ttip-action-brusselsTTPなどの国際自由貿易協定についての第四インターナショナル国際委員会の声明を紹介します。

………………

声明:新しい自由貿易協定(TPP、TTIP,TISA)は、何の解決にもならない。それはさらなる問題を生じさせるだけだ

第四インターナショナル国際委員会

2016年3月1日



 強盗団が犠牲者から奪い取るように秘密裏に、そして非民主主義的やり方で――。金融機関と多国籍企業を所有しているエリートたちは、新しい「自由貿易協定」の実施に向けて進んでいる。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)、TISA(新サービス貿易協定)がそれだ。

 以前の場合――欧州連合(EU)を生み出した諸条約や北米自由貿易協定が強制された時――と同様に、支配階級はこうしたイニシアティブを、「貧困をなくし、富と繁栄を増進させる」魔法の定式であるかのように提示している。自由貿易協定のバランスシートが「魔物の誘い」に惑わされて、それを待ち望んだ人びとにとって次のようなものであることは疑いない。

多国籍企業による現存各国家の合法性と主権の侵害、企業と国家の間の紛争を解決する「民間」法廷の設立、国家が依然として保持している公共サービス(教育、保健、交通、水道)の民営化と商品化、ソーシャル・ネットワークにおける表現の自由を消滅させる通信コミュニケーションの規制緩和、自営農民・家族農業の解体とモノカルチャーや遺伝子組み換え作物や殺虫剤の拡大、環境保護法よりもどん欲の優先、都市と農村の人びとの生活・労働条件のいっそうの悪化、そして新しい移民のうねりの促進。

新しいルールはそうしたことを許容するものだ。

もしこうした条約が実際に世界貿易を拡張していたのだとすれば、なぜ三〇億人以上の人口、すなわち世界の総人口の三分の一以上を占める諸国が全体としてはじき落とされているのか。こうした新しい規制の本当の意味には二重の要素がある。西側帝国主義諸国の影響圏内にある「他の国」のプレゼンスを制限すること、かれらの多国籍企業のために最大限の利益を保障することである。

現在、資本主義がこうむっている危機は、「自由貿易」を実現する諸条件に限定が課されているなどということで引き起こされたわけではない。

少数者の手中への富の過剰な集中(国際協力団体オックスファムによれば、現在、六二の家族が残りの九九%が所有するのと同じ額のものを持っている)、労働者階級の購買力の大幅な減少、グローバルな規模での巨額に上る債務の重荷(二〇一四年の統計では二〇〇〇億ドル)、架空資本の異常なまでの拡大――こうしたことが生産能力の相対的過剰を引き起こし、二〇〇八年よりもさらに深刻な、新たなリセッションを回避する国家の能力を減退させたのである。

米国ならびにその同盟国(西欧、日本、その衛星国)と中国との、経済的利益をめぐる矛盾の拡大――それは部分的にはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)として知られる諸国との間の矛盾をも形成するが――は、こうした新しい条約を、それぞれの国の超国家企業の力を強化し、可能な限りの民営化を促進し、そうした動きと対立する完全雇用や人間的・社会的・エコロジー保全法制を廃棄するはずみにさせていくことになる。

世界の労働者階級は、国民的政治の狭い領域に閉じ込められることはできない。われわれはこうした諸矛盾を注意深く追跡し、帝国主義的盗賊どもの対外政策のセットのあらゆる秘密を習得し、世界の労働者階級や人間性の利益と完全に相いれない、見せかけの利害に自ら引きずられることを許してはならない。中国。ロシア、米国や欧州諸国の支配階級は、われわれの共通の敵である。これは国家間の闘いではなく階級闘争であり、われわれは多国籍企業や軍事化に反対して、世界のすべての人びとに手を差し伸べる。

われわれは、こうした「商業的条約」の創設に全面的に反対して、グローバルな規模ですべての労働者の生活条件・労働条件の改善にもとづくオルタナティブな政策を促進する。労働組合活動と集団的交渉の実践の自由を回復し、経済の戦略的部門を再国有化する。巨額の資産と投機的資本への強力な進歩的課税を行う。移住の自由のために国境を開放する(合法的でない人などいない)。すべての不快で、不法で、正統性のない、持続不可能な公的債務を否認する。労働の領域と人権の擁護において国際的協定の適用を求める。そしてさまざまな国家グループの間の現存する不均衡を計算に入れた国際的貿易を育成する。

第四インターナショナル――すべての大陸にいるそのメンバーはこうした条約の批准に反対する運動の一部分を構成している――は、二〇一六年二月二一日にスペインにおいて、欧州大陸のさまざまなラディカル左派政治勢力によって採択されたようなイニシアティブを歓迎する。それは民衆の社会的統合のためのオルタナティブなプログラムを発展させ、きたる二〇一六年五月二八日(土曜日)に計画されているような広範な動員を実現することを目指している。

こうしたタイプのイニシアティブを世界レベルに拡大すべきであり、大陸を結んだ統一した動員が調整されるべきだ。こうした条約の批准は、決して不可避のものではない。世界の民衆が、最後の決定権を持っているのだ。