天皇制強化に向けた新元号の押し付けを貫徹しようとドタバタを繰り返している。すでにNHK世論調査(17年)では「西暦よりも元号をつかう」(28%)、「元号よりも西暦をつかう」(63%)という結果で明らかなように民衆生活にとっては元号使用は不便な存在でしかない。その一方で各所、学校で元号が慣例化し、公共機関と関係を持つケースでは元号使用を強制される。天皇制強化に向けた大迷惑な元号を廃止し、西暦で統一すればいいのだ。
元号はいらない署名運動は、「新元号制定に反対する署名」運動で5000筆を越える署名を集約している。運動の広がりを受け、1万筆をめざすことになった(最終集約18年11月15日)。各地区・現場で署名運動を押し進めていこう。
集会は、井上森さんから主催者あいさつからはじまり、「2月から『新元号制定に反対する署名』運動を開始した。新元号の発表がどんどん遅れて19年4月となった。署名は5000筆を越え、1万筆をめざすことになった。11月に集約するが、継続して署名運動を広げていこう」と呼びかけた。
坂元ひろ子さん(中国思想史・一橋大名誉教授)は、「中国の革命経験から考えるアジアの共和国」をテーマに講演した。
冒頭、坂元さんは、「天皇制は、差別抑圧強制の根源であり、習慣化・身体化されている。『日の丸』強要、皇室への敬語・『お言葉』の強要、年号使用の強制〈政府機関・国立大学、民間企業、集合住宅管理組合等〉で明らかだ」と指摘した。また、最近の反右派を含む象徴天皇『翼賛』傾向(とりわけ退位問題以降)、批判忌避空気の現れとして、内田樹の『天皇主義者宣言』、柄谷行人の『憲法の無意識』、白井聡の『国体論 菊と星条旗』を取り上げ批判した。
「アジアの共和国」に関して①対中国「起源」コンプレックス~漢字文化(漢字ことば権威)②中国の「天」観念と共和「革命」について史実に基づいて検証し、「中国の君主専政政体はヨーロッパの場合に比して、中国は広大な地で独裁するだけに統治の網の目が粗らかった」と指摘。
さらに中国同盟会(1905)の『民報』、人類館事件(1903)、亜洲和親会(1907)から第一次世界大戦と中国、満州事変(1931)と国共内戦などの歴史的評価をしながら「中国の漢字文化そのものに革命思想はあったが地大人多による『共和』かつ『民主』の困難性もあった。日本は、中国の漢字文化にコンプレックスを持ち、真似をしながら天皇制を万世一系などとデッチ上げた。北朝鮮、韓国、中国、沖縄を直視できないことと繋がっている」と批判した。
「反天皇市民1700ネットワーク」、「大分の島田雅美さん」からの連帯メッセージが紹介。
中川信明さん(靖国・天皇制問題情報センター/練馬教育問題交流会)は、「今度こそ、元号とサヨウナラするために~元号反対運動の実践と展望」について次のように報告した。
「元号反対運動の3つのピークがあった。1979年の元号法制化反対運動。1989~1995年の〈昭和から平成〉やめよう!元号運動を行い、東日本と関西で署名運動を展開した。2017年、元号いらない署名運動の取組みだ。次の一手に向けてどうするか。年号に関して①広報物の年月日記載めぐって②国・自治体・民間企業などの手続き書類をめぐって③国・自治体などが個人に発行するものをめぐって―の3つのステージがある。これらの攻防を共有化し、次への可能性を探っていく必要がある。元号反対!改元拒否の世論形成のための署名運動を取組みながら具体化していこう」。
大沢ゆたかさん(元立川市議)は、「元号改訂に関する2018年立川市予算委員会での質疑から」について報告し、「『元号、西暦の併記を考えている自治体』を調査した。23区26市のうち西暦のみが1市(町田市)、元号のみが2市(清瀬市、稲城市)、元号と西暦併記が5区市、併記検討中が10区市、検討していないが21区市、その他が10区市だった。東京都は必要に応じて元号・西暦併記だ。さらに『平成元号を使用しているシステム数 元号改定に伴う作業とシステム変更とその経費』についても調査し、巨額なカネが使われることがわかった。自治体に対して西暦を書かせろと要求していくことが必要だ。元号費用について決算時でどれだけ使ったのかをチェックし、公表していくことも必要だ。天皇のためにムダなカネを使うことはない」と訴えた。
連帯アピールが茨城・戦時下の現在を考える講座、「オリンピック災害」おことわり連絡会、アジア資料センター、あいち代替わり・植樹祭を考える会(仮)から行われ、最後に主催者から今後の署名運動の提起があった。
(Y)