3マイナンバー 10月3日、共通番号いらないネット(共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会)は、共通番号法施行(10月5日)直前に対して「ストップ! マイナンバー(共通番号)10月通知 全国集会&デモ」を宮下公園で行い、400人が参加した。

 集会は、白石孝さん(ネット代表世話人)から主催者あいさつが行われ、「全国各地で学習会、集会が行われ日増しに共通番号に対する危機感が拡大している。事業者を指導する税理士、社会保険労務士さんたちでさえも制度の仕組みがわからず、不安、疑問の声が上がっている。今日の集会は、5日からの共通番号通知の延期と全面的な見直し要求していく。来年1月運用開始に反対していく運動のスタートだ」と決意表明。

 さらに「政府は、全ての人々に共通番号カード所持の義務化、常時携帯を強要してくるだろう。さらに本人確認のためにカード申請時に顔写真を撮り、ICチップの取り込んでいく顔認証システムを導入しようとしている。最終的に街頭などのカメラとカードに取り込まれた顔写真データが照合していくことまでねらっている。とんでもない管理国家になっていく。番号制度中止を求めていこう」と訴えた。

 池内さおり衆議院議員(日本共産党)は、 「政府は、いまだにマイナンバー制度の費用対効果を公表していない。初期投資に3000億円の税金を投入しても便益がほとんどない。民間事業者にも大きな負担となる。ある試算によれば100人規模の会社では初期費用約1000万円、年間維持・管理費に約400万円が必要になる。まさにマイナンバー増税にほかならない。セキュリティー対策もまともにできていない。年金機構の個人情報流出の反省をまったくしていない。制度の中止、廃止を求めていこう」と批判した。

 続いて自由法曹団、田島泰彦さん(上智大学教授)、札幌の仲間、千葉県議の藤代政夫議員(無所属・立憲ネット)、マイナンバー制度反対連絡会、秘密保護法廃止実行委員会からアピール。

 最後に共通番号いらないネット事務局の宮崎俊郎さんは、「『私たちはマイナンバーカードはいらない』と全国的に訴えていきたい。政府は、8割の民衆にカードをもたせるために必死だ。2020年の東京オリンピックの入場のためにカードを提示させようとねらっている。この人は『危険ではない』という入場規制を行ってくる。治安管理が基本的な性格だ。12月12日に連合会館で16年1月からのマイナンバー運用開始反対集会を行う」と呼びかけた。

 デモに移り、「共通番号反対!監視・管理社会はごめんだ!」のシュプレヒコールを渋谷一帯に響かせた。(Y)


10.5共通番号(マイナンバー)通知糾弾! 制度運用を中止せよ!

 安倍政権は、10月5日、グローバル派兵国家建設の一環である治安弾圧・民衆管理監視強化のためのマイナンバー(共通番号)を民衆1人1人に12桁の個人番号と13桁の法人番号を通知し、16年1月に制度運用を強行する。しかしサイバー攻撃などのセキュリティー対策は不完全なまま見切り発車で運用開始の強行を押し進めている。

 そもそも日本年金機構の情報流出事件(6月1日/100万人を超える年金データの流出)の原因と対策は、いいかげんなものに貫かれており、それでもよしとする態度で乗り切ろうとしている。「原因究明調査結果」(8月20日)は、「標的型攻撃(メールの添付ファイルを開かせてパソコンをウイルス感染させ、システム内の情報を抜き取る)対策としてシステム上の有益な対応策が示されているにもかかわらず、必要な機関において、その実施がなされないことがある」「システムの維持運用を確実にする監査を強化せよ」などと科学的根拠と対策を具体的に示すこともなく年金機構と厚生労働省のセキュリティー対策の希薄、対応不能を温存し続けてきたことを批判するだけだ。いまだに情報の一元管理に固執し、新型ウイルスから防衛する最低限の対策であるネットワーク分離、分散管理に抵抗し続けている。これでは年金機構の情報流出の再発は必至だ。

 だから政府は、対テロ治安弾圧・民衆監視・管理の観点から「サイバーセキュリティ戦略」を修正し、政府機関の情報システムをインターネット接続から分離することを決めざるをえなかった。総務省は、各自治体に対して、ネット分離や早期にシステム改修せよと掛声けだけは大きいが、ほとんど間に合っていないのが現状なのだ。

 共同通信は、各自治体に対して不正アクセス被害の調査結果(9月21日)を明らかにし、100以上の自治体がサイバー攻撃を受け、対策措置が遅れていることを明らかにした。「サイバー攻撃と被害を受けた自治体」では、①ホームページが外国語に書き換えられた(13県・都)②ホームページを見た人のパソコンをウイルス感染させる(5県)③大量のメールを送りつけられたサーバーが動きづらくなるなどした(10県)④サーバーが乗っ取られて踏み台になり、外部にメールをばらまく(2県・都)⑤サーバーからメールアドレスが漏えいする(2県)⑥ウイルス付きのメールを送りつけられ、サーバーが感染する(標的型攻撃)(1県)――と集約した。さらに、システムをネットから遮断していない自治体が19%も存在しており、セキュリティー対策の任務放棄をしていたことを暴露した。

 安倍政権よ、こんな実態でもマイナンバー運用を強行するのか。先の参議院内閣委員会でIT政策を担当する山口沖縄・北方担当相は、「サイバー攻撃への対応策が不十分な地方自治体も制度の運用に加えるのか」の質問に対して「出来ていない自治体は制度に入れない」と答えていたが、本当に「排除」するのか信用できない。基本姿勢は、明らかにセキュリティー対策が間に合わないことを前提にしており、これでは自治体からの個人情報流出はやむをえないと判断しているに等しいのである。

 総務省は日本年金機構の情報流出事件を契機に、あわてて全国1789の都道府県と市町村に「『基幹系』や『情報系』のネットワークはインターネットから分離してますか」などと緊急調査を実施(6月下旬)していた。完全に分離していたのは七%でしなく、大半はインターネットと接続していたことを把握していた。総務省は「それぞれ攻撃対策は講じているので、この結果だけで即危険とは言えないが、マイナンバー制度で重要情報のやりとりが増える中、見直しが必要」と認識していたにもかかわらず、棚に上げたままだったのだ。これは確信犯そのものである。

 すでに制度導入着手時から財政逼迫の自治体は、セキュリティー対策費と人材不足でまともに対応できないと「悲鳴」を挙げていた。だが政府は、統一した安全基準を明示せず、各自治体のシステムの安全性を再点検することもなく、日本年金機構の情報流出事件で明らかになった標的型メール対策やパスワードの設定などの運用基準の強化さえも「教訓」とし共有化することもしていない。自治体は「マイナンバーは国が言いだした制度なのだから、国が対策レベルを示してほしい」と突き上げているが、総務省幹部は「このレベルの対策を取れば安全だとまでは言いにくい。責任問題になる」などと対応を繰り返しているのだ(共同通信/9月22日)。

 ようやく総務省は基幹系システムの分離に必要な費用を16年度当初予算に計上する方針を決めたが、中小企業にいたってはシステム対応などの準備がほとんど進んでいないのが実情だ。つまり、いまだにセキュリティー対策は後回しのまま、マイナンバー運用開始を強行するという態度は変えていないのだ。

マイナンバー拡大適用やめろ!

 こんな欠陥だらけのマイナンバー制度にもかかわらず拡大適用だけは一人歩きしている。財務省は消費税増税に伴いマイナンバーを活用する還付制度案をぶち上げたが、実現性ゼロということで漫画的にたち振る舞って頓挫した。マイナンバー拡大適用の悪のりは、これだけではない。すでに2018年からは、金融機関の預金口座にも個人番号が使えるようにし、21年をめどに義務化することも狙っている。IT総合戦略本部は、戸籍事務、パスポート申請、医療・介護・健康情報の管理、自動車登録を挙げている。成長戦略も、17年度以降、個人番号カードをキャッシュカードやクレジットカードとして利用できるようにすることを明記していた。NHKの籾井勝人会長にいたっては、受信料の支払率向上に向けて「積極的にマイナンバーの活用を検討したい」と言うほどだ。

 警察庁は、マイナンバー制度が省庁自治体間のデータ連携を認めていることを根拠にして対テロ治安弾圧のために個人情報の取得の強化のためにフル回転させようとしている。マイナンバーカードは、顔写真が記載されたICチップのついたカードだ。この顔認証システムと防犯カメラで集積したデータをリンクさせ、人物特定・追跡していくシステム開発もめざしている。「サイバーセキュリティ戦略」ではグローバルテロリズムとの対決の観点から2016伊勢志摩サミット、2020東京オリンピック・パラリンピックをメルクマールにして対策を強めろと「決意表明」している。マイナンバーを通した人権無視、治安弾圧、金儲け優先を許してはならない。

 欠陥だらけのマイナンバー一六年一月運用を中止せよ!拡大適用をやめろ!

(Y)