26中野 2月26日、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合と戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の共催で「野党共闘で戦争法廃止へ!2・26集会」がなかのZEROで行われ、800人が参加した。

 市民連合は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会 /安全保障関連法に反対する学者の会 /安保関連法に反対するママの会 / 立憲デモクラシーの会 /SEALDsの呼びかけによって2015年12月に発足し、「2000万人戦争法の廃止を求める統一署名の取り組みをベースにして「①安全保障関連法の廃止②立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)③個人の尊厳を擁護する政治―これらを実現するための十全な『野党共闘』を促すとともに、候補者の推薦や支援を積極的に行う」ことを指針にしている。

 民主党、共産党、社民党、維新の党、生活の党は、市民連合など戦争法廃止を目指す全国運動のうねりによって2月19日、戦争法廃止法案を共同提出し、戦争法廃止、安倍政権打倒に向けた野党共闘を押し進めていくことを確認した。24日には、5野党協議が行われ、参院選の一人区での候補者調整とともにベノミクスの評価、消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設などの問題についても一致点を追求していくことになった。2・26集会は、市民と野党の参院選挙に向けたスタートに踏み出す意志一致の集会となった。

 開会あいさつが山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)から行われ、「野党共闘の気運が高まってきたなかで、戦争法廃止と安倍政治NOの動きをどうやって強めていくのか。四月の衆議院補欠選挙、七月の参議院選挙に向けて安倍政治に対抗する力を作っていこう。そのために市民連合は、いろんな動きを行っていきたい。二・二一に高校生グループのT‐ns SOWL(ティーンズソウル)が呼びかけたデモに参加した。展望が開けてくると様々な取り組みも楽しくなってくる。引き続き共に闘っていこう」と発言した。

 「野党あいさつ」では小川敏夫参院議員(民主党)、小池晃参院議員(共産党)、初鹿明博衆院議員(維新の党)、又市征治参院議員(社民党)から安倍政権打倒に向けた野党共闘の意義と参院選に向けた闘い、戦争法廃止にむけたスクラム強化などのアピールが行われた。

 水島朝穂さん(立憲デモクラシーの会)は、「立憲主義の真正の危機に大異を残して大同につくこと」をテーマに次のように講演した。

 「2・26事件(1936年)から80周年だ。青年将校を操っていたのは軍幹部だった。軍の自作自演によって、翌年に日中戦争に突入していった。軍部が暴走を始めた時、国の形は大きく変わっていくことを体験している。でも今も体験している。2014年12月中旬、河野克俊統幕長が訪米して、米国の統合参謀本部議長や陸軍、海兵隊のトップ、空軍のナンバー2、海軍の作戦部長、国防副長官らと会談している。河野統幕長はオディエルノ陸軍参謀総長に『安保法制は予定通りか』と聞かれ、『来年夏までに終了するものと考えている』と国会審議を無視して答えている。さらにこの暴走は、現在、戦争法の作戦計画策定に当たり、統合幕僚監部が背広組防衛官僚が中心の内部部局(内局)に権限の大幅移譲を要求している(東京新聞/2・22)。すでに安倍政権は、防衛省設置法改正(15・3)の閣議決定によって日本型シビリアンコントロールの否定に踏み出していた。戦争法と一緒になって制服組の権限が強化され、政治的軍人も動き出している。これは一種の2・26状態だ」。

 さらに「憲法学界、市民、野党は自衛隊を海外で人殺しをさせない、立憲主義の回復のところで一致している。安倍政権は違憲の集団的自衛権容認を閣議で決定しまった。この流れは、電波停止発言、教育への介入などにわたって民主主義を破壊しようとしている。この流れを止めるためには大異を残して大同につくしかない。大同団結して安倍政権を引きずり倒そう」と強調した。

 酒井啓子さん(安全保障関連法に反対する学者の会)が「中東の紛争に日本が何をできるか」をテーマに提起。

 冒頭、「イスラム国(IS)、ジハード主義にヨーロッパの若者が合流している。中東紛争の多発に対して義憤にかられて参加する回路を考えていく必要がある。中東情勢は単純な状況ではない」と問いかけて①シリア内戦②イラクへのIS侵攻③イエメン内戦と周辺国の介入④リビアの混乱(IS含め各種勢力が群雄割拠と周辺国の介入で統治不能状態)状況、民間人死者と難民問題について検証した。

 そのうえで「紛争の停止が求められている。だが各国は『ISをやっつける』と言いながら、ISを利用している。シリア内戦は、関係各国の利害がばらばらだからまとまるわけがない。国家破綻状態をどう解決するかの見通しもない。日本がやるべきことは、加熱した紛争関係国に対して『利益を捨てて静かにしろ。何ができるのか考えよう』と言うべきだ。だが日本は難民受け入れは14年が5000人の申請もあったのに11人しか受け入れていない。国際社会に対してまともに発言できる資格さえもない。外国人との共存準備ができていない日本社会を変えていく必要がある。『武力ではない解決法』=憲法九条のことをどれだけアピールしてきたのか。日本の平和を輸出していくことだ」と結論づけた。

 続いてSEALDsの諏訪原健さんのアピール、最後に高田健さん(総がかり行動実行委)が行動提起した。

(Y)