Cl8nS9GUoAAMrfV英国のEU離脱国民投票について、英国支部の声明に続き、第4インターナショナル・ビューロー(書記局)声明を配信します。

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声明 「ブリグジット(英国のEU離脱)」危機

レイシズムと社会的支出の廃棄に対決し欧州における連帯を!


2016年6月28日

第四インターナショナル・ビューロー

(1)

 英国の国民投票の結果は、ギリシャ危機、難民危機に続くさらなる危機の段階を示している。イングランドとウェールズの有権者の大多数は、「ブリグジット(英国のEU離脱)」に投票し、スコットランドと北アイルランドの反対投票にもかかわらず、英王国全体の「離脱」を強制した――それは、二度目となるスコットランドの独立住民投票をもたらす要因となりうる。

(2)

 ボリス・ジョンソン(保守党の政治家、前ロンドン市長)だろうと、ニジェル・ファラージュ(UKIP 英国独立党)だろうと、「離脱」キャンペーンの主要なスポークスパースンが使った、東欧からの移民に罪の烙印を押しつける外国人嫌悪の言説が、この運動を支配した。このようにして彼らは、広範な民衆的階層――緊縮政策、失業、補助金カットの主要な犠牲者――の社会的憤懣をとらえることに成功した。この激しいいらだちが、エリートたち(ウエストミンスター=英国議会、ブリュッセル=EU本部)に対して向けられたのである。

不幸なことに、EUに対する大衆レベルでのこうした拒否は、当面のところ進歩的な反緊縮のラディカリズムとして表現されることなく、失業のスケープゴートとしてのEU移民労働者への拒否となってしまった。それらは大衆がこうむっている攻撃に責任があると見なされたEUへの拒否と結びついていた。それは、反ナチ同盟などが、高揚する過激右翼思想の波を押し戻すことに貢献した1970年代以来受け入れられることのなかった、レイシズムと外国人排斥の大衆的表現をもたらすことになった。

(3)

英国の国民投票実施をもたらした力学――とりわけ保守党のユーロ懐疑的右派に支持されたUKIP(英国独立党)の発展――は、イギリスで国民投票の討論が行われた領域が、左翼にとってきわめて不利であったことを意味している。

労働党は伝統的なEU拒否の立場――前回の1975年の国民投票でそうであったように――と、労働組合勢力と他の勢力からの圧力の間で引き裂かれることになった。その圧力とは、EUの政策は、「離脱」キャンペーンの右翼的な反移民ゼノフォビア(外国人排斥)と結びついた新自由主義の最悪の過剰への盾であった、というものである。EU「離脱」を呼びかける労働党の声は、メディアでは「残留」という党の公式の立場よりも大きく扱われた。離脱を支持した労働党員は三七%に過ぎなかったにもかかわらずである。

(4) 

 「残留」キャンペーンの主流として現れたのは、離脱した場合の破局を恐れたエリートたちと尊大きわまる「シティー」(ロンドンの金融センター)だったが、幾百万人ものイギリスの労働者たちは、EU残留を労働者たちに納得させようとした人びとと同じ連中が強制した社会的惨事をすでに経験していたのである。

(5)

 こうした情勢の下では、左翼のキャンペーン――EU残留賛成を呼びかける「もうひとつのEUは可能だ(AEIP)」と残留反対を呼びかける「左翼の離脱(Lexit)」――が、きわめて少数の支持しか得られなかったことは不可避だった。

しかしAEIPは「影の内閣財務相」のジョン・マクドネル、緑の党の指導部、多くの左派労組活動家、とりわけ消防士組合(FBU)書記長のマット・ラックをはじめ、全国の数千人に及ぶ活動家の強力な支持を得た。

(6)

 したがって投票の結果は、英国にいるEU諸国から来たすべての労働者と学生、そして第一に東欧諸国からの人びとをきわめて不安定な状況に置くことになり、この運動の中でかきたてられた外国人排斥の表現に脅かされる感情にさらすことになってしまう。

 すでに移民――とりわけポーランド人――への物理的襲撃が起きている。同様に、すべての英国労働者の雇用と購買力は、ポンド通貨をめぐる金融操作やEUによるあらゆる措置によって、厳しいものになっていくだろう。「離脱」投票は、緊縮や資本主義的政策を拒否する進歩的政策の一部ではなく、保守党新政権のより反動的な漂流をもたらし、労働党右派によるジェレミー・コービン執行部への強力は反対キャンペーンを伴う形で、労働党は国民投票を通じていっそうの弱体化に直面することになる。

(7)

 国民投票直後にイギリスで取られた移民労働者への連帯を示すイニシアティブは、したがってきわめて重要なものであり、継続・発展させられるべきである。国民投票に対する態度の違いにも関わらず、現在の課題は、緊縮政策に反対し、移民と連帯する最大限に可能な団結を組織することであり、コービンと左派に反対する労働党右派のキャンペーンに抵抗することである。

(8)

 「ブリグジット(英国の欧州離脱)」は、EUを構造的に弱体化し、その結果を予言することができない方向性の危機を引き起こした。月を重ねるごとに、緊縮支持政策の結果は支配階級にとって明らかになる。

2015年1月と7月のギリシャ民衆の反乱投票(訳注:2015年1月総選挙でのシリザ政権成立、7月国民投票でのEUによる債務返済条件拒否)、労働法制への攻撃に対決するフランスでの強力な動員、最近行われたイタリアの地方選でのマテオ・レンツィ(訳注:イタリア首相、民主党)の大敗北などに、それが示されている。

(9)

 欧州連合の機能における民主主義の完全な欠落、右翼と左翼の政府による攻撃に対する激しい社会的怒りの蓄積は、有権者が機会を得た時にはいつでも表現されることになる。欧州連合は社会的保護を破壊し、各国での立法は万人に対する万人の競争を推進し、EU全体のすべての労働者の不安定雇用化を進めている。

 不幸なことに欧州の労働運動、とりわけCES(欧州労組連合)は、国際連帯と社会的諸権利の防衛のための障壁と武器という役割を果たしていない。失望を資本主義的緊縮政策に対する挑戦へと転化する、欧州規模での進歩的力学は存在していない。

(10)

 EUは、われわれが信頼しない、改良することができないブルジョア制度であり、搾取され、抑圧された人びとの連帯を基礎にした欧州間の協力の新しい基盤を作り出すために、まさしく破壊されなければならない。

(11)

 この欧州連合の危機を、搾取され抑圧された人びとの利益に転換させるためには、全欧州的に全面的に再建されるべきラディカルな反資本主義勢力の政治的凝縮と社会的比重のレベルが求められる。

(12)

 この情勢の中で、われわれの課題は多面的なものである。

 *欧州レベルではEUが強制する緊縮政策(マドリッド会議など)と闘いつつ、各国レベルでは各国ブルジョアジーの責任を明確に説明し、さまざまな国々の労働者を相互に闘わせることを非難し、社会的諸権利と賃金の上昇的調和のために闘うこと。

 *正統化されない公的債務の支払いと、TTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)、CETA(EU・カナダ総合経済貿易協定)といった非民主的な協定に反対すること。

 *トロイカ(IMF、EU、欧州中央銀行)が押し付けた政策(ギリシャ、ポルトガルなどで)に反対する具体的なすべての闘いとの連帯を民衆化し、組織すること。

 *移民とその要求――EU内での居住、労働、社会福祉受給――に連帯するわれわれの活動を刷新し、国境の開放のために闘い、移民組織との連携を強化すること。

 新しい反資本主義・反レイシスト・エコ社会主義・フェミニスト的欧州を建設する展望をもって欧州ラディカル左翼間での討論を促進し、豊かにしていくこと。