IMG_1233民衆の意思を行動で表現!

 六月五日午後二時から、国会正門前をメインステージにして、国会を包囲する「明日を決めるのは私たち―政治を変えよう!6・5全国総がかり大行動」が6・5全国総がかり大行動実行委員会の主催で開かれ、四万人が国会を取り囲み、全国でも一〇〇カ所以上で同様の行動が行われた。

 安倍政権は来年四月に予定していた消費税一〇%への引き上げを延期することを目玉にアベノミクスでデフレからの脱却、高成長の実現をうたい文句に七月一〇日投票の参院選を決めた。衆参同時選挙も取りざたされていたが結局衆院選は見送られた。今年の通常国会が始まる時、安倍は参院選で、三分の二を確保し、憲法改正に打って出ると明言していたにもかかわらず、憲法改正に反対、九条を守れとする世論が六割を占めている現状で、憲法改正を前面に打ち出し、それを焦点化することから逃亡した。

 こうした情勢の中で、参院選で「憲法改悪反対・戦争法を発動させない」ことと経済・福祉が一体のものであることを焦点化させ、野党が統一候補を立て、安倍政権を退陣に追い込むことが求められている。こうした民衆側からの意思を大胆に表現するものとして国会包囲・全国大行動が行われた。

改憲反対、貧困格差の是正を

 集会は戦争法反対のコールの合唱で始められ、山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)が「今回の参院選では問われているのは憲法を守るかどうかだ。平和憲法を守ろうという人々が増えている。参院選では三二の一人区すべてで野党統一候補が実現した」と最初の発言を行った。次に枝野幸男さん(民進党)、山下芳生さん(日本共産党)、吉田忠智さん(社民党)が「野党統一候補は実現したが負けてしまったというわけにはいかない。選挙は勝たなければならない。市民と政党がいっしょになって安倍政治に終止符を打とう」と力強く発言した。選挙に勝つための「野合」という自民党からの批判に対して、「アベノミクスによる貧困・格差の是正。TPP・沖縄問題など安倍の強権政治に反対。憲法改悪に反対する」という政策でも合意していることを表明した。

 午後二時半に全国一斉コールを国会に向けて行った。「戦争法今すぐ廃止、みんなの力で必ず廃止、戦争法の発動止めよう。戦争する国絶対反対。憲法改悪絶対反対、武器輸出反対、辺野古新基地建設反対。貧困・格差なくせ。原発いらない、再稼働反対。アベ政権はただちに退陣、選挙に行こう、政治を変えよう、参院選は野党が勝利、市民も野党もまとまるぞ」。

命をないがしろにする政治NO!

 続いてスピーチに移った。湯川れい子さん(音楽評論家、作詞家)は「音楽活動を五五年行い、八〇歳になる節目の年。五〇年前にビートルズがやってきた時、『武道館を貸すな』と読売新聞の社主の正力松太郎は言っていた。ビートルズは『楽しく平和に生きようよ』と歌っているのが分かっていなかった。私は五〇年間原発に反対してきた。原発を攻撃されたら逃げることはできない。かけつけ警護を自衛隊が行えば、日本が攻撃されるかもしれない。日本は一番攻めやすい国だ。軍隊はいらない。これは私の感性だ」と話した。

 高野孟さん(ジャーナリスト)は「五六年前の高校二年生の時、六〇年安保反対のデモをした。その時よりも政治は悪くなっている。闘いはこれからだ。アベ政治、こんな世の中残して死ねるかという思いだ。今度の参院選の焦点は安保ではなく、福祉だという人がいるが、それは違う。安保と福祉は全部命がかかっている。命をないがしろにするアベと対決しよう」と語った。

 浦田一郎さん(明治大学教授)は憲法九条実現のために努力したいと話した。日弁連の山岸良太さんは「日弁連は三年連続で、『安保法は憲法違反が明らかだ』と決議した。違憲の法律が有効になることはない」と断言した。

奥田愛基さん(SEALDs)は、安倍が言ってきた「経済はよくなる」などのウソを暴き、未来の子どもたちに顔向けができるのかと問いかけ、菅原文太さんの映画「仁義なき戦い」での「タマは残っているぜよ」のセリフの意味が、どんなに絶望的な時も、「タマとは出会いであり、愛が残っている」と紹介し、がんばろうと語った。

星野さなえさん(安保関連法に反対するママの会)は二歳と四歳の子どもを持っていることを紹介し、「命がけで産み育てている子どもたちが戦争で命を奪われるのはたまらない。五月五日新宿での宣伝で自衛官の母が『もし今回の戦争法で死んだ場合、安倍さんは命を返してくれるのか』と訴えていた。もう誰も殺されないで」と話した。


沖縄県民大会に呼応し6・19へ

 古川健三さん(違憲訴訟の会)は「東京で五〇〇人以上が戦争法は憲法違反だと提訴した。福島県いわきで二〇〇人、そして埼玉など全国で続々と訴訟が行われていく」と報告した。田中宏さん(一橋大名誉教授)は「昨年の一一月に韓国人・中国人を招いて戦争法廃止の集会を行おうとしたら、外国人に戦争法廃止などと言わせないと、入国を拒否した。韓国とはノービザなので入国できたが、中国人は入国できなかった。これに対して、中国人三人と日本側の主催者三人が日本国を相手に裁判を始めた。別に、朝鮮高校生が高校無償化から除外されたことに対して国を相手に裁判を行っている」と報告した。

 高田健さんが「野党が国政選挙で統一候補を立てて闘うのは政治史上なかったことだ。参院選に勝利しなければならない。そして安倍を倒し、自衛隊の南スーダンでの駆けつけ警護をさせない。六月一九日、沖縄女性虐殺糾弾、辺野古新基地建設を許さい国会行動への参加を」と訴え、まとめとした。最後に国会に向けたシュプレヒコールを行った。

(M)