配信:ヤスクニ「東アジアの視点から『明治維新150年』とヤスク二を問い直す」

 8月12日、「平和の灯を!ヤスクニの闇へ 2017キャンドル行動「東アジアの視点から『明治維新150年』とヤスク二を問い直す」(主宰:実行委員会)が在日本韓国YMCAスペースYで行われ、300人が参加した。

 キャンドル行動実は、2006年、小泉純一郎政権による戦争ができる国作りに抗して、「①靖国神社の歴史認識が、再び戦争のできる国へと右旋回する日本の現状と直結している。 ②韓国・台湾・沖縄・日本の遺族に断りもなく合祀していることは許さない。 ③首相の靖国参拝は憲法が定めた政教分離原則に違反する。 ④これらの点を『ヤスクニの闇』として切り結ぶ共同行動に取り組む」ことを確認し、シンポジウムとデモを行ってきた。今回で12回目だ。安倍政権は、改憲とグローバル派兵国家建設の野望のために「明治維新150年と」天皇代替わり(2018年)、東京五輪開催(2020年)を通した民衆統合を押しすすめながら実現することをねらっている。東アジアの軍事的緊張が強まるなか「グローバリゼーション」後のアジア─日本のあり様、関係構築の方向を探っていこうと設定した。

 開会のあいさつが今村嗣夫さん(弁護士)から行われ、「国家から『ひとりで放ってもらう権利』」をテーマにして、共謀罪制定批判、自衛官「合祀」拒否訴訟の教訓を紹介しながら「トランプ政権発足を『奇禍』として『自主国防』の強化を図り、ヤスクニとの結びつきを強め、市民の私生活、家族、住居、若しくは通信に対する干渉を強める『国家』に、とことん抵抗するキャンドル行動を、今年も力強く進めましょう」と呼びかけた。

 シンポジウムは、原武史さん(放送大学教授)、南相九さん(韓国・東北アジア歴史財団研究員)、高橋哲哉さん(東京大学教授)から問題提起が行われた。

 原さんは、「天皇の代替わりと『明治150年』」を取り上げ、「2018年は『明治150年』とも重なる。天皇の代替わりと、安倍政権が進めようとする明治を称えるキャンペーンが重なることになる。この点に関して思い出されるべきは、大正から昭和への代替わりである。政府は、国民に大正天皇を忘却させ、昭和天皇を『大帝』と呼ばれた明治天皇の再来として称えるためのキャンペーンを始める。民間にも明治天皇を称える動きが出てくる。今回の代替わりは明治以来の皇室典範で認められてこなかった退位によるという点で大正から昭和への代替わりはと異なるが、少なくとも天皇明仁は大正天皇を意識している。1921年の皇太子裕仁の摂政就任に言及しているからだ」と述べた。

 さらに「安倍政権にとって天皇明仁が退位することは都合がよい面がある。『明治150年』を煽り、11月3日の『文化の日』を、『明治の日』に改称させることができれば、平成は忘却され、徳仁は明治天皇の再来として認識されるかもしれないからである。昭和初期に秩父宮に対抗して昭和天皇を『神』として演出させる試みがなされたように、『皇嗣』と呼ばれるようになる秋篠宮文仁に対抗して、徳仁を天皇として演出するための新たな試みが始まる可能性がある。天皇の代替わりと憲法改正が連動する可能性もあることに留意すべきだろう」と強調した。

 南さんは、「『東洋平和』確立の視点からみた日本─安倍総理の歴史認識」をテーマにつぎのように提起した。

 「『東洋平和』といえば、浮かび上がるのは、1909年ハルビンで東洋の平和を惑わしたという罪を問い、伊藤博文を射殺した安重根の『東洋平和論』です。今日この場所とも関連がある1919年の『2・8独立宣言書』と『3・1独立宣言書』です。東洋平和は、韓国が独立しなければならない正当性の根源です。韓国が独立してこそ、東洋平和も維持されることができて、それが世界の平和と人類の幸福につながることができるという論理です。韓国は、日本の『積極的平和主義』に対して疑問を持っています。自衛隊は旧日本軍の連続というイメージが浮かび上がっていますが、安倍総理の『積極的平和主義』が、過去において『東洋平和』を掲げ、隣国を侵略した日本のイメージを払拭させられずにいることを見せてくれます」。

 「去年の10月7日に日本政府は、明治150年を迎えて記念事業を実施すると発表し、『明治の日』を制定する案も議論されている。これらは明治が成功した歴史、誇らしい歴史であることを前提にしている。明治を明治の当時そのままで記憶する施設が、靖国神社だ。『靖国神社忠魂史』は、日本軍により虐殺された義兵を『匪徒』や『賊』と規定し、その抗争を『暴動』であり、『駆逐』すべき対象として評価しています。義兵によって殺された者を『匪徒討伐作戦の犠牲者』として称えています。靖国神社の思想と記憶は、今でも続いていますが、『第2次世界大戦後の各国独立』という展示を見ると、独立した国家の中で韓国と台湾は抜けています」と批判した。

 高橋さんは、冒頭、朝鮮半島の軍事的緊張に対して「朝鮮民主主義人民共和国と米国の間で激しい軍事的威嚇の応酬が行われている。安倍政権は米国に追随する態度を日々見せている。戦争の危機がかつてなく高まっている。戦端を開くことに断固反対であることを皆さんとともに確認したい」と呼びかけた。

 高橋さんは、①安倍首相が尊敬する吉田松陰の『尊皇愛国』『幽囚録』の侵略と植民主義②道徳の教科化による「修身教育」の導入③佐藤優(作家)の「日本国家の神髄」で「教育勅語」と天皇制賛美を紹介し、「これが明治150年の現実だ。植民地帝国を築いた戦前の歴史、それを反省できない戦後の日本だ。靖国は、それに対応し続けている。韓国の方の合祀取り下げの要求に一切応ぜず、植民地主義を貫き通している」と糾弾した。

 関千枝子さん(安倍靖国参拝違憲訴訟・原告)、韓国の董定男さんから遺族証言。

 特別アピールが、戦争をさせない1000人委員会、沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動、強制動員真相究明ネットワークから行われた。

 コンサートに移り、寿[kotobuki]、ソン・ピョンフイさん、イ・ジョンヨルさんが熱唱。

 最後に李熙子さん(反靖国共同行動・韓国委員会共同)が閉会あいさつ。

 集会終了後、靖国神社に向けてキャンドルデモが行われた。

(Y)