DSCN1665 3月15日、「さようなら原発」一千万人署名 市民の会」は、日比谷野音で「フクシマを忘れない!さようなら原発3・15脱原発集会」を行い、5500人が参加した。



集会は、木内みどりさん(女優)の司会あいさつで始まった。


武藤類子さん(ハイロアクション福島)は、「福島からの報告」を行った。


「春の風は放射性物質を空中にまわす。楽しみにしていた山菜が今年は食べることがでるかどうか。ささやかな喜びが悲しみにかわって三年の月日が流れた。原発事故の収束はほど遠く、被害は形を変えて拡大している。今でも空へ海に放射性物質が大量に流れている。汚染水は手のほどこしようがない。原発事故現場は、90万シーベルト。作業員の被ばくと賃金搾取が深刻な問題になっている」。


「放射性廃棄物が袋に入れられて道ばた、庭などに捨てられている。18歳以下の子どもたちの甲状腺検査は、26万人中74人が甲状腺ガン、またはガンの疑いだ。危険な状態は続いている」と訴えた。



さらに「3・11は、けっして記念日ではなく、今も続いている。忘れたい、忘れぬものかのせめぎあいのなかにある。現実から目をそむけたら、うわっつらの復興に踊されるだけだ。福島で起こっている人権侵害は、日本のどこにも起こりうる。生きることを喜びながら闘っていきたい」と決意を述べた。

「呼びかけ人アピール」では、大江健三郎さん(作家)が原子力規制委員会が川内原発の再稼働を認めようとしていることを厳しく批判した。

澤地久江さん(作家)は、冒頭、「福島を救えないで、なんで東京オリンピックなのか」と糾弾し、「うそつき安倍首相が今度は国会で『河野談話を否定するものではない』などと表明した。安倍首相に対する批判が強まってしまつたため、このような発言をせざるをえなかった。同じように原発をやめるという国家的声明を出させよう」と呼びかけた。


賛同アピールを秋山豊寛さん(元宇宙飛行士)が行った。


「福島で18年シイタケ農家をやっていた。福島第一原発から32キロだ。しかし、原発事故によって福島ではシイタケ栽培はできなくなった。原木には放射性物質が濃縮されており、セシウムに汚染されたシイタケしかできないからだ。友人から『体内のセシウムのベクレル値が高くなった』という電話をもらった。このように福島は現在進行形で被害が拡大している。東京も関東もとても危険な状態にある。だからこそ原発再稼働を許してはならない」。



「こんな不正義が許されているのは、私たちが認めているからではないか。責任がとれない社会を変えよう。原子力村を許してはならない。これらは私たちの未来に対する責任だ。不当なことを強いる人々に対する怒り、くやしさ、つぶやきを大きな声にし、行動にしていこう。川内原発、伊方原発の再稼働を止めよう」と強調した。


なすびさん(被ばく労働を考えるネットワーク)は、「被ばく労働者春闘として各争議、東電と除染会社の前田建設、関連省庁に対して要請、抗議行動を行ったきた」ことを報告した。

そのうえで「被ばく労働は非人間的な労働だが、そういう犠牲のうえで社会が成り立っている。一人一人の責任だ。皆さんにお願いしたい。『収束作業を急げ』『廃炉作業を加速しろ』『汚染水を回収しろ』など、そういう言い方をしないでほしい。『労働者の安全を第一として慎重に汚染水を回収しろ、作業しろ』と要求していただきたい。収束作業と除染作業の七割が福島の人々だ。脱原発エネルギー政策の転換だけではなく、延々と被ばく労働と向き合っていかなければならない。犠牲のうえで成り立つ社会を拒否する。その意思と努力が脱原発だ」とアピールした。

三・八福島県民集会後からキャラバンを行ってきた仲間たちが到着し、参加した仲間たちの脱原発アピールを全体で確認した。


再稼働問題について松下照幸さん(原子力発電に反対する福井県民会議幹事)は、原発立地における生活・経済問題で引き裂かれる住民の苦闘を報告し、全国とつながりながら脱原発を広げていくことを発言した。

 


最後に呼びかけ人の鎌田慧さん(ルポライター)が閉会あいさつを行い、原子力規制委員会が3月下旬に川内原発再稼働を認めようとしていることに対して緊急国会包囲行動を呼びかけた。


集会後、デモに移り、銀座一帯にわたって「脱原発!再稼働やめろ!」のシュプレヒコールを響かせた。

(Y)

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