配信:加瀬さん加瀬勉さんから国、空港会社、行政等に対する抗議文が届きましたので配信します。

「抗議文 加瀬勉」について

 11月6日、千葉県多古町の牛尾共同利用施設で「成田空港の機能強化に関する地区説明会」が開催された。

 成田空港会社は、9月27日、空港機能の強化と称して住民の生活破壊に直結する「第3滑走路の配置」、「空港敷地の範囲」、「夜間飛行制限の見直し」(午後11時~午前6時から午前1時~5時の短縮)、「予測騒音コンター」等を成田空港に関する四者協議会(成田空港の周辺9市町と国土交通省、千葉県、成田国際空港会社)に提示した。夏目誠空港会社社長は、騒音被害が大きいと予想される地域を対象に地区単位で説明会を実施すると表明していた。その一環として行われたのが牛尾地区説明会であった。

 牛尾地区の住民である加瀬勉さん(三里塚大地共有委員会代表)は、空港会社が押し進める「成田空港の機能強化」に対して断固として抗議し、以下のような抗議文を明らかにした。皆さんにFAX、データ配信します。各メディア掲載は許可が出ています。(Y)


加瀬勉さんの抗議文

 お前たちは犯罪者

 成田空港の建設は国家犯罪の積み重ねの上に建設されたものである。お前たちは加害者であり犯罪者であり犯人なのである。

 人面獣心

 強権を突如発動しあらゆる者を奪い尽した。我々の闘争抵抗で強権が通らないと知るや、今度は「丁寧に説明する」「結論は急がない」と町村単位、地区単位、集落単位で説明会を開いている。鉄棒を振るっても鬼は鬼、笑っていても鬼に変わりない。「夜間飛行の制限緩和」「50万回増便」「第三滑走路建設」「騒音対策」に「ご理解をいただきました」この口実、既成事実をつくるための説明会ではないか。そこに並んでいる鬼ども、人間の皮をかぶった鬼ども衣の下に鎧が見える。我々は断じて、いかなる空港の機能拡大に断固反対する。

 殺人鬼

 「国策に反対するものは日本人ではない」「日本から出て行け」「空港に反対する奴は何人殺してもよい。お上からの指示である」。俺たちはあらゆる迫害を受け、多くの人が殺されていった。その事実をこの目で見つめ、体験してきた。いかにお前たちに殺されたか、殺されるような弾圧と迫害を受けてすべてを奪われたか。真実を語るから聞け犯罪人ども、空港機能拡大のペーパープランを撤回せよ。再び地域に大混乱を起こし、我々を殺して空港を拡大してゆくのか。人間の命を超える大義などこの世に存在しない。

 人間の良心の破壊

 「空港(株)、うつ向いていないで立って聞け」。お前のところの黒野(元空港株式社長、最高顧問)は、突如、三里塚東峰神社の御神木を無断で切り倒した。集落の鎮守、初詣、結婚の報告、出産の宮参り、七・五・三の宮参り・成人の宮参り、秋の収穫祭り。日常は神聖な場所として清掃してきた。御神木の一枝も折るものもない。集落の守り神として信仰の対象にしてきた。御神木を無断に伐採したことは、憲法で保障されている思想、信条の自由にたいする重大な人権侵害である。黒野は東峰集落住民に謝罪文を提出したが空港機能拡大の講演会を開催して歩いている。「黒野、人間として恥じを知れ」。

 国土航空局

 空港(株)の黒野が東峰神社の御神木を伐採する重大な過ちを犯した。監督官庁の航空局はどのように指導し注意したのか。答えてみろ。なぜ黙っているのだ。答えられまい、真実は、航空局が指示し切らせたのであろう。真犯人は黒野でなく、航空局お前であろう。

 一般社会では刑事事件である。なぜ刑事事件にならないのか。なぜそれが隠蔽されるのか。空港建設が国家犯罪であるからである。

 闘病生活

 私の集落では一戸一名の割合で病人がいる。ある者は通院し、ある者は福祉施設へ、ある者は自宅で療養生活を送っている。この人々にとって絶対必要なものは騒音のない静かな環境である。この人たちを騒音被害で苦しめ、さらに騒音地獄におとしいれ、立ち退きを要求するとはなにごとか。人権蹂躙である。人間の命をちじめる空港機能拡張計画を撤回せよ。

 振興政策

 隣の家と軒先を並べていながら騒音a地区、b地区に分断され、同じく軒を並べていながら、騒音b地区と騒音区域外に分断されている。騒音被害は同じだが、測定線引きによって分断された。集落内に被害とともに差別をなぜ持ち込んだのだ。子どもたちが独立し、結婚し、屋敷内に住宅を建てローンを組んで生活している。46年度以降新築した家には防音工事補助は出ない。防音の工事の補助は、家族構成割りであり、家の建ぺい面積にしたがってだされていない。集落の一戸の家族構成は平均3人である。工事費足りない。被害を受けている我々が不足分を出している。加害者の空港(株)のお前たちの会社が黒字で儲かっていて被害者の我々がなぜ工事費の不足分を出さなくてはならないのか。

 夜間飛行制限緩和

 夜間飛行緩和断固反対。24時間稼働絶対に許さない。騒音の30デシベル(音の高さ)の特殊な防音装置の寝室を作ると説明しているが、密封した金庫みたいな部屋になぜ我々は寝なければならないのか。高温多湿の日本の風土は開放的な家屋でなければならない。牢屋のような中に我々を封じ込めるとはなにごとか。

 立ち退き

 第三滑走路10年後、50万回増便30年後、騒音被害立ち退き区域からになるから村を出ていってくれ。「ふざけるなこの野郎」、お前たちのためになぜ俺たち住民が運命を変えなければならないのか。縄文、弥生有史以前から生活している場所を離れなければならないのか。お前たちの最高幹部は天下って高額な退職金を二度、三度もらって、宮遣いのお前たちも、やがて定年退職してゆくだろう。いや来年にも職場の配置転換で空港問題の係から離れるかもしれない。俺たちは子々孫々、永久に騒音地獄の中で生活してゆかねばならない。

なん人も人の運命に介入干渉する権利は有していない。我々の財産権、居住権、職業選択の自由、健康で文化的な生活を等しくおくる権利等の基本的権利人間の良心の世界になぜ行政権力をもって介入して来るのだ。三里塚の悲劇を再び作り出す夜間飛行制限緩和、50万回増便、第三滑走路建設計画を撤回せよ。

 重い経済負担

 防音工事個人負担は、当初、空港公団の統計では一戸当たり100万円支出されたと言われている。では、空港関連振興策の集落排水(下水・トイレ)の宅地内工事は最高個人負担260万円、最低30万円、平均50万円から60万円負担している。成田用水事業はどうだ、米価核が安く10a当たり10万円ぐらいしかならない。生産費は10a当たり全国平均で13万円である。年金、農外収入で組合費、賦課金を収めている。防音工事、集落排水、成田用水、空港関連振興策の経済負担は俺たちに重くのしかかつている。騒音被害で苦しみ、加えて経済負担で苦しんでいる。

空港(株)は黒字、お前たちも月給をもらってのうのうと生活している。なぜ俺たちが犠牲にならなければならないのか。

 騒音対策

 空港機能拡大とは騒音の被害を拡大し深刻化させることである。どんなに金をかけても木造家屋では騒音被害は防ぐこととができない。芝山相川、多古菅澤、横芝光伊藤の首長は空港交付金が成田市ばかり優遇されていて我々は少ない額であるといっている。交付金が増額され道路、箱物を作っても騒音の被害はなくならない。私の集落に騒音迷惑料が年間70万円来ている。騒音被害が増大し、被害が深刻化すれば、迷惑料もそれに従って増額されるだろう。でも、「金をやるから我慢しろ」では騒音の被害はなくならない。我々の我慢にも限度がある。必ず爆発する。お前たちにそのことを警告しておく。

 世界の流れに逆行

 「空港と地域との共生」とんでもない、「自然と人間の共生」これが我々の理念である。日本有数の北総台地の畑作農業を破壊し、北は茨城水郷稲作地帯、南は九十九里稲作平野の自然を騒音地獄にし、我々の生活に被害を与える。増便によって飛行機の排ガスをまき散らす。環境問題は地球温暖化に象徴されるように人類生存の危機をはらんでいる。京都議定書から最近のパリ―協定の枠組みまで、それでも地球の温度は3度上昇するといわれている。世界航空業界の総会でも2%の二酸化炭素の削減を議決している。空港機能の拡大は、この世界の流れに逆行するものであり、我々の未来に対する挑戦にほかならない。

 菅澤多古町長辞任せよ

 お前は町長をやめろ。何時から航空局と成田(株)の手先、提灯持ちになったのか。航空局に雇ってもらって霞が関の合同庁舎の玄関の掃除。空港(株)の窓ふき、掃除夫になればよい。空港で犠牲になり、騒音で苦しんでいる町民をしり目に、空港機能拡大四者協(成田、芝山、多古、横芝光の首長)の中で積極的に発言している。町民を犠牲にする町長など紙くずより価値がない。友納、川上千葉県知事、藤倉成田市長、寺内、手島芝山町長の誤り過失を、再び犯しているからである。町長をやめて、多古町の道路の端に散乱しているごみでも拾って歩け、町民のためになるし、社会や人類に貢献することができる。

 農民の作ったもの食うな

 お前ら今朝の食事何食ってきた。農民の作ったものを食ってきたであろう。毎日農民の作った米や野菜を食べて生き命を養っているだろう。農民の土地を奪い、農民を追い出し、農民を弾圧し、暴行し監獄に入れ、村を廃墟にした。そんなお前らに農民の汗水流して作った食料を食う資格はないのだ。滑走路と空港ビルディングのコンクリートをかじっていろ。それでは生きていることはできまい。農民の作った食糧によってお前らは生きているのだ。その農民を迫害して殺して空港を作ってきたのだ。現在の2500mの滑走路をさらに延長し新たに3500mの滑走路を新設する。その用地は1000ヘクタールを必要とする。米の政策で農民を苦境に陥れる。日本農業を衰退させる。そして農民から空港建設の土地を奪ってゆく。一寸もお前たちには渡さぬ。身命をかけて絶対に阻止する。

 航空政策の混迷

 「国策に反対するお前らは国賊である」「国策に反対するお前らは日本人ではない」「国賊は日本から出て行け」「空港に反対する奴らは何人殺してもよい。お上(政府)から命令されている」、お前たちはその言葉を実行して空港を建設してきた。「アジアに一つのハブ空港、それが成田」とお前らは言ってきた。韓国仁川、中国北京、上海に、フィリピンのマニラに巨大空港が建設されて、お前たちの思惑は外れた。

 国際線の発着は成田のみから、羽田、中部、関空へ、そして全国の地方空港への国際線の乗り入れ、これもお前たちの言ってきたことと違う結果になった。超音速機、音速の3倍の飛行機コンコルドがフランスで開発された。ソ連でもツボレスTU137型機が開発された。膨大な開発費、衝撃波の発生する騒音被害等で開発は中止されて姿を消した。今や、小型の格安飛行機が主力になる勢いである。お前たちの航空政策は、見通しはみんな外れた。

 だが俺たちは耐えがたき犠牲を背負わされた。お前たちは一人として政治責任はとってはいない。霞が関合同庁舎航空局に群がる学識経験者が、成田空港の機能拡大のプランを作成した。50万回発着は早くても15年後、遅くて30年後、なんの見通しもないペーパープランを出して再び地域を混乱させ悲劇を再発させようとするとはなにごとか。撤回せよ。

 戦後最大の失敗

 「成田空港の建設は戦後最大の失敗」だ。これは私の言葉ではない。私は、日本財界の要請によってその代表と会談した。経団連会長の桜田武、柳井日本商工会議所会頭、日本財界の実力者中山泰平、日本鋼管の社長、それに、元警視総監の秦野章である。

 桜田が「成田の内陸に空港を建設したことは、戦後自民党政策の中で最大の失敗であった。財界は海上空港を主張していたが、佐藤総理が我々の意見を聞かなかった。だからこんなことになってしまった。成田は4000m滑走路一本、貨物空港で事態を収拾したい」。

 私は成田空港の建設を放棄してほしいと要求した。

 秦野は「関東管区、中部管区の警官隊を総動員したが警視庁成田で破れたり。ジャングルの中にビルを建てて周りから攻撃されているようなものである。とても守れ切れない。日本の警察は15000人毎日動員して10日しか持たない。警察行政が麻痺してしまう。成田の事態を収拾したい」。

 私は闘争を継続すると秦野に言った。

 空港機能を拡大すれば住民の犠牲は深刻になる。内陸空港成田が背負った悲劇の運命である。航空局官僚とその手先の首長の亡者どもが悲劇の空港に取りすがっている。

 悪魔

 そこに座っている航空局の悪魔、空港(株)の悪魔、千葉県空港対策課の悪魔ども、悪魔はその魔力を失う時がある。それは鏡に映ったあまりにも醜い自分の姿を見たときである。鏡とは人民の、民衆の姿である。三里塚シンポで政府に行き過ぎがあったと謝罪した。村山総理も親書で謝罪した。黒野も東峰住民に謝罪文を提出した。千葉県当局も大木よねさんに強制代執行をかけたことに謝罪した。

 謝罪とは罪を償い、2度と過ちを繰り返さないことを誓い努力決意することである。反省するどころか新たな機能拡大のプランを出してくるのだ。三里塚シンポで強制代執行はやらないと合意しておきながら、空港(株)の社長夏目は、天神峰の市東さんの土地を強権発動して明け渡してもらおうと言明している。謝罪、反省とは人間の良心にもとずいて行うものである。
 謝罪、反省を方便としか考えていないそこに座っている悪魔ども、お前たちに
将来、未来を語る資格はない。

 人間の尊厳

 強制代執行時に俺は大木よねさんと生活を共にしていた。朝夕毎日、機動隊とガードマンが巡回にやってくる。そして、よねさんに「婆、出て行け」「糞婆、まだ生きていたのか」「婆あ、早く死ね」等あらゆる暴言、差別言葉を浴びせて行く。

 ある日、我慢が切れたよねさんが着物の裾をまくり性器をあらわにして、「そんなにこの婆が憎いなら、この股の穴に警棒を突っ込んで殺せ、この穴からお前たちも生まれたのだ」と機動隊に抗議した。さすがの機動隊も黙って帰っていった。

 お前たちにも母親がいるだろう。妻もいるだろう。可愛い娘もいるだろう。それが大木よねさんのような迫害を受けたらなんとする。「航空局答えてみろ」「空港(株)答えてみろ」「千葉県答えてみろ」「答えろと言っているんだ。なぜ黙っているのだ」。

 お前らが人間の尊厳を冒涜している事実をこの目で見、体験し、知った。この事実から目をそらし、知らんふりして素通りすることは、人間として許されることではない。知っているのに知らんふりをすることは鬼どものお前らよりさらに畜生道の地獄に落ちることになる。人間として生きたいから五五年の歳月を駆けて、お前たち国家と対決しているのだ。

 人類の敵

 空港(株)の共生委員会、空港と地域の共生、我々は違う、自然と人間の共生共存だ。空港ビル、滑走路、騒音地獄との共栄共存ありえない。

 空港の機能が拡大されれば土地は奪われ、自然は破壊され、騒音地獄は深刻化する。空港と地域の和解、共存など永久にありえない。我々は自然と人間の共栄、共存なのだ。人間のコンクリートと騒音地獄との共栄共存などありえない。地球温暖化に見られるように環境問題は人類の生存の危機として直面してきている。京都議定書に始まってパリ協定の枠組みを各国が完全に実施しても地球の温度は3℃上昇するといわれている。特にサンゴ礁の島国は水没の危険にさらされている。環境破壊による地球難民が発生している。空港機能を拡大してジェット機の油を北は茨城水郷穀物地帯、南は千葉県九十九里平野全体にまき散らす、そして騒音地獄の深刻な拡大。人類の生存をかけて環境保全に努力しているのに、お前たちは環境破壊をさらに深刻化させてゆく。お前たちは人間の敵なのである。歴史の流れに反逆する人類の敵である。天罰、歴史の裁きを必ず受けるであろう。首を洗って待っていろ。

 殺人鬼ども

 昨年、三ノ宮静枝さんが亡くなった。静枝さんは「空港が憎い」といって自ら命を絶った三ノ宮文雄君の母親である。首にロープをかけ、裏山の産土神社の境内の椎の木に縊死していた。俺は、仲間とともに文雄君を樹からおろし首のロープを取って、文雄君の家に連れ帰った。息子の死を見た一瞬「ギャー」と悲鳴を上げて静枝さんは昏倒し意識を失った。お前たちは文雄君の命を奪った人殺しなのだ。

 駒井野強制代執行の時は、婦人行動隊が砦の杭に鎖で身体を縛り付けて抗議した。杭と婦人行動隊をワイヤーロープで縛り付け、ブルドーザーで引き抜き、立ち木に登っているのに切り倒し、チェンソーを始動させ襲い掛かり、鳶口を振るって暴行を加えてきた。逮捕者800名、重傷者42名。北原事務局長の高校生ノ娘さんは、ガソリンを頭からかぶって抗議の自殺をしようとした。三里塚の宮本由美子さんは、「朝死んで帰ります」と両親に頭を下げ、1日の闘争が終って自宅に帰ってきて、「死なずに帰ってきて申し訳ありませんでした」と両親に頭を下げた。由美子さんは、小学校六年生であった。東山君は機動隊のガス銃で射殺され、刑務所から出てきた原君は拘禁症で自ら命を絶った。新山君は全身火傷で死んでいった。殺人鬼ども、人殺しども、人間の命と空港のどっちが大切か答えてみろ。黙ってうつ向いていないで答えてみろ。答えられまい。

 岩山の秋葉君は電車に飛び込んで自殺を図った。上野駅地下道で生活していた。移転したが悩んで自殺した女性、補償金の配分で親族で争いができ、新築した家に放火して自殺を図ろうとした農民、補償金を博打で使い果たし、家屋敷を失いホームレスになった農民、空港問題で離婚等、お前ら移転補償金をはらったから責任がないと逃げているが、悲劇の原因を作ったのはお前たちである。人間の価値の創造発展は、汗を流して働く労働の中から作り出される。それを暴力と紙幣で金を奪い尽してゆく。悪魔の所業を断じて許すわけにはゆかない。

 歴史に学ぶ

 中国の故事に「その国を滅ぼさんとするならば、その国の史を消滅させることである」、有名な格言がある。成田空港建設50年の歴史、それは弾圧、迫害、殺人の歴史である。この悲劇のすべての責任は政府と空港(株)、お前たちにあるのだ。この真実をなぜ語らない。お前たちの犯した犯罪としての過失は取り返しのつかないものだ。国家と資本の真の招待とは、強権による支配、力こそ正義であるというのが立場。

 だが、今度は2000年前の荘子の言葉、「人民を統治支するには小魚を煮るように、あまり弄ると魚が崩れる、時間をかけて静かに煮ることである」「親切丁寧に説明する」「結論は急がない」。強権によって農民を殺し、今度は真綿で首を絞めて農民殺す。夜間飛行制限緩和、50万回増便、第3滑走路の建設計画は新たなる農民殺しの計画ではないか。空港建設50年の歴史の真実をお前たちは真剣に命がけで学ぶべきである。

 空港の軍事利用

 航空局、「空港には民間と軍事の区別はありません。空港は真っ先に軍事的に使われます」と、日米安保地位協定についてなぜ正直に説明しない。安保法案が国会で成立した。列車、各医療機関、空港など特定公共機関は軍事的に利用でき動員できることになった。この重大なことを何故に説明しないで隠蔽しているのだ。東に旭海軍航空基地、南に栗山陸軍飛行場、北に八街陸軍飛行場があって、連日、米軍艦載機の猛爆、機銃掃射を見て私は育った。自らの命は自らが守る。軍事的に使われる空港建設は絶対に許すわけにはゆかない。

 侵略の軍隊

 1941年12月8日、日本軍は真珠湾奇襲攻撃、太平洋戦争に突入。

 1966年7月4日、佐藤(総理)は閣議において三里塚に空港を建設することを突如決定。千葉県の川上副知事は、「今日は大木よねさに対する代執行を中止する」と言って大木よねさん宅を急襲し、代執行を強行、大木よねさんに重傷を負わせすべてを破壊し強奪した。

 空港(株)の社長の黒野は、突如、東峰神社、産土神の御神木を切り倒した。

 お前たちの三里塚でやってきたことは、戦前の軍部、ファシストと全く同じことをやってきたのである。お前たちはファシストであり、軍部独裁者であり、民主主義を蹂躙し破壊し三里塚の農民を迫害し、すべてを強奪した侵略軍なのだ。

 三里塚シンポで政府は謝罪、村山総理も謝罪、黒野も謝罪した。千葉県も大木よねさんに謝罪した。いくら謝罪しても、お前たちに殺された人間の命は戻って来ない。コンクリートの下になった田畑や自然、そしてすべてを強奪されて運命を変えることを余儀なくされた多くの人々の生活とその歴史は戻っては来ない。

ファシストども自らの命をもって償い謝罪せよ。謝罪しつつ夜間飛行の制限緩和、50万回増便、第三滑走路の建設、1000ヘクタールの空港用地の拡大計画を提案してくるとは何事か。外道ども人間としての恥を知れ。計画を撤回せよ。
 
 環境破壊

 空港が建設された分水嶺である。北は根古名川、大須加川が北総台地の湧水を集めて利根川に流れ込む。南は新川、栗山川、高谷川、作田川が九十九里浜に注ぐ。高谷川と栗山川の合流地点に広がる水田地帯が俺の村である。この両河川の合流地点の川岸に屋号問屋さん(勝又貫行)の家がある。九十九里で鰯業が最盛期の時に千鰯が三十石船で積み荷されて栗山川を遡って問屋さんの川岸の倉庫に到着する。

 この俵詰めにされた千鰯は私の村は、勿論近在の田畑の肥料として配られる。千鰯の俵の荷卸しをした三十石船は、この地域で生産された米を積んで栗山川を下り九十九里浜に出る。そこから、利根川銚子河口を遡り,関宿の運河から江戸川に入る。多古米は江戸前寿司の原料となる。東京駅北口に多古米の販売の大きな看板が現在立っている。多古米は美味で特産米として他の地域の産米より高値で販売されている。私の村は多古特産米の中心的な生産地である。

 三里塚木の根谷津の一番上の水田が小川源さんの所有する水田である。この水田と畑の窪地に源さんの炭素窯があった。現在は管制塔の下になってしまった。源さんの水田は湧水の天水田であった。湧水を手で救って飲み、蛙がいて、タニシがいて、蛍がいて、オタマジャクシがいて、トンボがいた。この水田の湧水は横堀に出て辺田に出て高谷河上流の小さな流れに入る。その上流は一鍬田丹波山集落、反対同盟木村喜重さんの集落がある。一鍬田は高谷川の最上流でここが源水である。朝倉秋葉哲さんの所有する水田も源水のところである。浅香、稲葉、飯櫨を経て高谷川に合流する。高谷川は流れを大きくして下り、私の隣村、谷台地先で堰き止められて、牛尾、船越、木戸台、牛熊、殿辺田、寺方、於機の地域と集落の水田耕作に利用されてきた。この地域の稲作は高谷川の水流、水の恩恵によって生産されてきた。

 この地域の稲作は北総台地の湧水、谷津田、高谷川によって育てられてきたのである。高谷川は、この地域の人々にとって、インダス・ガンジスであり、ナイル、黄河なのである。高谷川はわれわれの文明の発祥地であり、われわれは高谷川の恩恵を受けてきた。その分水嶺、水源が空港建設で破壊され、コンクリートで埋められてしまったのである。現在は空港関連事業成田用水事業で利根川新川機場から送水されている。高谷川自然水、天水と利根川の水を反復して利用しているが高谷川の水資源の重要性は昔も今もかわりない。10aは300坪であるが、高さ2mの水量を必要とし、米は生産されている。さらに高谷川上流埋め立て1000町歩の空港用地を拡大するというのである。

 私の隣村志摩集落台地に縄文、弥生、平安時代の複合遺跡が関東最大の規模で存在している。

 多古高校横の居合五

 ちいき十嵐さんの宅地よりマンモスの等身大の牙が出土している。日本が大陸とつながっていたことを証明している。多古町は丸木船の全国一の出土数である。空港建設はこれらの地域の文化、資源を破壊尽しして建設されているのである。それは日本民族の精神、文化、良心の破壊、人間性の破壊にほかならないのである。

 日本の産業革命は、明治30年代。たかが100年ちょっとである。富岡絹糸工場が世界遺産となって騒いでいるが、「女工哀史」「ああ野麦峠」を読んでみるがいい。人間の生き血を吸って資本が太ってきたことがわかる。空港建設もまた人間の血と命を奪って肥大しているのである。私資本の傲慢さを絶対に許さない。

 ハイエナどもは交付金に群がり、増額するなら「空港機能拡大」を容認すると説明会開催を許した小泉成田市長、相川芝山町長、菅沢多古町町長、伊藤横芝光町長のことである。夜間飛行の制限緩和、1000町歩の空港用地の拡大、第三滑走路の建設、50万回の増便、騒音地獄で立ち退き住民は2000戸、騒音被害は北は茨城県水郷穀物地帯一帯、南は九十九里平野全体に広がる。この広大な地域の自由民を空港建設の犠牲に、生贄にするというのである。空港建設のために住民を生贄にする首長の祭司ども、住民を犠牲にして空港建設の露払い、提灯持ちをしたければ市長、町長を辞職して、霞が関合同庁舎航空局の玄関掃除に雇ってもらい、空港(株)ビルディングの窓ふきになればよいではないか。住民を犠牲にするお前らは市長でも町長でも何でもない。紙屑みたいなものである。

 佐藤(総理)の突如の三里塚位置決定、友納千葉県知事、藤倉成田市長、寺打ち芝山町長の犯した過ちをお前らは再び繰り返しているのである。口を開けば市民、町民のためのガラス張りの政治を選挙公約で唱ええ、霞が関に巣喰う安倍(総理)をはじめとする権力者共は住民自治、地方の時代、地方創生と言いつつ地方地域衰退を作り出してきた。高度経済成長政策は農村から土地、水、そして労働力を奪い尽してきた。過疎、集落放棄、耕作放棄、その後の政治経済のグローバル化は、格差、差別、貧困の固定化の社会を作り出した。空港周辺地域の村々、集落を見るがよい。多くの集落は廃墟になり、騒音地獄が発生した。

空港機能の拡大はさらなる環境破壊、生活破壊、貧困と格差社会の固定化を促進するに他ならない。