20170603ten

 

 63日、井の頭公園・三角広場で「─皇族解散!「人間」にかえれ!─6・3帰ってきた天皇制いらないデモ」(主催:6・3天皇制いらないデモ実行委員会)

が行われ、220人が参加した。


 62日、天皇制延命強化に向けた「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」が衆議院本会議で自民、公明、維新、民進、共産、社民党などの賛成で通過した。自由党は棄権した。実質的に天皇翼賛国会状態だ。すでに安倍首相は、天皇代替わり、東京五輪開催を契機に2020年を改憲達成の年と設定している。天皇賛美挙国一致を煽りながらグローバル派兵国家建設を押し進めようとしている。


 実行委は、天皇のビデオメッセージをはじめ憲法違反行為を繰り返しを糾弾し、与野党の「退位容認」「天皇制維持」を許さず、断固として天皇制廃止は街頭で訴えるていくことを呼びかけてきた。昨年1120日に行なった「天皇制いらないデモ」に対して反天皇制運動を弾圧するために国家権力と天皇主義右翼が一体となって攻撃してきた。自治体も市民メールでデモ注意をまき散らし、マスコミは追認した。「天皇制の壁を突破して初めて、私たちは自由や平等を語ることができるはずです」と掲げ、集会が行われた。

 

 実行委から開催あいさつが行われ、「昨年1120日のデモは、右翼が襲撃してきた。警察は、それを野放しだ。右翼に汚いことをさせ、警察が見守っていた。自治体は大きなデモがあるから吉祥寺に行くなと商店街、学校に触れ回った。天皇制に反対するデモに対する攻撃は、さらに宣伝カーのフロントガラス破壊、横断幕、マイクの窃盗、けが人も出た。この暴挙に対してカンパを呼びかけたら130万円集まった。抗議声明には600人以上も賛同してくれた。天皇は国民のことを考えていると言っているが、実際は自分のことしか考えていない。退位特例法に反対する国会議員もいなく、一部は右翼的に反対するだけだ。天皇制はいらないとデモでアピールしていこう」と呼びかけた。


 天野誠一郎さん(国立市民)は、「障がい者と天皇制」について発言し、「天皇制は日本人純血主義、優生思想と結び付いている。障がい者は抹殺され、排除されていく。障がい者として地域に根ざし、生活など身近なところから天皇制反対を訴えいきたい」と発言。


 大分から駆けつけた島田雅美さん(天皇問題を考える市民ネットワーク)は、「大分は皇害だらけだ。だが戦争責任を取らず昭和天皇が死んだ時は、赤飯を炊いて、みんなで乾杯をした。2008年の国体の時も天皇制反対をアピールしたが、ついに公安が家の裏に住み着いてしまった。国会は体制翼賛会と同じだ。一人でも天皇制反対運動を続けていく」と報告した。


 さらに岡田健一郎さん(高知大学・憲法学)、寿支援者交流会、田中聡史さん(「日の丸・君が代」反対被処分者)、直接行動(Direct Action)から各現場報告と闘う決意が表明された。


 鵜飼哲さん(大学教員)は、「天皇制に反対していくことは、公然と街頭でデモンストレーションしていくことだ。かつて野坂昭如は、『天皇制は日本人のいやしさの鏡である』で批判した。民衆に植え付けられたこの意識を変えていかなければならない。安倍首相は、2020年に改憲をやると言っている。このプログラムに天皇代替わり、東京オリンピックが組み込まれている。天皇制を批判できない運動は、これから数年間の運動を闘いぬけないだろう」と強調した。


 最後に「天皇制はいらない!天皇制は差別の象徴だ!退位なら廃止しろ!翼賛国会反対!天皇制がなくても全然平気だぞ!」とシュプレヒコールを行い、吉祥寺デモに移り、街一帯にわたって反天皇制をアピールした。

 

 なお国家権力は、大量の機動隊・公安政治警察を配置し、デモに対する威嚇、不当な規制を行ってきた。天皇主義右翼も歩道でいやがらせを繰り返してきたが、仲間たちは挑発に乗らず毅然とデモを貫徹した。

 昨年1120日のデモを襲撃した「菊水国防連合」11人を公安政治警察は、五月三一日、暴力行為等処罰法違反容疑で書類送検したことを明らかにした。権力は、6・3反天デモ対策として右翼に対してアリバイ的に「統制」のポーズを行ったにすぎない。権力と右翼が一体になった反天皇制運動の破壊を許さない!(Y)