配信用:マイナンバー 5月29日、マイナンバー(共通番号)制度に反対する共通番号いらないネット、マイナンバー制度反対連絡会、マイナンバー違憲訴訟東京弁護団などによる集会実行委員会は、文京区民センターで「マイナンバー(共通番号)スタートから半年を検証する5・29集会」を行い、220人が参加した。

 グローバル派兵国家建設の一環である治安弾圧・民衆管理監視強化にむけたマイナンバー制度の1月運用強行から半年がたった。欠陥制度を証明する事態が次々と発生している。マイナンバーカードを発行する地方公共団体情報システム機構(J―LIS)の欠陥サーバーによってシステムトラブルが頻発し、カード交付の一時停止・遅延が発生。マイナンバー通知カードが218万件も届いていない。約1003万枚の申請に対して640万枚が市町村に滞留状態だ(4月26日)。しかもJ―LISは、システムトラブルに対して場当たり的に対応し、欠陥サーバーであると知りながら運用を続け、トラブルが拡大するという悪循環に陥っている。企業ではマイナンバー提示の強要、書類紛失などの個人情報流出、プライバシー権の侵害が拡大している。

 J―LISがマイナンバーシステムの欠陥に対する杜撰な対応を繰り返しいるにもかかわらず、安倍政権は2019年末までに8700万枚の交付を計画している。「書かない!番号 持たない!カード」を合言葉に民衆管理監視のためのマイナンバー制度に反対していこう。

 集会は、宮崎俊郎さん(共通番号いらないネット)の開催あいさつから始まり、「マイナンバー制度一月運用に対して延期すべきだ、開始の条件が整っていないと、再三、政府に対して要求してきた。通知カードでさえ届いていない人がたくさんいる。J―LISが様々な不具合を起こしてカード配布の遅延が起き、たった三〇〇万枚しか配布されてない。政府は、このような状態にもかかわらずマイナンバーカードを持ちましょうと宣伝している。企業・自治体ではマイナンバー提出が義務づけされていないにもかかわらず、提出を強要されている。この制度の廃止と今後の取り組みに向けて検証していきたい」と呼びかけた。

 「“市民監視社会”をどう生きるか」をテーマに田島泰彦さん(上智大学教員、メディア法)と青木理さん(ジャーナリスト)の対談を行った。

 対談では、①秘密保護法(2013年)制定からマイナンバー制度、刑訴法改悪にいたるプロセスは民衆監視強化のためのワンセットであった②刑訴法改悪によって盗聴対象を拡大し、次は共謀罪を準備している③「安心・安全」キャンペーンを強めながら、GPS捜査、顔認証システム、防犯カメラ設置を拡大し、個人の行動などを特定していく流れが強まっていることなどを明らかにした。

 青木さんは、「安倍政権は、メディアに対する圧力を行い、メディア幹部は自主規制してしまっている。現場記者やテレビスタッフは、ぎりぎりで抵抗しているのが現状だ。この力関係を少しでも逆転させていくために現場記者、スタッフに対する激励は重要になっている」と呼びかけた。

 原田富弘さん(共通番号いらないネット)は、「マイナンバー制度運用開始半年の状況」をテーマに①番号通知、個人番号カード交付の状況②J―LISのトラブル③マイナンバー提示要請の状況④マイナンバー制度利用の状況⑤今後の動向と課題について報告。さらに「2020年オリンピックのテロ対策から監視社会を強化しようとしている。同時に『世界最先端IT国家創造宣言』し、IT利活用社会の実現と称して、金融・医療・福祉分野にわたってマイナンバーで個々人を掌握しようとしている。こんな野望を許してはならない」と強調した。

 関口博さん(元システムエンジニア、前国立市長、国立市議)は、検証「続発するJ―LISのシステムトラブルを問う」をテーマに分析を掘り下げた。

 続いてマイナンバー制度反対連絡会、マイナンバー違憲訴訟東京弁護団が発言した。

 最後に、「個人番号カード発行の停止と、マイナンバー制度の見直し・中止を求める集会決議」を参加者全体で採択した。

(Y)