IMG_2274 二月二四日午後四時から、東京・市ヶ谷の外濠公園から防衛省に向けて、デモ・申し入れ行動を行い、五〇人が参加した。主催は大軍拡と基地強化にNO!アクション2017。

[参加団体]有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委
員会/立川自衛隊監視テント村/パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会/反安保実行委員会/武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)[賛同団体]戦争・治安・改憲NO!総行動。

 実行委主催者が「六年連続で防衛予算がアップされ、今年は五兆一九一一億円で史上最大の予算が組まれている。安保法制が出された二〇一五年、立川、練馬、習志野の自衛隊基地に反対する運動団体が呼びかけて軍拡に反対する銀座デモを行った。今日、防衛省に軍拡はやめろと申し入れる」とあいさつした。

 その後、参加団体が行動提起。3・12霞が関デモ第三弾、日韓連帯、3・18韓米合同軍事演習反対米大使館行動(午後2時から)。武器輸出反対ネット、「輸出反対でやってきたが、現在は輸入反対で活動している。今までは武器に制限を持たせていたが、長距離巡航ミサイルの導入などそれからの大転換がなされている。イージス・アショアの配備。秋田では一キロ以内に小・中学校があり、強いレーダー波を出すので地元で反対運動が起きている」。

 「平和の声・行動ネットワーク入間」、「航空自衛隊入間基地に戦争でケガをした人のための戦闘医療病院が建設されようとしている。入間基地に対して抗議行動を継続している」。次に、ミサイル避難訓練に反対する行動を行った仲間が「一月二二日に首都東京で初めてミサイル避難訓練が住民や企業・社員三〇〇人をエキストラ動員して、後楽園周辺で行われた。これに対して一二〇人がプラカードを掲げて反対行動を行った。文科省は小・中学校に訓練をするように通達を出した。また、国会議員向けの訓練も行うという」と治安訓練の強化に反対を表明した。反天連、「3・27琉球処分の日、3・28与那国島に自衛隊が配備された日、このような記念日に天皇が沖縄・与那国島に行く。これに抗議する3・24集会を予定している」。先島への自衛隊配備に反対し、埼玉・千葉などいろいろな駅でスタンディングをやっている「島じまスタンディング」の訴え、2・25沖縄連帯池袋デモも呼びかけられた。

 デモの途中で防衛省に対して、大軍拡に抗議する申し入れが行われた(M)。

 6年連続の軍事予算増大、日米軍事一体化の推進、自衛隊の「軍隊」化に抗議する申し入れ書

 内閣総理大臣 安倍晋三殿
 防衛大臣 小野寺五典殿
 外務大臣 河野太郎殿

 2月1日、参院での可決により2017年度補正予算が成立した。うち軍事関連は2345億円と過去最高額となり、当初予算との合計額は5兆3596借円と前年度比2%増、伸び率も異常であるが対GDP比は1%を超える。当初予算では1%を割り込ませながら補正を加えて1%枠を超えさせるという姑息な手段は、ここ10年問に6回も繰り返されている。

 それだけではなく、昨年8月の「概算要求」での次年度項目を「補正」及び「新規後年度負担」に盛り込み、当初予算案を少なく見せるという手段も繰り返されている。とりわけ今回は「ミサイル防衛」関連の予算振り分けが日に余る露骨さと狡猾さを示している。すでに2兆円近い税金を投入しながら、現実的には役にも立たない「ミサイル防衛」のさらなる経費膨張を糊塗しつつ、朝鮮民主主義人民共和国の核とミサイル開発を奇貨として、トランプ政権に約束した「米国製首額兵器爆買い事業」の前倒し実施が画策されていることを看過することは出来ない。

 さらに、すでに「概算要求」にも「鳥嶼防衛用高速滑空弾」と「島嶼防衛用新対艦誘導弾」が計上されていたが、昨年末になって戦闘機搭載型の「長射程巡航ミサイル(「スタンド・オフ攻撃ミサイル」)」3種が突如当初子算に盛り込まれた。ここに、同じく昨年末突如浮上してきた「いずも」型ヘリ空母を実用的な「空母」に改修し、F35Bを艦載して日米で共同運用するという事案、同じく空母艦載が運用の前提となる「EA18G“グラウラー”電子戦機」導入構想を加えるならば、-一方で共和則の「脅威」を煽り「ミサイル防衛」強化で税金を空費し、一方対中国包囲網という虚言で自衛隊の「南西シフト」を強引に推し進めつつ同じく貴重な税金を空費するという、米国追従、軍需産業優先の軍事予算の聖城化、我が国の虚妄な軍事大国化かあらわになっていると断じざるを得ない。

 一方で来年度当初予算案では、軍事予算に5兆1911億円という連続する過去最高額を計上しながら、これまた引き続く社会保障費の自然増圧縮が行われ、1345億円削減。さらに第二次安倍政権発足以来顕著な「生活保護」世帯への攻撃がまたも行われ、生活の根本を担う「生活扶助費=生活費」は180億円削減、母子加算も2割カットで20億円削減される。本来国民生活の基本部分を保障するのが政府の責務であるにもかかわらず、それを放棄し、社会的弱者を狙い撃ちにするようにして、ただでさえ「アベノミクス」なる愚策により強いられている苦しい生活をさらに破壊させながら、それで浮いた税金で高額兵器を購入する現政権の卑劣な方針を私たちは絶対に許さない。

 最後に、「基地の街」から反戦・平和・反基地、武器輸出反対を訴え続けてきた私たちは、今回の補正予算と当初予算案に如実に現れている「安全保障」の名を借りた軍事優先、国民統制優先の施策が、安倍政権が目論む「憲法9条明文改憲」と緊密に結びついていることを、憤りをもって糾弾するものである。「日本国憲法」前文と9条に込められた崇高な「平和主義」の理念のもとに生きることへの自負と誇りをもって、私たちは平和のための闘いを担ってきた。このかけがえのない平和への希求が、軽佻浮薄、内実行無の安倍政権のもとで無惨に破壊されることなど断じて認めない。

・来年度予算の防衛費を徹底的に見直し、敵基地攻撃兵器を含む高額装備の購入費、軍事研究費等を削除すること。

・沖縄県民の民意と自治、人権を蹂躙して進められている辺野古新基地建設、先島の軍事要塞化を即刻中断すること。

・米軍再編と自衛隊再編による全国の基地機能の強化とそれに伴う周辺環境の悪
化を中止すること。

・日米同盟に加えて、日英、日仏、日豪と拡大を目論む軍事同盟強化を断念すること。

・わが国へのイージス・アショア導入計画を放棄し、「ミサイル防衛」からの撤退をすること。

・「特定秘密保護法」「安保法制」「共謀罪法」を廃止レ「9条明文改憲」を断念すること。

 2018年2月24日
大軍拡と基地強化にNO!アクション2017
2・24対防衛省中入行動参加者一同

「安全保障技術研究推進制度」参加の大学に軍事研究からの撤退を求める要望書


 現行の「防衛大綱」(2013年12月策定)の「研究開発」に「大学や研究機関との連携の充実」が明記されてから、4年が経過した。この間、2015年に「安全保障技術研究推進制度」が発足し、その予算額が3億円から6億円に、さらに昨年度は一気に110億円に増大し、本年度当初予算案においても101億円か計上されているところである。

 昨年末に、2017年度に「分担研究機関」として助成を受けた4大学名が明らかにされたが、今年になって、制度発足より4年間に「代表研究機関」に3大学、また6大学(研究課題7件)、5国立研究開発法人(6件)が分担研究機関として参加していることが判明している。

 周知の通り、「日本学術会議」は1950年、1967年と「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」「軍事目的のための科学研究を行わない」主旨の声明を発表し、戦前の学術と軍事との癒着を拒否する姿勢を示してきた。安倍政権の元で再び学術と軍事が接近させられようとしている中、『日本学術会議』は昨年3月これまでの「声明を継承する」主旨の声明を発表している。また、市民の間からも「軍産学複合体」拡大に抗する運動も展開されている。

 こうした背景から、結果的には一昨年、昨年度と大学からの同制度への応募は
横ばい状態となっており、明確に「応募しない」との態度を明確にする大学も増えてきている。しかし、そうした状況の中で、代表研究機関は企業、パートナーとしてともに研究を進める分担研究機関として大学が参加するというケースが2017年度に明確になってきたのである。

 具体的には「小規模研究課題」に東京農工大学、「大規模研究課題」に岡山大学、東海大学、東京工科大学、東京農工大学が参加することになっている。企業が前面に立つことで、軍産学複合体の実態を隠蔽し、大学等の参加を促す意図が見て取れる。

 国立大学の法人化以来、大学・研究機関は恒常的な研究資金不足に直面している。軍事など特定の目的に特化された資金投入は、学術全体の健全な発展に悪しき影響が及ぶことは必至である。また、明治以降日本の近代化の過程での「国力増強」の名の下に「官・産・軍・学共同」が連続する帝国主義的侵略戦争を牽引した歴史が、米トランプ政権との密接な関係を強引に追求する現政権の姿勢において形態を変えて再来するのではないかとの危惧も禁じざるを得ない。

 基地現地から日本の軍事大国化に抗し、真の平和実現のための活動を続けてき
た私たちは、2017年度委託を受けた4大学において、上述の日本近代史において大学が果たしてきた負の側面への反省から発せられた「日本学術会議」の3度にわたる「声明」の本旨に則り、委託の辞退を含む、軍事研究そのものからの撤退を強く求めるものである。

 2018年2月24日

大軍拡と基地強化にNO!アクション2017