現闘本部[1]三里塚空港に反対する連絡会から

5月14日、千葉地裁(金子直史裁判長)で成田国際空港会社が三里塚反対同盟(柳川秀夫世話人)に対して横堀現闘本部撤去を求めた第1回口頭弁論(朽廃建物収去土地明渡請求事件)が行われた。

 


空港会社は、空港反対闘争破壊のために天神峰、東峰住民に対する追い出し攻撃を強め、連動して横堀団結小屋強制撤去(2012年11月28日)に続いて成田空港横風用滑走路完成を阻む横堀現闘本部(芝山町香山新田)破壊にむけて2月6日、千葉地裁に提訴した。


現闘本部の土地は最高裁の不当判決(13年4月)によって空港会社が所有権を強奪したが、本部建物と各私有物について一切触れることができないでいた。だが空港会社は、羽田空港新滑走路供用開始による成田空港の地位低下、アジア国際空港競争の劣勢挽回のために30万回離発着、空港拡張、安全軽視の格安航空会社(LCC)の誘致、離着陸制限時間の緩和圧力を強めている。

 

あげくのはてに東京五輪による航空需要拡大などと過大需要をデッチ上げてさらなる過密運行、安全軽視、環境・人権破壊、空港公害の拡大をねらっている。あせりに満ちた空港会社は横堀現闘本部撤去を避けることができず、横堀誘導路の拡張なども含めて横風用滑走路完成化に突き進まざるをえないのだ。


空港会社の主張は、こうだ。

 

①原告―(1998年)「1月に開催された旗開き以降は一切使用していない」。

 

被告反論―1998年1月以降も諸々の行事や会合で使用していた。例えば、2004年8月7日、横堀香山稲荷神社前(横堀現闘本部ウラ)で横堀開拓百年記念式典を開催し、本部も使った。また、本部には、諸資料・パンフレット・書籍、餅つき道具(臼と杵)、テント、パイプ椅子などがあり、行事があるたびに本部に行き使用していた。

 

それにもかかわらず事前通告もなしに突然、2006年7月~8月、空港会社が横堀十字路から本部に至る通路をバリケードを設置して封鎖を強行し、現闘本部の使用・管理権を剥奪したのである。空港会社の「一切使用していない」というのはまったくの嘘であり、バリケード封鎖は正当な措置であるという主張は成立しない。このような経緯があるにもかかわらず、本部撤去に向けてひた隠しするという稚拙な展開をしているのが実態だ。

 

②原告―「航行の安全に支障が生ずるおそれがあったことから、平成20年9月に本件物件の四方に鉄板塀を設置し、 囲繞した」。「長期にわたり使用されず放置されてきたこと……朽廃し壊滅状態となっている」。

 

被告反論―公道封鎖の事実に触れることもなく、事前・事後において本部を鉄板で囲み、通行・歩行権を剥奪したことを居直っている。反対同盟が「放置」してきたのではなく、空港会社が本部損壊の現状確認、補修作業を妨害し続けていたのが真相だ。本部への交通・歩行権が継続して確保されていれば、当然、本部と私物の使用を行っていた。空港会社の主張は、権利の濫用であり、勝手に本部撤去、私物処分をすることはできない。現状確認するために検証することは当然の権利である。空港会社は検証について「不要」などと排除したが、裁判所は認めるべきである。

 

このように空港会社の手前勝手、杜撰な主張であるにもかかわらず、横堀団結小屋破壊を強行したように現闘本部も司法権力の強制力を使って撤去することをねらっているのだ。司法権力は、国策としての成田空港の完成化にむけて空港会社を防衛しぬき、民衆の権利の否定を繰り返し追認してきた。千葉地裁―空港会社が一体となった敵対を許してはならない。

 

裁判闘争は、現闘本部を守りぬく闘いであり、木の根ペンション・プール、横
堀の鉄塔・団結小屋・案山子亭など反対同盟の拠点強化である。安倍政権の成長戦略による空港乱開発・過密運行政策と真っ向から対決する闘いだ。裁判闘争への支援を訴える。

 

6・1三里塚―横堀現地行動に結集しよう!(6月1日〈日〉/午後1時/横堀農業研修センター)

■裁判闘争費用のカンパ(1口 2000円)を訴えます。
振替口座:00290―1―100426 大地共有委員会〈Ⅱ〉

三里塚芝山連合空港反対同盟(世話人:柳川秀夫)/大地共有委員会Ⅱ(代表:加瀬 勉)
〒289─1601 千葉県山武郡芝山町香山新田 90─5(案山子亭)/電話&FAX0479─78─8101

■横堀現闘本部撤去裁判(朽廃建物収去土地明渡請求事件)


第二回口頭弁論 千葉地裁第601号法廷 
7月9日(水)午前10時30分

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