TPP11211.4
TPP衆院特別委員会で強行採決
八日衆院本会議採決許すな!
農業、医療、労働など破壊するな


一一月四日午後、自民、公明、日本維新の会はTPP(環太平洋経済連携協定)の承認案と関連法案を衆院TPP特別委員会で野党議員の抗議の中、賛成多数で強行可決した。与党側が民進など野党側と審議日程の調整がつかないまま、委員会採決に向け、午後から締めくくり総括質疑を実施した。民進党、共産党議員は、合意のない状態での委員会開会に反対し退席した。質疑の終了直前、委員会室に戻り、「強行採決反対!」などと書いた紙を手に、塩谷立委員長を囲んで抗議する中、採決を強行した。

今後政府・与党は四月八日にTPP承認案・関連法案の衆院本会議採決を目指すとしている。民進党は山本有二農水相の不信任決議案の提出も検討している。臨時国会の会期は一一月三〇日までだが、政府・与党は会期延長をせざる程追いつめられている。

この日も国会前ではTPPに反対する人々の抗議行動が行われた。TPPの協定審議内容がほとんど黒塗りで明らかにされないまま、農業、医療、労働、食の安全などを根底からくつがえすTPPが成立に向けて、全国の人々の意思を無視して進められている。断じてこれを許してはならない。

11.2STOP TPP 市民アクション国会前行動
国内批准反対 強行採決絶対反対


 一一月二日午後六時半から、衆議院第二議員会館前で「TPP批准反対 強行採決絶対反対」行動がSTOP TPP 市民アクションの呼びかけによって行われた。一一月四日に特別委員会と衆院本会議での強行採決が予定されていたが、山本有二農水相の「強行採決を認める発言は冗談だった」とする二度目の発言が明らかになり、四日の採決をめぐり与野党の激しい攻防が続く中での緊急行動であった。

衆院TPP特別委員会の理事・畠山和也さん(共産党衆院議員)が終わったばかりの理事会の様子を報告した。

「午後五時以降に理事会が開かれた。昨日の山本農水相の二度の暴言を問題にした。①強行採決発言について、撤回したが冗談だった発言②JA関係者に明日農水省に来てくれれば良いことがある、と発言した。大臣の資質に欠けると、野党は午前中に辞任に値すると要求。昼、自民党国対委員長は今日採決したい。野党は採決する状態にないとして午後五時自民と決裂。午後五時一五分理事会で、自民は四日の委員会で締めくくり質疑をする。強く抗議したが民進党理事は退席、共産党は残った。塩野谷委員長は四日午後一時半から総括質疑を行い、委員会の採決をすると決めた。本会議での採決はこの日は行わず、来週にずれこむことになった」。

集会の始まる前、カムロテツさんらのグループがラップ調で訴えた。

「TPP絶対反対、強行採決反対、国内批准反対。与野党合意も認めない。円満採決絶対反対。野党はもっと気合を入れろ、市民はもっと気合をいれろ。採決延ばしてもうれしくない。延ばした分だけこぶしをあげよう」。

山田正彦さん(元農水相)が「四日採決と聞いて頭にきた。日本の農業が危機に陥り、自給率が一〇%になる大事な問題だ。我々の勝負の時だ。許されない。TPPの葬式を出そう。四日正午に集まろう。何が何でも止めよう」と檄を飛ばした。清水忠史さん(共産党、衆院議員)。「採決が一日二日延びたぐらいで満足しない。廃案に追い込もう。農業のみならず、医療・中小企業への問題点が明らかになりつつある。審議は道半ばだ。山本農水大臣の発言、冗談で採決をもてあそぶな、辞めてもらうしかない。四日の委員会強行採決断固反対。中央公聴会も開いていない。日本を滅ぼす自民党になるな」。

植草一秀さん(オールジャパン平和と共生運営委員)。「TPPは様々な仕組みを根幹から変えてしまう、恐ろしいものだ。共同通信の行った世論調査でも、七八%が慎重審議を求めている。賛成しているのは一〇%のみだ。世界的にグローバリズムに抵抗する動きが現れている。TPP批准を阻止しよう」。加藤好一生活クラブ生協会長は金曜日には黒のコスチュームでがんばると語った。

毎日反対行動を行っているカムロテツさんは「TPPは社会の根幹が根底から変えられるものだ。6が9になる。山が海になるようなものだ。経済は円運動でなくてはいけないのに、線になりどこか一カ所に集められ独り占めされる。人間の生存・生活が破壊される。だからTPPは許せない」。JR総連、神奈川自治労連、全労連全国一般、自由の森学園の仲間がそれぞれTPPを批判した。



山浦康明さん(日消連共同代表)は「一〇月二七日午前中に、参考人として発言した。食の安全問題、遺伝子組み換え食品は鮭、麦、コメにまで及んでいて我々はそれを食べるのを拒否できない。食品添加物について知りたいが、TPPが通れば企業秘密だから表示しないとなってしまう。安倍首相は午後に、何ら私の具体的説明に反論することなく、日本の基準は変えないと答弁した。まともな審議が行われていない」と批判した。

ママの会の杉山さんは「先週の金曜日からずっと抗議行動に参加している。批准しても抗議しあきらめない。子どもをTPPから守る」と語った。神奈川県大和市から来た仲間は地元の人にTPPを知っているために話しかけている。一一月一二日には地元で行動する。TPPの危険性を地元で訴えようと話した。

横浜からきた岩田さんは「多国籍企業は彼らに都合のよいルールを作る。NAFTAで、アメリカの安いトウモロコシがメキシコに輸出され、メキシコのトウモロコシ農家は壊滅した。その人たちがアメリカに行き、低賃金で雇われたのでアメリカの労働者の賃金が半分になった。米韓自由協定によって、韓国の畜産農家は壊滅した。ボリビアでは水道事業民営化され、水道料金が値上げされ庶民が困った。エジプトでは最賃が上げられない。EUに加盟したイギリスの漁業はノルウェーの安い魚が入り衰退した。一%の多国籍企業だけがもうかる。それがTPPだ」と世界で起きている自由貿易協定の問題点を指摘した。

フェイスブック憲法九条の会、歌手のえみむめもの歌など発言が続いた。最後に、「ふるさと」を合唱してTPP阻止まで闘いぬく決意を固めた。

(M)

追記:
この日の行動を終えて、家に帰り午後九時からのNHKテレビニュースで、山本農水相の発言問題を取り上げて、政治家の発言として問題があるとコメントしていた。これで終わると思っていたら、TPP批准によって良いことが起こると三つの例を紹介した。

一番目、日本は豚肉に一キロ四八二円関税をかけているがこれが五〇円になる。価格では米国産に負けるが霜降肉のような質で対抗する農家。この農家は初めTPPに反対していたがピンチをチャンスに変えると紹介した。

二番目、コメ。日本のコメ消費は二〇年前の三分の一に減っている。ベトナムは二二・五%の関税をかけているがこれが撤廃される。そうすると日本の三倍のコメを食べているベトナムに輸出できる。日本のおむすびをベトナムで販売したら、高い商品だがおいしいと売れた。

三番目、自動車部品製造会社。メキシコに輸出しているが、アメリカに製造拠点がない。輸出するには自動車部分の三七・五%しか輸出できないという制限が撤廃される。これが雇用につながる。

このどの例を考えてみても、どれも不確かで、日本の農家やベトナムの農家が豊かになるとは思えない。圧倒的な日本の農家や関税をなくすことによる相手国の農家や労働者の生活が厳しい競争にさらされ破壊されるだけだ。こんなウソとごまかしでTPPを通してはならない。