4.15 アジア連帯講座:公開講座

トランプ政権と安倍政権を批判する―東アジアの反資本主義左翼の展望


問題提起:国富建治さん(新時代社)

日時:4月15日(土)/午後6時30分
会場:文京区民センター3C会議室[東京メトロ丸ノ内線・後楽園駅 都営地下鉄
三田線・春日駅]
        資料代:500円
主催:アジア連帯講座
  東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付 TEL:03-3372-9401 FAX:
03-3372-9402
       ブログ「虹とモンスーン」 http://monsoon.doorblog.jp/

 トランプ米大統領は、「アメリカ・ファースト」を繰り返し、メキシコ国境の壁建設など移民取り締まり強化の大統領令を乱発し、ナショナリズムと排外主義を煽り立てています。政権人事は、混乱が続き未確定の部分も多くありますが基本的に「軍人とCEO(経営最高責任者)」らで打ち固めました。これは新自由主的グローバル資本主義世界システムの長期にわたる行き詰まり状況下、グローバルヘゲモニーの崩壊過程から逃れられないあせりに満ちたアメリカ帝国主義の政治的現れです。

 トランプ政権批判を入口にしながら現在の世界情勢との関連をどのように分析していけばいいのでしょうか。

簡単にスケッチすれば、

①グローバルな資本主義的政治・経済統合の構造的危機と旧来の帝国主義による「国民統合」の衰退と分解

②イギリスのEU離脱とEU体制の危機

③旧来の「左翼」ならびに労働者運動の衰退とレイシスト的・ファシスト的政治勢力の制度圏政治での急成長

④ロシアのクリミア併合、中国による南シナ海での領土拡張主義とトランプ政権との綱引き

⑤韓国政権の不安定化と北朝鮮・金正恩体制の強権化

⑥フィリピン・ドゥテルテ政権と挙国一致再編

⑥ムスリム世界でのIS(イスラム国)に示されるジハーディスト・テロリズムの噴出、アフリカ諸国での国家的機能の事実上の崩壊と終わりのない「内戦」、欧州への難民の波⑦世界の民衆運動の可能性の始まり―と要約することができます。私たちは、グローバル資本主義の危機と国際流動化に抗して、いかに立ち向かっていくのか論議を進めていく必要があります。

 安倍政権も世界的不安定要因から逃れることはできず、延命のためにグローバル派兵国家作りと憲法改悪にひた走っています。通常国会での安倍首相の施政方針演説は、「国づくり」をキーワードにして天皇「代替わり」を組み込んだ改憲プログラムを2020年に向けて発動する宣言でした。また、「アベノミクス」の破綻を直視せず、「貧困と格差」拡大を助長し、資本のための「1億総活躍」「働き方改革」政策と労働法改悪を民衆に押し付け、「テロ対策」と称して現代版治安維持法の「共謀罪」(テロ等準備罪)の制定を表明しました。

 民衆運動の方向性は明白です。トランプ政権下、安倍政権と対決する沖縄・「本土」米軍基地撤去・辺野古新基地・高江ヘリパッド建設阻止の闘い、福島の被災者を支え原発再稼働を阻止する運動、天皇制廃止運動、2020年東京五輪に異議を突きつける運動、人権侵害と反貧困運動などを通して憲法改悪阻止・安倍政権打倒の展望を探っていこうと思います。

 このような問題意識を土台にしながら国富建治さんから問題提起を受け、共に論議しましょう。労働者民衆のインターナショナルなスクラムを実践的に構築しながら闘いの戦略と方針のねりあげに向けて共にチャレンジしていきましょう。