国賠ネット 2月21日、国賠ネットワークは、第二六回交流集会が行なわれ、約50人が参加した。

 

国賠ネットは、国や自治体の公務員から不法な被害を受けた人たちが国家賠償法により責任を問い、賠償を求める国賠裁判を進める原告や支援グループの連携や相互支援をめざしたネットワークだ。前半は、総会が行なわれ、この1年間の活動等を報告した。

 

講演は、竹内明美弁護士が「面会妨害国賠の現状と今後の課題」をテーマに提起した。

 

竹内さんは、東京拘置所で接見した際に体調が悪い被告をカメラで撮影して、接見を打ち切られ、その面会妨害(2012年3月30日)に対する国賠の原告だ。被告人はソマリア人の男性(11年、アラビア海の商船三井のタンカーを乗っ取ろうとして米軍が海賊対処法違反で逮捕、日本に引き渡す)。男性と接見中、体調及び精神状態の不良が見られたため、写真撮影し、録画を行なおうとした。ところが東京拘置所職員がのぞき窓から撮影行為を目撃し、写真消去を要請してきた。拒否したところ職員は、『接見中止』と告げ、強制終了させた

 

国賠は、12年10月12日に提訴し、14年11月7日に東京地裁が国に10万円の支払いを命じたが、「裁判の証拠に使う目的での被告の撮影は認められていない」と違法を認める不十分な内容だった。

 

竹内さんは、一審判決の問題点を次のように整理した。

 

①「接見」の意義―「写真撮影は接見室で取得した情報の記録化だ。国は、写真撮影は『接見』ではないと主張してきた。判決は、接見を意思疎通の確保であると限定的に解釈し、証拠保全と接見を分断して考えている」。

 

②弁護活動の自由について―「男性の心身の状況を写真撮影し、証拠として保全しておくことは、弁護活動上も必要性が高い。弁護活動の自由として保障される行為であり、それを制限したことは弁護活動の自由の侵害だ。判決は、原告の主張に触れず、撮影行為を禁止し得る実質的な論拠を示さなかった」。

 

③カメラ持込み・撮影禁止の根拠の希薄さ―「国は、外観を撮影する必要があるなら、証拠保全としての『検証』を行なえば足りる。写真撮影を認める必要はないと主張。さらに写真撮影を許すと『未決拘禁者と第三者との無制限な意思疎通を許すこととなり、未決拘禁者の逃走又は罪証隠滅のおそれが生ずる』『(画像が)被収容者の逃走の援助や身柄奪取のために用いられるおそれがある』まで主張してきた」。

 

「原告は、検証より迅速かつ簡易な写真撮影を禁止する理由はないと主張した。写真撮影=接見であり、刑訴法39条2項に基づき写真撮影を禁止する法令はないと反論したが、排除された。『撮影行為により被告人の状態を正確に記録化できることは、弁護活動を行うに当たって……必要不可欠とまでは言い難い』の一言だ」。

 

竹内さんは、一審判決に対して原告・被告ともに控訴し、3月5日から始まることを報告し、「撮影行為は、男性の現況を証拠として保全する最も効果的な手段であり、弁護活動として重要性は極めて高い。撮影行為を制約することは、必然的に『接見』の制約を伴うことになる。撮影行為の禁止も『相当の蓋然性』が認められなければ許されない」と強調した。

 

集会の後半は、裁判進行中の富山(氷見)冤罪国賠、布川事件国賠、麻生邸リアリティツアー国賠、築地署公妨国賠、新宿署違法捜査国賠、星野再審の手紙・ビデオ国賠、横浜事件国賠、よど号逮捕状撤回国賠などから報告が行なわれた。

 

最後に故国倍ネットワーク大勝・最悪賞を選出した。

 

(Y)


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