配信:オリンピック「金権五輪」の実態をあばく

 7月22日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、午後四時から東京・原宿駅前の神宮橋で「2020東京オリンピックいらない! まだ間に合う、返上しよう!原宿アピール&渋谷デモ」を行った。酷暑の中で100人のアピール集会とデモが行われ、多くの人々の注目を集めた。

 最初の発言者はスポーツジャーナリストの谷口源太郎さん。谷口さんはオリンピックが「マネーファースト」の拝金主義に貫かれていることを厳しく批判した。

「オリンピックでは一兆円を超す興行収入があり、NBC(米国の放送資本)な
どは放送権料として2000憶円も支払っている。放送権料や企業からの収入で多くの贈収賄逮捕者が生まれ、懲役年数を合わせると50年になる」と金権五輪の実態を暴露した。

 1925年生まれで、1932年のロスアンゼルス五輪をラジオで聴いた記憶があるという元教員の北村小夜さんは「オリンピックの弊害は道徳教育・愛国心教育の強化にも示されている」と語り「こんなオリンピックはいらない。返上しよう」と訴えた。「反五輪の会」メンバーで障がい者学校の教員である仲間は、「スポーツの本質は『排除』でもある。五輪教材には都合の悪いことは何も書かれていない。オリ・パラ教育に反対し転校を強要されたり、授業を外されたりする教員も出ている」と語った。

「人権」「復興」にだまされるな

 元大学教員の鵜飼哲さんは、オリンピックが国策教育と深い関係にあることを指摘し、1952年の「主権回復」とヘルシンキ五輪、1964年の東京五輪開会式での昭和天皇裕仁の開会宣言の例を挙げた。そして天皇代替わりと連動した2020年東京五輪が1963年のベルリン五輪=ナチス五輪との相似性を持つものとなる危険な構造を提起した。

 武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)の杉原浩司さんは、「オリンピック
が呼び込む軍事体制」をもテーマにした「川崎でイスラエル軍事エキスポを考えるシンポ」(8月3日)を紹介した。

反五輪の会の首藤久美子さんは「オリンピックが儲かるということで、皆さんの
生活が良くなるのか」と注意を喚起し、「明治公園、宮下公園からの野宿者の排除、都営住宅の解体と住民追い出し」を厳しく批判した。次に宮城県気仙沼市の木村さんは、福島原発事故災害が終わっていない現状の中で、「復興」を口実に東京五輪が使われていることを厳しく批判した。

 東京にオリンピックはいらないネットの渥美さんは「小池東京都知事は、オリ
ンピックで『人権尊重』と言っているがまやかしだ。引っ越し代を一銭も支払わず強行した都営霞ヶ丘住宅の取り壊しは地域コミュニティーの破壊だ。オリンピックこそ人権破壊のかたまりだ」と糾弾。さらにパレスチナ連帯運動に取り組んでいる八鍬さんは、イスラエルにとってはオリンピックこそ「サイバー攻撃」を口実にした「人権破壊のショーケース」となっていると批判し、大榎さんは福島原発事故の放射線被害を隠蔽したまま行われる「復興五輪」の内実を指摘した。

 集会後、原宿から渋谷へ多くの人びとでにぎわう街中を「オリンピックはいら
ない」と訴えた。  

(K)