584970239-dpa_148d8c00984b1efa-155auC83fRNG(画像は昨年のドイツ:エルマウG7サミット対抗行動)

「G7伊勢志摩サミット」反対の闘争に

「G7伊勢志摩サミット」G7(以下、「G7」という)が5月26~27日に三重県の伊勢志摩市で開催される。それに先立ち外相会合(4月10日~11日  広島市)、科学技術相会合(5月15~17日 つくば市)、保険相会合(9月11~12日  神戸市)などの担当相会合などが開かれる。

今回のG7で予想される主要な議題は、世界経済貿易、政治、外交、気候変動エネルギー、インフラ整備、保健衛生、女性などである。独占資本と結託した安倍政権は、G7を通じて日本の次世代成長戦略として先進技術を内外にアピールし、外交において内閣支持率をあげ、5月27日G7終了後の参議院運動勝利をもくろんでいる。


  G7の問題点とねらい

G7はすでに帝国主義・独占資本の利益調整のための会議の段階を通り越し、現在は国境を越えた資源の確保、市場の確保、外交的・軍事的支配の確保・拡大の旗振り役を担っており、ありとあらゆるグローバル・ガバナンスを担う政治主体となっているが、そもそもG7には国連をはじめとする国際機関が何の権限も与えていない。G7は、帝国主義諸国と独占資本の寄せ集めの制度であり、国際法の観点からみても非公式の実態のないグループにすぎないのである。

問題は、G7でなされた決定、決議、宣言、表明は国際法上の根拠なしのG7内での仲間内の取り決めにもかかわらず、その決定等がG7とはなんの関係もない第三世界、途上国までに実質的に強い影響を及ぼしていることである。逆にこのような「世界政府」の役割に期待を寄せる途上国の存在が、問題をさらに複雑化している。さらにG7への少数の参加国の内政が過度に影響するグローバリズムに内包するナショナリズムの問題もはらんでいる。

G7における帝国主義・独占資本の反動的なねらいは、経済、軍事の新自由主義グローバリゼーションとナショナリズムによる世界支配である。われわれの身近にあるもの(商品、製品)、金(金融、投資、株式)、ひと(労働力、労働者)、情報、技術、サービス、システムといったありとあらゆるものが国境を越えて行き来して貧富の格差が拡大している今日、経済、産業、財務、交通関連の財界の関与の下で国家が介入しない市場の原理に基づいた自由市場経済の世界的拡大の背景となる新自由主義をリードしているのがG7である。

また今回のG7では「IS(イスラム国)掃討」をはじめとする世界各地での「対テロ戦争」の遂行における帝国主義諸国の国際的な軍事連携の強化が行われる。特定秘密保護法の強行採決、武器輸出の解禁、安保関連法の強行採決を行い、憲法改悪に突進している安倍政権は、さらなる帝国主義間の軍事同盟の強化を今回のG7を通じて行っていくであろう。同時に安倍政権は、伊勢神宮の近辺でG7を開催することにより、日本の神道イズムの世界への発信、「天皇制戦争国家・日本」のG7に結集した帝国主義諸国における承認をもくろんでいる。


  新自由主義グローバリゼーションの拡大、ナショナリズムの世界化反対の闘争に

われわれは、G7に結集する帝国主義諸国と独占資本の「世界政府」の仮面をかぶったナショナリズムによる世界支配を弾劾する。世界の労働者は、G7に反対する、国家と資本から自立した主体的な運動を創造していかなければならない。

プロレタリアは祖国を持たない。プロレタリアの唯一の目的は、全世界にわたるあらゆる民族の労働者の祖国を作り上げることである。労働者は国家をこえて、力の強いもの、お金のあるもの、販売力、宣伝力のあるものが世界を凌駕していく世界共通化の考え方の欺瞞性を暴露し、G7に結集した帝国主義・独占資本による新自由主義グローバリゼーションの拡大、ナショナリズムの世界化と対決する闘争に立ち上がらなければならない。

帝国主義諸国と独占資本と結託し、「天皇制戦争国家」、改憲に突き進む安倍ブルジョア政権打倒!
世界の労働者は労働者政府の樹立に向かって前進せよ!

(愛知:山本)