IMG_2280 二月二四日午後六時半、東京・文京シビックセンターで、「大軍拡と基地強化にNO!2・24集会」が大軍拡と基地強化にNO!アクション2017の主催で開かれ、四〇数人が参加した。

 田村順玄さんが米軍岩国基地問題について講演を行った(別掲載)。田村順玄さんのプロフィール。岩国市議(リベラル岩国)。一九六四年岩国市役所に就職。職場では港湾行政をあゆみ、組合では市職員組合委員長など就任、岩国市職平和研究所を設立し平和運動をになう。一九九五年市議に初当選。基地監視団体「リムピース」運営委員を務める。

 この集会では、自衛隊練馬基地、立川基地、習志野基地に反対するグループが、入間基地での戦闘医療病院の建設問題、陸自総隊司令部が朝霞駐屯地に設置される意味、米軍横田基地の動き、木更津自衛隊基地でのオスプレイ整備問題などが報告された。そして、木元さん(すべての基地にノー ファイト神奈川)が米海軍横須賀基地の大増強問題や米軍と連動する自衛隊の動きを報告した。今回の講演・学習会で、「朝鮮有事」状況の中で、米軍の増強と自衛隊の大軍拡の姿が浮き彫りにされた。

(M)


田村さんの講演から。

極東一の巨大基地に変貌する米軍岩国基地艦載機移転や最新鋭機配備で在日米軍のハブ基地に

 私はひとり会派のリベラル岩国として二二年間市議会議員をやっている。三二人の市議のうち、共産党四人、無所属二人と私の七人が基地に反対している。最近岩国基地はものすごい飛行状況だ。爆音被害も増えている。海兵隊岩国基地から米軍岩国基地へと変貌している。この間のオスプレイやヘリ事故はハブ(拠点)空港の岩国基地がからんでいる。

 海軍、海兵隊、自衛隊、民間(6便)が一本の滑走路を使い激しい飛行をしている。厚木基地から艦載機が昨年一一月二八日半分来て、残りは五月まで、合計六一機移転する。オスプレイ四機が厚木から岩国を経由して普天間に戻った。岩国がハブ空港になっている。P8ポセイドン哨戒機が嘉手納や普天間基地から飛んできて訓練した。最新鋭のステレス戦闘機F35B(垂直離着陸ができる)が岩国に配備される。一月一四日に、強襲揚陸艦ワスプが佐世保に配備された。このワスプ配備は北朝鮮などをにらんだもので、東アジアの軍事緊張をいっそう高めるものだ。ワスプにF35Bが着陸でき、辺野古新基地はヘリ基地用なのでF35Bが使える。こうした連携した運用が考えられる。

 昨年一二月に韓国で実施された米韓合同演習の際には、米軍三沢基地に駐留する米空軍のF16戦闘機が一挙に一八機飛来し、岩国基地を中継しこの訓練に参加した。航空自衛隊のジェット練習機もたびたび飛来し、岩国基地を利用し近傍での訓練に参加している。

 五年前、岩国基地は二五〇〇億円かけ、沖合い一キロメートル先に移転した。基地面積は一・四倍化し、大幅に増強され、在日米軍の「ハブ基地」機能を持った基地となった。五月に、艦載機スーパーホーネットを六一機から一二〇機に増やし配備する。兵士も三八〇〇人増え、軍人・軍属合わせて一万一〇〇〇人となる。そのために米軍住宅がどんどん作られている。日本政府は二〇万円の家賃補助をしている。四〇〇〇戸で収まるのに五四一一戸を準備し、二〇〇〇人が市内に住んでいる。外の方が便利なので基地の中には六〇%しか住んでいない。

 基地から五キロメートル離れた愛宕山の土砂二〇〇〇万立方メートルを削り埋
め立てた。その跡地に二六二戸の米軍住宅を建てた。価格は七〇〇〇万円から八〇〇〇万円。すべてシェルターがついている。しかし、基地から離れているのであまりうまくいっていない。北朝鮮が岩国基地にミサイルを撃つと言ったため、日本人も住宅にシェルターを作ってほしいという要求があがった。見学会があったのでそれを見に行った。一・五メートルのボックスが玄関についている。これで防げるわけがないが精神的なものとして要求しているのだろう。

 米軍住宅は一一〇〇戸作る予定だったが大きな反対運動によって、四五ヘクタールの埋め立て地のうち、一五ヘクタールに二五〇億円かけて野球場や体育館などスポーツ施設を作った。広島カープが春季キャンプをやったり、日米友好マラソン大会をやっている。市民がどっぷりつかるように使われている。

 二〇一八年の岩国市の予算八〇二億円のうち一三八億円が防衛省から出ている。来年度から小中学校給食費の無料化、中学卒業までの医療費の無料化などに使われている。新市庁舎の建設に三五億円の交付金が使われた。基地漬けにするため、補助金を出している。大きな事故が起こらなければと思っている。五月に一二〇機が入り乱れ飛行することになる。これを停止させなければならない。全国の皆さんと監視し続けていかなければならない。来月号の『世界』に報告を書いたので読んでほしい。

(発言要旨、文責編集部)


◆2018年度軍事予算の主なもの

*2018年度予算の主なもの。5兆1911億円で、過去最高。

*陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」関連7億3000万円。1基1000億円で2基を5年かけ導入。

*長距離巡航ミサイルの取得費など約22億円。


*イージス艦に搭載する迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を440億円で取
得。

*戦闘機F35Aを6機838億円で取得。


*オスプレイ4機(688億円)。


*高出力レーザーシステムの研究に87億円。


*沖縄県の宮古、石垣両島などに配置する部隊の施設整備に553億円。


*新型護衛艦の建造(2隻:922億円)。


*潜水艦の建造(1隻:697億円)。


*滞空型無人機(RQ―4Bグローバルホーク)の取得 (147億円)。


*「島嶼防衛用高速滑空弾」の要素技術の研究(46億円)。


*「島嶼防衛用新対艦誘導弾」の要素技術の研究(54億円)。


*「将来中距離空対空誘導弾」の日英共同研究(69億円)。