26① 11月26日、「終わりにしよう天皇制 11・26大集会・デモ」(主催・実行委員会)が東京・千駄ヶ谷区民会館で行われ、180人が参加した。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の野望のために憲法9条改悪(憲法9条3項に自衛隊を位置づけ、戦力の不保持と交戦権を否定した憲法9条2項の空洞化をねらっている)、天皇代替わり(2018年)、東京五輪開催(2020年)を通して民衆統合を押しすすめながら実現することをねらっている。

2016年10月7日に政府は、明治150年を迎えて記念事業を実施すると発表し、『明治の日』を制定することも策動している。つまり、日本帝国主義と天皇制のアジア侵略の歴史と戦争犯罪を居直っていくために「明治150年」を煽り、11月3日の「文化の日」を「明治の日」への改称もねらい憲法改悪と連動させながら天皇の代替わりを演出しようとしているのだ。

 天皇明仁は、天皇制存続強化に向けて憲法違反が明白であるにもかかわらず「生前退位」を表明。それを受けて国会では与野党の天皇制翼賛国会を作り出しながら、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」を成立させた。11月22日、菅義偉官房長官は臨時の記者会見を行い天皇明仁の退位日の決定前に意見を聞く皇室会議を12月1日午前9時に宮内庁で開くと発表し、権威主義的に押し出した。政権は、天皇制攻撃の加速化に向けて天皇が退位する日程候補として2019年4月30日に退位し、皇太子が5月1日に新天皇に即位し、同日から新元号の施行を強行する案と年度が替わる19年3月31日に退位、4月1日に即位という案を検討していることをメディアにリークした。

それだけではない。メディアに対してわざわざその設定理由について「与野党が対決する統一地方選挙が19年4月にあることを考慮し、選挙後の静かな環境で皇位継承を行うことが望ましい」「3月末は、予算案を巡る国会審議が大詰めを迎える時期でもある。全国で異動に伴う転出入が多い」、「元号の切り替えに伴う官公庁のシステム変更と転居時期が重なることへの懸念もある」などと煽り立てる始末だ。メディアは、安倍政権与党のリークを垂れ流し、天皇制賛美の演出の任務貫徹へと踏み出した。

 安倍政権の改憲と天皇制攻撃の強化、それを支える「天皇制と暴力」事件が再び発生した。11月23日、陸上自衛隊立川駐屯地で行われた「防災航空祭」に抗議していた立川自衛隊監視テント村の宣伝カーが天皇主義右翼に襲撃され、フロントガラスやサイドミラー、ランプなどが破壊された。警察権力は、右翼の襲撃を放置していた。16年11月20日の吉祥寺で行われた「天皇制いらないデモ」も右翼の襲撃によって宣伝カーが破壊されたが、今回の襲撃も明らかに右翼と警察・公安政治警察が一体となった反天皇制運動に対する暴力破壊である。立川自衛隊監視テント村は、ただちに「抗議声明とカンパのお願い」を出し、宣伝カーを修理して本日の闘争に参加した。

 改憲と天皇代替わり情勢に対して真正面と対決し、同時に警察権力と天皇主義右翼の一体化と暴力発動を跳ね返していくスタートとして、本日の集会とデモが行われた。安倍政権打倒と天皇制廃止に向けた陣形を強化していこう。

 集会は、主催者あいさつから始まり、会場周辺の機動隊・公安政治警察による重弾圧体制を厳しく抗議した。また、11月23日の立川自衛隊監視テント村の宣伝カーが天皇主義右翼に襲撃されたことを報告。参加者全体で国家権力と天皇主義右翼を糾弾した。

 横田耕一さん(憲法学)のビデオインタビュー(10月26日、福岡・海づくり大会抗議闘争に参加した仲間がインタビュー)が上映され、「憲法と生前退位」をテーマに語った。横田さんは、8・8の明仁ビデオメッセージで「生前退位」法成立へと主導していったことを明確に違憲だと批判した。そのうえで「天皇制は廃止すべきだ。そのために個人を尊重する人権を徹底することだ。人権を侵害を行っている天皇制を具体的に批判し、国民にアプローチしていくべきだろう」と強調した。

 吉澤文寿さん(朝鮮現代史)は、「植民地責任と象徴天皇制―朝鮮を事例として―」をテーマに①日本帝国主義と朝鮮植民地化・植民地支配②「アメリカ」がビルトインされた象徴天皇制③継続する植民地主義をどう克服するかを掘り下げた。

 吉澤さんは、「明治維新以降の日本帝国主義は、天皇制の下で植民地侵略支配し、多くの人民を苦しめた。アメリカもまた日本の植民地主義を容認し、アジア・太平洋戦争後には象徴天皇制を軸とする日本の形成に大きな役割を果たしてきた。その下で日本の植民地責任があいまい化された。日本の植民地責任とアメリカの覇権主義をともに批判していくことが重要だ。そのプロセスにおいて朝鮮を忘れないことだ」とまとめた。

 立川自衛隊監視テント村は、11・23右翼による宣伝カー襲撃を報告し、カンパを訴えた。

 さらに集会は、天皇制に抗議する仲間に対する公安政治警察の人権侵害を糾弾する映像報告、天皇代替わりと新元号をめぐる反天皇制コント、だまっとられん!、立川ハローワークの雇い止め裁判、大分・天皇問題を考える市民ネットワーク、兵庫・反天の会、大阪・反戦反天皇労働者ネットワーク、静岡・天皇制を考える会が発言した。

 最後に集会アピールを参加者全体で確認し、デモに移り、渋谷一帯にわたって「天皇制はいらない!」のシュプレヒコールを響かせた。


(Y) 
 

=立川テント村宣伝カーへの右翼の襲撃を許さない=
抗議声明とカンパのお願い


宣伝カー破壊●右翼による襲撃で破壊されたテント村の宣伝カー

 11月23日、陸上自衛隊立川駐屯地で開催された「防災航空祭」に抗議する例年の情宣活動を行ないました。ここ数年、わたしたちを攻撃するために複数の右翼団体が登場していましたが、今年の攻撃は特別に激しいものでした。何台もの街宣車でテント村の宣伝カーを取り囲んで進路をふさぎ、大音響で「国賊!」と叫び続けて反戦の呼びかけを妨害したり、サイドミラーを割ったりという暴力行為を続けました。

 さらに行動終了後、駐車場へ撤収中の宣伝カーを路上で街宣車が取り囲み、7~8名の右翼が1時間にわたって宣伝カーを叩く、蹴る、ものを使ってガラスを割るなどの乱暴をはたらきました。また車内の運転手に対し、民族差別やセクハラを含む激しい罵声を浴びせ続けました。

 右翼対策員と思われる10名ほどの私服公安警官は暴力行為の当初から周囲にたむろしていましたが、一向に暴力を止めることなく、宣伝カーの破壊を放置しました。途中から到着した10名ほどの立川署警備課の制服警官も、なにやら公安と打合せをしたり、他の車の通行を確保するための交通整理をするばかりで、目の前で繰り広げられる破壊行為に対して手出しをしようとしませんでした。

 暴力行為がはじまって1時間後、ようやく警官が街宣車に移動を促し、宣伝カーは移動することができました。

●「終わりにしよう天皇制11・26大集会」への大結集を!カンパを!

 被害は、フロントガラス、サイドミラー、前後のランプ、フロントグリル、鍵穴・ワイパーの破損など全体に及んでいます。ボディは数十回蹴りつけられて変形し、走ることはできますが内部の損傷なども心配です。車を破壊した右翼はもとより、暴力を放置した警察に対する怒りも禁じえません。

 この攻撃は、立川駐屯地祭への抗議行動を潰すために行われたものであると同時に、直後の11月26日に予定されている「終わりにしよう天皇制 大集会・デモ」への事前攻撃であることは明白です。襲撃にきた右翼からは、「26日はこんなもんじゃねえぞ」とか、「去年今年とよく壊れる車だなあ」などの発言もありました。昨年11月20日に吉祥寺で行われた「天皇制いらないデモ」でもテント村の宣伝カーが襲撃・破壊されましたが、一連の「平成代替わり反対闘争」でこの宣伝カーが果たしている役割を念頭においての襲撃です。

 暴力を使って基地反対や天皇制反対の声を封じ込めようとする右翼団体、襲撃を黙認することで運動つぶしをはかる警察を許すことはできません。「終わりにしよう天皇制 大集会・デモ」への大結集を訴えるとともに、修理費や買い替えも視野にいれたテント村へのカンパをよろしくお願いします!

2017年11月24日

立川自衛隊監視テント村
立川市富士見町2-12-10-504 042-525-9036 tento72@yahoo.co.jp

カンパ振込先⇒郵便振替00190-2-560928(口座名「立川自衛隊監視テント村」)