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雨傘運動の中心を担った香港大学生連合会(学聯)は8つの大学の学生会の連合組織でしたが、雨傘運動での指導に批判的な右翼本土派(中国大陸の中国人を排斥する香港中心主義・排外主義)らのイニシアチブのもと、構成団体の一つであり現執行部の書記長を輩出している香港大学学生会で「学生連合会からの脱退に関する学生投票」が2月8日から13日の日程で行われ、脱退賛成2522票,脱退反対2278票,棄権1293票という結果で脱退を決定しました。また香港大学だけでなく、嶺南大学、理工大学などでも学生連合会からの脱退を進める右派の運動が展開されています。以下は區龍宇さんが「独立媒体」に発表した論評。原文はこちら (H)


学生諸君、これは政治闘争である

區龍宇



香港大学学生会を香港大学生連合会から脱退させるという右翼本土派の策動の成功は、われわれに対する警鐘である。香港大学から選出されている学生連合会の代表は、脱退の策動に対してすぐに明確な反対を示さなかったことについて遺憾の意を表明した。愚見だが、このような敗北的様相は、じつのところ雨傘運動の際にすでに形成されていたと考えられる。

陳雲(嫌中排外主義の学者:訳注)が「学生連合会を解散し、学生会の自治連合を再編せよ」と呼びかけたときに、

右翼本土派があちらこちらで雨傘運動の参加団体に旗を掲げさせないように試みているときに、

彼らが街頭討論を組織する団体に対して攻撃を行い、とくに学生連合会がモンコック(旺角)で行った街頭討論を破壊しようとしたときに、

彼らが自由に「サヨク」というレッテルでほとんどすべての団体に対して侮蔑を行っているときに、

彼らがベテランの社会運動活動家に対して口汚くののしっているときに、

彼らが雨傘運動のメインステージの撤去と警備係の廃止を叫んでいるときに、

われわれはつねに譲歩し、旗を降ろし、仲裁し、みずからの至らなさについて謝罪するだけだった。なかには自衛反撃をする者もいたが、個人的な対応にとどまり、集団的な反撃を行わなかった。このときすでにわれわれの敗北は始まっていたのである。

より厳格にいえば、このように恥知らずな攻撃をおこなっていた右翼本土派はすでに単なる右翼ではなく、極右へと向かっていたのである。しかし極右に向かう人々に対する民主派の対応が、このような譲歩に次ぐ譲歩であったことから、現在につながる禍根の種を遺すことになった。なぜなら政治は受動と真空を最も嫌うからである。種々の不当な攻撃と侮蔑に対して沈黙すれば、それを見た人は「黙認するんだな」と考えるだろう。もし不当な攻撃に対して反撃もせず逆に陳謝して矛盾を緩和しようとすれば、それを聞いた人は「間違いだったことを認めるんだね。だって謝ったんだから」と考えるだろう。

右翼本土派に対しては、ソフトな対応だけでなく、ハードな対応も必要である。明らかに路線闘争が必要なのであり、投げかけられた侮蔑に対しては断固として反撃しつつ、民主化運動内部の自由と多元主義を防衛しなければならない。わたしは今になってこのような主張をしているのではない。雨傘運動開始後すぐに、右翼本土派による運動破壊が明確になり始めてから、幾度となくこのような警報を発してきた。残念なことにそれに対する反応はほとんどなかった。中国に「ウリを植えればウリが獲れ、豆を植えれば豆が獲れる」という諺があるが、今回の学生連合会からの脱退は、すべてのオールド、ミドル、ヤングのすべての世代の民主派が右翼本土派の攻撃に対して軟弱な対応で萎縮した結果である。

1月31日に社会民主連線(民主派政党:訳注)が開いたシンポジウムでの羅永生(嶺南大学教員)の報告は非常によかった。彼によると、雨傘運動全体で言えば、主流民主派、社会運動団体、左翼にいたるまで、政治的準備の欠落はもとより、さらには意志に欠けていたが、逆に右翼本土派には備えがあり、また闘争の意志があったことから、雨傘運動のなかでもっとも収穫が大きかったという。

とはいえ、現時点からの反撃でも遅すぎるということはないだろう。学生諸君たちもすでに準備を始めていることと思う。だが、右翼本土派による学生連合会や民主化運動に対する破壊および排外主義を阻止しようとするのであれば、守勢一方ではだめなことは言うまでもないが、反撃するにしても、主張に頼るだけの反論ではなく、直接対決するような反撃が必要である。だがそのチャンスはまだ到来はしていない。現時点でできること、やらなければならないことは、運動の焦点を真の敵(中国政府および香港政府)の方向に向けるということである。

たとえば、今年3月に開かれる中国全人代において、われわれは「香港選出の全人代代表は我々の代表ではない」という宣伝および請願行動を行い、香港から選出される全人代代表を誰もが立候補できる普通選挙にって選出し、香港人の運命を自主的に決められるように要求を掲げつつ、中国全土の全人代代表も同じように選挙で選ぶことを主張する。

これによって、香港人の中国公民としての権利が中国共産党によって否定されている事実を顕在化させ、「選挙によってえらばれていない政権に統治権はない」という原則にもとづいて、香港人の自主(自治)要求を目的をすることができる。目的の二つ目は、このような要求を掲げることで右翼本土派との区別をはっきりとさせることができる。われわれは香港の自主とともに、中国の民主を要求する(それは大中華主義的要求ではなく、民主主義的要求である)。三つめの目的は、中国からの観光・買物客に対する批判の的を、最大の敵である中国共産党へと移すことである。

もしこれらの活動がうまくいけば、右翼本土派との直接対決でもなく学生連合会脱退への直接の反撃ではないにもかかわらず、右翼本土派に対抗するという意志はこれらの活動の中に明確に位置付けられるのである。

2015年2月18日