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「突入をやめなければ武力を用いる」という警告を掲げながら
学生部隊に突入する香港警察(2014年12月1日未明)
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香港「雨傘運動」のオキュパイ(占拠)は大きな転換を迎えつつある。11月25日に九龍半島側のオキュパイ拠点であった旺角オキュパイが強制排除された。「雨傘運動」の指導部に押し上げられた学生団体は、運動のレベルアップを求められ、11月30日の夜に香港島側のオキュパイの最大拠点である金鐘オキュパイに隣接する香港政府本部ビル包囲封鎖行動を呼びかけた。結果的には封鎖行動は半日しかもたず、オキュパイ拠点の防衛を継続することになった。以下は、政府本部ビル包囲封鎖を呼びかけた学生連合会の声明および参加を呼びかけた左翼21の声明の翻訳。(H)



政府が市民の訴えに答えなければ
政府本部ビル封鎖を解くことはできない


香港大学生連合会

(原文はこちら

オキュパイ開始から64日が経過したが、政権は取り乱すばかりであり、逆に市民に対する滅茶苦茶な弾圧を強めている。今晩9時、香港大学生連合会(学聯)としみんは「警察に対する不要な挑発あるいは襲撃はしない、集団で行動する、公共施設を不要に破壊しない」という三つの原則のもとに、権力中枢の象徴である政府本部ビルの封鎖を試みた。

これまでに、添馬、龍和通り一帯で多数の衝突がみられた。ニュースの中継では、デモ参加者が顔面から流血し、随所にあざができ、あちこちに傷痕が見られた。ヘルメットで武装した警察が、デモ参加者に対して警棒を振るいながら雨傘を払いのけ、段ボールで作られたデモ隊の盾を奪い去りながら、添華通りに引きずり込んで拘束した。警察は市民を地面に押さえつけながら、手足をきつく縛りあげていた。そしてペッパーガスを噴射したあとに、その容器をデモ参加者の顔面に押し付けるという恥ずべき暴力を見せた。

特区政府と親中派団体は、オキュパイ参加者が道路を占拠し、民生に影響を与えていると批判してきた。前線での衝突で、警察はなんども警告用のレッドフラッグを掲げ、警察の防衛ラインに近づくことを禁じ、わずかでも動きがあれば、ペッパーガスを噴射し警棒で殴打した。だが市民はひるむことなく次々と押し寄せ、不服従の抵抗に奮闘し、オキュパイを各地で展開し、その規模を拡大してきた。結局のところ、市民が立候補する権利を簒奪してはばからず、市民の道徳的権利という最低限の防衛ラインに対して何度も攻撃を行い、民意を踏みにじってきたのは梁振英を首班とする特区政府であり、いまふたたび機動隊を動員して無辜の市民に対する冷血な弾圧をおこなっている。

対岸(台湾)で終了したばかりの選挙では、民意を軽視し、一度は学生(ひまわり運動)に対して暴力的弾圧をおこなった政権党が無残にも惨敗した。「人民の側に立たない政府から、人民は権力を取り戻すことできる!」という主張はすでに国際的にも通用する名言であり、公権力を手放そうとしない支配者は無視することができないテストの一つとなっている。学生連合会は、市民に対して明日の出勤時間まで政府本部ビルを封鎖し、政府本部ビルの動きを麻痺させることを呼びかける。特区政府は学生連合会や様々な団体が堅持する「8月31日の(中国全人代常務委員会の決定という)枠組みを撤回し、選挙制度改革のための一連の手続きを再度実施せよ」という訴えに答えるべきである。もしそれに応えなければ、われわれは政府が人民に帰するまで、政府本部ビルの封鎖を継続しつづけるだろう。

香港大学生連合会
2014年11月30日


 左翼21 
暴力装置は人民を犠牲にして肥大する
政府本部ビルを包囲して権力エリートに迫ろう


(原文はこちら

2014年11月30日この夜、学生連合会と学民思潮のリーダシップによって、二か月にわたって続けられてきたオキュパイ・ストリートの運動は政府本部ビルの包囲封鎖に発展した。

かつての植民地時代から現在の特区時代にいたるまで、香港政府は決して我々自身の政府であったことはなかった。かつては、イギリス植民地主義者と香港の大ブルジョアジーは支配のための同盟を結んで香港を支配した。97年の中国返還後、中国共産党政府は同じように大ブルジョアジーと結託した。立法会(香港議会)の職能別議席選挙や特区行政長官選挙の選挙委員会、そして今回の中国全人代常務委員会による行政長官選挙立候補者指名委員会という枠組みは、すべて徹頭徹尾、大ブルジョアジーの利益を保護するために設定されたものだ。

そうであるがゆえに、この政府の施策は、人民の生活を犠牲して支配階級の利潤を増加させるものに他ならない。そうでなければ、この政府が人口の高齢化現象が迫る2008年に利得税率を17.5%から16.5%引き下げながら、巨額の公共工事を行った後に、長期的な民生生活の安定のための収入が不足しているなどと平然といえるだろうか。

董建華、曾蔭権、そして梁振英ら歴代の行政長官の権力の源は、中国共産党と大ブルジョアジーである。かれらが指導する政府は、既得権益者が人民を犠牲にして肥大する政府である。労働者は長時間労働、青年たちは高まる学生ローンに苦しんでいる。ますます高まる家賃、公営医療機関における長時間の待ち時間、高齢者の生活保障問題など、中産階級から庶民まで、影響を受けないものはいない。しかし、香港がこれらすべての人々の尊厳ある生活を保障するための財源に事欠いているわけではない。問題は、政権を握る人間たちが自分自身の利益のために、民衆をますます抑圧せざるをえないというところにある。

世界の他の民主国家を見ても、普通選挙が存在すれば人民の生活に尊厳が保障されるわけではないことがわかる。つまり真の普通選挙はなんら過度な要求ではなく、「とりあえず実施する」ものに過ぎない(訳注1)。しかしこの政権は何ら妥協しようとせず、自ら引き起こした社会的分裂の責任をオキュパイ参加者らにかぶせ、あらゆる暴力装置を用いて民衆の正義の訴えを弾圧しようとしている。

見境なく口汚くののしるだけの支配階級の混乱ここにいたり、行動のレベルアップは避け難い。政府本部ビルの包囲行動で、民衆を犠牲にして肥大する権力エリートの国家システムに迫り、この既得権益者らに対して、市民らへの抑圧を停止しなければ、民衆の抵抗の意志はさらに強まるだけであるという決定的な段階にあることを見せつけよう!

文:左翼廃老

訳注1 「とりあえず実施する」は、中国政府による漸進的な選挙制度改革の表現。将来的には真の普通選挙を実施すると読み替えることもできるが、香港基本法では現在の「とりあえず実施する」案が最終目標とされていることから、中国政府の案は「とりあえず」ではないという批判がある。ここでは自由な立候補を含む「真の普通選挙」こそ「とりあえず実施する」必要があると主張している。「とりあえず実施する」の詳しい解説は「香港ポスト」のこちらの記事を参照。